火山部会(第1回) 議事要旨

1.日時

平成13年4月24日(火曜日) 10時~12時

2.場所

永田町合同庁舎 3階 第3会議室

3.出席者

委員

 石原、平澤の各委員
臨時委員
 岡田、浜口、井田、藤井(敏)、平林、千葉、吉野、堀内、加藤、八島(代理:山根)、内池、海津の各臨時委員
専門委員
 中田、渡辺、田中、鵜川、藤井(直)、清水の各専門委員

文部科学省

 須田地震調査研究課長、吉田学術調査官他関係官

4.議事要旨

(1)須田地震調査研究課長より挨拶があった。

(2)部会長の選出等

 科学技術・学術審議会令第6条第3項に基づき、委員の推薦によって、石原和弘委員が部会長に選出された。その後、部会長より、火山噴火予知に関する研究を効率的に推進し、その成果を社会へ迅速に還元するには、関係機関の連携・協力が不可欠であり、火山部会では、この認識に立って率直かつ建設的な討論を行いたい旨の就任の挨拶があった。
 引き続き、事務局から火山部会設置の経緯について説明があった。

(3)審議内容の公開について

 事務局から、当部会は噴火予知計画の建議や報告をまとめていくことを踏まえ、社会的な影響とその結果として委員の率直な意見が伺えなくなることから、当部会を資料(7)のとおり非公開としたい旨発言があった。これについて、次のとおり意見交換がおこなわれ、修文を部会長一任のうえ、原案を了承した。また、会議を非公開とするにあたり、資料(7)による議事要旨とは別に、速報版として会議の概要を作成し、部会長一任で公表することが了承された。

【委員】
 委員が他の関係者に、計画策定について相談することも禁じられるのか。

【事務局】
 厳密には、原案等を相談することはできないと解釈されるが、研究者として意見交換することは許されるものと考える。

【委員】
 予知計画に関する議論を円滑に議論するため、とする方がいい。

【委員】
 研究途上の成果を用いてレビューや建議することはあり得る。その資料が論文等で使われる前に公開されると困る場合もあり、開示請求時点から1年というのは短いのではないか。

【事務局】
 個人から公にしないという条件、により対応できると考える。

【委員】
 個人だけでなく機関という場合もある。

(4)当面の審議事項について

 部会長から、第6次火山噴火予知計画が平成15年度に終了することにともない、夏以降にレビューを行う必要があること、レビューでは、予知計画の各柱について、各委員から関係機関の進捗状況と成果を報告、評価等の取りまとめを行うことになることを説明、社会的に注目され、全国的な調査研究活動を行った火山活動として、岩手山、有珠山、三宅島などの活動をレビューに取り上げていく必要があるかどうか議論したい旨発言があり、岩手山については浜口委員、有珠山については岡田委員、三宅島について中田委員から報告があり、意見交換が行われた。主な発言は次のとおり。

【委員】
 岩手山は、噴火には至らなかったことで噴火した火山と比較すると社会的影響は少なかったが、低周波地震あるいはモホ面での地震など火山活動を理解するうえからも社会的な影響があった。静穏期の長い火山の代表例として取り上げたい。

【委員】
 有珠山は、マグマ活動も終わり、その後は熱活動タイプの噴出を伴う活動を続けている。社会的な影響の範囲は狭い。20世紀の4回の噴火で噴火予知の変遷、21世紀の展望を見る上で重要なイベントと考える。

【委員】
 三宅島は予想より早く噴火した。当初の噴火は予知できたものの、それ以降の山頂噴火を予想できなかった。これまでの噴火予知で網羅していたものが、うまくいかなかったことが明らかになった。

【委員】
 神津島近海の地震をどう扱うか。

【委員】
 当然入るものと考える。あの活動がなかったら予想は違った。

【委員】
 火山活動とその周辺の地震活動もレビューの対象とすべき。
 続いて、事務局から、富士山についても、昨年低周波地震が急激に増加し、測地学分科会においても、十分研究が進んでいない噴火メカニズムの解明について中期的に取り組んでいく必要があるとの指摘を受けたところであり、早急に検討する必要がある旨報告があった。部会長は、大学の研究者で組織されている噴火予知協議会及び噴火予知研究委員会主催の検討会で討議された内容について平林委員に、観測研究計画の概要について中田委員に、気象庁の噴火予知連絡会でワーキンググループを作って検討することに関して内池委員に説明を求めたうえで、各委員に発言を求めた。主な発言は次のとおり。

【委員】
 大学の研究者で組織する噴火予知協議会において、総合的研究計画が必要であること、及び予知研究委員会にワーキンググループを設置することが決まった。予知研究委員会において、ワーキンググループを立ち上げ検討を行った結果、過去1万年以内の噴火史を調べるため、中腹でのボーリング調査が必要であること、マグマ供給系の位置や浅部の地下構造を解明するために、自然地震観測や人工震源を用いた構造探査が必要であること、掘削、集中観測、構造探査を有機的に統合した総合観測研究が必要であることなど、観測強化のための計画が出された。

【委員】
 行政的に重要であっても、第6次噴火予知計画はまだ3年ある。富士山をここで取り上げ、レビューする必要はないのではないか。

【事務局】
 富士山について現在の予知計画の枠で十分対応できることは承知している。しかし、実施するためには予算が必要であり、そのために手法についての議論をしていく必要がある。今後3年の中で取り組む課題と研究の進め方についてまとめていきたい。見直しということではなく強化していくという方向を考えている。

【委員】
 噴火予知計画では、富士山について長期的な推移の解明と書かれている。事務局の方で中期的と言う理由は何か。

【事務局】
 中期とは3年ぐらいのスパンを考えている。短期とは噴火が始まってからの推移であり、事務局としては中期的に基礎研究を進めるという意味で中期という言い方をしている。

【委員】
 経費的な面での関係省庁の役割はどのようになるのか。

【事務局】
 各機関、大学はそれぞれ要求するこになる。重複のないように検討するとともに、科学研究費補助金や科学技術振興調整費などを活用し、建議の範囲内で必要な措置をとる方法が考えられる。

【委員】
 気象庁は、今年の機動班の調査観測は富士山で行うこととし観測点の選定をしている。

【委員】
 地質調査所は、独立行政法人産業技術総合研究所の一部(地質調査総合センター)となった。旧工業技術院傘下の15研究所が1つとなって約50のユニットに分かれている。旧地質調査所は5つのユニットに分かれ、火山は地球科学情報研究部門が担当する。富士山では、地質調査で火山噴火履歴、噴出物の分析など手法の開発を行っている。富士山は大規模な火山で技術開発が重要であり、5年、10年の観測継続も必要である。

【委員】
 防災科学技術研究所は、90年から観測を開始し、昨年の低周波地震の活発化を受けて観測強化を行った。富士山のように普段静かな火山の研究を進めることは、短期的に成果をあげる必要のある研究者にとって難しい問題を含んでいる。研究をどう行うかという観点から富士山を対象にすることは好ましい。

【委員】
 気象庁は、すぐに噴火するとは考えていないが、5月開催予定の噴火予知連絡会からワーキング・グループをスタートさせたいと考えている。

【委員】
 噴火予知計画と社会との接点で大事なのは監視と情報である。気象庁は、主な活火山を、普通観測火山、精密観測火山、その他の火山の3つに分けている。富士山の位置づけを見直す考えはあるのか。

【委員】
 実質的には87年から山頂で地震観測を行っているが、いずれは常時観測火山にしたいと考えている。財政が厳しい中、活動していない火山への対応は難しいが、実行上行っていくことで対応することを考えている。

【委員】
 岩手山など噴火間隔の長い火山は手薄である。静穏期の監視観測体制をどう扱うか難しい。

【委員】
 三宅島の活動は、ある程度捉えられると思っていたが、マグマの動きが読めなかった。わかっていると思っている三宅島でさえこの状態である。今までにない活動をするとわからなくなるのが現在の噴火予知の状況だ。

【委員】
 静穏期が長い火山は、どうしても経験が少なくなる。富士山の社会的影響は大きいが、近くに都市があるということでは、岩手山と比較できる。静穏期が長く観測や研究が十分ではない火山に取り組む場合の一つの代表例として取り組む必要がある。

【委員】
 防災の動きはどうなっているのか。□内閣府の方で富士山のハザードマップを作る動きがある。旧国土庁でハザードマップの作成指針が作られており、富士山についても防災を意識したものを作るようだ。時期は決まっていないようだが、早急に立ち上げる計画と聞いている。

【事務局】
 新聞情報等では、内閣府でハザードマップを作る動きがあると聞いている。我々は、基礎研究をすすめる立場であり、役割は明確であると考える。この場は、研究者、研究機関が中期的な研究方法を議論していく。

【委員】
 ハザードマップの基礎資料を作る認識でよいのか。

【事務局】
 まとまれば基礎資料となる。

【委員】
 ハザードマップにもいろいろな段階がある、単なる基礎資料だけではなく、新しいデータを還元していくことが重要である。

【委員】
 最初のハザードマップは、急いで作るはず。いちはやく研究を立ち上げデータを提供する必要がある。

【事務局】
 データが提供されれば、受ける方も見直しを考えるはずである。

【委員】
 これまでのハザードマップは、研究者が資料を提供するだけで、不十分なものが多かった。物理屋が新たに積極的にかかわる必要がある。成果は出ていないが、20年前にハザードマップを作る動きがあった。

【委員】
 北海道の雌阿寒岳では、いろいろな分野の火山学者が参加して調査を行い、こうした意見を盛り込んだハザードマップができた。富士山でも砂防関係が作った解説書があり充実した内容だが、活動が始まったとき社会的に役にたつものではない。

【委員】
 ハザードマップの活用は情報と住民の対応から情報をどうするか、研究者、気象庁がどういうアクションをこなすか、それがないと実効的なハザードマップはできない。

【委員】
 火山噴火予知連絡会のワーキング・グループでは、そういうものを整理するつもりである。

以上の意見交換を踏まえ、富士山を長期間活動を休止している火山への対処というテストケースとして、引き続き検討を続け、6月までに報告をまとめる方向で審議を進めることとなった。

(5)その他

 事務局から、次回を5月14日(水曜日)13時~15時、第3回を5月25日(金曜日)10時~12時に開催する旨説明した。

お問合せ先

研究開発局地震調査研究課