海洋開発分科会(第65回) 議事要旨

1.日時

令和4年2月9日(水曜日)~令和4年2月16日(水曜日)書面開催

2.議題

  1. 海洋開発分科会における委員会の設置について

3.配付資料

4.出席者

委員

(書面による意見聴取、議決を行った委員)
藤井輝夫分科会長、小原分科会長代理、榎本委員、川合委員、河野委員、川辺委員、河村委員、窪川委員、後藤委員、阪口委員、田中委員、谷委員、中川委員、廣川委員、藤井徹生委員、前川委員、見延委員

5.議事要旨

1. 科学技術・学術審議会海洋開発分科会運営規則に基づき、資料1にて「海洋開発分科会における委員会の設置について」に係る書面審議を行った。
2. 委員からの意見を踏まえて、資料2を追加した。
3. 最終とりまとめについては、藤井海洋開発分科会長に一任され、3月15日付で委員会の設置を決定した。

〇委員からの意見

(資料1に対する意見)

  • 委員の選出については、その専門分野の方々を確保されるとよい。

  • 日本の科学者はこの分野の国際貢献と日本の産業技術の育成へ貢献しているので、政策的な支援を検討すべき。

  • もし、今後の海底資源開発への展開も視野に置いて「掘削のありかた」を検討するのであれば、持続可能な海底資源開発を実現するための方策として、掘削サイト周辺の海洋環境生態系への影響、周辺海域の既存利用者への影響、地域への社会経済的影響、影響を減じるための予防措置も検討の範囲に含めること。

  • 海洋科学掘削の在り方も時代とともに変化しており、社会ニーズ、時代にマッチした掘削調査の目的やニーズに見直すべき。新たな視点として、地震メカニズムの解明のための海洋掘削による防災への貢献、カーボンニュートラル達成に向けての海洋掘削での貢献など。マントル掘削がいまだに達成できていない中、新たな取り組みの前に、これまでの取り組みや現状の技術レベルなどの総括をしっかりすべき。掘削調査には大きな予算が必要であり、費用対効果も十分検討すべき。

  • 過去の実績を評価するには、巨額の予算投入に見合った成果を出せたかどうかを中心に議論すべき。そのため、海洋科学掘削委員会では、「ちきゅう」の当初目標で何が成し遂げられ、何が成し遂げられなかったのか、当初目標に含まれるかどうかを問わず「ちきゅう」が地球惑星科学分野の推進において成し遂げた貢献、「ちきゅう」の当初予算計画と実際の使用額、「ちきゅう」の予算が海洋に関する文部科学省の予算のどれだけの割合をしめてきたのかをまとめること。

  • これまでの掘削実績と合わせて、孔内計測や人工チムニー、現場培養など新たな技術として提案され、進められてきた取り組みがどの程度進展し、アウトカムが得られたのか合わせて確認すること。

  • 海洋科学掘削について、分科会で取り組むべきか、委員会を立ち上げるべきかを資料1のみで判断することは困難であり、仮に委員会を立ち上げる場合に委員会に与えるべきミッションについても資料1ではわからない。委員会に与えるべきミッションを分科会の正式な資料として示し、書面審議の経緯を対外的に示すべき。

(資料2に対する意見)

  • 委員会の設置は賛成ではあるが、調査・検討項目が「海洋科学掘削」ありきになっているところに大きな違和感あり。次期海洋基本計画の立案にあたり、これまでの海洋科学掘削の成果と課題を検討した後、「継続」または「中止」の分岐点を重点的に議論して委員会としての見解を示すべき。

  • 建造目的であるマントル掘削をいまだに達成できていないことについて、計画の問題か、技術的な問題か、掘削の熟練の問題なのかを本委員会で解明し、総括することが重要。最初から活用ありきではなく、場合によっては廃船の選択肢を入れた深い検討・議論をするのであれば賛成。

  • 海底掘削の今後について真に意味のある議論を行うためには、専門家による技術的及び政策的な視点からの実質的な議論が必要であり、部会全体での議論よりも委員会の設置が望ましい。

  • 国の海洋関連の他のインフラとの連携、相乗効果についても議論すべき。これまで得られた主要なアウトカム(サイエンスに加え、技術的なものやオペレーションに関するものなど)についてもまとめるべき。他の掘削プロジェクト(陸上、氷上など)も含めて、世界の中での位置づけの確認が必要。

  • 資料2の「3.今後の海洋科学掘削を利用した地球惑星科学分野の研究開発の考え方」について、経済的視点:経済安全保障への貢献の追加を要望する。特に、昨今では、ウクライナの件もあり、有事や世界の政治経済のブロック化に対する経済安全対策は国民の生活維持には欠かせない。現時点では不明であるが、現在の第3期海洋基本計画における総合的な海洋の安全保障の一環として次期海洋基本計画にも盛り込む候補に成り得ると考える。

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