資料33‐1‐1 これまでの海洋開発分科会における主な意見(項目別整理)
※下線部は第32回分科会(4月16日)における意見
【総論】
- 現行海洋基本計画にも抽象的なビジョンは入っており、次期海洋基本計画の策定にあたっては、具体的な目標と計画(ロードマップ)をどのように定めるのかということが必要。
- 研究開発成果を産業化・海洋産業の発展につなげることをもっと意識すべき。
- 政策課題に対応して研究をするという視点が重要。政策実現のために科学技術の研究開発を進め、その成果を政策に活かすという制度はまだうまくできていない。
- 世界で実施しているから日本も実施するという考え方ではなく、例えば、豊富な水産資源を有すること等の日本の地政学的な特徴を踏まえ注力すべきところを強く打ち出すべきではないか。
【各論】
1. 我が国の重要課題に対応した研究開発
- 海洋鉱物資源及び海洋生物資源についてはこれまでに海洋開発分会においてかなり議論を行っており、中核が出来上がっているため、プラスアルファで重要な事項は何かをまず議論すべき。
- 資源について、外洋域の資源をどのように利用・管理するかの方針について国際的な視点からの検討が必要。
- 東日本大震災は大きな変化を海洋にももたらしており、この対応について議論すべき。
- 原発事故により発生した放射能物質の海中における挙動等について水産、海洋環境等の総合的な観点から技術開発や研究を行う必要がある。
- 放射性物質や海洋生態系の観測を通じ、水産物の安全性を確保することに科学技術は非常に重要な役割を果たしており、オールジャパンで取り組むことが必要。
- 津波、高潮等も対象とした総合的な海洋の防災に対処することが必要。
- 震災後、エネルギーセキュリティーの重要性は増大した。海洋再生エネルギー、メタンハイドレート等海洋エネルギー資源についても考えていくことが必要である。
- 海洋保護区について、愛知ターゲットやリオ+20等の国際的な枠組みに対して日本は何をするのかを念頭において本委員会でも議論すべきではないか。
- 海洋保護区の議論について、沿岸海域の保全というように広くとらえた方がいいのではないか。
- 過剰利用だけでなく、資源が十分に利用できているかという視点も含めて、海洋資源を持続的に利用するための管理・開発という視点が重要ではないか。
2. 基盤的技術の開発、長期的な観測の実施、研究プラットフォームの整備
- 研究プラットフォーム等の技術開発についても、ロードマップに合わせて技術開発・整備計画を策定することが必要。
- 海洋に関する科学的データ、特に個人の研究者が集めていたものを一括管理して、共有するための体制を整備することが必要。また、データへのアクセシビリティーを確保することも重要。
- どのような情報が欲しいかが示されれば、技術、システムをそれにあわせて考えることができるため、まずは何をターゲットにするのかを明らかにすべき。
- 省庁を超えたオールジャパンの海洋観測体制を構築すべきではないか。
- 海洋観測にはグローバルな視点に加え、国民への影響が大きいローカルな視点の両者が必要。また、総合的な海洋観測の戦略を策定してはどうか。
3. 異分野、国際連携
- 陸水域と海洋における現象は相互に影響を及ぼし合うことから、両分野における研究を連携させることは重要。
4. 海洋に関する人材の育成及び理解増進
- 教育やアウトリーチ活動に関しては重要だと言われているが、具体的な方策はあまり示されていない。人材育成のロードマップについて議論していくべきではないか。
- 人材育成については、大学だけではなく、初等中等教育や社会全般に対する教育においても取組が必要。
- 国民全体の科学リテラシーの向上を図り、震災時でも自分自身で情報を精査し、調査する能力を身につけさせることが必要。
- 国民への科学技術に関する情報の伝達方法についても、社会科学の先生も一緒に、少し広い視点で議論をするべき。