火山部会(第13回) 議事要旨

1.日時

平成15年4月21日(木曜日) 13時30分~15時30分

2.場所

経済産業省別館 827号会議室

3.出席者

委員

 石原部会長、小平
臨時委員
 千葉、浜口、平林、藤井(敏)、浦塚、堀内、富樫(代理:宇都)、海津、平木、佐々木
専門委員
 鵜川、田中、中田、渡辺、清水、藤井(直)、巽

文部科学省

 磯谷地震・防災研究課長、太田主任学術調査官、吉田学術調査官 他関係官

4.議事要旨

(1)人事異動の紹介

 事務局より、配布資料(1)に基づき、委員の異動について紹介があった。併せて、事務局の名称が4月1日から「地震・防災研究課」に変更となったことについて説明があった。

(2)第7次火山噴火予知計画の推進について

 石原部会長は、前回部会の議論と海洋科学技術センターの提案を踏まえ、修文された中間報告案について、第2期の第7次火山噴火予知計画起草委員会主査である藤井(敏)臨時委員に、前回からの主な変更点の説明を求めた。
 藤井(敏)臨時委員は、前回からの主な変更点について、資料(2)及び資料(3)を使用して説明を行った。
 続いて、意見交換が行われた。主な意見は次のとおり。(ページ゙は全て資料(3)による)(○:委員等、□:起草委員)

1.火山噴火予知計画のこれまでの成果と課題について

○ P4、上から8行目に「・・・これまで以上の基礎研究の推進と観測研究の充実、・・・」とあるが、「これまで以上」とはどういう意味か。

□ 予知の高度化には基礎研究の進展が不可欠なことから、予算的にも現状維持では困る。さらに、外部評価の指摘でも、噴火機構の解明に向けての努力が必要であるということがあるので、特に重要視した。

2.第7次火山噴火予知計画策定の方針について

○ 第7次の位置付けにおいて、3つに分類することよって成果があがったとしつつも、今回はこのような分類はしないと読める。

□ 今までの分類を変更したわけではない。これまでも予知計画に基づき整備を図ってきており、成果があがっている。なお、活火山の分類については、火山噴火予知連絡会のワーキンググループにおいて分類されており、今後、社会的状況も含めた上での対応を検討する必要がある。

○ 「3.」に「すべての活動的火山の活動度を・・・」とあるが、これはいままで「3つに分類していたもの」をやめるという意味ではないのか。

□ そうではなく、「すべての活動的火山の活動度を・・・」というものは、長期的な目標として当初から念頭にあった。第3次計画以降は、それに到達するために3つに分類し、順次整備を行ってきたのであり、今回その分類を変更したわけではない。

3.第7次火山噴火予知計画の実施内容について

○ 連続的な監視観測を行っていない火山については、いつまでたっても整備されないと読めてしまう(P8、上から10行目)。「順次、観測点の整備を行う」という内容の記述が必要ではないか。

○ 財政上厳しいので、「順次、観測点の整備を行う」という表現は無理だが、消極的にとられるのは問題なので、表現を検討したい。

○ 実験観測の定義について確認したい。

□ 観測研究を、業務として行う監視観測とそれ以外の観測に分け、業務的でない観測全てを実験観測としている。実験観測は、必ずしも長期間維持するとは限らない。

○ P9、下から3行目に「富士山、伊豆大島、三宅島等において連続観測を行う。」とあるが、中期計画を踏まえ、これを「富士山、三宅島、那須岳等において連続観測の維持・強化を行う。」としたい。

○ P12、下から11行目にある「放射性同位体測定」は「放射性年代測定」の方が的確である。

○ 「マグマ起源物質」について、用語解説で記載されている内容は「マグマ起源の物質」であるが、P12、上から10行目にあるマグマ起源物質は「マグマの起源物質」を指し、用語解説が相応しくない。

○ P11、下から1行目にあるマグマ起源物質は、「マグマ起源の物質」を指している。

○ マグマ起源物質という表現ではなく、「マグマの起源物質」と「マグマ起源の物質」という表現にし、用語解説からはずしてもよいのでないか。

○ 海洋科学技術センターにおける、GPS-音響測距結合方式の開発はどういうものが検討されているのか。

○ 昨年度から共同研究を実施したばかりで、まだ実績はあまりないが、三陸沖における海底地震・地殻変動観測について、今後、海洋科学技術センターとして観測精度の高度化を目指すこととしている。

○ P13、下から7行目の「さらに、・・・、多項目の観測を導入することを目指し、自然電位、重力などの観測について技術開発を・・・」という表現を、「さらに、・・・、自然電位、重力等の多項目の実験観測を行い、その観測手法や解析手法について技術開発を・・・」としたい。

○ 意味が変わってしまうのではないか。

○ 自然電位、重力については、まだ業務に導入するまでに至っていないため。

○ 構造と時間的変化の把握のためには、くり返し観測を行うなど、継続して探査を行うことが重要であるが、長期間の探査における安定性について述べる必要はないか。

□ 時間的変化を把握する手法は色々あるが、具体的な提案がなかった。

○ P17、上から9行目の「・・・火山活動を定量的に表現する対象火山を順次増やす。」という表現を、具体的に内容が分かるように「・・・火山活動度を数値レベルでわかりやすく表現する火山を順次増やす。」としたい。

○ P16、上から6行目に「・・・全国共同利用研究所の機能の拡充・強化を図る。」とあるが、具体的な例にはどういったものがあるのか。

□ 一例として、東京大学地震研究所において、火山噴火予知に関する客員部門を整備し、全国的な火山噴火予知計画の実施に関する企画・運営を行っている。

○ P16、下から8行目に「流動的システムの活用を図る」とあるが、具体的な例には、どういったものがあるのか。

□ 有珠山の噴火の後、名古屋大学と北海道大学の間で、流動制度の活用があった。

参考資料について

○ 用語解説について、以下の指摘があった。

  • 「溶岩」~「熔岩」と記述できないか。
  • 「同位体」~「酵素」ではなく「酸素」。
  • 「ボーリング」~「資料」ではなく「試料」。
  • 「マグマ溜り」~「火山活動の源」、「火山直下の浅所」という表現を検討する。
  • 「リモートセンシング」~「電磁波」とあるが「電波」とした方が良い。
  • 「EDM」~「例えば、レーザー光を・・・」とした方が良い。

○ 火山噴火予知計画実施機関の変遷について、関係機関の表記について検討する。

 なお、中間報告案に対する意見等については、4月30日(水)までに事務局宛て連絡することとし、今回の部会における意見等と併せて起草委員会において修文の上、次回の部会において取りまとめることとした。

(4)その他

 事務局から、資料(4)に基づき、今後の日程について説明があった。

お問合せ先

研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)