海洋資源の有効活用に向けた検討委員会(第5回) 議事録

1.日時

平成21年2月19日(木曜日) 14時~16時

2.場所

文部科学省6階 6F1会議室

3.議題

  1. 海底鉱物資源開発に資する技術開発の検討について
  2. その他

4.出席者

委員

今脇、阿部、鈴木、平、瀧澤、寺島、増田、宮崎 各委員

文部科学省

生川海洋地球課長、嶋崎海洋地球課長補佐

5.議事録

【今脇主査】  それでは、ただいまから第5回の科学技術・学術審議会 海洋開発分科会 海洋資源の有効活用に向けた検討委員会を開催いたします。本日は、皆さんご多忙にもかかわらず、お集まりいただきまして、どうもありがとうございます。

 今週の月曜日に期が変わりまして、新たに海洋開発分科会、新しい期に入った分科会が開催されまして、この海洋資源の有効活用に向けた検討委員会、これを継続して設置するということが了承されました。前の期から検討を行っております海底熱水鉱床をはじめとする海洋鉱物資源の探査に関する技術開発について、この期も引き続いて検討を行っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 それから、先ほど言いました月曜日に開催の海洋開発分科会におきまして、私が引き続いて主査を務めるということになりました。

 それから、主査代理につきましては、海洋開発分科会の運営規則によりますと、後ろのほうに資料が、参考資料の2が運営規則ですけれども、これによりますと、主査が指名するということになっていますので、きょうはご欠席なのですけれども、前の期に引き続いて、浦辺委員にお願いしたいと思います。

 それで、きょうの委員会では、本委員会の委員であります独立行政法人海洋研究開発機構の宮崎委員から、国内外の探査技術についてお話をいただきます。その後、今年度の末をめどに取りまとめることになっています中間取りまとめ、これに関する議論に後半は時間をとりたいと思います。特に今回は、この報告書の核となります海洋鉱物資源の探査の具体的な技術について議論をしたいと思っています。

 それでは最初に、事務局から資料の確認をお願いします。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  お手元の資料をごらんください。

 まず1枚、議事次第ということで、議事次第の5ポツに資料の一覧を付してございます。まず、資料11といたしまして、冒頭ご発表いただく「海底資源探査の取り組み及び海外の技術情報」、これはプレゼンの資料を紙に起こしたものを資料11として配付をさせていただいております。資料1213と中間取りまとめの素案、また、今回、特に集中的にご議論いただきたい具体的な技術内容等について配付をさせていただいておりますので、資料の欠落等、不備がございましたら、お申しつけいただければと思います。よろしくお願いいたします。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 

 

(1)海底鉱物資源開発に資する技術開発の検討について

【今脇主査】  それでは最初に、独立行政法人海洋研究開発機構の宮崎武晃委員からご発表をお願いいたします。では、お願いします。

【宮崎委員】  それでは、宮崎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 それでは、パワーポイントを見ていただきます。海洋資源の取り組み及び海外技術情報として示していきたいと思っております。

 まず、この絵を見ていただきます。先ほど話題に出ましたが、これは27年前です。手塚治虫さんがちょうどJAMSTECの「しんかい2000」ができたとき、ごらんになって、その先、我々は「しんかい6000」の建造を目指すのだという説明をしたときに、その後にこれを書いてくださいました。27年前の絵としてはものすごく飛んでいる絵で、なぜ虫が海の中に入るのだということを考えたことがありますが、実際に今、魚ロボットとか、いろいろなロボットが今まさに出てきている時代ですから、それを考えると、すばらしく未来を目指した方だなということをつくづく思っております。

 それでは、中身に入りたいと思います。海洋の熱水鉱床の探査法、これは、既に陸上の探査でJOGMECさんから出された図がございます。陸上ではリモートセンシング、地質調査、物理探査、ボーリング、このような流れで図面があったのを思い出していただけると思います。それと同じように描いてみました。海の中の探査はこのようにするのだと。

 まずはリモートセンシング、陸上では衛星を使い探査しますが、海洋では調査船で音響探査で海底を広く求めていくというのがリモートセンシングに相当します。それから物理調査ですが、陸上では人間が行って、ハンマーを持って石を欠いて取り出す、あるいは電磁探査などをするということが書かれておりました。それにかわるものとして、まさに深海潜水船を使って、人間が目で見て、そしてサンプルをとっていくというものが物質調査に相当するだろうと思います。それから物理探査ですが、陸上ではヘリコプターを使い、あるいは先ほどの電磁探査になりますが、ヘリコプターにかわってAUV、あるいはROVが取って変わると思っています。それから、地上での電磁探査はこのようなディープ・トウによる電磁気探査、あるいはOBEMという装置を海底に置いて探査するというものになろうかと思います。そしてボーリング、評価と、このような流れが海でも同じようなことができるのだというものをここで書かせていただきました。

 既にAUVでは、特に熱水が出ている部分については、私たちはAUVでこのように走り、それから海底のマッピングをする、あるいはサイドスキャンソナーを使いまして、このようにしています。最近もJOGMECさんからの委託を受けまして、さらにこれよりもいいデータがたくさんとれているということがございますので、またJOGMECさんから示していただければと思います。

 さらに、曳航体での地質の調査になります。これは船からディープ・トウを引っ張っていきますが、事前に海底電位差磁力計を必要なところに置きまして、そしてその近くをディープ・トウで走りますが、そのとき人工的な電流を流し、それを記録する、あるいはディープ・トウでも記録をする、このようなディープ・トウ調査がございます。既に私たちはディープ・トウで、同じような電磁気探査というのはメタンハイドレートの調査で、このようにディープ・トウの後ろにケーブルを引っ張り、そして電気を流し、データをとるということは既に私たちのIFREEの研究者などが積極的にやってデータをとって、メタンハイドレートを日本海などで調査をしております。

 それを今度は実際の図に書いています。今までIFREEでやったことをそのままで、現在は京都大学に数カ月前に移っております後藤さんの資料を使いますと、調査船でディープ・トウ、それでここに人工電流の発生装置を置き、それからプラス、マイナスの電極を置きまして、そして海底に流れた電流を測定するということになります。曳航体から出して、すぐにしっぽのテールというところで電流を測定しますと、海底下の浅いところになりますが、10メートルまでの物質のことが解り、さらに、近くに置いたOBEMなどを使ってコントロールした電界を求めますと、海底下100メートルから1キロメートルの深さまでの物質が解るということがあります。さらに、このOBEMを、自然電磁場の信号をきちっと得ていくと、まさに1キロから100キロという深いところまでの物質の状況が解るという説がございますし、これをまさに熱水鉱床に適用していったらどうかということ。それからJAMSTECAUVがありますから、同じように、曳航体じゃなくて、今度はAUV自身に電極を持たせ、そして磁力計のセンサー等を前に出し、ノイズを拾わないようにしてAUVで、特に海底に近ければ近いほどいいデータですから、私たちは今、制御でこのようなAUVが海底面上を走ることになりますと、こういうものが使えてくるだろうと考えております。

 さらに海底面に乗かる、あるいは海底面近くを引っ張るということになりますと、無人機(ROV)で海底探査を行うことになります。今、ROVを、海底近くを引っ張る、あるいはその下にキャタピラーのようなものをつけて走りながら計測、あるいはとまって十分に計測してからまた移動するということで、それに必要なセンサー類を検討しております。大分いろいろなセンサーが開発されつつあります。またアイデアや一部やっているものがありますが、あとは予算の取れ次第で、ぜひ進めてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 次はボーリングに移りますと、ROVを用いて小さなボーリングマシンを持って、必要なところのサンプル、浅い数メートルのサンプル、あるいは大きな装置を事前に入れて、それをきちっとROVでセットし、パワーを供給しながら深く、10メートル、20メートル、30メートル掘っていくことなども可能かと思います。さらに船舶から、今までJOGMECさんがやっていらっしゃるようなことをROVでサポートも可能と考えております。

 私たちJAMSTECの宣伝になりますが、世界最深部まで潜れる「ABISMO」という水深1250メートルを到達する装置を作っております。これは親ガメと小ガメで海底近くでこれを切離して、海底に沿って観測する、あるいはサンプリングする、それから、これは海底面を走るような装置を作って試しておりますが、完全なものはまだできておりません。

 それから、深海探査のやり方も今後変わってくると思います。今までは研究者が船に乗って、そしてROVを操作し、その方法でいくと、研究者が船から戻ってこなければ、データがわからない。ところが今は、衛星を使ってコントロールする、あるいはデータを船からどんどん流す、まさにリアルタイムのデータや状況が本部あるいは研究所にいてもわかるようなシステムを試み、遠隔操作の試験に成功しております。これはケーブルつきのROVですが、ことし中、夏ぐらいには、今度はAUVのコントロールまで行こうと思っております。AUVを海面に浮上してはデータを飛ばし、また指示を与えて、また潜っていくというようなことを繰り返すことで、探査法が変わっていくと思いますし、これは熱水だけじゃなくて、科学技術の探査方式が全く変わってくると期待しております。

 私たちは国家基幹技術の次世代海洋探査技術をやっていまして、次世代探査をどういうようにすべきか、これまで観測というものを主にやっていましたが、さらに海底資源の探査に国家基幹技術を有効に利用できないかということで、「海底資源探査に有効なシステム等に関する基礎調査」ということで委託を海洋産業研究会にお願いし委員会をつくっていただきました。それで、東大海洋研の徳山先生を長にお願いして、京大に移った後藤さん、あるいはJOGMECさん、それから産総研さん、深海技術協会、それと、特にメーカーの方々を入れて、いろいろな情報を集めるということでお願いしてきました。

 その中で委員長にお話しいただいた「海洋調査観測の現状と未来」ということの一部をご紹介させていただきます。

 徳山先生はキーワードとして、2次元から3次元、あるいは4次元、時間的なものも入れて、きちっと計測をする必要があるだろうということ、深海域における高分解能のためのいろいろのリモートセンシング、あるいは各種センサー、化学センサーのみならず、物理量のセンサーの開発をやりなさいということと、大型プラットホームをつくらなきゃだめだよということも言われております。あるいは、各種サンプラー、掘削システムをいろいろ検討しろ、あるいは生物を採取し、環境を調査する装置を作らなければいかんということをコメントいただいております。

 1つ、これは浦辺先生のものかもしれませんが、OBC、これはオーシャンボトムケーブルと、海底にマルチチャンネルのようなものを敷設して、そして音を出して海底下の構造を調べるというOBCと、それからいろいろな音響を組み合わせるということで、ただ表面だけじゃなくて、厚さの情報も得るようにしろということ、さらに情報を得るためにはやはり掘削、BMSなども必要でありますし、このようなことをどんどん積極的に進めてほしいというコメントがありました。

 また、プラットホームに対しても、試料を採取するための船が必要でしょう、これはムーンプールつきで、いろいろBMSをおろしたり、ROVをおろしたり、いろいろなことが、もちろんAUVもおろしながら、トータルで測定していくような1つの例が示されました。あるいは、ストリーマーケーブルで海底の表面を正確に見ていく、AUVをここからおろす、特に先ほどのOBC、海底面に音響機器をずっと這わせていき、そのデータをブイから飛ばすというようなことで物理探査をする、このようなことができるような装置の船を建造しければだめ、ということを言われております。

 次に、後藤さんにも委員になっていただいておりますので、海底電磁気探査による海底資源調査説明をいただき、これはまさに私たちのテーマに合ったものなので、少し紹介させていただきます。

 なぜ電磁気探査が必要か、電磁気探査の概要、石油調査、メタンハイドレート調査、あるいは金属資源調査、このようなものを講演いただきまして、資料もいただいております。石油探査の調査に対しては事例が多いのですが、メタンハイドレートあるいは金属になると事例が少ないということで、これからの議題だと思えます。

 なぜ電磁気探査かということは、地震波の探査では地層の境界はよく見えますが、その内部のどういうものが詰まっているかということはわからなくて、層状のものはわかるのですが、というのが後藤さんの主張でありますし、まさにそのとおりであります。

 そのためにどうするかというと、電磁気探査がいい方法です。電磁気探査では地下の堆積物や岩石の比抵抗値を求めます、これは電気抵抗を測定して、情報が得られます。海水の比抵抗ですが、0.3オームメートルという単位で、非常に通りやすい海底堆積物だと1、あるいは海底の玄武岩だと2オームメートル、メタンハイドレートだと1ケタ多くて、非常に計測しやすく、メタンハイドレートはこの調査をすると見つけやすいということ、あるいは石油・ガスはこの30倍なので、まさにこの方法が石油業界で使われている手法であります。

 そこで、熱水鉱床はどうなのかというと、逆に今度は、おわかりのように、金属物ですから、電気が流れやすいということで、抵抗値が低いということが特徴であります。このために精度の高い測定をする必要があります。そのためにはやはり距離の精度が重要だということが言えると思います。

 電磁気探査の概要は、ご存じのように、自然の電流と、あるいは人工の電流と両方をうまく使うということであり、地中に誘導電流を起こして、それを観測するのだということが基本になります。これもさっき出てきましたが、このようにすると海底下の状況が、深さ方向に何が入っているか、何が詰まっているかということがわかるということを主張なさっています。

 石油業界では既に電磁気探査がたくさんやられ、ディープ・トウのようなもので、後ろにテールケーブルを張り、磁界をつくり、そして測定するというものがありますし、同時にOBEMは海底電位差磁力計を海底に配置していくということがあります。ここで人工信号を出すものですから、この装置をCSEMと表現しております。この方法がまさに現在の主流だということが石油業界でお聞きいたしました。

 それでは、メタンハイドレートをターゲットにしたときは、どのようになるかということで、CSEMの例では、海底下の浅い部分を精密に決めることができるということで、特に送受信機の相対位置を精度よく決める、これが重要であるということです。

 それから曳航式の海底電磁気探査は、いろいろな方法でやられているようです。これも曳航式の位置精度を正確に計測すれば可能と主張なさっておりますし、まさにそのとおりで、私たちもやってみたことがあります。

 それで、金属鉱床をターゲットとしたときにはどうなるかで、学術的には報告は1例だけあります。またノーティラス社の実施とか、パプアニューギニア沖でのROVに搭載した海底電磁気などの例があるということを聞きました。しかしながら、探査深度等はまだわからないということがございます。

 今度はメンバーがかわって、NECの浜委員からの1つの提案で、私たちが持っているAUV「うらしま」にさらにボリュメトリックソーナーを付けてはどうかとの対策です。今まではサブボトムを使って真下を見ます。海底下の位置、距離は明確にとれます。それを、これを少し振ってやろうということで、これはぐるぐる回すという案ですが、送波ビームをぐるぐる回して、きちっとしたデータをとると、いろいろな海底面、海底面下のデータが、あるいは海底の状況がしっかりわかるということがあります。先日もJOGMECさんの調査である程度やったのですが、やっぱり海底下の金属になりますと、深くはなかなか入らないということで、この辺もまだ検討の余地があると思いますが、1つの方法として、このような工夫は、ぐるぐる周りながら、横にも振って、横のデータもとれるということができますので、メリットがあるのかと思っております。

 あと、皆さんのお手元にいろいろな情報、600メートルよりも深いところで使えるAUVの国外製のリストをつけさせていただきました。主にこれは機雷探査とか、海洋観測よりも防衛技術でこれが進んできたものと思います。海底の資源探査にはあまり用いられていないというのが現状だと思いますが、このようなAUVの資料をつけさせていただいております。これは日本海洋株式会社の小田委員からの提出の書類です。また必要なら、これの詳しいことを提供できます。

 また、次に、同じように日本海洋の方がHUGINという装置についてのデータを示していただいた一例ですが、このようなAUVがあるということで、これがいろいろ探査に役立ち耐圧で1000メートル潜ることができるという物があります。このようなアプリケーションとして、沖合の油田とかガス田を捕まえることができる、あるいは海洋研究にも使える、もちろん防衛にもというのが出ております。HUJINには合成開口ソナーをつけていくということで、160チャンネルと、非常に大きなチャンネル数を用いて海底を探査していくということがあります。

【今脇主査】  今のHUJINというのはどこのものですか。

【宮崎委員】  ノルウェーだと思います。

 マルチ-アスペクトの合成開口というのは、この図はAUVですが、AUVをこれは上から見た図と考えてください。このように走っていって、ターゲットに当たって、音を出し、それを集めながらこうやって行って、1つのスポットを長い距離を走り、あたかもとても長いセンサーで1つを見ていると想定でき、いれで精度の高いものができる、これが合成開口ソナーの特徴であり、こういうことをうまく組み合わせていく装置をねらっているようです。

 既に私たちも合成開口ソナーを今、研究中ですけれども、まだ完全なものはできておりませんが、この辺のソフト関係でトライをしているところです。

 このようにしますと、これはAUVから36から55メートルぐらいの離れた距離で、2メートル、1メートル弱のものがきれいに見ることができます。

 これがAUVから75メートル、あるいは95メートル離れた位置でもほとんどこのように差がないということを示しているデータであり、合成開口ソナーの威力を示したもので、今後このようなものは、特に海底に置いてあるものに対してはいいですけれども、海底下についてはちょっと心配なところはありますが、こういうものと組み合わせていけば、海底の状況をきっちり把握できると考えております。

 あとはお手元の資料等がございますので、見ていただければと思います。あとは委員会等で出てきたいろいろなサンプル、それがありますので、これは目次と、11つを、小さくなっていますが、もし必要なら、皆さん、事務局に言っていただいて、事務局に提供していただくということも可能かと思います。サイドスキャンソナーの資料は、これは外国製品を主にしております。いろいろな装置が、まさに数多くありますが、残念ながら日本の装置は、技術的には十分できると思います。しかし、日本でつくると高くなる。なぜかというと、やっぱり数が出ないとか、外国の場合は防衛にも出していくとかということがありますので、技術的には日本は劣ることはないと考えております。

 資料はまだありますが、以上でございます。

【今脇主査】  宮崎委員、どうもありがとうございました。現在のAUVからROVで海底のことがどのように調べられるかということを具体的に示していただきました。海外の情報についても紹介していただきました。

 それで、皆さんからご質問とかコメントがありましたら、ご自由にお願いします。どうぞ。

【増田委員】  この外国のセンサーというのは非売品なのですか。今後こういう性能が欲しいから、中から選んで買えるというようなことはどうなのですか。

【宮崎委員】  今、これはメーカーの人に調べていただいているのですけれども、ホームページとか、そういうようにアクセスして資料を得ていますので、ほとんど買うことができる装置だと思います。試作品も出ている場合もありますが、逆にそれを欲しいと言えば、そこで商談が得られるかもしれませんけれども、日本の機械を買っていただきたいですね。

【今脇主査】  でもさっきの話だと、なかなか日本には、あっても高いとか、ありましたよね。海外は量がたくさん出ているから、割合手ごろな値段という紹介がありましたが。どうぞ。

【寺島委員】  いろいろ詳しいご説明をありがとうございました。

 素人の質問ですけれども、このノーティラス社の報告の例が1つありますけれども、外国の調査ではかなり進んでいるというような、どんな状況なのでしょうか。ちょっと全く名前だけしかわからないので、その辺のところを聞かせていただければと思ったのですが。

【宮崎委員】  やはり電磁気探査にだんだん移ってきているのだと思います。最初は音響で広くやり、それからターゲットを狭めて電磁気になっていると思いますが、それもあまり私としてはまだ情報がはっきりしません。

 それから、今、世界でやっているよりもさらにもっといいものがJAMSTECでつくれそうだと踏んでおりますので、それを用いれば、海底の熱水鉱床の資源量を求めるとか、そういうところまで行けそうな気もしておりますが、ノーティラス社についてはその程度で、申しわけございません。どなたかわかっていらっしゃれば、教えていただきたいと思います。

【阿部委員】  ノーティラス社ではほんとうにやったのだろうかというような話があるくらいで、我々は必ずしも、うのみにはしていないのですけれども。

【今脇主査】  ちょっと今のはよく理解できなかったので、ほんとうにやったのだろうかというのは、もうちょっと詳しく。

【阿部委員】  実はノーティラス社という会社の1つの株主の会社、テックという会社があります。我々はここと非常に仲がいいというか、いろいろ情報交換しているのですけれども、あまりオープンにはできませんけれども、そこの担当の人の話でさえ、よくわからないと、やったとは言っているという話を。

【今脇主査】  この26ページにあるパプアニューギニア沖でそこの測定をしたという、これがちょっと疑わしいという声もあるということですね。

【阿部委員】  そういうことです。

【今脇主査】  これは、でも論文になっているのですよね。

【阿部委員】  いや、オープンにしていないと思います。

【今脇主査】  この下に「Kowalczyk et al, 2008」というのは、これは論文じゃないのですか。したらしいと書いてある。したのを紹介した論文ではないのですか。

【宮崎委員】  後藤さんに確認をしてみたいと思います。それでどういう論文か、あるのか、中身を見て、今、阿部さんの言われた……。

【阿部委員】  なかなかオープンにしてくれるものではないですよ。

【宮崎委員】  きっとそうでしょうね。

【阿部委員】  ですから、疑われるのです。

【宮崎委員】  まさにそうだと思います。

【今脇主査】  ありがとうございます。ほかにどなたかご質問はありますか。

【平委員】  探査の方法はこういういろいろな方法があるのですが、海底熱水鉱床の基本的な性質、例えば比抵抗の値がどのぐらいのバリエーションがあって、密度のバリエーションもものすごくあるし、磁化強度もすごくあるし、そういう基本的なパラメーターが実はあまりよくわかっていないというのが、手法がちょっと先行しているけれども、基本的なパラメーターがわかっていないということがあるので、そこをどこかで、黒鉱鉱床はちょっと意地になり過ぎていて、急に参考にはならないのではないかと思うので、一緒にやっていかなきゃならないので、コメントですけれども。

【宮崎委員】  まさにコメントいただいた点を心配しております。特に水がたくさん入っていると、抵抗値が大変海水と近くなってしまいます。ですから、探査の仕方を変えていきたいと、逆にゆっくり引っ張っただけじゃなくて、海底に置いて、それで電流を与え、磁化させ、それから今度は磁化が減っていくぐらいの測定をしていくと大分違ってくるのじゃないかと、あまり言っちゃいけないのかもしれませんけれども、そういう探査をしていけば、金属の種類、あるいは水の量とか、その辺もわかってくるかと、おっしゃるように、まさに実物を比較したり、それでサンプリング、どこかでドリリングして、そういうものをとってやっていく、まさにおっしゃるとおりだと思います。やっていきたいですね。それは必要だと思っております。

【今脇主査】  ありがとうございました。生川さん。

【生川海洋地球課長】  すいません、1点教えていただきたいのですが、このセンサーの開発っていろいろな国がやられているのだと思うのですが、相対的にいって、どこの国が強いのかということと、それから、日本もこれらの国に比べてそんなに技術的に劣らないというコメントがあったのですけれども、もうちょっと具体的に日本のレベル、非常に世界的にも高いレベルにあるということなのか、まだまだなのか、その辺をもうちょっと教えていただければと思うのですが。

【宮崎委員】  やはりセンサーはアメリカが突出していると思います。これは海洋の観測のみならず、多くは海軍とか、そういう軍の需要があります。そこに、いいものをつくれば、そちらの需要になる、あるいは軍からの補助金を得てセンサー開発まで行っているということがございます。ですから、数が多いとか、いろいろな、どんどんいいものが出てくるのが現在です。あとは、日本では数が出ないので、今まではJAMSTECがこういうものを作りたい、こういうものを作ってほしいということで大分いいものができておりますが、まさに今、心配しているのは、どこの企業でもそうでしょうが、テクニシャンといいますか、技術者がどんどん減っていくということで、まさに今、手を入れないと、今までノウハウを持っていた技術者がどんどんいなくなってしまうという状況で、今まさに手を入れていきたいなと思っているところで、アメリカに比べては、一人一人の能力は違いが、落ちることはないのですが、数となると、アメリカのほうが圧倒的に技術者の数が多いので、そこで戦うと負けてしまう可能性があります。

【生川海洋地球課長】  そうなってくると、技術者の養成ということは当然必要だと思うのですけれども、ただ、実際に使えるセンサーを入手したいという観点に立つと、アメリカに行けば買えるものなのでしょうか。今おっしゃっている、例えば電磁気探査とか、これからいろいろ改良をする必要があるというお話があるのですが、そういったものが非常に高い精度のものがアメリカにあるということであれば、買ってくるということも1つのオプションだと思うのですけれども、その辺はいかがでしょうか。

【宮崎委員】  特にたくさんいろいろな種類があるのは音響関係のセンサーで、電磁気に対しては、特に今のところ、私は売っているようなものはないと思いますが、いかがでしょうか。ですから、海底下を見る電磁気探査はこれからの技術であって、私たちも何かほかで出していくと、それがすぐにアメリカに取られてしまうということで、クエスチョンマークをつけたりしておりまして、こういう物を保護しながら進んでいきたいと考えているところです。

【今脇主査】  今の件で、ほかの専門の方は特にコメントはないですか。宮崎委員がおっしゃったとおり、市販ではなかなか。

【宮崎委員】  あちらの会場の方もどなたか。

【今脇主査】  オブザーバーの方で。

【宮崎委員】  センサー、竹内先生、いかがですか。

【竹内先生】  電磁気探査なんかは電極が必要になるのですね。電極自身は、最初はアメリカで案を出して、それで日本の小さな会社がそれをつくるというような、ある程度標準化されたようなことはできるようになりました。ですから、電極をどうするかというのは1つ問題になりますけれども、ある程度は日本でできると考えています。

【宮崎委員】  売っているものはないですよね。

【竹内先生】  ええ、ですから、それももちろんオーダーメードで、こういう形のもので、このようにつくればいいということのノウハウを持っているものですから、それが欲しいと言えば、そのメーカーがつくってくれるぐらいの形にはなっています。

【生川海洋地球課長】  電磁気はそういう状況だとして、音響のほうは大分やっているというお話がありましたけれども、音響の高分解能のものは、それはかなりアメリカは発達していると考えてよろしいのでしょうか。

【宮崎委員】  はい、私はそう思っております。先ほど見ていただいたいろいろな海底の映像は、まさにきれいなものが出て、飛びつきたいものがあります。ですから、音響関係は進んでいると思っております。

【生川海洋地球課長】  繰り返しの質問になるのですが、そうすると、その音響でいうと、分解能は日本とアメリカを比べると、大分アメリカが高い状況にあるということですか。先ほどの、例えば後ろのほうで見せていただいた絵がございましたね。これは日本の技術でいうと、ここまではっきり見えませんというような状況なのでしょうか。

【宮崎委員】  はい、まさにおっしゃったとおりの状況です。ですから、何とか日本でもと思って、つくろうと思えば、きっとつくれると思うのですが、どなたかがおっしゃった高いものになってしまうとか、数が出ないために高くなってしまうということになろうかと思っております。

【竹内先生】  ちょっとよろしいですか。今の音響の件なのですけれども。

【今脇主査】  竹内先生、マイクに向かってやっていただくと、速記の人が助かると思うのですけれども。

【竹内先生】  センサーのプロジェクトですね、基本ツールですか、基盤ツールですね、そこでやっています合成開口とインターフェロメトリと、それから、そうですね、それを総合的にして、数センチの精度で観測できると、そういうことを実現できる形になってきております。ですからそのレベルで言うと、アメリカがよりすぐれているとは一概に言えないと、同じレベルと考えていいと。

【生川海洋地球課長】  逆に言うと、アメリカだったら、もう数センチのレベルはできているということでしょうか。

【竹内先生】  その辺は、できていると言い切れるかどうかということになりますと、競争的な形だと思います。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 ほかになければ、この辺で終わりたいと思いますが、それじゃ、どうもありがとうございました。

 それでは、議題は1のままなのですけれども、最初に言いましたように、中間取りまとめについて、議論を少ししていただきたいと思います。この取りまとめの素案につきましては、事務局から今週の火曜日にメールで送っていただいていますけれども、事務局から改めてご説明をお願いします。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  お手元の資料1213を用いて説明させていただきたいと思います。前回の委員会におきまして、中間取りまとめの目次の骨子の素案を何回かご議論いただきまして、それに基づいて、少し肉づけをしたようなものを資料12としてまとめさせていただいております。

 1枚めくっていただきまして、目次のところをごらんいただければと思います。全体の構成といたしましては、検討の背景ということで、海洋鉱物資源の探査・開発を取り巻く世界の情勢ですとか、あるいは我が国における民間における国内外ですね、民間の検討状況など、政府の取り組みとしてはどういうことがあったかということを概観をした後に、現状でございます。海洋鉱物資源の探査に係る現状と課題について、それぞれサマライズをしたような形で今、まとめつつあるところでございます。6ポツと7ポツで、これは委員会を立ち上げるときにもご議論をいただいた内容ですけれども、こういった探査技術が資源探査以外の分野にどのような波及効果があるのか、また、研究体制等、今後の研究開発において留意すべき事項ということで、(1)から(5)までという形で、これまで議論があった内容をまとめる形で取りまとめつつあるものでございます。

 この委員会でまさに議論の核としてご議論いただいている内容といたしまして、4ポツ、5ポツということで、今後、海洋鉱物資源の探査に必要となる技術ということで、熱水鉱床あるいはコバルトリッチクラスト、それぞれに着目をして、どのような探査技術が必要か、あるいはそういった探査に必要な探査機技術に求められるスペックはどのような形か、この中間取りまとめ素案では、4ポツ、5ポツはほとんど中身は埋めておらなくて、柱立てだけにしておりますので、この12については今週の火曜日に送らせていただいたものでございますので、本日はこの4ポツ、5ポツを取りまとめるために、資料13を中心にご議論をいただければと思います。

 若干説明が長くなりますけれども、資料13につきましては、これまでこの委員会の各委員から、現在わかっている技術ということで、いろいろな探査のシナリオがございますけれども、現状で既にわかっている技術について、るるメモを出していただいたところでございます。それをこのような形でまとめたものですけれども、各委員から出していただいたメモがございますので、よろしければ、この場で、まだほんとうにこのような資料を作成する素案として出していただいたものですので、机上配付の資料としてお配りさせていただければと思いますけれども、よろしゅうございましょうか。

【今脇主査】  追加の資料があるということですね。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  はい。

【今脇主査】  はい、ぜひお願いしたいと思います。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  では、今、お配り申し上げます。これは各委員から現状の認識等について、あるいはこの資料12に示しております報告書へのコメントという形も含めて、出していただいたものでございます。基本的には、出していただいたものを取りまとめて、この資料13という形にまとめてございますので、ここでは13について大まかな構成を簡単に説明させていただきます。

 いろいろなケースが想定されますので、取りまとめの仕方はいろいろ考えたのですけれども、ここでは海底熱水鉱床とコバルトリッチクラスト、それぞれに分けまして、探査モデルということで、探査をするケースを熱水鉱床については3つに分けて表の取りまとめを行いました。まず1つ目は、(1)熱水活動を伴っている海底熱水鉱床の探査というケース、これは前回も議論があった区分分けでございますけれども、(2)といたしましては、熱水活動は停止しているものの、停止してから間もなくて、まだ鉱床自体が埋没していない状況のケース、1枚おめくりいただきまして、(3)といたしましては、熱水活動停止後、かなり時間がたっていて、結果、堆積物中に鉱床自体が埋没してしまっているケースということで分けてございます。

 1ページ目に戻っていただきまして、その中で探査をしていくときに、探査レベルという言い方で今回は分けさせていただいておりますけれども、鉱床の賦存地域の絞り込み、どこに有望な鉱床があるのか、広域探査を行うフェーズ、これは100キロメートルオーダーぐらいでと、2といたしまして、その中の実際の有望海域、有望地域の中での鉱床の特定、これは10キロメートルオーダー、例えば海盆、カルデラの中でどこがいいかということを探査するようなフェーズ、3といたしまして、実際に鉱床を特定した後に、特定鉱床における資源量を評価するために行う探査のフェーズということで、広さ、水平方向としては1キロメートルオーダーぐらいの範囲での探査ということで、3つのフェーズにそれぞれ分けてまとめております。

 そのときに、それぞれのフェーズで探査対象ということで、何をどういう物量等を見ていくのかによって求められる探査技術が異なっておりますので、どういうものに着目をするのか、それに応じて既存の探査技術はどのようなものがあるのか、また、今後の高度化が必要とされているものはどういうものがあるのか、あるいは、今後革新的な技術であるとか、新しい技術の導入が必要とされるものは何かという観点で取りまとめを試みました。必ずしもここに書いているものがすべてではないかもしれませんし、抜けているもの等もあろうかと思いますけれども、いただいたものでまとめた内容について簡単にレビューというか、報告をさせていただきます。

 まず、(1)熱水活動を伴っている海底熱水鉱床の探査ですけれども、これはご承知のとおり、熱水活動があるという特徴がありますので、熱水起源の金属成分ですとか、熱異常を検知をすることによって探していくようなことが考えられるだろうと。また、鉱床そのものが海底下に、海底に露出をしておるということで、チムニー等鉱床特有の海底地形というものも探査の1つの手がかりになるのかなというようなことでございます。

 1、広域探査のフェーズでありますけれども、そういう観点から、まず海水について熱水起源の金属成分ですとか、熱異常等の検出を行うということで、既存の探査技術ということで、母船と採水機、CTDシステムなんかを用いたTowyo探査と言われるものなどがメーンではないか、その中で金属成分、水温の異常、あるいは濁度の検出などによって、熱水プルームと呼ばれるものを見つけていくようなフェーズが、この広域探査としては既存の技術としてあるということでまとめてございます。

 あるいは海底地形ということでは、カルデラの地形なんかの大構造を把握するということで、これも前回、議論でありましたけれども、火山の活動の分布等、鉱床のいわゆる成因論といいますか、どのように鉱床ができてくるかという知見から、実際の鉱床の賦存地域を推定するようなやり方などが既存の探査技術として挙げられると思います。

 高度化が必要なものとしては、海水に着目をするもの、これはどこまでそういうものが必要かということは事務局の素案ということで専門的な見地からご意見をまたいただければと思いますけれども、AUVと自動計測可能な化学センサーなんかを用いた同様の成分を検出するセンサーシステムの開発、AUVにつきましては長距離・無補給の航行、あるいはセンサーの自動連続計測、小型化などが課題ではないかということでまとめております。

 海底地形につきましては、AUVから音響を用いた地形の計測ということで、これは解像度を上げると、分解能を上げるということで高精度化を図っていくということが課題としてあるだろうということでございます。

 海底下構造・物性ということですけれども、磁場、重力、あるいはアクティブソナーみたいなもので海底下の構造を見ていくというフェーズにつきましては、まだ広域探査ということなので、あまりやられていない、やる必要もない部分があるかもしれませんが、かなり広範囲で、例えば複数のAUVなんかを用いて海底下の構造を概観できるようなシステムが開発できれば、こういったものというのはダイレクトに貢献がしていけるのではないかということで、これは実現可能性がどこまであるか等の検証は全く行っておりませんが、革新的な技術というところで入れさせていただいております。

 同じように、今度は鉱床の特定のフェーズに入りますと、海水の成分については大体同じようなことかなと思ってございます。

 海底の地形になりますと、既存の技術であればテレビカメラ、もしくはROV等を用いた、潜水調査船なんかを用いた目視の調査というものが既存の技術としてはあると思います。

 もう少し高度化が必要という意味では、先ほどの広域探査と同じように、音響探査などによる詳細な地形の計測ということが、解像度の性能アップと、向上ということが課題ではないかと。

 海底下の構造を見る技術ということで、先ほどの宮崎委員のプレゼン資料の中にもありましたけれども、電磁気というものも革新的な技術ということで下のほうに書いてございますけれども、物性に着目をして、重力を探査していく、あるいは磁場を見て、磁力計によって磁気探査をしていくというもの、こういうものについても、精度の高度化が図られることによって、より詳細な分布がわかるのではないか、あるいはその一番下のほうには、AUVと重力計、磁力計、あとは電気、電磁気等、こういったもので、高出力電源の確保なんかがAUV等に求められるスペックではないかと思いますけれども、いずれにしても、高解像度で海底下の構造がわかるような技術が望まれるのではないかとまとめてございます。

 最後の資源量評価のフェーズでございますけれども、これは海底地形、また、その海底下の構造を見ていくということで、必ずこれは必要になってくるのはBMS(ボーリング)によってしっかり実態を見るということが必要なわけでありますけれども、さらにその下をしっかり見ていくという意味では、ケーブル式の電気・電磁探査の高分解能化が求められるのではないかとか、先ほどの地形の探査につきましても、さらなる詳細な微地形計測ができるようなスペックアップ、また、音響探査などによって海底下の構造をより詳細に見られるような技術、これはどのフェーズを通しても書いていることでございますけれども、しっかり海底下の構造が見られるような技術が望まれるのではないかというような形でまとめてございます。

 あとのケース(2)、(3)は、基本的には(1)と同じでございますけれども、(2)になりますと、熱水活動が停止してございますので、海水の成分を手がかりに見ていくということは、ある程度はあるのかもしれませんけれども、主な手法ではなくなってしまうので、海底地形、あるいは海底下の構造・物性を見るということが主になるのではないかと。

 また、特徴としては、熱水活動が最近まで、タイムスケールはかなり違うわけですけれども、あったということで、実際に磁場が消磁等、磁場が消えているようなエリアを探すということも有効であるというご意見もありましたので、2、鉱床の特定のフェーズでは、磁場を見ていく探査というものも1つ絞り込みには有効になるのではないかと考えてございます。

 残りの海底地形、海底下構造・物性については、(1)のシナリオと同じでございます。

 1枚めくっていただいて、(3)堆積物中に埋没しているものにつきましても、これはさらに海底地形を見て鉱床が存在するかどうかということがわかりにくくなってきているということで、カルデラなどの地形を、大構造を把握するというフェーズは同じではあると思いますけれども、実際、その鉱床の特定のところで、地形から鉱床を見ていくということはなかなかまた難しくなっていくと、そうすると、海底下の構造を何らかの形で効率よく正確に把握するような技術の高度化、あるいは開発というものが望まれるのではないかということでまとめてございます。

 探査機の技術というものが下のほうに書いてございますけれども、これは長距離で無補給の航行ができる、あとは高出力が可能な電源システムの開発、あるいは傾斜地、冒頭の手塚先生の絵のところでもご議論がありましたけれども、傾斜地ですとか、でこぼこな面でも作業可能なROVの開発、あるいは23のフェーズになっていきますと、大きなAUVではなくて、もう少し小回りのきく小型・軽量化のAUVのデザインというものも求められてくるのではないかという形でまとめております。

 最後にコバルトリッチクラストですけれども、熱水鉱床と比べて簡単なものになってしまっていますけれども、フェーズとしては2つ、鉱床の範囲の絞り込みと資源量の把握というフェーズに分けまして、課題としては、海山ですとか、海台の表面を薄く覆うように鉱床があると言われているということですが、厚さが不均質ということで、既存の探査技術としては、音響なんかを使った地形の計測、あるいはテレビカメラ等を用いた目視による測定で、実際に厚さをはかる手段としては、ボーリングマシンを使った実際のドリリングによる確認というものしかないということで、こちらも音響に限りませんけれども、海底下の構造がわかるような技術が求められるのではないかということでまとめたものでございます。

 少し長くなりましたけれども、試みにこういう形で各委員からいただいた資料をまとめたものでございますので、これをもとにご議論いただきながら、今後どういうシチュエーションで、どういう技術の高度化、開発が望まれるか、報告書の中のあんこの部分でございますので、こちらについて本日は精力的にご議論いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 以上でございます。

【今脇主査】  どうも詳しい説明をありがとうございました。

 今、聞いていて、ちょっと聞き取れなかったというか、理解できなかったのは、(1)と(2)の違いで、海水を対象にしないということはすぐわかったのだけれども、磁場の何か測定でちょっと、(1)にはなくて(2)につけ足したように聞こえたのですけれども、どこが変わっているのでしょうか。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  探査技術としては特段変えて書いてございません。(2)の特徴ということで、これは熱水活動自体は目視でも確認はできないわけですけれども、熱水活動が停止をして間もないということで、鉱床がある付近の物性自体が、磁場が消えているような一帯があると思われると、そういうところを磁場探査などで攻めていくということはあると思われますので、そういう意味では、2、鉱床の特定のようなフェーズで、磁力を用いた探査ということが有力ではないかというメモがございましたので、そちらの内容について紹介をさせていただきました。

【今脇主査】  ありがとうございました。特徴のところにその違いが書いてあって、2の欄のところは上も下も同じなのですよね。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  そうです。

【今脇主査】  わかりました。ありがとうございました。

 それでは委員の皆さんから、追加とか、訂正とか、何でも結構ですので、この2枚の大きな紙に書いてある内容に関して議論をお願いいたします。どうぞ、増田委員。

【増田委員】  私の場合、陸上の探査と比較してどうかなと、つい考えるのですけれども、ここで言う12までは、いわゆるサンプリング、岩石の海底のサンプリングというものが全然新しい技術としては出てこないのですけれども、海底の、特に活動が停止して埋没していないというような鉱床の場合、ある程度絞り込むには、効率のいいサンプリングと、それを分析して絞り込んでいくというような技術が2のあたりで必要になってくるのじゃないかなと思うのですけれども。

【今脇主査】  10キロオーダーというところにサンプリングが適当に要るのではないかということですね。

【増田委員】  そうですね。ボーリングのように深くまで掘る必要はないのですけれども。

【今脇主査】  ありがとうございました。生川課長。

【生川海洋地球課長】  すいません、確認なのですが、多分、サンプリングをするというと、例えばドレッジとかですか。今でもあるとは思うのですが、おっしゃっているのは特にどういうところを、例えば改善を、今の技術ではこういうところが足りないので、よりこういうものが求められるということがもしあれば、教えていただければと思います。

【増田委員】  位置をきちんと決めて、非常に効率よく、例えばグリッドでとっていくというようなことを効率よくできるような技術、今のドレッジングなどは、正確性に欠けると思うのです。絞り込むには、そういうものがあったらいいのじゃないかなと。

【今脇主査】  どうぞ。

【阿部委員】  今のにちょっと関係しているのですけれども、サンプルそのものをとって分析するというような視点がないと、全部物性だけに頼って推定していくと、これはこうだろうということだけで進んでは、何かちょっと危ない方向に行くのじゃないかなと、そのもの、サンプル、増田委員がおっしゃったように、それが一番基礎となると私は思っています。ですから、最終的にはボーリングでちゃんと確認するということなのですけれども、その前に、ほんとうに物があるのと、それとこういういろいろな物理、物性に注目したものと組み合わせていくのだろうなと思います。ですから、増田委員がおっしゃったことはまさにそのとおりで、欠かすことのできないことだと思っています。

【今脇主査】  今のを書くとしたら、既存の探査技術のところに書いていいようなものですか。

【増田委員】  もちろん既存の探査技術のところには必要ですし。

【今脇主査】  高度化しないと。

【増田委員】  これを高度化するというようなことも。

【今脇主査】  効率化。

【増田委員】  効率化ですかね、必要になってくるのじゃないかと思います。

 ちょっとつけ足しですけれども、海底熱水鉱床というものは何かという定義が、我々の場合、鉱床というと、金属が濃集したある一定規模のものを鉱床というのですけれども、今までの議論の中で、極端に言うと、地形でチムニーがあると鉱床と呼んでいるような感じもありまして、ちょっとそういう意味では、海底熱水鉱床というネーミングがそもそも悪いのかもしれないのですけれども、そういう違和感があるのです。そういう意味で、探査をして、海底熱水鉱床があったかどうかというのは、サンプリングして、金属が濃集していますよと、それと、ある一定以上の規模が見込まれますよというところで、やっと探査が始まると、いわゆる鉱床探査がですね、そういうイメージが我々はあるのですけれども、そこがちょっとずれがあるというような感じが個人的にはしています。

【今脇主査】  そうですか。この報告書の素案というのですか、これのつづってあるものの4ページの真ん中からちょっと上に、定義というか、ここではこのように考えますというものが書いてありますよね。4ページの1の海底熱水鉱床の初めなのですけれども、「海底熱水鉱床とは、「地下深部に浸透した海水が、マグマ等の熱により熱せられ、地殻に含まれる有用元素を抽出しながら海底に噴出し、それが冷却される過程で熱水中の洞・鉛・亜鉛・金・銀等の重金属が沈殿することにより生成された多金属硫化物鉱床」」、これは?

【増田委員】  別に間違いじゃなくて、それでよろしいのですけれども、例えば、ついでだから申し上げますと、海底熱水鉱床が何百カ所見つかっているという世界ですね。日本の近海では15カ所ですかね。それが果たして、つまり、いわゆるほんとうに鉱山開発をする人たちにとっての鉱床かどうかというと、それはちょっと意味合いが違うのじゃないかなと、そういうイメージが。

【今脇主査】  量がある程度ないと、鉱床と呼んでも意味がないと。

【増田委員】  イメージがあるのですよね。

【今脇主査】  平委員。

【平委員】  今の議論は前からもずっとあって、私もサンプルがない鉱床探査ってあり得ないと、それはそのとおりだと思うのですけれども、今回やっているのは、最終的に何百本も何千本もボーリングを打つ前に、既存のボーリングマシンや、あるいはボーリングマシン自体も、あるいは「ちきゅう」のようなものでも、回収率の向上とか、ちゃんとやらなきゃならないわけですけれども、それといろいろな電磁探査や音響探査を組み合わせて、何千本打つ前の段階のプランニングを効率よくできないものだろうかと、要するに、陸上と違って海域はわからないことがいっぱいあるということが前提条件で、ですから、当然サンプリングはありきと、しかしそれも何本を打って、どういう探査と組み合わせたら効率よく最終的に、今、鉱床と呼ばれているようなものを見つけることができるのかということが話だと思うので、だから、ボーリングは当然やると、でも、それをちゃんと書きなさいということは当然だと思うので、その辺のところの書き方が。

【増田委員】  平先生がおっしゃることはよくわかっているのですけれども、時々混同したような話がありますので、まさに先生がおっしゃることは理解しているつもりですけれども。

【平委員】  はい、わかりました。

【今脇主査】  事務局のほうで、何かこの辺の情報が足りないのでちょっと書きにくいというような、そういうリクエストはないですか。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  リクエストというのは、資料128ページを少しごらんいただければと思いますけれども、この前に、現状はどのような調査がされているのかということでいろいろ紹介をした後に、4ポツ、5ポツということで、これはまさにこの報告書の骨子というか、中核の部分でございますけれども、今後それぞれのフェーズでどういった技術が必要かということを、ここを肉厚に書き込んでいきたいと考えてございまして、ただ、いきなりこの結論が出れば、これは苦労は全くないわけなのですけれども、その議論をするためにも、今、まとめさせていただいたようなものの中で、どこまでができていて、それが次はどういうことが必要なのかということを議論できる土台があったほうがいいという委員会のご意見が前回ございましたので、まだ十分なものはできておらないわけですけれども、こういったものを使っていただいて議論をしていただいて、最終的なアウトプットとしては、あとどこができれば、まさに先ほど平委員などからも話がありましたような効率的な、まさにそこにほんとうに鉱床があるかどうかもわからないわけなのですけれども、鉱床を発見するに至るストラテジーをつくるために必要な技術が何かと、何をすればそれに近づけるのかということのご議論をぜひしていただければということでございますので、最終的には、こういうところに何を書けるのかということを少しイメージしていただきながら、13なんかであいているところですとか、もっとこの箱にはこういうものが入るんだよですとか、そういうご意見、ご知見等がありましたら、ぜひ共有させていただきたいと思ってございます。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 私には結構何か詳しい、いい表ができたなと、私は素人なのでよくわかりませんけれども、自分では思っていますけれども、さらに内容を充実していただきたいということですが、いかがでしょうか。平委員。

【平委員】  堆積物の中に含まれているというか、被覆されているもので、海底下構造のところですけれども、10キロメートルオーダーぐらいの、そういうオーダーだと思うのですけれども、堆積物の中にどのように鉱床が埋まっているかということは実はあまりよくわかっていなくて、基盤と堆積物の境にもあるだろうし、場合によっては堆積物の中にシート状にあったりして、多分、そういう場合には、前回議論にあった曳航型の反射法地震波探査ですね。ですから、それはAUVではなくてDTAGSと呼んでいたものですけれども、数百ヘルツの音源を使って、曳航型で海底近くを比較的、ぎりぎりである必要はないのですけれども、広く引っ張るというほうが、多分、AUVよりは長時間電力を使えるので有利かなと、細かい作業はAUVでいいと思うのですけれども、ですから……。

【今脇主査】  今のは船で引っ張って行くのですか。

【平委員】  そうそう、ええ、引っ張って。ただ、深海を引っ張ると。それは、ですから、既存技術の高度化だと思うのですけれども、技術がないわけではないので、海底下構造・物性のところに曳航式反射法地震波探査の高度化。

【今脇主査】  技術の高度化のところですね。

【平委員】  はい。

【今脇主査】  ありがとうございました。阿部委員、どうぞ。

【阿部委員】  今の堆積物中に埋没しているということなのですけれども、どの程度のことをイメージされているのでしょうか。これは、例えば100メートル、200メートル埋没しているようなものだと、とっても初めから話にならんと私は、これは全く勘でしかないのですけれども、そうしますと、堆積物中に埋没しているというと、対象になり得るのだろうかというのが素直な気持ちです。例えば、バサルトにわっと覆われたようなものなんかはあるのです。確かに陸上で見られる例がありました。そういうものを海底で求めていくのかしらというような、私は素直にそう思います。これはいいのじゃないかと。ですから、埋没あるいは被覆されている程度問題なのですよね。それが1,000メートルになっちゃ、話にならんでしょう。ですから、その辺のことが何かあまりクリアじゃなくて、いきなりこういうものが出てくるということが、ちょっと私の感覚に合わないのですけれども。

 以上です。

【今脇主査】  ありがとうございました。取り出すことを前提に調べるのだったら、あれですよね、取り出すつもりになるようなものでないと、見つけても意味が。

【平委員】  その程度もよくわかっていないのですよ。ファン・デ・フカ海嶺というところで堆積物の中にタービダイトがあって、その中に鉱床が入っていますけれども、もちろんそれは基本的にはかなり厚い堆積物が覆っているので、あれにはならないと、多分、探鉱の対象にはならないのですけれども、でも、それがどういうレベルまであって、どのような様式であるのかということはやっぱり調べないとわからないので、場所によっては非常に、逆に高品位の、よく水で酸化されてばらばらになったものよりは保存がいいものはあるかもしれない。

【今脇主査】  高品位のものが。

【平委員】  あるかもしれない。いや、全くの仮説です。

【生川海洋地球課長】  むしろ、事務局としてはその辺も含めてご議論いただければありがたいと思っていたわけなのですが、今おっしゃった100メートル、200メートル入っていると話にならんとおっしゃっているのは、それは100メートル、200メートル、その上に積もっているものをどけなきゃいけないと、そういう経費なんかを考えると、そういったものは開発の対象にならないのじゃないかということをおっしゃっているのかなと思うのです。

【阿部委員】  はい、そうです。

【生川海洋地球課長】  ということであれば、いろいろな深さがあると思うのですが、そういう深いものは基本的にはあまり考えないと。そうすると、浅いものというのもあり得ると思うのです。

【阿部委員】  被覆するのは薄いのです。

【生川海洋地球課長】  ええ、薄いものを基本的にはターゲットで考えましょうということになると、じゃあ、その薄いものを見つける技術は何かということに絞って考えていただければいいということじゃないかと思うのです。

【今脇主査】  そうですね、はい。

【生川海洋地球課長】  だから、そこも含めて、今ご示唆があったように、あまり深いのは意味がないと、どのくらいと考えていいのかということを、例えばもうちょっと教えていただけるとありがたいような気もするのですが。

【阿部委員】  わからないですね。

【生川海洋地球課長】  難しいのでしょうかね。1,000メートルは無理だと、それはだれでもそうだと思うのですが、100200メートルというのは意味がないですか。やはり数十メートル……。

【阿部委員】  100メートルといったら、もう大変ですよ。

【生川海洋地球課長】  という話になるのですかね。

【阿部委員】  ええ。

【生川海洋地球課長】  じゃ、あっても数十メートルくらいまで。

【阿部委員】  その下にどのようなものがあるかにもよるのですけれども、莫大なものがあるというのでしたら、100メートルでもやろうかというような人なり、会社なりが出てくるかもしれませんけれども、あとは被覆している層の質にもよるのです。結構かたくなっているようなものだと、これまた大変ですねと。

【生川海洋地球課長】  掘るのが大変だということですか。

【阿部委員】  はい。今ここでそれをいっぱい議論してみるのも、それは価値があると思いますけれども、むしろ、今活動している、あるいはもう活動をやめたばっかりと、まだ余熱のあるようなものですね。そのようなものを一生懸命やっていって、それをアプライしていって、次は被覆されたものというようなアイデアでいったほうがいいのかなと私は思います。

【生川海洋地球課長】  一方でこの委員会での議論は、浦辺先生なんかも主張されていましたけれども、むしろ今現在、活動中のものについては、エビとかカニとか、いろいろな生態系があるので、開発上はなかなかハードルが高いのじゃないかと。むしろ活動を停止したものをターゲットにしたほうが、開発という観点からは有望ではないかと。さらに言うと、今はなかなかそういうものが見つかっていないので、そういったものが探せる技術ができるといいですねということで、私の理解では、浦辺先生なんかはむしろそちら側を重点的に考えるべきではないかという議論があったような気もするのですが、それも踏まえて、どう考えるかということかなと。

【今脇主査】  今の(2)の埋没していないという、これが一番のターゲットであるということですか。

【生川海洋地球課長】  埋没していないというのもあるのですが、それに加えて、浦辺先生がおっしゃっていたのは埋没したものも含めてというようにおっしゃっていたと私は理解しておりますけれども。

【今脇主査】  埋没したものを含めて。そうですか。私は休みがちでしたので、今までの議論についていけないところがあるのですけれども。どうぞ。

【増田委員】  埋まっているか、埋まっていないかというのは、少し埋まっていても埋まっている鉱床で、見えないわけですよね。だから、埋まっているか、埋まっていないかという議論もまたちょっと極端な話ですね。もちろん、あまり深いものは相手にならないよなんていうのもよくわかります。ただ、熱水鉱床のポテンシャルというのですか、資源量というものを、将来長きにわたって商業的にやろうとすると、多分、生きている熱水活動をやっているところだけではとても無理だし、死んだところだけでも無理なんじゃないかなと。という意味で浦辺先生は、埋まったもののほうが、やはりたくさん鉱量的にも多い可能性もあるし、そこをターゲットにした調査が必要なんじゃないかとおっしゃっていたと思うのです。そういう意味で私は、順番としては、調査をしていくというか、開発なり、精査に移っていく順番としては、そういう表面に近いものからになるのですけれども、将来をやっぱり考えて、この探査では埋まったものも対象で考えていくべきじゃないかなと、もちろん順番があるということは理解できますけれども。資源量全体をという意味です。

【今脇主査】  平委員。

【平委員】  例のガラパゴスの熱水噴出でも、10年ぐらいたって「アルビン」が行ったら、がんがん出ていたところはもう死に絶えていたと。だから、熱水の寿命って多分、そんなに長くないと思う。何万年も噴いているのじゃなくて、数十年とか、多分、そのぐらいのオーダーで変わっていっていると。その地域の熱水鉱床を、埋没とか、いろいろなプロセスで壊れたり何だりするわけですけれども、例えば過去50万年間ぐらいの全体を鉱量で見積もると、なおかつそれらを探すとなると、それは当然、どうしても被覆されたものとか、そういうものが中心にならざるを得ないです。ですので、どういう形になっていくかということ自体もよくわからないのですけれども、いろいろな形態のものをまず探してみると。

 そのとき、やはり1つはボーリングということは基本で、それと、ボーリングでわかったグラウンドトゥルースと、やはりいろいろなリモートセンシング等々をどのように組み合わせるかということがないといけないと思いますので、両者進めていくわけですけれども、この委員会では特にリモートセンシングを中心にボーリングとどのように組み合わせることができるのかということをやっていくのだなと、そんな感じでいますけれども。

【今脇主査】  ありがとうございました。そうすると、難しいけれども、今から一応、視野に入れて、それを探査するのもどのようにしたらいいかということを考えながらやると、実際には簡単なものから皆さんやられると思うのですけれども、それではもう早晩何か足りなくなって、もっと難しいところに挑戦しなきゃいかんということになるのじゃないかと思われているような感じがしますので、ターゲットとしては、一応、埋没しているものも対象にして調査は報告書をまとめるということにさせていただきたいと思います。

 ただ、この4の前かな、3のところに何かその辺のことを少し書いていただいたほうがいいのかと思いますけれども。4のところに書ければ、4のところでもいいのでしょうけれども、どうでしょう。ちょっと事務局のほうでどこに入れるか。

【生川海洋地球課長】  検討させていただきます。ただ、今、いいご示唆をいただいたと思っておりますのは、あまり深いところを考えてもしようがないと、これは確かにおっしゃるとおりでありますので。

【今脇主査】  すぐには役に立たん。

【生川海洋地球課長】  今、なかなか明確には難しいと思うのですけれども、数十メートルとか、そういうことも視野に入れて、そうであれば、その範囲で調べられる技術を開発していくと、だから何百メートルもの深さのわかるような技術を一生懸命開発しても意味がないということかなというようには理解をいたしますので、そういうことも含めて報告書には書き込んでいきたいと思います。

【今脇主査】  ほかの観点でご質問なり、コメントはありませんでしょうか。どうぞ、増田委員。

【増田委員】  今の埋没しているものの探査なのですけれども、こういった探査技術はもちろん必要になるのですけれども、何ていうのですか、鉱床成因論みたいなところからのアプローチがどうしても必要に……。

【今脇主査】  鉱床何とおっしゃいましたか。

【増田委員】  成因、どうして鉱床ができたのかとか、どうしてここにあるのかというようなことを、実際には今ある鉱床をよく調べることによって、そういうフィードバックをしながら、両方うまく考え合わせて新しい鉱床を探していくと、あるいは非常に古い地質、何ていうのですか、年代の地質構造発達史といったものとかを組み合わせて考えるのでしょうけれども、そういったところが実はこの埋没している鉱床には大きく必要になるところなのじゃないかなという感じがします。この表にはちょっとあらわしにくいのかもしれないのですけれども。

【今脇主査】  ありがとうございました。宮崎委員。

【宮崎委員】  印象といいますか、この表を見たときに、浦辺委員の提出していただいたこれが非常におもしろいといいますか、色分けしているものがございますね。これで既存の技術の組み合わせ、それから要素技術はあるものの技術開発が必要な領域とか、革新的な技術開発がないと困難な、こういう色分けの部分がものすごく興味があって、逆に言えば、今、この資料13にあるものに色づけしてみたくなってきまして、熱水活動に伴うものでも、浦辺先生は全体の枠でやっていますが、逆にこのようになってくると、個々の技術でもきっと既存の組み合わせ、あるいはもっと今後開発すれば到達できるだろうということがわかってくるようなので、個人的にはこれを色分けして、また考えてみたいと思っております。印象です。

【今脇主査】  ありがとうございました。

【生川海洋地球課長】  今の点については、我々も色分けをしようか、どうしようかとか、いろいろ考えてみたのですが、浦辺先生が書いている既存の技術の組み合わせ、あるいは技術開発と書いてあるのは高度化かと思うのですが、革新的というものを、我々の場合は、段々に分けて整理をさせていただいた形であります。そうしているのは、最終的には、特にこういうところをやるべきだというところを例えば色分けをしてみたりとか、そういうような形で最終的な整理ができるといいかなと思いながら表はつくっているつもりでございます。その辺も、最終的に取りまとめに向けてまたご意見をいただければありがたいなと思います。

【今脇主査】  この表を見て、コバルトリッチクラスト、こちらはあまり詳しくないのですけれども、これは対象がやっぱり難しくて、なかなか手がでないのでしょうか。専門外でよくわからないのですけれども。海底熱水鉱床に比べると、いやに簡単にしか表ができていない。

【生川海洋地球課長】  おっしゃるとおりでございます。というのは、なかなか難しい面もあるのと、あと、海洋基本計画での位置づけも海底熱水鉱床とコバルトリッチクラストでは違って、海底熱水鉱床については10年程度で商業化を目指すのだということがかなりターゲットを明確に書いてあるのに対して、コバルトリッチクラストはもうちょっと基礎的な調査を行っていくみたいな感じになっているので、もう少し先の話という位置づけにはなっているのかなと我々は理解しておりますので、どちらかというと、具体的なターゲットを示されたものを中心的に今までも議論をしてきていただいたので、結果としてこういう形にはなっているということであります。

 ただ一方で、こういうことも含めて、コバルトリッチクラストではこういう観点、こういうことをもうちょっとやるべきだというようなご意見があれば、ぜひいただければありがたいと思います。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 関連で、先ほど宮崎さんの話ではメタンハイドレートが結構ターゲットになっていたのだけれども、この報告書ではもうメタンハイドレートは触れないのですよね。

【生川海洋地球課長】  はい。というのは、これも一番最初に経産省さんともいろいろと議論をさせていただいて、我々はどこをやるかということを議論した過程で、少なくとも我々の理解では、メタンハイドレートについてはかなりやり方が確立されているところもあるので、探査の技術ということで、文部科学省として貢献をさせていただくところというのはそんなにないのかなという理解で、むしろ熱水鉱床とコバルトリッチクラストに焦点を当てて検討させていただくということにしているつもりでございます。

【今脇主査】  はい、どうぞ。

【宮崎委員】  コバルトリッチクラストの調査は、今、浦辺先生が「ハイパードルフィン」を使ってやっていて、その情報が入ってきたのによると、ものすごくやっぱり映像、今まであまりコバルトリッチクラストをROVで見たことはないのでしょうか。非常にいい映像がたくさん撮れているというのと、実際にサンプリングをして、160キロとか、そういうクラストを取り上げているというので、何かメールで興奮して先生が書いていらっしゃるような情報が入っていますので、きっと……。

【今脇主査】  今、乗っているのでしたか。

【宮崎委員】  今、乗っていますね。ですから浦辺先生に、このまさにホットなところの情報をここに入れていただくのがいいのじゃないかと思っております。

【今脇主査】  今の、何の技術を使ってとおっしゃったのですか。

【宮崎委員】  ROVです。「ハイパードルフィン」を使って海底に潜って、サンプリングを今、しているわけです。それから、どういうようにコバルトクラストが海底にくっついているかとか、オーバーハングしてこうなっているとか。

【今脇主査】  写真とか。

【宮崎委員】  そういうものを、まさにご自分の目でごらんになっています。今まで上からかき回してとってとかというのがあったようですけれども、あまりそういう情報とかデータがなくて、まさに浦辺先生が一番お持ちだと思っております。

【今脇主査】  どうぞ、増田委員。

【増田委員】  さっきの熱水鉱床の考え方と似たような話なのかもしれないのですけれども、やはりコバルトリッチクラストもサンプリングというのですか、の技術が、ボーリングマシンというのは、これは今、我々が持っているものというのは20メートルぐらいを対象にしたもので、コバルトリッチクラストなんていうのは海底面数十センチとか、そういったものをきちんととっていけるような技術があれば、非常に評価がよくできるというか、やりやすくなるのじゃないかと思います。

【今脇主査】  今のは、20メートルも深く掘らんでも、1メートルぐらい?

【増田委員】  1メートルも要らないで、数十センチでいいのだと思うのですけれども。

【今脇主査】  数十センチぐらいを効率的に……。

【増田委員】  数十センチぐらいをきちんと、どんな方法があるのか知りませんけれども。

【今脇主査】  効率的に、そのかわりに効率的にどんどん取っていけるような、そういうものが望ましいと。

【増田委員】  はい。今のボーリングマシンというのは20メートルという、ちょっと帯に短し、たすきに長しというのですか、熱水鉱床に対してもちょっと少ないですね。特に埋没した鉱床となれば、もうちょっとは必要になるだろうし、そういう意味ではまだそういうサンプリングをどうするかという課題は大きい課題だと思います。

【今脇主査】  ほかのご意見はどうでしょうか。もうそろそろよろしいでしょうか。

 それでは、今日はもう一応、皆さんお考えのことは披露していただいたということで、追加についてはメールか何かで、また会議の後でということで。

【生川海洋地球課長】  一言だけ、すいません。ありがとうございました。ご議論いただいて、我々この表をまとめさせていただいて、1つのリーズナブルなまとめ方かなとは思っておりますが、事務局として当初ちょっと期待しておりましたのは、これをやるとすごいぞというものが出てくると、率直に言ってうれしいなということではあったのですが、基本的には陸上でやられているようなものを海でも試してみるということだと思うのですが、やっぱり大体そんな感じなのでしょうか。あるいは、もうちょっと海という観点から、こういう工夫の余地がある、あるいはこういう可能性があるのじゃないかとか、そういったものがあるのかないのか、ある意味、地道にやっていくという形のような気もするのですけれども、そういうことがやっぱり進むべき道なのかあたりを、もし感想なり、ご意見なりがあれば、教えていただければありがたいなと思うのですが。

【今脇主査】  もっと大胆な発想で何かないかということで。どうぞ、増田委員。

【増田委員】  陸上の黒鉱なんかの探査で考えると、電気とか磁気、金属鉱床は一般にそうなのですけれども、これがきちんとできるようになると、相当話は違ってくるのじゃないかなという気はしますけれども、ただ、お話を聞いていると、何だか難しい技術のようですので、期待したいところではあるのですけれども。

【今脇主査】  阿部委員、何かありますか。

【阿部委員】  このチムニー活動が数年ないし数十年という考えがあるということでしたら、いずれ、数十年待てば、すぐ掘れるという観点であれば、私はアクティブなものを一生懸命探していくと、それが数年後には活動はとまりましたとなって、それこそ生物はみんないなくなっちゃったというのであれば、何か私はやっぱりアクティブのほうに行きたくなるということです。

【今脇主査】  なるほど。急いで取らんで、静まるのを待って、それをぱっと。

【阿部委員】  そうです。

【今脇主査】  どうぞ、平委員。

【平委員】  海底面下、海底面下直下にコバルトリッチのような、べたっとあるのじゃなくて、ともかくいろいろな産状で鉱床があるというのは、陸上にはない珍しいタイプの鉱床であるわけで、私がなかなかアイデアが出ないのは、やっぱり相手の実態がわからないからなのです。なので、これをやりつつ、ほんとうにどこか、前はモデル鉱床という考え方がありましたけれども、幾つかの鉱床に関して本格的な調査を、今、JOGMECでもやり始めているわけですから、やりつつ、これに関してはこういう方向性ということを私は出すのはあれですけれども、驚天動地の何か新しい方法を、今、相手がわからないときに出せというのはもともと無理な話なので、もうちょっと相手を知る、敵を知らないと、討ち倒す方法もわからないわけですから、一緒にやっていくうちにすばらしい方法が出てくると、そういうように信じていますけれども。

【今脇主査】  おっしゃるとおりと思います。

【生川海洋地球課長】  そういうことかと思いながら、我々もこの取りまとめをいろいろ書いているところではあるのですが、そういう意味で、相手を知れば、もうちょっと違う探し方というのは当然出てくると。逆に言うと、そういうところ、新しい知見を導入していくということが、ある意味、革新的な探査方法を見つけていくということにもつながるのかなと。そういう意味で、理学的な知見とか、さっき増田委員がおっしゃった生成論とかも含めてということなのかもしれないのですが、そういったものを導入して、何か新たな探し方を考えるとか、そういうことをある意味、平行して考えていくということもあってもいいのかなと。そういうものもやりながら、地道な技術の開発ということもやっていくということで、将来的には非常に効率的な探査手法にたどり着けばいいかなというような気もするのですが、その辺、もしご意見があれば、いただければありがたいと思います。

【今脇主査】  熱水鉱床については、発見されたのは相当、もう20年も30年も前ですよね。そんなに前じゃないですか。

【平委員】  熱水活動ね。

【今脇主査】  熱水活動。で、サイエンスのほうでも結構おもしろいから、調査が進んでいるのだと僕は思っていたのですけれども、そうでもないのですか。掘る人が調べているぐらいで、科学者はあまり関心がないのですか。

【平委員】  海底の熱水鉱床で、まともにボーリングされた例というのは非常に少ないです。

【今脇主査】  壊したらいけないということですか。

【平委員】  要するに、3次元的な形がわかったというものは非常に少ない。ノーティラスやあれは言っていますけれども、どれだけ信用できるものかわからないし。

【今脇主査】  それは掘りたい人ね。

【平委員】  うん。

【今脇主査】  サイエンスのほうでは、何かどれぐらい、下のほうの調査までやっているのですか。あまり壊してはいけないということがあるのですか。

【平委員】  壊してはいけないということもありますけれども、熱水鉱床というか、熱水堆積物をやったというのは2つ、3つですよね。

【今脇主査】  調査したのは。宮崎委員。

【宮崎委員】  JAMSTEC20年前から熱水を探査したり、そういうチャンスをやってきました。今まではサイエンティストの興味に対してアプローチといいますか、技術的なアプローチをどういうようにしたらいいかということにターゲットを絞ってきたものですから、全く資源探査という視点でセンサーもあれを見ておりません。まさに、今回といいますか、ここにきて、資源を探査するセンサーとか技術、あれはどうしたらいいかということはまさに今始まったところで、検討をすればするほど、おもしろい装置とか、おもしろいやり方が出てきつつあります。ですから、まさにこういうものを、平理事がおっしゃいましたように、やっぱりやりながら進めていくと、やれば、まさにもっともっと出てくるし、アイデアも出ると思いますし、やり方も出ると思います。海は陸上と違って3次元に動くことができますから、ヘリコプターで飛ぶ時間に比べてはもっと飛び回れると、うまく考えれば、海の探査、広域探査は楽になる可能性もありますから、また資源探査という視点で物事を、あるいは技術開発に絞っていけば、おもしろいと思っております。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 そうしたら、こんなところで今日はよろしいでしょうか。どうぞ。

【鈴木委員】  時間を間違えて、遅くなってすいませんでした。

 ご議論は終わったことなのかもしれないのですが、この技術開発のあり方というものを読ませていただいたのですけれども、課長が先ほどおっしゃったように、海底熱水鉱床については10年後の商業化を目指すと、で、23年度の文科省予算化というような文言も入っていますし、また、最後のその他のところには、こういう探査をするためのシップタイムが確保できないということが書かれている。と、今の既存の技術の中で、大体どのぐらいの広さをやらなければならないのかというスケールがもちろんあると思うのです。すると、今、手持ちのものではどの範囲ぐらいができるのか、10年後の商業化なんていうと、もう5年ぐらい前に、5年後ぐらいにはある程度の可能性のあるところがわかっていなければ、商業化なんかはとてもできないわけですよね。すると、かなり急がないといけない。それと、だから、今、手持ちの資機材、あるいは知識、能力でどこまでできるのか、それでいいのかという開発計画的なものが、探査の開発計画がどうしても必要なんじゃないかなと思うのです。それによって何を重点的に開発しなきゃいかんのか、そのボリュームも含めて、そういう計画が必要なんじゃないかなと思うのです。それがこのあり方という中で論ずるべきことなのかどうかと思うのですが、ないとぐあいが悪いのじゃないかと私は思います。

【今脇主査】  どうぞ。

【生川海洋地球課長】  今の点についての私の理解は、ここでご検討いただいているのはあくまでも探査の技術開発のためのあり方というか、方策をご検討いただいているということで、具体的な探査あるいは開発自体は、海洋基本計画に従って、今、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画というものを年度末に向けて経産省さんが中心になってつくられていますので、そういったものでしかるべく中身を書いていくということなのかなとは理解しております。

【寺島委員】  今、パブリックヒアリングにかかっていますけれども。

【今脇主査】  それでは、もうきちんと今、鈴木委員が言われたようなことは配慮されているのでしょうか。

【寺島委員】  開発計画みたいな、私もちょっと全部はあれですけれども、何かそういう10年間の計画みたいなものが書いてありますね。

【鈴木委員】  開発の前にはやっぱり探査がないと、開発計画が立たないわけですからね。

【今脇主査】  どうぞ。

【増田委員】  探査はJOGMECで、実際、やっているのですけれども、それは今、お話にあった10年計画、これにパラレルに沿うような形で探査を進めると、そういう計画をつくってやっているところです。あまり詳細に計画には書いていなかったとは思いますけれども。

【今脇主査】  どうぞ、阿部委員。

【阿部委員】  ちょっとずれたお話になりますけれども、今回まとめていただいたドラフトの中で、ロンドン条約について触れられていますよね。10ページの4行目あたりだったですかね。このロンドン条約は海底鉱床は省いてあるのじゃないですか。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  たしかコバルトリッチクラストについてだと、今のロンドン条約では、いわゆる工業廃棄物、海底下において、いわゆるマイニングを行うときの制約はかかっていないという解釈だと思いますが、それについて、海底機構でしたかのほうで、そういうものも今後は含めるという議論が今なされておるという状況があるという情報がありますので、今後そういったものがデファクトスタンダードになっていくことを予想した上で、そういったことも考慮した開発技術を検討していくことが必要ではないかという観点で記載してございます。

【阿部委員】  わかりました。一応、取り寄せてチェックしてみたら、sea bedのミネラルリソーシズは、これはカバーされないよとはっきり書いてありましたから。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  入っていますね。

【今脇主査】  今の条約では、鉱物を取って、その取ったかすはそのまま海に捨ててもいいという。

【阿部委員】  そういうようにとられかねないということですよね。

【今脇主査】  それは改定しようという動きになっていると。

【阿部委員】  そういうことですね。

【今脇主査】  ありがとうございます。

 それでは、そろそろ時間になりかかっていますので、きょうの中間取りまとめ素案に対するコメントはこの辺で終わりにさせていただきたいと思います。この報告書については、引き続き取りまとめに向けて各委員の皆様方からのご意見をいただきたいと思います。

 

 

(2)その他

【今脇主査】  この後の予定について、事務局からお願いします。

【嶋崎海洋地球課長補佐】  本日はありがとうございました。

 今後の予定について説明させていただきます。

 きょうお配りいたしました資料12、素案につきまして、あるいはその素案のもとになる13ベースのものでも結構なのですけれども、最終的には12にどのように盛り込むかということで見え消しのような形があれば、さらに幸いではございますが、こういった点につきまして、2月末までを目途にコメント等をいただければと思っておりますので、また具体的に事務局からメールでご案内させていただきますけれども、2月末を目途に文章ですね、本文について、るるご指摘、コメント等をいただきたいと思っております。

 それを踏まえまして、今後の予定でございますけれども、3月にあと2回くらい開催して、できれば中間取りまとめという形に持っていきたいと考えてございます。いただいたコメントをまとめて、今の素案から案の段階、文章が大体整って、こういう内容でいかがですかというところまでまとめられれば一番いいかなと思っておりますので、次回はそれをお諮りして、さらに足りないところ、不足のところ等を議論していただければと思っております。それが大体3月の上旬ぐらいかなと。

 もう一度、3月の中下旬ぐらいにこの委員会を開く予定にしてございまして、そこでは最終的な中間取りまとめの確認と、この委員会でご議論いただく今後やるべき技術の内容というのは、文部科学省の競争的資金であります基盤ツールで、開発プログラムで21年度にどのような課題を公募していけばいいかというもののベースになるご議論と考えてございますので、具体的に21年度、どのような規模で、どういうものに資金を充てていけばいいかという技術課題の規模、あとはその内容、こういったものについても3月の最後の委員会でご議論いただけるようになればいいかなと思ってございますので、あらあらそういった日程を念頭に置いていただきながら、今月末を目途に、まず報告書をある程度仕上げるための意見、コメント出しをお願いできればと思ってございます。

 以上でございます。

【今脇主査】  ありがとうございました。委員の皆様のご協力を御願いします。

 今の話でちょっとお訊きしたいのですけれども、21年度の基盤ツールの募集、あれはいつごろかけるのですか。その前に結論が出ていないとあれですよね。動けない。

【生川海洋地球課長】  そうです。まずはこの報告書をまとめた上で、それを踏まえた上で、どういう課題について、どういう形で公募をするかということを検討させていただいて、その上でということになりますので、どういうスケジュールになるかということは今はまだわかりませんが、年度に入ってからという形になろうかと思います。

【今脇主査】  今、21年度のですよね。

【生川海洋地球課長】  21年度です。

【今脇主査】  21年度の募集。

【生川海洋地球課長】  21年度の公募です。

【今脇主査】  年度に入ってすぐぐらいにやってということで。

【生川海洋地球課長】  そうですね、4月、5月には公募要領を固めて、公募を1カ月、2カ月して、選定をした上で、夏以降に実施をいただくという形になるのかなと思っております。

【今脇主査】  そうすると、この3月末ぐらいのときに、何かこの辺を重点にというのが出ると動きやすいと。

【生川海洋地球課長】  そうですね、そこも、できればそこまでぜひ行きたいなと思っております。ここで技術課題をご整理いただきますので、今やっているのはこういうところだから、あとこういうところをやる必要がある、こういうことをさらに公募したらいいのじゃないかということを、原案は我々でつくらせていただきますが、その辺をご意見いただいた上で、公募要領に落としていくということをやっていきたいと思います。

【今脇主査】  それから、8ページにある45、ここのところを今の、きょう皆さんに検討していただいた表を中心にして、それは事務局で作っていただく。これは、文章でだーっと書くよりは、表をそのままつけるというのも手ですよね。

【生川海洋地球課長】  表は表でつくりたいと思います。それと、あとは文章もエッセンスを書き込めたらいいかなと思っておりますので、基本的にはその表を文章に落とした本文と、表は表としてアタッチメントとしてつけるという形にはなるのかなと思います。

【今脇主査】  それから、日程を早目に、先生方の日にちを押さえて、この日はもうほかに使うなということを早目に決めたほうが、段々直前になるに従って皆さん日程が入りますので、2回分、早目に確保しましょう。

【生川海洋地球課長】  はい、そういう形でやりたいと思います。

【今脇主査】  何かご質問がありましたら。

 それでは、特にないようですので、今日はどうも2時間にわたって集中した議論をありがとうございました。これで終わります。

【生川海洋地球課長】  どうもありがとうございました。

 

―― 了 ――

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