平成13年12月26日(水曜日) 10時~12時
文部科学省 別館 大会議室(11階)
石原部会長、平、平澤の各委員 臨時委員 井田、岡田、千葉、浜口、平林、藤井(敏)、吉野、堀内、加藤、八島(代理:加藤)、内池、海津の各臨時委員 専門委員 鵜川、清水、田中、中田、藤井(直)、渡辺の各専門委員
須田地震調査研究課長、吉田学術調査官 他関係官
石原部会長は、レビューの報告案について、起草委員会により草案がまとまり部会に諮ることになった旨述べ、現在の状況について事務局に説明を求めた。
事務局から、関係機関・委員へアンケートを実施するとともに、これまで、5回にわたり審議検討を行い、レビューの報告の草案がまとまったこと、本日、部会委員の意見を伺い、さらに起草委員会で修正を加えた上で、あと2回程度部会を開催して、報告書をまとめ公表したい旨説明を行った。また、この報告書を基に外部評価を実施し、外部評価報告書を作成して公表することを考えていること、外部評価の意見等については次回の計画に反映させることとなる旨説明を行った。
続いて、石原部会長は、藤井敏嗣起草委員会主査にレビュー報告案の概要について説明を求め、同主査は、資料(1)及び資料(2)に基づき説明を行った。
引き続き、石原部会長は、各章ごとに質疑を行った。主な意見は、次のとおり。
(○:委員、□:起草委員)
なし。
○ 全国地球化学移動班が強化されたとあるが、これはどういう性格のものか。
□ 大学の観測体制は各地域ごとに5ブロックで整備してきたが、化学分野については各地域で専門家を確保することが困難であるため、全国をカバーする移動班が東京工業大学に置かれている。
○ マグマ溜まりが見つからないので抜本的解決策が必要と書いてあるが、どうしろというのか。抜本的とは、人工地震を大きくすることを考えているのか。
□ 震源となる薬量の点でエネルギー的に不十分なことと、もう一つ観測方法が考えられる。現在は火山体周辺だけで観測点を配置しているが、地震予知のグループと共同作業で広域的な観測も必要と考えている。
○ 反射法の散乱、遠地地震を使えば深いところまで探査が可能ではないか。
□ 大島、雲仙では、マグマ溜まりの把握ができたが、今までの構造探査の方法では、薬量、点数の制限のため2kmより浅いところまでしか分からなかった。
○ 岩手山はたまたま見つかったラッキーな事例で、これまでの方法でやっていたら見つかったかどうか疑問である。やり方を根本的に考える時期である。
○ 9頁(ウ)の火山性流体移動は、マグマの移動、地下水の移動を指しているのだから、有珠山噴火ではマグマの移動を捉えられたという書き方にすべき。構造探査の成果に特化しているように見える。
□ 建議では、動的構造をダイナミックな現象で捉えマグマの動きで起こっていることを把握することと定義しているので、ここでもアクティブな形での火山性流体移動を把握したいということに対して評価を行った。実験観測の箇所では、有珠山、三宅島においてマグマの動体把握能力が向上したという表現をしているが、この部分でも記述しておく必要があるかもしれない。
○ 資料には、噴火予知計画の各機関の役割の表が付いているが、本文にもこれに相当する記述が必要である。関係機関は、責任分担と競争の中で予知計画の成果をあげていることも記述して欲しい。独法機関にとっては、予知計画をどう位置づけ、人材、予算を確保していくことが重要な課題になっている。
□ 参考資料だけでは不十分ということか。
○ 機関の名前が出てくるところと出てこないところがあるので整理して欲しい。
□ 参考資料が添付することになっているので、あまりこだわらなかった。それでも実施状況及び成果は各機関に対応するように書かれている。ここに具体の機関名をいれるかどうかは、ご意見を伺いたい。
○ 国際共同研究の推進という項目があり、世界の火山を調べることが日本の火山を理解する上で重要とされている。国際共同研究のリストも添付すべき。
○ 6次計画が出たあと、インターネット社会に急速に移行した。インターネットの効用や弊害について触れる必要がある。
○ 全国共同利用研究研究所については記述されているのに、大学にできたと聞いている火山噴火予知研究協議会について、なぜ記述されていないのか。
○ 深部マグマの動向について成果は乏しいとあるが、成果はあったのではないか。もう少しポジティブに書いた方が良い。
□ まったっく手がかりがないというのは書きすぎかもしれない。20年30年観測してきたのに深部の手がかりが難しかったことを記述したものであり、表現を工夫したい。
○ 三宅島から始まって南関東に及ぶ変動について、広い視点で見る必要がある。マグマ活動とテクトニクスは密接に考えざるを得ないので、そのことに触れる必要がある。
○ 図は、まさにそのことを示している。
○ 地震のレビューではどれくらい触れられているのか。
○ 群発活動は触れているが、図を載せることは考えていない。
□ 地震予知観測研究との連携強化の項目でテクトニクスに関連される研究を行うと書かれているので、ここで触れることも可能。
○ 両方で触れていただきたい。
○ マグマ溜まり探査の抜本的改善について書かれているが、6次計画ではどういう位置にあって、どうして手つかずになったのか。
□ 5次計画以前に火山探査の方法は確立されている。しかし、発破費用、観測者数などの関係から、展開できる地震計の数量に制限がある。結局、火山体の周辺部の人工地震観測では3km以浅しか分からない。今後は、Hi-netのデータを活用する広域的な観測、自然地震や遠地地震を使った反射法で散乱を見るなどが必要となる。具体的イメージが模索できよう表現を工夫したい。
○ 推移予測について、第2段落では悲観的、第3段落では楽観的になっている。
□ 第1第2段落を受けた形で第3段落をまとめている。第1段落を受けて状態を認識でき、その後の推移についてもある程度予測できるが、推移・様式のところまで到達できていないというつもりで記述した。表現を工夫したい。
○ 本文に図が含まれており違和感がある。参考資料に入れてはどうか。
□ 前回のレビューが例外であり、これまで第1次から4次までは入っていた。外部評価でイメージしにくいと考えて入れた。適切な図があれば提案願いたい。
石原部会長は、本日の意見交換を踏まえての意見、修正案及び追加の意見があれば、資料(3)の「第6次火山噴火予知研究計画の実施状況等のレビュー案への意見フォーマット」により、来年1月10日までに事務局宛に提出するよう求めた。また、資料(2)の参考資料は、前回のレビューに沿って事務局が、関係機関に照会のうえ作成したものであり、16の論文リストについては、関係機関から提出のあった資料をもとに現在編集中であることを述べ、この参考資料について、修正等の意見があれば該当部分を見え消しにより提出するよう求めた。
事務局から、各委員・機関の意見を踏まえ、1月17日(木曜日)に起草委員会を行い、1月31日(木曜日)に再度部会に諮りたいこと、次回1月31日(木曜日)の火山部会(第8回)は、経済産業省別館の会議室において、13時からを予定し、開催通知は追って送付すること等説明があった。
研究開発局地震調査研究課