火山部会(第3回) 議事要旨

1.日時

平成13年5月25日(金曜日) 10時30分~12時30分

2.場所

永田町合同庁舎3階 第3会議室

3.出席者

委員

 石原部会長、小平、平澤の各委員
臨時委員
 岡田、千葉、浜口、平林、藤井(敏)、吉野、堀内、加藤、八島、内池、海津の各臨時委員
専門委員
 鵜川、清水、田中、中田、藤井(直)、渡辺の各専門委員

文部科学省

 須田地震調査研究課長、吉田学術調査官 他関係官

4.議事要旨

(1)富士山研究の中期的取組みについて

 事務局は、前回、委員から要望のあった、各機関の観測点、過去の調査をまとめた観測状況のわかる資料を資料(1)のとおり作成し、これに基づいて説明を行った。続いて、同様に前回質問のあった長期の静穏期間の後に噴火した火山の例及び深部低周波地震と噴火の関連性について、鵜川委員が暫定版として作成した参考資料により説明を行った。引き続き意見交換が行われた。主な発言は以下のとおり。

資料(1)について

【委員】
 この図を見ると観測点、特に山頂部周辺の密度が低いのが一目瞭然である。

【委員】
 地殻変動観測となっているところは、地殻と変動の間に「連続」をいれるべき。

【委員】
 地殻変動(GPS連続観測)とすればよい。

参考資料について

【委員】
 玄武岩質の火山の場合、異常現象が続いたり低周波地震があってから噴火に至るまでの時間が長いと言えるのかどうか気になるところ。

【委員】
 リストアップされているものには玄武岩火山が少ない。富士山はこの例から外れる気がする。

【委員】
 この資料では、マグマの種類を考慮せず、長期間の静穏期ののち噴火したものという分け方で説明した。富士山のような玄武岩火山の事例がどれくらい集まるかわからない。適当な事例があれば教えて欲しい。

【委員】
 富士山は、300年間休止期間がある。12世紀から15世紀にかけても活動の記録がない。休止期間のあとどうなるか、地質学的には認識されていない。

【委員】
 長期に休止した後に活動するものは、ほとんどの場合前兆があると考えられる。もう少し事例を集めるべきではないか。

【委員】
 低周波地震もマグニチュードが小さく観測網が整備されているところでしか検知されていない。島弧火山の玄武岩火山に注目することにおいて富士山を研究する意義がある。研究を進めていくうえで、今までの研究例を組み込んで参考としたい。

【委員】
 マグマだけでなくガスが関連するとの説もある。富士山の場合、モノトニックな低周波地震は観測されていないのか。

【委員】
 モノトニックに見える場合もあるが、周波数は複雑な構造である。

【委員】
 天文学において観測結果を物理情報に解析する方法はずいぶん研究されてきた。この分野でも波形データの解析法を共通に使えるよう研究する必要がある。

【委員】
 低周波地震については、10kmより浅いものはかわってきたが、その下が問題。そこに富士山観測強化の意義がある。

 続いて、石原部会長から、前回、部会長が用意した富士山の観測研究強化のたたき台について、各委員の発言及びその後に事務局に提出された意見を踏まえ、素案を資料(2)として用意した旨説明があり、これに基づいて意見交換が行われた。主な発言は以下のとおり。

【事務局】
 富士山の観測強化の理由として、万一噴火した場合に首都圏を含めて社会的影響が大きいということがあるが、それを明記するかどうかご意見をいただきたい。

【委員】
 富士山の噴火というと宝永の噴火をイメージするが、小さな噴火もたくさんあると言う必要がある。

【委員】
 玄武岩火山なのに火砕流を出したり山体崩壊を繰り返しており、逆にもっと大きい可能性もあることを強調する必要があるのではないか。

【委員】
 「マグマ活動に関連して発生していると考えられる」とあがるがこれは断定していると捉えられる。「可能性がある」としてはどうか。

【委員】
 休止期間が長い火山とあるが、いつからとは書かれていない。宝永の噴火以来というのをどこかに書くべきではないか。

【委員】
 大きくて休止期間が長い火山をこれだけの体制でメカニズム解明できるチャンスは学術的に貴重であるということを盛り込むべきである。それは噴火しなくても学術的に研究する必要のある火山という意味にもなる。

【委員】
 航空機搭載レーダーについて、30cmの精度で測定し、精密なデジタルマップを作成したいと書いた方がいいのではないか。

【委員】
 3次元的な地形変動を把握するのが目的である。精度まで明記するのはまだ先である。

【委員】
 「長期予測に役立つ知識」とあるのは、「長期予測及び噴火推移の予測に役立つ知識」としてはどうか。

【委員】
 「新富士中期」としているのはなぜか。

【委員】
 噴火予知研究委員会の議論を踏まえて書いたもの。修正は可能である。

【委員】
 炭酸ガスの観測等についても盛り込むべきではないか。

【委員】
 それは大学の集中総合観測の1つの手法に含まれると理解している。

【委員】
 最も大切なのは構造解析である。構造がわからなければ規模や様式もわからない。

【委員】
 従来の人工震源を使った探査では1~2kmが限度である。低周波地震が起こっている領域の構造を理解することが必要である。

【委員】
 3年という期間を考えると一番成果をあげられるのは構造探査である。

【事務局】
 構造探査の重要性が一つのポイントになるであろう。

【委員】
 「重力異常や磁気異常の解析」では狭い。広い意味で電磁気的な探査も加えるべき。

【委員】
 P4の1、2行目の「特に・・・」「なお・・・」を整理すべき。

【委員】
 「順次公開」とは、ある期間をおいてということか。

【委員】
 研究成果が出次第ということ。

【委員】
 富士山は注目が高いので、順次公開だけでなく、地域住民や行政の理解を得ながらやらないと成果が伝わらない。「ハザードマップなど」は、ハザードマップの方が先に出るので「ハザードマップの活用」にした方がいい。

【委員】
 (3)関係機関の連携・協力と成果の社会への貢献を見ると、社会への貢献は最後のところに少し書いてあるだけである。重要だという表現にしなければならない。噴火予知計画は連携・協力を前提にしているのだから、くどくど言う必要はないのではないか。

【委員】
 関係機関の協力は、データを研究者に広く提供するとすれば、ここに書いた意味が出てくるが、関係機関間での連携・協力であればわざわざ書く必要はない。データをいろいろな研究者が使えるようにし、得られた情報は社会に提供していく、そこに重点を置くべきである。

【事務局】
 これまでも関係機関は協力して行ってきた。大きな火山で観測も多項目にわたるので、どの機関が何をやるか分担をまとめておく必要がある。地域住民、地方公共団体に成果を速やかに提供し、かつ理解を得ることは明確に盛り込みたい。

【委員】
 大学の集中総合観測は、建議に基づき、毎年1火山行ってきている。富士山を加え、1年に2火山やるということか。

【委員】
 富士山の集中総合観測を14年に、構造探査を15年に行うように計画を予定している。

【委員】
 集中総合観測と構造探査だけでは深部にわたる構造を調べるのには不十分である。

【委員】
 集中総合観測でも、半年ぐらいやっていくことを考えるとメンテナンスが大変なので、そこを考えて立案すべき。

【委員】
 防災科学技術研究所の部分は、研究上の比重から考えて3 1 2の順番にしたい。

【委員】
 気象庁の部分については、表現については持ち帰って検討したいが、方向性については問題ない。

【事務局】
 現状認識において中腹域以上の観測強化の必要性を指摘しているが、気象庁については中腹域より上を中心に観測を強化する案とした。これはいかがか。

【委員】
 山頂は条件が厳しいので、このとおりできるかどうかわからない。いずれにしても中腹域以上についてはなんとかしたい。

【委員】
 富士山の活動評価では中腹域より上が重要である。火山監視は気象庁以外にやれるところがないので、やっていただかないと困る。

【委員】
 国土地理院の前回宿題となっている火山基本図については、山体が大きいことから短期で全部やれるかどうかわからない。5万分の1の縮尺でも6枚程度となり、作成には複数年かけて考えていくことになる。

【委員】
 噴出物の量を推定するのに必要な資料なので重点的にやっていただきたい。また、砂防関係で独自に地形図を作っているので、その活用も考えられる。

【委員】
 通信総合研究所の部分は、考え方には問題ない。ただ、「面的地形変動」という表現では、水平面上の2次元的変化だけのイメージになってしまう。また、「火山観測手法開発のひとつ」のひとつはいらない。

【委員】
 産業技術総合研究所の空中磁気については、富士山のような急峻な大地形では、手法の開発を含めてとりかかる必要がある。得られたデータをもとに富士山の地下構造解析まで踏み込めるかどうかやってみなとわからない。また、順番も1と2を入れ替えて欲しい。さらに本文の表現でも産業技術総合研究所・地質調査総合センターと記述していただきたい。

【委員】
 これだけのプロジェクトを各機関でやっていくことになるが、この成果を評価したり取りまとめたり、連携を促進していく仕組みはあるのか。

【委員】
 大学は、火山噴火予知協議会がまとめており、省庁間では、火山噴火予知連絡会がその役割の担っている。

【委員】
 連携協力を強調すると、統括的な組織を作るなど特別なものを意図していると考えられてしまう。

【事務局】
 中期的な計画の統括は、この火山部会が行い、噴火活動が起これば火山噴火予知連絡会が対応する。新たな場は考えていない。

【委員】
 シンポジウムやワークショップは実施しないのか。

【委員】
 成果があがってくればやることになる。機会はいろいろある。

 以上の意見交換を踏まえ、石原部会長から、次回、報告書(案)として議論したい旨発言があり、各機関において、特に盛り込むべき事項があれば、6月1日(金曜日)までに事務局へ提出することとされた。

(3)その他

 本日提出のあった、参考資料の扱いについて、内容的にさらに検討する必要があるので、資料開示にあたっては、暫定版と明記することとした。
 事務局から、次回を6月18日(月曜日)13時~、その次を6月28日(木曜日)10時30分~に、永田町第3会議室において開催する旨説明した。

お問合せ先

研究開発局地震調査研究課