海洋資源の有効活用に向けた検討委員会(第6回) 議事録

1.日時

平成21年3月16日(月曜日)14時~16時

2.場所

文部科学省5階 5F3会議室

3.議題

  1. 海底鉱物資源開発に資する技術開発の検討について
  2. その他

4.出席者

委員

浦辺、阿部、浦、沖野、鈴木、平、瀧澤、増田、宮崎 各委員

文部科学省

生川海洋地球課長、久保池企画調査係長

5.議事録

【浦辺主査代理】  それでは、時間になりましたので、ただいまより第6回科学技術・学術審議会 海洋開発分科会 海洋資源の有効活用に向けた検討委員会を開催したいと思います。ご多忙中にもかかわらず、大変回数の多い会議ですけれども、ご出席いただいてありがとうございます。今日はごらんのとおり、今脇主査が所用でいらっしゃいませんので、私、浦辺が代理として議事を進行させていただきます。よろしくお願いします。

 今日は、ほとんど資料のディスカッションに時間が使えるということで、大変皆さんには詳しく議論していただきたいと思いますけれども、まず最初に、事務局から資料の確認をお願いします。

【久保池企画調査係長】  今日の資料は大きく2つになります。頭に議事次第、委員名簿がついた後に、資料11として、報告書中間取りまとめの案、資料12として、中間取りまとめの中にあります海底熱水鉱床を中心とする海洋鉱物資源の探査に必要となる技術を、具体的にわかりやすく整理した表をつけさせていただいております。それから、机上配付になりますが、お手元に、平委員から海底熱水鉱床の概念図ということで図示したものをいただきましたので、こういうものも使いながら、本日は報告書に関する議論をしてまいりたいと思っております。

 以上です。

 

 

(1)海底鉱物資源開発に資する技術開発の検討について

【浦辺主査代理】  それでは、中間取りまとめについて議論していきたいと思いますので、説明のほうをよろしくお願いいたします。

【久保池企画調査係長】  まず中間取りまとめについては、前回の委員会で4ポツ、5ポツの部分を中心に議論していただいて、それ以外の部分は事務局の素案ということで出させていただいておりました。この中で必要となる技術については、海底の熱水活動を伴っている鉱床、それから、熱水活動はとまっているけれども、まだ埋没はしていない鉱床、それから、堆積物等に埋没している海底熱水鉱床に分けて、表に取りまとめてご審議、ご議論いただいたところです。

 前回の議論と、それから、委員会の後にメール等で皆さんにご紹介させていただいたコメントを踏まえ、必要となる技術の表、それから、報告書の案を先週の木曜日に委員の皆様にメールでお送りさせていただいたところです。

 少し報告書についてレビューをしてまいりたいと思いますので、資料11をごらんください。1枚おめくりいただいて、目次が左側に載っております。この委員会で審議いただきました目次のとおりとなっておりますが、順にめくりながらご紹介していきたいと思います。

 まず、議論の第2回目でしたでしょうか、Executive Summary、要約と結論ということをつけるべきだということで、最初に2ページほど全体の報告書を簡単にまとめたものをつけております。

 その後、委員名簿と、これまでの審議経過をつけさせていただいた後、「はじめに」として、平成19年に海洋基本法が制定されたこと、それから、平成20年に海洋基本計画が閣議決定で策定されたこと、それを受けて現在、10年以内の海底熱水鉱床の商業化、あるいは、コバルトリッチクラストの調査・開発のあり方を検討するということが海洋基本計画と言われている。文部科学省においては、経済産業省等とも連携しながら、「海洋資源の利用促進に向けた基盤ツール開発プログラム」という競争的資金の新規公募や、海洋研究開発機構における技術開発のベースとするための議論も、本海洋資源の有効活用に向けた検討委員会で行っていただいているということを、初めに簡単に書かせていただいております。

 2ポツとして、検討の背景でございますけれども、最近海洋資源の探査を行っている会社がございますので、そういう海外の動向、それから、民間においても平成20年度に商社、海洋開発会社等から構成される研究会なんかが発足し、議論も行われていること、それから、政府としては、平成20年度中に「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」を関係府省との連携のもと、策定することとされたといったような周辺状況を記しております。

 3ポツといたしまして、海洋鉱物資源の探査に係る現状と課題といたしまして、まず(1)海洋鉱物資源とはということで、ここでは海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、それから、この報告書には主として取り上げないのですが、マンガン団塊といった海洋資源があるという、それぞれの定義を書かせていただいた後、(2)といたしまして、海底熱水鉱床のそれぞれの探査の現状と課題を書かせていただいております。

 特に海底熱水鉱床は、これまで15カ所程度、海底熱水鉱床がありそうだという兆候が確認されているところが見つかっているわけですけれども、既存の探査手法では、なかなか堆積物は埋没しているような鉱床が見つからないといったような課題を書かせていただいております。

 それから、コバルトリッチクラストについては、昭和62年からJOGMECを中心に、さまざまな海域においてコバルトリッチクラストの探査を行っているわけでございますが、厚さを計測、把握するための調査手法がなかなか確立していないというところを課題として書かせていただいております。

 その後、探査機技術の現状と課題といたしまして、海洋研究開発機構が所有しております「うらしま」で、これまで熱水の噴出域における熱水マウンド、それから、チムニー等の詳細な分布や形状をイメージングしていると。そのほか、「ハイパードルフィン」、1万メートル級の探査能力を持つ「ABISMO」等のROVも開発されている。それから、東京大学の生産技術研究所で「r2D4」を開発し、平成17年度、平成19年度に明神礁、ベヨネース海丘のカルデラ内にAUVを潜航させ、サイドスキャンソナー、TVカメラ等の観測を行うことに成功したということを書かせていただいたおります。

 ただし、課題としては当然、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラストといった海洋鉱物資源の探査には、主に調査船、観測船を使っているわけですけれども、観測船なんかを使うとなかなか強風、波浪等といった外力を受ける、あるいは、精度の向上に限界がある。それから、今度、探査機を使いますと、資源探査に活用される探査機に求められる性能、機能なんかは体系的な検討がこれまで行われてきておらずに、資源探査を効率的・効果的に行うための開発が十分に行われていないという現状も、課題意識として書かせていただいております。

 (5)として、国外、外国の現状として、宮崎委員からご紹介がございましたけれども、さまざまなAUV等の技術が開発されているけれども、まだ資源量を効率的かつ効果的に探査するための探査機技術というのは、十分ではないのではないか。探査技術、探査機技術の両方がまだ十分ではないのではないかというように課題として書かせていただいております。

 ゴシックになっております4ポツ、5ポツについては、後ほど表のほうでご説明をさせていただきたいと思います。

 飛ばしていただいて、12ページまで飛んでいただいて、6ポツといたしまして、このように今後、開発されるべき探査技術というのは、科学的調査等に応用できるということ、それから、そこで得られたデータについても、さまざまな分野、科学的調査、それから、陸上の鉱床なんかの探査にも役に立つのではないかということを書かせていただいております。

 7ポツにおいては、特にここで申し上げたいのは、ポツの5つ目になりますけれども、探査機技術、それから、探査機に搭載するセンサー等の技術は、AUVROVなど深海探査機のシップタイムを確保することが現象はなかなか難しいということで、今後、加速的にこれらの技術開発を進めるためには、AUVROV等の探査機、それから、支援母船なんかを整備し、シップタイムを確保することが重要ということを書かせていただいております。

 そのほか、環境に対する影響も考えられますので、環境保全の技術を踏まえた探査技術の開発。それから、この分野は技術者、研究者の質・量が不足しているという報告もありますので、人材育成の取り組み。それから、研究者のすそ野を拡大していく意味での新たな方策を検討することは必要ということを書かせていただいております。

 4ポツ、5ポツのところは、資料12のほうの表をごらんいただければと思います。前回の委員会では2枚紙にしていたのですが、少しまとめさせていただいたところです。今回、海底熱水鉱床に関しては、探査モデルとして、ア、イ、ウと書いておりますが、それぞれ報告書とリンクしているものでございますが、アとして熱水活動を伴っている海底熱水鉱床、イとしまして熱水活動は停止しているけれども、堆積物等によって埋没していない鉱床、ウとして堆積物に埋没してしまっている鉱床というのを、3つモデルといたしまして、それぞれの探査レベルを100キロオーダー、10キロオーダー、1キロオーダーに分けて書かせていただいております。

 いろいろ議論をしていくうちに、探査の対象がどういうものであるのか、しっかり議論しておくことが必要ということもいただきましたし、それから、前回の委員会で100メートル、200メートルと深く埋まってしまっているものを探しても、なかなか実際、商業化に結びつかないといったような話もありましたので、今回はモデル鉱床の大きさを仮に500メートル掛ける500メートルの水平的な広がり、厚さ方向の広がりを10メートルといたしまして、賦存地域が3,000メートル以浅、3,000メートルより浅いところにあるという前提で下の技術を書かせていただいております。

 探査における着目点としては、大きく3つに分けられると考えておりまして、1つは、海水、熱水起源の金属成分の検出、水温異常・濁度なんかを観測することによって、海底熱水鉱床の兆候を見つけるような探査。Bといたしまして、カルデラ地形等の大構造であったり、もう少し狭い範囲でありますとチムニー等の発見なんかという海底地形に着目した探査。海底下の構造であるとか物性、周辺の母岩と鉱床の物理的な特性の違いなんかを把握することによりまして探査する手法という、大きく3つに分けられるかと考えております。

 その下に、既存の技術と、前回、高度化が求められる技術と、それから、革新的な技術により開発が必要な技術ということで2つに分けて書いておりましたが、どこに置くかというのが少し難しいという議論もありましたので、まとめて書かせていただいております。

 今後も開発が求められる技術については、順番に見ていきますと、まず海水については、AUVと自動計測可能な化学センサーを用いた金属成分の検出等があり得るであろうということで、10キロオーダーのAのところに書かせていただいております。

 前回の議論の際、お示ししたペーパーでは、100キロオーダーのAのところにも化学センサーが入っていたのですが、そこまで海水成分の異常が100キロオーダーであらわれてくるかというと、なかなか難しいというお話もございましたので、この表、Aのマル1のところからは削っている次第でございます。

 それから、海底地形に着目したものとして、AUVと音響装置による地形計測を1つの技術として挙げております。特に100キロオーダーについては、高精度化として、現状、特に船舶から地形を計測した場合には、おおむね数メートル程度の精度だろうと思いますが、それを数十センチ程度に、AUVなんかを使って高精度化していく。10キロオーダーあるいは1キロオーダーであれば、それを数センチまでにさらに高度化、高精度化をしていくということになろうかと思います。

 メインになってきますのは、海底下構造・物性の違いを見るという探査手法でありますけれども、まずは、磁力、重力なんかをごらんください。磁力、重力については、100キロオーダーと10キロオーダーのところに書かせていただいております。

 磁力、重力というのは周辺の地形とか、そういったものとあわせて解析することが重要だと考えられますので、より広い範囲でその異常をつかむという観点から、100キロオーダーと10キロオーダーのところに入れさせていただいております。

 これらは、AUVROVあるいは曳航体を使って、広い範囲で探査することが重要ではないかと考えております。数字については1ナノテスラを0.5ナノテスラということで、磁力については、堆積岩の地球磁場に対して熱水活動による消磁を検出できるレベルという数字を挙げさせていただいております。それから、重力については、現状の1ミリガルを0.5ミリガル程度まで高感度化させるということで、この数字は、鉱床の厚さを10メートルと今回仮定しておりますので、堆積岩と鉱床の密度差を1グラム/立方センチメートルとして、想定される重力異常を書かせていただいております。

 そのほかに、100キロオーダーといたしましては、AUVROV等を使ったサンプリングシステムの高度化ということで、正確な位置を把握する技術、採取を効率的に行う技術なんかを挙げさせていただいております。

 そのほか重要ではないかと、特に浦辺先生からいろいろお話をいただきましたが、成因論等による、有望鉱床の絞り込みを行う技術なんかも開発が必要なのではないかと考えております。

 それから、音波、電気探査、電磁気探査については、10キロオーダー、1キロオーダーのところに挙げさせていただいております。それぞれAUVROV・曳航体といった動くものを使ったものと、それから、接地、地面に接するような形で探査する技術の2つがあろうかと思います。AUVROV・曳航体を使った探査においては、10キロオーダーのカルデラ、主にカルデラ内になろうかと思いますが、そういった範囲を見られるような探査手法、それから、接地型、地面につくような形で探査を行う技術といたしましては、特定の鉱床において、資源量評価を行う際に、非常に有益となる情報をこれらの探査で得られるかと思っております。

 数字については、それぞれ挙げさせていただいておりますが、簡単に見ていきますと、音波、地震波探査の場合は、AUVを使った場合は、これまでの分解能である、水平分解能50メートル、垂直分解能5メートルを、それぞれ20メートル、1メートルまで細かくしていく。あるいは、深さ100キロメートルまでの計測を可能にしていくといったようなことを書かせていただいております。一番右側に移っていただいて、特定の鉱床の場合は、水平分解能50メートル、垂直分解能5メートルを、それぞれ10メートルと1メートルにする。それから、地面に置くような場合であれば、水平分解能5メートル、垂直分解能50センチという数字を入れさせていただいております。

 それから、電気探査、電磁探査については、おおむね同じ数字が入っておりますが、まずAUVROV・曳航体を使った電気探査あるいは電磁探査であれば、これまでの100メートル程度の三次元的な分解能を20メートルにまでしていくとともに、深さ100メートルまではかることができるようにすべきであろうかと考えています。また、資源量評価を行う際に、特定の鉱床、1キロオーダーの探査を行う場合には、これまでの分解能100メートルを10メートルに、さらに詳細に見ようと、接地型にする場合には、これも10メートル程度まで分解能を高めていく必要があるのではないかと考えております。

 それから、一番下の段になりますけれども、求められる探査機技術として、特に100キロオーダーの広範囲の地域から、鉱床の賦存地域を絞り込む際には、AUV等を使った長距離の無補給航走なんかが必要ではないか。それから、より狭い範囲、10オーダーあるいは1キロオーダーの探査のときには、AUVの高精度かつ安定的な航走が必要となってくるのではないかと考えています。また、どの範囲の探査を行う場合にも、高出力が可能な電源システムの開発であるとか、特に海底熱水鉱床地域は斜面になっている部分も多いと聞きますので、急傾斜地あるいは凹凸面でも作業可能なROVであるとか、また、さまざまな母船に搭載して探査を行うためには、小さくかつ軽い、AUVあるいはROVの開発も必要なのではないかと考えております。

 色分けは緑と赤、青で示しておりますが、それぞれ赤は今後、特に研究開発が必要ではないかと考えられる項目、緑色として、ROVAUV等の開発実績を有する機関において研究開発が望まれる項目、青字といたしまして、現在、競争的研究資金、「海洋鉱物資源の利用促進に向けた基盤ツール開発プログラム」で実施中の課題という3つに分けて書かせていただいております。

 前回の資料では、ア、イ、ウのそれぞれ鉱床のフェーズに応じて分けて書いておりましたが、イ、ウのように熱水活動がとまると、まず海水分析による探査が消えてきて、それから、ウとして堆積物中に埋没した場合には、チムニー等の特定もできなくなりますので、それぞれが消えてくるということで、1枚にまとめさせていただいております。

 簡単にレビューさせていただきました。以上です。

【浦辺主査代理】  どうもありがとうございました。

 結構分量が多いのですが、今、説明していただいた資料11と資料12について議論していきたいと思います。これはやはり数字等がたくさんあって、一遍にぱっと見ると、どこが問題なのかわかりにくいところもありますけれども、きっちりそこら辺も詰めていければと思います。時間は十分にありますので、平先生の図も参考にしながらやっていきたいと思います。

 まず基本的には、資料12の図のほうが、表のほうです、あれですが、これは鉱床の探査モデル、一番の上のところに、熱水活動を伴っている、停止しているけれども埋没していない、埋没しているということで、このようなもの。その次に、そのモデル鉱床の規模などというものが具体的に書かれていますけれども、ここら辺のところは、皆さんよろしいのだと思いますが、このような仮定が書かれていて、その下に非常に詳細な数字が書かれている。この詳細な数字についても、将来的にはやはり競争的資金で研究開発を実施するという場合に、非常に重要になってきますので、これについても、専門家の皆さんのご意見をお聞きしたいということになると思います。

 一応どういうような順序で話をしていくかですけれども、最初少し、今、説明があったような順序でやっていって、それからまた個々の面に、ちょっと行ったり来たりをしないと、なかなか急にぱっと全部のことはシステマティックにコメントできないと思います。

 それで、ここでは100キロメートルオーダーのところで行きますと、まずBの海底地形のところ、100キロメートルオーダーのBの海底地形のところでは、AUV等と音響装置による地形計測で、これが高精度化、数メートルから数十センチ、もう少し細かいところもあれかということで、これは青字ですので、今現在、実施中の研究開発ということですね。この辺はちょっと浦さん、どうですか。

【浦委員】  今、この青字で書いてある基盤ツールの開発で、今年度から始まって来年度、再来年と進むところで、合成開口を含むインターフェロメトリソナーやなんかで、10センチオーダーの凹凸が図れればというのが進んでいるわけで、それは期待できるかなと。今、メートルあるいはサブメートルあたりはできるようになってきたので、技術的にはAUVとの関係ですけれども、音響装置としては二、三年のうちにはもう行けるのではないかと思っていますね。

【浦辺主査代理】  ちょっと質問……、これはたくさん、何回か出てくるのですが、こういうことを考える上でソフトとハードの問題があると思うのですね。ソフト的に難しいもの、これはAUVに限らず、磁力、重力、その他ですけれども、機械としてやるということと、それから、そういう観測値、いろいろなものをソフト的にやって、このような精度を上げるとかいうようなことをちょっと分けて考えたほうがいいかなと思うのですが。このAUV等と音響装置による地形計測の場合には、どちらが問題になってくる……。

【浦委員】  今現状は、ハード的にはプラットホーム技術で、AUVがピッチもロールもしないでステーブルに動いてくれる。これはとても重要なポイントです。それは例えば斜面をうまく、そういうことがなく動かすというのはわりと難しいので、難しいなというところですね。あと、センサー開発、トランスデューサーなどの基本的な開発は現在やっているところですが、それはめどがつくのじゃないかと。

 今、浦辺先生がおっしゃっているように、ソフトです。それをいかに高速に早くアナリシスして、よりよい精度のものをつくり出すかというのは、現在用意してやっているところだと思います。そういううまいものはなかなかないですね。合成開口使用にしても、道具立てに合ったようなやり方、プラットホームに合ったも含めてですが、それをやっていかなきゃならないので、両者がマッチしてやっていかなきゃいけないのは、とても面倒くさい、ハードとソフトですね。

 インターフェロメトリによるのは、例えば現在のものは、3対のハイドロフォンでやっているのですけれども、それを5対に上げると、精度が今のサブメートルから10センチオーダーへと行くのだと。それから、解析技術速度もすごく早くなるということなので、研究がされているところじゃないかなというわけです。

 ですから、それが載るようなロボットをつくっていく、プラットホームをつくって、かつ安定……、先ほども前のほうの資料11にありましたが、安定的に動くロボットというのはなかなか難しくて、地形も複雑だとどのぐらいの高度からやっていくかということがあるのですが、両方の兼ね合いでしょう。

【浦辺主査代理】  そうすると、宮崎さん、これの場合のハードとソフトの問題があると思うのですけれども、ちょっと最初、AUVに話を限りますと、そこら辺のところは何とかなりそうな感じなのですね。ここのところは、要するに青のところで大丈夫という。

【宮崎委員】  プラットホームの件については、浦先生のおっしゃったとおりの問題がまだまだあるかと思います。それから、JAMSTECでは試みているのですが、ソフトの部分もある程度やっていますが、まだまだ時間がちょっとかかりそうなところがございます。ですから、浦辺先生のおっしゃったようなソフト、ハード、両方から攻めているところですけれども、私たち、お金がかかるというのがありますので、もう少し資金が投入できる、あるいは、人材を確保できれば、そのことが必要かというところですね。緒についたというところはあります。

【浦辺主査代理】  お金がかかるというのは、どっちにお金がかかるのですか。

【宮崎委員】  両方かかると思いますね。ソフトのほうも、今、こつこつはやっておりますが、やはり二、三年で結果を出すには、きちっとメーカーを引き込んでやることが必要かと思っております。

【浦辺主査代理】  それが次の100キロオーダーのCのところに代表的に書かれていますが、AUV等にいろいろな磁力探査、重力探査、そういうものを載せていくときに、AUVの上下振動への対応とか、正確な位置把握、採取の効率化、その他、幾つかのAUVの本体のほうの問題もここに書かれているのですが、特に赤で書いてあるところで、AUVの上下振動の対応ですね。100キロのCの真ん中辺ですけれども、それから、緑のところで位置把握とか、そこら辺のところがここら辺では問題になってくるかなと思うのですが、これはソフトの問題とハードの問題にもう一度分けるとどういうことなのでしょうか。ここに赤で書いてあって、こう書いてあると、できそうなことなのでしょうか。

【浦委員】  まず赤のほうは、今申し上げましたようにハード的なロボットのAUVとか、ROVも一緒で、AUVの運動能力は開発すればできますね。そういうようにデザインをしなくちゃいけないから。要するに、ヘリコプターをつくりたいときに、ジェット戦闘機の研究ばかりやっていたのじゃヘリコプターはできないので、ヘリコプターになるようなデザインをする。それはAUVデザインにおいて非常に重要なところです。

 それが、その次の重力探査とか、その上の磁気探査にも関係するのですけれども、どの程度の振動、運動が許容できるかというのもスペックが示されないと、なかなかわかりにくいというようなこともあるのじゃないかなと。1ミリガルがはかれるようなものをロボットに載せる、ロボットが運動するというのはなかなか大変ですね。センサーはそれをはかれるかもしれない。だけど、AUVの運動の中にそれが埋没してしまうので、それは大丈夫かなというような気はします。なかなか重力は難しいところがありますね。

【宮崎委員】  同じ、まさに先生がおっしゃったとおりで、例えばAUVが走ったときの磁界とか、雑音としてとらえしてしまうことがありますので、例えばAUVの後ろにしっぽを出してやるとか、今、曳航体なんかまさにしっぽを出してやっていますが、曳航体だとみずから音を出す、あるいは、雑音を発生するのが少ないものですから、まだやりいいのですが、AUVでモーターを回したり、あるいは、いろいろな音響をやったりしたときの影響とか、そういうのがないような、先生がおっしゃったような、やっぱりそれに合ったAUVをつくる必要があるかと思います。

【浦委員】  それとついでに、その次、サンプリングですが、ROVはサンプリングができるものですが、100キロオーダーのところにROVを出していくと、母船も連れていかなきゃならないから、なかなかつらいなというのがあって、現実的にはAUVが何か簡単なものをサンプリングできればいいかなと思うわけですよ。なぜならば、AUVは大型母船が、大型というのは1,000トン以上というような意味ですが、なくても行けるケーブルレスですから、そこのアドバンテージを生かしたサンプリングシステムというのは必要じゃないかと。例えば1,000メートルもワイヤでおろして、いろいろやっていくというのはとても大変なことなのですね。それは、そろそろそういうことができる状況になっているかなと思います。

 それから、もう1つついでに、上の青字で書いてある磁力探査ですが、これは前々回浦辺先生のほうから、例えば磁力でぽこぽこと穴があいているのが見えたという例がアメリカから報告されているという話を聞いていたのですが、それを含めて、我々がとってきた磁力計のデータをいろいろ分析して、浦辺先生がおっしゃっていたものは、拡大軸でわりとモノトナスなところに熱水がわいていると。そういうところでは消磁化が起こったところに、周りからは際立ってわかりやすい形になっているのではないかなと、いろいろな人にちょっと意見を聞いてみたのですけれども。

 それで、今、我々のあるような背弧海盆というのですか、ああいうような火山地帯といったらいいのでしょうか、みんな火山地帯、ちょっと専門的によくわからないのですが、ああいうところだと、いろいろなことが前、平先生がおっしゃったようにぐちゃぐちゃになっていて、それで、磁気的な場がホモジニアスじゃないので、何だかわけがわからないと。私の実は幾つかデータをやっているのですが、これで何がわかるのかなと。ここの具体的なある熱水鉱床の場ですけれども、特徴的な、磁力的な何かものが周りのバックグラウンドのぐちゃぐちゃの中に入り込んでいってしまって、どうもよくわからない。データをたくさんとって、まだ今後やらなきゃいけないのですけれども。それをするためには、AUVは重力的な場と運動が安定しているのでいいのですが、強力な武器になるかどうかは、もっとAUVを何度も動かして、それで、磁場を計測するという努力をしないと、ここは見えてこないかなと。

 とにかく、これは100キロメートルのオーダーの中のカルデラなんかが、ぐちゃぐちゃした場で、数百メートルの熱水のわいたところの磁気場というのですか、アノマリーがうまく開発できるかなというのは、まだまだ経験を積んでやっていかなきゃいけないのじゃないかな。

 ですから、やらなきゃならないのですが、現状では、現システムを使ってどんどん観測して、計測をして、実際にどうなっているのかというのを調べればいいのじゃないかなと私は思います。

【浦辺主査代理】  沖野さん、どうですかね。AUVのまず磁力と重力の話が出たので、ちょっと磁力のほうから、後からの話ですけれども、磁力のほうで見ますと、これは100キロオーダーと10キロオーダーの両方に入っていて、それに重なる距離かなということですね。これをどう火山とかカルデラに応用するということは、どうでしょうか。

【沖野委員】  浦先生もおっしゃったとおりで、島弧や何かの場合ですと、100キロとかのオーダーにわたって、比較的基盤が同じということがないので、どちらかというと、ねらいは2のもっと小さいオーダーになったときの変化を見るというほうがいいかなと。過去にきれいに消磁のパターンが見えたりするのは、中央海嶺の軸なので、100キロとは言いませんが、数十キロにわたって、基本的に正の磁化が同じぐらいあるところに、ぽんぽんと熱水による変化が起きているので、わりとわかりやすいですけれども、島弧や何かですと、その間にものすごく多分バリエーションはあり得るというのは言えると思います。

 あと、ついでなので先ほどのハードとソフトの意味でいうと、磁力は別にセンサー自体は陸のものも、海のものも同じですので、基本的に今の時点でセンサーそのものは、大体0.1ナノテスラですね。これは何で陸上が1と書いてあるのかが、いま一つよくわからないのですが、なので、センサーの感度自体は別に十分なのですね。ですが、それを実際に現場で観測したときに、0.1ナノテスラの違いがわかるかというと、これがわからないと。ですから、実験室みたいな状況で、センサーの感度という意味では十分達成されている、十分なほどに。

 ですが、例えば海の場合は、AUVにつけるにせよ、何にせよ、1つは移動体につけるということと、磁性物体につけるという両方の要素で、現実的には多分10ナノテスラぐらいの変化が見られれば、もうちょっと見られるかな、数ナノテスラの違いは今のレベルで見えるとは思うのですけれども、その辺が問題であろうと思います。

 ですから、センサーのハードウエアというよりは、載せるものとのマッチングの問題と、あと、どうしても観測上は雑音を消しきれないので、それを解析技術としてどこまで分離できるかという解析技術の問題になると思います。

 あと、この文章の堆積岩の地球磁場に対して熱水活動による消磁をというのは、何か若干文章が変な気がしますが。

【浦辺主査代理】  そうですね。これどう書いたらいいかな。

【沖野委員】  周囲の岩石の磁化の熱水活動による変化を検出できるレベル、何か少し作文すればいいと思うのですが、今のままだとかなり違和感のある文章かなと思います。

【浦辺主査代理】  そうですね。ここは今までと、例えばカルデラがありますね。そのカルデラの中で、どこに鉱床があるのか。その場合に、10キロメートルオーダーですけれども、いろいろと詳しく調べて見ると、ここのところは消磁している。直径500メートルとか、1キロぐらいのところで消磁をしている、こっちはしていないと。そうすると、しているところは水が回ったのだろうから、そこら辺はあるかもしれないと。そういうようなレベルでは島弧でもやられている例があるのですね。

 ただ、それは火山帯全体の帯磁率の問題とかがあって、次の山に行く間は、また別のものがありますから、結構細かなレベルで、やはり地形とか、いろいろなものをあわせて、火山がどういうような岩石でできているかとか、そういうものともあわせて見てみないと、ただただ何の地質的な情報もないところで、磁力のパターンを見て、「はい、ここにあります」というのは相当難しいだろうなと。

 ただ、このような平先生が書かれているような、こういうようなものがありますと、こういう熱水が上がってきている。そうすると、ここのところはこの周りに比べて、消磁、磁化率が下がっている、こういうような意味ではよくわかるのではないかなと思いますね。

 ここの書き方はなかなか難しいのですけれども、このブルーは既に実施中の研究計画ですけれども、赤になってくると、今後やるものですが、そこの文章なんかはどういうように書いていいのか、ちょっと難しく、よく考えて議論していただければと思います。

 今、磁力に関して言えば2つの問題が出てきて、センサー自身はできるのだけれども、キャリアの問題というか、プラットホームの問題がある。それから、プラットホームの持っている磁化と、実際のシグナルをノイズから分ける分離の問題、2つの問題が磁力探査の場合にはあるというご指摘だと思います。

【浦委員】  ちょっとよろしいですか。今の磁力計のCのところ、青字になっているところは、基盤ツールで磁力探査というのをやっていることになっているのですけれども、これはちょっと違うのじゃないですかね。いいのですか。

【久保池企画調査係長】  この数字でやっているか、あるいは、この目的でやっているかという色分けではなくて、広い意味で、磁力探査を課題として、今、公募しているという意味で書かせていただいておりますので、実際、消磁を見ているかどうかというところもいろいろあると思います。消磁だけではなくて、磁性鉱物が埋まっていればそれを見るということもあるでしょうし、広い意味で、磁力探査を基盤ツールの課題でやっているという意味で、青い色をつけさせていただいております。

【浦委員】  わかりました。ちなみに、我々のとっているデータだと、10ナノテスラぐらいの差は見える。それから、今のロボットに載せて、数ナノテスラですね。だから、それを1ケタ下げるという努力が必要なのかなと思います。だから、現状の私どものAUVに載せてやれば、数ナノテスラの差はわかります。

【浦辺主査代理】  これはどうですか。

【沖野委員】  探査という意味では、数ナノテスラのレベルで安定してとれれば、多分、用途は足るのですね。それが、例えばわりと地形的に厳しいところなり、何なり、そういういろいろな意味を含めてです。

【浦委員】  私どものやったところですと、40メートル高度と、100メートル高度に2系統変えて、ある平面をずっと探査しているのですけれども、ほとんど同じデータがとれました。AUVはわりとキャリブレーションが楽なのですね。自分でぐるぐる回って、宙返りだってしようと思えば、その気になれば宙返りできるので、磁力計のキャリブレーションは、わりと積極的。ROVはそれは全然できないし、わりと強力なパワーのあるというか、マグネットを使っているので、なかなかつらいところがあるかなと。AUVのアドバンテージだと思いますね。

【浦辺主査代理】  それで、ここの磁力探査のことをもう少しあれしますと、分離の問題と、それから、こういう何を見るか、消磁を見るのか、磁化を見るのかというようなこともありますけれども、これのもう少しソフト的なことを考えると、例えばこれは、海面上の船からももちろん磁力探査ができますね。船から引っ張って、曳航式のセンサーをやるというようなこともできますし、それから、AUVでいろいろ高度を変えて探査ができる。そうすると、その高度を海面、それから、海底に非常に近く、あるいは、その中間、幾つかの高度を変えることによって、これが見えてくるものが変わってくると思うのですけれども、それのそういうようなことをすることによって、地下に何があるかというようなことを見ると。その可能性というのはどうですか。

【沖野委員】  高度を変えてはかるのは非常に大事で、磁化しているものの深さがわかる可能性があります。ただ、島弧や何かの鉱床の場合、水平方向のスケールが多分それほど大きくないので、例えば1キロ四方に何か磁化した固まりが、架空ですけれども、あったとして、海底近傍ではかる、それから、その少し上ではかるというのはありますけれども、それは船で見ると、多分、短波長成分は落ちているので、そこまで大きなバリエーションはなかなか見えないですね。船、中層、海底近傍というので、よくわかるのは、もっと大きい構造なので、鉱床探査という意味では、ROVなりAUVなりをうんと近くと、少し上なり何なりという形でやっていくということかと思います。

 高さを変えるのは非常に重要で、多分、今、基盤ツールで佐柳さんがやろうとしているのも、それが1つの課題だと思っております。

【浦辺主査代理】  一応、磁力のことはそういうような幾つかの問題がありますね。プラットホームの問題、それから、ノイズの問題、それから、高さを変えてやって、それをソフト上で、そういうものから、地下の情報を得るためのソフトの問題、こういう問題があって、単にセンサーだけの問題というよりは、むしろそちらのほうが大きいかもしれないというようなことが、今の議論で大分わかってきました。

 それでは、また戻ることもあると思いますけれども、次に、重力探査ですが、重力探査はやっぱり100キロのところ、それから、10キロのオーダー、2つのところでAUVROV・曳航体を用いた重力探査ということで、ほぼ同じ文章が書いてあります。これは高感度化ということで1ミリガルを0.5ミリガルというのが、鉱床の厚さを10メートル、堆積岩との密度差を1グラム/立方センチメートルとし想定される重力異常ということですが、ここも堆積岩というよりは、周囲の岩石、普通の珪酸塩の岩石ですね。周囲の岩石との密度差が1グラム/立方センチメートルとして想定される重力異常をできるかということですが、これの上下振動というのが重力とどういう関係にある、どれぐらい上下振動すると、これがだめなのか、ちょっとそこら辺を教えていただけませんか。

【浦委員】  ロボットをとにかく、なるべくヒーブとピッチをさせないと、なるべくというとあれなのですが、これはとても大変です。

【沖野委員】  ちょっといいですか。これは、私、前回休んだので、ちょっとよくわからないのですが、飯笹さんがプレゼンテーションされたときのは、要はとまってはかる。

【浦委員】  とまってはかるね。

【沖野委員】  それを想定しているのですか。この書き方は、これは移動しながらはかることを想定しているのですか。

【久保池企画調査係長】  ちょっと補足させていただきます。我々も重力探査というのは、地形と見ながら周辺のアノマリーを探していくということで、接地式よりは、動きながら、あるいは、動いていって、止まって、また次のところへ行って動いてというような広範囲の観測を行ったほうが、より広い地域から鉱床がありそうな地域を探せるのではないかということで、動きながらというのをメインに考えています。

【沖野委員】  それはほんとうに動きながら、時々刻々はかるというイメージで書かれている……。

【久保池企画調査係長】  重力はなかなか、動きながらというと、ちょっとできるかできないか、技術的なところもあろうかと思いますので、動いてはとまり、接地しないでとまりというのはあるかなと思っています。

【沖野委員】  接地しないでとまる、ホバリングしている。

【浦委員】  接地すればいいのだと思うのですけれどもね。

【沖野委員】  飯笹さんのは、何か接地させるイメージでやっている。

【浦委員】  接地させるのですね、だから。

【久保池企画調査係長】  実際、物を置いてというよりは、もしかしたらROVなんかを使って着陸して……。

【沖野委員】  AUVは着底しているのですよね。

【浦委員】  AUVも着地すればいいのですよ。それはできなくはないです。それじゃないと、ちょっと苦しいから。

【沖野委員】  と思います。

【浦委員】  僕らも15年ぐらい前から、東北大の藤本先生たちと、前のアールワンというロボットを使って重力計ではかっていたのですけれども、なかなか大変で、それはそうなので、何せ自動車にこれを乗せて走っているようなものですからね。もちろん自動車より加速度は小さいのですけれども、そこで、こういう小さい重力異常をはかるというのは、とても大変だということは痛感いたしましたね。

 ただ、この間の飯笹さんのプレゼンだと、とにかく置いて、重力をきちんとはかればいいんだというおっしゃり方で、そういうのをやればいいんじゃないかとおっしゃっていたので、それは大変もっともだと。それを運ぶのは、だれが運ぶかですけれどもね。あちこちに置くのだと、ROVだと広い面積をカバーするのはつらいから、AUVを持っていって置いていってもらって、次々置いていくというようなようにすればいいのではないかというようなのは、我々的なアイデアですけれども、それはやればいいんだと思います。AUVにとって、置いていくのは簡単なのですよ。

【沖野委員】  置いていくというのは。

【浦委員】  置いて、要するに、地面の上に接地させて置くわけです。放してしまって、またつかんで、次のところへ持っていってというのはAUVはできます。たけど、嫌なのはサンプリングなのですよね。なぜサンプリングが嫌かというと、つかんだら放せなくなって、そのままどうしていいかお手上げになるというのが一番嫌なので、今のAUVの実力としては、サンプリングはなるべくしたくないのですね。海底に置くのは簡単です。すぐできます。

【沖野委員】  ただ、そういうスタイルだと、やはり2番目のオーダーの話だと思うのです。

【浦委員】  でしょうね。

【浦辺主査代理】  重力探査は、陸上では阿部さん、あまりよっぽど大きい鉱床でないと、こういうのは使わないですよね。

【阿部委員】  いや、結構使っていますよ。このごろ、わりあい使うのは、私はよく物探の専門じゃないですからわかりませんけれども、BHPなんかでは飛行機へ積んで、それで、あれは差分か何かをとっているのですか。かなり広範囲を一遍に重力を役立ててやりますね。これは10年くらい前から出たのかな、何かそういう方法が確かにあります。ただ、私はあまり詳しくないので、必要であれば、ちょっと資料を調べさせますけれども、そういう飛行物体に、軽飛行機に積んで、それで、重力そのものじゃなくて、何か違う、差分をとっているのだとか何とかという記憶が、私、ありますけれども、ちょっとこれは調べておきます。

【宮崎委員】  JAMSTECの船でも重力測定はしておりますし、岸壁に帰ってきたら、キャリブレーションをして精度を保ちながらやっています。しかしながら、やっぱりそれを走りながらとっていますので、海底の物質の何かアノマリーを出すのじゃなくて、やはり全体がどういう地形、構造になっているかという広くとる件だと思っております。

【阿部委員】  確かに、我々、オーストラリアでそれでやったのですけれども、出てきたのは、結局、大体100ないし150メートルの砂漠の下の地形が出てきましたね。アノマリー、目玉はいっぱい書いてくれるのですけれども、検証しましたらそういうことになりまして。ですから、大きな構造というか、そういう地形を反映しているというのは何かよく出ましたね、山谷の。

【浦辺主査代理】  だから、100キロメートルオーダーの場合だと、海でやれば、火山帯がその中に隠れているとか、そういうことは非常によくわかるので、目的は少し違うかなと。特に100キロメートルオーダーのときには、重力探査というのがもう少しラフでもよくて、10キロメートルオーダーになると、今度は特に島弧の火山なんかの場合には、溶岩と火山の砕屑岩という、ばんと噴いた軽石のようなもの、火が砕けた岩と書く火砕岩、溶岩みたいな形での非常に重力的には軽い、密度の低い、カルデラが多くて、そういうところに大きな鉱床が今、見えているわけですけれども、そこだと、この火山がそういうような組成で密度的に非常に軽い火山であるというのは、重力に非常によく出てくる。それから、火山の山体が崩れてしまっているような場合でも、そういう大きな意味での重力というのは出てくるのですが、その場合には、ここの100キロのオーダーで書いてあるほど高精度でなくても、もう少し大きな意味では大丈夫かなと。10キロのオーダーでは、ここまで必要なのかはわかりませんけれども、やはりもう少しゆっくりとまってやるようなことも考えたほうがいいのかなという気がしますね。

 このスケールで、ちょっと文章を書きかえるなんていうのも、可能なのですか。

【生川海洋地球課長】  当然できます。

【阿部委員】  ちょっと1つよろしいですか。100キロメートルの探査における着目点というところ、Cです。鉱床域周辺の岩石と鉱床の物理特性の違い等を把握というようになっています。これは10キロメートルのほうでも全く同じなのですよね。私は、これはちょっと勝手なあれですけれども、もっと大きな意味でとらえるべきなんじゃないのかなという気持ちです。このスケール、100キロメートル掛ける100キロメートルみたいな広範囲だったら、むしろカルデラがあるかないかのそういう大構造をつかまえるようなことであって、ここのブルーと赤で書いてあるのは、やはり10キロメートルのほうに主力が行くのかなという気持ちがあります。ということで、括弧の中は、鉱床を胚胎する地質構造を物理的特性によって把握とか、何かそういう感じに私は変えていただきたいなという気がします。

【浦辺主査代理】  そうですね。

【阿部委員】  このスケールでの重力とか、マグネでの直接、ピンポイントで検出するというのが目的なのかなという気がしますね。もう少し絞り込みの第1段階であるべきだと思うのです。

【浦辺主査代理】  そうですね。少しそこの表現が変わってもいいかもしれない。これだと、2つのレベルで同じ文章が書いてあると、スペース的に無駄になりますから。

【久保池企画調査係長】  そうすると、100キロと10キロと1キロで同じいわゆる物性であるとか、重力とか、磁力とかを見るのであっても、それぞれ目的が違うので、文章として書き分けたほうがよいということでしょうか。

【浦辺主査代理】  そうなりますね。特に磁力探査のほうでも、やはり火山帯の把握であるとか、そういうような形、カルデラ構造の把握とか、大きく言うと、やはりそういうような大きな構造は多分、この磁力探査で出てくると思うので、さっき阿部委員のおっしゃったことはもっともだと思いますね。

 それで、この場合には、熱水活動による消磁というのが100キロのところでは、特にそういうものでなくても、磁気の分布というか、そういうような二次元的な分布、あるいは、三次元的な分布も含めて、そういうような意味での鉱床を胚胎する地質、大きな地質構造の把握に使えるというような形がいいと思いますね。

 そうすると、次に問題になってくるのは、特に重力ですけれども、ここでは高感度化ということが2つとも書いてあって、10.5にするということが出てきますが、これは先ほどの磁力と同じように、重力のほうでもなかなか難しい。要するに、飛びながらそれをやるのか、一遍ぺたっとついてもいいのかというAUVの使い方によって、精度がものすごく変わってきちゃうので、この辺の文章のちょっと表現も必要になってくると思うのですが、どうでしょうか。

【浦委員】  結局、だから、センシングするセンサーをどういうように接地したり、あるいは運んでいくかというのは、これはプラットホーム技術なので、それをすべてAUVにというと、AUVはオールマイティーで何でもできなきゃいけないのだという印象を受けるのですけれども、現状として開発されているのはJAMSTECさんの「うらしま」とか、うちの「r2」みたいに航行型で3ノットで走り回るものと、それからツナサンドという200キロぐらいですが、小型のROVみたいな機能があるものと、まだそういうものしかないわけですね。

 その性能の中で、それをやれというとつらいから、ある意味でいったらば、専用に運ぶものはどういうAUVでなきゃいけないのか。今言ったように何ガル、数ガルのものがはかれるようなプラットホームは何であるか。それから海底に重量計を接地できるようなAUVは、どういうAUVなのかというのはないわけでなんですよ。それが必要ならば、そういうAUVを開発していくというのはとても大切なので、実は私もあっちこっちに行ってお金をちょうだい、ちょうだいと言ってAUVをいろいろ、今までたくさんつくってきているのですけれども、1台つくるのにとてもお金がかかるので大変です。

 ですから、海底に重力計を接地するためのAUVは何であるか。あるいは、それをつくっていくにはどういうものがデザインがいいのかということは、やっぱり十分検討しなくちゃいけないかなと思っているわけなのです。それがないと、何でもAUVを発明してみて、「はい、JAMSTECさん、『うらしま』でやってください」、「でも、それは……」とか、こういうように言われてしまうので、それでは「うらしま」がかわいそうということなのですよ。これは向き、不向きがあって、その目的のためにつくんなくちゃいけないというので、我々、インテグレーションしている人間は目的をはっきりして、それに向いたAUVを用意するということじゃないでしょうかね。

【浦辺主査代理】  今、幾つかのあれが出てきました。今、ここに書いてある文章の特徴というのは、これは私の個人的な意見ですけれども、何となくこういうこと、探査をやりたい。その答えが書いてあるようなところがあって、入試問題を出すときに、この1ナノテスラを0.5ナノテスラにする。それが答えだから、答えを求めて、その中間をやりなさいという問題の出し方なのですね。もう一つは、そういう何らかの探査対象があって、厚さが10メートルぐらいのものがあって、それを磁力を使ってやるとどういう答えが出るのですかという問題の解き方を逆にする方法もあると思うのです。

 例えば100キロオーダーで鉱床を胚胎するカルデラ等の大きな地質構造を調べなさい。そのためにあなたの方法だと、どれぐらいの高感度化、あるいはプラットホームを含めた移動も考えて、どれだけのものが見えるのですかとか、あるいはソフトウエアを開発してあげると今まで見えなかったものが、ノイズからシグナルとして拾えるのですかと。それで拾えたシグナルは何ナノテスラなのですかという答えを聞く、逆に問題を変えていく方法もあるかなと。

 どちらかの表現法にすれば、どっちのほうが生徒が答えやすいか、いい答えをするかということなのですけれども、先ほどの浦さんのあれを聞いていると、浦さんを生徒だというのは大変おこがましいですが、こういうように置いてもいいというのを言ってくれれば答えやすいということが今、浦さんのご意見なわけですね。

【浦委員】  そうですね。ですから、プラットホームというのは乗っけるものによるわけなので、先ほども言いましたが、例えば人を運ぶのか、戦車を運ぶのかで同じような機体の設計かもしれないけれども、細かいことがいろいろ違ってくるわけなのです。ですから、そこのところをはっきりしないで、何がなんでも全自動でできるロボットをつくってくださいというのじゃ、これは困ってしまうのですね。

 だから、大分これをやって、今、ここのを見ているとしなきゃならないことは随分明確になってきているかなと。要するに、我々はミッションというのですけれども、ロボットに与えられたミッションを明確にしてくれると、それをきちんとクリアして、そこにおける上下加速度は何ガル以下ですとかいうようなものをつくろうという意欲がわいてくるわけです。それはとても大事なことだと思います。

【平委員】  浦辺さん、ちょっと全体をいいですか。

 まず100キロメートルオーダーの話ですけれども、基本的に100キロメートルオーダーの地形や構造というのは、既存の探査技術で十分できるはずですよね。ですから、この欄では既存の探査技術にあって、それから研究船からマルチナロービームがあれば、地形もわかるし、研究船からの受信波や重力や地磁気の探査があれば、基本的にリフト帯がどこにあって、あるいはセジメントの下にリフトの構造がどこに残っていてというようなことについては大きくわかるでしょうけれども、大体わかるでしょう。

 ただ、今求められている技術のところでのポイント1つは、僕はちょっと、これは沖野さんにも聞いてみないとわからないですが、AUVによる海水の広域的なアノマリーですね。100キロメートルのところをCTでずっとやるのは大変ですし、ほかのセンサーも、いわゆるTow-Yo方式で上に上げたりなんだりしてやるというのもありますけれども、これはわりとAUVが比較的、連続的にやれるのではないかというもので、海水のアノマリーに関しては、100キロメートルオーダーでAUV10キロメートルとか、そのオーダーのプルームを探すのには有効かもしれない。ですから、ちょっと海底下構造のところにAUVROV100キロメートルというのは、阿部さんも言ったように、これは基本的に100キロメートルはあまり使わないのじゃないかなというような気がします。

 100キロメートルのオーダーの中で10キロのカルデラがありますとわかった後に、今言っているようなことが活躍してきて、1キロメートルのオーダーになると、さらにチューンナップした、そのセンサーの性能は変わらないとしても、さまざまな、先ほどやったオペレーションによる探査のやり方ですね。上を走ったり、下を走ったり、あるいはニアフィールドではかるような接地を組み合わせた技術。あるいはピンポイントから電流を流して、その周辺をAUVが走り回ると、そういうようないろいろな技法が1キロメートルのぐらいになると入ってくるでしょうと。

 だから、ざっというと10キロメートルのところではわりと走り回りながらしっかりやることでわかってくるけれども、1キロメートルオーダーだと、さまざまな探索装置を、いろいろな展開の仕方や運用の仕方で接地型と小型をうまく組み合わせてやっていくということが必要になるのかなというので、そこら辺がうまくハイライトできていると、全体として見えやすいのかなと思ったのですけれども、我々が話しているのは、基本的には、大体そういう方向ですよね。

【浦辺主査代理】  今、平委員から議論の方向はきちっと示していただいて、どちらかというと100キロオーダーは、むしろAUVによる海水アノマリーのところをかいて、少し重点を、10キロオーダーは走り回る、1キロオーダーは先ほどの重力探査なんかでも、ものを置いたりという技法について、少しそこも含めた形で議論をしてはどうかというご提案だと思います。

 それに関して、これから残された時間は、そういうようにやっていきたいと思いますけれども、今まで、ご発言のなかった方で、何か、特にここは言っておきたいというのがあれば。よろしいですか。

 じゃ、次に10キロオーダーのところからいきたいと思いますが、次に出てくるのが、10キロオーダーで重力探査の下に出てくるのが、音波探査(地震波探査)ということです。ここでは高分解能化、垂直分解能5メートル、これが陸上の場合で、海では水平20メートル、垂直1メートル、深さ100メートルまで計測可能と、こういうような1つのモデルといいますか、探査対象のモデル鉱床の目標を与えてあるということです。

 音波探査は1キロメートルオーダーでは一番上にきていて、やはり同じようなことが書いてありますが、水平分解能20メートルが10メートルというようになっています。この音波探査はどうでしょうか。

 これは要するに何が一番難しい……。例えばプラットホームの立場からすると、ROVのほうは問題がないと思いますが、AUVのほうで、これをやろうとするとプラットホームとしては何が一番問題になるか。

【浦委員】  これは海底下構造をうまくはかる方法というのが、2回前に飯笹さんがブーマーでやればうまくいくとかなんで、要するにどういうトランスデューサーで何を計測するのかというのと、それから周りからの反響をいかに取り除くかとか、いろいろ、幾つかの問題があるわけです。それは音響的な問題で、AUVにとっては、例えばさっき宮崎さんからもちょっとお話があったけれども、ストリーマーみたいなものを引いてやるというのはまだやったことがない。ハイドロフォンと音源との間を離す。1台でやって離すようなものをつくっていくとか、あるいは深く潜るようなものをアレイでつくるのかという、いろいろな考え方があると思うのです。

 それはまだ今のところ、だから、どういうトランスデューサーでセンシングをやるかというのが1つと、それを乗っけるAUVはどうなっているのか。例えばストリーマーにしてもブーマーを後ろにつなげるにしても、10メートルも20メートルもしっぽを引いて走っていくようなAUVをつくれるの?と。つくれても運転、展開できるのかがいろいろと、でも工学的には、とても楽しそうなのですよ。

 ぜひ、そういうのをチャレンジングでやってみたいのだけれども、傾向が2つある。ペイロードとしてのセンサー、それからそれを乗っけるプラットホームとしてのAUV。とてもチャレンジングで難しい。もう一つの可能性としては、我々、AUVはブーマーを運んでいく音を発生する装置とロボットと、それを聞くロボットとは別に分かれて並行して走っていきゃいいじゃないかと。10メートル間隔を置いて走っていく。それはマルチプルビークルというのですけれども、グライダーの世界では――今、AUVの社会ではグライダーが随分盛んになってきているのですが、ユニバーシティーワシントンなんかでやっていますが、そういうようなマルチプレイAUVでやっていくというのが、その次の記述の道かなと思っているわけなのです。

 それをこういうところでやっていく。技術開発をしていくというのが文部科学省のプロジェクトとしては非常にいいプログラムだなと、AUV開発の1つの道として、いい道かなと思って。そういうことなので音響的には、こう言ったら失礼かもしれないけれども、この前の飯笹さんのブーマーの方がほんとうにちゃんと見えているのだったら同じようなやり方のものを搭載していかなきゃならないというわけです。ブーマーはエネルギーをよく食いそうなのでアレイにして絞ったほうがいいのかもしれないなと思います。エネルギーを運んでいかなきゃいけないのですね。ちょっと雑駁なことなのですけれども、そういうような感想です。

【浦辺主査代理】  そうですね。この音源とレシーバーと、その位置関係。ここには1キロメートルオーダーのところの真ん中より少し下に接地型音波探査という形で、これはレシーバーを対象に非常に近づけて接地型にしていると。それと1キロのほうは音波探査が、AUV、曵航体の両方が書いてあって、10キロのほうは書いてないわけですけれども、そういうような空間的な音源、レシーバーの配置、その他も考えて、ここは平さんがご専門ですけれども、どういうような書き方に。

【平委員】  分解能はこんな感じなのかなと思いますけれども、やっぱりトランスデューサーですよね。深海でよく働く数百ヘルツぐらいの音源をどうするのだと、これは自分で開発しろということなのかもしれないですけれども。なおかつ、それを長時間、結構動かした後、電力が切れることは間違いなくて、AUVがその電力を全部抱えていけるのかなという不安があります。

 ですので、私は2隻方式というのは、まずひもを引っぱってAUVが走り回っているというのはあまり正しくないような気がして、非常に傾斜が大きいところですね。2船方式というのが差し当たって可能なのかと思いますが、地形付近をレシーバーが走って出すというのも1つの手かもしれないというように思います。

 2番目は1キロメートルより深くなれば、接地型よりも一種のVSPみたく、これもROVか何かで音源を、動力専門の音を海底、あるいは海底付近に持っていって、その周りをAUVが走る。何点もそういうことをやるというようにすれば、基本的には同じようなデータがとれますので、これはちょっとシミュレーションをやらないと、どのぐらいの音源で、どういうメソッドでやると多点、何点必要で、どのぐらいのところでAUVでレシービングするのかよくわかりませんが、接地型よりは、接地型で1つはケーブルを置いて、その上をいろいろたたくというのも1つの手ですけれども、この地形を考えると、ケーブルなんて簡単に引けないようなところはいっぱいあると思うので、多点で音源を1点に置いて、その周りをAUVが走るというのが正しいのかなという気がします。ですから、これも一種のやり方だと思うのですけれども、どっちにしろ、いいトランスデューサーをつくらないといけない。つくんないか、購入するか。深海で働くトランスデューサーが必要だということですね、音源が。

 今は、それをだれかが基盤ツールのところで、それは開発しているのでしたっけ。

【浦委員】  やっていません。我々はちょっと、いろいろ考えていて、某フランスの会社が出しているようなトランスデューサーは水中重量が180キロもするのですよ。それを10個並べてアレイにつくって、800キロを運ばなきゃいけないというので、とても頭が痛いのですが、それが80キロじゃないのを、10キロぐらいのトランスデューサーができて、アレイがつくれればAUVにも搭載できるのです。

 800キロのペイロードがあるのだと。「うらしま」の倍ぐらいになっちゃって、それは今度は逆によくないなと思っているのです。だから、その辺の、まず1つはトランスデューサーを開発というのと、それはどういうようなアレイシステムをつくっていけば、より50メートル、100メートルが見られるようになるのか、ビームフォーミングしていくのかというのは、これからじゃないかなと思います。これからの技術で、今の基盤ツールには、それはやっていませんよね。

【浦辺主査代理】  今の話が出てくると、だんだん問題が発散していって、AUVでも接地型でもない、第3のバーチカルサイシミックプロファイリングみたいに音を出して、だんだん音は1点で出ていて、深いシグナルをとっていくような、サイシミックプロファイリングの話が出てくると、その周りをAUVがシグナルをとっていくとなると、これは接地型ともいえないし、どちらかというとAUVを使った音波探査という意味かもしれません。その音源とレシーバーというか、トランスデューサーのいろいろな配置が複雑で、そういう話が出てくるということは、これをやればいいとはっきり決まっているわけではないということだと思うので、むしろそういう幾つかのポッシビリティーを提案してもらうほうがいいのかなという気がします。

【浦委員】  そうですね。

【浦辺主査代理】  幾つか可能性はあると思いますし、地形、今、探査対象はモデルの鉱床は書いてあるけれども、地形が厳しいのか、フラットなのかということはなかなか言い方が難しいですね。非常に急峻な地形でとかいうのは何だそれはと言われそうですし。

 ケーブルが引けるのか、引けないのか。アレイシステムをどうするのかということも若干文章、この表が非常にきちっと、よくまとめて書かれているので、この形式はぜひ守りたいなと個人的には思いますけれども、そこにあまりぐちゃぐちゃしたことを書くのは、その美しさを損なってしまう。

【宮崎委員】  ちょっとずれるかもしれませんけれども、探査が資源探査ということになりますと、今噴いてるものは、ある程度わかりますが、むしろ浦辺先生の講演でもあった、やはり隠れているものとか、そういうところをねらっていきたいという意思を強く持つと、あまりがたがたしてる海底よりも、やはりフラットとはいえなくても、そういうところで探査できる技術を求めていくことが重要じゃないかと思うので、そちらの研究のほうがいいんじゃないかと思っております。

【増田委員】  よろしいですか。

 さっきもお話の中に出てきたのかもしれないのですけれども、最初の100キロオーダーのときと、10キロオーダーのときと、1キロオーダーのときというのは、やっぱり目標とするターゲットが違うのじゃないかと。先ほどの話だと、100キロオーダーだと大きな地質構造みたいなものが出ればいいのじゃないかと。そこの10キロオーダーでは何が出ればいいのかというと多分カルデラの中にある何かしら重力であれば重たいかどうか。仮に重たいものが鉱床だとすると、重たいものがあるかないかと。それから受信波でいえば、反射面みたいなもの、あるいは異常な構造があるのかどうか。1キロオーダーになったときに初めて何メートルのスケールでものが見えなきゃいけないというような、そういうステップがあるのじゃないかと思うのです。

 そうすると、今議論している10キロオーダーのところで受信波にしても、分解能を議論するのはあまり、分解能というのは、ちょっと行き過ぎじゃないかなという気がしないでもないですけれども、探査対象が500メートル×500メートル、10メートルの厚さという、そんなものがあるのかないのかというところがわかればいいんじゃないかなというようにみたらどうなのだろうかという気がするのですけれども。

【浦辺主査代理】  基本的には10キロメートルオーダーのときは(C)に書いてある、鉱床周辺の岩石と鉱床の物理特性の違い等を把握という形で、例えばそこに反射面があるとか。そうすると1キロオーダーのところでは、同じ文章が書いてありますけれども、むしろ鉱床の有無であるとか、形態、分布、サイズとか、そういうようなことです。鉱床の有無が一番大事だと思いますけれども、ある、ないというのがある程度わかるというのが1キロメートルオーダーでは必要なのかなと。そういう形で、階層分けというか、差別化を図ればいいということになりますかね。

【増田委員】  1キロオーダーになると、ボーリングマシンのコアをとった上で、その間をどうつなげていくかという情報になると思うのです。その手前になると、そういうのがほとんどない中で、大分話が違うのじゃないかなという気がしますけど。

【鈴木委員】  今のお話に関連をして、前に1回をお伺いしたのですが、現在のボーリングマシンの性能は今のままでよろしいのですかと。非常にコアの回収率が悪くて、よく見えないというのが今の状態、そういう状態があるというお話だったのですが、それが実際に今、増田さんがおっしゃるようにポイントを決めて、どんどん掘っていくと、その性能、精度というのは今のままでよろしいのですかというのが、この前、お伺いしたら、こんなもんでしょうという、皆さんのご意見だったのですけれども、それの確認が1つ。

 この100キロオーダーのCのところにサンプリングのシステムを開発していかないかんと。今までの論議の中で、データで見ても、ほんとうにあるかどうか。いかなるものか、ものを見なければ先に進めないよというお話がずっとあるわけですから、これはサンプリングという表面を削るとか、かじるとかいうことでどうかを見ようと。深さはあまり想定しないということでしょうか。その辺のところが1キロオーダーになれば大変重要ということでしょうから、もうちょっと整理する必要があるのかなと思うのです。

【増田委員】  いいですか。

 ちょっとボーリングマシンについて十分かという話で、なかなか、まだこれから改造の余地もあるし、全然満足していませんし、何度も言われていますけれども、コアの採取率とか、ある程度、もう少し深度がきちんと掘れるようにならないと、きちんとした評価は難しい状態にはあるというのが現状です。

【浦辺主査代理】  そう思いますね、やっぱり。

【鈴木委員】  そうすると、開発というようなものもテーマに必要なんじゃないかという。

【浦辺主査代理】  これはどちらかというと、既存の探査技術というのが表の上から5つ目ぐらいにあって、ここのBMSによる掘削とありますが、これはどちらかというと緑で今持ってらっしゃるところで研究開発が望まれると、これは緑にしたほうがいいのじゃないかと思いますけども、今のままでいいと思っている人はあまりいらっしゃらないと思うので、ぜひそこは考えていただきたいというところです。

 やはりそれがないと、ここで1キロオーダーで海底下に鉱床の有無とか、形態とかいっても、絵にかいたもちになってしまうので、そこはぜひやっていただくということですよね。

【増田委員】  そうですね。

【鈴木委員】  だから、緑で記載がないといけないのじゃないかというね。

【浦辺主査代理】  そうそう、そう。ここは緑にしたほうが。

【宮崎委員】  私たちは将来、船からこうやるのは大変だと思っていまして、ROVを使ってボーリングできるか、あるいはどういうマシンがROVで持っていけて、あるいはセット、リセットしてやるかということを考えています。今のボーリングマシンは1つの例として見ていただければいいかと思っておりますので、確かにグリーンが必要かと思います。

【鈴木委員】  いや、テーマであるということは明確にしておかないといけないのじゃないかということで申し上げたのですけど。

【浦辺主査代理】  そうですね。

【生川海洋地球課長】  すいません。今の鈴木先生の点については、こちらの報告書の8ページなのですが、4.1)の最初の丸のところに書かせていただいているつもりなのですが、最終的にはボーリング調査、あるいはドレッジングみたいなものが必要ということですけれども、基本的にはBMSの改良なんかはJOGMECさんなり、経産省さんのほうでいろいろお考えであると認識しておりますので、我々、文部科学省としてBMSの改良を手がけていくという考えはないということじゃないかと思っているのです。

 したがいまして、この検討会での検討の対象は主にリモートセンシングをベースにしてご検討いただきたいと思っています。そういう意味で、おっしゃったように整理学上はAUVROVによるサンプリングシステムというのは、境界領域というか、若干ドレッジングに近いのだとは思うのですが、前回いろいろとご議論もあったものですから、この表の中に念のため加えさせていただいているということかなと理解しています。

【浦委員】  ROVによるサンプリング技術というのは、そんなに技術的に高いジャンプはないので、それはJOGMECさんがROVを買われて、センサーを車につけてやればできなくはないことなのですよ、実際にやっていますから。

 それで現在は、JAMSTECさんがやって、いろいろ、ぶすぶす挿しているのをROVがやったら数十センチしか挿していませんからね。しかし、非常に力持ちのハイパードルフィンにすれば、ぐりぐりやれば、それこそ10メートルぐらいもいけるのじゃないかという気もするのですけれども、それはROV技術はJOGMECさんがやればいいんですよ。

 さっきも申しましたけれども、AUVにサンプリングなりドリフィングするのは、非常に重要なテクノロジーのジャンプがあるので、JOGMECさんはそれをやるとは言えないでしょうね。予算をとってきてやりますよということは、よう言えない。ですから、それはここがやっていかなくちゃいけない将来技術じゃないかなと私は思います。

【浦辺主査代理】  確かにBMSの話も出ましたけれども、またちょっと話を戻しますと、今、音波探査がなかなかぴたっと、1個やればいいというものにならなくて、幾つかの全体の配置、デザイン、そういうものを比べてどれがいいかということをやっていく段階かなということでいろいろな話がまた出てきました。

 それで時間もあれなので、残っているものが、1キロメートルオーダーのところで、AUVROVでやる電気探査、電磁探査と、それからより高分解能化するということで接地型、この2つのところに2つのものが出てくるわけです。これについて、ちょっと議論をしていきたいのですが、ここで電気探査については、可搭載化というのが書いてあって、高分解能が100メートルから10メートル、深さが100メートル、これは電磁探査も同じです。それから接地型はもう少し細かくなっていますが、深さは同じということで、ROVの活用とか、いろいろなことが少し接地型は書いてありますけれども、これについて、ちょっと議論をしていただければと思います。

 これは阿部委員どうですか、こういう。

【阿部委員】  私は接地型にしなければ、どうしようもないだろうなという気持ちを持っています。電磁探査をAUVなり、ROVで引いて、地上だと確かにいっぱいありますけれども、あとで海中でそのようなことがほんとうに可能なのだろうかという疑問が、基本的にあります。可能であれば、一番いいのですけどね。

【宮崎委員】  よろしいでしょうか。

【浦辺主査代理】  はい。

【宮崎委員】  今、実際に電磁探査はOBEMと曵航体でやるのがありますから、OBEM自身は海底電位差磁力計というのを置いて、その近くを曵航体で磁場を出したり、電解を出して通っていくというのがありますので、それを分けてしまうといかがなものかなという気が、現状の探査法ではあります。

 将来はROVで接地型、とまってはまた動く、とまっては動くというのが必要になってくるかと思いますので、そういうのなら確かに1キロオーダーではいいと思いますので、どうしましょう、OBEMと曵航体の分類といいますか。どちらにどういうようにやったほうが。10キロオーダーだとOBEMと曵航体なり、ROV、あるいはAUVでほとんど組み合わせができるかと思います。それを例えば曵航体を用いた電気探査プラスOBEMが入ると考えればいいとは思いますが。

【浦辺主査代理】  そうですね。今は、これはROVで後ろにしっぽを引っぱっていくような、そういうタイプのものになりますよね。ですから、そういう後ろを引っぱって、しっぽを引っぱるやつと、それから接地型。10キロのほうは接地型はないわけですから、書き方が難しいですけれども、接地型のものは1キロの場合は不可欠ですが、そこのところに、どういうようにAUVROVを書いていけばいいかというのは難しくて、10キロのほうは、むしろそこが書きやすいという感じになるのでしょうか。

 これは、またハードとソフトの問題がありますが、ハードとソフトはどっちが難しい。

【宮崎委員】  どうでしょう。私の感覚ですいません。私は、まずはハードだと思っております。計測することが大事であって、そのためにはハードがどういうもの、それで海底に電極を差し込んでやるとか、あるいは寝かせてとるとかいうものの、うまく規定のところ、特にセンサー間の距離とか、そういうものはぴっちりとらないと誤差になり、中がわからなくなってしまいますから、そういう意味でハード、あるいはオペレーションというものが大きいかと思っております。

 逆にソフトのほうは陸上がありますし、あと海水とかの抵抗が非常に近いものですから、それの分離ではないかと思います。

【浦辺主査代理】  沖野さん、どうですか。

【沖野委員】  いや、ちょっとわかりません。実際に解析に携わったことがないのでわからないのですが、印象としてはハードとか、観測技術のほうが難しいとは思います。解析面では、多分海水の効果と地形の効果なのですけれども、それが、こういう小さいスケールのものを見るときにどれぐらいきくのかが、私はよく知らないので、ちょっと今、お答えできないです。

 もっと大構造をOBEMや何かでやるときに、いろいろ地形の鉱化を今入ってきたところですよね。ただ、それがこのスケールになったときに、どうなのかがわからないです。どなたか専門家に聞くほうがよろしいかと。

【宮崎委員】  ソフトというよりも、むしろ、ほんとうにこの海底が海水をどのぐらい含んでいて。

【沖野委員】  解釈みたいな。

【浦辺主査代理】  解釈、ええ、そうですね。

【沖野委員】  解析、解釈ですね。

【宮崎委員】  そうですね。そこをどういうように入れていくかというのが、今後のものだと思っております。

【浦辺主査代理】  なかなか、これはものがぱっと見えているわけではないので、結構解析は難しいのかな。見えているものが一体何なのかとかいうのは大変かなと思って、それをソフトというように申し上げたのですが、それの開発をハードと一緒にやっていくと、これは両方がうまくマッチングすると、最も、ある、ないというのをボーリングに次いではっきりいえるようなポテンシャルとしてはあるような気がするのですけれども、どうでしょうかね。

【平委員】  よろしいですか。

 僕も専門家ではないので、ゴトウさんの受け売りなのですけれども、要するに水鉱床はコンデンサーだと彼は言うので、海水はコンデンサーの蓄電帯でないので、電気を流した後に、ためた電気が熱水鉱床というか、金属鉱床ですから、そこから流れていくやつが、だから、コンデンサーを探すということだと交流で地場をかけたり、あるいは、そのパース上に起こって、それを消したときに、どれだけまた電流が流れてくるかということをはかったりといろいろな手法があるので、電気探査は非常に有効だろうと。

 ただ、全体の電気的な性質がよくわかってないので、今度、増田さんのところのボーリングマシンでとった鉱床についての電気的な性質、あるいは磁気的な性質も含めて、できるだけ基礎データをたくさん集めたいと、そんなことを言っていましたので、沖野さん、何か。私はそれ以上は何もわからないです。

【沖野委員】  いや、それぐらいしか私もわからない。

【浦辺主査代理】  そうですね。これがもしうまくいけば、非常に画期的なものなので、1つのこの全体の中でも、非常に大きな売りの1つだろうと。AUVROV技術、それからこういうようなものが非常に重要なあれになるのかなというあれで、あまりうまく、今まで、どこまでやれているのかわからないというところもありますね。

 それで一応、大変ラフですけれども、この表がカバーをしたということなのですが、まだ大きな書き方の問題、これから……。

【宮崎委員】  あと表の一番下の求められる探査の部分で、右のほうのAUV等の高精度かつ安定的な構造の中で、この下のほうに来ている小型化、軽量化というのは、これはAUVのことを指すのですね。

【久保池企画調査係長】  AUVの、はい。

【宮崎委員】  それから、この括弧もAUVを指すのですか。

【久保池企画調査係長】  そうですね。そのイメージ、仮に全長二、三メートル程度、空中重量二、三トン程度ということで、いろいろな多種多様な母船に搭載可能なAUVがあってもよかろうということで、今、一応スペックとしては「うらしま」と「r2D4」の間ぐらいのものを置いていますが、これはどういう数字がいいのかについても、またコメントいただければと。

【宮崎委員】  そうすると、この線といいますか、ROVの線がありますので、ROVのをもう少し、4から5トンぐらいの装置になろうかと思います。それは特に海底で力を発揮するとか、そういうことになると少し重量があってやると、ハイパーよりもっとパワーのあるものをつくっていく必要があると思いますね。

【久保池企画調査係長】  すいません。これはちょっと線が、わかりにくかった部分がありますね。

【宮崎委員】  ちょっと線の入り方と、ROVだったら四、五トンというのを入れていただければと思います。

【浦委員】  そうですね。ちょっと3トンじゃ苦しいでしょうね。

【宮崎委員】  はい。ちょっと苦しいと思います。

【浦委員】  10メートルの穴を掘るには。

【浦辺主査代理】  10メートル、もうちょっと掘ってほしい。

【浦委員】  掘ってほしい。それは専用のドリルの話ですね。ROVに、それをするのは苦しい。

【久保池企画調査係長】  この表のまとめ方を、またコメントをいただきつつ、相談させていただこうかと思うのですけれども、今、お話をお伺いしていると、どういうプラットホーム技術が必要かというのは、浦先生がおっしゃるように、どういう探査をデザインするかということで、今、接地型と、それからAUVROV・曵航体みたいなものを用いたという分け方をしているのですが、どちらかというと動きながらというものと、それから地面に接して、あるいは接地して、動いて接地してというのはあるのかもしれない。そういう分け方をして、この場合は、こういうプラットホームが使えると、あるいはセンサー技術として、こういう開発が必要という分け方でもいいのかなと思うのですが、そのあたり、まとめ方について、またいろいろご示唆をいただければと思います。

【浦辺主査代理】  そうですね。

【宮崎委員】  広い海域はやっぱり動かないと無理だと思いますし、絞ったら着底型になっていくのは基本だと思います。

【浦辺主査代理】  一応ここにわーっと動くのと、あまり動かない、あるいはちょっと動く、こう長ったらしく、最初にプロファイリングみたいな話も出てきましたけれども、それもあまり動かない。だから、キロメートルオーダーというのは、対象のオーダーでもあり、また動くほうのオーダーでもあるということですよね。動き回る、どれぐらい動き回ればいいかということも示していて、そういう意味ではよくまとまっているので、そこら辺の、あとは書き方の問題ですよね。コンセプトはこれでいいと思うので。

【浦委員】  ちょっと一言いいですか。

【浦辺主査代理】  はい。

【浦委員】  もう一つ、私が最近考えているのは、この1キロメートルオーダーの下に100メートルオーダーがあるのじゃないかと思っているのですよ。それは今、我々は鹿児島でサツマハオリムシの写真の100メートルマップをつくっていて、先週の金曜日、グーグルアースのときにJAMSTECのフジワラさんとも話していて、要するにそこを開発したときに、そこの全体像が写真としてグーグルアースみたいに見えていると。そうすると、ここはこうですよ、あるいはこうしたからこういう影響が生物に起こりましたみたいな詳細なというか、開発初めの全体の写真地図みたいなのをつくるのが、とても重要じゃないかなと。そうしないと音響的なデータと、それからROVが行ったスポット的な写真だけだと、どうしても説得力に……、隠したいというのもあるかもしれないのだけれども、全体像がきちんと見えて、こうやったからこうなった、何もしなくて1年後にはこうなったというのが、それは写真撮影だと思うのです。

 MITのグループは今、Sea BedというAUVをつくって、それを何十台もつくって海外にも売ったりしているのですけれども、実はそれの先駆けは我々がやってきているのですが、そういうような開発すべきところの詳細な写真を撮っておくと。使用前、使用後がどうなっているかというのをきちんと、またそれを使って開発することもわかるのですけれども、そういうもう一つ、下のスケールの4番目もお考えくださいというところです。

【浦辺主査代理】  非常におもしろい提案だと思うのですけれども、今の探査の段階だと、そこまでいかないかなと。もう少し、開発になってくると、そこは絶対に必要な、非常に重要なあれだと思うのですよね。

【平委員】  環境評価のね。

【浦委員】  環境評価としてね。

【浦辺主査代理】  環境評価とか。やはり環境評価のオーダーと、もう少し前のオーダーと少し重さが違ってくるかなと。

 それで一応全体を見て、それから一番下の段のあれも見ていただいたのですが、事務局として、ここはもう少し、ちゃんとやれというのはありますでしょうか。

【生川海洋地球課長】  今のご議論を聞いていて、こういう形で整理するのもなかなか大変だなというのは非常に痛感をしたというか、大変だなと思いながら聞いていたのですが、ただ、今回は全体の中間取りまとめということでございますし、この期間で検討をすることでございますので、あまり精緻に完璧なものをつくるということも難しいかなと率直に思います。

 ではなくて、全体像、大体こういう感じだということをわかるようなものをとりあえずつくっていただいて、それをベースに我々は、今後検討させていただきたいと思いますし、ある意味、今のご議論を聞いていても、やってみないとわからないというところもたくさんあるということだと思いますので、走りながらいろいろ、検討をさらに深めていくことが必要かなと思います。

 そういう観点から大枠は今、浦辺先生におっしゃっていただいたように、このまとめ方をベースに、基本的にはさせていただきながら、今のご議論の中でも、ここのところはこっちじゃなくて、こっちじゃないかというようなご意見もありましたので、その辺のところをあとの残りの時間で、大体こんな感じかなというのをいただければ、それをベースにまた修正をさせていただいて、次回では最終的に、基本は大体こんな感じということで取りまとめさせていただきたいと思いますので。例えばちょっと確認をさせていただきたいと思いましたのは、先ほど平先生がおっしゃったように、化学センサーは広域でもいいのじゃないかというご意見がありましたので、もしご異論がなければ100キロのAのところに化学センサーを記入させていただいて、一方でちょっとご議論がありました100キロのCのところで磁力探査とか、重力探査というのは、ほんとうに現実的なのだろうかというご議論もあったところなのですが、これは我々としては、これをどうしてもここに書かないといかんと必ずしも思っているわけではないので、この100キロオーダーのところで、磁力探査、あるいは重力探査というのはなかなか難しいのじゃないかというのが、この委員会でのコンセンサスであれば、これは削除をするということでもいいのかなと思っております。

 あとサンプリングシステムが100キロでいいのか、10キロくらいなのかとか、それからご議論があったのは1キロオーダーであれば、もう接地型じゃないかということなのですが、そうでないご意見もあったのであれなのですけれども、もう接地型だということであれば、1キロオーダーのCの上半分に書いてあるAUVROV・曵航体が、もし不要だというのがコンセンサスであれば、それを削除するとか、ご議論を聞いていると、そういうところもあるのかなという感じもするのですが、その辺のところを大体こんな方向というのをお示しいただけると、後々の作業は楽かなと思います。

【浦辺主査代理】  はい。そこら辺のところをちょっとやってみましょう。

 100キロオーダーのところ、これはAについては、先ほど課長のおっしゃったとおり、それからCについてですけれども、ここは既存の探査技術ですね。100キロオーダーの(C)の既存の探査技術と、白になっていますけれども、平委員のおっしゃるところでは、例えばここに磁力とか、重力というのが……。

【平委員】  研究船からので……。

【浦辺主査代理】  入るの? 研究船からの。

【平委員】  十分で、わざわざAUVを。潤沢にあるなら使っても全然構わないのですけれども、そんなに百台も持っているわけじゃないですから、将来あったって構いませんけれども、スワス幅などから考えたら、圧倒的に研究船のほうが有利だろうとは思いますけどね。地形、地震波探査も。

【浦辺主査代理】  そうですね。そうすると、これについては、この白い四角のほうに……。

【平委員】  これに白は要らないのじゃないのですかね。AUVROVなんか、ここのところは。

【浦委員】  うん。100キロオーダーね。

【平委員】  うん。

【浦辺主査代理】  この磁力と重力に関しては、上の四角に移すと。それで、この210キロメートルオーダーのところは大体、これが一番バランスよくできているところなので、これはいいと。

【平委員】  いいですね。

【浦辺主査代理】  それと1キロメートルオーダーのところでBCですけれども、これをどう書くかということになりますが。

【平委員】  これはもう両方必要なのですよね。接地型も動くのも両方、それをつないでやっていくわけですから、両方とも必要だと。

【浦辺主査代理】  ですから、これを例えばAUV、音波探査に関して、今は2つに分けているけれども、一緒に書いちゃってもいいのかもしれないですね。どうなのでしょう。

【宮崎委員】  ちょっといいですか。

 平理事のコメントに対して、私が言うのもいかがなものなのですけれども、やっぱりAUVROVを使って、100キロオーダーのところにも入れておいてほしいのですが。

 というのは、例えば観測船が行けないところを海底近くをずーっと行って観測するということもあろうかと思いまして、残していただきたいんですけれども。

【平委員】  今度のこれ、入っているの、これ。

【宮崎委員】  ええ。はい、そうです。

【平委員】  大変なところで3,000キロ。

【宮崎委員】  それ、入ってればいいですよね。

【平委員】  入ってればいい。

【生川海洋地球課長】  技術開発要素としては、いずれにしても10キロのところにあるということになっていますので、これは10キロなのか、50キロなのかよくわかりませんが、さらに広範囲に使えれば、それはそれでやればいいことだと思いますので、大体の概念の整理ですね。どこが現実的なのかということで整理をいただいておければいいのかなと思います。

【浦辺主査代理】  そうですね。10キロのところに書くと高感度化とか、そういうことが、より目的がはっきりわかりますよね。それを100キロまで、うまくいけば延ばせるというので、むしろ同じことが書いてあるよりは、明らかに差別化ができているほうが目的がぴちっとなっていいかもしれません。

【生川海洋地球課長】  それからすいません、浦辺先生。もう一件だけ確認をさせていただきたいのですが、先ほど浦辺先生がおっしゃったように、この括弧の中のスペックあたりの書き方ですね。この辺、実をいうと悩ましいところだなとは思っております。

 確かにセンサーだけで出せるところと、プラットホームとのカップリングでの性能が出るところもあるので、これは率直にいって、この数字を書くことにどれだけ意味があるのかということもあるのですが、一方で開発をしていただくに当たって、ある程度のターゲットはなるべくわかりやすく示したほうが、どういうものを求めているのかという我々の意図がわかるかなということもあって、ここはちょっと悩ましいところなのです。

 なので、この形でいいのか。それとも具体的に、もうちょっとこうしたほうがいいのじゃないかとか、もしありましたら、ご示唆をいただければありがたいなと思います。

【浦辺主査代理】  210キロメートルオーダーの(C)のAUVROVの重力探査を1つの例としますと、例えば、この重力探査のときには結構走り回ってということは、これでわかりますね。それから鉱床の探査対象とか、深さ、それから厚さみたいなものがあって、密度差みたいなのがあると、これは地物屋さんから見ると、この情報で1ミリガルを0.5ミリガルにせんといかんなとか、それは自動的に出てくるのか、あるいは、その辺はどうなのですか。

【沖野委員】  いや、それはモデル計算としては出てきますけれども、10.5かというと非常に不思議な気がしますね、直観的には。別に今計算したわけじゃないですけれども。かつ陸上のと書かれていると、さらに不思議な気がするんですが。

【久保池企画調査係長】  ここに陸上の、と書いてあるのは、私どももいろいろとヒアリングをさせていただいて、ほとんどの場合、まだ海洋というか、海域での探査がやられていないと聞いています。技術開発要素として、センサーのレベルをここからここにするというのもあるでしょうし、それからまだ陸上でしかやられていないものを海洋でもできるようにするという2つの意味合いがあるのかなということで、こういう書き方をさせていただいております。

【沖野委員】  センサー的には、それほど開発要素は、もう既にないと思います。陸より海を高感度化できるかというと、それも非常に……、それはないと思いますので。ただ、可能性があるとしたら、陸の鉱床だと、こういう規模でこれぐらいのコントラストが普通だけど、海のこういう、島弧の鉱床の場合は、これぐらいの大きさで、これぐらいのコントラストなので、これぐらいのものが見えないと困るという意味の陸と海の切り分けはあり得ると思います。

【浦委員】  先ほどお話があった飛行機ではかっているというのも……、陸上だと飛行機ではからなくても地べたではかれるわけですね。このときに、もちろん飛行機ではかるのと同じようにやりたいのですが、水中の場合は地べたに置きにくいから走っていこうと。そうするとどこが問題かというと、自分の姿勢、運動をきちんとはかることで、今度、INSの問題に話がいってくるわけなのですよ。その分をキャンセルしてやらなければ、運動の中に落ち込んでいってしまう。

 ここで言った重力探査の重力計というのはINSも含んだ重力計になることになるわけです。海底の面にぽんっと置けば、INSはなくてもいいというようなことがあって、技術的には違うものに2つなるかなというような感じがいたします。だから、それが精度にどう関係するかは、また別なのですけどね、重力計そのものの。

【浦辺主査代理】  そうですね。だから、精度そのものということに関していうと、多くのものについては、センサーそのものの問題は何とかなるので、それをどう運んで、どう測定してという、そこら辺のデザインというか、コンフィギュレーションというか、そこら辺のところなので、むしろ、どうしてもセンサーのことがわかりやすいので、そう書いているのですけれども、ちょっと海の場合には、やはり陸でやっている重力探査と海でやっている重力探査で流儀が大分違いますよね。海の人は海の人なりにいろいろ工夫してやっておられて、必ずしも、それが陸上と完全にイクイバレントじゃないのだけども、それなりに工夫してやっておられるから、その人の、そういうようなあれを考えれば、ある程度、対象がこういうもので、海のやつはこうですよと言ってあげるとわかるような感じはするのですが、いかがですか。

 そこら辺のところは海の経験、陸の経験のある方、両方おられるので、どう書けばいいのでしょうかね。沖野さんは、こう書いてほしいみたいなのはありますか。

【沖野委員】  書くとしたら、むしろこの米印にあるような形で、こういうものを検知できるとして、細目じゃないですけれども、1つは海底多点接地をする技術みたいなことで、もう一つは移動体ではかる工夫というように分けるかな。

【浦辺主査代理】  それはすごくわかりやすいですね。それの手段として、AUVとか、ROVを使って、そういうものに対して、AUV側の人、それから探査側の人といろいろいると思いますけれども、もしAUVに対しては自分は、どういう能力、どういうミッション、それを必要としているのかというのを書いてくださいみたいな、そうするとAUVの人も、これならできるけれども、こんなものはできるわけないじゃないかとはっきり言えるかなと。

【浦委員】  そうそう、そう。言えますよ。

【浦辺主査代理】  だから、まず探査の手法とか、ハード開発、ソフト開発、解釈、解析法の開発、それで、あなたならこういうものだったらできるのですか、できないのですか。それから、それをやるための先ほどの多点接地型、あるいはROVで動く。動く距離としては1キロ、10キロという2つのカテゴリーがありますよと。そしてそのときにどういうようなことをROVなり、AUVに、オペレーションをご存じの方とご存じのない方があると思うので、ROVAUVでどう違うのかわからなくても、こういうことをやってくれれば、私はこれをやってあげますという聞き方でもいいのかなという気がしますね。

【平委員】  今の考え方に私も同意なんですけれども、1100キロメートルはちゃんとべろべろって、ばーっとやりなさいと。10キロはAUVの特徴を最も使った、比較的シンプルなオペレーションでできます。3は結構、これから100メートルまで、簡単かもしれませんけれども、いろいろなオペレーションの技法を使ったり、プラットホームの特性をうまく生かしたり、いろいろなやり方をやらないと簡単には出てこないところが多いので、そういう点も、どういうようにやればいいということは決定はしていませんけれども、そういういろいろなオペレーション上のいろいろな技術、技法の考慮も必要だということをセンサーを開発しただけですぐにできるわけじゃないと、いろいろな組み合わせをつくりながら、技術を蓄積してやっていかなきゃならないのだということを、求められる探査技術と、もう一個、何か探査の技法なのか、手法なのか知りませんけれども、やり方というところでお書きになると、そこら辺の奥行きが出るのかなと思いました。

【浦辺主査代理】  はい。大分まとまってきたかなと思います。そろそろ時間にもなりましたので、これで一たん、この議論を終了させていただいて、また事務局と、それぞれの委員のほうで連絡をとっていただいて、細かいところを、必要があれば進めていただきたいと思います。

 それでは、今後の予定について、よろしくお願いします。

 すいません。瀧澤さん。

【瀧澤委員】  すいません。本日の話、とても専門的でちょっと私にはコメントをする実力がなかったので、議論に参加できなくて申しわけなかったのですが、30日は私は来られないと思いますので、本文のほうについて、2点だけ気がついたところをお伝えしておきたいなと思いまして、時間が押しているところ申しわけないです。

 2点あるんですけれども、言葉じりの部分で申しわけないんですが、まず5ページなんですが、下から2行目です。先ほどから皆さんの議論の中で、熱水鉱床の吹き出しの活動を伴っているところは後回しというか、こういうところの環境保全が重要であるというお話がありました。科学調査の対象としても重要なというのは、あえて要らないのではないかと思いまして、皆さん、科学的なご興味はもちろんあると思いますけれども、それだけではなくて、環境そのものを保全していかなければいけないという共通認識はあると思いますので。

 それからあと9ページの真ん中辺のマル1、鉱床賦存地域の絞り込みの、上の2行です。以下では(ア)熱水活動を伴っている海底熱水鉱床を仮定して、必要な技術について検討結果をまとめるというようにございますけれども、ずっと前のほうから読んでまいりますと、先ほど宮崎委員がご指摘だったと思いますけれども、今までの皆さんのご議論でも活動していない、しかも埋没しているものとか、活動してないところを中心にやろうというお話だったと思います。おそらくこの2行というのは、熱水活動を伴っている熱水鉱床を中心に議論をするという意味ではなくて、それが全部の要素を含んでいるので、そのように書きますよという意味だと思いますので、それが感じとれるように文章を変えていただいたほうがいいのかなと感じました。

 その点だけなのですが、よろしくお願いします。

【浦辺主査代理】  さすがに文章の専門家でいらっしゃる。これはやっぱり書きかえたほうがいいですね。ちょっと変えよう。

【浦委員】  そうですね。特に後半の、今、ご指摘になった部分ですが、それは技術的には難しいからなかなかできないのですけれども、きっと、この3のところの資料121キロメートルオーダーのCのところですか。ここの技術で、今のところはやっていくより、ほかがないんじゃないかなというのがベースのアイデアで、それを書いておかないと、何か活動してないのを見つけるのが一番重要だと、最初にいっておきながら、それはどうなってるのというようになるといけないんじゃないかと思いますね。

 だから、3の(C)をやれば、それがおのずとできる方向に導かれるのだというようなのが、1つの結論としては重要なんじゃないですかね、当面は。

【浦辺主査代理】  今、ご指摘があった点、もう一度ちょっと読み直していただいて、我々も拝見させていただきますので、これをまた、瀧澤さんもコメントがありましたら、よろしくお願いします。

 

 

(2)その他

【浦辺主査代理】  それでは、今後の予定を。

【久保池企画調査係長】  今日はご議論いただきまして、ありがとうございました。報告書については、来週の月曜日ぐらいまでにコメントをいただいて、事務局のほうで修正をしたいと思っております。報告書の4ポツ、5ポツ以外のところは随時コメントをいただいて、反映させていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 報告書でいうところの4ポツ、5ポツについては、この表がまとまって、皆さんのオーソライズをいただいた後に報告書の中身を修正していくことになろうかと思いますので、その2点、まずこの表についてのコメントと報告書の4ポツ、5ポツ以外の部分について、まずコメントを今週ぐらいを目途にいただければよいかなと。その後、報告書を書かせていただいて、また照会をするということにしたいと思います。

 次回、30日、年度の瀬が押し迫ったときで恐縮ですけれども、14時から開催を予定しておりますので、ぜひご出席いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

 以上です。

【浦辺主査代理】  よろしいでしょうか。それでは、ちょっと時間を延長してしまいましたけれども、本日の委員会を、これで終了したいと思います。どうもありがとうございます。

 あ、何か?

【久保池企画調査係長】  一言、すいません。次回なのですが、この報告書をオーソライズするとともに、浦辺先生からもちょっとご発言をいただいたのですが、これを受けて、文部科学省の競争的研究資金をやっていくことになりますので、その進め方についてもご議論いただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

【浦辺主査代理】  どうもありがとうございました。

 

―― 了 ――

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電話番号:03-5253-4111(代表)、03-6734-4142(直通)