平成14年10月29日(火曜日) 10時30分~12時30分
経済産業省別館 1020号会議室
石原部会長、平澤 臨時委員 井田、岡田、浜口、平林、藤井(敏)、浦塚、堀内、加藤(代理:篠原)、海津、藤谷、佐々木 専門委員 鵜川、田中、中田、渡辺、清水
磯谷地震調査研究課長、吉田学術調査官 他関係官
事務局から、吉野臨時委員に代わり浦塚臨時委員が、内池臨時委員に代わり藤谷臨時委員が、八島臨時委員に代わり佐々木臨時委員が就任した旨紹介があった。
石原部会長は、平成14年4月24日の測地学分科会(第3回)において決定した「「地震予知のための新たな観測研究計画」及び「第6次火山噴火予知計画」の外部評価の実施について」に基づく外部評価が終了し、平成14年10月22日の測地学分科会(第4回)に報告された旨を述べ、事務局に同報告書について説明を求めた。
事務局は、「「第6次火山噴火予知計画」の実施状況等に関する外部評価報告書」(資料(1))の骨子等を説明した。
続いて、意見交換が行われた。主な意見は次のとおり。(○:委員等)
○ 2.2)三つ目の○(まる)に、「全国的なネットワークの維持が必要であり・・・将来は、一つの組織にまとまることも視野に置くことが適当である」とあるが、大学のみの話なのか、気象庁等の関係機関も含めた話なのか。
○ 火山噴火予知の研究者の絶対数が少なく、国立大学の独立行政法人化により現在の体制が維持できるのかという危機感の表明として、また、2.1)四つ目の○にある火山噴火予知体制に関する三つの機能を整理する一つの例示としての記述であり、明確な組織像はないものと受け止めている。全国的ネットワークを確保する制度的なものを想定した可能性もある。
○ 2.3)二つ目の○(まる)に、「研究者個人による火山情報発信への評価や対応の在り方に関する検討が必要である」とあるが、ここで言う「研究者」は、どの範囲までを指すのか。
○ 研究者の範囲ではなく、インターネットが普及している現状に対していかに対処するかに着目している。
○ 有珠山や三宅島の噴火時に、インターネット上において様々なデータ解釈が取り上げられたため、情報源は集約型と分散型のどちらが適当であるかについて議論があったが、結論は出ていない。外部評価報告書は、この問題に対する積極的対応を促している。
石原部会長は、測地学分科会(第4回)において、平成15年度を以って終了する現行計画の次期計画策定を決定した旨を述べ、今後の審議の進め方について事務局に説明を求めた。
事務局は、資料(2)~(5)に基づき、同分科会の議論を踏まえつつ、地震部会において次期計画策定の基本的考え方を整理すること、火山部会において要綱を定めて起草委員会を設置し、次期計画の原案作成に関する作業を進め、平成15年7月を目処に建議することを説明した。
続いて、石原部会長は、次期計画策定の基本的考え方に関する審議を委員等に求めた。主な意見は次のとおり。(○:委員等、△:事務局)
○ 資料(3)を見るに、意見公募を予定しているが、どのように実施するのか。
△ 文部科学省のウェブサイトに中間報告を掲載して意見を公募する。
○ 外部評価報告書の2.2)一つ目の○には、防災に対する貢献についても大学において評価するよう考慮すべきであるとしているが、今までの経緯を見ていると、実際には難しい面があると思う。重要であることは理解できるが、計画にどのように盛り込むのか。
△ 第三者評価は別として、大学の自己点検・評価は、大学自身が責任を負うものである。次期計画において防災に対する貢献の重要性を明確に示せば、大学においてもこれを踏まえて評価することが適当と判断するであろうから、計画に盛り込むことは必要である。ただし、計画が必ず大学の評価項目に反映されるという保障はない。計画にどのように盛り込むかについては、本部会において議論することとなる。
○ 防災科学技術研究所においては、防災への貢献度が評価項目となっている。大学においても評価項目となる可能性があるのではないか。
○ 大学総体としては、独立行政法人化に向けて社会への貢献を強調するが、各大学の理学系の研究科や学部において作成しつつある憲章には「純粋科学」をうたっており、大学を評価する機関もこれを踏まえて評価を実施するので、楽観できない。評価する側に対して訴求力のある要素を計画に盛り込む必要がある。
○ 研究科の水準においても、社会貢献は重要であるが、専ら学生の教育が評価されやすい傾向にある。小規模な火山観測施設を維持するためには、存在意義についての明確な根拠付けが必要である。
○ 火山噴火予知計画には関係各機関の役割を記述しており、今回の外部評価報告書においても役割分担に触れていることを受けて、例えば、第6次計画の構成にある「1.火山観測研究の強化」の部分を「基礎監視」、「実験観測研究」というように分けてはどうか。
○ 現行計画においては体制強化のため、火山監視・情報センターを整備したので、今後は内容の充実に努めたい。また、外部評価報告書に指摘があるとおり、火山噴火予知連絡会において検討している活火山の見直しやランク分けと計画との整合を図り、観測・監視体制の在り方について検討してゆきたい。
○ 外部評価報告書にある「将来は、一つの組織にまとまることも視野に置くことが適当である」という指摘については、同趣旨のことを以前も議論したことがある。計画に盛り込むべきかは別として、再度取り上げてもよい課題であると思う。
○ 特別な研究の推進母体となっている附属施設の扱いについては、大学により様々であるにしても、今後の展望は厳しいものがあろう。平成16年度以降の中期計画において存続することとなったとしても、その次の中期計画における保障はないので、火山噴火予知を推進する体制が見える形を模索する必要がある。「一つの組織」については、現在のような不透明な状況を考慮すれば、何らかの形で計画に反映した方がよいと思う。
○ 一定規模を有する単位がなければ、観測研究の企画を立案し、外部の資金を受け入れるということも難しくなってくる。ただし、「一つの組織」にした方がいいかについては、難しい問題である。
○ 事業の評価がどのような視点からなされるかが問題である。旧地質調査所の場合、産業技術総合研究所という巨大な組織の一部となったため、どうしても全体の中の一部として評価され、火山分野の扱いが弱くなる。調査研究に関わる環境を今後も確保するためにも、計画に明確に位置付けておくことは有効であると思う。
石原部会長は、資料(5)により第7次火山噴火予知計画起草委員会を設置し、今回の火山部会において提議された事項について、引き続き更に検討することとしたい旨を諮り、了承を得た。
続いて、起草委員会の構成案を委員等に示し、意見を聴取した上で、岡田、浜口、平林、藤井(敏)、藤谷、清水、渡辺の各委員等を起草委員として指名した。
研究開発局地震調査研究課