火山部会(第18回) 議事要旨

1.日時

平成18年6月15日(木曜日) 13時30分~15時5分

2.場所

経済産業省 別館11階 1111号会議室 石原、平、深尾

3.出席者

委員

 石原、平、深尾
臨時委員
 鎌田、清水、千葉、藤井(敏)、渡辺、浦塚、鵜川、村上
専門委員
 大島、武井、田中

文部科学省

 西尾地震・防災研究課長、本藏科学官、加藤学術調査官 他関係官

オブザーバー

 篠原【産業技術総合研究所】
 山本【気象庁】
 大谷【海上保安庁】

4.議事要旨

(○…委員、△…事務局、□…オブザーバー)

(1)レビュー調査検討委員会の活動報告

 レビュー調査検討委員会の活動状況について、始めに事務局より、これまでの活動状況および今後の予定について報告があり、引き続いてレビュー調査検討委員会の藤井主査よりレビューの実施方針等の調査検討結果および収集した資料について報告があった。

(2)第7次火山噴火予知計画の実施状況等に関するレビューの実施方針等について

 議題(1)にて報告のあったレビューの実施方針等について審議を行い、レビューの実施方針およびフォーマットを決定した。
 主な意見は下記の通り。

委員
 特定火山についてだが、活動が活発化している桜島については今後の活動状況を見て、レビュー委員会で検討することにしてはどうか。

委員
 先日の地震部会において、「観測体制、国際協力、人材養成等の状況」という項目が新たに追加され、また「地震予知に向けた今後の展望と課題」の箇所に括弧書きで「地震予知に向かう道程において、地震予知研究が現在どの段階まで達し、次に目指すべきは何か」という言葉が新たに付け加えられたということであるが、火山部会としてはこれらをどうすべきであろうか。一応、国際協力という事柄については、計画の主要な4つの項目のうち「2.火山噴火予知高度化のための基礎研究の推進」の中の小項目に含まれている。また、「予知計画がどの段階まで進んでいるか」ということについては、第6次火山噴火予知計画の建議の時に実施している。

委員
 第6次火山噴火予知計画の建議において、「現状として火山噴火予知のどの段階まで達しているのか、目指すべきものは何か」ということを検討するため、火山噴火予知を3つの段階に区分し、第3段階まで到達して初めて科学的な火山噴火予知ができるという考えに基づき、検討を行った。その結果、ほとんどの火山で第1段階もしくは第2段階にあり、第3段階までは至っていないという認識の基に計画を策定していった経緯がある。このような状況は、当時と大幅には変わっていないと思うので、新たな項目を設ける必要は特段無いと思う。

委員
 確かに、3段階に区分し検討を行ったが、ほとんどの火山で第1段階であり、第2段階の火山が数火山、第3段階に至っているものはなかったと記憶している。調査を実施するかどうかは、レビュー委員会に委ねたいと思うがどうだろうか。

委員
 特段の段階の進展があったとは思わないが、三宅島、浅間山の噴火を経験して各火山について多少の進展はあったかもしれないので、改めて調査を実施することについて異存はない。

委員
 レビュー委員会が発足した時に判断してもらうということでよいのではないか。

委員
 資料(9)の49ページに人材育成の状況として、火山および火山噴火予知に関して指導している学生数・留学生等受入数の数字が記載されているが、この数字の根拠は何か。

委員
 日本では火山学の講座というものはないので、火山噴火予知計画に参画している教員が指導している学生数を計上している。

委員
 学部の場合は、分類は難しいのではないか。

委員
 例えば、指導教官として卒論指導をしているといった場合のように、明らかにその教官が火山噴火予知に関して指導している場合を計上している。研究室に教官が複数いる場合には、学生の数を全て数え上げるというのではなく、火山噴火予知に関わるような内容を卒業論文として行っている数を計上している。

委員
 「観測体制、国際協力、人材養成」については、海外状況調査の日本国の状況を作成するにあたり収集した資料的なものはあるが、全般的な項目にこれらを記載する項目がないので、各機関はどの部分でこれらについての意見について記載すればよいのか。

委員
 確かに、明確な形では記載がない。

委員
 いくつかについては、「3.火山噴火予知体制の整備」の項目の中に含まれている。

委員
 レビュー委員会で引き続き検討したらどうか。

事務局
 このレビューの実施項目に基づいて、関係各機関にアンケート調査を実施することになるので、可能であれば本部会で決めて頂きたい。

事務局
 補足説明だが、資料(9)の海外状況調査資料のうち、「日本国における火山噴火観測および予知研究の状況について」は、各国・地域担当のレビュー調査検討委員会の委員が海外状況の調査をする際に、相手方に対し提示する資料として取りまとめたものである。

委員
 具体的にどのようにアンケートをし、情報収集したらよいか分からないが、国民から見て火山噴火予知に関する情報というのはどのように役に立っているのか、また国民からみて火山噴火予知研究に対しどういった要望や期待があるのかを知ることができれば大変参考になると思う。

委員
 例えば、全般的項目については、火山部会以外の噴火予知を専門としない人にも調査を行ったほうがよいと思う。その中である程度のことは分かるのではないか。一般国民に対しては、全国調査のようなことをすればよいと思うが、現実問題としては調査をするのは難しいのではないか。

委員
 市町村や都道府県などの関係自治体にアンケートを行うという手はある。そうすれば一般国民の考えていることが分かると思うが、事務局で調査するのは難しいのか。

事務局
 この場ですぐに結論を出すのは難しいので、レビュー委員会で引き続き議論して頂き、結論を出して頂きたい。

委員
 例えば予算獲得の際には、必ず何のために当該施策を行っているのかを聞かれるので国民の側の意識を知ることができれば参考になると思った。レビューの実施に伴ってこのような調査をすることが適切かどうかは分からないが、今後検討だけでもして頂きたい。

事務局
 先程、全国調査という話が出たが、おそらく一般的に調査するというのは非常に難しい分野であるので、もしヒアリング等を考えるのであればある程度、地域または対象を絞るという形で実施しないとこちらが知りたい情報というのは出てこないのかと思う。

オブザーバー
 火山噴火予知計画と直接の結びつきがあるか分からないが、気象庁では火山が噴火した時に火山情報等が、どのように自治体に使われているかアンケートをしている。

委員
 レビュー委員会で検討するということにしてはどうか。

委員
 外部評価をどうするのかにも関わることであるから、メディア関係者にも参加してもらって、それを通じて火山噴火予知計画が国民にとってどのような意味を持っているのかが分かればよい。

事務局
 フォーマット3については、エクセルで作成したこの様式だと作業が難しくなるのではないか。

委員
 第6次火山噴火予知計画のレビュー時には、フォーマット通りに提出されてこないものがたくさんあった。それを考え、エクセルで事項を細分化し作成した。

委員
 フォーマット3について、複数の機関にまたがっていたりするものについては、重複して提出されてくるのではないか。

委員
 重複しているものについては、レビュー委員会で削除し重複しないようにする。

委員
 先程、観測体制、国際協力、人材養成の項目を全般的な項目に追加するかどうかという話があったが、全般的な項目の5つめの項目「火山噴火予知計画を実施するにあたっての問題点と改善策(独立行政法人化や国立大学法人化などの状況変化および全国共同利用研究所の役割などを踏まえ)」の括弧内の最後に「観測体制、国際協力、人材育成も含む」と追記すればよいのではないか。実際には、「3.火山噴火予知体制の整備」という項目に、人材養成等については含まれているが、ここは個別的な事項を記載するところであるので、全般的な意見を求めるということから考えると、全般的な項目で記載させたほうがよい。

委員
 資料(4)の1ページ目の平成16年度の口永良部島の構造探査についてだが、実施機関は鹿児島大学ではなく、京都大学防災研究所であるので修正して頂きたい。

 上記の議論を踏まえ、実施方針等について部会長一任として修正することとなった。
  続いて、レビューの実施方針にて設置することとなったレビュー委員会の設置要項を確認した。また、石原火山部会長から、下記の通りレビュー委員会に所属する委員および主査の指名があった。

  • 石原 和弘 委員 (京都大学防災研究所教授)
  • 清水 洋 臨時委員 (九州大学大学院理学研究院教授)
  • 平林 順一 臨時委員 (東京工業大学火山流体研究センター教授)
  • 藤井 敏嗣 臨時委員 (東京大学地震研究所教授)【主査】
  • 鵜川 元雄 臨時委員 (独立行政法人防災科学技術研究所火山防災研究部長)
  • 濱田 信生 臨時委員 (気象庁地震火山部長)
  • 大島 弘光 専門委員 (北海道大学大学院理学研究院助教授)
  • 中田 節也 専門委員 (東京大学地震研究所教授)

(3)その他

 特になし。

以上

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研究開発局地震・防災研究課

(研究開発局地震・防災研究課)