資料21-2-4 海洋鉱物資源開発に関する今後の検討について(案)

平成20年11月19日
文部科学省海洋地球課

1.背景

海洋エネルギー・鉱物資源の開発については、海洋基本計画(平成20年3月閣議決定)において、未解決の技術課題が多く残されているという認識の下、中期的(メタンハイドレートおよび海底熱水鉱床は10年程度)に商業化を目指すため、『排他的経済水域等における当面の探査・開発の対象を石油・天然ガス、メタンハイドレート及び海底熱水鉱床として、必要な政策資源を集中的に投入するほか、コバルトリッチクラストについては、今後の調査・開発のあり方について検討する』とされている。また、上記を推進するため、『平成20年度中に、関係府省の連携の下、「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(仮称)」を策定する』こととされており、現在、経済産業省資源エネルギー庁を中心として策定に向けた検討が進められている。

2.検討内容

文部科学省においては、経済産業省との調整結果も踏まえ、以下を含めた海底熱水鉱床を中心とする海洋資源の探査に資する技術について、その具体的内容、研究開発の進め方等について、海洋開発分科会において検討を行うこととする。

○未発見の海底熱水鉱床を広域かつ効率的に探査するための技術(環境影響評価の観点から優先的な開発が望まれる「活動が停止した海底熱水鉱床」を探査するための技術を含む)
○詳細な海底下構造を立体的(垂直方向)に把握し、鉱床の賦存量を高精度で把握する技術
○海底熱水鉱床等の探査に適した自律型無人探査機(AUV)、遠隔操作無人探査機(ROV)等の探査機技術

3.検討の進め方及びスケジュール

海洋開発分科会に設置されている「海洋資源の有効活用に向けた検討委員会」(別添1)に、海底熱水鉱床および海洋工学に関する専門的知見を有する有識者を加え(委員は別添2のとおり。)、当該委員会において本年度中に上記検討内容に関する報告書(「中間取りまとめ」)を取りまとめたのち、海洋開発分科会において審議・決定することとする。(「中間取りまとめ」では、文部科学省の競争的研究資金「海洋資源の利用促進に向けた基盤ツール開発プログラム(以下、「基盤ツール」)」での新規公募課題を含めた今後の研究開発の方向性を整理するとともに、現在、独立行政法人海洋研究開発機構が実施しているAUV、ROVの開発を資源探査上明確に位置づけることが目標。)

取りまとめた報告書については、「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」を策定する経済産業省にも説明を行うなど、今後とも経済産業省と連携して当該分野の施策を推進していく。

(「海洋資源の有効活用に向けた検討委員会」における検討スケジュール)

平成20年 12月上旬 第1回会合

  • 審議事項、審議予定等の決定

12月~2月 第2~5回会合

  • 専門家からのヒアリングを実施(2週間毎に開催予定)

平成21年 2月 第5回会合

  • 「中間取りまとめ」骨子(案)の審議

3月 第6回会合

  • 「中間取りまとめ」(案)の審議、委員会決定
  • 海洋開発分科会において「中間取りまとめ」の決定

4月以降 「中間取りまとめ」を踏まえて「基盤ツール」の新規公募を実施 

(ヒアリング実施の観点)

海底熱水鉱床の探査に必要なセンサー類、探査機等に関して、以下の観点からヒアリングを実施する。

○探査の現状と課題の把握
○国内(民間を含む)及び国外における探査に関する最新の研究開発動向の把握
○海洋資源開発関連企業における技術開発ニーズの把握

別添1

海洋資源の有効活用に向けた検討委員会の設置について

平成19年8月8日
(海洋開発分科会決定)

海に囲まれた我が国が新たな海洋立国の実現を図るため、平成19年7月20日に海洋基本法が施行された。この中で、国は、科学的に解明されていない分野が多い海洋分野における科学的知見を充実させる責務を有するとされている。

特に、現在、我が国において、社会的な要請が強く、周辺海域で喫緊の課題となっている海洋資源の有効活用について、海底資源の探査や海洋環境変化のメカニズム解明・予測等を対象とした研究開発プログラムを実施し、関係府省が実施する海洋資源の開発及び利用に関する政策に貢献することが求められる。

このことから本プログラムにおいて、効果的な研究成果を生み出すことを目的として必要な調査を行うため、海洋開発分科会運営規則第2条の規定に基づき、「海洋資源の有効活用に向けた検討委員会」を設置することとする。

《調査事項》

海洋資源の有効活用に向けた研究開発に関する基本的な方針を調査する。

1研究開発プログラムのあり方
2その他

 別添2

海洋資源の有効活用に向けた検討委員会 委員構成(案)

(現在の委員)

今脇 資郎独立行政法人海洋研究開発機構 執行役 (主査)
鈴木 賢一日本水産(株)元相談役
小池 勲夫琉球大学 監事
瀧澤 美奈子科学ジャーナリスト
寺島 紘士海洋政策研究財団 常務理事
増田 信行独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構特命参与(金属鉱害防止関係担当)

(新たに本委員会に参画する予定の委員)

(理学)
浦辺 徹郎東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻
沖野 郷子東京大学海洋研究所海洋底科学部門准教授
平 朝彦独立行政法人海洋研究開発機構理事
(海洋工学)
浦 環東京大学生産技術研究所海中工学研究センター長
宮崎 武晃独立行政法人海洋研究開発機構海洋工学センター長
(民間・鉱業界)
阿部 一郎住友金属鉱山(株)取締役専務執行役

お問合せ先

研究開発局海洋地球課

電話番号:03-5253-4111(代表)、03-6734-4142(直通)

-- 登録:平成22年03月 --