海洋開発分科会(第7回) 議事要旨
1.日時
平成14年7月17日(水曜日) 10時~12時
2.場所
東海大学校友会館 「望星」
3.議題
- 「長期的展望に立つ海洋開発の基本的構想及び推進方策について」答申案について
- その他
4.出席者
委員
平分科会長、伊藤、奥脇、小野、兼原、木下、栗林、小池、小林、近藤、高橋、田代、難波、橋口、平澤、堀、松永、吉田 各委員
文部科学省
今村研究開発局長、吉田海洋地球課長、渡邉課長補佐
オブザーバー
農林水産省
本田水産庁企画課主席企画官
経済産業省
本城鉱物資源課長
国土交通省
小池海洋開発官、菅野海洋室専門官
他
5.議事要旨
6月4日から24日まで文部科学省ホームページ上で行った答申案に対する意見募集の結果と意見に対する答申の修正箇所について事務局より説明を行い、その修正箇所等についての各パートに分けて審議を行った。
1 はじめに ~ 3 海洋政策のあり方までに対する意見は以下の通り
- 答申は政策を中心にまとめたものであり、政策のあり方を主にまとめたものではないので、「21世紀初頭における日本の海洋政策のあり方」として主題にするのは適さない。(吉田、小野委員)
- 「21世紀初頭における日本の海洋政策のあり方」を表題とすることは賛成だが、題目の記述を最終的にどのようにするかについては議論が必要。また、今度答申をまとめる際には題目への配慮をお願いしたい。(小池委員)
- 海洋開発について、誤解が無いよう答申の中で明確な定義を行い、これまでの政策の反省の上に立って海洋開発の方向性を示すべき。(小林委員)
- 1はじめにの「有効な対策を行うための政策と技術が要求されている」は、技術というのは政策のなかに含まれる概念であり、「と技術」を削除すべき。(高橋委員)
- 答申の中で記述のある「市民」と「国民」について使い方の整理をするべき(田代委員)
- 原則的には市民で統一するべき(小林委員)
- 意見を受け3.2でアジェンダ21についての記述を付加しているが、2.1において保全に関する国際的な枠組みは十分に記述されており、その必要はない。(兼原委員)
4.1 海洋保全の基本的考え方と推進方策に対する意見は以下の通り
- 4.1.2(1)の閉鎖性内湾の関係で、不適切な表現があるので、以下のとおり修正するべき。「それら生物」は「それらの生物」に、「二酸化炭素、窒素、リン等の吸収」は、「吸収」を「代謝」に、「多種多様な生物が住んでおり、生物多様性が高く」は「生物多様性が高く」に修正。(小池委員)
4.2 海洋利用の基本的考え方と推進方策に対する意見は以下の通り
- 4.2.2(1)1)●海洋生物資源全体の持続的利用の推進は修正に伴い記述を整理すべき。(兼原委員)
- 4.2.2(2)●海水淡水化技術開発、(3)●海洋石油技術の先端的研究開発の「期待される」、「貢献する」といった文末は、「である」、「すべきである」、「必要である」といったその他の並びにそろえるべき。また、●海洋石油技術の先端的研究開発の「大水深度掘削」は「大水深」と修正すべき。(木下委員)
- 4.2.2(6)国民の親しめる海洋に向けてで、「沿岸部のテーマパーク」は海洋を親しむためのものとして適当ではない。また、「いくつもの新たな海洋性レクリエーションの分野が開発され」、「豊かな国民生活の形成、地域経済の活性化等にとり、ますます重要な課題になっている」は現在の海洋レクリエーションを取り巻く現状から記述として適当ではない。「小型船舶による海難の増加傾向」については、統計の取り方が問題になっている部分がある。(小林委員)
- 教育普及機能を非常に強化するという点から(6)国民の親しめる海洋に向けての施策は重要である。テーマパークも、海浜公園の利用で、テーマパーク的なものを提供して、それを市民が享受しているということがあり、記述として不適切ではない。(堀委員)
4.3 海洋研究の基本的考え方及び推進方策に対する意見は以下の通り
- 一般からの意見の陸を含む全体の窒素リン循環を考えることは海洋環境を考える上で重要であり、答申の修正案について提案したい。(小池委員)
4.4 海洋政策全体の基盤整備の基本的考え方と推進方策 ~ 5 結びまでに対する意見は以下の通り
- 4.4.2(5)総合的な視点に立った海洋政策の企画・立案システムは、一般的にわかるよう、より明確な記述をするべき。(木下委員)
- 4.4.2(5)総合的な視点に立った海洋政策の企画・立案システムの記述は、海洋利用委員会の報告書と比較し、全体としてアクセントが弱い。(小野委員)
- 4.4.2(5)総合的な視点に立った海洋政策の企画・立案システムを一般に読みやすいよう答申概要案のようにすっきりした形でまとめてはいかがか。(木下委員)
- 日本財団の提言は個別具体的な提言もしており、意見に対する対応表93番の「日本財団の提言は我が国の海洋政策全体にわたるものである」の記述は見直していただきたい。(栗林委員)
- 答申によって、海洋政策がより良い方向で変わるのだというメッセージを発信しなければならない。また、これまでの個別対応ではなく、海洋政策に取り組むような仕組みをつくり出さないといけないというメッセージを強く出す必要がある。(高橋委員)
- これまでの海洋政策の反省の上に立って、今後の新しい世紀の海洋開発、あるいは海洋科学と私たちの生活を考える必要がある。また、4.4.1、4.4.2の(1)等で、内容が重複している。4.4.2(1)で海の日の活動として「海洋に関連する施設の見学会」、「パレード」を記述するのは答申の内容として適当でない。学校教育において、地域の市民活動をサポートすることが行政の役割として重要である。4.4.2(1)1)人材育成の推進で小、中、高、大等のレベルに応じた目標を示すべき。(小林委員)
- 4.4.2(5)総合的な視点に立った海洋政策の企画・立案システムは会長、主査、事務局で会議を開催し、まとめたものであり、今後、海洋政策の企画・立案システムを議論するという出発点を示した表現としている。(吉田委員)
- 海洋利用委員会の見解を踏まえ4.4.2(5)の「この提案に対しては、引き続きこのような視点からの検討が重要であることについて、一定の賛同が得られた」の「一定」を「多く」というふうに変えるべき。(小野委員)
- 4.4.2(5)総合的な視点に立った海洋政策の企画・立案システムで優先順位をつけて施策を立案するための、何らかの会議を設けるべきであるという提言をすべき。(奥脇委員)
本会議後、答申案に対して委員に意見照会を行い、本日の議論と併せて答申案の修正を事務局で行い、分科会会長の一任の元、科学技術・学術審議会総会に諮る答申案をまとめることとなった。