火山部会 レビュー調査検討委員会(第6回) 議事要旨

1.日時

平成18年5月29日(月曜日) 13時30分~16時30分

2.場所

文部科学省ビル10階 10F4会議室

3.出席者

委員

 石原
臨時委員
 清水、平林、藤井、【横田(濱田委員代理)】
専門委員
 中田

文部科学省

 西尾地震・防災研究課長、加藤学術調査官、他関係官

4.議事要旨

○委員 △事務局 □オブザーバー

冒頭 事務局より委員の交代について報告があった。

(1)特定火山に関する実施状況および「当面の富士山の観測研究の強化について(報告)平成13年6月」に関する実施状況についての取りまとめ

 まず始めに、事務局よりこれまでの作業経緯について説明があり、続いて資料(1)~資料(3)の各特定火山(浅間山、三宅島、阿蘇山)および資料(4)の「当面の富士山の観測研究の強化について(報告)平成13年6月」の取りまとめ案について審議を行った。
 主な意見は下記の通り。

「浅間山」

委員
 見え消しになっているのは、関係機関からの意見ということでよいか。

事務局
 そのとおりである。

委員
 論文等について、今後、最新の論文等への更新をするのか?

委員
 本資料については、6月15日の火山部会に報告を行い、今後設置される予定であるレビュー起草委員会(設置予定)に引き継ぐことになる。そこで、適宜更新されると思う。

委員
 実施状況についてだが、電磁気探査についての記載がない。

委員
 資料をまとめた時点では、まだ解析結果が出ていなかったので、記載していなかった。

委員
 部会に報告するのであれば、最新の情報に更新したほうがよいのではないだろうか。

委員
 レビュー起草委員会が設置され作業を進めていく過程でこの資料の更新を行うことになると思うので、今回については更新しなくてもよいのではないか。電磁気探査の話も含めて、その時点で最新のものにすればよい。

「三宅島」

委員
 1ページ目の最終段落の「2000年に形成された山頂カルデラについては、防衛庁、海上保安庁、警視庁、東京消防庁の協力を得て」と付け加えて頂きたい。

委員
 具体的成果の箇所にもヘリコプターでの火山ガスについての記述を入れたらどうか。

委員
 具体的成果の箇所に機関名を記述することになるので、他の部分との整合性もあり検討が必要ではないか。

委員
 実施状況の最後の部分に注意書きで付記してはどうか。

事務局
 他の部分との並びもあるので、できる限り文中に記載するようにお願いしたい。

委員
 この部分については、主査、気象庁および事務局で再度検討を行う。

委員
 3ページ目の26行目の「また、Banded Tremorが間欠的に発生しており、火山性連続微動の」という部分が分かりにくい。「また、火山性微動も観測されており、連続微動の」と修正する。

委員
 「移流拡散モデル」とは、どのようなものか。

委員
 気象研究所で開発した火山ガスの予測モデルであるが、風によって火山ガスが流される部分と拡散する部分を計算するものである。

委員
 「移流・拡散モデル」であれば、分かりやすいが、「移流拡散モデル」では分かりにくい。

委員
 気象研究所に問い合わせてみたい。

委員
 4ページ目の3.今後の課題と展望の1行目の「地下流出」という用語について、火山地質学の用語として適当かどうか疑問である。他に適切な用語はないだろうか。

委員
 前回のレビュー時には、どのように記述していただろうか。

委員
 「マグマの三宅島外への流出」と記述してある。

委員
 「マグマ溜まりからの三宅島西方への移動」ということでよいのではないか。

委員
 しかしながら、そもそも「近代機器で観測したという、我が国では初めての」という部分も文脈的におかしいと思う。マグマが西方へ移動したこと自体が我が国では稀な事例ということを考えると、この文章はおかしいのではないか。

委員
 水平にマグマが移動したことが火山学的に稀でありかつ、近代機器で観測したこと自体も稀であったということなのだろうか。

委員
 この部分については、実施状況でも記載しているので、課題と展望で記載する必要はないのではないか。

委員
 この部分については修文することとしたい。具体的には、火山学的には稀な事例であったというセンテンスを削除し、観測によって良質なデータが得られモデル化が行われたが、定量的なモデルや具体的なマグマシステムの動態の解析には至っておらず、これらの解明が課題である、という趣旨の文章に修文することとし、主査、気象庁および事務局で検討を行う。

「阿蘇山」

委員
 4ページ目の添付図が作成予定となっているが、どのようなことか。

委員
 これらのデータについて、今後時間軸を揃えた図を作成する。関係大学に対し、データを気象庁に送るように伝えるので、気象庁において作成して頂きたい。

委員
 添付図等は、いつまでの分を記載すれば良いのか。

事務局
 6月15日の火山部会が一つの区切りになるが、レビュー起草委員会においても更新していくと思う。

「富士山」

委員
 4ページ目の構造探査の部分の下から6行目の「電磁気探査による比抵抗構造探査からは」という部分について、「電磁気探査からは」としたい。

委員
 5ページ目の「集中総合観測等による富士山の基礎的データの蓄積」の第3段落目の「地下数100メートル」という用語が出てくるが、この記載方法でよいか確認して必要があれば修正する。

委員
 また、この項目の第3パラグラフについては、その前の2つのパラグラフの大学と防災科学技術研究所の事柄を合わせて記述しているので、
「大学では2002年度に、地震、地殻変動、重力、電磁気、火山ガス調査からなる集中総合観測を実施した。電磁気探査等の結果からは、富士山の地下数 100メートルには、地下水を多く含む層が広がっており、山頂火口の地下500メートル付近には熱水の上昇を示唆する結果が得られた。
 防災科学技術研究所は、火山専用空中赤外映像装置を用いて、富士山山体の温度観測を山頂火口を南北に横切る飛行コースと東北東山麓コースの2回実施し、富士山の現状把握を行った。その結果、観測範囲において日射の影響と明瞭に区別できるような地表面温度の上昇領域は確認できなかった。」
と実施機関ごとに区分した方が分かりやすい。

委員
 資料(5)、資料(6)についてはどのように活用するのか。

委員
 6ページ目の「研究成果による社会への貢献」や「地方自治体や地域住民への成果の普及」の項目にこれらの結果を記述するのはどうか。

委員
 また、外部評価の際の資料として使うことも考えられるのではないか。この資料の使い方について何かよい案はないだろうか。

事務局
 社会に向けてどの程度成果を還元したかということが分かるので積極的に使うべきだと思うが、この資料は関係各機関からの情報をそのまま並べ替えただけの生のデータであるので、このデータを取りまとめてどのような形で使っていくのかは検討が必要だと思う。例えば、シンポジウムに関しては、誰を対象に、何回開催し、トータル何人出席したかといった数字等を文中に盛り込む等といったことが考えられるのではないか。

委員
 レビュー全体としての具体的な使い方はレビュー起草委員会で決めるとして、この富士山の項目については「研究成果による社会への貢献」や「地方自治体や地域住民への成果の普及」の箇所に取りまとめた数字を記入することとしたい。

委員
 資料(4)に限ったことではないが、用語等の統一が取れていない箇所があるので、ある程度は統一した方がよいと思う。

(2)レビューの実施方法等の調査検討および収集資料の取りまとめ

 まず始めに、事務局より資料(7)~資料(10)を用いて説明があり、続いてこれらについて審議を行った。
 主な意見は下記の通り。

委員
 レビューの実施期間としては、平成14年度、つまり2002年度分からということか。

委員
 そのとおり。

委員
 外部評価委員会については、どこに設置するのか。

事務局
 分科会の下に設置することを想定している。

委員
 構造探査と集中総合観測については、関係機関にどの項目で記載させる等の仕分けはどうするのか。第6次火山噴火予知計画のレビュー時では、この二つをどこの項目で記載させるのかということについては、大変難しかったと記憶している。

委員
 この様式のままで関係機関に対し照会をすると、構造探査と集中総合観測をどの項目に記載すれば良いかが分からず混乱を招くので、フォーマット1について新たにページを追加し、構造探査と集中総合観測について記載させるようにすればよい。そして、レビューする段階で、担当委員が適宜該当する項目に振り分けていけばよいと思う。

委員
 私も同じ意見である。構造探査と集中総合観測についてあらかじめ委員会で記載する項目を指定したとしても、結局は各機関によって書き方のスタンスに違いがあるので、再度担当委員が振り分ける必要がある。そうであるならば、最初から構造探査と集中総合観測については別の独立な項目で記載させ、それを担当委員が割り振っていくほうが、全体的な手間を考えると簡単であると思う。

委員
 その際には、各火山における構造探査および集中総合観測の取りまとめを行った担当機関において、他の機関の分も含めて一括して資料を作成し、論文等についても担当機関が全機関分を取りまとめる。担当機関以外は記載しなくてよいと注意書きを付けて依頼する。

事務局
 構造探査と集中総合観測の項目をフォーマット1に新たにページ設けてその担当機関に記載してもらうということだが、計画の主要な4つの項目のうちの「特定火山(浅間山、三宅島、阿蘇山、富士山以外)の観測研究」との関係はどうなるのか。

委員
 伊豆鳥島や硫黄島等のように構造探査や集中総合観測を実施していないが、レビューの実施期間内に活動があった火山についての報告が出てくる可能性もあるので、この項目は残しておく。

事務局
 具体的にレビュー実施期間において構造探査および集中総合観測を行った火山を教えて頂きたい。

委員
 資料(7)を見てもらいたいが、浅間山、北海道駒ヶ岳、草津白根、御嶽山、口永良部島、富士山である。平成18年度は有珠山、浅間山である。

事務局
 浅間山については、特定火山の事前の資料収集として本委員会において構造探査と集中総合観測を含めて、関係各機関への照会を行ったが、再度照会する必要はあるのか。

委員
 浅間山については、確かに本委員会で特定火山として資料収集を行ったが、この資料収集で抜けている可能性のある小規模な調査研究や関連論文もあり得るので照会したほうがよい。

委員
 全般的な項目のうち、「火山噴火予知を果たすための現行の予知計画の枠組みの必要性」は、何を記載すればよいか分からないと思う。6つめに記載のある「火山噴火予知研究の今後の展望と課題(実施体制や支援体制の在り方も含む)」との違いは何なのか。

事務局
 法人化を踏まえ状況も変わってきているので、(6)全般的な項目の6つめの実施体制や支援体制の在り方とも重なってしまう部分もあるが、現在の枠組みについてのご意見を頂ければということで、この項目を設けている。

委員
 必要性というのは、建議が無ければ予知計画が進まないかどうかということについて記述してもらうということか。

事務局
 それについては、いろいろな考えがあると思うが、各機関の自由なご意見を聞きたいと考え、この項目を設けた。

委員
 現行の枠組みというのは、人によってとらえ方が様々であると思う。

委員
 現行の枠組みの必要性ということは、国立大学の法人化という変化を受けて、予知計画の枠組みが法人化後もしっかりと機能しているかどうかということだろう。

委員
 火山噴火予知のために予知計画は必要なのか、もし必要ならば国立大学の法人化等も含めて現行の予知計画の枠組みはしっかりと機能しているのか、具体的に照会したほうがよい。

委員
 噴火予知計画を実施する上で直面している問題点を書かせればよい。それについて、法人化前後の状況を踏まえて記述してもらう。

委員
 この部分については、「火山噴火予知計画を実施するにあたっての問題点と改善策(独立行政法人化および国立大学法人化などの状況変化および全国共同利用研究所の役割などを踏まえ)」として計画を実施する上での枠組み的な問題点を記述してもらう。そして、6つ目の項目の「火山噴火予知研究の今後の展望と課題(実施体制や支援体制の在り方を含む)」の部分については括弧書きを削除し研究的な問題点を記述してもらうようにすれば分かりやすいのではないか。並び順については、1番目が「これまでの火山噴火予知計画を通しての総括的な意見」、2番目が「世界各国の火山噴火予知と対比した日本の火山噴火予知計画の位置付け(観測体制、予知研究、防災対応を含む)」、3番目が「火山学や関連分野の発展における火山噴火予知研究の成果の位置付け」、4番目が「火山噴火予知の観測研究成果の社会への還元」、5番目が「火山噴火予知計画を実施するにあたっての問題点と改善策(独立行政法人化や国立大学法人化などの状況変化および全国共同利用研究所の役割などを踏まえ)」、6番目が「火山噴火予知研究の今後の展望と課題」、そして7番目が「その他、特に記すべき事項や意見」としたい。

委員
 この全般的な項目については、火山部会の委員に対しても意見を求めるのか。

委員
 事務局からも説明があったが、火山部会委員に対しても照会し意見を求める。

 以上の議論を踏まえ、6月15日に開催予定の火山部会において報告を行うこととなった。今後、火山部会までの間に修正が必要な箇所があった場合には、その取り扱いについて主査一任とすることが了承された。

以上

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研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)