「海洋鉱物資源の探査に関する技術の実証の当面の進め方」について(概要)

1.経緯

 海洋基本法に基づく「海洋基本計画」(平成20年3月閣議決定)において、海洋資源の計画的な開発等の推進が求められたことを受け、科学技術・学術審議会海洋開発分科会に「海洋資源の有効活用に向けた検討委員会」を設置し、「海洋鉱物資源の探査に関する技術開発のあり方について」中間とりまとめを実施(平成21年6月)。

 今般、「新成長戦略」(平成22年6月閣議決定)において、海洋資源の開発・普及の推進が政府の重点事項と位置づけられたこと等を踏まえ、前記検討委員会において、特に自律型無人探査機(AUV)の開発、運用を中心に、文部科学省における当面の技術開発の進め方について検討を実施した。

2.「当面の進め方」の概要

(1)  海洋鉱物資源の探査に関する技術の実証

 海洋資源の利用促進に向けた基盤ツール開発プログラム、AUVの開発等の技術開発に加えて、技術課題の抽出、高度化の検討を通じて総合的な技術に完成させるべく、海底熱水鉱床やコバルトリッチクラストの存在が有望な海域において、海洋鉱物資源の調査を進めることによって、以下のような探査技術の実証を進めることが重要。

  1. 複数の機能の異なるAUVの効果的組合せと高性能化による調査技術
  2. 海底下の三次元構造を把握できるセンサー技術
  3. 遠隔操作型無人探査機(ROV)による複雑な地形に対応したサンプリング技術
  4. 地球深部探査船による海底下のサンプリング技術
  5. 支援母船、無人探査機群、センサーを組合せた探査システムの効率的、効果的運用

 当該実証を通じて得られたデータは、科学的な成果にもつながるもの。

(2)  AUVの整備に当たって留意すべき事項

 今回、「最先端研究開発戦略的強化費補助金」の措置にともなって独立行政法人海洋研究開発機構において開発するAUVの基本的考え方は、以下のとおり。

  1. 一隻の支援母船での複数AUVの活用を目指して、自律性の高いAUVの開発を目指すこと
  2. 機動力や操作性とのバランスも考慮しつつ、今後開発するセンサーが搭載できること
  3. 広い範囲の概略調査と狭い範囲の詳細な海底の状況把握を実施するため、巡航型と作業型の両型を整備すること

(3)  今後の検討課題

 「新成長戦略」が平成32年までの10年間での目標達成を目指していること等を踏まえ、本委員会において、今後10年間で実施する研究開発の具体的内容、スケジュール、関係機関との連携について引き続き審議を実施。

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