海洋科学掘削委員会(第6回) 議事録

1.日時

令和4年9月29日(木曜日)13時30分~16時30分

2.場所

文部科学省16階16F1会議室又はオンライン

3.議題

  1. 今後の海洋科学掘削の在り方について
  2. その他

4.出席者

委員

川幡主査、石井委員、小原委員、窪川委員、阪口委員、鈴木委員、巽委員、野田委員

文部科学省

山之内海洋地球課長、戸谷深海地球探査企画官 ほか

5.議事録

【川幡主査】  ただいまより第11期科学技術・学術審議会海洋開発分科会海洋科学掘削委員会の第6回会合を開催いたします。
 本日は御多用中にもかかわらず、委員の皆様に御出席いただき、誠にどうもありがとうございます。
 まず、会議に先立ちまして、事務局に人事異動があり、大土井課長から山之内課長に代わりました。山之内課長、一言御挨拶をお願いいたします。
【山之内課長】  ありがとうございます。海洋地球課長の山之内でございます。8月1日に大土井さんの後任として着任いたしました。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様におかれましては、今後の海洋科学掘削の在り方についてということで、4月から精力的に取り組んでいただいております。本当にありがとうございます。
 本日は、最終的な提言の取りまとめに向けての議論ということで、忌憚のない御意見を伺わせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【川幡主査】  どうもありがとうございました。山之内課長、ありがとうございます。
 それでは、会議に入りますが、まずは事務局より定足数の確認及び配付資料の確認をお願いいたします。
【事務局】  事務局でございます。本日は、8名全ての委員の皆様に御出席いただいておりまして、本委員会の運営規則第2条に定める定足数の過半数を満たしておりますことを御報告いたします。
 また、事務局としまして、文部科学省研究開発局海洋地球課の山之内、深海地球探査企画官の戸谷、海洋地球課の関係者が出席しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。本日は、議事次第にありますとおり、資料1、資料2-1、資料2-2及び参考資料1を御用意させていただいております。委員の皆様には、事前に議事次第を含め、資料1と資料2-1、資料2-2を一つにしたものと参考資料を送付させていただいております。会場にお越しの委員の皆様にも、お手元に同様のものを御準備しております。本日の委員会では、議事に合わせ資料を画面共有させていただきます。御不明な点、不備等ございましたら事務局までお知らせください。
 また、資料1として、第5回海洋科学掘削委員会の議事録(案)を用意しております。委員の皆様に事前に確認いただき、御意見を反映したものとなっております。万が一追加で修正等ございましたら、明日30日をめどに事務局に御一報いただきますようお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。
【川幡主査】  どうもありがとうございます。
 それでは、本日の議題、今後の海洋科学掘削の在り方についてに入ります。
 事務局には、前回の7月26日の委員会を踏まえて、骨子(案)から報告書(案)に更新していただきました。前回と同様、項目ごとに区切って議論したいと思いますが、その前に、今日の要点を言っておきます。
 一つは、文章の確認であります。皆様、5回にわたっていろいろアイデアを出していただき、御発言いただきましたが、議事録にしますと大体25万字でした。今回配付されている資料は1.5万字、6%ぐらいになっています。私も読みましたが、基本的に議事録に書かれていないことはちゃんと書いてない。これ重要。それで、あと、階層構造、それもきちっとなっているかなと。あと、重要な事項がきちっと書かれている。あと、時間的な経緯、そういうのも記載がきちっとしてますね。また、論理の進め方。というわけで、現時点の書類も事務局のほうで準備してくださって、よくできていると思いますが、ともかく確認していただければと思います。6%になってますから、重要なことが抜けてないかを御確認ください。
 それから2個目は、それと並行して、上の委員会、海洋開発分科会というのが8月30日に開催されまして、私が中間報告という形でしましたが、そのときに、委員のほうからコメントいただいています。そのコメントに対してきちっと答えているかというのも重要なので、この2点、これに重点を絞って議論を進めていければと、そのように考えていますのでよろしくお願いいたします。
 いつも、前回までのといって、私、大体5分ぐらいでまとめて示しましたが、今日はその必要はないです。それで、うまくまとまれば、一番最後に、全部で18時間の議論を踏まえて、それを1分程度にまとめたというのを、私はトライしてみようかなと思っています。まあ、いいです。でやりましょう。
 前回と同様、項目ごとに区切って議論したいと思います。
 まずは、目次と、「はじめに」と、1ポツ(1)①「ちきゅう」を用いた海洋科学掘削の現状、(ア)これまでの活動実績・課題について、事務局から御説明をお願いいたします。
【戸谷企画官】  事務局でございます。資料2-1を御覧ください。今、画面共有しております。
 今後の海洋科学掘削の在り方について、提言(案)というタイトルの13ページの資料で、左端に1から458まで通しで行番号が振られております。川幡主査から御案内ありましたとおり、前回7月26日の第5回の委員会でお示しした骨子(案)に、第5回委員会での御発言及び後日御提示いただいた案文を点線囲いで加筆したものを参考資料1として用意しておりますので、適宜御参照いただけたらと思います。
 報告書(案)を準備するに当たっては、参考資料1をベースに、8月30日に海洋開発分科会で川幡主査から中間報告を行った際にいただいた御意見も加味しております。
 骨子(案)では、1の序文から2、3、4と章立ての階層レベルが整っておりませんでしたが、資料2-1、目次を御覧になっていただくと分かりますとおり、全体を「はじめに」と「おわりに」で囲みまして、内容を大きな二つの大項目、1ポツ、海洋科学掘削の現状と、2ポツ、今後の我が国の海洋科学掘削の在り方にくくり、現状とこれからという構成として階層レベルも整えました。
 1ポツ、海洋科学掘削の現状につきましては、(1)我が国における海洋科学掘削の現状として、①「ちきゅう」、②「コアリポジトリー施設」、③「かいめい」、それぞれを用いた現状。(2)として、海洋科学掘削に関わる国内外の周辺動向として、①海洋科学掘削による地球惑星科学の進展と②国際協力枠組(IODP)の変化としました。
 特に「ちきゅう」の現状については、もう1階層を設け、これまで議論されてきたとおり、科学的視点、社会的視点、技術的視点の実績と、運用上の課題を記述する構成です。
 2ポツ、今後の我が国の海洋科学掘削の在り方として、(1)社会課題への海洋科学掘削の対応、そして(2)として、海洋科学掘削を進める上で必要な事項をまとめております。
 では、内容に入ります。ページをめくって32行目となります。
 「はじめに」は骨子案にありました序文に該当しまして、これ全て読み上げると長いですので、ざっくり御説明いたします。
 海洋科学掘削とは何か。これまで我が国が前IODPと現行IODPに、掘削船とコアリポジトリー施設を提供し、国際的な海洋科学掘削を主導してきたこと。一方で、目標として掲げてきたものの、いまだ達成できていないものがある中、「ちきゅう」が船齢を重ねて、JAMSTECが外部評価委員会を設置し、助言を受けてきたこと。現行IODPが2024年9月に終了するので、その後について国際的に検討が進んでいること。そうしたことを背景に、海洋科学分科会が海洋科学掘削委員会を設置したこと。海洋科学掘削委員会では、今後5から10年を対象期間として、我が国における海洋科学掘削の在り方について検討を行い、提言を取りまとめたことを記述しました。
 続きまして、63行目、次のページになります。
 1ポツ、海洋科学掘削の現状、(1)我が国における海洋科学掘削の現状、①「ちきゅう」を用いた海洋科学掘削の現状、(ア)これまでの活動実績・成果としました。
 骨子案では、これまでの活動実績としていたところですが、できたこと、成果をきちんと分かるようにということで、タイトル自体を「これまでの活動実績・成果」としております。
 各視点についての記述の前に、総論的な記述としているのは骨子案のとおりでして、ここには以下のようなことを書いております。
 「ちきゅう」建造時の位置づけ。「ちきゅう」はIODPでどのようなテーマの推進に活用されてきたか。技術確立、人材育成、他国の掘削船に乗船することにより研究者が育成されてきたこと。
 「ちきゅう」に投じられてきた予算。この部分は海洋開発分科会の中間報告にて、具体的な金額を示すべしとの指摘を受けまして、第1回委員会のJAMSTECの発表資料の数字を記載いたしました。そして近年、十分な運航ができていないことについて、予算の制約であることが正確に伝わるようにとの御意見を第5回の委員会でいただいておりましたので、ここは「近年は運航費が確保できず」と記載いたしました。
 次に、視点別の記述となります。89行目から御覧ください。
 科学的視点として、IODPの四つのテーマのうち二つ、「変動する地球」と「生命圏フロンティア」に関連した成果を創出してきたこと。
 具体的には、「変動する地球」では、長期孔内観測装置によるスロースリップ(ゆっくり滑り)の検知、DONETと接続することによるリアルタイムモニタリング、東北太平洋沖地震から1年後に緊急掘削を実施したことなどを記載。スロースリップの部分は、社会的成果というよりは科学的成果であるとの御意見を反映して、こちらに書いております。
 次に、「生命圏フロンティア」では、下北八戸沖の掘削航海で、海底下生命圏に大量のアーキアが生息していることを明らかに、世界最深の海底下微生物群集及びその生命圏限界の発見といった成果を記載しました。
 一方で、次は105行目から先になりますが、南海トラフ地震発生帯掘削計画では目標としたプレート境界まで達することができず、当初の科学目標に未達成部分があること、そして「変動する地球」の課題の一つに挙げられているマントル掘削に関してもいまだ実現に至っていないこと。
 さらに、110行目から先ですが、「ちきゅう」の航海スケジュールを組む段階まで進んだものの、予算状況により実現に至っていないものがあり、その中には「ちきゅう」のみで実施可能で国際的にも高い期待を集めていたプロジェクトがあり、それが実施されていないことにより、国際的な掘削科学コミュニティに落胆を与えているものがあることを記述しました。このような事態を避けるためには、運用側とコミュニティとの丁寧な対話と実現可能性の検証が必要であったとしました。
 次に、社会的視点について、118行目からです。
 科学掘削は巨大地震の発生場を直接理解できる唯一の方法であり、防災・減災の観点から非常に大きな意義があり、南海トラフの地震発生帯掘削の掘削孔に長期孔内観測装置を現在までに3基設置し、微弱な地殻変動計測が可能であること。DONETと接続したリアルタイム観測・監視の情報を関係機関に提供するシステムが構築され、現状評価や地震発生リスク評価の精度が目覚ましく向上したこと。また、掘削同時検層や掘削孔の分析により、断層構造や断層近辺の鉱物組成及び各種物理特性の理解が深まり、地震・火山現象の理解・予想研究が進展してきたことを記載しました。
 骨子案で社会的視点に記載しておりましたレアアース回収は技術的視点のところに、CO2貯留につきましては、これからの取組であり実績に記載すべき事項ではないので、この部分には記載しておりません。
 次に、132行目、技術的視点についてでございます。
 「ちきゅう」の建造により、我が国で大水深・大深度掘削技術・操船技術、特に苛酷な海象・気象環境下での定点保持技術を機器と操船の両面で確立したことや、ライザーレス掘削に関する種々の機器の開発により掘削効率が向上したこと。「ちきゅう」運用に際して、国際標準規格に対応した労働安全衛生及び環境保全の体系的・総合的管理体制が新たに整備され、付随したノウハウが蓄積されたことを記載しました。
 これに加え、140行目から先ですが、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)でレアアース泥回収に向けて行われている技術開発において、「ちきゅう」がその一端を担っていることを記載しました。
 この部分につきましては、骨子案では、レアアースの回収に向けた技術の早期確立に貢献としていたところですが、海洋開発分科会への中間報告におきまして、SIP事業において「ちきゅう」がその一端を担っているのは事実であるものの、技術の早期確立とまでは言い難いとの御指摘を受けて反映したものであります。
 また、技術的視点として、建造当初に目標とされていた科学成果を達成するために進めていくこととされた技術開発の中には、いまだ開発ができていないものがあることを記載しました。詳細は、後述するマントルをめぐる課題にまとめました。
 以上が(ア)これまでの活動実績・成果です。
 それでは、川幡主査にお返しいたします。
【川幡主査】  どうもありがとうございました。
 ちょっと補足します。上のほうの海洋開発分科会のほうで、予算計画に対して投入額をきちっと記載してくださいというのが見延先生からありまして、これはラインの83に書いてあります。それで、あと、委員会の資料もオープンになっているということなので、そこでも額は書いてございますので、対応できているかなと思います。
 今日の書類は全て行番号が振られておりますので、何かある場合には、具体的に何行目の云々と言っていただけると、みんなそこを見やすいかなと思います。
 それから、あと、先ほど御説明ありましたSIPに関しましては、レアアースの回収に向けた技術の早期確立と貢献とありますが、疑問ですという御意見がありましたので、「一端を担っている」というふうに書いてございます。
 では、皆様の御意見を伺いたいと思います。御質問、御意見ありましたらよろしくお願いします。どうでしょうか。
 巽先生、お願いします。
【巽委員】  巽です。では、口火を切らせていただきたいと思います。
 まず最初に、非常によくまとめていただいて、事務局ありがとうございました。川幡さんもお疲れさまでした。
 その上で、幾つか意見を述べたいと思います。
 まず、「はじめに」のところなんですが、一番最初の節のところ、33行目からのところの1文なんですが、具体例として云々の「解明が挙げられる」と書いてありますが、「解明」という言葉はちょっとおこがましいような気がしますので、これは理解が進んだと、理解への貢献とかいうほうがいいと思います。
 それから、具体例として、きっとこの文章は海洋科学掘削全般のことを述べているというふうに理解すると、プレート境界のダイナミクスのみならず、プレートテクトニクスの確立という言葉は私は重要だと思います。
 それから、あとは、地球環境変遷というのも、恐らく地球システム変動という認識が深まったということが重要かと思いますので、その辺りを書き込むことが重要かと思います。
 具体的に文章を申し上げると、「具体例としてプレートテクトニクスの確立やプレート境界のダイナミクス、海洋地殻・海台・島弧の成り立ち、地球システム変動、海底下生命圏の存在などの理解への貢献が挙げられる」という文章でいかがかと思いました。
 まず1点目はそれです。
【川幡主査】  ちょっと待ってくださいね。私、この文章そのままで、今、巽先生の言われたのでいいと思いますので、それに異議のある先生、おられますか。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  じゃ、録音してありますので、この文章で行きたいと思います。じゃあ、次に。
【巽委員】  よろしいでしょうか。次、「一方」で始まる47行目からの最後の、「ちきゅう」の運用主体であるJAMSTECが委員会を設けて検討しているところであるという文章があるんですが、これは事実は事実なんですけど、私としては、なぜここに、この今検討しているということが、どうなのか、少し分かりませんでした。というのも、検討しているのであるとすると、この委員会での提言との関わりというのはどうなるのかなというふうに少し思いました。別に強い主張ではありませんが、ここにこの「ちきゅうの」から始まる文章が必要かどうか、もう一度お考えいただきたいと思います。
【川幡主査】  はい、私も思ってます。これ、後にまた出てきますけれども、2019年から開催したと書いてあるんですが、もうコロナの前に委員会やったのに、まだ検討しているんじゃ変じゃないかなと、読んだときには思いまして、また後で出てきますから、そのときに遡って一緒に議論でよろしいでしょうか。聞こえます、巽先生。
【巽委員】  はい。私はこの文章は別にここで改めて言う必要はないような気がしました。
【川幡主査】  そういう意味ですね。
【巽委員】  はい。それから、続けてよろしいですか。
【川幡主査】  どうぞ。
【巽委員】  その次のページ、67行目。これちょっと確認なんですけれども、ここで書かれていることは、日本と米国のジョイデス・レゾリューション号の2船体制というふうに書かれていますが、この時点で2000年の前IODPが始まったときには、もう既にMSP(特定任務掘削船)の導入というのは入っていたんじゃないかという記憶があるんですが、2船体制でよろしいんですか。3船という言葉を使うかどうかは別として、「ちきゅう」とジョイデス・レゾリューション号、それからMSPの三つの船の体制ではないんですかねと思ったんですが、いかがでしょう。
【川幡主査】  前IODPのときですね。
【巽委員】  はい。
【川幡主査】  スモールIODPのときはもう3船でしたね、確かに。
【巽委員】  はい。
【川幡主査】  これちょっと確認します。
【巽委員】  もしそうであるならば、「米国と共に」というのは、「米国及び欧州コンソーシアムと共に」という言葉を入れたほうがいいような気がします。
【川幡主査】  
 ほかに、先生、どうでしょうか。3船体制というのを確認した上できちんと書くという形にしておきます。
【巽委員】  大きいことはそれだけです。あと細かい文章のコメント等は、またいずれ。
【川幡主査】  どうもありがとうございます。
 じゃあ、今の3船体制の云々というのも、それに沿うような形で書き加えたいと思います。少なくともスモールIODPから私やってたけれども、そのときにはもう3船でしたね。前までは、ちょっと私やってなかったから。
 じゃあ、次、石井先生お願いします。
【石井委員】  石井です。巽先生がおっしゃっていた51ページの52、53のところですが、下の脚注にある「『ちきゅう』によるマントル掘削技術にかかる検証委員会」(2022)、この委員会は自分が座長を務めています。文章の流れにより、この検証委員会のことだけを指しているような印象を受けました。後ほど御議論するということで、自分はそう考えていると言いたかったというのが一つです。
 それと、すごく細かなところなんですが、54ページの138行目で、「管理体制が新たに整備され、やそれに」と書いてある。「や」はミスタイプですよね。
【川幡主査】  そうですね。はい、そうです。おっしゃるとおり。
【石井委員】  以上です。
【川幡主査】  どうもありがとうございます。
 ほかにありますでしょうか。
 野田先生お願いします。
【野田委員】  自分でしょうか。
【川幡主査】  はい、お願いします。
【野田委員】  ちょっと細かいことなんですけれども、1点だけ。126から127にかけての、「現状評価や地震発生リスク評価の精度が目覚ましく向上」と書いてあるんですけれども、この精度が目覚ましく向上したというのは、何か数字で見えるものが大きく上がったということなのか。というのは、地震発生リスク評価の精度を評価するには、事が起こった上で、どの程度合ってたかというのを見ることが必要なんじゃないかなと思ったんですけれども、なので、これは精度を数字としてまだ出せるような段階じゃないんじゃないかなというふうに、そういう観点から思いました。
 後のほうで似たような文言が出てきまして、まだそこまで今の議論は行っていませんけれども、後のほう、もしくは、これ改訂される前は、「現状評価や地震発生リスク評価に大きく貢献した」とか、そういう書き方をされていて、そちらのほうがいいんじゃないかなと、個人的には思っております。
 以上です。
【川幡主査】  ちょっとお待ちくださいね。これ、現状評価が目覚ましく向上したのはいいんですね、まずね、これはいいですよね。
【野田委員】  それはそうですね、現状評価に関しては。
【川幡主査】  次に、リスク評価……。
【野田委員】  の精度が目覚ましく向上というのは、ちょっとどうなのかなと。
【川幡主査】  小原先生、どうですかね、御意見ありますでしょうか。
【小原委員】  私も、先ほど戸谷さんが発言されたときに、その精度というところにやっぱり引っかかりました。「精度」を取ればいいんじゃないかと思いますけど。
【川幡主査】  「精度」を取るね。これが一番……。趣旨は伝わりますものね。「精度」を取る。野田先生、どうですかね、それで。
【野田委員】  それでいいと思います。
【川幡主査】  「現状評価や地震発生リスク評価が目覚ましく向上している」と。どうもありがとうございます。
 ほかにありますでしょうか。
 窪川先生お願いします。
【窪川委員】  細かいところなんですけれども、さっきのJAMSTEC内というのは、私も同じように思ったんですが。
【川幡主査】  何行目。
【窪川委員】  さっきのは53行だったので、52行目の、ここはちょっと後で多分、訂正が入るのかなと思うんですけれども。
【川幡主査】  もう一回戻ってきて議論しましょう。そっちのほうがきっといいかなと思いますので。
【窪川委員】  はい、そうします。次なんですけれども、76とか77行目の技術とあるんですが、例えばライザー掘削技術ですとか、何かそういう具体的なものを一つ入れたほうが、あまりにも建造技術、掘削関連技術というか、ちょっと技術の大ざっぱなところがあるので、一つでも具体的な目玉のところを入れたらいかがだろうかというふうには思いました。
【川幡主査】  結構、掘削といっても範囲が広いので、この表現が正しいけれども、先生の御指摘のように、イメージするのに何かあったほうがいいなというんだったら、「ライザー掘削などの」という単語を入れて、それで掘削技術にという案はどうですかね。
【窪川委員】  はい、いいと思います。
【川幡主査】  じゃ、そちらの方向でとします。
【窪川委員】  これだとあまりにも一般的過ぎると思いました。
【川幡主査】  また文言は考えますけれども、ライザーなど。
【窪川委員】  もう一つなんですけれども、あと二つある、すいません。生命圏フロンティアのところの、104行目の、鈴木先生にお伺いしたいんですけれども、「生命圏限界を発見した」という表現でよろしいんでしょうか。
【川幡主査】  鈴木先生。
【鈴木委員】  確かに、限界を発見するという表現って、ちょっと何か確かに違和感ありますね。
【窪川委員】  微生物群集の発見はいいんですけれども、生命圏限界のところは、発見ではなくて提唱したとか、何か違う表現のほうがいいかなと。
【鈴木委員】  そうですね、提唱した……、同定したまですると言い過ぎだと思うので、提唱したとかかなと思います。
【川幡主査】  世界最深の海底下微生物群集……、文章どうすればいいですか。
【窪川委員】  「微生物群集を発見及びその生命圏限界を提唱した」と。
【川幡主査】  提唱でしたっけ、今。
【窪川委員】  鈴木先生の、後で専門家に。
【川幡主査】  提唱した。そういうふうに直します。どうもありがとうございます。
 どうでしょうか。巽先生、細かいことたくさんあるとかだけれども、いいですか。取りあえず次に行っていいですか。もう一回、もし必要なら戻ってきます。
【巽委員】  非常に細かいことなので、後で送りますので、御検討を。
【川幡主査】  じゃあ、基本的に、重要な句及び結論みたいなところの締めの動詞みたいなところの発見するとか、そういうものに関してはよろしいでしょうか。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  じゃ、時間もありませんので、まず次に行きたいと思います。では、その次ですね。続いて(イ)「ちきゅう」の運用上の課題に入りたいと思います。その課題について、事務局から御説明お願いします。
【戸谷企画官】  事務局でございます。次に、(イ)運用上の課題について御説明します。
 この項目は、大きく「プロジェクト管理に関する課題」と「マントル掘削をめぐる課題」に整理しました。
 まず、154行目、プロジェクト管理について。IODP第358次研究航海「南海トラフ地震発生帯掘削計画」では、「ちきゅう」による超深度掘削を行い、巨大地震発生帯の地質学的特徴を把握することを目標としていましたが、目標深度への到達を断念する結果となったこと。これを受けてJAMSTECでは、第三者である有識者を委員とした「IODP第358次研究航海『南海トラフ地震発生帯掘削計画』プロジェクト管理に関する外部評価・助言委員会」を設置し、外部評価と助言を受けたことを記載しました。
 具体的には、162行目から先でございますが、大規模な科学掘削としてはマネジメント体制に不備があったこと、意思決定プロセスが不明瞭で決定に対する責任の所在が曖昧であったこと、運用以外の部署・立場からのレビュー・審査体制が不整備であったため運用部署内部での決定に重点が置かれていたことなどの問題が指摘され、今後の対応として、大規模な科学掘削を行う場合、掘削計画に見合う管理基準・体制を整備できるよう、明確に「プロジェクト」と定義づけることを助言。さらに、プロジェクトの遂行に当たっては、科学目標、技術リスク、マネジメントリスク、コスト評価、スケジュール管理等の事前見当を十分に行うこと、マイルストーン審査を行い中断や中止も含めた適切な計画変更判断を行える体制を整備すること、プロジェクトの妥当性評価や意思決定に現場部門以外の意見を取り込む体制とすること等が挙げられたことを記載しました。
 現在、JAMSTECでは、大規模な科学掘削を実施する際のプロジェクト管理に関する課題改善に向けて検討が行われているものの、具体的な改善策の策定には至っていないことを記載しました。
 この部分につきましては、現状の記載の中でここまでの記述となっております。後段、ずっと先のほうですが、409行目におきまして、具体的な改善策の策定を早急に進めるべきと考えるとしております。そこの部分、先取りになりますが、分かれますので、そういうふうなまとめになっていることをあらかじめ申し上げました。
 そして、その次、176行目から先のマントル掘削については、このページの下の脚注にあります、「ちきゅう」建造に先立つ1998年の航空・電子等技術審議会における深海地球ドリリング計画評価報告書におきまして、2014年度末までのマントル到達を目標に掲げ、段階的な技術開発を進めてきたものの、2022年現在実用化できていないことを記載しました。
 こちら、阪口委員からも御指摘を受けていたところですが、さきの海洋開発分科会における中間報告の際も、これを明記すべきとの御意見を分科会委員からいただいたものでございます。
 そして、179行目から説明のとおり、JAMSTECにおいて客観的に大水深・大深度掘削技術開発の現状を検証し、マントル掘削を実施する際に必要となる技術について助言を受けるため、第三者である有識者を委員とした「『ちきゅう』によるマントル掘削技術にかかる検証委員会」を設置しており、その結果概要を記載しました。
 特に重要な主要点としまして、186行目にあります、水深4,000メートルまで対応可能なライザーシステムの開発が主な課題であり、素材変更による軽量化の近い将来の実現は難しいこと、ライザーパイプ補助管やライザーパイプの小径化による軽量化は期限を決めて検討していく余地があるとされました。
 194行目から先、マントル掘削については、技術的な課題のほか、技術開発は当初もくろみどおり進んでいない実情を十分に周知してこなかったこと、適切なタイミングで開発状況を説明する姿勢が必要であったことを記載しました。
 もう1点、骨子案では、イメージを前面にPRしたという記述をしておりましたが、そこから踏み込みまして、198行目から先、マントル掘削を目標に掲げた当初から、「人類未踏領域への挑戦」という科学目標を十分に表さない表現が先行し、社会に共感される科学的意義の議論・検討が十分深化してこなかったことを記載しました。
 この点につきましては、今のをそのままというわけではなくて、200行目の終わりのほうから、近年では掘削科学コミュニティにおいてマントル掘削の科学的意義についての議論及び認識がより深まり、マントル到達に向けたステップとしてのパイロット孔掘削提案が提出されていることを記載した上で、就航当初から、マントル掘削によっていかに魅力的かつ科学的意義の高い成果を得られるかを社会にも共感されるサイエンス・プランとすべく、関連する個別研究の成果を着実に挙げつつ幅広い科学コミュニティ全体で議論・検討することが必要であったという指摘にまとめました。
 以上で(イ)「ちきゅう」運用上の課題の説明を終わります。
【川幡主査】  どうもありがとうございました。上の分科会のほうの指摘は、平成10年、1998年の航空・電子等審議会の報告書で計画が述べられて、2010年までに4,000メートルライザーへ移行する、2014年にはマントルに到達すると書いてあるらしいんです。そういうのをきちっと書きなさいというような感じの御指摘を受けています。今回の文章、なぜ駄目だったかというのもきちっと書いてあるかなと思っています。
 個人的見解ですけれども、前、504B、この委員会でも申し上げましたが、そのスピードで一番深く海洋地殻を掘ったコアを基に予想すると、大体丸4年間かけてもようやく順調に行って到達できるかなということで、現実的に深いとこへ行くともっと作業難しくなります。パイプの上げ下げとか、あとは深いところで温度が上がってくるとか。そうすると、この1998年の報告書に書いてあるけれども、そのとききちっと精査して吟味して書かなかったというのが、少なくとも私、この専門家だったので、非常に今回思いました。非現実的なことを書いたなというのが一番です。いずれにしても、そのとき書いたという事実はありますので、ここにこのように記載しました。
 もう一つ、別の委員の先生から、マネジメントがうまくいかなかった。これから改善するというお話を、今、伺いましたけれども、具体的にどうするんですかというのに関連してですが、こちらから阪口先生に伺いたいと思います。2019年に委員会を設置して、実際に答申があったけれども、現時点では具体的な改善の策定には至っていないと。それで、この委員会の報告書として、409行目において、早急にきちっと解決策というのを提示してくださいというような書きぶりにしているんですけれども、上のほうの委員会、先生も出てたからお分かりと思いますが、なぜうまくいかなかったとか、そういうのもちゃんときちっと書いておきなさいと、そういう指摘を川辺先生のほうから受けていて、阪口先生はそのとき理事でもあったから、よくいろんなことを知っていると思うので、この書きぶり、これでよろしいでしょうかというのが、私から阪口先生への、まず質問です。
【阪口委員】  正直に申しますと、この書きぶりでは、要するにどこが問題で、それに対してどのように改正または進め方を改善して、どういうことが求められるということが感じないですよね。なので、期待感が湧かない書きぶりだなというのが正直なところですが、かといって、どう書けばそれが読み手が大いに賛同できるものになるのかということは、文章の量とかそういうことを鑑みると、ちょっと難しいかなとも思いますので、お役所的にはこれでいいのかなとも思いますが、本音でいうと、これだとまた同じことが繰り返されるのではないかという懸念が湧いてきます。
【川幡主査】  どうしたらいいでしょうね。役所の文章だからいいですかね。という話と、もう一つ書き加えましょうかというのが、今、言われましたけれども、こちらとしては、具体的な文案がないとやりにくいので、だから、もしよかったら、今日3時間ありますので、その間にもう一回戻ってきますから、何か文案いただけると一番いいかなと思います。
【阪口委員】  了解しました。
【川幡主査】  申し訳ございませんが。
【阪口委員】  分かりました。
【川幡主査】  この件は結構重要で、結構じゃなくて一番重要だったかと思うんです、この6回の委員会の中で。阪口先生の御指摘ももっともだなと、委員の方は今、共有していると思いますので、できたら文案いただければと思います。3時間以内に、また戻ってきますので、文章を直して。
 では、ほかの先生も含めて。巽先生お願いします。
【巽委員】  今のことなんですけれども、例えば194行目、「技術的課題以外に、運用上の課題もある」という文章がありますよね。でも、これ、「課題もある」では、恐らく絶対何も解決されないので、「課題が大きい」とか、何かそれぐらい書いてもいいんじゃないんでしょうかね。「大きく改善が求められる」とか。
【川幡主査】  運営上の課題が大きいというのはいいかもしれません。
【巽委員】  「大きく改善が求められる」とか。
【川幡主査】  今、巽先生の案文ですけれども、皆さんどうでしょうか。委員の先生、いいですか。反対ないようなので、採用したいと。
 阪口先生どうですか。
【阪口委員】  今の部分は賛成です。この書きぶりだと、ほかの問題のほうが大きかったように捉えられてしまいますから。
【川幡主査】  では、そういうふうに、まず変えます。ほかに。
 石井先生お願いします。
【石井委員】  石井でございます。特に文章を変えてくださいというわけではないのですが、1998年の報告書ですが、報告書記載の背景は、産業界で大水深開発ブームのピークだった頃です。よって、産業界の技術を取り入れるというのが前提だったと思います。この後、大水深開発は、油価の下落、シェールオイルの台頭等いろいろな影響もあってトーンダウンし、産業界からの技術提供が得られなかったということを、本委員会で石井より発表させていただきました。このような背景があったということを、本委員会の方向所に記載する必要性はないと考えますが、ここにいる委員の先生方には、頭の中に入れておいていただきたいと思っております。
【川幡主査】  でも、先生のこの委員会での発表の中でも、その件は複数回言われて、ここに書き入れても全然不都合はありませんので、見延先生からも、その経緯をきちっと書いておきなさいというのが宿題になっておりますので、当時、産業界での進展が大きく期待されていたがとか何か入れたらどうかなと思います。でも、実際にはいろいろあって、そういうふうにならなかったので、現在に至っては、ドリルパイプでしたっけ、開発するところの会社もなくなっちゃったとかありましたよね。
【石井委員】  はい、そうです。
【川幡主査】  では、産業界の云々のという感じで、句で何かちょっと入れる方向で検討したいと思います。いいでしょうか。
【石井委員】  ありがとうございます。
【川幡主査】  これは見延先生からの指摘も、きちっと書いておきなさいと言われていますので、いいかなと。いいですね。
【戸谷企画官】  よろしいですか。事務局でございます。今の石井委員からの御指摘のような、そういう産業界がサポートできるようにならなかったというようなところを195行目のあたりに、技術開発が当初もくろみどおり進まなかった背景として、そういうことをちゃんと説明できていたらというような形で取ってはいかがでしょうか。
 すいません、195行目のところで、「マントル掘削を実施するための段階的な技術開発が当初目論見通り進んでいない」。
【川幡主査】  でなかったら、そこのところに「大きく期待されたが」とか入れて、それで。
【戸谷企画官】  なぜ、そこが当初もくろみどおり進まなかったのかというと、当初もくろんでいた産業界の技術の転用というのが、油価の影響その他で、実際現実的でなくなってしまったことでそれができなくなった、予定どおり進まなくなったという、タイムラインの見直しについてきちっと説明がされてこなかった、または十分でなかったというような感じで。
【石井委員】  確認ですが、油価等の影響といった具体的に文章が修正されるというように理解していいのか、つまり原文のままでそう読み取れということではなくて、追記されるという理解と考えてよろしいですか。
【川幡主査】  多分、石井先生、少し変えてくれと言っているんだと思うので、加筆、もしできたら。難しいですかね。
【戸谷企画官】  委員の皆さんの御同意が得られれば、加筆いたします。
【川幡主査】  では、加筆の方向でということで。産業界の盛り上がりでもいいですけどね、が期待されたが、当初のもくろみどおり進んでいないという実績をとか何か。
 ほかの先生どうですかね、今の。
 阪口先生。
【阪口委員】  私は別の箇所なので、今の議論が終わってからで。
【川幡主査】  そうですか。今の議論どうでしょうか。反対なかったら入れたいと思います。それのがもうちょっときちっと背景が分かるかな。
 巽先生。
【巽委員】  今の入れるのは、それでいいかと思うんですけれども、私、ここの177行目意と194行目のところを読んでいて、これを素直に読むと、先ほど阪口さんも少し言われましたが、技術的課題が非常に大きくて、運営上の課題はその次であるような印象を受けます。一番問題なのは技術的課題があることを運営上きちっと認識して、それをコミュニティと共に考えなかったことなんではないんでしょうか。ですから、そういう意味で言うと、運営上の課題というのがまず来るような気がするんですが、いかがですか。
【阪口委員】  全く同意します。
【川幡主査】  ほかの先生どうでしょうか。今の全く同意しますに反論する人は。
【窪川委員】  賛成します。
【川幡主査】  窪川先生、ここで賛成しています。何か大勢は決まりましたので、そちらの方向で文章を変えたいと思います。
 どうやって変えますか。「上記の技術課題にまして」ですね、「以外に」じゃなくて。という感じですよね、今のね。「まして運営上の課題が大きく」。「まして」だな、それ以上にという意味で。「まして」か「以上に」か。ですよね。今の巽先生の御意見とかを入れると。
【巽委員】  もしくは、運営上の課題ということを最初に持ってきて、以下に述べるような技術的課題に関する対応がということでもいいのかもしれません。
【川幡主査】  はい。でも、「まして」のほうがもっと強調されますね。
【巽委員】  お任せします。
【川幡主査】  じゃあ、そのどっちかの2者選択でよろしいでしょうか。いずれにしても、技術よりも運営上の課題が大きかったというのをきちっと分かるように書いてくださいというのが委員会のコンセンサスだということにしたいと思いますが、反対の人。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  では、巽先生と阪口先生の御意見を優先して、ここはそういうふうに変えたいと思います。窪川先生もきちっと賛成されましたから、プラス窪川先生。ちゃんと録音されていますから。
【窪川委員】  はい。
【川幡主査】  ほかに。
 阪口先生。
【阪口委員】  158行のところで、断念したでしたっけ。ここは理由をきちんと書くべきで、「複雑な地層構造による孔壁崩壊が予想されていたにも関わらず、その現象に対する技術が不十分であったため到達を断念する結果になった」と書くべきだと私は思うんですが。
【川幡主査】  きちんと書きなさいということですけれども、小原先生どうでしょうか。
【小原委員】  私ですか。
【川幡主査】  専門に近いから。
【小原委員】  いや、あまり専門には近くないので、阪口先生のおっしゃるとおりでいいと思います。
【川幡主査】  野田先生。
【野田委員】  野田ですけれども、当てられましたでしょうか。自分も詳しいいきさつ等を存じ上げませんので、阪口先生のおっしゃるとおりでいいのではないかと思います。
【川幡主査】  分かりました。巽先生、いいですね、それで。
【巽委員】  はい。
【川幡主査】  当時JAMSTECにおられたと思うので。
【巽委員】  正確な表現だと思います。
【川幡主査】  じゃあ、みんないいと言っているから。窪川先生もよろしいですか。
【窪川委員】  はい。
【川幡主査】  じゃあ、採用ということで。ちょっと今、言われたので、録音してあるから分かりますかね。今、長かったけど。
【戸谷企画官】  大丈夫です。
【川幡主査】  じゃあ、野田先生お願いします。
【野田委員】  野田です。関連している部分なんですけれども、その上の151行目に、「これらの取組が未達成となった要因としては」と書いてあって、一方で、プロジェクト管理に関する課題は、これは確かに大きな問題やと思うんですが、これのせいで未達成になったということなのかというのを、ちょっとそこは自分の認識がよくあれなんですけれども、今のプロジェクト管理に関する課題は、主に、無理やと思ったのに早めに撤退をもっと適切なタイミングでできなかったこととか、できなかった上で、そのプロジェクトをどうするべきであったかみたいなことが主に書かれていると思うんですけれども、これは未達成となった要因としていいのでしょうか。
【川幡主査】  阪口先生お願いします。
【阪口委員】  今の野田委員の質問というか懸念は、撤退するポイント等をきちんと決めてなかったから未達成になったという因果関係でよいのでしょうかという話ですよね。
【野田委員】  そうですね。撤退するところをちゃんと決めてて、ちゃんと撤退したら、それは未達成ではなくて、何というのかな……。
【阪口委員】  いやいや、決めてても達成できなかったら未達成になるから、その因果関係がおかしいとおっしゃっているわけですよね。そういうことですよね。
【野田委員】  そうです。
【阪口委員】  そうではなくて、さっき巽先生がおっしゃられたように、技術が追いついてないというか、技術的な裏打ちがないということを、マネージする側、要するに意思決定をする側にきちんと伝えないまま実行に至ったということが、実は一番大きな問題なんですよね。要は、撤退のタイミングをきちんと知らせない、撤退のタイミングを決めてなかったということは、マネージとしてよくないんだけども、取組が未達成になったという原因は、技術の裏打ちがないままに、それをきちんと共有せぬまま、ゴーというサインを出して、未達成になったということ。そっちのほうが私は大事だと思うので、さっきの議論の、私が言ったことの158行目の議論の一歩前の議論に、そこは帰結されると思うんですけども、いかがですか。
【野田委員】  今の御説明でよく分かりました。それが表に出る書きっぷりがいいんじゃないかなと、個人的には思います。
【阪口委員】  巽さん、いかがですか。
【巽委員】  全くそのとおりです。きっと、未達成ということを書くと、その前の目標を達成できなかったということを受けて未達成というふうに、今、野田さんが少し勘違いされたように思うので、これはもう成功しなかった、もしくは失敗したと書くのが一番簡単だと。
【川幡主査】  これらの取組が。
【巽委員】  成功しなかった、もしくは失敗した。
【川幡主査】  どっちがあれですかね、ショックが小さい感じですかね。両方失敗しているから、ショックはショックなんだけど。成功しなかったほうがいいかな。成功しなかった要因としてはのほうが。
 事務局の方、どうですか。
【山之内課長】  成功しなかったのほうが。
【川幡主査】  提案します。今、二つありましたけれども、巽先生、成功しなかったのほうでどうでしょうかね。
【巽委員】  委員長の御意向がよく分かりましたので、結構です。
【川幡主査】  実際、できてないから。
【戸谷企画官】  今の、成功しなった、失敗したというのは、取り組んだものについて言えるんですが、マントル掘削というのはまだ始まっていないので、これは成功したとも失敗したとも言えず、やはり未達成、目標に掲げていたが達成していないという書き方しかしようがないと思うのですが。そこは南トラについては成功しなかった……。
【川幡主査】  じゃなかったら、その未達の部分、マントルはそうですねというんだったら、「これらの取組が成功しなかった、あるいは未達成となった」と羅列したらどうですか。で、順番に出てくるから、プロジェクトの管理といって、南海トラフの話とマントル掘削。もっときちっと言うなら「それぞれが」と入れたほうがいいです。
 どうですかね、論理的にいいですか。
 では、「これらの取組が」ちゃんと書くんなら「それぞれ」を入れて、「成功しなかったあるいは未達成となった」と書くと、項目に従って、最初が成功しなかった、次が未達成となってと読む人は分かるかなと思います。
【阪口委員】  計画どおりに進まなかったでいいんじゃないんですか。
【川幡主査】  未達成の言葉を。
【阪口委員】  はい。
【川幡主査】  よろしいですか、事務局。
【戸谷企画官】  はい。
【川幡主査】  この部分はすごく重要で、6回の議論の中核は、それを結構吟味してきたんで、きちっと書いてくれと見延先生にも言われているから、また上の分科会に行って、ちゃんと書いたんですかと、私も書きましたと言って。じゃないのはよくないと思うんですよ。きちっとやるというのが大事なんですね。阪口先生、上の分科会に委員でおられましたから、また質問されたときに、きちっと書き込みましたと言うほうが、宿題になっていると僕は認識しているので。
【阪口委員】  きちんと書き込みますと答えた以上は、そこは無理ですとは言わなかったですからね。
【川幡主査】  きちんと書きますと返事した。実際そうだったのでいいと思います。それよりは、やっぱり改善して今後どうきちっとやっていくかというとこが課題だというのがコンセンサスだと思ってます。
 ほかに、今のところでありますでしょうか。
【窪川委員】  174行目ですけれども、具体的な改善策の策定には至っていないというのが、少々気になります。それが始まって検討しているのであれば、○○年までに策定の予定であるとしたほうが具体性があっていいのと、あるいはここの行はなくして、具体改善に向けた検討が行われているで切ったほうがいいのかと思いました。
【川幡主査】  行われていない。
【窪川委員】  いないです。
【川幡主査】  僕が調べた限りでは、いない。
【窪川委員】  私、言葉が。
【川幡主査】  これはちょっとまた後でみんなで議論できたらと思って、今、阪口先生に案文とかいう宿題しているのと同じで、総合討論で最後、どうですかね、ここは。
【窪川委員】  はい。
【川幡主査】  小原先生、お願いします。
【小原委員】  ちょっと戻りますけれども、148の、そこの目次の構造のことなんですが、(イ)は運用上の課題で、その下にプロジェクト管理と、それからマントルの話が出てくるんですけど、その(イ)の151のところには、「以下のようにプロジェクト管理に関する課題や技術開発の課題等が挙げられる」と書いてあるので、そうすると、目次構造はプロジェクト管理に関する課題と技術開発の課題ということになるんだと思うんです。
 なるんだと思うんですが、実際には、プロジェクト管理に関する課題は、基本的に南トラの話だけですよね。そうすると、そこは南トラに関する目次を入れたほうが、その後のマントル掘削をめぐる課題というのと対になるかなと思いました。ちょっと違和感があるというだけです。
【川幡主査】  どうしましょうね。運用上の課題という、そこのところをあれしますかね、項目の名前。
【小原委員】  そこを変えてもいいと思いますけど。要は整合が取れればいいと思います。
【川幡主査】  南海トラフは、確かに管理に関することが書いてあって、マントルのほうは技術も含めた、一部管理も入っていますけれども、技術について主に書いてありますね。そうすると、運用上の……。「以下のようにプロジェクト管理に関する課題や技術開発の課題等が挙げられる」とそこに書いてあるから、それが実際タイトルなんですよね、本来はね、長いと。
【小原委員】  そうですね。
【川幡主査】  そうですよね。どうしますかね。一部取って、プロジェクト管理や技術開発の課題とかいうのでどうですかね。その(イ)のとこのタイトル。そこの以下のように何々と書いてあるところの一部を取って、プロジェクト管理や技術開発の課題。
 事務局何かあります。 どうでしょうか。今、小原先生が言われたのは、書いてあることはプロジェクト管理に関する課題で南海トラフ、マントル掘削に関する課題で技術の側面が主に書いてあるから、しかも上のところに、「以下のように」と書いてあるというので、項目立てを「運用上の課題」でなく、プロジェクト管理や技術開発の課題に変えるというのが提案です。
 窪川先生はいいと言ってるんですけど、ほかの先生はいいですか。事務局いいですか。どうぞ。
【戸谷企画官】  今の御指摘踏まえますと、「以下のようにプロジェクト管理に関する課題や技術開発の課題等」と言っている、その下で、最初プロジェクト管理に関する課題と書いた以上は、次はマントル掘削をめぐる課題というタイトルというのは違和感があると、そういう御指摘。
【小原委員】  そういうことですね。
【戸谷企画官】  で、ここはマントル掘削をめぐる課題とするのではなく、このとおりでは技術開発の課題というふうに。
【小原委員】  それが一番素直ですけど。ただ内容的には。
【戸谷企画官】  ただ内容的には技術開発だけではないと思っているので。
【小原委員】  マントルのほうは技術だけじゃないですよね。
【戸谷企画官】  ですので、そうなると、逆に、このプロジェクト管理に関する課題というのを南トラ……。
【小原委員】  そこを南トラにするのが一番手っ取り早いかなと思います。
【戸谷企画官】  そうすると、この柱書のところを「プロジェクト管理に関する課題や技術開発の課題」というのを、これを南トラとマントルというふうにすると、やはりちょっと違和感がある。ちょっと整理の仕方が今すぐ思いつきませんが。
【川幡主査】  巽先生お願いします。
【巽委員】  今のような問題点はあると思います。それで、「以下のように」のところを、「以下のように『ちきゅう』の主要研究課題である、もしくは研究目標である二つのプロジェクトに関して、プロジェクト管理に関する課題や技術開発の課題が挙げられる」として、1番目のほうを南トラにしちゃうというのはいかがですか。
【戸谷企画官】  すみません、もう一回ゆっくりお願いできますでしょうか。
【巽委員】  「以下のように『ちきゅう』の主要2プロジェクトに関して、プロジェクト管理及び技術開発等の課題が挙げられる」として、1ポツ目を南海トラフ地震発生帯掘削、2番目をマントル掘削にする。
【戸谷企画官】  ありがとうございます。
【川幡主査】  以下のように「ちきゅう」の主要プロジェクトに関して、プロジェクト管理や技術開発等が挙げられるというのですか。それで南トラ地震発生とマントル。細かな文言は、録音に入ってますので、それでもう一回確認しますけれども、趣旨はよく理解できると思いますので、ほかの先生どうでしょうか。よろしいでしょうか。煮詰まったと思うので、7分ぐらい議論してます。
 石井先生お願いします。
【石井委員】  すみません、議論を複雑化するようで非常に申し訳ないのですが、技術のところは、こういう状況で、なかなか難しいですと記載してありますが、最初の議論にあったように、1998年の報告書で技術開発については、こういう方針で進めていきますと記載していることより、この箇所についても技術開発そのものじゃなくて、技術開発のマネジメントが課題だったと考えますので、そう解釈すると、あんまり変えなくても良いのではと思います。
【川幡主査】  そういう意味ですね。
【石井委員】  はい。技術開発ではなく、技術開発管理としたほうが、座りがよいのではと考えます。よって、152行目の技術開発の後に管理を入れると、運用上の課題として整合するのではと思います。
【川幡主査】  いやいや、混乱しないです。いろいろ考えてベストのアンサーを探ればいいので。さっき巽先生が言われた「以下のように」の部分は、説明として非常に分かりやすいので、それを採用して、南トラの地震何々の課題というのもこのとおりだし、マントル掘削をめぐる課題というのもこのとおりで、その中にマネジメントがやっぱし入っているんだよというのが今の御指摘だと思いますので、巽先生の言葉をまず採用して、それで運用上の課題というので変えないというのはどうですかね。(イ)は変えない。というので、石井先生の今の、ですよね。
【石井委員】  はい。わかりました。
【川幡主査】  整合的ですよと。じゃあ、もう一回繰り返しますと、変えないけれども、変えるところは、巽先生の御指摘のあったところは分かりやすくていいと思うので、以下の云々というとこと、あと南トラの云々というところは、地震発生帯でしたっけ、の課題とかいうのを採用してそこに入れるということにしたいと思いますが、反対の人いますでしょうか。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  では、採用にしたいと思います。どうもありがとうございました。
 じゃあ、次に行きましょう。その次は、コアリポジトリーのところからですね。じゃあ、事務局お願いします。
【戸谷企画官】  事務局でございます。時間が押しておりますので、早くしてやろうと思います。
 207行目を御覧ください。②「コアリポジトリー施設」を活用した研究開発と③「かいめい」を用いた研究開発です。
 骨子案では、「かいめい」を用いた研究開発と「既存コア」を用いた研究開発という順にしておりましたが、前回本委員会、また海洋開発分科会中間報告の際も、高知コアセンターの重要性が指摘されたことから順序を入れ替えました。また、「既存コア」という言い方をしておりましたが、コアを保管・管理し、キュレーションや分析なども行う「コアリポジトリー施設」という表現に改めております。
 208行目に入ります。
 高知コアセンターは世界にただ3か所のIODPコアリポジトリー施設の一つであり、過去50年間にわたる国際科学掘削プロジェクトで採取された西太平洋からインド洋の掘削コアが約146キロメートル保管されていること。年間150件程度のサンプルリクエストへの対応を行っていること。ここの部分、ちょっと修正漏れがあって汚くなっております。失礼いたしました。
 コアの利用は、コアを採取した研究航海参加者だけでなく、全世界の研究者が利用でき、異なる研究航海で採取されたコアを横断的に分析することができ、国内外の研究者がコア試料を活用し、複数地点・海域の横断から分野横断型の研究まで様々な成果を挙げていること。特に、古環境・古気候研究や火山・火成活動などの分野での利用が多く、それらの分野での新たな知見の創出に寄与していることを記載したほか、218行目から先、オリジナル試料を長期にわたり適切に保管し、必要に応じていつでもアクセスし再検証できる状態に管理してきた高知コアセンターは、FAIR原則を体現したオープンサイエンスの先駆けとなる役割を果たしてきたことを記載しました。
 採取されたコアの研究だけでなく、それらのコアを用いた仮説に基づき新たな計画立案がされるなど好循環が進んでいること。高知コアセンターには多くの分析機器が導入され、単なる保管庫ではなくコアを用いた先端研究の拠点として国内外の研究者に利用されており、同センターは太平洋西部からインド洋のコアを国際的に保管・管理する世界で唯一無二の存在であることを記載しました。
 次、227行目、「かいめい」を用いた研究開発について。
 「かいめい」は、海底から40メートルまでのコア採取が可能なジャイアントピストンコアラ―と、海底から60メートルまで掘削可能な海底設置型掘削装置を搭載可能で、「ちきゅう」のような大深度掘削はできないものの、様々な研究航海でコアリング・掘削の実施に用いられてきたこと。特に昨年2021年のIODP研究航海「日本海溝地震履歴研究」では、欧州海洋研究掘削コンソーシアム(ECORD)と協力し、ジャイアントピストンコアラ―を用いて最大水深8,023メートルから日本海溝のコアを連続的に採取することに成功しています。
 これを含め、「かいめい」による様々な研究航海で採取したコアを用いて、これまで地球物理学、古環境、極限生命圏等の研究が進められているとしました。
 この部分は、前回第5回委員会でいただいた指摘を反映しております。
 ②「コアリポジトリー施設」を活用した研究開発と③「かいめい」を活用した研究開発の説明は以上です。
【川幡主査】  どうもありがとうございました。
 海洋開発分科会では、委員の谷先生から、正倉院と同じくらいの価値があるというふうに言われまして、貴重なところが皆さんに分かっているかと。この中で議論してきた、保管していること、サンプルリクエストで全世界に応えていること、オープンサイエンスを実行していること、ナンバーヘッドして分析器を多数導入していること。全て入っていますよね。
 あと、「かいめい」の研究、今後何千年に一遍すごい地震が起こるよとかいうのが出てくると思います。その前段みたいなのが書いてあります。
 この部分は、結構皆さん、いつもポジティブだったので、あまりないと思いますが、何かありましたらお願いします。
【窪川委員】  いいでしょうか。
【川幡主査】  はい。
【窪川委員】  コアセンターのところ、非常に重要で、よく書けています。「かいめい」を先に持ってきて、コアセンターは、コアあってのコアセンターなので、掘削の「ちきゅう」と「かいめい」、次にコアセンターを持ってきたらどうでしょうか。
 以上です。すみません、ちょっと大きな変化です。
【川幡主査】  いや、なぜ考えているかというと、1番目のはずっとIODPのコアに関連したことなんですけれども、それをコアリポジトリーに入れてて、「かいめい」は新たに出てきたから、時間的にもちょっと順序が逆転するので、コミュニティの人が読むと、ちょっと違和感を感じるかもしれないので。「かいめい」はどっちかというと未来に向けて、今ここまで進んでますよというような感じなので、これまでの実績というと、もう全然コアリポジトリーのほうが全世界的にも何十年の歴史があるというので、順番はこれでもいいかなと、ちょっと思えちゃったんです。
【窪川委員】  私もこれでいいと思います。コアセンターがいいということが強調されていたので、最後に持ってきたほうがいいと思っただけです。失礼しました。
【川幡主査】  「かいめい」をもっと褒めてくださいという意味ですか。分かりました。
【窪川委員】  そのままで。
【川幡主査】  委員の先生、どうでしょうか。書き過ぎだとか、もっと書けとか、いろいろあると思う。ないですか。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  じゃあ、まだ議論すること幾つもあるので、次に行きたいと思います。
 では、(2)の海洋科学掘削に関わる国内外の周辺動向についてお願いいたします。
【戸谷企画官】  事務局でございます。それでは、237行目に入りまして、(2)海洋科学掘削に関わる国内外の周辺動向について御説明します。
 まず、①として、海洋科学掘削による地球惑星科学の進展として、地球惑星科学という学問分野の概要、そして研究対象が多岐にわたり、研究手法も多岐にわたること。そして、本分科会では、海洋科学掘削の今後を考える上で必要な分野として、古環境・古気候研究、極限環境生命圏研究、火山・火成活動研究、地震研究、マントルダイナミクス研究の5分野の最近の動向についてヒアリングを行ったこと。関連の深い技術として、海底観測技術の研究開発の現状について調査を行ったことを、まず記載し、5分野それぞれにおける研究手法、海洋科学掘削がいかなる役割を果たしてきたかといったことを記載しております。
 そして、282行目になっておりまして、そこから先にありますとおり、上記のとおり、地球惑星科学では、海洋科学掘削によるサンプリングのほか、陸上科学掘削や氷床掘削など、掘削によるサンプリングが必要であること。その他、コアリングにより得られたサンプルを対象とした研究、検層・孔内計測データによる研究、サンプル・データを基にシミュレーション・室内実験・理論を活用して進む研究もあり、それぞれの研究分野に応じて、単一手法ではなく複数の手法が適切に用いられ、必要に応じて複数手法を組み合わせながら、総合的に各分野が進展しているとしました。
 ただし、研究目的に応じた手法は、他の手法に容易には代替し難いこと、固体地球の火山活動やプレート沈み込みの地球科学的証拠、極限環境の地下生命圏の生命科学的証拠、過去の気候・海洋環境のアーカイブなどの取得、スロースリップによる微細なひずみ変化を検知する長期孔内観測装置の設置などは、海洋科学掘削でこそ達成できたものであるとして、前回、委員会後に御覧いただきました大深度掘削が不可欠な研究も存在することを記載しました。
 その次、293行目から先、の②の国際協力枠組(IODP)の変化についてでございます。
 これは骨子案に記載されていたとおりで、まず現行のIODPが2024年9月に終了すること。ジョイデス・レゾリューション号を運航する米国は独自プログラムを進める構想を持っていること。ジョイデス・レゾリューション号の運航終了後、後継船構想があることを記載し、この状況を踏まえて、ECORDが日本と共同プログラムを構築することを提案し、検討を開始していること。中国は、新たに掘削プラットフォームを提供する意向を有しているなどの事実を記載し、306行目から先が、我が国としては、これまでのIODPの枠組みの中で、掘削船の相互乗船や、科学評価パネル、環境保護安全パネルといった国際委員会に日本人研究者を派遣し、IODPを牽引する我が国の存在感を示すとともに、互恵的な研究者交流が進展して、広い視野により研究マネジメントに携わる科学者が育成されてきたことを指摘した上で、2024年10月以降についても、我が国が提供できるものと、享受できるものの精査を行って方針を検討することの必要性を記載しました。
 1ポツ、(2)海洋科学掘削に関わる国内外の周辺動向の説明は以上です。
【川幡主査】  どうもありがとうございました。いかがでしょうか。
 241から279行目の辺りは、最後の結論、海洋科学掘削でこそ達成できるもののエビデンスを書いてあるような感じで、その前の行のところは、固体地球の火山活動やプレート沈み込みの地球科学的証拠、極限環境の地下生命圏の生命科学的証拠など              という具体的なものでまとめますよというようなことが書かれています。
 また、IODPに関しては、このように書かれて、間違いはないと思います。
 では、まず、ちょっと質問から。鈴木先生に質問です。ライン255のところに、極限環境生命圏研究という名称でここは書いてあるんですが、ラインの386のところ、後になると、海底下生命圏に理解に資する取組という言葉に変わっているんですよ。先生の分野のほうからいくと、統一したほうがよろしいか、それともこのままでよろしいか、どっか別のタームのほうが適当ですよとかいうサジェスチョンがあったらお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
【鈴木委員】  ばらばらしていて、違うものなの、同じものなのみたいな感じで分かりにくい部分があるんですが、極限環境生命圏のほうがより幅広くて、海底下生命圏というのが少し狭まった形になる。ただ今回、掘削というのがキーワードなので、海底下生命圏という単語でもいいかもしれない。でも、科学分野としては極限生命圏のほうがちょっと広くなるかなというふうに。
【川幡主査】  いろいろ言われたけれども、このままでいいですよと。そういう意味、それでいいですかね。
【鈴木委員】  その極限生命圏研究はという単語とか、その分野ではというのは特に間違ってはいないとは私は思っています。
【川幡主査】  でも、先生のオーソライズ必要なので。鈴木先生が言ったからと言ってみんな言い訳するから。どうですか、いいですか。
【鈴木委員】  はい、大丈夫だと思います。
【川幡主査】  窪川先生も生物御専門だけれども、いいですか。
【窪川委員】  はい、大丈夫です。
【川幡主査】  じゃあ、意見、コメントお願いします。ちょっとこれまで、私J-DESCやっているから、議論で差し控えてきたんだけれども、最後の文章に何か……。
 巽先生お願いします。
【巽委員】  288行目、固体地球の火山活動やプレートの沈み込みというのは、「固体地球の火山活動」って、何か変です。ですから、恐らく「プレートの形成や沈み込みの地球科学的証拠」でよろしいんじゃないでしょうか。
【川幡主査】  はい。ほかにありますでしょうか。
【戸谷企画官】  すみません、もう一度お願いいたします。
【川幡主査】  もう一度お願いします。
【戸谷企画官】  火山活動の部分も含めて全体どういうテキストになるのか。
【巽委員】  「固体地球の火山活動や」を削除。「プレートの形成や沈み込みの地球科学的証拠」にする。
【戸谷企画官】  ありがとうございます。
【川幡主査】  よろしいでしょうか。ちょっと提案したいんですけれども、今まで議論してなかったことなので。ライン307の「日本人研究者を派遣してきた」という後に、日本ではJ-DESCという組織をつくり、コミュニティの意見の集約を行い、コミュニティが主体的にIODPに関して活動してきた」とかいうのがあったらどうかなと思いました。
 なぜなら、J-DESCに相当するのは、アメリカもヨーロッパもありまして、主体的に取りまとめをやっているんですけれども、重要なところは、ほかの分野と全く違うのは、自腹でお金出しているということで、おのおのの組織が分担金というのを出して、年会費みたいなものですね、年間10万円とか、それで日本全国の大学が四十何機関がお金出して、年間500万とか何か出して支えている、そういう活動をしている分野って、地球惑星科学の中ではこの分野だけ。文科省からお金来るから、皆さん集まって会議やりましょうとかいうのはたくさんありますけれども、自分たちで毎年お金出して、ボトムアップできちっと対応しているというのはないし、全世界的にヨーロッパもアメリカも、そういうのがあるからNSFはお金を出しますよとか、ヨーロッパも出しますよというのがあるので、それちょっと議論してこなかったんですが、ここに入れると、きちっとコミュニティも自腹で支えているんだよというのが出るかなと思ったんです。
 阪口先生お願いします。
【阪口委員】  今の視点をどう入れるかが問題で、というのは、この293から311は、よく読むと全然分からないんですよ。というのは、ジョイデス・レゾリューションどうなるか分かんない。それからECORDの話はちらっとあって、中国は不明、で、このパラグラフの最後、IODP、現時点では枠組み不透明であるので、結局、一番長いパラグラフが全部どうなるか分からない、不透明、不透明という話になっているのに、最後のパラグラフで、私たちの国の人々はいろいろ派遣したりとかいろいろしてきました。だから、今後きちんと精査してやりましょうって、日本語の起承転結というか、話の流れがすごく悪いんですよね。
 なので、何を言いたいのかというのが、初めて読んだ人は、これさっぱり分かんなくて、今後IODPは暗黒の世界に陥っていくのかなというふうにも取られかねないので、ちょっと何か話の順番というか、訳分からん不透明状況があるけれども、今、川幡先生が言われたような形で物事は進むんだよということを後半に持って行くか何かしないと、ちょっと工夫が要ると思いますね。
 確かに、こういうことを、皆様からの発言があって、それを取りまとめたらこうなったというのは分かるんですけれども、物事って順番変えるだけで受け止められ方って全く変わるので、ここを、不透明なんだということを言いたいことを述べるのか、いやいや、そういう状況だけれども、各国はこういう状況でお金出し合いながらこうやっているから、こっちの方向に私たちはリードしていくんだよというふうに言うのか、どっちかはっきりしたほうが私はいいと思うんですが、いかがですかね。
【川幡主査】  おっしゃっていることは、皆さん共有していると思う。
 巽先生お願いします。
【巽委員】  今の阪口さんの意見に全く賛成で、私は、先ほど川幡さんがおっしゃったJ-DESCができた経緯、それからその以降、J-DESCに参加する人たちを含めてコミュニティが相当努力してきたという背景に基づいて、不透明な状況を今後さらに日本が世界をリードするために活用していく、もしくはその方向で活用していくべきであるというふうに結んじゃえばいいと思いますが。
【川幡主査】  先ほど説明したときに、②の最初のパラグラフは、2番目か、現状はこんな記載なんですよ。天気予報でいったら、あした雨降るって言ったら、そんな感じの。で、傘を持っていくかどうかというのは、その後の話だから。という話ですよね。それなので、第1パラグラフ、第2は事実なので、基本的には現状の。それをこのまま書いて、第3番目は過去の経緯でここを記載して、第4番目はJ-DESCの今の組織をつくって主体的に活動してきたが、米国とヨーロッパも同じような組織で支えてきたんだ。それで、その組織同士がボトムアップでこれからのこの掘削を発展できるように、主体的に努力する、未来を切り開くんだというのを書いて、1、2、3、4パラグラフにしたらどうかなと、このように思います。
 具体的な文章は、後で、申し訳ないけれども、ちょっと案にしますが、今言った部分、私が発言した部分は生きているので。米国にもヨーロッパにもあるよと。そのコミュニティが協力して、今、不透明な中を切り開いていくんだと、そういう形の書きぶりでいかがかと思います。
 巽先生の言われたのも、そういう感じですよね。
【巽委員】  はい、それでよろしいんですけれども、できれば、日本が主導してということを書きたい。
【川幡主査】  それに、も議もと日本でつくったときのいきさつか何かを1行か2行入れて、そういうふうにしましょう。ちょっと待って。書いておかないと。こう書いて、ヨーロッパと米国にもあって、それが支えて切り開くと。
 この部分は、今日、内容はオッケーというオーソライズをいただいて、文言まではまた合議にするという形でできれば。
【戸谷企画官】  事務局でございます。今のこの記述なんですが、大きい1ポツ、2ポツという中で分けている中でいくと、今のところは、現状こうなっていますという説明の部分でございまして、今、川幡主査から御提案いただいて、皆様御同意いただいた点の多くは、後段のほうの、国際協調の戦略的検討の部分に盛り込まれていくような形に、最終的に収れんされようかと思います。
【川幡主査】  そうですね。じゃあ、今のを変えます。阪口先生も御指摘ありましたが、ここは現状までの過去なので、そのままとして、どういう出口がありますかとかいうのは一括して、431行とか、あちらのほうでうたうというのでどうでしょうかね。出口はどこですかといったら431の。というのが、今、戸谷企画官の言われたことですよね。
【戸谷企画官】  はい。
【川幡主査】  そっちに移動して終わるという、そんな感じなんですが、阪口先生、それでもいいですか。読むと分からないねと。
【阪口委員】  その1個前の、パラグラフを四つにしてという話がいいかなとは思ったんですけれども、今の話で、最後の四百何十行目のところで出すんだったら、306から311までのパラグラフというのは、最後の2行目までは事実だけれども、最後の2行が、何というか……。
【川幡主査】  そうですね。
【阪口委員】  事実じゃないから、この最後の2行は取っ払っちゃったほうがいいんじゃないんですかね。もし事実としてならべるんだというんだったら。
【川幡主査】  論文でいうリザルツの部分を、この303から309まで書いて、それ以降の部分は後ろに持っていって、未来をどういうふうに切り開くかの戦略を書いたというふうに。
【阪口委員】  そういうことです。
【川幡主査】  阪口先生、どうもありがとうございます。
 鈴木先生。
【鈴木委員】  あと、ちょっとしたことですけれども、306行目から「育成されてきた」までの文章は時系列的には頭に持ってきて、こうこうこうだった。一方で現行はみたいな感じで、順番、時系列的にはそうなんじゃないかなというふうに思うんですけど。
【川幡主査】  時系列ね。
【鈴木委員】  変化というのは、やっぱり時系列的に並べてもらったほうが分かりやすいので。
【川幡主査】  どうもありがとうございます。時系列にします。よろしいでしょうか。
 巽先生お願いします。
【巽委員】  それでいいですが、先ほど川幡さんがおっしゃったJ-DESCが成立した、もしくは設置された経緯はここで1文必要かと思いますので。
【川幡主査】  そうですね。ここのところ、過去だからね。設置されたいきさつ。いきさつと、ヨーロッパとあれの説明はここでしちゃいましょう。もともとアメリカがそういうふうにやっていたので、それを見習って日本に合うようにつくったというのが事実なので、その経緯とか書いて。
 じゃあ、方針は決まったので、ここまでよろしいでしょうか。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  では、ちょっと急ぎますけれども、そうですね。
 じゃあ、ここの313まで終わったところで、次の2ポツに行く前に、短いですが、5分間の休憩取りたいと思います。今15時4分44秒なので、10分まで。10分から開始したいと思います。よろしくお願いいたします。
( 休  憩 )
【川幡主査】  お戻りになりましたでしょうか。
 では、2番、今後の我が国の海洋科学掘削の在り方ということで、未来に向けてという一番重要かもしれないところをやりたいと思います。
 では、事務局お願いします。
【戸谷企画官】  事務局です。2ポツ、313行を御覧ください。2ポツ、今後の我が国の海洋科学掘削の在り方、(1)社会課題への対応について御説明します。
 まずは、前提とする認識として、1ポツで挙げた科学成果や社会成果は、海洋科学掘削でなければ得られなかったこと。分科会で設定した5から10年の海洋科学掘削を考える上で、その期間内での完遂が見込まれ、かつ科学的・社会的背景から早期の実施が望まれ、併せて海洋科学掘削でしか達成し得ない目標を優先順位をつけて設定することが求められると整理しました。これは先般の海洋開発分科会での中間報告で指摘のあった点です。
 この参考とすべく、日本地球掘削科学コンソーシアム(J-DESC)が、地球システムの理解に向けた国際海洋科学掘削研究の推進(要望書)に整理した、海洋科学掘削で今後高い成果が見込まれるとされた五つのトピックをここに列記しております。
 これを念頭に、次、327行目から、活動型大陸縁辺部に位置する我が国は世界有数の地震・火山国であるため、安全・安心な社会を構築する上で、防災・減災に資する研究は欠かすことができないこと。
 この活動型大陸縁辺部というところ、骨子案ではアクティブマージンという言葉でしたが、なじみのない方にはちょっと分かりにくく、注に目を落とす必要が出てくることから日本語の形に直させていただきました。
 続けて、長期孔内観測装置の設置や巨大地震発生直後の地球科学的証拠の取得などは、海洋科学掘削を行わなければ成し遂げられないことから、分科会の意思として、海洋科学掘削で大きな成果が期待できる研究の中でも、防災・減災に資する海洋由来災害の理解に関する項目の研究を優先して取り組むべきとしました。
 そして、防災・減災にかかる取組を優先した上で、気候変動や海底下生命圏の理解に資する研究は、「ちきゅう」の船齢、世界情勢、予算状況などを総合的に勘案し、ニーズが高く実現性の高いものから実施していくこと。ニーズの特定には、海洋科学掘削関係者だけではなく幅広い科学コミュニティでの議論、さらに行政関係者や国民を含むステークホルダーからの理解と支援の重要さも記載しました。
 また、実現性の検討は、予算や技術開発、予備調査・研究等を総合的に踏まえることの必要性を記載しました。
 338行目後半から、なお書きで、マントル掘削については、技術開発の現状及び見込み、実際の掘削にかかる時間を考慮すると、今後5から10年では難しいと記載しました。
 ここから各論に入ります。
 342行目、①防災・減災をはじめとする安全・安心な社会の構築に資する取組として、長期孔内観測装置の観測点数を展開し、DONET等と接続して、リアルタイム観測網を構築すること。光ファイバー等のその他の観測網と組み合わせることで総合的な予測研究に発展する可能性が高く、掘削による取組と周辺分野の研究を統合した研究は海域火山活動や地震活動が活発な海域が多い我が国にとって非常に有用であると記載しました。
 次に、352行目では、巨大地震発生直後の研究掘削は、巨大地震の発生メカニズム解明という点で非常に重要であり、地震の発生メカニズムを解明するには震源断層付近の地質試料の採取や温度計測等が必要である。プレート境界まで掘り抜くことが困難であっても、途中までの試料採取や検層作業により巨大地震の影響の確認や、将来の巨大地震の推定につながり得るもので、可能な範囲での効率的な実施が望まれるとしました。
 また、358行目から先は、比較的小規模な海底下40メートルから100メートルという掘削でも、巨大地震・大規模噴火の履歴が解明され、大規模低頻度現象の理解が進み、これらの成果が予測に貢献することが期待され、これは「ちきゅう」に限らず、「かいめい」や国外の研究資源を活用して取り組んでいくことが望まれると記載しました。
 362行目から先、南海トラフ地震は様々な人の関心が高い研究対象であり、理論やシミュレーションの土台となる地震発生場の環境条件を把握するためには、震源断層までの深部掘削も重要な課題である。ただし、これまでの経緯に鑑みて、技術的難易度、資金規模、プロジェクトマネジメント体制などを含めた精緻なフィージビリティーの検討が必須であり、今後5年から10年での実現可能性については深い議論が必要としました。
 368行目から先には、地震研究だけでなく火山研究についても、海洋科学掘削の活用は大きな役割を果たすので、国内外における海域火山噴火に伴う災害被害の発生によって、超巨大噴火を含む海域火山噴火に対する関心が高まっており、掘削と観測研究を融合させることにより発生メカニズムや噴火の推移を解明することで、噴火予測や被害予測への貢献が期待されるとしました。
 372行目から先、安全・安心な社会の構築という観点からは、防災・減災に資する取組のみならず、資源の理解に資する取組が考えられ、海底資源の成因研究などにおいて、海洋科学掘削は手法の一つとなり得ることを記載しました。
 次に、376行目から先の、②気候変動問題の解決に資する取組として、気候変動の研究において、長期的変動とともに、急激な気候イベントにも対応する100年から数百年をターゲットとした地球表層環境の復元は、人新世を考える上で重要であり、国際社会の一致団結した取組が求められるという認識を示した上で、国内外の研究資源を用いた海洋科学掘削で得られる試料や、これまで得られてきた試料を今後も活用し、シミュレーションを組み合わせながら研究を進めていくことへの期待、また、海底への二酸化炭素の地層貯留など、カーボンニュートラルの社会の実現に向けて、海底の掘削はゼロエミッションやネガティブエミッションへの手法の一つとして期待されることを記載しました。
 386行目から先、③の海底下生命圏の理解に資する取組として、海底下生命圏の研究で、物質循環と気候変動の関連性を明らかにすることができること。また、海洋堆積物から海洋地殻に至る生命圏では、掘削して初めて提示可能となる新たな生命圏が存在し、生命科学の根源的な問いに答えるためにも、国内外の研究資源を活用し、海洋堆積物表層から海洋地殻に至るサンプルの採取が期待されることを記載。そして掘削コアだけでなく、掘削孔内の採水によるサンプリングも手法の一つとして期待されることを記載しました。
 この部分は、海洋開発分科会で長期孔内計測を物理的な計測に限らず生物的あるいは化学的についてもデータを取ることの試みについても指摘があったものでして、今後の期待として記載したものです。
 さらに、海底下生命及び生体物質に関する研究は、生命の限界の制約・規定を解明し、地球外生命の探査にも貢献する、次世代の科学に夢を与える研究たり得ることを記載しました。
 (1)の社会課題への対応についての説明は以上です。
【川幡主査】  どうもありがとうございました。
 科学掘削ではありますが、社会に役立つからもっといいですねというのが書いてあります。J-DESCがまとめた五つの要点、何をやっていけばいいかというのが320から325に書いてありまして、この委員会で議論してきた、もっと現実的な物事を考え、実行してくださいというので、5年から10年。2番目としてプライオリティーを持って考えてください。情報共有をしてください、3番目。4番目としてフィジブルの予算もフィジブルも含めて、実際きちっと可能なものを優先してやる。それがきちっと述べられています。その後は、各分野のことが述べられています。
 という感じですけれども、質問及びコメントを受け付けたいと思いますが、お願いします。具体的なことが書いてありますので、文言がこれのがいいよとか、そういうのを含めて御指摘いただけたらと思います。
 阪口先生お願いします。
【阪口委員】  337行目の「なお」って、唐突感満載な感じがするんですよね。というのは、ここは社会課題への対応というところで、マントル掘削が社会課題には対応していないのと、あと、これ言っておかないとというのをここに入れとけみたいな感じで、別のところにこれ入れたらいいんじゃないかなと思うんですが。その前までの話と「なお」からの後ろの話がつながってないし、ここに書くべきじゃないような気がするんですが、いかがでしょうか。
【川幡主査】  そうですね、おっしゃるとおりだと思います。
 小原先生お願いします。
【小原委員】  細かいところですけれども、329行目、「巨大地震発生直後の地球科学的証拠の取得」という、その証拠は何ですかね。巨大地震が発生したという証拠なのか、ちょっとよく分からなかったので、そこは「地球科学的データの取得などは」のほうがよいかなと思いました。
【川幡主査】  そうですね。データの。
【小原委員】  それと、その後で、356で、まずは「検層作業」の「作業」は要らないかなというのと、あとは、「将来の巨大地震の推定が可能である」というのは、何かめちゃくちゃ言い過ぎのような気がするんですよね。例えば「将来の巨大地震発生予測に資する」であるとか「貢献する」とか、そんな言い方のほうがいいかなと思いますね。
 取りあえず以上です。
【川幡主査】  ありがとうございます。確かに、マントル、ここだけ見ると、違和感あるけれども、どこに入れようかとなると。
 ほかにありますか。マントル考えながら、ほかのことを議論したりしましょう。
 細かい話なんですけれども、350の一番最後のところ、「統合した科学研究」と「科学」を入れておいたほうがいいかなと思いました。それから、次の351の「非常に有用である」というところが、「非常に重要でかつ有用」と入れたらいいと思います。なぜ「科学」を入れれるかというと、議論の中で何回か、やっぱり減災・防災あるけれども、一番重要なのは科学をきちっと土台にして、学術の上にきちっとしたそういうことをやりましょうと、応用もやりましょうというのが、この委員会のスタンスだったと思うので、ちょっと科学がないななんて思って、昨日見たら、なかったんで、どっかに科学入れると、でも入れにくいんですよ。だから、350辺りに「科学」とかって入れたらどうかなと思いました。
 野田先生お願いします。
【野田委員】  野田です。352行目からのパラグラフに関して、一つは小原先生もおっしゃったように、言い過ぎやなと思った部分もあるんですけれども、最後のところですね、それ以前のところも大分冗長な気がして、例えば、「また、巨大発生地震直後の」ここ逆ですね、「巨大地震発生直後の緊急掘削は、巨大地震の発生メカニズム解明という点で非常に重要である」と。次、「地震の発生メカニズム」これは巨大地震発生のメカニズムのことをおっしゃっているんですね、恐らく。これは多分違う意味というか、巨大地震は何で大きくなるのかという話で、地震の発生やったら小さい地震もいっぱいあるんで、だからこれは大きなのであれば「巨大」と入れるべきだし、ただそうするとあれなので、ここはちょっと短くして、「解明という点で非常に重要であり、そのためには巨大地震の震源断層付近の地質試料の採取や」とか書くほうがいいかなと。
 その次の、「場合によっては、プレート境界まで掘削することが求められる」というのは、これは、その前の「震源断層付近」という「付近」ではちょっと曖昧ですので、この「付近」を例えば「震源断層近傍」とするとほんま近くというか、それを含む部分にもなりそうなので、個人的には、この「付近」を「近傍」に変えて、その次の文は消してしまうのがいいんじゃないかなと思います。
 あと、最後のところの「巨大地震の推定が可能である」というところを「資する」にすれば、確かに大分弱まるんですけれども、巨大地震の推定の、どう資するかというところが、自分の中では分かってなくて、ほんまにいいのかなと。推定というと規模の推定か時期の推定かとかいろいろありますけれども、ここの文言はこうすればいいというのは思いつかないんですが、ちょっと考えたいなと思っております。すみません、煮え切らないコメントですが。
【川幡主査】  録音していますけれども、もう一回、「また」から言ってもらえますか。事務局も困ると思うので。
【野田委員】  「また、巨大地震発生直後の緊急掘削は、巨大地震の発生メカニズム解明という点で非常に重要であり、そのためには巨大地震の震源断層近傍の地質試料の採取や温度計測等が必要となる。ただし、震源断層までの掘削が技術的に困難であっても、その途中までの試料採取や云々」という感じかなと。どうでしょうか。
【川幡主査】  私、聞いた感じはよさそうに思いましたけれども、専門の小原先生どうですか。よろしいですか。
【小原委員】  とてもいいと思います。
【川幡主査】  では、採用にしたいと思いますけれども、ほかの委員の方、よろしいでしょうかね。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  じゃ、採用にしたいと思います。
 今、野田先生自ら宿題と言ったところを、ちょっと終わるまでに、文言をいただければと思います。
 ほかにどうですかね。
【窪川委員】  小さいところですけれども、393行目です。生命の限界の制約・規定」とありますが、「生命の生存限界」と書くか、または「生命とは何かの解明により」と。
【川幡主査】  じゃあ、「生存限界」のほうが短いからいいかなと。「生存限界」。
【窪川委員】  はい。
【川幡主査】  あと、389のところですけれども、「生命圏では」に点を入れて、「掘削することで初めて提示」と書いてある、何を提示するかが分からないから、「証拠を提示できる新たな生命圏」にしたらどうかなと。鈴木先生いいですかね。証拠を集めるんですよね、証拠を提示するんですよね。
【鈴木委員】  はい、そうです。
【川幡主査】  じゃあ、「証拠を」に目的語をきちっと入れたほうが、何を提示するのかなと思う人がいるから。
 ほかに何かありますか。
 野田先生お願いします。
【野田委員】  すみません、手を下ろし忘れていました。申し訳ないです。
【川幡主査】  じゃあ、もし何かないようでしたら、次に行って、また戻ってきますので。
 巽先生お願いします。
【巽委員】  ごめんなさい、巽です。さっきの阪口さんのおっしゃったマントル掘削の件なんですけれども、確かにここの大きなテーマは社会的課題になっているんですが、そのことを踏まえて、我々はこういう提言をしているということになっているので、一番最後の文章のところを、「なお」以下のところを一つ次の段落にして、「以上の点を考慮すると、これまで日本の中心的な掘削課題であったマントル掘削は」というので一つ段落を設けて、ここできちっと明言しておくしかないかなと思いました。ほかのどこへ入れるかというと結構難しいので。
【川幡主査】  事務局も悩んでいましたので、今。段落を変えてきちっと書くと、そんな感じですかね。
【巽委員】  上記の点を踏まえるとということで受ければよろしいんじゃないんですかね。
【川幡主査】  阪口先生、いいですね、それで。
 じゃあ、最後までやっちゃって、宿題の部分に戻ってきたいと思います。最後の397行目、海洋科学掘削を進める上で必要な事項についてやっていきたいと思います。事務局お願いします。
【戸谷企画官】  事務局です。397行目を御覧ください。2ポツ、(2)の海洋科学掘削を進める上で必要な事項について説明します。
 まずは、①プロジェクト管理体制の改善です。南海トラフ地震発生帯掘削計画のような大規模な掘削計画の実施に当たって、プロジェクト管理の改善を行う必要性を明記し、陸上の管理部門と掘削現場の作業従事者の連携体制の強化を記述し、既に南海トラフ掘削助言委員会から助言を受けているJAMSTECは、具体的な改善策の策定を早急に進めるべきこと。また、掘削科学コミュニティとの対話をより丁寧に行い、運用に関する課題解決を共に図りつつ、運用計画を策定していくこととしました。
 次、413行目から、②国際協調の戦略的検討として、これまで国際的に活用されてきた米国掘削船の今後が不透明である状況から、各国の状況把握に努めることの必要性。提案を受けているECORDとの協調はもとより、米国との協調も含めて多くの可能性を検討していくこと。これまで「ちきゅう」とコアリポジトリー施設を提供しIODPを主導してきた我が国は、国際的な掘削科学コミュニティに参画していくことが重要である。さらに高知コアセンターは、オープンサイエンス、FAIR原則を他に先駆けて具現しているということを重視し、これを維持し、研究に活用していくこと。国際的な掘削研究推進だけでなく、国際的に活躍できる研究者が育成されてきたというIODPにより培われてきた国際協力を土台に、国際協調の在り方を戦略的に検討していくこととしました。
 424行目から先、「かいめい」によるIODP航海の実施というECORDとの協力の実現、米国掘削船の今後が不透明な中、国際掘削科学コミュニティに対して提供できるものと享受できるものを両方精査していくことが期待されるということを記述しました。
 最後に、434行目です。③技術の継承・人材の育成について。「ちきゅう」で培われた操船技術や掘削技術などの関連技術は確実に維持・継承される必要があり、新たな技術開発は、掘削科学コミュニティが目指す科学研究を達成するために実施されることを大前提として、国内外の知見を集め取り組む必要があること。機器と操船の両面で高い技術が培われた定点保持技術などは我が国保有の技術として、科学掘削以外の分野にも応用が期待されることを記載。
 そして、技術人材は、「ちきゅう」の船齢も勘案し、身につけた技術が「ちきゅう」以外でも活用できるよう長期的な視点で育成していく必要があることを記載しました。
 この後、「おわりに」になります。これも続けてやりますか。
【川幡主査】  そうですね。
【戸谷企画官】  続けていいですか。
【川幡主査】  はい、お願いします。
【戸谷企画官】  444行目からの「おわりに」の説明になります。
 こちらにまとめておりますとおり、様々な実績が挙げられた一方、実現できなかったこと、課題があり、これらの課題を改善し、「ちきゅう」の船齢や社会的ニーズ、国際的な動向、財政状況などを総合的に勘案しながら、今後5から10年で実施する取組を選択し、集中して実施することが肝要であること。運用主体であるJAMSTECには、この議論を踏まえ広く社会の共感を得る不断の努力とそれに応える運用の実現を期待すること。
 452行目から先、同時に、「ちきゅう」退役後を念頭に、海洋科学掘削により進めてきた科学研究をどのように進展させていくかコミュニティは考えなければならないこと。すなわち、今ある研究資源で何ができるか、それがないとき何をどのように進めていくか、議論を開始することに期待。
 そして、456行目から先、今後も日本が「海洋立国」「技術立国」そして「災害大国」として、防災取組の観点から、海洋科学掘削を通じて、世界をリードし、科学技術を発展させることの期待を述べ、締めくくりました。
 以上です。
【川幡主査】  どうもありがとうございます。397から457ですが、私が幾つかあります。
 国際協力の②のところですけれども、先ほど申し上げたように、J-DESCの活動というかコミュニティが1個目。それから、コアを使ってと言って、既存のコアで研究することなども含めてが第2番目。で、3番目は、新しい業務としての「かいめい」というのが第3パラグラフ。それで、その間にJ-DESCと共にヨーロッパと、やっぱりアメリカのコミュニティと協力してやってきたというのを含めたらと、そのように思います。は、加筆します。
 それで、「おわりに」のところですけれども、ちょっと違和感あったのは、452から455の「ちきゅう」退役後の話が前に全然出てきてないのに、全部で14行のうちの4行が、「ちきゅう」が退役したら何とかとかなるから、コミュニティはちゃんと考えろとか、ここ書いたんですけれども。これはもし書くなら、②のところに移動するか、あってもいいけどというような感じもしましたけれども。
 私の感想を述べた上で、皆さんからのコメントをいただきたいと思います。
 文言を訂正するところ、あと、こういうふうに変えたらもっと伝わりますよというのを議論したいと思います。その後、一応了解を見たら、宿題の部分に移りたいと思います。という具合です。意見ありますでしょうか。
 やりやすいところから、技術の継承・人材の育成のところはこれでいいですかね。
【窪川委員】  「おわりに」445行目に、社会への貢献があり、それが地震等々の災害に対すること、実際に社会への支援のところでそう書いてありますが、451行目に「社会の共感」という言葉があり、その前段の3か所ぐらいに「社会の共感」が使われています。社会の理解が「ちきゅう」に関してより広くあるべきではないだろうかという議論も、この委員会でされたと思います。今の人材育成の最後にでも、例えば社会の共感を得るように、社会的視点の上に立ちつつ戦略していく必要があるとか、社会へのメッセージを入れておく必要があるのではないでしょうか。
【川幡主査】  もう一回、戻ってくるかもしれない。
【窪川委員】  今のところですか。社会の共感を得るよう、社会的視点の上に立ちつつ、掘削科学の目的と成果を広く社会に啓発していく必要がある。
【川幡主査】  どうもありがとうございました。文案をいただくと非常に助かります。コメントくださいと言いながら文案をくださいというふうに。
 ありますでしょうか。
 阪口先生。
【阪口委員】  「おわりに」の450行目のところ、「運用主体であるJAMSTECには」のところは、本文で書かれていたこと、ここがちょっといまいち450と451は合わないので、「JAMSTECには、運用体制、プロジェクトマネジメント体制等において抜本的な改革を行い」ということを、やっぱり行った上でこれこれの期待に応えることを期待するというようにしないと、かなりJAMSTECの体制とマネジメントに改革が必要であるということが本文の中に二、三か所、かなりの行数を使って書かれていたにもかかわらず、ここにはないというのはよろしくないので、しっかりとそこは一、二行、今、私が述べたことを入れていただきたいと思います。
 そうすることで、将来に対する期待を持つことができると思うのですが、いかがでしょうか。
【川幡主査】  今まで議論してきたことだと思いますので。反対の人、いますか。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  ないです。
【阪口委員】  では、よろしく。
【川幡主査】  ほかにありますか。今、こういうふうに「おわりに」になっていますけれども、さっきの後のJ-DESCのとこも含めて、もし可能なら、文章を用意して……。どういう意味かというのを言いますね。論文書くときに、一番最初にアブストラクトがあって、最後にサマリー・アンド・コンクルージョンがありますが、学生に言ってるのが、本文を削除していって、箇条書でサマリー・アンド・コンクルージョンをつくりなさいと言っているんですよ。そうすると、中にないものは絶対書かない。例えばさっきの「ちきゅう」退役後に云々というのは、ないから変だと言っているのはそういう意味ですね。それで、箇条書でつくってというのがすごく正確なので。というのが、多分、今、阪口先生が言われたことにも通じるかなと思いました。
 ちょっとここは全体の分量とあれが合ってないところもありますので、そこを考えたらばなと思いました。でも、言っていることは、みんな今日の6回、この会議を通じて、お互いに先生の考えられていることがほぼコンセンサスで共有されていると、僕は思っていまして、皆さんも多分そう思っていると思いますので、コンセンサスは得られているので、あとは表現の方法を変える、そんな感じのことだと思いますので。もう一回検討したらいいかなと思いました。それで大きく結論が変わっているということは一切ないので。なぜなら、本文はみんなこうしているから、そこを削除していくだけ。
 というのはどうですかね、阪口先生。阪口先生、すみません、さっきの、ちょっと宿題に行っちゃうんですけれども、文案をくださいと言ったところ、どうですかね。
【阪口委員】  どの行というか、最初のところですかね。
【川幡主査】  ちょっと待って。例えば、174行目。2019年に委員会開催したけれども、検討している、53行目と174行目あたりのところにちょっとコメントを加えるという、そんな感じの文案なんですけれども。
【阪口委員】  ここの部分で一番大事なのは、石井委員が述べられてたことに、非常に私も同意するんですけれども、プロジェクトの管理と、それからあともう一つが、プロジェクトを支える技術開発の管理、マネージですね、そこができてなかったということが非常に大きいんですよね。その技術開発のマネージということの観点の一つには、当然技術そのもの、それからそのロードマップというものもあるんですが、技術開発を行うための予算確保ということも実は非常に甘かったんですね、JAMSTEC。だから、そういう意味で、技術そのものと、それから技術開発を行うための予算管理を含めたマネージとそのロードマップに関する総合的な管理の体制、それからリーダーですね、それに必要な、というものが不明確であったということは、ちょっとやっぱり入れておくべきだと私は、さっきの宿題というのを言われて。
【川幡主査】  宿題の部分は、それだったら、今の、未来に向けての対策という意味で、そういうことを考慮した、事項の改善策を策定してくださいとかいうのがいいですかね。
【阪口委員】  いいと思います。
【川幡主査】  それはいいですよね、今、言われたのはね。
【阪口委員】  はい、そうです。それができていなかったことを指摘しまくったところで、また流される可能性があるので、それよりは未来に対して、そういうことができていなかったことをきちんと見直した上で、体制それからマネージを充実させるべきだというふうな書きぶりをお願いできないでしょうか。
【川幡主査】  今、阪口先生の言われたのは非常にいいなと思ったのは、過去のできてないじゃないかというより、この点を考えて、きちっと新しいプランをつくってくださいという意味ですよね、今ね。
【阪口委員】  そういうことです。
【川幡主査】  すごくいいんじゃないかなと思います。事務局、すみません、今の、何と言ったか、もう一回繰り返してもらっていいですか。今、録音したけど、難しいこと幾つも言ったから、すぐには文字にはならないけれども、今のは項目全部録音されているので、それを、じゃあ、こうしましょう。その項目の因子をきちんと検討して、新たな改革、具体案を早急に策定してくださいというのが委員会の助言ですよということをきちっと書きましょうということにしたいと思います。
【阪口委員】  お願いします。
【川幡主査】  よろしいでしょうか、皆さん。
【窪川委員】  もちろん大賛成ですけれども、今の阪口先生の提案はどこに入りますか。最初に話があったのは、51、52行目と、それから173行目ぐらいで、ここのところを書きぶりを変えるのか……。
【川幡主査】  どっちかというと、411とか、最後のところに書いておいたほうがいいですよね。
【窪川委員】  将来のところの提言ですね。
【川幡主査】  そうね、将来のところ。この174は、具体的な改善策に至っていないのは早急に検討することを要すると言って、174のところはそう切って、それで、今言われたことは、412行目あたりにまとめて記述して、将来の因子として、考える因子としてきちっと書き込む。というのが、窪川先生から言われた宿題の答え。
【窪川委員】  分かりました。
【川幡主査】  鈴木先生お願いします。
【鈴木委員】  本当に今のに賛成で、このプロジェクト管理のプロジェクトの中には、その掘っている間だけのことじゃなくて、それに必要な技術開発の全てを含ませることをしっかり明記したほうがいいなと思っていて、ぐずぐずになった可能性が、そこを掘らなければいけない可能性があるとしたら、その技術開発も入れて、予算もロードマップも全て立てることというのが、提言したいかなというふうに思います。
【川幡主査】  今のは、文章としての文言としたら、先ほど坂口先生の言われたのでよろしいですか。
【鈴木委員】  近いですけれども、でも、そのプロジェクト管理体制の改善というところに、それをしっかり含めてほしいなというふうに思います。(2)の①のプロジェクト管理体制の改善というところがあると思うんですけれども、そのプロジェクトの範囲が、その掘る瞬間のことだけじゃなくて、そういった技術開発も含めてというところをしっかり入れてもらいたい。398行から始まる、ここの中に、何となくこれはその一瞬、その掘っている時間だけのことを意味しているように見えるんですけれども、そこにちゃんと技術開発という、必要な技術開発も含めたプロジェクト管理というふうなところをどこかに明記してほしいなと思います。
【川幡主査】  入れてもらいたい言葉は、技術開発も含めたマネジメントですか。
【鈴木委員】  そうですね。技術開発も含めたマネジメント、ロードマップが必要というのは、先ほど阪口さんもお話しされていたので、そういう中で、ロードマップには技術開発も含めたロードマップを策定することというのをどこかに入れてほしいです。
【川幡主査】  海洋開発分科会のときに、阪口先生はうまい言葉を使って、プロジェクトマネジメントとオペレーションマネジメントと分けて書かれたんだけれども、この言葉、どうしますかね。プロジェクトマネジメントに一括してもいいですか、阪口先生。この言葉、結構いいなと思ったんだけど。
【阪口委員】  今、鈴木委員が言われたことがきちんと入っていれば、一つにしても構わないですけれども。
【川幡主査】  そうですか。じゃあ、そうしましょう。
 ほかにありますでしょうか。
 石井先生お願いします。
【石井委員】  今の議論に関連してですが、自分もオペレーションマネジメントという言葉は、なるほどと思いました。賛成です。質問は、171行目ですが、ここでは南海トラフのことを書かれており、プロジェクトの妥当性評価や意思決定に現場部門以外の意見、つまり第三者の意見を聞きなさい、またそのような体制もつくりなさいとの助言を受けているという内容です。397行目では、やや現場、オペレーションマネジメントというか、つまり現場の人たちだけでしっかりやりなさいというように捉えられないのかという懸念があります。第三者の意見を反映させるべきという内容が書かれていないような印象です。前段で第三者意見の活用が書かれていて、最後の結びでそれが書かれていないというのは、読んでいて整合性がないのではと感じましたが、いかがでしょうか。
【川幡主査】  170から174行に対する回答みたいなことが、397行以下にないということで、呼応関係がないですねと、今の御指摘ですか。
【石井委員】  はい。おっしゃるとおりです。
【川幡主査】  入れましょうね。呼応関係あったほうがいいですからね。
 その部分は、今ないですけれども、文案もらうか、つくってちょっとありにして、先生のほうからコメントいただくというのでよろしいですかね。
【石井委員】  はい、私は了解いたしました。
【川幡主査】  では、そうしたいと思います。今のを整理します。169から174のところに呼応する、文か文章二つぐらい、それを398から411のところに入れて、文案は事務局でつくっていただいて、それで先生と協議して、最終文案にするという感じで、ほかの委員の先生に関しては、石井先生と事務局を信頼していただいて、現時点でオッケーという感じでいただければと。もう議論してきた内容のことですから、大きく外れることはないと思います。
 巽先生。
【巽委員】  巽です。一番最後のところなんですが、「おわりに」のところの、先ほども少し話題になった、「ちきゅう」退役後というところに関して、既存の研究資源で何が実施できるか、既存資源なしで何をどのように進めていくかを議論するというのは、今後新しい資源は投入しないということのように読めます。それは決して前向きではないので、ここは要らないんじゃないかと思うんです。その代わりに、「同時に、地球科学コミュニティは「ちきゅう」退役後も念頭に置き、今後、掘削科学研究をどのように展開して、地球惑星科学を進展させていくかを考えなければならない」という文章でよろしいんじゃないんでしょうか。
【川幡主査】  もしかしたら、これは②のところに持っていって、「おわりに」の……。
【巽委員】  でも、まとめとしては、コミュニティに何を期待しているかということは必要だと思うんですよ。ですから、あまり具体的に研究資源のことは書かずに、それも含めて今後、世界をリードしていくのはどうしたらいいかを考えてくださいということでよろしいんじゃないんですかね。
【川幡主査】  はい、分かりました。それを1行入れます。
【巽委員】  それと、一番最後の文章なんですけれども、ここに、私の感触としては、こういうことを進めるためには、科学コミュニティと、JAMSTECを含むような研究機関と、関係省庁が連携して取り組むことが重要であるというふうに思うんです。それは当たり前といえば当たり前なんですけれども、何となくここに「関係省庁」という言葉を私は入れたいような気がするんですが、海洋地球課さん、いかがですか。
【山之内課長】  山之内でございますが、いいと思います。いろんな省庁が期待しているので、非常にいいアイデアだと思います。
【巽委員】  もしそうだとすると、きっと、「科学技術を発展させるために、科学コミュニティ、JAMSTEC――JAMSTECに限定していいのかちょっと分からないけれども、関係省庁が連携して取り組むことを期待する」というのが文案です。
【川幡主査】  第5回目の冒頭の私のサマライズのところで言いましたけれども、この委員会で議論してきたのは二つありまして、一つは、科学掘削だということで、科学の成果を得るために何をやるかという議論をしてきたと思います。その出口が五つの項目ということで、減災、あと気候、そういうのをやりました。もう1個は、「ちきゅう」に対する期待が大きいんだよというのは、科学掘削だけじゃなしに、資源、具体的にはメタンハイドレード、それからレアアース、それからCO2の地層貯留、そういう省庁もまたがった部分、それに対する期待が、技術も含めて非常に大きいんですよと。それで最終的に、それを「ちきゅう」が全部やるんじゃなくて、パイロットスタディー、最初の取っかかりは「ちきゅう」でやって、高コストですから、その後は、おのおののターゲットに応じて効率のいいシステムでやると。その突破口はやっぱり「ちきゅう」だねというのが、この委員会で議論してきた内容だと思うんです。2レイヤーになっています。
 今の巽先生からの御指摘ありました、コミュニティ、あとJAMSTEC、参加するネクスト、それからその周りにある関係省庁というのは、ここにつけるとふさわしいなと、そのように感じましたし、議論してきた内容なので、いいと。課長、どうもありがとうございます。
【窪川委員】  今の巽先生の、多分、452行目の、掘削科学コミュニティへの呼びかけというところだとすると、同時に「ちきゅう」の最大限の利用、さらに退役後を念頭に置きという、利用も入れておいたほうがよくないでしょうか。多分、巽先生は、「ちきゅう」退役後を念頭に置きというだけをおっしゃったように思ったんですけれども。
【巽委員】  私は退役後「も」。
【窪川委員】  後「も」。失礼しました。それはもう一つ押して、最大限の利用とかも入れてはどうでしょうか。
【巽委員】  もちろん異存はありません。
【川幡主査】  退役後は、ここはなくてもいいかなと思ったのは、この委員会、ターゲットが5年から10年なんで、「ちきゅう」が退役、いつするか分からないですけれども、普通の船でいくと15年というのがあれなので、実際にはその後の話なので、できたら、この「ちきゅう」退役後はなくてもいいかなと。
【窪川委員】  省略してもいいと。
【川幡主査】  ええ。巽先生、この退役後の退役って、ちょっと何かインパクト      あり過ぎるので、なくてもいいですかね。
【巽委員】  別に構いません。
【川幡主査】  退役って、何かすごいですよね。退職より何かすごいですよね。私、退職しましたというより退役しましたと言ったほうがインパクトあるように感じます。ちょっと退役後……。少なくとも、「おわりに」のところはもう一回整理して、文章アイにして、つくり直してアイにしたいと思いますけど。それでもいいですよね。本文まで全部合意しているから、いいかなと思います。
 では、ほかにコメントとかありませんでしょうか。
 あと全体を通じて。宿題も、たしかもうやったと思うので、ありがとうございます。
 いろいろと貴重な御意見・御指摘いただきありがとうございます。
 野田先生お願いします。
【野田委員】  宿題と言われていた355行目からの巨大地震の推定のとこですけれども、355行目、そこですが、一応文案考えてみたんですけれども、「ただし」以降のところですね。「ただし、震源断層までの掘削が技術的に困難であっても、その途中における試料採取や検層、孔内観測は、直近の巨大地震の影響や巨大地震が繰り返す場の理解に資する場合がある。」で、「実施可能な範囲での効率的な掘削が望まれる。」という感じではどうでしょうか。
【川幡主査】  非常に具体的で分かりやすいかなと思います。
 小原先生、どうでしょうか。
【小原委員】  分かりやすくてよいと思います。
【野田委員】  ありがとうございます。
【川幡主査】  ありがとうございます。専門の先生がこうおっしゃっていますけれども、反対する人は。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  いないですね。じゃあ、採用したいと思いますので、どうもありがとうございました。野田先生ありがとうございます。
【戸谷企画官】  すみません、事務局でございます。ちょっと確認したいところがございまして、お願いいたします。
  「はじめに」の部分の52行目、53行目のあたりですが、最初ここを御説明しましたとき、「各委員会からの助言を踏まえ、今後の改善や技術開発についてJAMSTEC内で検討しているところである」という部分について、そもそもこの文章が必要なのだろうかという御質問があったかと思いますが、結論として、この部分は削除するのか、残すのか。そこについて。
【川幡主査】  6番のところが、2019年の委員会と2022年の委員会の両方を引用してあるんですよね、これね。それで石井先生は2022年のほうだけかなとか思ったって、さっき言われたんでしたっけ。
【石井委員】  はい、そうです。
【川幡主査】  2022年だけのほうだったらいいんですよね、これ。
【石井委員】  はい、2019年の引用は違和感があり、2022年だけの方が文章の流れとしては合致していると思います。
【川幡主査】  そうですよね。2019年のほうは、その後に出てくるんですよね。173行目あたりに。訂正、161に書いてありますね、2019年にかけて外部評価を受けたと。
 一つの案は、この引用している6番の2019年のほうを削っちゃうというのが一つです。現在進行形じゃないから。それで、2019年のほうは、161とか174行のところに書いてありますけれども、これは阪口先生のさっきの意見を入れて、これをしなきゃ駄目だよというのに続いていくという。どうします。この委員会を一括して書き込むと、ちょっと書きにくいかもしれない。南海トラフについて書きたいとすると、ちょっと書きぶり変えなきゃいけないと。マントルだけならそれでいいんじゃないんですかというのが石井先生の。それは僕もそう思うんですけれども。
【石井委員】  ほかの案としてですが、「各委員会からの助言を踏まえ」以下は削除してもよいのではないかと思います。2019年の委員会は、いろいろ各所に記載されていますので、特に2022年の委員会をあえて特筆する必要性はないと考えます。
 以上です。
【川幡主査】  今、石井先生が言われたのが第3。第3にしますか。2019年のほうは、また書いてあるし、その後。
 巽先生どうですか。
【巽委員】  私はここを全削除と申し上げたのは、ここで書いちゃうと、後で全体のトーンとして、JAMSTECに対して、検討してもあんまりやってないやないのという意見がすごくこの中で反映されているので、ここで書くのはあんまり適切じゃないかと思ったから、削除と申し上げました。今、石井さんがおっしゃった、「各委員会からの助言を踏まえて」以降を削除で、私は賛成です。
【川幡主査】  そこを削除で「設置した」までで。
【巽委員】  設置したのは事実ですから。
【川幡主査】  事実までは書いて、その後、削除というのはどうですかね。
 阪口先生どうぞ。
【阪口委員】  手を挙げたのがちょっと昔だったんですけれども、全くそのとおりで、委員会は設置されたんですが、この委員会の助言を踏まえ、JAMSTECで検討はしてますが、何もしてないというのが事実なので、書かないほうがよいと思いますね。検討はしているけれども、何もしていないという事実もありますが、そこまでは書かなくてもいいと思いますが。
【川幡主査】  そうすると、正確に書くと、検討したけどやっていないと書かなきゃいけないと。それはちょっと。
【阪口委員】  それは書かないとして、最後私が、さっき、前の宿題の回答でありますように、将来に向けて、これとこれとこれをしっかりやりなさいよというほうが建設的だと思います。
【川幡主査】  じゃあ、提案します、今の意見を踏まえて。52行の真ん中、「各委員会」からと53行は削除ということで。反対の人いますか。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  では、削除で採用したいと思います。
 事務局ほかにもありますか。
 最後にポンチ絵があると思うんです。その説明をしたいと思います。全部まとめてポンチ絵にしていただきました。私、見たとこ、よくできているなと思いました。
【戸谷企画官】  事務局でございます。資料2-2を御覧ください。今後の海洋科学掘削の在り方(概要)(案)としたA4横1枚紙でございます。
 報告書(案)、目次を除いての12ページという容量でございますので、全貌が俯瞰できるよう1枚の紙にまとめております。
 ざっと説明しますと、大項目1、2をハイライトとして、大項目1、海洋科学掘削の現状として、(1)我が国における現状、①地球深部探査船「ちきゅう」、②「コアリポジトリー施設」、③海底広域研究船「かいめい」に分け、「ちきゅう」においては、長期孔内観測装置の設置や東北地方太平洋沖地震の緊急掘削、海底下生命圏解明のための掘削などで様々な成果を創出したこと。防災・減災など社会課題へ貢献する成果も創出したこと。技術の確立・人材の育成にも寄与という成果を列挙し、同時に、当初目標としていたマントル掘削や南海トラフ地震発生帯掘削の一部などは実現できず、プロジェクト管理体制や技術開発に課題があること。
 この点、ちょっと文言は、今、御議論いただいた方向に従って直していきたいと思います。
 そして②「コアリポジトリー施設」については、過去50年にわたり採取された掘削コア試料を高知コアセンターにて保管・管理し、新たな科学的知見の創出に貢献していること。
 ③「かいめい」については、数十メートル程度の海底コアリングや掘削を行う機器を搭載可能で、成果実績を挙げていることを記載しました。
 1ポツの(2)国内外の周辺動向については、海洋科学掘削による地球惑星科学の進展があったこと。すなわち、地球惑星科学は、サンプリング、観測データ、シミュレーション、室内実験等様々な手法が取られており、手法は容易には代替できず、ここの、固体地球云々という部分については、巽先生の御意見に従って直したいと思いますが、プレート沈み込みの地球科学的証拠の取得、この記述、書き換えいたします。掘削によるサンプリングでしか進展し得ない研究も存在するということを記載しました。
 そして、②として、国際協力枠組の変化。IODPという言葉はなじみのない方も、このポンチ絵を御覧になると思いますので、米印で簡単な説明をつけた上で、それが2024年9月に終了すること。その後の後継枠組は、現行枠組の継続にならず、不透明であること、各国において検討中であることを記載しました。
 次に、大項目の2ポツとして、今後の我が国の海洋科学掘削の在り方について。ちょっと手違いで、これ「我が国の」が抜けておりますが、報告書に合わせて、我が国の海洋科学掘削の在り方と修正いたします。
 (1)で、社会課題への対応を記載し、冒頭に星印をつけた赤字で、今後5から10年において達成が見込まれ、かつ掘削が不可欠な取組を優先順位をつけて実施することが求められるとして、①番に防災・減災。活動型大陸縁辺部に位置し、地震・火山大国である我が国において、安全・安心な社会を構築するために、高度な防災・減災対策が必須であり、防災・減災に資する海洋由来災害の理解に関する掘削を優先して実施することを記載のもので、②番、③番として気候変動問題、海底下生命圏理解を掲げ、①の防災・減災の取組を優先した上で、「ちきゅう」の船齢、世界的な情勢、予算状況などを総合的に勘案し、社会ニーズがあり実現性が高い掘削から実施していく。
 (2)今後我が国が海洋科学掘削を進める上での必要な事項として、①として、プロジェクト管理体制の改善。具体的には、意思決定プロセス・決定者の明確化、現場の声を取り入れる体制づくり。ここには、先ほどから議論されてまいりました技術開発のマネジメント、そういうことも含むように、若干修正が必要かと考えております。
 そして②として、国際協調の戦略的検討。科学掘削の国際協調によって、我が国が提供・享受できるものを整理し、戦略的に検討していくこと。
 ③の技術の継承・人材の育成として、科学掘削で培われた技術の維持と他分野への発展。長期的な人材育成の視点を明示し、最後に、報告書の結びと同じでございます。日本が海洋科学掘削を通じて、世界をリードしつつ、社会課題の解決に資する科学技術を発展させていくことを期待するという形で結んでおります。
 以上です。
【川幡主査】  どうもありがとうございました。
 先ほど申し上げた科学掘削以外の期待も大きいよというのが、どっかに入っていたらいいなと、そのように思いました。
 皆さんからコメントをいただきます。どうでしょうか。今まで議論してきた内容が箇条書に書いてあるような感じで、過不足なく述べられていると思います。資源とCO2の貯留とか、ほかのとこからも期待があるよというのは大事なんです。なにかしら記載       していただけると。
 ございますか、皆さん。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  では、そこだけをちょっとお願いします。
 どうもありがとうございます。
 では、最後に、何か最後に言っておきたいコメントある方、おられますか。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  いろいろと貴重な御意見・御指摘をいただきありがとうございました。
 ラインの413のところ、J-DESCとか国際状況ですかね。あと、最後の「おわりに」のところですね、そこのところ以外の部分については、御意見いただきまして、基本的にコンセンサス得られていると思います。それで、その二つの部分については、文案をつくりまして、もう一回、合議したいと思います。
 全体的な修正内容については、できれば主査一任にしていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。駄目だという方は手を挙げていただけますか。いいですか。
(委員より特段の異議なし)
【川幡主査】  ありがとうございました。じゃあ、そのようにしたいと思います。
 以上をもちまして、本日の議事は終了しましたが、最後に、皆様と共にした6回、18時間の議論を踏まえて、1分程度でまとめたい、にトライしたいと思います。
 石井委員の「『ちきゅう』は私が思っていたより人気がないですね」ということへの返答として、皆のコンセンサスは、「ちきゅう」は高機能を有した船ですというのが、3回目にコンセンサスになったと思います。
 3.11の摩擦熱の観測、地球深部で生きる生命の発見など、最先端の科学成果も生まれました。今後は科学以外の活躍、例えば資源とか、メタンハイドレードとか、レアアース、CO2の貯留も期待されています。
 掘削するのであれば、減災、気候への対処、科学の夢を伝えるミッションを現実的条件を考慮し、優先順位をつけて実行すべし。
 土台となる国際共同研究、国際貢献、それを支えるコンソーシアム――J-DESCみたいな、は重要です。
 5番目、最後ですが、マネジメントでかなりの不備があったというのが委員会の、これはコンセンサスで結論です。この改革こそが将来の運用への前提をなると、皆は考えました。
 科学立国、技術立国、災害大国であることを重く考え、「ちきゅう」を活用して、明るい将来を開いていっていただければというのが、この委員会の結論であったのではないかと思います。
 最後になりますが、課長から一言。特にマネジメントが云々というのがありましたので、お言葉いただいて、終わりたいと思います。
【山之内課長】  本当に皆様、長時間御議論いただきましてありがとうございます。私は今日が初めての出席でしたが、今、主査からのお話あったように、18時間と進めさせていただいたということでありがとうございます。
 今日提言いただいたことは、まだ文章としてはこれからもちょっと直しがありますけれども、重く受け止めております。特に運用のところにつきましては、JAMSTECに対していろいろ厳しいことを言っており、しっかりと受け止めたいと思います。JAMSTEC任せにするのではなくて、文科省としてもしっかり対応していきたいと思いますので、これからも御指導、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
【川幡主査】  どうもありがとうございました。皆様、半年にわたる御議論、非常にお疲れさまでした。最後に、事務局から連絡事項があります。お願いいたします。どうもありがとうございました。
【事務局】  それでは、事務局でございます。半年にわたりお時間をいただきありがとうございました。
 本日の議事録につきましては、案を作成しましたら、これまでと同様、委員の皆様にメールにて御確認をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、本委員会の最終報告及び審議が行われます、次回海洋開発分科会は11月もしくは12月あたりを予定しております。日程等が正式に決定しましたら、委員の皆様には御連絡さしあげます。
 事務局からの連絡は以上でございます。
【川幡主査】  これをもちまして、本日の海洋科学掘削委員会を終了いたします。これまでの御協力どうもありがとうございました。
【巽委員】  川幡さん。
【川幡主査】  まだ公開中ですけど、いいですか。
【巽委員】  公開中、全然構いません。ちょっとよく分かってないのは、これで要するに会議は終わりということでよろしいんですか。それで、今日やった、もんだものは、また送っていただいて、それに対して我々はレスすれば、それで終わりということの認識でよろしいんでしょうか。
【川幡主査】  そうです。二つ言うと、「おわりに」のところと、国際J-DESCのところについては、文案をもう一回、回します。それから、それを入れて、最後に皆様にお送りしますので、先ほど巽先生がいろいろ小さいコメントね、今度は。大きいのはコンセンサスだから変えられないけれども、そこをコメントいただくというか、それを送ってください。
 で、最後にですけれども、全体の文章については、主査一任ということで、最終的にはお願いしますというのが、私の意見です。
【巽委員】  分かりました。ありがとうございます。
【阪口委員】  質問があります。公開中で結構です。ここでかなり時間を費やして、ポジティブに建設的な意見をまとめました。これを最低限、JAMSTEC等は読むんだと思うんですけれども、それを我々の提言書をどう反映するかというか、取り入れるかということは、何かモニターする仕組みというか、あるのでしょうかということが、私だけでない、多くの方の懸念というか、疑問に思えると思うんですよね。
 でないと、これだけの時間を費やして書いたことが、ああ、そうですかで終わるということが、あるかも分からないですよね。というのは、先ほどの2019年の外部有識者委員会のまとめがあっても、何も改善してないという、3年もたってるのに、何か抜本的に体制が変わったということも一切ない組織ですから、何かそこは、別にペナルティーとかそんな変な話ではなく、ポジティブに物事を動かす仕組みが必要だと思うんですけれども。そこまでは言及するのは難しいことは分かっていますが、どんなお考えなのかというか、これが川幡主査が答えなきゃいけないことではないというのはよく分かっていますけれども、いかがでしょうか。
【川幡主査】  課長のほうから。
【山之内課長】  おっしゃるとおりだと思います。そこで、先ほどもちょっと申しましたけれども、JAMSTEC任せにするのではなくて、文科省としてもしっかり見ていきたいと思います。ただ、今、先生がおっしゃったような仕組みというところまでは、まだ考えていないんですが、我々も手を動かして、一緒にやっていくという姿勢で臨みたいと思います。
【阪口委員】  ぜひよろしくお願いします。ポジティブに。
【山之内課長】  はい、もちろんです。ありがとうございます、本当に。
【川幡主査】  どうもありがとうございます。では、皆様とのさようならの時間が来ましたので。阪口先生、お元気で。コロナにならなくてよかったですよ、半年。皆さん、どうもありがとうございました。

 
―― 了 ――

お問合せ先

研究開発局海洋地球課