海洋科学技術委員会(第4回) 議事録

1.日時

令和4年3月2日(水曜日)15時00分~18時00分

2.場所

オンライン

3.議題

  1. 安全・安心な社会の構築に資する海洋科学技術の在り方について(ヒアリング)
  2. 意見交換
  3. その他

4.出席者

委員

河村主査、河野健委員、河野真理子委員、川辺委員、阪口委員、須賀委員、谷委員、廣川委員、藤井委員、前川委員、見延委員

文部科学省

大土井海洋地球課長、廣瀬海洋地球課長補佐、宮原専門官 ほか

5.議事録

【河村主査】  皆さん、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、ただいまから第11期科学技術・学術審議会海洋開発分科会海洋科学技術委員会、第4回目の会合を開催いたします。
 それでは、まず、事務局から定足数の確認と配付資料の確認をお願いいたします。
【事務局】  事務局でございます。本日は河野健委員が……。
【河村主査】  声が小さいな。もうちょっと声大きくならないですか。
【事務局】  申し訳ございません。聞こえますでしょうか。
【河村主査】  大丈夫です。
【事務局】  申し訳ございませんでした。
 本日は、河野健委員が16時頃から遅れての御出席となる旨、御連絡をいただいております。現在は10名の委員に御出席いただいておりまして、本委員会の運営規則第2章に定めます定足数の過半数を満たしていることを御報告いたします。
 また、事務局といたしまして、文部科学省研究開発局開発地球課長の大土井、また、私廣瀬のほか海洋地球課の関係者が出席しております。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。本日は資料2つを御用意させていただいております。1つ目が廣川委員からの御説明の資料、また、2つ目として、前回御説明させていただいた取りまとめの骨子案について御準備させていただいております。その他参考資料もありますが、資料等の不調、不備等ございましたら、事務局まで、いつでも問題ございませんので、お知らせいただければと思います。
 私からは以上です。
【河村主査】  どうもありがとうございました。
 それでは、早速ですけれども、本日の議題に入りたいと思います。
 前回は、「安全・安心な社会の構築に資する海洋科学技術の在り方について」ということをテーマにしまして、防災・減災への貢献のために必要な取組のうち、地震・津波に関してというものと海底地形調査の促進のために必要な取組について話題提供いただきました。本日、引き続きまして、海底資源探査の促進のために必要な取組についてお話を伺いたいと思います。
 本テーマに関しましては、廣川委員から話題提供していただけると聞いております。どうぞよろしくお願いいたします。
【廣川委員】  御案内ありがとうございます。それでは、画面の共有をさせていただきます。見えていますでしょうか。
【河村主査】  はい、大丈夫です。
【廣川委員】  大丈夫ですか。じゃあ、進めさせていただきます。
 今回の話題提供でございますけれども、海底資源探査、「調査」としましたけれども、探査も調査も同じでございまして、それの促進のための必要な取組ということで、その手法の課題ということで取りまとめてみました。
 海洋鉱物資源の開発に関しましては、これも御承知のとおり、実際にそれをどうやって揚げるとか、それから、その揚げたものをどうやって選鉱して実際の金属にするとか、そういう技術課題ももちろんありますし、こういう開発をする、あるいは調査をするに当たっては、海洋の環境保全というのは、ヨーロッパを中心に、モラトリアムといったこともありまして、非常に環境のほうの影響評価も必要となっているところでございます。開発技術、それから海洋環境の保全、そういった環境アセスメント、そういったものの話だけで十分1つのテーマになるので、今回は、海洋鉱物資源に関する調査の手法の課題ということでまとめてみました。
 ちょっと釈迦に説法のところもあるかと思いますが、少しベーシックなところもお話しさせていただきたいということで取りまとめてみました。これも御承知のとおりですけれども、日本近海に、あるいは公海上にあります海底鉱物資源というのは、この大きく3つにあります。1つは海底熱水鉱床。それからコバルトリッチクラスト。マンガン団塊でございます。海底熱水鉱床は、主にベースメタルと言われます銅、鉛、亜鉛、それから貴金属を含んでいるものでございますし、コバルトリッチクラストに関しては、コバルト、ニッケル、あるいは白金、こういったレアメタルを含んでいるものでございます。マンガン団塊に関しては、銅、ニッケル、少し重複しますけれども、そういったものが注目される鉱物資源でございます。このほかにも、南鳥島近海にはレアアース泥というものがありますけれども、国連の国際海底機構ISAでは、レアアース泥は今のところ対象になってないということでございます。
 昨今、海のカーボンニュートラルというのはもてはやされておりますし、SDGsへの貢献というのもありますけれども、一方で、カーボンニュートラルに資するためには、EVとか電動化、こういったものに関しては金属を相当使うという、特にレアメタル、レアアースといったものをたくさん使いますので、結果的にその需要が増えるということであります。あるいは、カーボンニュートラルという点では、洋上風力、そういったものが注目されているところでございます。
 昨今は、むしろ安全保障という観点で、中国を念頭に置いた安全保障というのがこれまで言われてきて、実際、安全保障法案というのが今国会でも審議されているところでありますけれども、加えて、最近では、ロシアのウクライナ問題、これも安全保障で、中国プラスロシアというのは、安全保障上、そこにある資源というのはなかなか供給しにくいというところで、ロシアの場合は、ニッケルとか白金といったものが日本に輸入されて、実際に自動車等に使われておりますが、こういったところも、今後の投資、あるいはその供給途絶が起こり得る金属というふうに見られております。
 これはトヨタのプリウスを例にしてございますけれども、こういったものには多くの金属が使われますが、このブルーでハッチしているところが主に先ほど申し上げました海底鉱物資源でございまして、多くの金属が日本の近海にはたくさんあるということであります。これはもう御承知かと思いますけれども、海底熱水鉱床は火山活動がありますボルカニックフロント、あるいはバックアーク、背弧海盆、そういったところ、熱水海域、主に沖縄海域、それから伊豆・小笠原海域にありますし、我々はこういったところで海底熱水鉱床を探しております。
 一方で、コバルトリッチクラスト、これは平頂海山、昔のホットスポットがプレートに流されてきて、今、日本海溝、沈むところの手前のところで、平頂海山にへばりつくようにコバルトリッチクラストがあるということで、主にこういうところに、最近、我々も一番注目しているのは拓洋第五海山というのが非常に大きいので、こういったところ、あるいは、小笠原海台というところがございます。
 マンガン団塊に関しましては、これは各国の取り合いになっていますけれども、ハワイ沖のいわゆるクラリオン・クリッパートン帯、CC Zoneというのが一番有望な地域でございます。
 ちょっと前置きが長くなりますけれども、海の探査をするには、陸上の探査というのがその参考になるわけですけれども、陸上の探査の場合はこういうことをやりますということで、非常に広い地域から絞っていく。最終的にはボーリングまで鉱床がありそうな場所を絞り込んでいくわけでございます。具体的に言いますと、陸上の場合は、衛星画像といったものを活用して、例えば、可視光の画像の中でいろいろなバンドがございまして、それぞれのバンドで、反射波の波長の違いを利用して、例えば、この赤いところに鉱床がありそうだということをあらかじめ衛星画像で解析して収集した上で、実際にその現場に行って、これはアルゼンチンの例ですけれども、実際にその石を取って、この石が資源になりそうだ、鉱徴地として認められるということであれば、実際に地下に電気を流したりして、あるいは、重力、磁気といったものを使いまして、さらに対象地域を絞り込んで、実際にボーリングをやっていくということになります。
 実際の開発では、探査というのは、ブロックモデルというのが普通使われまして、実際の鉱床形状は3次元でございますので、ボーリングの結果をいろいろブロックに分けて、このそれぞれのブロックに品位と比重といったものを割りつけていって、実際の量がどれぐらいあるかというのを計算するということでございます。これは具体的にこうやっている絵で、中央からボーリングをやって、ブロックモデルでこうやった例でございます。それで開発可能性があるということであれば、こういった大規模な露天掘り、これはチリのですけれども、こういうふうになるまでは、実際の調査から最低でも10年、それ以上かかる場合もあるということでございます。
 海の資源開発も同じような取組、こういう地層でやっていくわけでございますが、私どもはこの「白嶺」という船で資源探査をやってございます。
 実際の海洋の資源探査の流れでございますけれども、こういうふうな流れになっていまして、先ほどの広い地域から絞り込んでボーリングまでということ、そこは変わらないんですが、実際に取れる手法というのは、海洋の場合は限界・制約がありまして、主に光が通じないので、音波を使うということで、実際は、マルチナロービームの音圧あるいは音響異常、こういったものから実際にAUVや曳航体を使って微地形を捉えて、実際にROVで観察して、一部電磁探査等を使いまして、最終的にはコアリングするということで資源量の確定をするという流れになってございます。
 同じような陸上と海洋の探査の流れを比較しますと、広域的なところからだんだん絞り込んでいくというところは変わらないんですが、実際使えるツールとしては、実際のマルチナロービームからAUV、ROVというのは非常に飛躍しているわけでして、この間、例えば、物理探査、あるいは海底の地下探査をといったものがあればもっと効率的にはできるんじゃないかと思っていますし、それから、最終的にボーリングをやるわけですけれども、陸上に比べても数十倍のコストがかかっているということが言えるかと思います。
 3つほどその中で調査手法の課題を挙げさせていただきました。1つは、先ほども申し上げましたように、マルチナロービーム、広域調査からAUV、ROVに絞り込むわけですけれども、マルチナロービームの段階では、分解能が大体30メートルぐらいですので、非常に大ざっぱな地形、あるいは音圧しか取れません。音響異常にしても、こういった大ざっぱなものしか取れません。その中からどこを狙うかというのは、そうすると、今度、ROVになりますと、分解能が1メーターとか数メーター、こういうところまで、非常にこのギャップが大き過ぎて、ピンポイントでの有望地抽出がなかなか難しいということで、その間を埋めるような調査手法というのは必要かなと思っています。
 それから、あとは、陸上では、物探というのが数百メーターは軽々使えるんですけれども、海洋での物理探査というのはすごい制約があって、ROVで引っ張ったりしているんですけれども、1ノット、数ノットでしか出せませんし、それから、可探深度はいまだに20メートルから30メートルということでありますので、もうちょっと深いところの海底下の情報を見たいというところで、なかなかこれも、解析の問題もあるんですけれども、調査の効率、あるいは可探深度というところに問題がある。
 ボーリングですけれども、海洋のほうは陸上に比べて圧倒的に高コストなんですが、我々にとってはもっと深刻な問題があって、回収率が低いわけです。陸上の場合ですと、95%から100%の回収というのは通常行われるんですけれども、今「白嶺」でボーリングしておりますが、よくて60%、悪いときは50%切るというような回収率でございます。そうすると、どうするかというと、この間の品位のデータ、あるいは鉱物がどうなっているかというのは分からないわけでして、ある意味、類推してやるしかないということで、リアルな金属の量だとかそういったことはなかなか分からないというのが現状であります。こういったところの改善というのも必要になってきています。
 これ、実際のボーリングはこういったことでありますし、モデルとしては、こういうふうにチムニー、マウンドがありますと、それをボーリングする、あるいは、海底面に出てない、堆積物がかぶっている間、これをどうやって探すか。実際、ボーリングをやるわけですけれども、この辺のところも問題であります。理想的には、こういうふうに陸上と同じくボーリングをしたいわけですが、なかなかそうはいかないということであります。
 まとめでございますけれども、現在の海底熱水鉱床の調査の現状、昔に比べると、調査船だとか調査機器、非常に飛躍的な進歩はございますけれども、それによりまして計画的な探査や資源量の評価ができることはできるようになりました。現在は、どちらかというと陸上の露頭探査レベルでございまして、主には地形の異常、あるいはウオーターカラムの異常、こういったもので発見をしているというようなことで、上に泥がかぶっていて分からない潜頭鉱床といいますか、こういったものは現状では探すのは難しいという状況でございます。
 先ほど申し上げました陸上の調査との比較でございます。まず、広域な調査では、基礎データ、ちょっとお話しませんでしたが、基本的な地形の情報、あるいは、もっと海底の地質の状況、こういったものはまだまだ未整備だと思います。先ほど申しましたように、絞り込むための準広域調査は必要でありますし、特に物探の能力だとか、可探深度の構造といったものも必要ですし、コアの回収率向上、あるいは、コストダウンのための能率の向上、こういったものが課題となっているというようなことでございます。
 ついでですけれども、2017年に採鉱・揚鉱、海底熱水鉱床のパイロット試験をやりました。そのときには、こういった機械を使いまして掘って、それを鉱石に揚げました。船上で海水と鉱石を分離して、取りあえず、揚鉱水に関しては全量、水運搬船を使って陸上に運んで、汚い鉱石を含む水でございますので、これは陸上で処理したということで、一方で、こういう開発をするには、環境問題というのは非常に重要でして、環境モニタリングを同時にやったりして、こういった試験をやりました。この4隻の船を使ってやりました。
 現在、海洋鉱物資源の開発のどのステージにいるかというと、2008年からずっとやってきましたけれども、現在はまだまだまだこの辺で、実際の鉱石を揚げることには成功いたしましたが、実際の商業化に関しては、まだまだ、設備の耐久性だとか、それから、この揚げた水の処理の問題とか、これは循環式の揚鉱システムのを今やったりしていますけれども、あるいは、法整備とかそういったものもまだまだ課題としてあります。宇宙よりも海のほうがハードルは高いんじゃないかという感じがしております。
 以上で私のほうの説明を終わります。ありがとうございました。
【河村主査】  廣川先生、どうもありがとうございました。
 ただいまのお話につきまして、御質問を受けたいと思います。よろしくお願いします。
【川辺委員】  よろしいでしょうか。
【河村主査】  川辺先生、お願いします。
【川辺委員】  東京海洋大学の川辺でございます。廣川委員、御説明いただきまして、どうもありがとうございました。
 パワポの26ページで全体像を示していただいているんですけれども、もしよければちょっと見せていただけないでしょうか。
【廣川委員】  これですか。
【川辺委員】  これです。その前に、回収率が問題である、というお話を伺いました。海底資源開発についての一番の問題は、コストとベネフィットがつり合わないところかと思うのですけれども、回収率が低いとおっしゃられているところは、どこをについて見ればよろしいでしょうか。
【廣川委員】  御質問ありがとうございます。いつもお世話なっています。
 回収率というのは、このいわゆる調査、先ほど言いました、ボーリングのところの回収率。今回は、調査あるいは探査のことだけに絞ってお話させていただきましたので、こうやって、こういうのを使ってボーリングするんですが、本当は、最終的にブロックモデルをするには、それぞれこのブロックを1メーターぐらいに切って、それを割りつけて計算していくわけですけれども、このボーリングの回収率が半分ですと、半分のことしか分からないんです。そこが問題なんです。
 開発のほうはまた別でございますので、こちらも、どうやって掘削するとか、それから、どうやって揚げるかとか。今、2017年のパイロット試験のときは、単に一方通行で揚げたんですけれども、今開発しているのは、揚げたやつ、スラリーという水と海水と鉱石で一緒に揚げるんですけれども、船上で分離して、今度は要らない水は戻してあげて、循環式でやらないと、この揚鉱水の処理がとてもとても、これはあくまで試験なので、できたんですけれども、これは船上で処理もできないですし、このままだったら、これを垂れ流すしかできないんで、そんなことはとてもできないので、そういうシステムの開発を今やっています。
【川辺委員】  分かりました。
【廣川委員】  すいません。話がちょっと……。
【川辺委員】  とんでもないです。よく分かりました。環境モニタリングをしながら汚染しないようにする、ということもまたコストとして考えないといけないので、なかなか大変だなと改めて思いました。どうもありがとうございます。
【河村主査】  続いて、谷先生、お願いします。
【谷委員】  委員長、ありがとうございます。廣川先生、御講演ありがとうございました。大変よく分かりました。よく分かりましたけれども、分からないとこがありましたので、4点お伺いしたいと思います。お話の順に伺います。
 冒頭、レアアース泥はISA、Seabed Authorityの範疇の外であるというお話でした。それは私全然知らなかったんですが、ISAは除外しているんですか。それとも、リストアップされないとISAの対象にならないということなんでしょうか。
【廣川委員】  リストアップされているかどうか分かりませんが、あくまでISAは公海上の資源の管理をというところでございます。現状、これまで、日本、加藤(泰浩)先生らが見つけられたのはEEZの中ですので、そういう意味合いでは、公海上で、今、レアアース泥をやろうとして、あるいは、調査してその結果をISAに申請しようとしている人は誰もいないわけです。したがって現状では対象になってないということです。
【谷委員】  分かりました。もちろん、ですから、日本のEEZの外側であれば、そこにおいしいのがあれば、ISAに持ってかないといけないし、ISAのいろいろな手続が必要になるということでよろしいでしょうか。
【谷委員】  分かりました。もちろん、ですから、日本のEEZの外側であれば、そこにおいしいのがあれば、ISAに持ってかないといけないし、ISAのいろいろな手続が必要になるということでよろしいでしょうか。
【廣川委員】  そうですね。これも御承知のとおり、ISAは、今、国際的にはマンガン団塊が中心で、開発規則が今つくられようとしているところで、パブコメをやったり、具体的なルールづくりを精力的に進めているところであります。あくまで今はマンガン団塊をモデルとしたものとしてやっています。
【谷委員】  承知いたしました。ありがとうございます。レアアース泥でおいしいところは南鳥島の周りにありますけれども、それから、西南西に下がったほうに濃いところがいっぱいありそうですので、よその国も目をつけているに違いないなと思うものですから、お伺いしました。
 2つ目ですが、ブロックモデルのブロックサイズをお伺いしようと思ったんです。1メーターというのがさっきのやり取りで。
【廣川委員】  陸上では1メーターぐらいはやりますけれども、それは鉱床の大きさによってモデルのサイズは決まるので、必ずしも1メーターではないという場合もあります。それは任意に決められます。
【谷委員】  それをお伺いした理由は、ボーリングをどれぐらいのインターバルで打たねばいかんかということなんですけれども、ブロックサイズに対してどれぐらいの広さというか、何個に1つぐらいのボーリングが要ると思えばよろしいんでしょうか。
【廣川委員】  これはまだ決まってないんですね。海洋の場合は。陸上の場合は、日本だとJISの規格がありまして、それによってボーリングは、多分10メーター……。50メーターかもしれません。数十メーターの間隔で打って、それに基づいて計算しなさいというルールが決まっているんです。国際的にも、オーストラリアあるいはカナダの規格というのがありまして、それでやった結果でないと、逆に国際的には評価されない。適当に掘って自分たちでやるというのは評価されないです。
【谷委員】  分かりました。
【廣川委員】  海洋の場合は、それはまだないです。
【谷委員】  でも、熱水鉱床みたいに、黒鉱と変わらないなと思えば、同じぐらいのインターバルである必要があるということですよね。
【廣川委員】  そうですね。この熱水鉱床のサイズですと、いわゆる陸上では黒鉱と言われるもので、これと同じようにしないと、きちんと計算したことにはならないというふうに思います。
【谷委員】  ありがとうございました。それから、先ほど、地形でROVによる精密調査とマルチビームエコーサウンダーの間を埋めるものが必要であるというお話でしたけれども、具体的にはどれぐらいのレゾリューションのものが必要なんでしょうか。
【廣川委員】  これは対象物の大きさによると思うんですが、海底熱水鉱床ですと、マウンドが50メーター、最大のものは100メーターぐらいですので、例えば、10メーター、20メーターぐらいのマウンドを見つけようとすると、30メーターのレゾリューションじゃ絶対見つからないわけです。ちょっとはかかるので、見逃さなければ、ちょっとしたのはあるかもしれませんけれども、そういうものは引っかかってこないんですよね。ですから、10メーターぐらいのレゾリューションは欲しいところであります。
【谷委員】  分かりました。ありがとうございます。マルチビームでやりようによっては不可能じゃないものですから、お伺いしました。
【廣川委員】  そうですか。あと、深さによりますよね。
【谷委員】  もちろん深さによりますけれども。
【廣川委員】  海底熱水鉱床ですと1,000メーターか2,000メーターなので。
【谷委員】  ソナーアレイを広げる、あるいは、バーチャルを広げることによってレゾを上げられますので、そういうテクノロジーは実際ありますから、できなくないなと思いました。
 最後の質問ですけれども、潜頭鉱床は測られてないというか、分からない、未探鉱であるというふうに書かれていましたけれども、実際にはどうなんですか。ROVによる電磁気調査とか重力等々で、この辺に、あとサイズミックで、大体これぐらいある、10メーター下にあるというのは見えるんじゃないでしょうか。
【廣川委員】  その前の段階で、ここにありそうだというのが……。
【谷委員】  あ、それか。
【廣川委員】  そこなんですよ。もちろん、実際、鉱床が、鉱石があるところの周辺というのは、当然あれですけれども、それが単独である場合は、それはもう分からないですね。
【谷委員】  単独のやつは分からない。なかなか引っかかって……。
【廣川委員】  だから、海底面に何か出てないとですね。我々は海底面に少しチムニー状のものがあるとかそういうのを、あとSBPですね。SBPだと20メーター、30メーター入るので、それで少し可能性は探してはいるんですけれども、今までに見つからないですね。
【谷委員】  分かりました。大変ありがとうございます。
【河村主査】  それじゃ、河野真理子先生、お願いします。
【河野(真)委員】  大変貴重なお話ありがとうございます。
 今見せていただいている26ページについて御質問させていただきます。先ほど、環境への影響を考慮することが重要だとおっしゃいました。以前に全く別の会合で、鉱物資源の開発の際の環境影響評価のときに、どういう生物が生息しているかの調査がすごく大事だと伺いました。その後もいろいろ文献とかを読んでいますと、海底の掘削は様々な影響をもたらす、-例えば、海底の泥を巻き上げるとかですが、-と理解しています。26頁の図で言う環境モニタリングではどういう要素をモニタリングするのかを教えていただいてよろしいでしょうか。
【廣川委員】  環境の話をすると、それだけでも結構時間がかかるのであれなんですが、ざっと言いますと、特に環境は、ISAがガイドラインをつくっているので、基本的には、このISAの環境ガイドラインに沿った形で、その項目でやっています。特に、パイロット試験をやりました伊是名では、七、八年ぐらいは、環境ベースライン調査をずっと、1年間に2クールズぐらい出して、非常に細かくベースライン調査をやって、採鉱・揚鉱パイロット試験の前には、環境影響評価書というのは法的には位置づけじゃないんですが、それに類するものを作って、プリュームの予測だとか、流れ場の予測だとか、そういうのもやった上でやって、実際に掘ったときに、あと、その後のモニタリングというのも併せてやって、本当にそれが正しかったのかどうかというのは検証しているところでございます。
 環境のほうは、環境ワーキングということで、御存じのとおり、白山先生が環境の部会長をしていただいて、各環境の御専門の方に議論していただいているところでございます。今、継続してやっています。
【河野(真)委員】  ありがとうございました。
【河村主査】  それじゃ、前川先生、お願いします。
【前川委員】  ありがとうございます。大変分かりやすい御発表、大変ありがとうございました。
 河野先生がおっしゃっていた環境の問題に追加で質問ですが、600人超の海洋関係の科学者によって署名が出ていて、深海底の開発については生物学的、生態学的に、生態系サービス等も含めて分からないことが多いので、取りあえずモラトリアムでポーズするべきだという趣旨で声明が出ています。そういった中で、ISAのほうでは環境のコードの策定が進んでいて、一方で、鉱物資源開発に関心を示している例えば太平洋島嶼国のナウルは、2年の期限を区切って開発を始めるべきだというアピールを出している状況であると理解しております。
 国内で深海底開発を始める際に、先ほどおっしゃっていたように白山先生のような生物学者・生態学者との連携であるとか、あるいは、国内でこういったプロトコールを開発して、むしろISAにそういったものを売り込んでいく、これは長期的に時間のかかることだと思いますが、何かそういった方向性について追加で教えていただければと思います。
【廣川委員】  まさにおっしゃるとおりでございます。我々の問題意識もそこにありまして、ヨーロッパ中心にモラトリアムという宣言をされていて、それに一部のメーカーなんかも対応しているというところでございます。その理由としては、まだ分からないことが多いからというのが理由になっているので、それをまず解消しなきゃいけないというふうに思って、我々、白山先生を中心に、十何年来ここで、沖縄海域、それから、一昨年からは伊豆・小笠原海域でも別の調査をやっていますし、膨大な環境のデータは持ってやってきています。
 ただ、国際的にあまりアピールしてこなかったというのがこういった結果も生んでいる可能性もあるので、実は、ISAと共催で、日本で環境ワークショップをやるということで話はついているんですが、実際、コロナの問題がありまして、本当は昨年やるつもりだったんですけれども、あくまでISAは対面でいろいろな国の人を集めてやりたい、オンラインではやりたくないと言っているので、コロナが収束したら、我々とISAと共催で環境ワークショップを日本で開催する国際的な取組もやっています。
 一方で、環境のこれまでのデータを取りまとめて、一部の研究者の方にお願いしているんですけれども、論文という形で国際的にも出していこうということは始めてはいるんですけれども、まだそこまで行ってないというのが現状でございます。
【河村主査】  阪口先生、お願いします。
【阪口委員】  海洋政策研究所の阪口です。廣川さん、ありがとうございました。
 私からの質問は、まず、私、95年から2002年の春ぐらいまで、オーストラリアのCSIROマイニングのディビジョンで働いていましたので、陸上専門でしたけれども、そこでは、例えば、高級住宅地の下に金鉱脈が見つかった場合に、当然、全部引っぺがして採るということができないので、そういう状況がたくさんあった中で、チューブ前に、チュービングロボットというものを開発したり、人間が住んでいる環境というふうに考えると、そういうことを配慮したロボットによる、表土を全く荒らさないで、ある深さのところにある鉱物だけを取るという仕組みのロボットの開発というものが、私がいました95年ぐらいから2000……。今はもう、それが、私たちが開発していたものが現実に使われているんですけれども。
 まず、海底資源の場合に、そういうロボットというものは、今、どれぐらいの状況まで進んでいるのかということと、それから、選鉱、製錬もできるだけ現場でやって、鉱物だけを船に揚げるという考え方にすると、ディスターバンスも少ないし、全部を、1回スラリーを船に揚げて、そこで選鉱、製錬をして、水を戻し、ずれを戻しということをやると、エネルギー的にも費用的にも非常にお金がかかるということで、ロボット化というもの、それから、現場製錬というものが非常に重要ではないかと思います。
 なので、まず、そのロボット化がどれぐらい進んでいるかということが1つの質問です。
 それから、もう一つが、オーストラリアのマイニングの場合は、陸上のマイニングの場合、マイニングリハビリテーションプログラムというものをつくって、恐らく、廣川さんのほうが私よりもよく御存じかと思います。その場で環境を全部破壊しないでということは難しいわけで、そうすると、50年後と100年後にどこの程度まで回復させるかというプログラムをきちんとつくって、その実行計画の下でマイニングの許可が出るというのがオーストラリア流のやり方だったんですが、このマイニングリハビリテーションというものが海底資源開発でも私は適用されるべきだと思っていまして、全く全ての生態系ノータッチでやるというのはほとんど不可能な話ですので、ロボットができたとしても、少なからずディスターバンスはある。ただし、それがどれぐらいの時間で元の状態に戻るのかということをきちんとエスティメイトするということが重要だと思います。海底資源開発におけるマイニングリハビリテーションというものは、どのような状況にあるのか。
 以上、ロボットのこととマイニングリハビリテーション、2点教えていただければと思います。よろしくお願いします。
【廣川委員】  質問ありがとうございます。ロボットのことですね。陸上の鉱山に関しては、オーストラリアとかカナダはすごく鉱山もありますので、そっちの技術はすごい進んでいます。御承知のとおり、ロボットというか、無人で坑内に入っていって掘削する、あるいは、石を出してくるという技術まで、そういうところまでオーストラリアはすごく進んでいるというのが現状で、翻って、じゃ、日本は鉱山がないものですから、そういう技術というのはほとんどないという、実際そういう状況であります。
 そういう意味合いでは、今ここでやっているのは、遅れた日本の――ロボットでも、ロボットというのは幅広いかもしれませんが、いわゆる採鉱のほうですね。そこの技術を、日本である既存の技術を応用して今やっているのが現状ではあります。
 さはさりながら、三井三池さんでつくられている採鉱機というのは、逆にオーストラリアには輸出されていて、実際の炭坑の中で使われています。それを海洋に持っていって、耐圧性を持たせて、それでやったりもしていますので、そこの部分は少しアドバンテージがあるかもしれません。
 全般的には、採鉱に関するロボット技術というのは、日本は遅れているというか、そもそもフィールドがないので遅れたというのが現状であるというふうに思います。
 海底熱水鉱床、海底にありますので、どうしてもこれを掘らなきゃいけないということになりますので、そのまま現状の海底を維持することはまず不可能ですので、当然、これを掘ってもいずれ回復するということを考えないといけない。そういう意味では、白山先生のような環境ワーキングのほうで、いわゆる掘削スタートの回復状況についても、1つサイトを決めて、伊是名海穴のサイトなんですけれども、そこで実際に掘削した後の回復状況のモニタリングを今のところまだちょっとやっています。2017年にやって、5年目ですけれども、じゃあどうなっているかというところまでは、一応、きちんとそれを評価するように、環境の回復度をちゃんと評価するようにということで、そっちの面でもやっています。
 一方で、これって最終的には、鉱山保安法なのかちょっと分かりませんけれども、法的にどうするのかというところがキーになってくると思います。そのためのデータというのは、我々としても提供できるようにというのは、技術的なデータは提供できるように準備しているというのは現状で、実際は、それをちゃんと評価してもらって、最終的に法的にこうすればいい、いわゆる閉山処理ですね。陸上の鉱山の閉山処理なんですけれども、海底の資源の閉山処理はこうあるべきだというところに持っていかないと、商業化というのは難しいんじゃないかと思います。
【阪口委員】  ありがとうございました。
【河村主査】  ありがとうございました。廣川先生のお話に対する質問はだいたい出ましたでしょうか。
 この海底資源探査に関して、先生のお話に関わらず少し意見交換をしてもいいんですけれども、いかがでしょうか。今のポイントをまとめると、鉱物を見つけて、それを回収する技術の開発ももちろん大事なんですけれども、その場合に環境にどういう影響を与えるかということが非常に難しいところで、特に、例えば、熱水鉱床なんかだと、その鉱床そのものに非常に特異的な生き物がいたりする場合に、それがどのぐらい重要なのか。例えば、分布ですよね。そこにしかいないものなのか、ほかにもいるものなのか。そういうところもきちんと調べてやらないと、種を滅ぼすことになってしまう。その辺が大きなポイントかなと思うので、事業化の前に、どういう環境アセスをすればいいかということに必要な情報をきちんと集めることが、多分すごく大事だと思います。
 先ほどの先生のお話にもあった、環境アセスの委員会というのがどれだけ進んでいるのか私はちょっと存じ上げないんですけれども、その辺のところをきちんと説明して、説得力のある環境アセスというのをやらないと、なかなか国際的には認められないのかなという気がいたします。
 何か御意見ありましたら、お願いします。谷先生、お願いします。
【谷委員】  環境の話が非常に大事だということは、全くそのとおりだと思います。一方で、これはなかなか難しい。先ほど、廣川委員の御発表で手がついてないというお話があった潜頭鉱床ですが、こいつは環境の問題はないんですよね。熱水鉱床にしても、もう活動は終わっていますので、新たな生物が見つかったり、そこでエコシステムが非常に活発だということはないので、潜頭鉱床を見つければ、そこは安心して掘れるということがございます。ところが、それはなかなか見つけにくいというお話があった。その辺が海洋科学技術としては出番かなという気がいたします。
 もちろん、生態学的評価とかというのも非常に、サイエンティフィックにも、テクノロジーのサイドも非常に課題が大きくて、この委員会として取り組むべき話だと思いますが、別のアベニューとして、潜頭鉱床を見つけるための、例えば、それは表面地形なのか、ハイレゾのバシメトリーが取れるということなのか、いろいろあると思いますけれども、そこも検討していいんじゃないかなと思います。
 実際に、熱水活動が終わって大分時間がたったところって、実はすごくおいしいところがある可能性はありますので、そういったところも課題として考えておかないといけないのかなというふうに思います。
【河村主査】  今の件、皆さん、いかがでしょうか。廣川先生も。
【廣川委員】  今の点申し上げますと、海底にあるものでも、熱水活動が終わったものと、既にもう熱水活動のないものと、今でも活動があるものと両方あります。もちろん、海底に、潜頭鉱床に関しては、上に堆積物が載っているわけですので、これは完全に終わっています。むしろ我々としては、熱水活動がないところを掘るのが理想型でありますし、熱水活動がありますと、いろいろな機器もトラブルを起こします。200度を超えるような温水が出ていると、プラスチックなんかは使えませんし。そういった意味ではですね。
 それから、もう一つ、先ほど環境のお話もいただきましたけれども、追加的に申し上げますと、保全策の検討もやりまして、いろいろ熱水鉱床の山の鉱床がたくさんありますけれども、それぞれの特異な熱水性の生物、その遺伝子の交流がどういうふうになっているか。例えば、ここを掘っても、こっちに遺伝子が同じ生物がいて、それがいずれ戻ってくる。遺伝子の交流がどういうふうになっているかというところも、保全策の検討ということでやっております。これは沖縄海域だけですけれども、そういうこともやっております。
【河村主査】  ありがとうございます。そのほか何か御意見ございますでしょうか。大土井課長、お願いします。
【大土井海洋地球課長】  事務局から失礼します。本当を言うと、河野理事がいれば一番詳しいかなと思いつつ、先ほど先生の話にあった、準広域調査と可探深度、これをさらに向上させるためのどういうツールがあり得るのか。さっき、谷先生は音波もあり得るかなという話がありましたけれども、それで可探も行けるのか。あるいは、ほかに何かこういう取組があるよというのがあれば、例えば、阪口所長とか、ぜひ御知見いただければと思います。よろしくお願いします。
【河村主査】  どなたかありますか。谷先生、お願いします。
【谷委員】  ありがとうございます。谷です。
 先ほどちょっと言いかけましたが、レゾリューションの高い海底地形のデータを手に入れるというのは1つ、表面からですね。海表面から手に入れるというのはかなりありがたい話だと思います。音波でそれをやるしか手がないんですけれども、ソナードームの大きさを広げればレゾは上がる。これはそういう理論になっていますので、大きな目で、例えば、巨大タンカーにソナーアレイをつけるという、これはアメリカで実験されていまして、0.5度とか、レゾリューションがうんと上がることができることは分かっています。
 それから、もう一つは、ソフト的に解くということで、合成開口レーダーございます。SARですね。あれと同じようにシンセシスをするということで、今、船の絶対位置をきちんと取れる方法ができていますので、それを基に、合成開口することでレゾリューションを上げるということも、これも実際に実験段階を超えるレベルで実用化されています。
 ですから、そこをもっと加速して強力にやって、例えば、そのビームを合成開口で0.1度にするということになれば、1,000メートルで2メーターのレゾが取れますから、これはかなり海底をつぶさに見ることができるのかなと思います。ありがとうございます。
【河村主査】  ありがとうございました。阪口さん、お願いします。
【阪口委員】  海洋政策研究所の阪口です。これはもう廣川さんに言うのは、全くお釈迦様に説法だと思うんですが、曳航体を2台引っ張って磁気探査をやるとか、それから、あと、電極を差し込んで地電流、電極をある間隔で刺し込んで地電流を測るとか、音響とか地形以外にもそれなりにあるんですが、やっぱり、かぶりの厚さがある程度厚くなったときには、相当精度が悪くなるということは、既にそれをやっていた研究者のほうからも話がありましたので、小さな細いボーリングと電磁気系のプローブを組み合わせるとか、できるだけ価格を抑えて調べていく方法というのは、これは技術開発としてはどんどんもっとやって、潜頭鉱床に対してやっていくべきだと思います。
 それから、先ほどのお答えの中にもありましたように、ロボットの使用というのは、そこに至る道のりはかなり長いんですけれども、実際、オーストラリアは本当に、私がいたとき、物すごいお金をかけてロボットの開発というものを、最初、可能性を一切捨てるなと、どんな方法でもいいから試していけという、そういう体制でマイニングロボットの開発というものをやっておりましたので。既に幾つか鉱床を自分で見つけながら、曲がりながら行くというような、無駄なものを掘らないというようなロボットもかなりたくさん2020年には存在しています。それをぜひ、海底下で使えるようなものというのを、これはロボット工学のほう、それから、あと、例えば、量子センシングなんていうのも、金属、その他を見つけるための非常に重要なツールで、水中、海底でも使えるということが徐々に分かり始めておりますので、そういう方向で私は進んでいくべきだと思います。廣川さんはずっとその辺はよく御存じだと思いますけれども。
【河村主査】  ありがとうございます。いかがでしょうか。
【廣川委員】  おっしゃるとおり、海中には人間が、潜水艇は別として、行けませんので、やっぱりリモートで何かやらなきゃいけない。そうすると、ロボット、この採鉱の機械をロボットと言うかどうかは別として、いわゆるリモートでのコントロールは何かしなきゃいけない。そうしないと生産なんてとてもおぼつかないし、いろいろなロボット技術の発展というのは、海底資源の開発に不可欠だというふうに思います。
【河村主査】  ありがとうございました。何となく、私は全く知識がなかったんですけれども、伺っていると、活動している熱水鉱床を開発するために生態系への影響を考えるよりは、潜頭鉱床を見つける技術を開発するほうが早いかなという気がしましたけれども。ありがとうございました。
 そのほか何かこれに関係して御意見ありましたらお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。では、一旦このテーマは終わりにしまして、廣川先生、どうもありがとうございました。
 次の議題に移りたいと思います。本日、この後の時間は、海洋科学技術の今後の在り方につきまして、これまでの議論の中間的なまとめとして、意見交換を行いたいということです。前回までにヒアリングと意見交換を行った「気候変動問題への対応」、それから「海洋生態系の理解・利用・保全」、「地震防災・減災」、「海底地形調査」につきまして、事務局のほうで議論のまとめとなる骨子案を作成するとともに、前回の骨子案を御議論していただいた「総合知と市民参加」についても骨子案を修正しているということです。
 まず、事務局から資料をご説明いただいて、テーマごとに区切って順番に御確認していただき、御意見いただければと思います。じゃあ、事務局、お願いいたします。
【事務局】  事務局より、資料2を用いまして、主査のほうからお話がありました、検討の論点に対する議論のまとめ、骨子案につきまして御説明をさせていただきます。
 この資料は、先ほども河村主査のほうからお話がありましたとおり、第1回から第3回のヒアリングと、その後の意見交換、あと、第3回の後に、先生方にあらかじめ御意見をいただいておりまして、それらを踏まえて事務局においてまとめたものになっております。ただ、骨子案という形になっておりますので、キーワードとして書かなければいけないものはできるだけ書いたつもりですが、個別具体的な技術の名前については、記載を今回は省きました。今後の取りまとめの際に、個別の話の中で重要なものというのは入れていきたいなと思っております。例えば、無人観測であれば、無人観測の中でAUVだROV、セイルドローンだみたいなところまで書いていないことを御承知おきいただければと思っております。
 まず初めに、気候変動対応です。2ページ目を御覧ください。気候変動への対応の在り方についての取りまとめの方針案について、御説明させていただきます。海洋科学技術分野における気候変動問題の貢献はどんなものがあって、それに対して課題と方策はどんなものがあるのかという形でまとめさせていただきました。初めの海洋科学技術分野における気候変動問題への貢献につきましては、皆様御承知とは思いますけれども、海洋というのが地球の熱である物質の循環に大きく寄与しているところ、その変化の把握というのは気候変動の理解・予測に重要ですということを記載しました。
 その上で、海洋や洋上体系の変化に関する観測・予測の高度化が、気候変動とその影響に関する予測の精緻化、高度化への貢献に期待できるかを記載しました。
 また、追加の意見募集をした際に、複数の先生のほうから御意見いただきまして、地球規模でのカーボンニュートラルの実現の中で、ゼロエミッション技術だけではなく、ネガティブエミッション技術の開発というのも重要だということに関して御指摘がありましたので、あまりヒアリングの際には話題になりませんでしたが、記載をさせていただいております。
 課題と方策として何があるのかですが、観測関係、モデリング関係、あとは研究体制、そして、その他という形でまとめさせていただいております。
 観測関係からまず御説明させていただきます。観測関係につきましては、まず初めに、海洋と大気との間の熱、物質の交換の把握については、観測技術の開発と持続的な観測というものが不可欠だということをまず指摘させていただいております。
 また、無人観測技術というのが効率的なデータ取得に有効であるため、我が国においても、産学官による無人観測技術の開発・運用というものを進める必要があるということも指摘しました。
 また、気候変動問題の対応に必要なデータというものを効果的・効率的に、また持続的に観測する体制の構築が必要と記載いたしました。また、北極に関しては、気候変動予測の高度化のためにデータの充実が不可欠と考えておりまして、我が国としても、主体的な観測を実施するとともに、須賀先生からも御指摘ありましたように、国際協力による観測というものがあると伺っておりますので、そういったものの強化を進めることが必要だというふうに記載をしております。
 また、モデリンクに関しましては、予測技術の高度化が絶え間なく必要であると指摘があり、モデルの信頼性の評価であったり、全球の熱・物質循環等と統合的に扱う地球システムモデルや、日本域の詳細な気候変動影響評価に関する領域モデルの開発・改良というものが必要と記載しました。
 また、こういった気候変動に関するモデリング研究というのは、海洋分野におけるDXの取組をこれまでも牽引してきた分野だと考えております。また、気候変動が経済活動に大きな影響を及ぼしますので、気候変動の緩和策・適応策の実効性であったり、海洋生態系への影響を評価であったり、こういった分野での取組を加速する必要があると記載させていただいております。
 研究体制につきましては、まずは、意見交換のときにもありましたとおり、海洋観測と予測というものは、国際的な枠組みが存在している一方で、国内の諸活動が、個々のニーズの対応だけではなく、これらは国際的な枠組みへの貢献につながることが重要ではないかと指摘があったかと思います。組織的、戦略的に海洋観測や予測を行うための国内関係者の共同体制の構築というものが必要だというふうに記載いたしました。
 また、観測とモデリング研究は連携して進めることが有効だという御指摘もあったと思います。データ利活用や流通の促進には、フォーマットの整理、統一化など、多くの関係者が利用しやすい仕組みづくりが有用であり、また、解析基盤の整備や、データ人材の育成というのが必要であるという御議論がありましたので、それを記載しました。
 また、その他としまして、気候変動の緩和策として注目されている技術についても、海洋科学技術分野として取組の強化が必要ということを記載させていただいております。
 続きまして、防災・減災の分野についてです。こちらは第3回で小原先生から御説明いただいたものになります。まず、こちらも、防災・減災への貢献と、では、それをどういうふうに海洋科学技術分野において進めていくかといったところをまとめさせていただいております。
防災・減災への貢献としては、海側がプレートの沈み込みに伴う巨大地震の発生の場となっており、巨大海溝型地震に対する地震防災を考える上では、そういった観点からも海底観測というのが重要だという御指摘があったかと思います。
 この海底観測によりまして、海溝型地震の震源域近傍の地殻の状態を正確することができ、ヒアリングの際に小原先生から御指摘があったとおり、地震発生予測、ハザード評価、即時予測といったものへの貢献というのが期待できるというふうにまとめてございます。
 課題と方策のところについては、4点でまとめさせていただきました。
 まず、予測評価の高精度化の部分には、災害の頻度や規模に応じて、時間的・空間的な観測間隔の実現が求められます。そのため、自動無人航行やオンライン化による高頻度化、リアルタイム化、観測点の増加というものを、必要な観測間隔に応じて増加が必要だとまず記載しました。
 例えば、ケーブル式の海底地震・津波観測網の整備の着実な推進と、本ケーブルシステムを基幹とした観測機器システムの展開というものを記載させていただいております。また、6,000メートル以深の大深度での観測に関しまして、観測が重要ではある一方で、できていない分野だというふうな御指摘がありましたので、こういった観測技術の開発や観測点の増加が必要ということを記載するとともに、沿岸部の海底地形というのも津波の挙動理解には重要だという御指摘について、漁業活動や航行船舶との理解も得つつ、海底地形の把握を進めていくことの必要性について記載をさせていただいております。
 続きまして、海底資源探査、地形調査の促進に関してです。本日、海底資源に関してのヒアリングを行いましたので、こちらは本日の議論を踏まえて追記をさせていただきたいと思っておりますが、谷先生から海底地形情報の話を第3回でいただきましたのでその部分をまとめさせていただいております。
 こちらは海底地形情報の必要性と、調査に係る課題・方策についてまとめました。必要性につきましては、ヒアリングの際にも御指摘がありましたとおり、海底地形の情報というのは、延長大陸棚の決定などの国家の主権に関わる問題や航海の安全性と、多岐にわたる分野において重要だというふうに記載をしました。
 一方で、海底地形調査に係る課題と方策につきましては、先ほどの地震と同様のところがありますが、ユーザーが必要としているデータを整理して、必要となる時間的・空間的な観測間隔や調査範囲を特定することが必要であるということがまず挙げられると考えております。
 また、地形のデータの公開・共有というものは、そもそも、地形データを提供してくださった方や、そのレゾリューションに応じた適切な整理というのが重要になってくると記載をさせていただいております。
 効率的な調査の実施につきましては、従来の船舶の調査に加えまして、こちらでも無人観測機器の活用というのが有効であると指摘があったと考えております。そのため、海底地形調査においての開発・運用に向けた取組を促進する必要があるとともに、また、これまで用いられなかったフロートや民間船の促進能力の活用というものも重要になるというふうに記載をさせていただいております。
 続きまして、4ポツの「海洋生命科学の在り方」です。こちらは、海洋科学技術分野における多様な海洋生態系の理解の深化や、持続可能な利用・保全への貢献をまず1つまとめさせていただいてた上で、では、そのための課題と方策という形でまとめました。
 まず初めに、どういったところで貢献ができるのかというところですが、海洋生態系の保全、SDGsの達成のために、こういった海洋生態系の情報に関する社会的ニーズが上昇しているということがまず挙げられます。そういったニーズに応え、また、信頼性の高い科学的エビデンスというものを提供するために、海洋生態系の現状の把握や将来予測の高度化というものが必要だということを記載させていただきました。
 2つ目に、こういったものを進めていくための課題と方策としまして、まず、海洋生態系の理解の深化につきましては、従来の生態学的手法による生物種・水域ごとの深い理解、こういったものに加えまして、これらの相互作用関係をきちんと定量化し、海洋環境の異なる海域間をつなぐ新たな複合生態系モデルの開発、こういうものが必要だろうということを記載いたしました。
 また、新たな観測・分析手法につきましては、その可能性と適用可能な範囲をしっかりと検証しつつも柔軟に取り入れて活用していくということが必要というふうに記載をいたしました。
 また、持続可能な利用・保全につきましては、海洋生態系のデータ利用のさらなる拡大に当たって、気候変動とかでも記載させていただきましたが、データの標準化・規格化といったものに大きな期待が寄せられておるというふうに記載しました。用途や分析範囲を明確にした体系的なデータ収集や分析、あとは、機械学習などによるデータ補完技術などの研究が必要だというふうに記載するとともに、デジタルツイン化に関して、海洋生態系の状況を可視化されても有望なアプローチとしまして、気候変動や開発等による海洋生態系への影響評価・予測を行うなど、社会的ニーズに応えることによって、こういった取組は、アカデミアだけではなく、産業界を巻き込んで取り組んでいくということが重要だというふうに記載をさせていただいております。
 最後に、海洋分野における総合知及び市民参加型の取組の在り方について御説明させていただきます。こちらは第3回のときに一旦御説明をさせていただいております。前回の案を見え消しで今回修正したものをお出しさせていただいております。前回の議論、また、その後の委員のコメントを基に修正をさせていただいているものです。
こちらはまず、海洋の関係者の多様化の必要性のところでは、いろいろな総合知には、科学の知以外にいろいろな知を統合するというところで、伝統知というのもあるのではないのかといった御指摘がありましたので、そういったものを追加させていただいております。
 また、「国連海洋科学の10年」のところに関しましては、文書の適正化というような形で御意見をいただきましたので、こういったところを修正させていただいております。
 (2)のところにつきましては、前回は、総合知の創出・活用と市民参加型の効果、全部一緒くたで記載をさせていただきましたが、委員の先生方のほうから市民参加型の活動というものについては、例えば、総合知や合意形成は不要で、データ収集をしてもらうような取組だけのものというものもある中で、この記載では市民参加型の取組のスコープが狭いのではないのかという御指摘がありましたので、総合知の創出・活用と市民参加型の取組、あと共通事項という形で分けて記載をさせていただいています。
 総合知の創出・活用の部分に関しましては、合意形成基盤としての期待が大きいというところをもう少し明確にするための変更をさせていただいております。また、市民参加型の取組としましては、海洋に関するデータ、情報収集等に関しての持続可能性の向上であったり、裾野拡大の期待というところを明確にして、別々に記載をするということにさせていただいております。
 また、共通事項のところでは、海洋の持続可能な利用・保全に関する市民の当事者意識の醸成。こちらは総合知、市民参加型どちらにも共通していることと考えておりますので、こちらに記載を移すとともに、市民と専門家の間のパートナーシップ、相互理解というものが進むのではないのかという御指摘を委員の先生からいただいておりますので、それを追加させていただいております。
 最後です。(3)のところは、市民参加型の取組のところを最後に1つ追加させていただいております。これを先ほどの(2)のところの記載を分けたことに共通してあった意見への対応ということで追加をしているんですけれども、市民参加型の取組というのは、観測データの収集による科学知の創出といったものも考えられる中で、市民への研究成果の還元など、参加によるメリットによりこれらの取組が継続されるような枠組みの構築というものも、こういった市民参加型の取組を推進するために必要な方策じゃないのかといった御指摘がありましたので、こちらを追加したというようなところが主な変更点になっております。
 ざっと簡単ではありますが、骨子案、資料2について御説明させていただきました。
【河村主査】  廣瀬さん、どうもありがとうございます。非常に多岐にわたっている分野をよくまとめていただいているんじゃないかと思います。
 それでは、まず、順番に、気候変動問題の対応につきまして、御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。どなたからでもお願いいたします。見延先生、お願いします。
【見延委員】  ありがとうございます。大変上手にまとめていただいてありがとうございます。
 2つあって、1つは、モデルのほうは、世界のいろいろなグループがモデルをやっていて、それは日本の領域も含んでいるんですね。観測はどっちかというと、日本の周辺は日本しかやってないんですけれども、モデルは、今日、だんだん日本のシェアが落ちてきて、日本のモデルだけだと10分の1。例えば、地球温暖化問題だと、もう10分の1以下。したがって、海外のモデルデータも活用していかないと、ガラパゴス化してしまうと思うんですけれども、そういった視点が弱いように思います。もう少し国際的な枠組みの中で協力して、そういう海外のものも積極的に使っていくとか、何かそういうことがあったほうがいいんじゃないかなと思いました。
 もう一つは、観測体制のところで、2つ目のポツです。今見えているこの下になりますが。これが観測とモデルは連携して進めることが有効というところから入ってしまうと、モデルの体制がなくて、全部観測の中、アンブレラの下でやっていくように見えてしまう。しかし、現在、例えば、研究者でモデルをやっている人のほうが、多分観測をやっている人よりも多いぐらいなんじゃないかと思うので、ちょっとそれは不都合なんじゃないか。それから、例えば、気候変動問題。将来のことだったら観測ってないので、当然、将来のことを観測してモデルと連携するということもできないわけです。少しモデルとそのデータの解析ということを書いて、「観測とモデルは連携して進めることが有効」というのは後のほうに動かすような形のほうがよろしいんじゃないかと思います。
 以上です。2点意見させていただきました。
【河村主査】  ありがとうございます。今の見延先生の御意見、事務局、まとめられそうですか。どうでしょう。
【事務局】  事務局において検討させていただきたいと思います。
 連携のところは、具体の文章をもう一度見延先生とも御相談させていただきたいと思います。
【見延委員】  よろしくお願いします。
【河村主査】  よろしくお願いします。じゃあ、谷先生、お願いします。
【谷委員】  ありがとうございます。谷です。
 モデリングの2つ目のパラグラフですけれども、2行目、「気候変動は経済活動にも大きな影響を及ぼすため」というのがございます。この「経済活動にも大きな影響を及ぼすため」というのが必要なんでしょうかというのが疑問なんです。いや、もちろん、大きな影響はあるんですけれども、生態系にも大きな影響があるし、人間生活にも大きな影響があるし、経済活動だけを特記する理由はよく分からないんです。
 なぜそんなことを申し上げるかといいますと、気候が変わると、多分、食糧事情はめちゃくちゃ変わって、国民生活が非常に不安定になって、それこそ戦争が起きてしまう。最近のロシアのを見ていると、あれはおかしな人がやっているんですけれども、過去、飢饉が起きると政変があるんですよね。大きな気候変動があると、外国から買えばいいやみたいなそういうのはもうなしになりますから、そうすると、そこも大きい。経済活動だけを特記するのは、物すごく私は不都合な気がするんですけれども、いかがでしょう。
【河村主査】  いかがでしょうか。そのとおりだと思いますが。
【事務局】  事務局です。「経済活動」の中にいろいろなものを込めたんですが、おっしゃるとおり、経済活動だけに焦点を当てているような間違ったメッセージになるかと思いますので、そこは事務局のほうで再度修正したいと思います。
【河村主査】  もし書くのであれば、「人間活動」とするか、あるいは、「人間活動や地球の生態系に」とか、もうちょっと大きな視点で書いていただくのがいいかなと思います。
【谷委員】  そこのパラの一番頭に「人類共通の課題」と書いていますので、もう言ってしまっているのかなという気もしたものですから、申し上げました。「経済活動」というのは取ったほうがいいと思います。あとはお任せしますけれども。
【大土井海洋地球課長】  大土井です。先生御指摘のとおりです。一方で、苦しいながらもこの文言を書いたというのは、政府内、やっているのはゼロエミッションとかそっち側のほうで気候問題を捉える動きがやっぱりあり、一方で、文科省とかJAMSTECさんとかがやっている地球規模の気候変動というのが、そっち側の政府の全体の動きにそんなに入り込めていないという背景がございまして、我々としては、人間活動、社会のほうにもちゃんと貢献できるんだよということをしっかり書きたいというつもりでしたので、その背景がありながらではあるものの、言葉は、もう一回勉強します。ありがとうございます。
【河村主査】  人間活動に影響があるということは強調したほうがいいと思うので、ただ、経済というのは人間活動のごく一部だと思いますので、その辺御配慮いただいて、修正していただければと思います。谷先生、それでよろしいですかね。ありがとうございます。
 阪口先生、お願いします。
【阪口委員】  海洋政策研究の阪口です。研究体制のところなんですけれども、これは気候変動の問題のところだけが、研究体制がクローズアップされていますが、全部の課題に対しても、研究体制とかそういうものは考慮されるべきじゃないかという点が1つと、それから、もう一つが、こと海洋、それから大きな地球規模での観測と、それからモデル、予測ということをなりわいとする研究者に対しては、1年ごととか1人当たりのという成果を求めるがゆえに、5年ぐらい観測に徹底したり、5年ぐらい解析に徹底したりするということができにくくなってきて、その結果、小さな研究をたくさん重ねるという傾向になってきていますので、研究対象がすごく広大で深く、また、スケールもミクロスケールから数千キロスケールにまで至るという対象が、海洋というものはほかのその工学とかとは違うものがあるので、評価とかリワードということに対しても、より長期的または集団的な在り方というものを考慮していただきたいということを私は以前指摘をさせていただきましたので、ぜひ、その他研究と現業の境目みたいなことをきちんとしたなりわいとしてできるような体制というものも入れていただけるといいかなと思うのですが、ほかの皆様の御意見は聞いて考えたいと思いますが、いかがでしょうか。
【河村主査】  ありがとうございます。皆さん、いかがでしょうか。見延先生、お願いします。
【見延委員】  大変結構な。どういう感じに持っていくかというのが、評価というのは基本的に機関で行うので、だから、機関の評価基準というのが毎年求めるということになってなければいいという。それはJAMSTECでそうしていたというのがよくないということなんじゃないかなと思うんですが、JAMSTECなんかにもそういうことを考えていただくのに、ここに少しやんわりと入れるというなことが、多分、阪口先生が言われているかなと思いますので、そうしますと、「長期的な視野に基づいて」とか何かそういうような一言が入って、それを機関のほうで適切に使っていただくというようなことになるのかなという印象を受けました。
 阪口先生、いかがでしょうか。そんな感じで。
【阪口委員】  私はもうJAMSTECじゃなくなっているので、好き放題言っているんですけれども。
【見延委員】  いた当時はなかなか苦労されていました。
【阪口委員】  ええ。でも、今、科学全体が論文偏重主義になっています。当然、論文を書くというのは、研究者にとっては必要なことだとは思うんですが、じゃあ、観測したり計算したりするということの時間的タームがどうしても、でかいものを対象とすると、そこが長くなるということを、殊、海洋に関する科学者に対しては、配慮という言葉はおかしいんですけれども、海洋に関する科学者を抱える研究機関は、そういう視点で、より広く深い観測及び予測ということができるような体制が欲しいということです。
 見延先生のおっしゃることに全く私も同意です。既にやられているところはそれでオーケーだと思います。
【河村主査】  須賀先生、お願いします。
【須賀委員】  今、大変重要な御議論だったと思います。どうしても研究者も評価をされて活動するということですので、その評価のスパンといいますか、それを分野の特性に応じて、特にグローバルな観測をやろうと思ったら、非常に、5年間ぐらい論文は1つも書けないということも起こり得るということはあり得ますよね。ということを何らかの形で、研究体制ということなのか、その研究を推進するための認識として、どこかにそういうことも書き込めていたらいいなと私も思いました。
 それから、関連して、例えば、観測そのもの、観測をしてデータを得るというのは、非常に手間のかかって、研究のためには非常に重要なパートであるにもかかわらず、それが十分評価されないという悩みもあったと思うんです。その辺は、今、データ論文といいますか、データをきちんと論文化して、それを引用するという、そういう仕組みがだんだんできてきているので、そういうことも併せて重要かなと思いました。
 あと、これはモデルの開発にも言えるらしくて、今、本当にモデルの基盤的な部分をつくる人というのは非常に不足していて、それをやってもあまり論文にならない。融合の新しいいろいろなモデルを組み合わせたりとか、そういうところは非常にすぐに論文になるんだけれども、本当のモデルの基盤をつくるところは論文にならないんで、そこが遅れるというか、そこに人が行かないということもあるようですので、観測とモデリングに共通して、一番基盤になるところが意外と高評価されにくいという形になっているというのも、阪口委員の御指摘に通ずるところがあるかなと思いました。
【河村主査】  ありがとうございました。これは多分皆さん共通の認識だと思うんですけれども、現状では、研究者個人の努力とかによって、長期的なものをやりながら、業績をどうやって稼いでいくかということを考えているわけですけれども、予算もそうですよね。業績の評価に加えて、予算の配分ということについても、長期的な時間のかかる研究について配慮する仕組みが必要だというようなものをどこかに入れていただけると非常にいいかなと思います。
 谷先生、どうぞ。お願いします。
【谷委員】  全く同感でございます。実は、今、人の問題で議論されていますけれども、観測がそうなんですよね。予算当局とお話をすると、もう5年も観測したからいいじゃないかと言い出すんです。あるいは、「これ毎年やるの? 3年に1回でいいんじゃないの」と言い出すんです。今までずっと、毎年1回とか半年に1回やっていたやつを3年に1回とか5年に1回にされてしまったときに何が起きるかというと、ぱっと分からないんですけれども、もっと時間がたって見たときに、そこのレゾリューションの落ちというのは非常に効くんですね。
 実際、私はこれをさる有力機関から相談されたことがあって、1年ごとじゃないレゾリューションでデータをもう一遍作り直したらトレンドがどう変わるかというのをつくってもらって、それを予算当局に持っていってもらって、打ち勝ったということがあったんですけれども。私自身の昔居た組織でも、「もう何年やっているんだ。もうやめていいんじゃないの。もう分かったでしょう」というようなことを言われてしまうんです。そんなもんじゃない。人材育成も、ベース5年測らないと分からないようなもので、人間の評価を1年ごとにやるなんて不可能だというのと同じなんですけれども、現象のスケールがもっと長い中で、観測ももっと息長くやらなきゃいかんし、これだけのレゾリューションが必要だ。月1だか、半年に1回だか、年に1回だか分かりませんけれども、そういったことについてちゃんと留意すべきであるということをどこかに併せて書いていただきたいなと思います。
 ありがとうございます。
【河村主査】  どうもありがとうございます。
 ちょっと余談ですけれども、私、津波の東日本大震災の影響評価をずっとやっていたんですけれども、あれも、津波の前の長期的な観測データがあって初めて津波の影響が分かる。私は沿岸の生き物を専門にやっているんですが、要するに、プロジェクトなんかをやっている研究は、本当に数年のレベルでやっていますので、同じ場所で何十年もデータを取り続けるというのは、要するに、命令に背いてやっているというか、自分の趣味として研究を続けてきた。それが結局は津波の影響評価に非常に役に立ったということがあって、そういうことを皆さんかなり経験されたと思うので、忘れないうちにそういう仕組みをちゃんとつくっておく必要はあると強く思います。
 皆さんから御意見ありましたので、ぜひこの中のどこかにそういうことを書き込んでいただくとありがたいなと思います。
 須賀先生、お願いします。
【須賀委員】  ちょっと関連することになるかもしれないんですが、観測に関して、1回目でしたっけ。観測じゃなくて研究ですね。海洋学会からの将来構想の紹介があって、それに関連する質疑、議論のところで、何と言いましたっけ。現業と研究だったか。研究、リサーチとオペレーションの共同というか、双方向のやり取りがあってどんどんよくなっていくというような、そういうニュアンスだったと思うんです。観測について主に言っていたと思うんですけれども。研究をやって、研究で芽が出てきて、それが、ある程度しっかりしてきたものが現業に行って、そこで持続されるだとか、そういう1つのモデルもあると思うんですが、実際は、それ1回だけじゃなくて、それがまた戻ってくるんですね。研究に。研究が折に触れて関与することで、どんどんよくなっていくという面があります。
 それから、もともと現業機関、気象庁だとか海上保安庁とかが継続的に測っているデータ。それはもちろん、その省庁ごとにある目的で測っていると思うんですが、そういう持続的なデータから研究の芽が生まれて、研究が進むという面もあるということで、特に気候という問題は、持続的、長期的なデータというのは非常に重要になるので、現業機関と研究の連携というか、お互いがお互いをある意味必要としているという面がありますし、それが協働することで力が発揮できて、実は、日本はそこは伝統的にうまくやっていたという面があると思うんですよね。そこは強みなので、そういうところはぜひさらに強化できるようなことが望まれるかなというふうに思います。
【河村主査】  ありがとうございます。河野真理子先生、お願いします。
【河野(真)委員】  持続性だけでなく、今お話を伺っていまして、「継続性」と言葉を入れてもいいのかもしれません。要は、長期的な視点で、持続的かつ継続的にデータ収集、評価を行っていくという表現が入るとよいのかなと思いました。
 短いのですが、そういうコメントです。
【河村主査】  ありがとうございます。皆さんもう大体言い尽くされましたか。事務局、いかがでしょう。そういう観点で、何かちょっと文言入れていただくといいかなと思います。
【事務局】  ありがとうございます。少しだけ、御質問のところで、事務局のほうから2点だけ回答させていただきます。
 阪口先生のほうから、気候変動のところだけ研究体制が記載されているというところの御指摘があったと思います。ありがとうございます。こちらですが、ヒアリングの際に、気候変動のところに関しては、須賀先生のほうからもNational GOOSの提案があり、意見交換でこの研究体制の部分は多く時間を取って議論がありましたので、記載をさせていただいたというものになります。
 あと、もう一点の1年ごとの評価や、研究の長期的な視野の話。これは気候変動に限った話ではないのではないと思っておりますので、気候変動のところに記載するというよりかは、河村先生とも御相談させていただきたいと考えておりますが、横断的な事項として、きちんと取りまとめの際に記載できるように検討を事務局のほうでもしたいと思っておりますので、また御相談させていただければというふうに思います。
 私からは以上です。
【河村主査】  よろしくお願いします。確かに、気候変動のところだけじゃなくて、全体的なところとして非常に重要な観点と思いますので、ぜひ、どこかに書き込んでいきたいと思います。
【大土井海洋地球課長】  大土井です。御指摘どおりで、我々としては、毎年必ず成果を出せと言っているつもりは毛頭ないですけれども。一方で、本件、恐らく海洋だけの分野に限らない話だと思うんです。なので、特に、少なくとも海洋、我々の取りまとめにはそう書いていきますけれども、これは海洋地球課というよりは文科省の人間として、ほかの分野にもしっかり共通理解を図れるようにやっていきたいと思います。
 その上で、ここの文言、またちょっと知恵をひねってみたいと思います。よろしくお願いします。
【河村主査】  よろしくお願いします。おっしゃるとおりで、海洋に限らずいろいろなところで、特に自然科学では非常に重要な視点だと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、この次のテーマに移りたいと思いますが、時間があれかな。少しここで休憩を取りましょうか。始まって1時間半たちましたので、ここで10分休憩を入れさせていただきたいと思いますが、事務局、それでよろしいでしょうか。じゃあ、ここから45分までですかね。今35分ですので。10分間休憩にしたいと思います。じゃあ、45分にお戻りいただければと思います。
( 休  憩 )
【河村主査】  それでは、会議を再開させていただきたいと思います。
 続いては、防災・減災について御意見をいただきたいと思います。どなたからでも結構です。よろしくお願いします。見延先生、お願いします。
【見延委員】  気候変動と絡むので、どこに入れるのがいいか分からないんですけれども、海面上昇ございますね。海面上昇って、将来的にこの沿岸域が被害を受けるということが想定されるわけなんですが、そういうことをここに書くべきなのか、それとも、防災・減災というのはもっと時間スケールの短いことを考えているのか。その辺は、事務局としては、どういうふうな切り分けになっているんでしょうか。
【事務局】  事務局でございます。後者を念頭にしております。
【見延委員】  分かりました。それなら結構です。
【河村主査】  ほかにいかがでしょうか。谷先生、お願いします。
【谷委員】  ありがとうございます。谷です。
 これは事務局にお伺いする話なんですけれども、一番最後のビュレットのところですが、沿岸部の海底地形は重要で、理解を得るのが漁業活動と航行船舶なんですけれども、「等」の中で読むんでしょうかね。実際に問題なのは、測るときには、いろいろと航行船舶に気をつけなきゃいけないんですけれども、測った結果をシェアするところが問題で、ハイレゾリューションの海底地形を公開するのはちょっと待てというのが必ずあるんですね。それはあえて書いてないのか。そこをお伺いしたい。あえて書いてないなら、それでいいと思いますけれども。
【河村主査】  事務局、何かお考えはありますでしょうか。
【事務局】  データ共有のところは、海底地形のところで、海底地形情報に関する共有については、関係者、データ提供者との理解と記載をさせていただいておりまして、地震防災のところでは、そこまではあえて書かないとして、記載はしておりません。
【谷委員】  海底地形のほうに書き込むということですね。
【事務局】  全体の話として記載をさせていただいております。
【河村主査】  谷先生、それでよろしいでしょうか。
【谷委員】  そうすると、漁業活動、航行船舶の理解を得つつというのは、このくだりは要らないんじゃないかなという気がするんですけれども。
【事務局】  こちらに関しましては、沿岸部の海底地形の把握はどうして今できていないのかを、小原先生にこの記載する際に再度確認したところ、漁業活動とか航行船との関係で難しいんだというようなお話もありましたので、この記載をさせていただきました。
【谷委員】  それは、私は若干理解が違うんですけどね。なぜ沿岸部の海底地形が、その詳細、津波の計算をするのに必要なレベルのレゾリューションに上がってないかというと、それは測るのが大変だからです。誰が測るかといったら、誰も測る人はいない。そういうミッションをもらっている人が誰もいないからで、海上保安庁は、男気を出して、沿岸部の海底地形を詳細に測ろうということを昔やっていましたけれども、もう体力が尽きてしまって、やってないです。当時だって、測線というか、測量の間隔というのは900メーター間隔ですから、あとは、コンターで埋めるということをやっていたので、本当にちゃんと測っているわけではないです。
 当時のレゾリューションだと、地形図の縮尺だと、それでよかったといえばよかったんですけれども、津波の話をすると、沿岸部は50メーターというのは必須ですけれども、そのレゾリューションのものを語るというためには、ミッションを与えて、誰かがちゃんと測らなきゃいかんけれども、そんなことはされたことはないんです。それは漁業活動の問題とか航行船舶の問題以前の話です。誰も測ろうとしなかったから、測っていないんです。
【河村主査】  いいですか。漁業活動とか航行船舶のことは、多分、この海底地形の把握じゃなくて、例えば、地震計を置いたりケーブルを入れたりするところで軋轢があるんじゃないかなというふうに理解するんですけれども。
【谷委員】  そうですね。
【河村主査】  書きぶりを少し考えていただくといいかなと思います。
【事務局】  はい、承知いたしました。谷先生、河村先生の御意見も踏まえ、小原先生のほうにももう一度確認をして、調整させていただきたいと思います。
【谷委員】  ぜひお願いします。海底地形のところでこれが出てくると、実態をちゃんと分かっておるんかいと知っている人は思ってしまうので、ここにはないほうがいいと思います。
【事務局】  承知いたしました。ありがとうございます。
【河村主査】  ありがとうございます。続いて、藤井先生、お願いします。
【藤井委員】  水産研究・教育機構の藤井です。
 私もこの漁業活動というところに少し引っかかって手を挙げさせていただいたんですけれども、確かに、海底に物を置いたりするとなると、必ず漁業活動との軋轢は出てくるんですけれども、この関係のヒアリングのときですかね、海外で漁船の取ったデータなんかも含めて、海底地形の精度がぐっと上がったというお話を紹介いただいたと思うんですけれども、漁業者は常に魚探をたたきながら走っていますので、そういうデータをもらうことによって精度を上げる、海上保安庁が男気を出しても測れなかったところのデータが入ってくる。精度は保安庁の持っている測深機に比べると落ちるかもしれないですけれども、繰り返しデータが取れますから、そういうところでデータの質も上げられると思いますので、ここに書くかどうかは別にして、理解だけじゃなくて、協力ですよね。理解と協力を得つつ海底地形の把握を進めるというふうな表現がいいんじゃないかというふうに思いました。
 以上です。
【河村主査】  ありがとうございます。そうですね。これは多分、総合知とかのところには出てくると思うんだけれども。でも、漁業者の協力というのは出てこなかったかな。確かに、それを使っていくというのは非常に重要なことかと思いますので、どこかに書き込めればいいかなというふうに思います。ありがとうございました。
 続いて、前川先生、お願いします。
【前川委員】  ありがとうございます。防災・減災について、防災・減災というのは確立した概念かとは思いますが、ここにリカバリー、復興とか回復という視点も入れていただくことが重要ではないかと思います。ビルド・バック・ベターという考え方もあり、マイナスをなるべく減らすということだけではなくて、回復をポジティブに進めていくという中での様々な科学技術の貢献ということもあろうかと思いますので、そういった視点を入れていただけるとよろしいのではないかと思います。
 以上です。
【河村主査】  ありがとうございます。例えば、回復させるときに、どういう形で回復していくのかというのは技術開発とかが必要。例えば、生態系を戻すために、単に護岸すればいいというものではない。その辺のことも少し新しい視点として書いていく必要があるかもしれませんね。ちょっとそれも考えてみましょうか。どういうふうに書き込めばいいかということを。ありがとうございます。
 藤井さん、まだ手が挙がっているけれども、これは下ろし忘れかな。
【藤井委員】  下ろし忘れです。失礼しました。
【河村主査】  ほかにいかがでしょう。防災・減災だけじゃなくて、これは何ていうんですかね。回復。何ていう言葉を使えばいいかもあれですけれども。復興かな。どういう視点で書き込んだらいいか事務局とも相談しながら進めたいと思います。もし、前川先生、何かいいアイディアがあったら、ぜひサジェスチョンください。
 ほかにいかがでしょう。防災・減災のところで何か必要なところがありましたら、お願いいたします。よろしいでしょうか。
 特段御意見なければ、次のテーマに移りたいと思いますが、これも関係ありますね。海底地形調査です。この骨子案について御意見をお願いいたします。谷先生、お願いします。
【谷委員】  ありがとうございます。谷です。
 まず、1の必要性ですが、「など」と書いてあるから、いいようなものですけれども、資源探査は、先ほどから廣川委員に御紹介いただいておりますけれども、割と地形データが人気出ているのは、洋上風力なんですよね。どこに置きますかというところ、あるいは、基礎をどうつくるかというときに、地形データは随分大事でして、それがあってもいいのかなという気がします。なくてもいいですけれども。というのが1点目。
 2点目ですけれども、(2)のところですが、これは改めていただきたいなと思うんですが、1行目から2行目にかけて「観測間隔(レゾリューション)」と書いていますけれども、これは恐らく御理解にちょっと齟齬があると思います。先ほど、例えば、廣川先生がおっしゃっていた、10メーターの物を見たいとか、あるいは、1メーターの大きさ、細かさで物を見たいという、これはレゾリューションなんですよね。ところが、観測間隔というのは、10メーターごとに測るとか100メーターごとに測るという話なんです。仮に1メーターごとに測っても、測深のやり方が悪ければ、機械が悪ければ、10メーターとか100メーターぐらいのレゾリューションにしか物が見えないということがあるわけです。音波のビームが広ければ、1メーターごとに測っても、結局見えるのは100メーターの中の平均値しか見えない。どうするかというと、そこで、そんな機械を使って詳細に見たいときは、観測機器の高度を下げる。海底ぎりぎりで測れば、1メーターごとに測れば1メーターで見えるということがあるので、これはレゾリューションと観測間隔がごちゃごちゃになっています。
 必要なのはレゾリューションです。どのぐらいの分解能で物を見たいか。先ほど御指摘があったように、例えば、熱水鉱床の尖塔のピークを見たい、あるいは、そのマウンドを見たいというときには、例えば、10メーターの大きさの高さが5メーターぐらいのものがちゃんと見えるようにしたいということになったときには、もちろん、垂直方向の分解能も大事ですけれども、まず、水平方向の分解能というのをきちんとする必要がある。それが1メーターなんですか、100メーターなんですかというのは、私には分からない。私、というのは測るほうからは分からなくて、使いたい人が知っているわけで、先ほど、廣川委員からはこれぐらいの大きさというお話がありました。あるいは、ROVを使って1メーターぐらいのやつで物事を次のステップに進めるんだというお話がありましたけれども、そういったレゾリューションという観点から見て、どのぐらいのレゾリューションのデータを持ってないと駄目なのかということを知るべきだということを言いたかったんです。
 津波だと、例えば、沿岸部だと50メーターのレゾが欲しいとか、浅いところに来たら10メーターが欲しいというのは津波の先生方に伺っているんですけれども。あるいは、港の中は2メーターだとかですね。そういったこと言っているんです。「観測間隔」というのは、これは取ってしまえばそれでいいと思いますけれども、そこは問題だと思います。ありがとうございます。
【河村主査】  これはつまり、「観測間隔」という言葉を使っているところが問題なわけですね。
【谷委員】  はい。観測ではないです。
【河村主査】  レゾリューションは正しいけれども、観測間隔とはレゾリューションはそもそも違うということをおっしゃっていると思います。
【谷委員】  はい。ユーザーが必要としているということですから。観測間隔というのは、そのテクノロジーを使ってどのぐらいの間隔で測ればいいかというのは測量者が決めることなので、ここに出てくる必要は全然ないです。
【河村主査】  そうしたら、これは「観測間隔」という言葉を取っていただいて、「レゾリューション」とするか……。
【谷委員】  適当な言葉で。
【河村主査】  「分解能」とするかですよね。
【谷委員】  はい。
【河村主査】  多分、日本語で書いていただくのがいいかと思いますけれども。
【谷委員】  そう思います。
【河村主査】  お願いいたします。
【谷委員】  お願いします。
【事務局】  事務局です。承知いたしました。大変失礼いたしました。
【河村主査】  ほかにはいかがでしょうか。よろしいですかね。
 今、チャットに前川先生から、先ほどのリカバリーですかね。「復興また回復」という言葉を使っていただきましたけれども、どこかにそれを入れていただければと思います。
【川辺委員】  すいません。
【河村主査】  川辺先生、お願いします。
【川辺委員】  本当にこれは内容じゃないので、恥ずかしいんですけれども、今見ている画面で、(2)で2つ目の丸には。「取組を促進する必要がある」とか、「促進することが必要」とかを文末につけていただくとよいかと思います。これをどういうふうに出されるのかはわからないのですけれども、ちょっと気になったので、お伝えいたします。
【河村主査】  日本語の問題ですね。
【川辺委員】  そうです。
【河村主査】  よろしくお願いいたします。最終的には、もう一度きちんと事務局もチェックしていただいて、皆さんに見ていただいてということにしたいと思います。ありがとうございます。
 廣川先生、お願いします。廣川先生、ミュートになっています。
【廣川委員】  先ほど谷委員が御質問されたこと、あるいは意見、全く同感だと思います。昨今、洋上風力というのが注目されていますので、こういった、先ほどカーボンニュートラルという話もありましたけれども、カーボンニュートラルに資するような、再エネ、洋上風力にも貢献するというのは1つあるかなと思います。
 これは海底地形だけになっていますが、前回もちょっと議論しましたが、海底の地質といいますか、そういう情報も併せて取れると思うので、そういう点でも、例えば、大陸棚の延伸の話も、地形だけじゃなくて、地質が続いているかという議論がたしかあった。それで決定されているというふうに思いますので、書きぶりはお任せしますけれども、単なる地形だけじゃなくて、海底の地質状況も、当然、マルチナロービームにしても若干の情報は取れますので、そういったところも加えていただければありがたいと思います。
 以上です。
【河村主査】  ありがとうございます。事務局、よろしいでしょうか。洋上風力を特出しで書き込むことと、それから、海底地形だけじゃなくて、海底地質……。地質じゃない。何て言うんですか。海底地質でいいのかな。要するに、どういう岩盤の組成なのかとか、あるいは、岩盤なのか砂なのかということは非常に重要だと思うので、その辺りですよね。
【事務局】  承知いたしました。また文言を検討いたしまして、御相談させていただきます。
【河村主査】  よろしくお願いします。阪口先生、お願いします。
【阪口委員】  今ちょうど出ているところの2)の丸の1個目の3行目の「提供者やレゾリューションに応じた適切な整理が重要」とあるんですけれども、まさに確かにそうなんですが、ちょっと軽過ぎる感じがして、提供者と利用者、それからレゾリューションに応じて、提供者も、地形を測っているけれども提供してくれない提供者を提供者と呼ぶのかということもあるのと、あと、絶対に出さないというところもある。ここに関しては、国家的な取組で、これは、研究者が片手間にさらっと適切に整理しましたということでは、研究者とか組織がやるということでは実は全く追いつかない話で、ここは我が国としては国家的な取組が、きちんとした取組が必要であるというぐらい強く述べたほうが私はよいと思うんですけれども。
 ここの部分はすごく、日本はすごいたくさんのデータが実はあるんだけれども、集中管理がなされてないということと、できないということ、それから、法整備等もあんまりきちんと整ってないということで、非常に無駄な、同じところ何回も違うセクターが測っているということ多々あります。出さない出さないということで、何をもって出さない出すという基準も、出さないという安全側で取られますので、利用できないので、同じところをまたもう一回やりに行かなければいけないということもありますので、ここは大問題なので、少し重めに書いていただけるとよいかなと私は思うんですが、ほかの方の御意見も参考に、お願いします。
【河村主査】  今の件でもし関連した御意見があれば、御発言いただければと思いますけれども。谷先生、河野真理子先生、違うことですかね。同じこと?
【谷委員】  本件です。
【河村主査】  同じことでしょうか。じゃあ、谷先生、どうぞ御発言ください。
【谷委員】  ありがとうございます。谷です。
 全く御指摘のとおり、私の発表のときに申し上げましたけれども、地形データというのはナショナルセキュリティーに直結している。一方で、さっき津波のところでありましたけれども、細かい地形データがあると、より津波の予測がきちんとできるという裏腹のところがあるんです。洋上風力だって5メーター、10メータースケールの地形データが欲しいという産業サイドの要請がある一方で、水深50メーターぐらいのところで、それぐらいのレゾのデータなんか出せるわけないじゃないかという話があるわけです。
 そこをどう整理するかということは、まさに国家レベルできちんとみんなが了解して、ここまでということを決めておかないといけないということを、特に昨今のウクライナなんかを見ていると皆さん御理解いただけると思うんです。私は隠したくないほうの世界に住んでいたんですけれども、さはさりながら、そういうわけにいかんだろう。これは国家としてどうしましょうということを合意した上で、あとは、どういう闇取引ができるかというところまできちんと決めておかないと。これはよその国で言ったことがあるんですけれども、よその国の国防大臣に直接お話したことがあります。「そんな地形データ出せるか」とおっしゃったので、「大臣、申し訳ないけれども、1945年から後、あなたの国で、よその国の潜水艦で殺された人は何人いますか」と言ったら、「ゼロだ」。「じゃあ、津波で何人死にましたか」と、ちょっと前にマレーシア沖の大地震、大津波があった。その瞬間に大臣は「分かった」と言って、ころんと態度を変えられた。
 ですから、それは国家レベルで議論すべきことで、どっちが大事なんだということですよね。そんな話を研究者が1人ずつ考えなさいと、これは阪口委員おっしゃるように、それは無理です。危ない方向に動く可能性もあるので、そこはこの委員会でどこまで言えるのかは別ですけれども、国家として考えるべきだということを言うだけでも随分値打ちがあると思います。それすらも分かってもらってないので。
 以上です。
【河村主査】  どうもありがとうございます。河野先生も関連ですかね。
【河野(真)委員】  いえ、ちょっとほかの点です。ありがとうございます。
【河村主査】  ちょっとお待ちください。事務局、いかがでしょう。今のこの部分ですね。(2)の1つ目の丸の部分ですけれども。
【大土井海洋地球課長】  ありがとうございます。御指摘どおりですので、イメージとしては、ここの文言は、そもそものところは、さっき谷先生と阪口先生おっしゃったとおり、比較的、安全保障的な概念をどう書こうかということで、まだこのぐらいの文言にさせてもらっています。
 一方で、谷先生おっしゃったとおりで、政府レベルというか、全政府的な検討はここの部分は絶対に必要な部分だと思っています。今まで、科学は比較的性善説で行われてきたところがあるんですけれども、それが経済安全保障の概念が強くなってきて、そうじゃないということに、今、本当に今このタイミングで議論が進んでいるところでございます。しっかり政府レベル、全政府で検討するべきという文言をしっかり入れたいと思いますので、また次のバージョンで反映させていただきます。よろしくお願いします。
【河村主査】  ありがとうございます。よろしくお願いいたします。その問題はそれでよろしいですかね。取りあえず、まずは、事務局に案を提示していただいて、その部分に少なくとも課題を書き込むということにしたいと思います。
 それじゃ、河野真理子先生、お願いします。
【河野(真)委員】  ありがとうございます。確かに今の問題もすごく大事だと思います。特に私が何か提案があるというわけではありなせん。むしろ、今出していただいている海底地形情報の必要性というこの四角の枠の中のまとめと、その1つ上のところで、(2)の海底資源探査や海底地形調査に促進等についてというこことの関わりについて伺います。この(2)という四角の枠で囲まれてない部分が報告書の中でどのように扱われるのか、四角の枠の中の記述との違いがちょっと分かりかねます。洋上風力についてここの部分で言及するとすれば、海底資源探査や海底地形調査の促進に限定されない、海洋の利用ではないかと思います。
 つまり、海底資源の探査だからこそ、四角の枠の中の記述も海底地形に関連する事項になっていると思います。しかしそれは実は資源探査に限定されるのではなく、海洋の利用・開発全般に関わる問題ではないかと思います。その辺りを少し踏まえるほうがよいのではないかと思います。
 この(2)という四角の枠に囲まれてない部分が重要なのではないかと思いますので、ここの表現ぶりは、もっと広い意味を持つんだということを明示しないといけないのではないかと思います。
 海洋の利用が、資源の利用だけでなくて、経済活動全般に関わるという視点から見て、それでも、やはり海底地形に関する情報がそういう広い視点からも大事なんだということをきちんと書き込むために、項目のタイトルに少し工夫が必要かなと思いました。
 報告書全体の構成が分かりませんが、少なくともこの点はちょっと注意されるほうがよいかもしれません。
【河村主査】  ありがとうございます。事務局、いかがでしょう。
【事務局】  河野先生、御意見ありがとうございます。最終的には、資源探査も含めて再度構成を練り直す中での検討する必要があると思っております。先ほど海洋の利用にしてはどうかという話があったと思いますが、海底資源も含めたバージョンをつくった後に、どのようなものがいいか相談をさせていただければと思います。また、今もしアイディアがあれば、お伺いできたら大変ありがたいのですが、海洋の利用みたいな形だということでしょうか。
【河野(真)委員】  そうですね。「海洋の利用または海洋の開発」みたいな言葉にするほうがいいのではないかなと思います。
【河村主査】  その開発というのは、海底地資源だけじゃなくて……。
【河野(真)委員】  資源だけではないという趣旨です。国連海洋法条約は、56条という規定の1項aというところに、「海底の上部水域並びに海底及びその下の天然資源(生物資源であるか非生物資源であるかは問わない)の探査、開発、保存及び管理のための試験的権利並びに排他的経済水域における経済的な目的で行われる探査及び開発のためのその他の活動」という「その他の活動」のほうにエネルギーの生産が含まれているんです。
 ですので、先ほど谷先生がおっしゃったことも踏まえれば、この(2)は、海洋法条約の第56条1項aの全般に関わってくる問題になると思いますので、その辺りを少し考えていただきたいという趣旨です。
【河村主査】  谷先生、何かそれに関連して御意見ありますか。
【谷委員】  全く同感です。与えられたので、ギブンなので、私はいろいろ意見を言っていましたけれども、すばらしい御指摘があったと思います。ここ3ポツ、安全・安心な社会の構築ということで、その中にはもちろん、分かりやすいのは防災・減災ということがございますけれども、いろいろなナショナルセキュリティー、いわゆる国防も含めなんですけれども、安全・安心のためには経済的な安全保障というのもあって、並び替えを言うと、3ポツの中の(1)が防災・減災であれば、そうじゃない安全・安心を実現する要素というのをタイトルにすべきです。それは海洋の利用なんじゃないんでしょうかね。開発と言うと、また、開発が保全かという話になってしまうので、まず、利用する。利用の中には開発もあるし、それから、開発の前提で保全というのもありますから、「海洋の利用への貢献」と言うんですかね。(1)と並ぶレベルの大きさの区切りにしないと、自分のことなので、ありがたく書いていただいたから黙っていましたけれども、海底地形調査の促進というのは、えらく目が細かいので、そうではないほうがいいのかなと思います。
 ただ、海底地形調査に関しては、四角の囲みの中で書いてありますように、海底地形情報というのは、いろいろな海洋の活動、防災・減災も含めて基盤情報ですので、これは必ず書いていただきたい。UN Decadeでもアクションプログラムに入っていますから、海底地形は。ですから、地形の話はぜひとも入れていただきたいと思うんですけれども、項目としての特出しではなくて、こういったところに入っていればよくて、項目としては、海洋利用みたいなほうが、「海洋の利用」かな、そんなのが並びがいいんじゃないかなと思います。
 ありがとうございます。
【河村主査】  ありがとうございます。そうですね。資源というところに海底資源が特化して書いてあるんですけれども、そうではないものも当然あるわけで、エネルギー資源もそうですし、それから、もちろん生物資源。生物資源があんまり、今まで当たり前だったので書いてないというところがあるんだと思いますけれども、「海洋生命科学の在り方」というところはありますが、海洋生物資源について書き込みがないのが、ややバランスが悪いかなという気がしますので、そこも一応文章としては何か書く必要があるかなというふうに思います。
【河野(真)委員】  もう一つよろしいでしょうか。
【河村主査】  はい、どうぞ。
【河野(真)委員】  今の点についてですが、もしここに洋上風力等に言及するのであれば、すなわち、風力だけでなくて、潮力と波力とかいうのも含めるとすると、ここは海底の地形に関する情報だけでなくなってくるような気もいたします。
 例えば、洋上風力との関係では、風況についての地図とかをよく見せていただきますが。風況も変化し得る、例えば、地球環境が変わって、変化し得るのだとしたら、風況だって持続的に調査して、モニターしておかないといけないのかもしれないのではないかと感じます。私はそうした科学技術分野の専門ではありませんが、そういう要素に関する情報は、専門の先生方の目から見て、あまり必要ないのでしょうか。
【河村主査】  見延先生、いかがでしょう。
【見延委員】  北大の見延です。風況については、今日、海況再解析データというもので、観測データにさらに数値モデルの技術を使って満遍なくモニターできておりますので、特に直接現場で観測するということはしなくても問題ないかと思います。
【河村主査】  ありがとうございます。風況以外にも、例えば、海流とかそういうのも、ひょっとしたら、潮汐発電とか潮流発電とかを考えると、資源としてはあるかもしれませんね。その辺を大枠でカバーできるような書き込みが必要だという御意見だと思いますけれども。ちょっと事務局にも考えて……。阪口さん、何か御意見……。よろしくお願いします。
【阪口委員】  海洋政策研究所の阪口です。事務局に考えていただくというのが一番楽ちんなやり方だと思うんですけれども。恐らく、この海洋開発分科会というものが文部科学省だけのものではないということを一番最初の頃に何人かたしかおっしゃられた。他方、国交省、経産省マターである部分は、かなり意図的には、それはそちらでという感じでまとめられているというか、あえてデマケーションがある形で、海洋科学技術の貢献できる場所ということについて述べられていると私は思います。全部という形になると、恐らく事務局がパンクすると思いますので、「安全・安心な生活」の「安心な生活」のところに、海洋からの恵みをいかに利用するかという観点、それをいかに利用する方法を科学技術の観点からどう考えるかということを考えれば、そうすれば、あまり細かい資源エネルギーのことに言及するよりは、そこを下支えするための科学、それから技術というものについて述べていただければと思います。
 海洋地球課に優しい阪口だったということで、大土井さん、私に感謝してください。どうもありがとうございます。
【河村主査】  事務局、いかがでしょうか。
【大土井海洋地球課長】  御指名ですので。ありがとうございます。
 一方で、海洋開発分科会の組織に加えて、今は、総合海洋政策本部というのができて、向こうは向こうで、全政府横断的の明確な役割を持ってそこの議論する場というのがございます。先生方の御指摘で、我々がこなせる部分もありますし、さっき、データの提供保秘に関する部分は、もしかすると海洋本部の議論かもしれません。いずれにしても、僕たちが指摘できることはちゃんと指摘をし、それをじゃあ、誰が考えるかというのは我々であるところもあれば、アカデミアの先生方に協力いただくところもあれば、海洋政策本部がやらなきゃいけないところもあればということだと思います。
 いずれにしても、先生方の御指摘というのはしっかり明記していきたいとは思っていますので、御指摘を踏まえながら、文言、頭をひねりたいと思います。ありがとうございます。
【河村主査】  よろしくお願いします。そのほかいかがでしょうか。海底地形調査ですね。よろしいですかね、海底地形調査について。
 それでは、その次に行きたいと思います。「海洋生態系の理解・利用・保全について」というところですが、御意見お願いいたします。いかがでしょうか。何か補足したほうがいい点、あるいは修正したほうがいい点があったら、御指摘いただければと思いますが。河野健先生、お願いします。
【河野(健)委員】  ありがとうございます。海洋開発機構の河野です。
 内容と若干違うんですけれども、この生物をやっていらっしゃる先生にお伺いしたいんですが、ここに書かれていることを「海洋生命科学の在り方」と書いて違和感はないでしょうか。なければそれで結構なんですけれども。
【河村主査】  いかがでしょうか。藤井先生、お願いします。
【藤井委員】  水産研究・教育機構の藤井です。すごく急所を突かれた思いなんですけれども、正直言って、河村先生も同じ思いだと思いますが、ありますよね。確かに、海の恵みを利用するというところは、海洋生命科学というところでストンと落ちないかなと思うところがあります。骨子の案でも、「乱獲」というふうな言葉も使われていますけれども、なかなかその辺のところ、この文脈の中というか、海洋生命科学の中じゃ消化し切れないかなと感じるんですけれども。河村先生、いかがですか。
【河村主査】  特に、先ほどからちょっとずつ申し上げているのですけれども、水産資源に関する書き込みがあまりにも少ないというところが、多分、抜けている点だけ書いてあるというところだと思うんですけれども、これまで脈々とやられてきたことについてはあまり触れてないということかと思うんですが。藤井先生、何かこれどういうふうに入れたらいいかというアイディアがあったら、ぜひお願いしたいと思うんですが。
【藤井委員】  今すぐ答えなきゃ駄目ですか。
【河村主査】  いえ。この後からで結構です。
【藤井委員】  ちょっとこれは、後日、近いうちに、意見を入れさせてもらいたいと思います。
【河村主査】  ぜひお願いいたします。
【藤井委員】  すごくデリケートというか、難しいですね。そう感じます。河村先生ともちょっと相談させてもらいながら……。
【河村主査】  よろしくお願いします。多分、この中では藤井先生と私が一番生物よりだと思いますので。
【藤井委員】  そうなんですよね。よろしくお願いします。
【河村主査】  河野真理子先生、お願いします。
【河野(真)委員】  また細かい御質問です。先ほどのこの4.のタイトルの「海洋生命科学の在り方」の下に、すぐに「持続可能な利用・保全」という言葉が出てくるんですが、同じ文脈で「保護」を入れなくていいのだろうかと。つまり、この4.が生物資源の利用というところに重点を置くのであれば、「利用・保全」でよいと思うんですけれども、希少種とかの問題が出てくると、それは「保護」だと思います。
 そういった視点は、この部分では、あまり必要がないことなのかどうか。その辺りをちょっと伺えればと思います。
【河村主査】  恐らく、「保全」という言葉に「保護」は含まれていると思うんですけれども。
【河野(真)委員】  国際法の世界は、保護と言うと、「希少種の保護」という言葉が使われまして、「海洋環境の保護及び保全」という言い方をいたします。ですので、ちょっと伺った次第です。
【河村主査】  文言の使い方はよく分からないんですが、「保護」と「保全」は違うというそういう御意見ですね。
【河野(真)委員】  そうですね。
【河村主査】  これは、ほかの方、もし御意見あればぜひお願いしたいと思いますけれども。
【川辺委員】  よろしいでしょうか。
【河村主査】  どうぞ、川辺先生、お願いします。
【川辺委員】  今、先生がおっしゃられたように、「保全」と言うと、これは利用を含んでいるかと思います。だから「保全」と「保護」はちょっと意味が違うと私たちの分野では理解しています。
 以上です。
【河村主査】  分かりました。そうしたら、どう書き込んだらいいかも含めて御意見を、後ほどで結構です、メール等でいただけるとぜひ助かると思います。藤井先生が入れるときにも、その辺のことも加味して入れていただければと思います。
 見延先生、お願いします。
【見延委員】  北大の見延です。ちょっとめくっていただいた次のところです。次のところに、その一番上に、「信頼性の高い科学的なエビデンスが不可欠」というのか、ここだけに入っているんですけれども、ここだけに入るというのはちょっと違和感があって、海洋生態系の持続可能な利用・保全以外では信頼性の高い科学的なエビデンスが要らないかのような印象もちょっと与えるので、なぜここだけに入れたのかというところを少し伺いたいなと思いました。
【河村主査】  この点、事務局、何か意図はありますでしょうか。
【事務局】  事務局でございます。ここに記載をしたのは、ヒアリングとその後の意見交換において、久保田先生のプレゼンだと思うんですけれども、そこで信頼性の高い科学的なエビデンスが不可欠だというような御指摘があったので入れたというのが経緯になっております。ここ以外のところでは不要ということを意図しているわけではございません。
【見延委員】  久保田先生がおっしゃられたのは、確かに、保全活動なんかがあまり科学的なエビデンスに基づいて行われてないことがあるので、科学的なエビデンスをもっと重視しなくてはいけないとおっしゃったと思うんですけれども、そういう文脈がなしにこれだけ見ると、ちょっと違和感がある表現になっているかと思いました。
【河村主査】  それも含めて、多分、この部分、生物に関しては大量にいろいろなデータがある、いろいろなレベルのデータがこれまであるということが、書き込みが足りないというところかと思いますので、水産資源に関する記述を少し増やす中で、そこを考えていったらどうかなと思います。
【事務局】  事務局です。承知いたしました。また、藤井先生、河村先生のほうの水産資源の話も踏まえまして、先生方と一緒に検討させていただければというふうに思います。
【河村主査】  ありがとうございます。河野真理子先生、お願いします。
【河野(真)委員】  細かいことばかり申し上げて大変恐縮ですが、国際法の世界、今、科学的知見が不明確な場合にどうするかというので、防止、すなわちプリベンションとは予防、すなわちプレコーションを区別する議論があります。予防については、予防的アプローチとか予防原則を導入すべきということが強く言われるようになってきています。予防という立場は、科学的知見が不確定な場合でも、何か措置をとらなければならない、あるいは何かをすることを控えなければならないという考え方で鵜s。
 「信頼性の高い科学的なエビデンスが不可欠」という書き方をしてしまうと、科学的エビデンスがないと何かできないかのごとくの印象を与えてしまうように思います。予防原則や予防的アプローチを支持する立場が一般的になりつつあり、特に海洋の生物の保護あるいは保全に関しては、その主張が強いと思います。、この文脈は、そういう意味での記述ではないと思いますが、揚げ足取りをされそうな気がしますので、表現に注意をされたほうがよいかと思います。
 少なくとも、科学的エビデンス、科学的な根拠がなくても、何かしなければならないとか、控えなければならないという立場が、強く言われるようになっていますので、その点に留意していただけるといいかなと思います。
【河村主査】  ありがとうございます。分野にもよるかもしれないんですけれども、特に漁業に関することについては、いろいろなレベルのデータがあって、それをどう考えるかというところだと思うんですね。ここに書き込まれている文脈としては、いいかげんなデータじゃなくて、ちゃんとしたデータに基づいていろいろなことを考えなきゃいけませんという文脈だと思うんですけれども。書きぶりを少し考える必要があるかなと思います。この部分について、少し皆さんの後々の御意見をいただきながら改定していきたいと思います。
 阪口先生、お願いします。
【阪口委員】  一番最初にJAMSTECの河野理事が「海洋生命科学」という単語に対する違和感があるかないかという話がありましたが、違和感というか、この文脈の中にどこにも生命科学の話があんまりないので、タイトルを変えるか、少し生命科学寄りの文脈も加えるかということをすれば解決するのではないかと思います。
 例えば、1つ、今、ヨーロッパを中心に、ブルーエコノミーという文脈の先端に、ブルーバイオメディカルというものが非常に研究者が――今、河村先生がうなずいておられますが、かなり科学技術研究費がそこに投じられておりまして、例えば、北極海でタラが取れると、タラの皮が一番価値があって、今、皮付きのタラのグリルはあんまり食べなくなってしまっているとか、そんなのは非常に卑近な例ですが、そういうことがありまして、そこはもし海洋生命科学という側に立つんだったら、そういうものもを入れていけば、全体の色がなじんでいくんじゃないかなと思います。
 以上です。
【河村主査】  ありがとうございます。事務局、何かその辺お考えありますでしょうか。
【事務局】  ありがとうございます。事務局のほうで、そういったところの知見がないので、また、阪口先生をはじめ、いろいろな先生のほうからも御知見いただければというふうに思っておりますので、また御相談させてください。4月以降のところでも、海洋開発分科会に一旦案を示した後、ヒアリングとして足りないところとかも、そこで御指摘いただこうと思っていますますので、その中でもまた対応はできるかなと思っております。少し御相談させていただければと思います。
【河村主査】  ありがとうございます。少しその辺も考えていきたいと思います。
 前川先生。お願いします。
【前川委員】  海洋政策研究所の前川です。先ほど藤井先生も指摘をされていた気候変動と開発と乱獲が並列で並んでいるというところが、少し工夫が必要かなという感じが致します。例えば、気候変動や開発などの人為的インパクトという大きな概念を並べて、開発行為の中に乱獲も含まれるということかと思いますが、乱獲にこだわるのであれば、何を対象とした乱獲のことを問題視しているのか、IUUの文脈なのか、もう少しきちんと説明をしたほうがよろしいのかなと思います。
 以上です。
【河村主査】  これは気候変動と開発、乱獲なんじゃないですか。このくくりとしては。人為的行為が開発・乱獲で気候変動は自然変動ですから。気候変動の中には人為的な影響もありますけれども。その辺をもうちょっときちんと分けて書くということですね。
【前川委員】  はい、そうですね。気候変動と開発、乱獲が並んでいて、開発の中の乱獲というのは分かりますが、この乱獲というのが突然出てきて何を指しているか、生命科学という看板をつけるのであれば漁業資源なのかと思いますが、タイトルそのものも再考されるということであれば、その辺りをもう少し明確に書いていただけるとよろしいのではないかと思います。
【河村主査】  ありがとうございます。恐らく、この最初の「海洋生命科学の在り方」というタイトルに若干違和感が皆さんあると思いますので、その中身の部分で生物資源の記載が非常に少ないということと、それから、海洋生命科学と書くのであれば、もうちょっとほかの資源もありますので、その辺も考えた書きぶりが必要だということかと思います。皆さんからもぜひメール等で御意見をいただいて、それを加味して事務局と相談していきたいと思います。
 ほかにいかがでしょうか。これは、あと何回会議があるかよく分からないですけれども、1回これを改訂してみて、また皆さんに御意見いただくということにしたほうがいいかなと思います。よろしいでしょうか。
 この海洋生命科学の部分は、少し大きな修正をしたほうがいいような気がします。ありがとうございました。
 それでは、最後に、「総合知と市民参加について」。これは前回皆さんにも御意見いただいて、それを踏まえて修正しているということですけれども、再度御意見をいただければと思います。いかがでしょうか。川辺先生、お願いします。
【川辺委員】  ありがとうございます。はじめの1)のところで、3つほどお考えいただければと思ったところがあります。
 1つは、「総合知とは科学の知に」の後に、「地域の知」「伝統地」「経験知」、とオンパレードで載せている感があるかと思います。「科学の知」に対応するものは、「経験知」、あるいは「地域の知」かと思います。具体的にこういうものもありますよ、ということで、今まで挙げられた経験知に該当するものを全て載せていただいているかと思うのですけれども、ちょっと多いかなという気がいたしました。それが1つ目です。
 次は、丸の1つ目です。「総合知とは」と定義をされていますけれども、この「総合知とは」を最後まで読みますと、「新たな価値を創出する『知の活力』を生むこと」となるかと思います。そこまで意味を持たせてよいのかな、という疑問に思いがます。
 個人的には、総合知というのは、科学の知と経験知というものを統合したようなものじゃないかなと思っております。ここにあるように「新たな価値を創出する『知の活力』」云々まで含めるのは、ちょっと厳しいような気がしました。それが2つ目です。
 3つ目です。これは、私も先ほど河野委員の御指摘でなるほどと思ったところですけれども、2つ目の丸で、「海洋の持続可能な利用・保全」というふうにここでもまた出てくるんです。「海洋の持続可能な利用」というのは、イコール「保全」ではないかと思うんです。そうしたら、ここは「保全」ではなく「保護」としたほうがよいかなとお話を聞いていて思いました。
 取りあえず、以上でございます。
【河村主査】  ありがとうございます。「保護」と言った場合に、何の、「海洋の保護」でいいんですかね。川辺先生、何かその辺意見ありますか。
【川辺委員】  マリン・プロテクテッド・エリアというのもありますが、「海洋の持続可能な保護」というのは確かにちょっと変ですね。
【河村主査】  河野先生、何か関連してですか。
【河野(真)委員】  通常、国連海洋法条約の表現は、「海洋環境の保護及び保全」です。「保全」というのは、今、川辺先生おっしゃったように、むしろ持続可能な利用をするほうに当たり、「保護」というのは、もう少し絶滅危惧種とかとても脆弱なものを保護するという、そういうもの含めての考え方です。
 ちなみに、国連海洋法条約で言うときの「海洋環境」というのは、生物とか、生態系とか、それから、それを包含する場所とか、そういうのを全部含めての概念として「環境」という言葉を使います。ですので、判例によっても「環境」の中に生物が含まれるというのが今の一般的な考え方です。
【河村主査】  それは、国際法上そうかもしれませんが、学問上、「環境」に生物は含まれませんね。
【河野(真)委員】  そうなんですね。
【河村主査】  はい。
【河野(真)委員】  国連海洋法条約で言う「海洋環境」、Marine Environmentというのは、生物も含めて、生態系の保存とかそういうのも念頭に置いた概念として使っていると思います。申し訳ありません。
【河村主査】  自然科学では、「環境」と言う場合には、生物は入らないし、生態系というのはまた別の概念になると思います。
【河野(真)委員】  分野によって違いますね。失礼しました。
【河村主査】  生態系の中に、恐らく海洋環境と海洋生物、その他のものが入ってくるんじゃないかと思いますけれども。なかなかその辺は、誰がこれを読むのかとか誰が使うのかによっても変わってくると思うので、ちょっと注意した書きぶりが必要かなと思います。ありがとうございます。
【川辺委員】  よろしいですか。「海洋の保護」というのは確かに日本語としてどうかなと思うので、今のお話を踏まえて、海洋環境・生態系の、と言いかえをしていただけるとよいかと思いました。
【河村主査】  そうですね。「保護」を入れるとすれば、「海洋環境及び海洋生態系の保護、及び海洋資源の利用・保全」とかそんなような書きぶりをしていくと、正確な表現になるかと思います。
【川辺委員】  ありがとうございます。
【河村主査】  事務局と相談して考えたいと思います。ありがとうございます。
 そのほかいかがでしょうか。最初の川辺先生の指摘の部分、事務局、いかがですか。
【事務局】  事務局です。ありがとうございます。川辺先生、また、ここの一番初めのところの「知」がたくさんあるところに関しましては、具体的に何を残すほうがいいのかところをメール等々でも御指摘いただければというふうに思います。
【川辺委員】  承知しました。
【事務局】  「『知の活力』を生むこと」というところですが、実は、CSTIのほうでも総合知の議論がされておりまして、そこでの定義として、総合知というのが新たな価値を創出、「知の活力」を生むということも記載されていたので、政府内での並びも踏まえまして、このように記載をさせていただきました。ただ、先生方の御意見で、言い過ぎだという話がありましたら、事務局で検討したいと思います。ほかの先生からも、もしこの時間で無理であったとしても、メール等々で御意見いただければと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【河村主査】  前川先生、お願いします。
【前川委員】  先ほどのまとめでよろしいと思いますが、若干の補足で、コンサベーションとプロテクションの使い方ですけれども、今、生物多様性条約やBBNJに関する国連決議の用語では、持続可能な利用と保全、サスティナブル・ユースとコンサベーションが常に対比、つまりセットで議論されています。コンサベーションは利用を含むより広い概念で、プロテクションはそのまま守るという意味合いが強いと思いますが、プロテクションつまり「保護」を追記いただくことはとてもよろしいと思いますが、利用と保全のセットにさらに書き加えていただくのがよろしいのではないかと思います。
 以上です。
【河村主査】  ありがとうございます。川辺先生の最初の総合知の指摘は、多分、「総合知とは」というのから始まって、最後に「『知の活力』を生むこと」となっているところに齟齬があるという意味だと思いますので、その並びとか文章を変えていく必要があるかなと思います。
 そのほか何かございますでしょうか。皆さん、このまとめは後に残るものになりますので、ぜひ文章もよく見ていただいて、メール等で御意見を言っていただいて、それを加味して最終的な修正を加えていくのがいいかなと思います。ぜひ御協力いただきますようお願いいたします。後ほど、文章でいただくのが一番正確になるかと思います。よろしくお願いいたします。
 ほかにはいいですか。この総合知の部分はこれでよろしいでしょうか。ほかに意見がなければ、最後に、全体を通して追加の御意見、あるいは、今後議論すべき内容についての御意見があったらお願いしたいということですが、いかがでしょうか。
 今日の議論の中でも、特定の部分に出てきた言葉で全体に係るものもありましたし、全体的に抜けているところもあるという御指摘もありましたので、少しその辺も修正していく中で、事務局には御苦労をおかけしますけれども、皆さんの御意見を適宜伺いながら書いていったらどうかなと思います。
 何か全体的に御意見いただけますでしょうか。よろしいでしょうか。事務局から何かありますか。
【大土井海洋地球課長】  大土井です。ありがとうございます。先生方はこの分野の第一人者でございますので、我々知恵が足りないところは、ぜひ、こんな言葉があるよとか、こんな言葉だと関係者が誤解しそうだという、そこら辺も含めて、すごく相談させてもらいます。よろしくお願いします。
【河村主査】  どうぞよろしくお願いいたします。
 それじゃ、今日御議論いただいた骨子案、この後、事務局からワードファイルを送付していただくということですので、そこに皆さん積極的に意見を書いていただきたいと思います。
 阪口さん、お願いします。
【阪口委員】  今頃言うのもなんなんですけれども、地震防災のところがありましたよね。俗に言う固体地球科学という部分ですよね。海洋においても。あそこは、科学者は、地震学って実は、地震波を使って地球の内部を調べることというのが地震学の定義で、地震学そのものは、防災とか減災とかそんなことははっきり言ってどうでもいいことなんです。ただし、そういうことを言うと予算がつかないので、防災・減災に資する研究ということをいつも中長期計画とかには書かなければいけないんですが。
 そうなると、きちんとそこをまず分けるということが1つ。それから、もう一つが、じゃあ、地震、津波、防災・減災という科学から少し逸脱したサービス業のようなことをやるに当たり、一般市民もですが、きちんと研究成果を理解してもらうための努力、普及というものをもう少しやるように努めない限りは、その溝というのは実は埋まらないで、防災・減災をやりますと言いながら、地球の内部のことを調べる。地球の内部のことを調べるというのは立派な科学なので、重要なことなので、それを絶滅させては絶対にいけないんですが、いつも防災・減災という仮面というか、かぶりものをかぶせられるということも、科学者にとっては非常に心苦しいことなので、そこをきちんと明確に分けるというか、そうではないことと、そうだということをきちんと見分けるということと、社会普及、理解の促進というものも1行、2行入れると、妙な仮面をかぶらないでもいい、ただし、研究成果をきちんと社会に還元してねという、そういう形で整理もできるのではないかと思いますので、この際、思い切って言ってみました。
 ここにいないんですよね。固体地球の専門家が。
【河村主査】  そうですね。そうはいいながらも、そういう固体地球の理解というのは、当然、防災・減災のためには必要な基盤的な知見ですので、そこら辺は書きぶりかなと思いますけれども。ありがとうございます。防災・減災に直接つながらないと学問として成り立たないというわけではないということをきちんと……。
【阪口委員】  そういうことです。
【河村主査】  基盤的な知識というのは基本的に必要なんだということをきちんと書き込むということですね。
【阪口委員】  はい、そういうことです。ありがとうございます。
【河村主査】  その辺も踏まえて、事務局のほうに修正をお願いしたいと思いますので、皆さん、ぜひ積極的な御意見をお願いいただければと思います。
 これは、先ほど事務局からも説明がありましたけれども、この委員会の検討の状況を1回、開発分科会に報告して、分科会のほうからも御意見いただくということになっているということです。今回、もう一回、この意見をいただいて、事務局と私のほうで調整して、1回皆さんにも見ていただくという形でしょうか。これ見ていただく機会はあるんですかね。事務局、いかがですか。
【事務局】  各先生方に御意見いただいたところで、不明点やさらに御相談したいというところに関しましては、もちろん、各個別の先生方と御相談させていただきたいと思います。全体版について、分科会にかけてもよろしいかといったところに関しては、その個別の調整の状況を見ながら、河村先生と御相談させていただければと思います。
【河村主査】  承知しました。皆さん、きちんと皆さんの意見を伺わなきゃいけないところについてはまたお伺いしますけれども、もう大丈夫という部分については、私にお任せいただきたいということを、ここで御了承いただければと思います。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
 それでは、これで本日議事は全て終了となったと思います。事務局から連絡事項等をお願いいたします。
【事務局】  事務局でございます。本日も長時間にわたりましてありがとうございました。主査のからもお話しいただきましたように、この後、本日使用いたしました資料2のワードファイルを先生方にメールで送付させていただきます。ぜひ、具体的な表現ぶりも含めまして、御意見をいただければ大変幸いに存じます。締切りはおよそ1週間後ということで考えてございますけれども、できましたら早めにいただけますと事務局としても助かりますので、よろしくお願いいたします。
 今回の議事録につきましては、今までと同様、メールで先生方に照会させていただきますので、御確認のほどよろしくお願いいたします。
 次回の日程につきましては、今後、また調整をさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上です。
【河村主査】  どうもありがとうございました。御指摘いただく点については、事務局の労力を減らすためにも、ぜひこういうふうに変えてくださいという意見をお願いしたい。ここはおかしいじゃなくて、こういうふうに変えてくださいという意見をぜひお願いいたします。どうもありがとうございました。
 これをもちまして、本日の海洋科学技術委員会を終了としたいと思います。どうも皆さんお忙しいところありがとうございました。
 
―― 了 ――

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