平成13年12月25日(火曜日) 10時~12時15分
文部科学省 別館 第6会議室
平澤部会長、石田、石原の各委員 臨時委員 入倉、尾池、大竹、長谷川、長谷見、本蔵、松浦、吉野、堀内、加藤、八島(代理:加藤)、内池、海津の各臨時委員 専門委員 梅田、大久保、笠原、金沢、清水、野津、浜野、平田、藤井の各専門 委員
須田地震調査研究課長、吉田学術調査官 他関係官
平澤部会長は、レビューの報告案について、起草委員会により草案がまとまり部会に諮ることになった旨述べ、現在の状況について事務局に説明を求めた。
事務局から、関係機関・委員へアンケートを実施するとともに、これまで、4回にわたり審議検討を行い、レビューの報告の草案がまとまったこと、本日、部会委員の意見を伺い、さらに起草委員会で修正を加えた上で、あと2回程度部会を開催して、報告書をまとめ公表したい旨説明を行った。また、この報告書を基に外部評価を実施し、外部評価報告書を作成して公表することを考えていること、外部評価の意見等については次回の計画に反映させることとなる旨説明を行った。
続いて、平澤部会長は、本蔵起草委員会主査にレビュー報告案の概要について説明を求め、同主査は、資料(1)及び資料(2)に基づき説明を行った。
引き続き、平澤部会長は、各章ごとに質疑を行った。主な意見は、次のとおり。
(○:委員、□:起草委員、△:事務局)
委員
基本的考え方は、計画の考え方か、レビューの考え方か。
起草委員
建議の基本的考え方である。本来ならば「地震予知のための新たな観測研究計画の」と付けるべきであった。
委員
(1)と(2)とあり、それぞれにどういう成果があったかが書いてあるものの、今後の重要な課題は、書かれている場合と書かれていない場合がある。書き方について、統一させるべきである。
委員
長いので読みにくい。プレート境界地震をA、内陸地震をBとすれば読みやすい。また、2つに分けるのは分かりやすいが、同時にこれまでの成果が2つのカテゴリーに分けられるのかどうか疑問である。
起草委員
この部分は成果を中心に書かれている。プレート境界地震ではカップリングを主体としてまとめやすかったが、内陸地震は断層面上のアスペリティは成果が得られつつあるものの明快ではない。地震発生場としての性質に焦点を当てた場合、シミュレーションとの関係で切り分けが難しくなる。
委員
分けることは悪いことではないが、分けたことによって共通するような重要なものが落ちていないか。
起草委員
起草委員会では、どちらかに入れるように作業した。問題があれば指摘願いたい。
事務局
建議では目標を掲げている。これに対して成功している例だけを書くのはいかがなものか。分からないことはたくさんあるという認識で書くべきである。
委員
重要な検討課題とか課題となっている、と表現されて箇所は、分からないことを意味しているのだろう。
起草委員
今回のレビューでは、目標に対してどこまで分かってきたかを段階的に明確にしている。分かったと書いてあることは、それより先は分かっていないと考えてもいい。
委員
達成可能な具体的目標を掲げて建議が作られていることから、建議そのものは達成可能なものしか書かれていないはず。達成されていないものは、次の計画につながるよう、どこに問題があるのか分かるように書いた方が良い。
委員
強震動予測について、短周期地震動の生成とアスペリティの関係に関しての研究に言及していない。また、強震動予測は内陸地震に限られたものではない。
委員
プレート境界地震はめざましい成果があった。その成果は内陸地震にも有効という書き方で強調すべき。
委員
「巨大地震の発生準備過程の最終段階にあると考えられる東海地震」という決まり文句が使われているが、いっこうに起こらない。このフリーパスで使われる決まり文句を評価する必要があるのではないか。
委員
発生準備過程の最終段階であるかどうかを明確にして判断することは起草委員会の仕事の範囲外だが、安易に建議に言葉をもってきたことは反省すべきである。
事務局
東海地震だけ特別なのは、大規模地震対策特別措置法の対象地域となっているからである。この法律に基づいて観測が強化され、常時監視が行政的に行われている。
委員
「考えられているといわれている」程度にしてはどうか。
委員
その書き方では後退することになる。建議との整合性をとるべきではないのか。
事務局
常時監視は行政として業務でやっているもので、ここは原案のままでよい。
特になし。
委員
4‐1の第1パラグラフ前半は体制とは別のことが書かれている。一方で、建議で指摘されている、審議会の下に常置の組織を置くとか、外部の研究者を含めた評価体制の確立、地震予知連絡会の機能など書くべきことがだいぶ抜けている。
起草委員
このあたりは行政的判断もあるので、今後の展望で述べてある。
委員
今後の展望は、前で述べられたことをピックアップしたもの。ここで初めて登場するものではない。
委員
29頁3行目、国立大学の独立行政法人への移行は、国立大学の法人化への移行とすべき。
委員
もう少しメリハリをつけた肯定的な書き方をして欲しかった。新予知計画をやってきた結果、地震予知の実用化に前進があったのか、遠くなったのか、否定面を厳しくとの意見もあったが、前進した面もはっきり評価すべきである。
委員
36頁7行目のこれまで述べてきたアプローチとはどこのことか。
起草委員
基本的考え方のすべて。
平澤部会長は、本日の意見交換を踏まえての意見、修正案及び追加の意見があれば、資料(4)の「地震予知のための新たな観測研究計画の実施状況等のレビュー案への意見フォーマット」により、来年1月10日までに事務局宛に提出すること、また、資料(2)については、本蔵主査から説明のあったとおり、関係機関の実施状況をまとめたものであり、レビュー本文に添付されるものであるが、これについても意見等があれば、同様にフォーマットで16日までに提出願いたいこと、資料(3)の参考資料は、前回のレビューに沿って事務局が、関係機関に照会のうえ作成したものであり、これに修正等の意見があれば該当部分を見え消しにより提出願いたいこと等を説明した。
これを受けて、報告書の様式について意見交換が行われた。主な意見は次のとおり。
委員
資料(1)、資料(2)、資料(3)がセットで印刷されてレビューとなるのか。
起草委員
前回も別紙と参考資料を綴じ込んである。そのつもりで作業を進めてきた。
委員
資料(2)別紙は、各機関の成果がそのまま載せられており、こういうものは今までなかった。
事務局
アンケートに沿ってまとめたもので、公表するつもりで作成されている。そのつもりで事実関係を確認いただきたい。
委員
記述を見ると必ずしも、その機関だけの成果と言えないものもある。「等」を付けた方がよい場合もある。
委員
資料(2)別紙を出すことには反対である。レビューに用いた資料であれば意義があるが、この中に評価が含まれていることから単なる基礎資料とは言えない。本文とニュアンスが違うこともありうる。
事務局
外部評価をするにしても事実関係を書いたものが必要である。評価を除いて事実関係を客観的に記述し、今後の展望的なものは本文に移すこととしたい。
委員
今回のレビューは建議とは違う視点で書かれており読むと違和感がある。しかし、この資料(2)別紙を見てその根拠は分かった。報告の本文だけを見た場合、建議の項目を恣意的に選んだ印象があるので、建議に基づくデータとしてこの別紙を出せば分かりやすい。
起草委員
成果がどこまで進んできたかかをまとめたのが別紙。研究の今後重要になるかもしれないものも含まれている。全部を本文に入れた訳ではない。本文はあくまでコンパクトにしたもの。
起草委員
本文はハイライト、トピックスであり、すべてを網羅していないことを冒頭に記述しておく必要がある。
事務局
今後の展望は将来性を出しているので別紙から削除したい。資料(2)については、書き直しになるので、関係機関の方からは事実関係についてのみご意見をいただきたい。
事務局から、各委員・機関の意見を踏まえ、1月17日(木曜日)に起草委員会を行い、1月30日(水曜日)に再度部会に諮りたいこと、次回1月30日(木曜日)の地震部会(第3回)は、第6会議室において、13時からを予定し、開催通知は追って送付すること等説明があった。
研究開発局地震調査研究課