海洋資源の有効活用に向けた検討委員会(第7回) 議事録

1.日時

平成21年4月9日(木曜日) 10時~12時

2.場所

文部科学省6階 6F3会議室

3.議題

  1. 海底鉱物資源開発に資する技術開発の検討について
  2. 海底鉱物資源開発に資する技術開発に関する公募について

4.出席者

委員

浦辺、今脇、沖野、鈴木、平、瀧澤、寺島、増田、宮崎 各委員

文部科学省

生川海洋地球課長、嶋崎海洋地球課長補佐

5.議事録

【今脇主査】  時間前ですけれども、もう皆さんお集まりなので、非常に皆さん熱心な方で、時間前に集まっていただきましたので始めたいと思いますが、よろしいですね。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  はい、結構です。お願いします。

【今脇主査】  それでは、ただいまから第7回の科学技術・学術審議会海洋開発分科会海洋資源の有効活用に向けた検討委員会を開催いたします。本日はご多忙の中、皆様ご出席いただきまして、ありがとうございます。先ほど浦辺委員からお久しぶりですねと皮肉を言われましたけれども、何回もちょっと日程が合いませんで、欠席いたしまして、すみませんでした。浦辺さんには代理を務めていただきまして、非常に助かりました。

 きょうの委員会では、これまで検討してまいりました「中間とりまとめ」について、この委員会として取りまとめるというのが最初の議題。それからもう一つは、文部科学省で実施しています競争的研究資金「海洋資源の利用促進に向けた基盤ツール開発プログラム」、これの公募要領について審議していただく予定です。

 最初に、事務局から資料の確認をお願いします。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  それでは、お手元の資料、議事次第をご確認ください。こちらの資料といたしまして、資料11から資料22。また、参考資料として委員名簿のリストがございますので、それぞれご確認いただければと思います。何かありましたら事務局のほうに申しつけください。よろしくお願いします。

【今脇主査】  ありがとうございました。ありましたら事務局のほうにお申し出ください。

 

(1)海底鉱物資源開発に資する技術開発の検討について

【今脇主査】  それでは、最初の議題1、「海底鉱物資源開発に資する技術開発の検討について」、これの「中間とりまとめ」について審議していただきたいと思います。

 それでは、これまで何回かにわたって審議していただきましたが、最後の議論をこれでしたいと思います。

 最初に、事務局からご説明をお願いします。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  それでは、資料11をごらんください。「海洋鉱物資源の探査に関する技術開発のあり方について」でございますけれども、前回の本委員会の議論で一応案文を提出させていただきまして、あとメール等で種々コメントをいただきまして、それを踏まえたものが、今お配りをさせていただいている資料でございます。これで「中間とりまとめ」ということになりますので、いま一度、全体の構成、また、前回から修正があった点等を踏まえて、簡単にご説明をさせていただきます。

 1枚おめくりいただきまして、目次でございますけれども、「要約と結論」、「はじめに」、「検討の背景」、「海洋鉱物資源の探査に係る現状と課題」、その中でも海洋鉱物資源の探査に必要となる技術、また探査機に係る技術について、これは本報告書の骨子でありますけれども、まとめていただき、また、6ポツ、7ポツとして、鉱物資源探査以外の分野への波及効果、その他の留意すべき事項ということをまとめていただいております。

 冒頭、「要約と結論」ということで、各委員からいろいろ見ていただきまして、細かい文言の修正等もいただきましたけれども、詳細については説明を省略させていただきたいと思います。「要約と結論」、初めにございますけれども、中身でもう一度説明させていただきますので、こちらについては簡単に1点だけ、「4.海洋鉱物資源の探査に必要となる技術」ということで、次のページに書いてございますけれども、広範囲(100キロメートル四方)というものと、また、カルデラ内などの10キロメートル四方、または有望鉱床域(1キロメートル四方)、このように探査のエリアを分けて、それぞれの対象によって必要となる技術というのを取りまとめいただいたと。

 また、5ポツといたしまして、それぞれのフェーズにおける探査機技術として大きく2つ挙げさせていただいておりまして、これは広域で効率的な探査のためには、機動的に移動し、鉱床に接近することができるAUVを活用することが有効とした上で、こうしたAUVに求められるスペックといたしまして、リモートセンシングのための高出力の電源ですとか、安定した水平航走システム、また、小型化・軽量化、これはある意味同じようなものでございますけれども、が求められると。また、ROVにつきましても探査、実際は接地型ということで後ほど出てきますけれども、海中の詳細な探査に適したROVの活用というのをここでもう一度提言していただいているということでございます。

 7ポツでございますけれども、これは一番初めにいろいろな問題点のところで議論された部分でもありますけれども、2ポツ目、開発したセンサー等を実証するために必要となる支援母船ですとか、探査機等の試験航海の機会、このシップタイムを十分に確保することが難しいということが、こうしたセンサー等技術の開発の障害になっているということを指摘した上で、こういった実証試験を実施するような専用の支援母船でのシップタイムですとか、探査機などのシップタイムをしっかり確保することが望ましいということを一つ結論として述べていただいております。

 次の委員名簿ですけれども、検討を始めた当時からご所属等に変更がありましたので、そういったところは、最新のものにそれぞれ修正をしていただいているということでございます。

 続きまして、もう1枚おめくりをいただきまして、これまでの審議経過ということで、これまで先日の316日まで6回、きょうの最後の取りまとめということで7回開催をしていただいて、「中間とりまとめ」に至るという経緯を簡単にまとめてございます。

 次のページ、1枚ページをおめくりいただいて、「はじめに」ということで、ここでは背景ですね。もともと海洋基本計画の中でも、これに文科省での検討と並行して走っております海洋エネルギー鉱物資源開発計画と、その中で言われている背景と同じものでございますけれども、我が国においても海底の熱水鉱床ですとか、コバルトリッチクラスト等の海洋鉱物資源の探査というのは非常に重要ということが海洋基本計画の中でもしっかり書かれているということ。また、諸外国でもそういった開発の動きが進んでいるということ。また、文部科学省においては、これは後ほど、きょうの議題にも上がってございますけれども、「基盤ツール開発プログラム」ということで関連のセンサー等の開発を行っておりまして、今回の検討結果の内容というのは、こちらにも反映をしていきたいということ等を「はじめに」で述べさせていただいております。

 1枚おめくりいただきまして、「検討の背景」でございます。大きく分けて3つ、世界の情勢、2ポツ目で、民間における検討状況、また、最後に政府の取り組みということで簡単にまとめさせていただいておりますけれども、世界の情勢といたしましては、国内の鉱区についても、海外の企業が日本法人などを設置して鉱業活動を行おうとする動きがあるということで、我が国としてもしっかり対策をしなければならない状況にあるということを指摘させていただいております。

 ただ、民間における検討状況というところでは、これまで国内においても期待は高いわけでございますけれども、なかなか資源価格の乱高下など参入リスクが高いことから、パブリックセクターによる支援が強く求められているということで締めくくってございます。

 3ポツ、政府の取り組みですけれども、さまざまな海洋鉱物資源がございます。それぞれについては、これまでは経済産業省資源エネルギー庁、またJOGMECさんを中心として、いろいろな調査等が行われているところでございますけれども、最近策定された海洋基本法、あるいは海洋基本計画を受けて、積極的な開発及び利用を推進するとともに、必要な体制の整備を講ずることが必要ということで、冒頭申し上げました「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」が策定されたという状況の紹介をしてございます。

 3ポツは、それぞれの海洋鉱物資源、今回は中心的に海底熱水鉱床及びコバルトリッチクラストについて、そもそもそれは何物かということと、それらに関するこれまでの探査の現状を簡単にまとめさせていただいておりますが、中身につきましては、これはずっと議論していただいた内容ですので、詳細については割愛させていただきたいと思います。3ポツの中身が5ページ、6ページ、7ページとずっと続いていくわけですけれども、6ページを見ていただきまして、それぞれ海底熱水鉱床、あるいはコバルトリッチクラストに関して既存の探査手法ということで、あるいは課題ということで、これまではどんな探査手法があって、それらにはどのような課題があったのかということでまとめさせていただいております。

 6ページの課題のところでございますけれども、海底熱水鉱床については、今後、調査すべき海域がきわめて広大ということで、より効率的に探査できる技術手法の開発が求められているということ。また、熱水活動はその周辺の生態系にとても影響が大きいわけでございますので、こういった生態系の保存ということを考えますと、実際の探査・開発にあたっても、こういった環境保存に配慮した開発が今後は求められるであろうと。したがって、実際に探査・開発を行うとしても、熱水活動が停止した鉱床というのが有望であるというように考えられると。ただ、一方で、停止をしてしまって完全に熱水活動がなくなってしまったような場合は、実際に探査をするときにきわめて困難な状況になるということもここで改めて紹介をさせていただいているところでございます。

 7ページ目でございますけれども、これは本検討委員会の中心的な部分でありますけれども、実際に商業化をしようとしたときには、垂直方向、鉛直方向の資源量というのをしっかりと把握することが必要であるということですけれども、現状ではボーリング調査が中心であって、理論値でも最大20メートル、実際20メートル掘れないというのが実態上ではあるわけですけれども、これ以上の資源量というのを把握することはなかなかできないと。ここの細かい言いぶりにつきましては、各委員からいろいろコメントをいただきまして、それを反映して今の文章になっているということでございます。

 コバルトリッチクラストについては、若干熱水鉱床よりも開発探査のフェーズがおくれるということもありまして、分量的には少ないことになってございますけれども、既存の探査手法、あと課題として同様のことが記載されておりますが、課題としては、経済性評価のためには連続的な厚さの測定を実施するための技術開発が必要ということを指摘させていただいております。

 続きまして、今度は探査機技術の現状と課題についてまとめてございます。探査機技術としましては、JAMSTECが保有しておりますAUV「うらしま」、あるいは東大生産研、浦先生のところで保有していただいております「r2D4」の性能、あるいはその成果について簡単にまとめさせていただいてございます。

 課題でございますけれども、精度の向上について、海中において自在に探査が可能な探査機というのをもう少ししっかり探査の追求をしていかないといけないということと、現在までに、資源探査に活用されるという前提で、どのようなスペックが探査機に求められるか、どのような機能を付与するべきかという体系的な検討が行われたことがないということで、こういった資源探査のためのAUVROVのスペックというのをしっかり検討していくべきということを指摘させていただいてございます。

 (5)国外の探査技術ということでございますけれども、米国等でリモートセンシングの技術を含め、さまざまな技術開発がなされているということで、海外の状況につきましては、この検討会の中でも宮崎委員等にご紹介いただきまして、報告書の最後のほうに参考資料ということで、最後のほうをごらんいただければと思いますけれども、参考3という形で、膨大なパワーポイントのプレゼン資料がございましたけれども、その中をある程度整理をして、報告書の添付資料という形で掲載をさせていただいております。

 続けさせていただきます。「4.海洋鉱物資源の探査に必要となる技術」でございます。これは結論の中心的な部分になるわけでございますけれども、1枚めくっていただきまして、基本的には熱水鉱床は、本検討会ではリモートセンシング技術による探査ということを中心に検討するというようにした上で、着目をするものといたしましては、熱水起源の金属成分ですと、熱異常等海水に着目した探査手法、あるいはカルデラ地形とか、そういった海底の大きな地形の構造、あとはチムニー等、そういった特有の構造に着目した探査手法、あるいは対象となる鉱物、鉱床自体の物理特性に着目をした探査手法ということで、この3つに大体区別されるであろうと。

 冒頭申し上げました探査方針として、広範囲、あるいは特定の鉱床、あるいは資源量を評価するためのさらに細かいエリア、それぞれで求められる探査技術を提言しているという形になってございます。

 探査対象の鉱床としては、経済性を考慮いたしまして、これは仮にいう、モデル的にということではございますけれども、水平方向の広がりは大体500メートル四方、鉛直方向の広がりを10メートル以上の規模として、海底下100メートルまでに存在する鉱床というものを想定していると。実際はどういった品位なのかとか、まだわかっていないことも多いわけですけれども、この委員会の中の議論では、そういったものはJOGMECさんなんかで得られているさまざまなデータを活用して、しっかり比較できるデータを取得することを一方で詰めながらやっていきましょうということだったかと思います。

 探査モデルとしては、熱水活動を伴っている鉱床、あるいは停止して埋没していないもの、停止して以降、完全に堆積物の中に埋没してしまっているものの3つを想定して検討しました。

 AUVについては、海底面上50メートルの高さというように設定いたしまして、ROVにつきましては、船上からの電源供給が可能で、海中・海底面での探査も可能であると。海底面接地だけではないということ。また、曳航式の場合は、海底面上100メートルから150メートルで、これは暗に水平方向に移動をスムーズにできるというコンディションを想定してございます。

 こういった条件で、次の11ページから12ページ、あとコバルトリッチクラスト等は簡単にまとめてございますけれども、13ページまで、それぞれ提唱される技術を取りまとめいただいたということでございます。繰り返しになりますけれども、広域の場合には熱異常なんかの化学センサーを見る。あるいは一番大きく効いてくるのは海底地形を詳細に把握することによって当たりをつけるということ。このほか、今はカルデラという大構造を見つけたりすることが大きなクルーなわけでございますけれども、このほか鉱床の成因論をもう少し詰めて、広範囲からの探査が可能となるような新たな手法を開発していくということが今後の効率的な探査に向けて重要であるということを指摘してございます。

 特定鉱床の中で、さらに有力な場所を探していくための技術ということですけれども、大きくは重力探査、磁力探査ということで、どのあたりに有望な鉱床があるのかということを調べるときには、まさに物理特性に着目して、AUV等を使って探査をしていくということは有用であろうということが1点。

 次が音波・地震波探査、あるいは電気探査、あるいは電磁気探査ということで、実際に鉱床の規模を調べようという探査手法。これは大きく100キロメートルということで10キロメートル四方、特定鉱床というレベルであれば、AUVから、あるいは1キロメートル四方、さらに資源量を評価するということであれば、AUVだけでなく、接地型のROVから探査をしていくということが有効であろうということを指摘させていただいております。

 このほか、化学成分について着目した探査については、100キロメートルオーダーと10キロメートルオーダー、中心的には10キロメートルオーダーであろうという議論もありましたけれども、広範囲からある程度特定鉱床の中で有用な探査手法だろうという結論になったかと記憶をしてございますので、その旨、この中ではまとめさせていただいております。

 12ページ、鉱床の資源量評価でございますけれども、先ほど申し上げましたとおり、AUVROVを使って、音波・地震波探査、電気探査、電磁気探査等によって接地型、あるいは少し上から垂直、鉛直方向という言葉がより正確だということで修正してございますが、鉛直方向の評価、資源量の評価を行うためのシステムをしっかり開発していく必要があるということ。その中でも、資源量評価をするためには各手法の高分解能化を図るということが必要ということですので、特に音波・地震波探査の場合については、深さ100メートルまで透過するとともに、必要な解像度が得られるような最適な周波数を出すような音源の開発が求められるということを特出しで記載をさせていただいております。

 コバルトリッチクラストにつきましては、厚さが、ほんとうはどこまで厚さがあるのかというのもわかっていない部分もあるのですけれども、周辺の岩石との物理特性が似ていること、また、厚さが比較的薄いと想定されているということから、かなり細かなオーダー、細かな分解能での厚さの計測技術の開発が求められるということですので、先ほどの音波・地震波探査などであれば、適切な発信周波数の特定ということが必要になりますということを紹介させていただいております。

 以上が探査機器ということで、センサー等探査システムと言ったほうがよろしいでしょうか。センサーだけというよりは、探査をするシチュエーションを踏まえた際のそれぞれのセンサーに求められる今後の技術開発ということでまとめてございます。

 続きまして、5ポツ目が探査機の技術ということで、AUVROVに関するスペックということで、冒頭、Executive Summaryのところで紹介をさせていただいたところでございますけれども、基本的には探査をするために音源等高出力の電源供給が必要となるということもございますので、AUVを用いる場合でも、しっかり高出力の電源を確保することができること。あるいは、これはできればということですけれども、複数のAUVを用いた探査とか、さまざまな探査の形態を実現するような探査機の考案、提案ということも期待されるということでございます。

 広域で探査をするためには、航走距離・航走時間を長くするということが必要ですので、繰り返しになりますが、しっかり動力源を確保するということ。あるいは局所地域での詳細な探査に必要な探査機技術が必要だということで、基本は水平方向に安定的かつ高精度、真っすぐ進むことができるような探査機技術が必要であるということ。また、接地して計測を行う場合も、複雑な海底地形での探査、計測を容易にするために、実際に接地して計測をしてから、また別の場所に移動して、引き続き何点か複数の計測地点で計測ができるような技術ということも必要ではないかというように指摘をさせていただいております。

 以上が探査機に関する求められるスペックということでまとめたものでございます。

 6ポツでございますが、他分野への波及効果ということで、海底資源、海洋資源開発、探査開発だけではなくて、その他の海中・海底・海底下のさまざまな科学的な調査への活用というのが、これらの探査機技術、また探査技術についても期待されるであろうということが1点目。

 また、2点目といたしましては、こういった探査の過程で得られたデータにつきましては、例えば地球環境の変遷の解明ですとか、そういったサイエンティフィックな、学術的な研究への波及効果ということも期待されるということ。あるいはさまざまな商業採掘が今行われているわけですけれども、海底、あと陸上、成因論的に類似のものもあると考えられることから、こうした熱水鉱床等の探査でやられた知見は、逆に陸上の鉱床の探査にもフィードバックできるものがあれば、していけばよいということを記載させていただいてございます。

 最後に、「7.留意すべき事項」ということですけれども、1点目は、海洋基本計画でも、また、委員の方々からもいつも言われていることでありますけれども、関係府省、研究機関間のしっかり連携を図りなさいということでありまして、そもそも理学、工学、経済学と多岐にわたる分野でありますので、中心的なプレーヤーといたしましては、法人としては文科省所管のJAMSTEC、また、経済産業省資源エネルギー庁所管のJOGMECなどを中心に、また、フェーズ、フェーズでは、大学にある技術、知見等をしっかり活用しながら取り組んでいくことが必要であるということ。

 また、探査機技術、探査機に搭載するセンサーとの技術開発については、現状ではなかなか、冒頭申し上げたことでございますが、支援母船やそういったセンサー等を搭載するためのAUVROVのシップタイムの確保が難しいということがありましたので、今後はこういった技術の実証試験のための支援母船、あるいは汎用探査機なんかのシップタイムをしっかり確保していくということが望まれるということが書かれています。

 また、AUVROV、国の関係の法人では、JAMSTECがある意味中心的にやってきた部分もありますけれども、JAMSTECだけというよりは、大学、民間との研究者との共同研究をしっかり通じて、その中で牽引力を発揮していくような研究開発体制ということが望まれるということを記載させていただいてございます。

 また、環境保全の技術ということも大事だということで、これはエネ庁のほうでまとめられた開発計画の中にも書いていることですけれども、今後、マイニングコードなんかの審議、これは鉱業規則の審議の中でも生態系の保存ということを前提とした開発という方向に国際的にはなりそうだということもありますので、そういった環境保全に配慮した探査技術の開発ということを念頭に取り組んでいくことが必要ではないかということ。また、人材育成の取り組みにつきましては、これは海洋だけではなくて、科学技術全般に言えることではありますけれども、若手人材の質・量の確保ということで後継者の育成が喫緊の課題であるということ。あるいは大学における教育、あるいはさまざまな機会をとらまえて、後継の人材を育成していくということの必要性を指摘させていただいてございます。

 そのほか、4ポツとしては、研究者のすそ野の拡大ということで、さまざまな分野の研究者を糾合していくということが必要であろうということと、研究機会を多く確保するということで、さまざまな研究、競争的資金も含め、研究資金などによって研究の機会を与えていくということが大事ということを指摘してございます。

 最後に、その他として、やはり我が国として展開できる探査システム、探査機等の数をしっかり確保して、行く行くは探査機、探査機技術なんかが民間企業のほうでしっかり自分の事業として展開できるくらい広げていくべきではないかということ等、そこに書かれているようなさまざまな点について、その他としてまとめたものでございます。

 報告書の本文はここまででございますけれども、18ページ以降は本報告書、背景等も含めて、取りまとめるのに参考にした参考文献の紹介のほか、この委員会でいろいろご発言、ご発表いただいたものから、ある意味抜き書きをして、参考資料として、主な鉱物資源の概要ですとか、これは平先生のほうで実は手書きで書いていただいたものを起こしたものでありますけれども、海底熱水鉱床の概念図ということで、こういうものだよということが図示でわかるようなもの。あと資料34として、大体今見つかっている代表的な熱水鉱床の分布、あと水深ですとか、先ほど中身でも紹介させていただきましたけれども、国外の実際に流通している市販のセンサー、あとは探査機等の技術についてまとめたものを添付させていただいております。

 最後に、これは少し大きな紙で、A3で、「海底熱水鉱床の探査に必要となる技術」ということで、これも本委員会でかなりご検討いただいた部分でございますけれども、3つのフェーズ、モデル鉱床は先ほど言った500×500×10メートルくらい、100メートルぐらいに埋まっているであろうと。水深については3,000メートルまでにあるというシチュエーションで、100キロメートルオーダー、広域での絞り込み、特定鉱床は10キロメートル四方、または資源量評価としては1キロメートルオーダーの探査を想定いたしまして、今後、開発が求められる技術とその技術開発のポイントということでまとめているものでございます。

 また、その下には求められる探査機技術ということで、それぞれAUVROVに求められるスペック、これは先ほどの中で書いたことを、少し数字等は具体的に書き下ろしている部分もございますけれども、簡単にレビューとして、色が違ってございますけれども、赤字で書いているものは平成21年度以降、基盤ツールプログラムの21年度採択等で、今後、研究開発を実施することが特に望まれるものということで、100キロメートルオーダーでやりましたら、今後、鉱床の成因論ですとか、既存取得データの分析等を通した新しい有望鉱床の絞り込みの手法の提案というものが一つ。

 もう一つは、10キロメートルオーダーまたは1キロメートルオーダーありますけれども、移動しながらの重力、あるいは磁力探査、あるいは接地型、あるいは移動しながら、両方ありますけれども、音波(地震波)探査、電気探査、電磁気探査による、水平方向もありますけれども、意識としては、鉛直方向の資源量の評価をより詳細にできるような技術、システムの開発ということが赤字で、今後力を入れて取り組むべきものとしてまとめてございます。

 緑で書かれているものは、AUVROV等の開発実績を有する機関において、今後、積極的に研究開発が望まれる項目として、また、青字は、20年度から「基盤ツール開発プログラム」、文部科学省のほうで競争的資金として始まってございますので、その中で、完全にカバーできているということではないかもしれませんが、関連する、また既に取り組みがなされているものについては青字でまとめさせていただいております。1キロメートルほどのところにBMS(ボーリングマシン)による掘削という項目もありまして、これについても当然、全体を考えれば、技術の高度化というのが求められるわけですけれども、冒頭、説明さしあげたとおり、本委員会ではリモートセンシング技術を中心に議論するということでしたので、これについては特段深堀の議論は、検討の結果というのは書かれていないということをご承知おきいただければと思います。

 若干長くなりましたけれども、これまで議論いただいものをまとめて、このような形で「中間とりまとめ案」として取りまとめてさせていただいておりますので、もう一度見ていただいて、特段お気づき点等があれば、この場でご議論いただければと思います。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 では、生川課長から。

【生川海洋地球課長】  すみません、1点補足をさせていただきたいのですが、お手元の報告書の19ページなのですが、参考2として、熱水鉱床の概念図、これは今、ご紹介がありましたけれども、前回、平委員のほうにおつくりいただいて提出をいただいたものでございますが、残念ながら、前回の委員会でご説明をいただく機会がなかったものですから、もしよろしければこの機会に、ごく簡単で結構だと思うのですけれども、ご紹介をいただければありがたいなと思います。

【平委員】  ありがとうございます。

【今脇主査】  よろしくお願いします。

【平委員】  もともとの図は美しい天然色、天然色って今言わないかもしれません。

【今脇主査】  これ、最後はカラーになるのですよね。

【生川海洋地球課長】  最後、カラーにしたいと思います。

【平委員】  でございますけれども、熱水鉱床の概念図、本来なら浦辺先生と一緒に書くようなものだったとは思いますが、私としても自分の頭の整理のためにつくってみたものでございます。

 ご存じのように、熱水鉱床をつくるにはマグマが必要で、マグマが地下にあるような環境というのは、必ず火山活動もあるということで、右側にはカルデラ壁とか、リフト帯というのを一般的な図としてあらわして、これらはほとんどが火山性物質、溶岩・岩脈などからなっている。そこに断層があって、その断層に沿って下から熱水等々の活動が盛んに起こると、しばしばカルデラのふもととか、あるいはリフト帯の断層のふもとにブラックスモーカーや熱水のマウンドチムニーなどがあると。それらはいったん活動を停止して、停止したマウンドになったり、場合によっては、それらが重力崩壊、運動の火山活動や断層の活動というのは頻繁に起こっているものですから、再堆積した古い熱水マウンドという、例えばそれらが崩れて崩壊堆積物となって堆積物中に埋もれているものもあるでしょうと。

 一方、左側のほうはどういうことかというと、これは今度、例えば大量の砂や泥のようなものが川から運ばれてきて熱水活動の部分を埋積しているという、そういうような地域もあります。例えばファンデフカ海嶺や沖縄トラフの一部もそうである可能がありますし、ガイマス・ベースンというようなカルフォルニア湾の中にあるようなところ、そういうところではマウンドが埋積されるのみならず、非常に堆積速度が速いので、要するに岩脈、いわゆるシルトというようなものが、要するにマグマからできた溶岩が火山体となって噴出しないで堆積物の中に直接嵌入してくると。そういう周りでも熱水鉱床はつくられているという可能性が指摘されております。そういうところでは、ブラックスモーカーというよりも、表面にはホワイトスモーカーのようなもの、炭酸塩や硫酸塩のチムニーが、例えば、ガイマス・ベースン等で数十メートルに及ぶような巨大なチムニーがつくられていると。

 過去の熱水鉱床と呼ばれているものの中で非常に大きなものの例というのは、左側の例というようなものも指摘されていて、我々としては堆積物の中と言っても、単にマウンドが埋まったというだけじゃなくて、堆積物の中でつくられたものもあると。ですから、鉱床の成因論を行ったり、もしこういうものが大量につくられているという場所がわかれば、これは先ほど言ったような過去の熱水鉱床の探査等々にも非常に役立つ知見になるということで、総合的に熱水鉱床の成因も含めた概念というものをつくってみたということで、こういうことを念頭に置きながらこの計画があると、そういうような概念図でございます。天然色でございます。

【今脇主査】  ありがとうございました。大変イメージしやすい図をつくっていただいて、わかりやすい資料になったと思います。

 全体に入る前に、せっかく今、図を見ていただいているので、この図について何かコメント、皆さんのほうからありましたらお願いします。

 よろしいですね。特にない。ありがとうございました。

 それでは、非常に詳しく説明していただきまして、ありがとうございました。

 私が欠席している間に非常に内容がかっちりしたものになっていまして、特に私が感心したのは、「要約と結論」の2ページの上のほうにあります、探査のエリアを3段階に分けて、広範囲(100キロ四方)、鉱床の存在域(10キロ四方)、それから有望鉱床域(1キロ四方)という、具体的に3段階に分けて、それぞれについて有効なやり方はこうだという整理をされたのが、非常に私は、感銘を受けましたというほどではないのですけれども、よかったと思います。

 ちょっと私のほうで、最後に横長のA3の図表ですね。これを示されたのですが、これの位置づけがちょっと、参考の番号でもないし、この横長の図表の位置づけはどうなるのでしょうか。

【生川海洋地球課長】  位置づけは報告書本体の一部と考えています。そういう意味で、きょうはわかりやすく一番後ろにつけさせていただいていますが、本来的にはむしろ参考資料の前につけさせていただくべきものだと。

【今脇主査】  本文の一部のようなもの。

【生川海洋地球課長】  本文の一部です。本文でも、この表を引用させていただいておりますので、具体的な中身がこれに書いてあるということで、ある意味これが一番あんこのところになりますので、本文の一部というように。

【今脇主査】  これは表だから、もし引用されるなら、表1で引用されたらどうでしょうか。

【生川海洋地球課長】  そうですね。表記については工夫をしたいと思いますが、いずれにしても本体の一部ということで、場所としては参考文献の前に差し込むということかなというようには思っております。

【今脇主査】  はい。よくわかりました。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  具体的に11ページの上から2行目に「詳細なスペック等は、別表に示すとおりである」というように書かせていただいておりますので、別表として本文の直後につける形でまとめさせていただければと思っております。

【今脇主査】  はい。ありがとうございます。それと、ついでにこの表で、右の下に赤字、緑字、青字と書いてありますよね。これは時間の古いのから新しいほうに例えば行くというように何か整理したほうがいいと思うのですが、例えば、青字を最初に、もうこれはやっていますと。赤字は今これからすぐにやるものです。緑字はまだ不明という、何か色の説明の順番がすっきりしないなと思うのですが。

【生川海洋地球課長】  わかりました。

【今脇主査】  それでは、委員の皆さんからご自由に、「中間とりまとめ」の内容について、きょうが最後ですので、コメントをよろしくお願いします。

 増田委員。

【増田委員】  ちょっとJOGMECの立場から。このボーリング調査のことが書いてある7ページの上のほうの丸のところですけれども、7ページの上の丸の最後で、いろいろ課題があるということで、最後に、その課題があるために「必要となる十分な資源量の把握ができない」という表現になっているのですけれども、資源量の把握ができないのは、ボーリングの課題があることはあるのですけれども、そういった問題ではなくて、ボーリングの課題は、精度が高い資源量が把握できないということじゃないかと思うのですけれども、この読み方がよくわからないのですが。

 それともう一つは、質問なのですけれど……。

【今脇主査】  一つ一つ。その十分なというのが、形容詞がちょっとおかしいということですよね。正確な情報が足りないという。

【増田委員】  例えば、ボーリングが傾斜の場所でできないというのは、十分なスパンできちんと調査ができない。抜ける部分がありますよねと。あるいはコアが十分とれない。採取率が低いというのは、コアがない、情報がない部分があるのですねと。それは十分な資源量が把握できないということではなくて、精度が低いということになるのではないかと。

【今脇主査】  非常に簡単に直せば、必要となる資源量の把握が十分にできないというような感じですね。

【増田委員】  精度の高い資源量の把握が困難だと。

【生川海洋地球課長】  すみません、ちょっと提案させていただくと、例えば十分精度の高い資源量の把握ができないとか、書けばよろしゅうございますか。

【増田委員】  例えばそうですね。

【生川海洋地球課長】  趣旨は、資源の経済評価とか開発に必要な、そういうことができるような精度の評価、資源量の把握という意味においては必ずしも十分ではないのではないかという趣旨だと理解していますので。

【増田委員】  経済評価なんかもいろいろな精度があって、概算というようなところから、精密なほんとうに開発をするのだというときの精度と違うわけですよね。そういう意味で、概算ができるような調査は可能だけれども、精度の高い、ほんとうに開発となると精度が低いというか、不十分だろうということじゃないかと思うのですが。

【今脇主査】  はい。趣旨は理解できましたので、後で修文させていただきます。その次は。

【増田委員】  もう一つは質問なのですけど、16ページです。今回の検討はリモートセンシングが基本的に検討されているのですが、16ページの(2)の最後の丸です。環境負荷のより少ない探査技術の開発が重要というのはわかるのですが、今回のリモートセンシングに関して、何かそのような環境負荷が高いというか、問題になるような探査技術が含まれているのかどうかというのがちょっと、どういう趣旨でこういうことを、具体的にどういうことを想定して書かれたのかがちょっとわからなかったので質問させていただきます。

【今脇主査】  はい。事務局から。

【生川海洋地球課長】  私の理解は、リモートセンシングの中に特に環境負荷が高いであろうものを想定して書いているというよりは、多分、リモートセンシングであれば、環境負荷は少なくて探査ができるであろうということで、ある意味、リモートセンシングの探査技術をやる合理性みたいなものをここで言及させていただいているという趣旨だと理解しております。

【増田委員】  わかりました。

【今脇主査】  ほかにコメントありますでしょうか。

【浦辺委員】  今、増田委員のご指摘も非常にもっともだと思うのですね。(2)の環境保全技術を踏まえたというところでは、環境保全技術というよりか、環境保全をちゃんと踏まえたというような。

【今脇主査】  念頭に置いたというような。

【浦辺委員】  念頭に置いたというような感じのことかなというように思います。

 それから、そこのところでコメントしますと、最初の丸のところでは、1行目「特有の化学合成生物が生息し」というのは、若干誤解を招く言葉かなと。「化学合成微生物に依存した生態系が存在し」とかいうような感じかな。生物というと、大型のものも化学合成しているような感じがしてしまうので、それが1点です。

 2つ目の丸ですけれども、1行目、海洋保護区(サンクチュアリ)と書いてありますが、これは経済産業省に出されたものにもこういう表現があったのは、これを修正しまして、サンクチュアリは消しました。マリン・プロテクテッド・エリアというのが海洋保護区の正しい英語ですので、サンクチュアリと言うと、もう絶対に入れないという印象を与えてしまうので、マリン・プロテクテッド・エリアなので、括弧内は要らないかなというように思います。

 それから同じところの上から4行目ですけれども、「ロンドン条約においても、現在は禁止されていない鉱業廃棄物の海洋投棄」と書いてありますが、ロンドン条約で禁止されていないのは、要するに海洋で取ったものを海洋に捨てるというのは禁止されていないというのが正確なので、陸上の鉱業物を捨てるのは、そういうことをしている国は、もちろんインドネシア等あるのですが、実際にそういうことは行われているのだけれども、ロンドン条約で必ずしも構わんと言っているわけではないので、正確には、海底起源の自然物をまた海洋投棄というようなことは禁止されていないけれども、そういうようなことは浅い海における、ドレッジをして、砂錫とか、砂金とかを取って、残りの砂をそこへ捨てることは禁じられていないのです。だけれども、今回のようなケースではどうなるかわからない。その次に書いてあることはそのとおりですので、ちょっとこの辺の表現も必要かなというように思いました。

 それから1つ飛ばして、先ほど増田委員が指摘された点ですけれども、2行目はあまり必要ないかなと。1行目だけで、探査技術開発にあたっては、これらの動向も注視しつつ行うことが重要という意味で、探査技術の環境負荷が少ないというよりは、むしろ探査じゃなくて、開発技術のほうの環境負荷のことが問題になるので、2行目は要らないかなという気がしました。

 以上です。

【今脇主査】  ありがとうございました。もう1回確認しますと、最初のタイトル、(2)のタイトルの「技術」というのがちょっと余計なのですね、多分、最初の。環境保全に配慮したか、何かそのようなタイトルがよいのではないかと思います。

 それから化学合成生物というのは、化学合成物……。

【浦辺委員】  微生物に依存した生態系とか、何かそういうものがあるという。

【今脇主査】  それからサンクチュアリというのはちょっと強過ぎるのですね。絶対入ってはいけないのがサンクチュアリ。

【浦辺委員】  そうですね。

【今脇主査】  わかりました。それから鉱業廃棄物も一般的ではなくて、海から取り出したものは海に返してもよいというような内容であるということですね。禁止されていないのは。

 最後の丸は、探査技術の開発にあたっては、これらの動向を注視しつつ行うことが重要であるという文章で十分ではないかということですが、ほかの委員の方もよろしいでしょうか。

 はい。ありがとうございました。

【寺島委員】  今の海洋投棄のところですけれども、海から取り出したものでも何らかの規制をすべきではないかという議論があるわけですよね。ですから、そこは少し気をつけて書いたほうがいいかなと思ったのですね。

【今脇主査】  続いて、何らかの制約を設けるべきではないかとの議論も始まっておるというのがその意味ですね。

【浦辺委員】  その次に書いてあるので、現在は禁止されていないけれども、やっぱりそういう議論はあると。

【寺島委員】  もう既に問題としては提起されているということです。

【今脇主査】  この部分については、今のまとめということにさせていただきます。

 ほかに何か、この報告書全体に、どこでも結構ですけれども、お気づきの点がありましたらお願いします。

【寺島委員】  ちょっとよろしいですか。非常に素人的な質問になるのですが、4ページの最後から5ページについて、マンガン団塊について書いてあるのですが、説明としては、私のような社会環境のほうの人間としてはありがたいところなのですが、マンガン団塊が出てくるのはここだけですよね。だから何かちょっとそれについて触れておく必要というのはないのでしょうか。

【今脇主査】  5ページ目の真ん中あたりに、この報告書、最後のところですね、取り扱わないこととするというので、上に取り扱わない理由が書いてあるのだと思うのですけども。この海洋鉱物資源で3つだけ、マル1、マル2、マル3だけでよいかというのは何かあるかもしれませんけれども、主なもの、みんなぱっと頭に浮かぶのはこの3つぐらいということでしょうね、現在では。

【寺島委員】  その部分は今度の計画でもかなりはっきりされているので、この報告上の扱いだけですので、今のご説明で。

【今脇主査】  いいですか。

【寺島委員】  はい。

【今脇主査】  ありがとうございます。

 どうぞ、沖野委員。

【沖野委員】  すみません、すごく小さいので、電磁探査と電磁気探査というのがまざっているので、どちらかに統一したほうがいいですよね。特に電気探査と混合しやすいので、確実に単語はどっちかに統一したほうが。どちらでもいいです。

【今脇主査】  電気探査というのを。

【沖野委員】  電気探査と電磁気探査は違うのですけれども、電磁気探査と書いてあるのと電磁探査は多分同じ意味で使っているので、両方出てきてしまうので、それをどっちかに。

【今脇主査】  事務局のほうできちんとチェックすることにします。

【生川海洋地球課長】  はい。

【今脇主査】  それでは、大体皆さんご意見……。

【平委員】  私も非常によくできたまとめであるというように思います。流れもしっかりしているし、内容もよくしっかり書けているので、事務局、おめでとうございますというのは早いですけれども、頑張っていただいたと思いますので、ちょっとコメントを申し上げました。

【今脇主査】  ありがとうございます。委員の方からもコメントをいただいたということで、委員の皆さんにお礼をしたいと思います。

 浦辺委員。

【浦辺委員】  今、拝見しまして、数カ所言葉の間違いみたいなものがあるので、細かなことなので、後で事務局のほうに申し上げたいと思いますが、せっかく参考2の鉱床概念図、非常にすばらしいものができているので、若干これも本文で引用されてはどうかなというように思いました。結局、深さ100メートルとかいうようなことが書いてありますけれども、なぜ100メートルというようなことを書いたのかなというのがぱっと見てわからない可能性があるので、1カ所か2カ所、この参考という、図にあるようなケースも考えられるので、100メートルとかいうようなことを書いておけば感じがよくわかるかなという気がしました。

【平委員】  3ページ目の熱水鉱床の全体の説明なのですけれども、そこでちょっと図を引用して、もうちょっと詳しく述べるというのは一つの手かもしれません、確かに。

【今脇主査】  3ページ目の海底熱水鉱床が最初に出るところですね。そうですね。ここ言葉だけなので、図を見ながらのほうがはるかに理解しやすいと思いますから、工夫したいと思います。

【平委員】  書けと言うなら。

【今脇主査】  平委員が準備してくださると。

【生川海洋地球課長】  ご相談させていただきます。

【今脇主査】  お願いします。そのほかにも字句の細かいところで何か変えたほうがいいということは、後で事務局のほうに委員の方から出していただいて、事務局でまとめたいと思います。

 それでは、大体皆さんのご意見が出そろったようですので、この「中間とりまとめ」につきましては、皆さんのご指摘を踏まえて、事務局で修正していただきまして、海洋開発分科会に報告させていただくということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【今脇主査】  ありがとうございます。その修正にあたりましては、事務局で準備していただいたのを主査のほうで一度チェックして、分科会のほうに報告ということで、主査一任ということにさせていただきたいと思いますが、よろしいですね。

(「はい」の声あり)

【今脇主査】  ありがとうございました。

 これで最初の1の議題が終わりました。

 

 

(2)海底鉱物資源開発に資する技術開発に関する公募について

【今脇主査】  2番目の議題です。「海底鉱物資源開発に資する技術開発に関する公募について」、これに移りたいと思います。文部科学省で現在実施しています競争的研究資金、「海洋資源の利用促進に向けた基盤ツール開発プログラム」、これの公募要領について審議をしていただきたいと思います。

 まず、事務局から説明をお願いします。

 

【嶋崎海洋地球課長補佐】  それでは、資料2122を使って説明をさせていただきたいと思います。この「海洋資源の利用促進に向けた基盤ツール開発プログラム」は、平成20年度から文部科学省のほうで行っております競争的研究資金ということで、21年度も新しい公募を行う予定でございます。予算といたしましては、昨年度始まった分が予算4億円で、今4課題進めております。平成21年度は、新しい採択課題として、大体3.5億円ぐらいということで新規の課題の公募を行うことを予定しておりますので、公募の開始に先立って、公募要領のあらあらまとめたものをこの委員会でぜひ見ていただいて、コメントをいただきたいと思っておりますことから、きょうかけさせていただいたものでございます。

 冒頭、あらかじめお断りをしておかないといけないかなと思うのでありますけれども、ちょうど先ほどの「中間とりまとめ」で今後取り組んでいくべき技術開発の内容というのを、提言をまとめていただいた形になってございますので、それを受けて、具体的にそういった技術開発を行う研究資金として、こちらの「基盤ツール開発プログラム」で受けてやるというつもりでございます。ということなので、この審査のことが中に書かれてあるのですけれども、実は審査をする場として、この検討委員会を活用させていただいて、できればこのメンバーで課題の審査などにもご尽力していただければ幸いということで、公募要領の案文の中には、審査体制のところで、後で紹介いたしますけれども、このメンバーでやるというように少し書いているところがあるのですけれども、趣旨といたしましては、まさにこういう技術が必要だということを検討していただいたのがこの場でございますから、委員の方々には、ちょっとまだ相談できていない部分もあるのですが、実際にやるかどうかも含めて、後ほど相談をしたいと思いますが、ぜひこういった技術が必要という提言をしたメンバーで具体的な提案内容も見ていただいて、実際にやるべき課題の選定というものにもご尽力をお願いできればということで書かせていただいております。かなりこの委員会は短期間で密な議論をしていただいたというように承知しておりまして、大変にありがたいと思っております。それに加えて、またお仕事をお願いしますということになってしまうので、そこも含めて、きょうご意見をいただければ、また相談させていただきながら取りまとめていきたいと思っておりますので、中身に入る前に、冒頭、あらかじめ説明をさせていたいただいたものでございます。

 具体的に中身について、特にきょうこの場でお諮りしたい事項を中心、あるいはこの基盤ツールがどのように動いていくのかという説明を中心に説明させていただきたいと思います。

 資料211枚おめくりいただきまして、1ページ、「平成21年度公募について」ということでございます。先ほどの報告書の別表にもありましたとおり、赤字に対応するものを今回公募の課題というように設定してございます。2ページ目の中ほど、「2.公募課題」とありますが、1つは、海底下構造・物性の探査手法の高度化ということで、海底下の構造をしっかり把握するというための探査システムの開発というものを課題として挙げてございます。

 大きく分けて、そこにありますように、移動しながらの何々、何々ということで、これはAUVとか、曳航式で探査をするシステムの中で3つ、重力探査、音波(地震波)探査、電磁探査、この3つについて、移動しながらの電磁探査ということが1つ。順番にいきますと、1つ目の移動しながらの重力探査ということで、AUVROV・曳航体等へ重力計を搭載し、判別可能とする重力を、重力はガルという単位ではかるということですので、0.5ミリガル、また鉱床の厚さを10メートル、周辺の岩石との密度差を1グラム/立法センチメートルとした場合に想定される重力異常を検出可能とするシステムを構築することということで、事務局としては、センサー自体の開発というよりは、こういった探査シチュエーションでこれぐらいのスペックで識別が可能、異常を検出できるようなシステムを構築してほしいというのが課題の1つ目でございます。

 また、移動しながらの音波(地震波)探査ということで、これもAUVROV・曳航体等へ音波探査装置を搭載し、同じく深さ、これは100メートルまでにおきまして、水平分解能20メートル、鉛直方向の分解能としては1メートル程度の調査、把握ができるシステムを構築することというのが2つ目。

 また、移動しながらの電磁、先ほどの指摘であれを変えたほうがいいのかもしれません、電磁気探査の意味でございますが、曳航体等へ電磁気探査装置を搭載して、100メートルまでの深さで、分解能は20メートル程度でわかるようなものがないかということでございます。あとは移動しながらということではなくて、接地型ということで、海底面に接地をした状態での音波(地震波)探査、あるいはここでも電磁という言葉を使っておりますけれども、電磁気探査を行うものということで、求められる分解能としては、深さ100メートルまでにあるということを想定した上で、音波(地震波)探査であれば、水平方向5メートル、鉛直方向50センチ程度、また、電磁気探査では10メートル程度の分解能ということを要件としてございます。これらが具体的にいわゆる鉛直方向の情報を中心とした探査システムの提案をいただきたいという課題の部分でございます。

 (B)といたしましては、海底熱水鉱床の成因論等を考慮した新たな探査手法に関する技術ということで、これまでの探査手法だけではなくて、広範囲から効率的な探査を可能とするための新たな探査手法の開発というのを求めるものということで、公募要件といたしましては、これまでに得られた海底熱水鉱床の成因等に関する知見・データ等を活用した上で、既存のリモートセンシングとは異なる新たな探査手法を開発するということ。また、こういった探査手法、従前の探査手法と比較して、より広域で効率的な探査が可能であるということで、若干オープンエンドな感じがありますけれども、より有望な探査手法があれば出していただきたいということでございます。

 それぞれ公募の対象ということで、どういった方々にやっていただきたいかということでございますけれども、(A)の海底下構造・物性の探査手法の高度化というのは、基本的には研究機関全般ということでウインドーを設けているわけでございますけれども、特に、大学、独立行政法人だけではなくて、民間企業の参画も十分に考えられるというか、当然あるであろうということで、民間企業も含めた研究機関に属する研究者、技術者からなるグループ。グループは、1人でもできるということであれば、1人でグループということでも構わないと思いますけれども、グループからの提案と。

 ただ、(B)のほうは、新たな探査手法に関する研究ということで、今回は基本的には大学とか、独法のような研究機関のラボベースで出てくるものだというように想定しておることから、国公私立大学、国公立試験研究機関、独立行政法人に所属する研究者または技術者ということで、今回は民間企業からの提案というのは、(B)のほうでは、成因論を考慮した新たな探査手法に関する研究のほうでは省かせていただいているというものでございます。

 それぞれ幾らぐらいなのかということが4ページのほうに書いてございますので、そちらのほうを見ていただければと思います。まず、研究開発の期間でございますけれども、5.研究開発の実施、(1)実施期間として、(A)海底下構造・物性の探査手法については、21年度から23年度までの3年間と。ただ、21年度は、今から公募いたしますので、実際に研究開発が始まるのが、大体早くて9月頭ぐらいからかなというように考えてございますので、実態上は1年間ない部分もございますが、3年間での実施ということ。(B)についても3年間なのですけれども、やり方が、途中で1回評価を入れて絞り込みを行うというようにしてはどうかというようにこちらでは考えておりまして、(A)のほうは、まずは高度化の実現可能性、フィージビリティスタディを1年間に満たないこの21年度では行っていただいて、若干タイトな日程ではありますが、年度末、1月から2月にかけてフィージビリティスタディの結果を評価委員会で評価いたしまして、今後、開発が有望というような結果が、あるいは評価が得られたものについては、次年度、次々年度について、開発に必要な経費を充当して、実際の探査技術の開発を実施していただくと。

 規模ですけれども、実施予定額というところで下にごちゃっと書いておりますけれども、21年度の充当見込額については、(A)海底下構造・物性の探査手法の高度化については、大体1課題あたり3,000万円程度(間接経費を含む)ということですけれども、21年度は1課題3,000万円ぐらいでフィージビリティスタディをやっていただくような形と。

 先ほど5つカテゴリーを挙げてございましたけれども、複数、絞り込みをする観点から、提案自体が有望なものについては積極的に採択をしてもいいだろうということで10課題程度。ですから、それぞれのカテゴリーで1から3課題ということ、全く佳作なしということであれば、ゼロというものも理論的にはあり得るわけですけれども、思いとしては、それぞれ最低1課題は取りたいなと。1課題から3課題ぐらいで合計10課題ぐらいはFS群として21年度は実施したいと。ただ、基本的には、この枠で少し増減がありますけれども、22年度、23年度については絞り込みを行って、もう少し1課題あたりの開発に必要な金額は大きくして充当していくようなことを考えたいと思います。

 (B)の成因論等を考慮した新たな探査手法に関する研究につきましても、これは概念検討ということになると思いますので、探査手法、あるいはバックデータなんかに基づいて、こういうところにもっと鉱床があるのじゃないかという提示になるかと思います。これにつきましても、221月から2月に概念検討の結果を踏まえて評価を実施した上で、22年度、23年度に有望であると評価されたものについては、探査技術に関する研究開発、これはどちらかというとFSに近いようなもの、実際にそういった手法が実現可能であるかどうかということで技術的に検証しなければならない点等を中心にやっていただくのかな。

 (A)と違いまして、(B)のほうは手法の提案でありますので、次年度、次々年度にお金をつけても、いきなり探査技術自体が開発できるというものではないだろうと思っておりますので、そこまでできるものがあれば、また検討すればよろしいかなと思いますけれども、こちらの想定としては、具体的にそういった新しい手法で探査を行うためにどんな技術的課題をクリアしないといけないのか等、(A)のほうでいうところのFSに近いようなところで少しお金を大きくしてできればというように思っておりますが、これもどのようなご提案がなされるかによってフレキシブルに考えていければよいのかなというように思ってございます。

 1課題の金額でございますが、21年度は、1課題あたり1,000万円程度(間接経費を含む)ということで、手法の開発、提案ということで1,000万円というのはちょっと大きいのかもしれませんが、いろいろなデータの分析とか、バックデータの解析なんかに基づく提案ということであれば、もう少し使い道もあるのかなということで1課題1,000万円程度、全体で5課題程度の採択を予定ということで今検討しているところでございます。

 それとあわせて実施体制ということで5ページ、6ページに書いてございますけれども、基本的には単一の機関で閉じても構わないですし、複数の機関に所属する研究者等のグループで構成していただいても結構ですので、テクニカルなことですけれども、基本的には文部科学省と主管研究実施機関というものが委託契約を結びまして、複数研究機関が参画される場合は、その他の研究機関は共同研究参画機関として、主管研究実施機関とまた別途契約を結んでいただいて行うと、そういった資金のフローでやりたいと思っております。ですから、その課題については、主管研究実施機関に所属される方の中で研究代表者を1名決めていただいて、その方を中心にマネジメントしていただくということを考えてございます。

 6ページでございますけれども、実際に、特に(A)のほうですけれども、探査システム、探査技術の実証、あるいは開発を進めていく中で、最終的には実海域でその技術が使えるかどうかというのを検証するフェーズというのが必ず出てくるであろうというように考えてございます。そういう意味で、(4)プラットフォームの利用ということで、本プログラムにおいては実際に研究船ですとか、AUVROV等のプラットフォームの開発を行うものではないとした上で、実際に事業の実施、システム自体の検証のためにプラットフォームを利用する必要がある場合については、JAMSTECのほうで、JAMSTECにおけるプラットフォームで既に実証試験用にシップタイムを確保するということを検討してございますので、それについて確保された、これは幾らかというのはまだ決まっていないのですけれども、幾らかはということで、また後ほど課長のほうからも説明があると思いますが、そういった既に確保済みのシップタイムを活用することも可能だよということをあらかじめお示しした上で、実際にこういったシップタイム枠の活用を希望する場合には、どのような利用を計画しているのか。これもあらかじめ提案書のほうに書いていただきたいなというように考えているところでございます。

 その他、種々プラットフォームを持っている機関がございますので、実際にプラットフォームを利用する場合は、当該プラットフォームを有する機関と調整の上、応募を行ってくださいということで、これはこの3年間の中でプラットフォームを利用しようとする場合ということでございます。これが少し新しいところでございます。

 課題の進捗状況の管理ということでさまざまな仕組みを用意してございまして、6ポツですけれども、事業の実施にあたっては、目的に沿って適切に運営するために、プログラムディレクター、あるいは外部評価委員会、研究調整委員会、研究運営委員会と似たような名前が続きますけれども、それぞれのフェーズに分かれて、いろいろなツールを用意してございますが、プログラムディレクターは資料22のほうを見ていただければ、簡単にまとめてございますので、そちらで説明させていただけると思いますけれども、平成20年度のプログラムディレクターについては、電通大の竹内先生のほうにお願いをしておりまして、具体的には、これまでプログラム全体の運営状況の管理ということを中心にご尽力をいただいたわけでありますけれども、競争的資金でございますので、最終的には文部科学省のほうで配分額等が決定されるということを踏まえまして、21年度はプログラム全体の研究開発の進捗状況の管理、あるいは資金の配分額に関する検討、課題の選定に関する検討へのご参画ということでご協力をいただきたいということで、21年度についても、引き続き新しい課題についても竹内教授にPD(プログラムディレクター)を務めていただきたいというように考えてございます。

 外部評価委員会でございますけれども、ここが先ほど冒頭で説明させていただいた部分で、これでいいかどうかも含めてご意見をいただければと思いますけれども、とするところはさておき、いずれにしても、課題の審査、あるいは途中の中間評価、221月から2月なんかで行う評価等を実施する外部評価機関というものを1つ設けるということ。

 研究調整委員会と研究運営委員会というようにありますけれども、簡単に申し上げれば、研究運営委員会というのは、1つの課題の中での研究者同士、あるいは文部科学省担当者、プログラムディレクターでの運営管理、あるいは進捗の管理に必要な連絡調整を行う場、全体の課題間の調整、どんな調整があるかというのは、まずは進捗の把握をして、それぞれ課題を超えて共有できる情報とかがあればということですけれども、を行う場が研究調整委員会ということで、プログラムディレクターが主催をいたしまして、実際にプラットフォームを有している部分ですとか、もう少し次のフェーズの事業を実施しているJOGMECの担当者なんかも入って、それぞれ一つ一つの課題に分けてではなくて、こういった探査システム、探査技術の開発、全体の進捗状況を関係機関のメインプレーヤーでシェアをしながら、所要の調整を行うための委員会というものを設けてやっていこうというように考えてございます。

 その他、公募要領ですので必要な、7ページの上のほうに、先ほど冒頭申し上げました外部評価委員会の委員の構成については、事務局としては、本検討委員会の委員で構成ということにしたほうが、なぜこの課題をやることにしたのかという経緯がよくわかっていらっしゃる方に評価していただいたほうがいいだろうということで、半ば、若干勝手にというか、先に書かせていただいている部分でございます。

 あとは実際の競争的資金としての細かい話になりますけれども、最後に1点だけ、8ページでございますけれども、スケジュールということで、今回の「中間とりまとめ」を受ける形で、4月半ば、あるいは下旬にかかるかもしれませんが、そんなに遅くならないうちに公募を開始しようと思っておりまして、実際に1カ月半ぐらいでしょうか、公募期間を設けた後に、6月にかけて書類審査・ヒアリング審査の実施、6月下旬に採択課題の決定等を行いまして、若干契約手続等に時間がかかるというのが通常でございますので、普通にやると9月頭ぐらいから委託契約締結・研究業務開始ということを想定して進めていきたいと思っております。

 その他、細かい事務的な内容ですので、説明は省略させていただきますけれども、今回、本委員会で検討していただいた今後開発すべき技術または探査技術システム、こういったものを競争的資金で受けてやりたいと思っておるわけでございますので、ぜひ肝の部分、こういった課題設定のほうがいいのじゃないかとか、こういうようにすればうまくいくのじゃないかとか等々ありましたら、ぜひこの場でご意見等を伺えればと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。長くなりましたが、よろしくお願いします。

【今脇主査】  詳しい説明していただきまして、どうもありがとうございました。

 事務局として一番気になるのは、外部評価委員会の委員、皆さん、引き受けてもらえるかというのが一番だと思いますけれども、よろしいでしょうか。今まで考えていただいた、これが実現する次のステップもよろしくということですが、よろしいですね。

 では、了承していただいたということで。委員長は、私は降りたほうが多分いいのじゃないかと思いますけれども、委員長については後で相談ということで。

【生川海洋地球課長】  個別にご相談をさせていただきたいと思います。

【今脇主査】  それでは、公募要領案について、何でもお気づきの点がありましたら、皆さんからコメントをお願いしたいと思います。

 まず、心配なのは、この課題、非常に立派に設定してあるのですけれども、応募する人が十分いるかなというのが心配なのですけど、その辺の見通しはどうですか。

【生川海洋地球課長】  それについては、我々もよく考えなければいけないと思っております。この報告書にも書いていただきましたように、すそ野を広げるということも重要だと思っておりますので、公募を開始したら、いろいろなところに出かけていって、ぜひ宣伝をしたいと考えております。ほかのプログラムでも、いろいろな形で説明会というのをやっておりますが、これも非常に精力的にいろいろなところに出向いていって説明をし、関係の先生方、特に、今まで海洋をやっていないのだけれども、関係するよなという先生方もいらっしゃると思うのですが、そういう先生方も含めて、いろいろな形でこの「中間とりまとめ」を持っていって、中身を説明し、このプログラムについても説明し、積極的に応募いただけるように我々のほうで努力をしていきたいというように考えております。

【今脇主査】  ありがとうございます。それと、結構数値でこれができるというのが書いてあるのですけれども、これはちょっと努力したら実現可能なような目標なのでしょうか。とても目標にならないという人は応募できないので。

【生川海洋地球課長】  実は、その辺が一番悩ましいところで、浦辺先生からも従前からいろいろご意見をいただいているものですから、ちょっと書き方も含めて、その辺を特にご意見をいただければありがたいなと思っております。従来からの議論で、あまり具体的に書いてしまうと応募が難しくなるということがある反面、どのくらいのものを期待しているのかというのをある程度示していかないと、先方が検討するにあたっても困るということもあろうかと思うので、その辺のバランスをどうやってとっていくのかということかなと思っております。したがって、そういうことも含めて、どういう書きぶりが適切かということも含めて、ご意見をいただければありがたいと思っております。

【今脇主査】  わかりました。

 それでは、委員の方からコメントがありましたらお願いします。

 浦辺委員。

【浦辺委員】  まず最初に質問なのですが、1ページ目の公募課題のところですが、例えば、移動しながらの重力探査というようなことが書いてございますね。ここを見る限りでは、先ほどの資料11についていたようなものが応募者に見られるのかどうかというのがよくわからないのですが、例えば、一例を挙げますと、移動しながらの音波(地震波)探査というのは、表の中では10キロメートルオーダーから1キロメートルオーダーに、両方に書いてあるわけですね。そうしますと、そういう横のスケールみたいなものを、この公募だけでは見にくいので、応募をする人が、先ほどの報告書を見ながら応募できる体制はあるのかというのが最初の質問です。

【生川海洋地球課長】  ぜひそういう形にしたいと思います。基本的には公募要領にこの「中間とりまとめ」をくっつけて、参照いただくということを前提にしております。

【浦辺委員】  はい。それから、2つ目よろしいですか。

【今脇主査】  どうぞ。

【浦辺委員】  表現の問題です。例えば、一例を挙げます、先ほどの1ページの移動しながらの重力探査のところで、公募要件という言葉の中で、何とか程度とし、その場合想定されるシステムを構築することというような表現になっています。基本的には、1年目にフィージビリティをするという非常におもしろい画期的なシステムだと思うので、ここのところで、例えば、公募要件の中で、こういうことが我々としては望ましいというような表現にもし変えたとして、1年目のフィージビリティの中でそれをどこまでできるのか明らかにすることというような、フィージビリティの中で何をやればいいのかというような形で少し示せばいいかなというように感じました。これで要件と書かれてしまうと、非常に強い言葉ですので、フィージビリティの中で要件を満たそうと思ってやったのだけれども、できないというものが審査の対象にならないと、なかなか難しいかなというのがちょっと感じたことです。

【今脇主査】  まだ次がおありかもしれませんけれども、その点についてですが、これは課題の、3年間でここまでいくというのを、まず1年目にフィージビリティをやってもらうということですよね。それはこれを見たらわかるのですかね。実施期間のところをよく見たらわかるのかな。3年分を書いてもらうのですよね、多分。

【生川海洋地球課長】  そうです。

【今脇主査】  最初はフィージビリティで1,000万円ぐらいでしたっけ。

【生川海洋地球課長】  Aについては3,000万円、Bについては1,000万円ですが。

【今脇主査】  だから標準的には、最初1年は3,000万円、2年目1億円、3年目1億円というような案で、このシステムが構築。さっき何かぼんやりおっしゃいましたね。構築するというのは厳し過ぎて、望ましいとか何か。

【浦辺委員】  例えば、判定可能とする重力を0.5ミリガル程度とすることが望ましいというような表現を1つ入れて、それでフィージビリティの中で、それが可能かどうか。フィージビリティで何をすればいいのかというのを書くことによって、要件を少し弱めても、あるA機関は、私は0.4まではできますとか、あるところは0.6までしかできませんとか、そういうようなことを書いていただくと。そうすると、0.5で切っちゃうと、0.6は絶対だめなのかということに対しては、審査の余地が出てくるのかなという気がしました。0.4はすごくよくて、0.6は絶対だめということがアプリオリに決まっているわけではないので、要件という言葉を、多分、審査のときにどう守っていいのか、非常に議論になるだろうと思われるものですから。

【生川海洋地球課長】  今の点については、確かに公募の要件とすると、かなり固定的なものに見えますので、例えば求められる性能の目安とか書かせていただいて、若干の幅は認めますよという趣旨のことをどこかに記述をさせていただくというような考え方もあるかなという気がします。

【今脇主査】  そのあたり表現を工夫していただくということで、さらに浦辺さん、まだ。

【浦辺委員】  公募要件の中に、1ページ目から言っているのですが、その中間報告の何とかを参照してというような言葉を入れていただいたほうがいいかなと。というのは、これの公募要件だけ見てみますと、水平のスケールが書いていないのですね。書いていない理由は、これを見てほしいということだろうと思うのですが、それを見ろということがどこにも書いていない。

【生川海洋地球課長】  そうですね。そこは落ちていたと思います。趣旨としては、それを念頭に置いていたのですが、例えば、「1.はじめに」のところの最後にでも、この「中間とりまとめ」の内容をよく参照した上で応募してくれというようなことを全体として書かせていただくというやり方はあるかなと思います。

【今脇主査】  続いてお願いします。おありでしたら、強要しているわけではございませんが。

【浦辺委員】  すみません、幾つもあって。次、3ページのところですが、下から5行目ぐらいのところに、「ための能力及び指導者性を有しているか」、細かな点ですが、指導性でもいいのかな。指導者という言葉は1つ要らないかなと思いました。

 それは細かなことなのですが、その次に、「研究課題にサブテーマを設定している場合には、その設定・構成が適切であるか」ということが書かれているのですが、サブテーマという言葉が、実はちょっと違う形で、6ページの上から10行目程度の(オ)サブ課題代表者というようなことが出てくるので、これが同じことを指しているのか。定義が両方ともされていないのですね。このサブテーマという言葉が出てくる前に、サブテーマを設定してもいいですと。それはどういうものであるということがどこかに書かれてあるといいなというように3ページに関しては思いました。

【今脇主査】  必要ですね。もういいですか。

【浦辺委員】  まだありますけど、ほかの委員の方を先に聞かれたほうが。

【今脇主査】  ほかの委員の方から。平委員。

【平委員】  例の課題の(B)というのが。

【今脇主査】  2ページ。

【平委員】  2ページの熱水鉱床の成因論等を考慮した新たな探査手法に関する研究ということですが、いろいろな考え方があると思うのですが、例えば、完全な化石熱水鉱床みたいなもの、九州・パラオ海嶺沿いに1,000万年前の、あるいは2,000万年前の、もうちょっと前、2,000万年前かな、リフティングした。2,000万年前のリフティングを起こしたときの化石熱水鉱床が残っているかもしれない。残っていないような気もしますけれども、例えばそういう課題がある、有望海域というところでですね。それを調べるにはピストンコアラー、ドレッジで少し海底をちゃんと調べて、そういうものがあるかどうかということを今までのデータも含めて、あるいは新たなデータもとらなきゃならないと言ったときに、それはここの課題に入るのですか。

【生川海洋地球課長】  それはどのくらいお金がかかるかにもよるのじゃないでしょうか。ここで想定しているのは、2年目以降でも3,000万円ということでありますので、その範囲内で有効なデータがとれて、それによって、その研究が非常に大きく進むということであれば、対象となり得るということかもしれません。ただ、私もオーダーがよくわからないのですが、ピストンコアラーとか、ドレッジで取ってくるというのがどのくらいお金がかかるのか。

【平委員】  それは、あるいはJAMSTECのほうで取ればいいわけですから、だから、そういう鉱床がそもそもあるかどうかということがわからないと、探査手法もわからないわけですから、どういう形で残っているというようなことがですね。ですから、もしそういう有望海域というものを探したときに、完全な化石熱水鉱床みたいなものが、とてつもなく古い昔のリフト帯に残っているかどうかということを調べるのだと。調べて初めて探査手法もわかると言ったときに、その調べるということはこの中に入るのかどうか、そういう話です。

【生川海洋地球課長】  むしろご意見をお伺いしてみたいという感じがするのですが、それを入れたほうがよろしいというご判断であれば、入れたらいいのじゃないかと思いますし、それはちょっと遠いだろうということであれば、外したらいいんじゃないかと思います。

【平委員】  そういうことをやれるかどうかが、この公募では読めていないなという。探査手法の解析、手法というのは、これはリモートセンシングだけのことを言っているのか、新たな探査手法と言っているのは。既存のリモートセンシング技術とは異なる探査手法いうのは一体何なのだと。

【生川海洋地球課長】  全体の流れの中では、我々が想定しているのは、基本的にはリモートセンシングかなとは思っています。それが中心にはなろうかと思います。さっきのご質問に戻ると、したがって、同じことになるのですが、そういったものも含めるべきだというご議論であって、これが明確に読めないということであるのだったら、それは明確に読めるように書くというのが1つの考え方だと思いますし、それは排除すべきだと言うのだったら、それはそれでも構わないと思います。すみません、あまり事務局として明確な、そこまで頭が回っていなかったということだと思うのですけれども、単純に、ここに書かせていただいているのは、今ここの委員会でもご議論いただいて、具体的にはこういうものがあり得るのじゃないかというのは一応整理させていただいたものの、それがすべてということではないだろうというのが基本的なお考えであろうかと我々理解しています。だから、それとは違うやり方があるのじゃないか。そういうアイデアを出してくださいというのが基本なので、率直に言って、我々の立場からすると、使えそうなものがあるのだったら何でも構わないということだと思っています。だからそういったものを、金額見合いということもあるかと思うのですが、提案いただけるのであればなるべく、排除するということではなくて、幅広にとっていったらいいのかなというのが基本的な考え方かなというようには思います。

【今脇主査】  どうしましょう。ほかの方、何か。私は何か規模がつかめていないところがあるので。

 浦辺委員、どうぞ。

【浦辺委員】  よろしいでしょうか。ここも私も申し上げようかなと思ったところなのですが、2ページの(B)の公募要件のところですね。これも少し前広にとれるような表現にしてはどうかな、というように思いました。1つの提案としては、公募要件の2行目の「異なる新たな探査手法を開発すること」というように書いてありますけれども、これは開発・提案するというような形にすれば、開発しなくても、例えば、先ほどの九州・パラオリッジにあるかもしれないというのは、新しい探査手法の開発かと言われると、そうではないのだけれども、提案とすれば十分にとれるので、そういうようにしてはどうかと思いました。

【今脇主査】  ありがとうございました。それでおさまりそうですか。

【平委員】  それから広範囲(100キロメートルオーダー)というように限るのも、これは何か限る必要があるのですか。

【生川海洋地球課長】  いや、必要があるということではなくて、この報告書の取りまとめ、最後につけた表では、100キロオーダーのところにこれが書いてあるので、それを単純に写し直したということなのですが、おっしゃるとおりかなという感じもします。10キロとか1キロでも画期的な考え方があれば、それは提案していただくのは非常にありがたいということがありますので、100キロにしなきゃいけないという強い理由があるわけではないかとは思います。

【浦辺委員】  ほかのところでもこの表を見ろということで水平のスケールを書いていないので、ここだけ100キロと書かなくもいいかもしれません。そこを取っちゃったら、ほかのところと整合的かもしれませんね。

【今脇主査】  そうすると、「この際」というのから全部要らないということですね。後半。

【浦辺委員】  それでもいいかもしれません。

【平委員】  「このため、広範囲をするため」というのを残して、「このため、既存のリモートセンシング技術とは異なる」という、ですよね。公募要件のほうですか。

【今脇主査】  公募要件のほう。

【浦辺委員】  上も両方。

【今脇主査】  2カ所あるのですね。既存のリモートセンシング技術とは異なる何とか、本文のほうはね。公募要件のほうは、2番目の文章全体が要らなかったのですね。

 これは文科省がつくられるので、我々はコメントして、それを受け入れるかどうかは文科省の方の判断ですので。

【生川海洋地球課長】  申しわけないですが、形式的にはそうでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、最終的にご審査をいただきたいと思っていますので、それとの考え方の整合性というのは当然必要になるかと思いますので、最大限尊重させていただきたいと思います。

【今脇主査】  ほかの点でお気づきのことはありませんでしょうか。

【沖野委員】  質問してもよろしいでしょうか。

【今脇主査】  どうぞ、沖野委員。

【沖野委員】  文科省側としては、これはFSから2年目に移るときにかなり絞るという見込みで考えておられるのですか。

【生川海洋地球課長】  それは率直に言って予算との相談というところがあると思うのです。来年度予算、どのくらい予算を確保できるのかということにもよると思いますし、中身がどれだけいいものが出てくるかということにもよると思います。なので、具体的に今、何分の1ぐらいに絞るかという目安があるわけではありません。我々としては、使い物になるのであれば、なるべくいっぱいとりたいというようには思っています。一方で、ぜひ実際に使えるようなものをつくっていきたいという希望はありますので、そういったことも勘案してご相談をしていくということかなと思います。

【沖野委員】  先ほど浦辺さんもおっしゃったのですけれども、FSがあるというのは結構、はっきりこう書いてあるのは珍しくて、いいと思うので、私は個人的には、どちらかというと、FSをしてだめという結果が出てくるというのもそれはいいことだということを推進したいなというか、だれもきちんとデザインをして確かめるということをなかなかできないですよね。だから、FSをやった結果、このレベルは今では難しいという結果が出るということは、評価としてはいいのだということを、公募要件に……。

【今脇主査】  知識が広まったというか、わかることが増えたということ。

【沖野委員】  ええ。だから、別にその後2年間だめだというのは、その課題が……。

【生川海洋地球課長】  悪いわけじゃないと。おっしゃっていること、よくわかります。よくわかるので、その辺も委員会の先生方にお願いしたいと思っているのですが、評価をするときに、最終的にコメントを書くのだと思うのです。かくかくしかじかで、これは2年、3年さらに続けていただくという対象にはならなかったのだけれども、こういう観点からすばらしい成果であるということが言えるのであれば、そういうのを評価の最後にきちっと書いていくということは当然あり得るかなと思います。

【沖野委員】  先ほど宣伝にいろいろ回られるとおっしゃったので、そういうときに、FSの段階では間口が広いんだみたいなことを。

【生川海洋地球課長】  そこは強調したいと思います。そういう意味で積極的に応募していただきたいというように思いますし、ご心配されているのは、2年目、3年目に続かない可能性があると、そこで悪い評価とみなされてしまうので、応募をためらわれるのではないかということですか。

【沖野委員】  例えば、見たときに、結構実はこのスペックは難しそうだなと思うと。だけど、もうちょっと詰めてみたいけれども、というときにちゃんとやる価値はあると思うのですけれどもね。

【生川海洋地球課長】  その辺はご説明をさせていただくときに、そういう趣旨を明らかにして、ご理解を得ながらやりたいというように思います。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 ちょっと私が気になる、JAMSTEC関係者なので気になるのは、6ページの真ん中あたりにプラットフォームの利用というのがありますね。3行目に「JAMSTECのプラットフォームに確保しているシップタイムを活用することも可能です」と書いてあるので、いかようにでも読めるのですけれども、宮崎委員、前センター長としては、これはどんなのでもどんどん使えるというほどではないですよね。どんなものですか。

【宮崎委員】  これは21年度に公募し、それから実際にやるのは22年度、あるいは23年度になると思いますから、むしろこういうものがきちっとなれば話し合いで、事前にそういう部分を固めておけばできると思いますので、それは今後可能になると思います。

【今脇主査】  22年度、23年度だったら結構あれかな。

【生川海洋地球課長】  そこは中身によると思います、我々としては。21年度に実証をやりたいというものがあれば、それは考えていきたいと思いますし、この表現ぶりについては、JAMSTECとの間で組織として調整をさせていただいております。これで受け入れていただいておりますので。具体的なシップタイム、どのくらい確保、どこに確保するか、どの船で確保するかということについては、今後の調整のところがあろうかと思うのですが、いずれにしても、基盤ツールのために何らかのシップタイムを確保するということは、我々として責任を持ってやっていきたいというように思っております。

【今脇主査】  わかりました。

 ほかに。宮崎委員。

【宮崎委員】  検討委員会の結果がこのような公募になってくるのは大変ありがたいと思います。それで、これに応募しようという視点から見ると、例えば、AUVROVを使った場合に、移動型及び接地型と分かれていますが、例えばAUVを使って、最初、移動しながら測定し、また、どこかいいところを見つけて、例えば着定して測定するとか、ROVも同じようなことが考えられまして、引っ張っていってやる。それで、いい場所を見つけたときに、またそれを静かに置いてというのが、先生、考えられますよね。そういう意味で、これを分けてしまったときにどこに応募したらいいかというのを考えてしまうのですが、いかがでしょうか。

【生川海洋地球課長】  その点については、一応1ページに、「2.公募課題」のところに丸で幾つか分けて書いてあることにはなっているのですが、ただ、実際に選定にあたっては、どこかに書いてあったかと思うのですが、(A)として10件程度というような形にさせていただいていますので、それはカップリングをして、これとこれ両方満たしますと、こういうシステムですというものは応募いただける形にはなっているのかなというようには理解はしております。そういうものは全く排除しないというつもりであります。

【今脇主査】  ほかに。はい、どうぞ。

【浦辺委員】  6ページのところなのですが、(エ)研究参画者というのがあります。それの3行目に、「なお、一時的に関わる者も含め、共同研究としての論文発表等の連名は差し支えありません」という言葉の主語がちょっとよくわからないので、ご検討ください。

 それから(オ)のサブ課題というのは先ほど申し上げたとおりです。

 それからその下の(4)のプラットフォームの利用のところ、これはシップタイムを活用することも可能というように書かれているのですが、4ページを見ると、用船費というのが、これぐらいの規模であれば、民間の船、1日百数十万円ぐらいで用船をすることが可能なのですね。そうしますと、用船費を書くことが可能なのか。プラットフォームが利用できないときにそういうものが可能かという質問が多分出てくると思うので、それについても記載していただければというように思います。

【今脇主査】  ありがとうございました。

【生川海洋地球課長】  大丈夫だと思います。

【今脇主査】  じゃあ、用船費も書いていただいたらいいですね。

【浦辺委員】  それであれば、書いていただいたほうがいいかもしれませんね。

【生川海洋地球課長】  そうですね。多分、並びとかもあるかと思うので、ちょっと検討させてください。今でも雑役務費に入っているのですか。具体的に書けるかどうか。なるべく書くようにしたいとは思いますけれども、調整させてください。

【今脇主査】  もう一つ、どうぞ。

【浦辺委員】  7ページの上から2行目なのですが、外部評価委員会で審査をするというのは、これはいいと思うのですけれども、ほかの競争資金の仕組みと比較しまして、2行目、3行目のところで、「検討委員会の委員により構成することとします」という2行は不要なのではないかなと思いました。つまり、この委員会は存在しているので、外部委員会の委員がその委員会ですというと、審査した人の名前が陽にわかってしまうので。

【今脇主査】  そうか。この報告書があるものね。報告書の名前そのものが評価委員だと、審査委員とか。

【浦辺委員】  ですので、後で公表するということは当然そうなると思いますけれども、事前にここまで書く必要はないのではないかなという気がしました。

【今脇主査】  おっしゃるとおりだと思います。これは我々に対して説明していただいたということで、応募する人には必要ない文章ですよね、2行は。

【生川海洋地球課長】  そうですね。今、主査がおっしゃったとおりなので、取ったほうがいいということであれば取ります。ただ、これは問題があるかというと、必ずしもそうでもないとは思っております。ほかのプログラムでも公募要領をご検討いただいて、その委員が明らかになった上で審査をいただくという形態をとっているものもありますので、明らかになること自体が、すなわち問題ということでは必ずしもないとは思いますが、おっしゃるように、いろいろな、働きかけとかがないわけじゃないとは思いますので、事後に公表させていただくことは必要になろうかと思いますが、事前には控えた方がよろしいかと思いますので、ここは削除するという方向でやりたいと思います。

【今脇主査】  ありがとうございます。ほかの競争的資金の審査では、大体は覆面ですよね、最初。後日公表ということにはなっていますけど。

【平委員】  今のことに関連してですけれども、技術的な問題で、我々の中でわからないことだって出てくる可能性もあるわけで、外部レビューを頼むということも我々のオプションとしてはあり得ると思うので、ですから、そこら辺も、そこまで書かなくてもいいです。外部評価委員会でやれることというのは、そういうことも含んでいるのだということだと思いますけれども。

【生川海洋地球課長】  そうですね。技術的な事項について、外部のレフリーに見ていただくというのはあり得るとは思いますので、プロセスはなるべく透明性を保っておいたほうがいいと思いますので、問題なければ、記述をするということも考えたいと思います。

【今脇主査】  それは評価委員会でどのようにやるかというときの話ですよね。公募の段階では特には書く……。

【平委員】  それは書いてもいいと思うし、書かなくてもいいと思うのですけれども。

【生川海洋地球課長】  審査のプロセスについては一応言及があります。例えば、2段階でやりますとか。具体的手続きをどこまで書くかということだと思うのですが、書くということも可能だとは思いますので、検討させていただきます。

【今脇主査】  ありがとうございます。

 それでは、大分時間が、もう終わりに近づいてきましたので、皆さんいろいろ積極的に意見をいただきまして、ありがとうございました。この公募要領につきましては、皆さんからのご意見を踏まえて、事務局のほうで修正していただいて、公募を実施していただくということにしたいと思います。きょうご欠席の委員には事務局から別途メールによって紹介をしていただきたいと思います。

 それでは、最後に、事務局の生川海洋地球課長より、一言ごあいさつをお願いします。

【生川海洋地球課長】  本日も委員の先生方には大変熱心なご審議をいただきまして、どうもありがとうございます。今日この海洋鉱物資源の探査に関する技術開発のあり方についてという「中間とりまとめ」をいただいたところでございます。これでこの委員会のミッションは終わりだということでは全くございませんが、1つの大きな区切りではあろうかと思いますので、この場をおかりして、一言お礼のごあいさつを申し上げたいと思います。

 この海洋資源の有効活用に向けた検討委員会におかれましては、昨年の12月以降ということでございますが、年末年始、あるいは年度末の大変お忙しい中、実質的に4カ月の間に7回もの会議を開催いただいたということで、月に2回に近いハイペースで、非常に精力的にご審議をいただいたところでございます。会議と会議の間もいろいろな意見照会などもさせていただいたところでございまして、委員の先生方におかれましては、きっと文部科学省、あるいは海洋地球課は人使いが荒いなということでご不満に思われている向きもあるのではないかと思います。特に浦辺先生におかれては、生川にだまされたというように思われているかもしれませんが、一方でそのような委員の先生の大変なご協力とご尽力を賜りまして、非常にすばらしく、かつ内容の濃い「中間とりまとめ」をいただくことができたと考えており、非常に感謝をしているところでございます。ここに改めてお礼を申し上げたいと思います。

 私ども文部科学省としては、今後、この「中間とりまとめ」をしっかり実施に移していきたいと考えております。具体的には、本日もご議論いただきましたけれども、まずは「基盤ツール」の今年度の新規公募を、この「中間とりまとめ」を踏まえた上で実施させていただきたいと考えておりますし、現在、編成作業が進んでおります補正予算においても、この「中間とりまとめ」で指摘をいただいております実証試験のための探査機等の整備の関係で数十億円規模の予算を確保すべく、現在、調整をさせていただいているところでございます。

 いずれにしても、私どもとしては、この「中間とりまとめ」を契機として、日本の資源探査技術の開発が大きく前進したというように後々評価をいただけるように努力をしてまいりたいと考えておりますので、今後とも支援を賜りたいと考えております。この検討委員会の先生方には、今もお願いをしたところでございますが、基盤ツールの審査、あるいはその後の検討などで引き続きご支援をお願いすることになると思っておりますけれども、もう嫌だというようなことではなく、ぜひご協力をいただければありがたいというように考えているところでございます。

 先生方のご協力に重ねて感謝を申し上げて、簡単ではございますが、お礼のごあいさつにかえさせていただきます。ほんとうにどうもありがとうございました。

【今脇主査】  それでは、今後の予定について、事務局からお願いします。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  ありがとうございました。本日は、「中間とりまとめ」ということでございますので、また、今後いろいろ技術の進捗状況も踏まえて、適宜、また審議、検討等をしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 先ほどの「基盤ツール開発プログラム」の公募につきましては、また公募要領がまとまった段階で反映状況も含めて確認をいただくととともに、審査云々の話もきょうお願いしたところでございますので、またそれについては別途、6月ぐらいに審査をやる予定でございますので、公募を始めるぐらいのタイミングでご相談申し上げたいというように思ってございますので、またその際はよろしくお願いいたします。本日はほんとうにありがとうございました。

【今脇主査】  それでは、以上をもちまして、きょうの委員会を終了いたします。どうも皆さん、ご協力ありがとうございました。

 

―― 了 ――

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