関係各機関修正意見

 「地震予知のための新たな観測研究計画(第2次)」

平成19年度年次報告【項目別】関係各機関修正意見

 

●全般的な意見

 

1.修正箇所:本報告書全般(飛田委員)

修正内容:干渉SAR解析→SAR干渉解析

理由:従来は前者の使用も見られたが、最近、SARコミュニティーでは、後者へ統一する動きがあり、反対意見は見られない。

対処方針:意見の通り修正

 

 

●1.(1)「日本列島及び周辺域の長期広域地殻活動」研究計画

 

2.修正箇所:13ページ下から4行目(飛田委員)

太平洋のプレート運動を精密に推定するために設置した南太平洋地域のGPS観測点での観測を継続している(国土地理院[課題番号:6002])。

修正内容:太平洋のプレート運動を精密に推定するために設置した南太平洋地域のGPS観測点での観測を継続している(国土地理院[課題番号:6031])。

理由:課題番号6031は平成18年度までの計画である6002を引き継ぎ実施されているため。

対処方針:意見の通り修正

 

3.修正箇所:13ページ下から2行目(飛田委員)

GPS連続観測点を2点

修正内容:GPS連続観測点を5点

理由:課題番号6004の報告書の記述に合わせて適切な数字に修正。

対処方針:意見の通り修正

 

 

●1.(2)「地震発生に至る準備・直前過程における地殻活動」研究計画

 

4.修正箇所:22ページ上から18行目

31ページ下から17行目(西澤委員)

(海上保安庁[課題番号:8003])。

修正内容:(海上保安庁[課題番号:8003]、Matsumoto et al., 2008)。

(参考文献に、以下の記述を追加)

Matsumoto, Y., M. Sato, M. Fujita, T. Ishikawa, H. Saito, M. Mochizuki, T. Yabuki, and A. Asada, Undersea crustal movement off the Tokai District, central Japan, detected by GPS/acoustic seafloor geodetic observation, Report of Hydrogr. and Oceanogr. Researches, 44, 1-7, 2008.

理由:東海沖海底基準点の成果に関する論文が最近印刷されたため。

対処方針:意見の通り修正

 

5.修正箇所:26ページ上から2行目

31ページ上から22行目

37ページ図20(飛田委員)

追加

修正内容:SAR干渉画像中に、西山丘陵西側斜面における活褶曲の成長を示す地殻変動が見出された。こうした隆起は、隆起域直下の浅部(0.1~1.3km)に南東傾斜の断層を仮定し、約10cmの逆断層運動を考えると説明でき、この浅部の断層が常楽寺断層の南部延長とも考えられることが示された(図20)(Nishimura et al., 2008)。

(参考文献に、以下の記述を追加)

Nishimura, T., M. Tobita, H. Yarai, T. Amagai, M. Fujiwara, H. Une, and M. Koarai (2008), Episodic growth of fault-related fold in northern Japan observed by SAR interferometry, Geophys. Res. Lett., 35, L13301, doi:10.1029/2008GL034337.

(以下の図を追加)

図

図:「だいち」残差干渉画像と背斜軸、活断層の分布。中越沖地震に伴う地殻変動は、本震の断層モデルを用いて除去した。(a)南行軌道衛星(東側上空)からの干渉画像。(b)北行軌道衛星(西側上空)からの干渉画像。(c)4つの断面における変動ベクトル図。青矢印が観測値。赤矢印が南東傾斜の逆断層による計算値。J.F.:常楽寺断層、O.A:小木ノ城背斜。

 理由:平成20年5月9日開催の観測研究計画推進委員会で、「中越沖地震の西山丘陵隆起は、『準備・直前過程』に入れる。また西山丘陵の論文は、項目別成果の目玉に成りうるので、acceptされたら、可及的すみやかに知らせてほしい。」との主査の発言があった。これに従った修正。適宜、成果の概要または重要な成果への追加も検討していただきたい。

対処方針:意見の通り修正(概要へは未反映)

 

6.修正箇所:26ページ下から1行目(斎藤委員)

追加

修正内容:また、全磁力から日本列島全域における応力変化をモニターする体制を構築するため、柿岡、女満別、鹿屋、いわき、北浦、阿蘇山麓において全磁力精密連続観測を実施した(気象庁[課題番号:7018])。

理由:気象庁における全磁力精密連続観測は継続して実施しており、平成19年度の年次報告においても、平成18年度の報告同様に記載されたい。

対処方針:意見の通り修正

 

7.修正箇所:29ページ上から13行目(飛田委員)

感覚

修正内容:間隔

理由:誤字。

対処方針:意見の通り修正

 

 

●1.(3)「地震破壊過程と強震動」研究計画

 

 

●1.(4)「地震発生の素過程」研究計画

 

8.修正箇所:47ページ下から7行目(勝俣委員)

追加

修正内容:さらに、摩擦熔融時における垂直応力変動が断層のせん断強度に及ぼす影響を評価した

理由:引用論文の内容を正確に記述するため。

対処方針:意見の通り修正

 

 

●2.(1)「地殻活動予測シミュレーションモデルの構築」研究計画

 

9.修正箇所:54ページ下から11行目(金田委員)

破壊エネルギーに不均質を与えることで、上記の問題解決につながることがわかった。連動する・しないといったことや、

修正内容:破壊エネルギーにスケールに依存し、かつ階層性をもった不均質を与えることで上記の問題解決につながることがわかった。再来間隔変化のパターンはまだ再現できていないが、連動する・しないといったことや、

理由:「破壊エネルギーに不均質を与える」だけでは抽象的すぎる。また「上記の問題解決につながる」と書くだけでは、平面形状で再現できていたパターンも三次元形状で再現できたように誤解を招く。

対処方針:「破壊エネルギーの分布に不均質を与えることで、上記の課題の解決につながることが分かった。」とし、「連動する・しないといったことや、倍半分の大きな再来間隔の変化は三次元プレート形状を導入しても生じる。」については削除。

 

 

●2.(2)「地殻活動モニタリングシステムの高度化」研究計画

 

10.修正箇所:60ページ下から1行目(斎藤委員)

気象庁以外のデータを用いた同時異常の監視を可能にし、その有効性を確認した

修正内容:気象庁以外のデータを用いた同時異常の監視を行うための検討を引き続き行った

理由:気象庁以外のデータを用いた監視はまだ開始していないため。

(機関別年次報告の「有効性の確認」は、気象庁の隣接する観測点同士の同時異常監視の有効性の確認であるため)

対処方針:意見の通り修正

 

11.修正箇所:61ページ上から3行目(斎藤委員)

ケーブル式海底海底地震計システム

修正内容:ケーブル式海底地震計システム

理由:誤字の修正。

対処方針:意見の通り修正

 

12.修正箇所:61ページ上から19行目

63ページ上から4行目(小泉委員)

東海地域の地下水観測設備の高度化を進めるとともに、2003年新潟県中越地震や2007年新潟県中越沖地震などによる地下水への影響は、地殻変動や応力状態の変化ではなく地震動によりもたらされることを示した

修正内容:東海地域の地下水観測設備の高度化を進めた。

理由:後半部分は他地域の結果であるため、2(2)エの「その他」部分へ移動すべき。

対処方針:意見の通り修正

 

13.修正箇所:61ページ上から20行目

63ページ上から6行目(小泉委員)

さらに地下水の間隙水圧および隣接する帯水層が地殻歪測定へどのように影響を及ぼすかについて、神岡および野島のボアホールを用いて推定した(京都大学防災研究所[課題番号:1810]、Kano et al. 2007)。

修正内容:2(2)エの「その他」部分に移動すべき。

理由:2(2)イの「東海地域」の成果ではないため。

対処方針:意見の通り修正

 

14.修正箇所:61ページ下から13行目(飛田委員)

牡鹿地区

修正内容:削除

理由:「牡鹿地区」は東南海・南海地域ではないため。

対処方針:意見の通り修正

 

15.修正箇所:61ページ下から11行目(小泉委員)

また過去の南海地震時の松山道後温泉における温泉水位変動について検討し、強震動による水位上昇のほか南海地震では歪変化によって水位低下をおこすことが明らかになった

修正内容:また過去の南海地震時の松山道後温泉における温泉水位低下について検討した。同温泉は、地震動によって一般に水位上昇するが、南海地震の時は、地震時の大きな歪増加によって水位低下を起こすことが明らかになった

理由:過去の南海地震では、いずれも水位または自噴量が低下している。地震動による水位上昇は以前は知られていなかった。原案ではそれらが明確ではない。

対処方針:意見の通り修正

 

16.修正箇所:63ページ上から2行目(飛田委員)

測量を開始した。

修正内容:観測を開始した。

理由:課題番号6018報告書の記述に合わせて適切な用語に修正。

対処方針:意見の通り修正

 

 

●2.(3)「地殻活動情報総合データベースの構築」研究計画

 

17.修正箇所:68ページ下から4行目

69ページ下から1行目(斎藤委員)

地震年報,2008

修正内容:地震年報,2006

理由:誤字の修正。

対処方針:平成19年度の成果ではないため、削除

 

 

●3.「新たな観測・実験技術の開発」研究計画

 

18.修正箇所:70ページ下から16行目(西澤委員)

海上保安庁,2007

修正内容:Matsumoto et al., 2008

理由:論文が掲載されたため。

対処方針:意見の通り修正

 

19.修正箇所:74ページ上から6行目(飛田委員)

課題番号6030、6032についての記述を追加。

修正内容:また、国外においては2007年9月12日スマトラ南部沖の地震(M8.4)に伴う地殻変動が検出された(国土地理院[課題番号:6022、6030]

理由:記載漏れのため。

対処方針:6030については上記の通り追加。6032については、平成19年度は「だいち」の機動解析の事前調査であるため、成果としての記述はせず。

 

20.修正箇所:74ページ上から7行目

76ページ上から19行目(飛田委員)

国土地理院[課題番号:6022]、雨貝ほか,2008、鈴木ほか,2008

修正内容:国土地理院[課題番号:6022]、雨貝ほか,2008、鈴木ほか,2008、Ozawa et al., 2008)

(参考文献に追加)

Ozawa, S., H. Yarai, M. Tobita, H. Une, and T. Nishimura, Crustal deformation associated with the Noto Hanto Earthquake in 2007 in Japan, Earth Planets and Space, 60, 95-98, 2008.

理由:課題番号6022報告書、及び平成20年5月9日開催の観測研究計画推進委員会に、国土地理院が提出した資料と整合するように。

対処方針:意見の通り修正

 

21.修正箇所:74ページ下から6行目(飛田委員)

雨貝知美・和田弘人・藤原みどり・鈴木啓・飛田幹男・矢来博司(2008):衛星合成開口レーダーを用いた平成19年(2007年)能登半島地震に伴う地殻・地盤変動の検出,国土地理院時報

修正内容:雨貝知美・和田弘人・藤原みどり・鈴木啓・飛田幹男・矢来博司(2008):衛星合成開口レーダーを用いた平成19年(2007年)能登半島地震に伴う地殻・地盤変動の検出,国土地理院時報,113,3-12,2007.

理由:論文掲載の巻号が確定したため。

対処方針:意見の通り修正

 

22.修正箇所:75ページ下から2行目

76ページ上から14行目(西澤委員)

海上保安庁,東海沖における海底地殻変動観測(地震予知連絡会会報、第79号),2007.

修正内容:Matsumoto, Y., M. Sato, M. Fujita, T. Ishikawa, H. Saito, M. Mochizuki, T. Yabuki, and A. Asada, Undersea crustal movement off the Tokai District, central Japan, detected by GPS/acoustic seafloor geodetic observation, Report of Hydrogr. and Oceanogr. Researches, 44, 1-7, 2008.

理由:論文が掲載されたため。

対処方針:意見の通り修正

 

23.修正箇所:81ページ図54の図説(飛田委員)

平成19年新潟県中越沖地震の干渉SARによる地殻変動分布

修正内容:平成19年新潟県中越沖地震の干渉SARによる地殻変動分布。国産の地球観測衛星「だいち」に登載されたSARによる干渉画像。東南東上空の衛星と地表の間の距離の変化

理由:平成20年5月9日開催の観測研究計画推進委員会に、国土地理院が提出した資料に記載されたように、より適切な図説(Figure caption)とするため。

対処方針:意見の通り修正

 

 

●概要

 

24.修正箇所:3ページ上から6行目(飛田委員)

SAR及びGPS(汎地球測位システム)により観測された地殻変動を説明するためには、断層が余震分布よりも浅い領域まで達していなければならないことが判明した。

修正内容:原案では、

項目「1)2007年(平成19年)能登半島地震(M6.9)」

の本文として記載されているが、

項目「2)2007年(平成19年)新潟県中越沖地震(M6.8)」

の本文最後付近に記載する。

理由:74頁上から9行目にあるように、この記述は中越沖地震に関するものであるから。

対処方針:意見の通り修正

 

25.修正箇所:6ページ上から16行目(金田委員)

破壊エネルギーに不均質を与えると、プレートの三次元形状を導入しても過去の地震をうまく再現できることが分かった。

修正内容:破壊エネルギーに階層的な不均質を与えると、再来間隔の倍半分規模の大きな変化等が再現できることが分かった。

理由:「破壊エネルギーに不均質を与える」だけでは抽象的すぎる。「過去の地震をうまく再現できる」と書くと、平面形状で再現できていたパターンも三次元形状で再現できたように誤解を招く。

対処方針:「破壊エネルギーの分布に不均質を与えると、過去の地震発生サイクルの特徴を再現できることが分かった。」と修正。

 

26.修正箇所:7ページ上から7行目

7ページ下から14行目(小泉委員)

地下水観測設備の高度化を進め、2003年新潟県中越地震や2007年新潟県中越沖地震時の地下水位変動の原因が地殻変動や応力変化ではなく、地震波到達による揺れによりもたらされたことを示した。

修正内容:「地下水観測設備の高度化を進め、2004年新潟県中越地震や2007年能登半島地震、2007年新潟県中越沖地震時の地下水位変動の主な原因が、地震動であることを示した。」として、この文章を3-2-2)エの最後に移す。

理由:機関別で「地殻変動や応力変化ではなく」という言葉は入れていない。地震動にともなって、ダイナミックな地殻変動や応力変化は生じているので「地殻変動や応力変化ではなく」とはいえない。2007年能登半島地震についても報告をしているのでこの地震の名称も入れるべき。また、「東海地域」ではなく、「その他の地域」エに記述すべき。

対処方針:意見の通り修正

 

27.修正箇所:7ページ上から10行目(小泉委員)

過去の南海地震時の松山道後温泉における温泉水位変動について検討し、地震動による水位上昇のほかに歪変化によっても水位低下を起こすことが明らかになった

修正内容:過去の南海地震時の松山道後温泉における温泉水位低下について検討した。同温泉は、地震動によって一般に水位上昇するが、南海地震の時は、地震時の大きな歪増加によって水位低下を起こすことが明らかになった

理由:過去の南海地震では、いずれも水位または自噴量が低下している。地震動による水位上昇は以前は知られていなかった。原案では、それらが明確ではない。

対処方針:意見の通り修正

 

28.修正箇所:11ページ図4の図説(飛田委員)

平成19年能登半島地震の干渉SARによる地殻変動分布

修正内容:2007年能登半島地震の干渉SARによる地殻変動分布。国産の地球観測衛星「だいち」に登載されたSARによる干渉画像。(左)西南西上空の衛星と地表の間の距離の変化。(右)東南東上空の衛星と地表の間の距離の変化

理由:平成20年5月9日開催の観測研究計画推進委員会に、国土地理院が提出した資料に記載されたように、より適切な図説(Figure caption)とするため。

対処方針:意見の通り修正

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