資料16−2−2
14.8答申における『項目』 | これまでの取組み状況及び成果(平成14年8月答申より現在まで) | 今後の取組み予定と課題 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
4.1 海洋保全の基本的考え方と推進方策 | 4.1.2 海洋保全の具体的な推進方策 | (1)海洋環境の維持・回復に向けた総合的な取り組みの推進 | 2)人間活動に伴う陸域・海域・大気等からの負荷の削減 | ![]() |
●流出油防除体制等の強化 | 平成16年3月に「NOWPAP地域油流出計画」が合意(国交省主管)。平成18年6月に右計画の地理的範囲をサハリン東部沿岸へ拡大。 | 大規模な油汚染事件発生時にNOWPAP参加国(日、中、韓、露)が協力。 |
![]() |
●船舶等からの発生負荷の削減 | IMO,ILO,バーゼル条約で合同作業部会を開催し、新IMO条約(仮称)の策定作業を開始した。 | 新IMO条約を平成20年〜平成21年中に策定予定。 | ||||
4.2 海洋利用の基本的考え方と推進方策 | 4.2.2 海洋利用の具体的な推進方策 | (1)持続可能な海洋生物資源の利用 | 2)再生型資源の利用の推進 | ●海水淡水化技術開発 | 中東和平多国間協議の流れを受けて、平成8年12月に設立された中東淡水化研究センター(MEDRC)に設立国として加盟した(活動支援のため300万ドルを拠出)。我が国は平成10年3月に「淡水化技術と水資源マネジメントセミナー」を本部にて開催した他、平成17年3月には同センターにおいて「逆浸透膜法における飽和及び付着物除去」の研修を我が国の経費負担で実施し、MENA(中東・北アフリカ)地域からの合計29名の研修員の参加を得て「逆浸透膜法」の技術移転に努力した。また、過去に島嶼国に対する漁港等の付帯施設として用水用の小規模の淡水化ユニットを導入している。 | 逆浸透法については更なる低コスト化が課題である。また、用水供給事業として民間資本が参入している分野でもあり、ODAとの棲み分けについて検討が必要である。 一方MENA地域への支援については、今後も同センターの活動への協力を通じて、当該地域における淡水化技術の向上に貢献する予定。引き続き「逆浸透膜法」は当該地域にとって有益な技術であるところ、財団法人造水促進センターや同分野有識者、企業と連携し、研修やセミナーを行っていきたい。 |
|
(3)市民生活の基盤を支える海洋鉱物・エネルギー資源利用 | 1)海洋鉱物・エネルギー資源の利用に向けた研究開発 | ●海洋における鉱物資源の調査及び開発 | 平成17年から国際海底機構において、コバルトリッチクラスト及び海底熱水鉱床にかかる探査規則案の検討を開始し、現在、海底熱水鉱床の規則案に絞って検討も進めており、我が国は積極的に議論に参加した。 | 引き続き、国際海底機構における海底熱水鉱床及びコバルトリッチクラストの探査規則案の審議に積極的に参加する。 | |||
(5)安全で効率的な海上輸送の実現 | ●安全な海上輸送の実現のための海賊対策 | 二国間協力の枠組みを活用した取組としては、平成18年度に「テロ対策等治安無償」を立ち上げ、マラッカ海峡の海賊対策等を目的として、インドネシアに巡視船艇3隻を供与した。また、海上保安分野の技術協力としてフィリピン及びインドネシアに対して専門家派遣を行った他、フィリピンにおいて「海上保安人材育成プロジェクト」、マレーシアにおいて「海上警備救難」の技術協力プロジェクトを実施した。さらに、集団研修「海難救助・海上防災」、地域別研修「海上犯罪取締りセミナー」を実施した。 多国間協力については、我が国主導の下、ASEAN(アセアン)諸国、中国、韓国、インド、スリランカ及びバングラデシュが協力してアジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)策定交渉を行い、平成16年11月に協定の案文が採択され、我が国は平成17年4月に本協定を締結し、協定は平成18年9月に発効した。本協定の規定に基づき、平成18年11月に国際機関である情報共有センター(ISC)が設立された。我が国よりは、同センターの初代事務局長として伊藤国連代公使を派遣し、また、海上保安庁からも職員を一名派遣している。 海賊対策を含めた海上の航行安全の確保という観点からは、マラッカ・シンガポール海峡に関するIMO会合等の場において、同海峡の航行安全に係る国際協力を促進している。 |
二国間協力については、今後も引き続き「テロ対策等治安無償」を活用し、マラッカ海峡の海上保安対策を支援していく。また、今後実施予定の技術協力としては、引き続きフィリピン、インドネシアに対する専門家派遣、集団研修「海難救助・海上防災」、地域別研修「海上犯罪取締りセミナー」を実施するとともに、フィリピンにおいて「フィリピン海上保安教育・人材育成管理システム開発プロジェクト」、マレーシアにおいて「海上警備救難(フェーズ2)」を新たに実施する予定としている。 ReCAAPについては引き続き、情報共有センターを通じた締約国間の協力体制を強化するとともに、協定の実効性を確保するため、未締結国であるインドネシア、マレーシアの協定締結を強く働きかけていく。 航行安全への国際的取組については、海賊対策等の海上不法行為に対する規制強化を目的として、平成17年度に海洋航行の安全に対する不法行為の防止に関する条約(SUA条約)2005年改正議定書が採択された。本議定書では、新たに船舶そのものを使用した不法行為、大量破壊兵器等の使用行為及び輸送行為等が犯罪化され、公海上において旗国以外の国が乗船及び捜索を行うことを容易にするための手続に関する事項も盛り込まれている。今後は国内実施法の整備も含め、本議定書の締結に向けた必要な作業を進める予定である。 |
||||
4.4 海洋政策全体の基盤整備の基本的考え方と推進方策 | 4.4.2 海洋政策全体の基盤整備の具体的な推進方策 | (4)国際的な問題への対応 | ●国際共同事業への積極参加及び技術移転の推進 | 航行の安全確保の関連では、東南アジア諸国に対して、制度作り、人材育成を中心に支援を実施した。 海洋の環境関連では、平成17年9月まで4年間に亘りパラオ「国際サンゴ礁センター強化プロジェクト」を実施し、地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク(GCRMN)のミクロネシア地域の拠点としての機能を担う同センターの能力強化のための協力を行った。また、平成16年1月から平成21年1月までエクアドルにてガラパゴス海洋保護区の参加型管理システムの強化を目的とした「ガラパゴス諸島海洋環境保全プロジェクト」を実施している。 水産資源関連では、JICA(ジャイカ)では平成14年以降、水産資源の保全管理にかかる協力をマレーシア、セネガル、ガーナ、トリニダードトバゴ、モーリシャス、フィリピン、エルサルバドル、コスタリカ、バヌアツ等で実施してきた。セネガルの例では平成15年6月から平成18年11月まで開発調査「漁業資源評価・管理計画調査」を実施し、同国排他的経済水域の漁業資源評価を実施すると共に、住民参加による沿岸漁業資源管理モデルを提案した。そのモデルを世界銀行が採用し、「沿岸漁業資源総合管理計画(平成17年〜平成22年)」において、モデルを活用した資源管理を実施している。また、カリブ地域においては、カリブ共同体(CARICOM)をカウンターパート機関とし、水産資源管理のための広域開発調査を開始すべく事前調査を実施した。 |
航行の安全確保については、アジア沿岸諸国への支援、特に、マラッカ海峡の安全航行のための支援を重視していく。 海洋の環境関連では、引き続き平成21年1月までエクアドルにてガラパゴス海洋保護区の参加型管理システムの強化を目的とした「ガラパゴス諸島海洋環境保全プロジェクト」を実施していく。 水産資源関連では、JICA(ジャイカ)の地域別の水産分野協力方針を作成し、地域的な課題にきめ細かく取り組んでいく。今年度は、中西部アフリカと大洋州について協力方針を作成する予定であり、中西部アフリカにおいては、零細漁村振興、水産物流通改善、内水面養殖振興、女性活動支援と並んで水産資源管理を開発目標の一つとして位置づける方向で検討中。水産資源管理については、国境を越えた対応が求められ、我が国のみの投入では達成することが難しいため、FAOや世界銀行等の他機関との連携の方策を探ることとする。また、大洋州においても、資源管理が重点課題の一つとなる見込みであり、資源管理に当たっては、地域機関であるForum Fishery Agency(FFA)、Secretariat of Pacific Community(SPC)、University of South Pacific(USP)との連携を進めることとする。 |