海洋資源の有効活用に向けた検討委員会(第1回) 議事録

1.日時

平成20年12月3日(水曜日)15時~17時

2.場所

文部科学省5階 5F5特別会議室

3.議題

  1. 海底鉱物資源開発に資する技術開発の検討について
  2. その他

4.出席者

委員

今脇、阿部、浦、浦辺、沖野、鈴木、平、瀧澤、寺島、宮崎 各委員

文部科学省

生川海洋地球課長、嶋崎海洋地球課長補佐、久保池企画調査係長

5.議事録

【今脇主査】  それでは、委員の方皆さんおそろいですので、第1回海洋資源の有効活用に向けた検討委員会を開催したいと思います。今日は、お忙しい中お集まりいただきましてありがとうございました。私は、主査を務めさせていただいています海洋研究開発機構の今脇です。よろしくお願いします。

 それでは、まずは事務局の文部科学省研究開発局生川海洋地球課長よりごあいさつをお願いします。

【生川海洋地球課長】  ありがとうございます。海洋地球課長の生川でございます。委員の先生方には、本日はお忙しい中ご出席いただきまして、本当にありがとうございます。

 この海洋資源の有効利用に向けた検討委員会でございますが、もともとは、本年度に基盤ツール開発プログラムというプログラムを私どもは始めさせていただいたところでございますが、この検討、審査のために海洋開発分科会のもとに設置された委員会でございますが、今般海底熱水鉱床やコバルトリッチクラスト等の海底資源の探査に必要となる技術開発全般にそのスコープを広げ、いわば技術開発戦略全体についてご検討、取りまとめをいただくべく新たにご審議を開始いただくこととなったというところでございます。

 この関係で、この検討委員会に新たに6名の委員の先生方に参加いただいております。いずれの先生方も極めてお忙しい中、この委員会への参加についてご快諾いただいたことに対して、感謝申し上げたいと思います。

 海底熱水鉱床をはじめとした海洋資源の開発は、資源小国を言われております我が国にとって非常に重要なテーマでございます。海洋基本計画でも、特に海底熱水鉱床の開発については、今後10年程度を目途に商業化を目指すということとされております。

 一方で、海洋技術の世界でも成果の社会還元が強く求められているという背景がございます。こういった中で、私どもとしても、単なる研究のための研究、あるいは開発のための開発に陥ることなく、実際に現場で使ってもらえる技術開発にしっかりと取り組んでいきたいと考えているところでございます。

 このような観点から、実際に資源開発を担当されます経済産業省とも密接に連携を図りながら検討を進めていきたいと考えておりますし、この検討の準備に当たってもいろいろとご相談させていただいてきたところでございます。本日も傍聴にお越しいただいておるところでございます。

 当面の目標としては、若干タイトなスケジュールではございますけれども、今年度末を目途に中間的な取りまとめをいただき、現在、経済産業省で検討が進んでおります海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(仮称)というのがございますが、この計画と何らかの形でリンクを持たせるとともに、来年度の基盤ツール開発プログラムの新規公募、あるいはJAMSTECにおける技術開発、さらには22年度予算要求等に反映させていきたいと考えているところでございます。

 委員の先生方におかれましては、若干短期集中型のご議論をお願いするという形にもなろうかと思いますが、ぜひともよろしくお願い申し上げます。

【今脇主査】  生川課長、どうもありがとうございました。

 それでは、この委員会は、こういう、皆さんに集まっていただく会合形式で開催するのは今日が初めてということでございますし、また、このたび委員会に新たに加わっていただいた委員の方もいらっしゃいますので、事務局から委員のご紹介をお願いします。

【嶋崎課長補佐】  それでは、ご紹介させていただきます。参考資料1で本検討委員会の委員名簿を配付させていただいております。主査は海洋研究開発機構の今脇主査にお願いしておるところでございます。

 名簿の順に従ってご紹介させていただきます。住友金属鉱山取締役専務執行役、阿部一郎委員でございます。

【阿部委員】  阿部でございます。どうぞよろしくお願いします。

【嶋崎課長補佐】  東京大学生産技術研究所海中工学研究センター長、浦環委員でございます。

【浦委員】  浦でございます。よろしく。

【嶋崎課長補佐】  東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻教授、浦辺徹郎委員でございます。

【浦辺委員】  浦辺です。よろしくお願いします。

【嶋崎課長補佐】  東京大学海洋研究所海洋底科学部門准教授、沖野郷子委員でございます。

【沖野委員】  沖野です。よろしくお願いいたします。

【嶋崎課長補佐】  日本水産元相談役の鈴木賢一委員でございます。

【鈴木委員】  鈴木でございます。

【嶋崎課長補佐】  独立行政法人海洋研究開発機構理事、平朝彦委員でございます。

【平委員】  平でございます。よろしくお願いいたします。

【嶋崎課長補佐】  科学ジャーナリスト、瀧澤美奈子委員でございます。

【瀧澤委員】  瀧澤でございます。よろしくお願いいたします。

【嶋崎課長補佐】  海洋政策研究財団常務理事、寺島紘士委員でございます。

【寺島委員】  寺島です。どうぞよろしくお願いいたします。

【嶋崎課長補佐】  独立行政法人海洋研究開発機構海洋工学センター長、宮崎武晃委員でございます。

【宮崎委員】  宮崎でございます。よろしくお願いいたします。

【嶋崎課長補佐】  このほか、本日ご欠席でございますけれども、琉球大学監事、小池勲夫委員、また、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構特命参与、増田信行委員の2名が本委員会の委員となられております。

 以上でございます。

【今脇主査】  どうもありがとうございました。

 それでは、この後審議を行っていくに当たって皆さんにお願いがあります。参考資料2というのがございますが、この委員会が設置されています海洋開発分科会、親委員会の運営規則がございます。これによりますと、主査は会議を招集し、会議の議長となって議事を整理することになっている。

【嶋崎課長補佐】  下に設置される委員会等は、海洋開発分科会の規則に準じるということになりますので、同じでございます。

【今脇主査】  第2条の6番目のあたりに議事というのがありますね。会議の議長となり、議事を整理する。その下に、職務を代理する者というのがありますが、当該委員会に属する委員等のうちから主査があらかじめ指名する者がその職務を代理することができることになっている。

 それで、この際委員会がかなりタイトな日程で開かれますので、主査が出席できない委員会も多分設定されると思いますので、それをあらかじめ見越して、主査代理をお願いしておきたいと思います。主査代理は、主査が不在のときに会議の進行や委員会での審議の結果を分科会に報告いただくことになる。この会議を進行すると同時に、もし分科会に報告するときに主査ができなかったら、主査代理にお願いするということですね。主査代理は主査が指名することになっておりますので、私としては浦辺委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【今脇主査】  どうもありがとうございました。

 

 

(1)海底鉱物資源開発に資する技術開発の検討について

【今脇主査】 それでは、まず海洋資源の有効活用に向けた検討委員会で審議する内容とその背景について、事務局からご説明をお願いします。

【嶋崎課長補佐】  説明させていただきます。その前に、順番が前後いたしましたが、お手元の資料を確認いただきたいと思います。議事次第ということで、配付資料のリストを載せてございます。資料11から15までがメーンの資料として、また、参考資料として参考資料1から3までを配付させていただいておりますので、不備等ございましたら事務局のほうにお申しつけいただければと思います。

 それでは、これまでの検討の背景、分科会での検討事項の紹介といたしまして、資料11から14までを続けて説明させていただきたいと思います。分科会のメンバーになられている方については、一部重複する資料もございますけれども、ご承知おきいただければと思います。

 それでは、資料11をごらんいただけますでしょうか。「海洋開発分科会における海底鉱物資源開発に関する議論の概要」ということで、これまで親委員会であります海洋開発分科会で本年8月と11月の2回にわたって当該分野に関する議論をしてまいりました。その背景といたしまして、1ポツに書いてございますとおり、本年3月に閣議決定された海洋基本計画の中の、海洋に関して政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策の一つとして、エネルギー・鉱物資源開発分野について言及されておるところでございます。

 具体的には、探査・開発の対象を石油・天然ガス、メタンハイドレート及び海底熱水鉱床として、必要な政策資源を集中的に投入するとともに、コバルトリッチクラストについては今後の調査・開発のあり方について検討する。また、これらを確実に推進するために、本年度中に関係府省連携のもと、「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画(仮称)」を策定すると海洋基本計画の中に記載されているものでございます。

 この海洋基本計画を踏まえて、経済産業省で、関係の審議会の中で外部有識者の意見等も踏まえご議論されておりまして、関係府省とも連携して、本年度末までにこの開発計画を経済産業省を中心として取りまとめるということで議論が進んでいるところです。

 一方、海洋開発分科会では、海洋に関する科学技術の面から当該分野について検討するということで、先ほども紹介いたしましたとおり、8月と11月の2回の分科会におきまして議論していただいたところでございます。3ポツ、4ポツにそれぞれ8月、11月に行われました分科会において出された主な意見を要約しております。

 3ポツ、8月の議論ですけれども、開発計画については、経済産業省が中心となって策定を進めているという状況であったのですが、研究サイド、学術サイドとして鉱物資源等に対する取り組みのあり方を独自につくることが大事ではないかですとか、大学や研究機関等と計画のかかわり方を含めて議論すべきことは幾つもあるのではないかという話。また、海洋資源の開発自体は日本の将来を左右するような大変重要な課題であるので、文部科学省の審議会、分科会の枠の中では、その中でも非常に基礎的なところをとらまえて押さえた議論をやるべきではないかですとか、海洋開発に伴う環境の変化ですとか生物多様性の問題などについても留意して検討を行うべきという議論がございました。

 また、11月に行われた分科会では、そこに3つの丸で紹介させていただいておりますけれども、経済産業省における開発計画に関する取り組みと、文部科学省の技術開発の取り組みをあわせて、連携しながら取り組んでいくべきであるという点、また、具体的な技術だけではなくて、技術を担う人材を育成するという幅広い観点からの検討も必要ではないか、また、海洋資源の調査により得られる情報を取りまとめると、鉱床の成因、どういうようにして成り立ったかとか、自然史論の推進等学術的な成果への貢献が期待できることから、こういったことも視野に入れるべきであるという議論があったところでございます。

 資料12をごらんください。これまで海洋開発分科会ではこういった議論がなされてきておるところですが、一方で、先ほども紹介させていただきました経済産業省の取り組みと、文部科学省の海洋開発分科会で今後取り組もうとしている内容の連携を1枚紙にまとめたものが資料12でございます。

 重複がありますが、海洋エネルギー・鉱物資源開発計画を策定すべく、経済産業省では、それぞれの鉱物資源の種類ごとに、るる検討を進めてこられているところでございます。例えば石油・天然ガスについては、探鉱実績の少ない海域を中心に三次元物理探査船「資源」等を活用して基礎的な物理探査を拡充し、実際に探査、調査を行う。賦存可能性が高いと期待される海域での基礎試錐、ボーリング等を実施し、民間探鉱活動を促進させて、新たな油田、ガス田を開発するという方向性。

 また、メタンハイドレートは、燃える氷等と呼ばれているものございますけれども、これらの賦存状況の把握調査ですとか、周辺海域での産出試験、経済性の評価等10年程度を目途に商業化を実現すべく検討を進めていく。

 また、海底熱水鉱床につきましても、周辺海域における賦存量の把握のための調査、海洋環境基礎調査、環境影響予測手法、採鉱・揚鉱、さらに製錬する技術開発課題について、10年程度を目途に商業化を実現すべく検討を進める。

 コバルトリッチクラストにつきましては、海洋基本計画の中にも記載がありますように、資源ポテンシャル調査等を実施して、今後の調査、開発のあり方について検討するとされているところでございます。

 これに対して文部科学省のほうでは、独立行政法人海洋研究開発機構ですとか大学等に蓄積された技術を活用し、また、海洋資源開発の商業化を後ろから後押しするという観点から、特に海底熱水鉱床、あるいはコバルトリッチクラストを中心として、これらの賦存状況、存在状況、分布状況といったものをより効率的・定量的に把握するための技術課題の検討を行い、産業界での活用を目指した開発を検討していこうということで、経済産業省と文部科学省とが連携して検討を進めているところでございます。

 そのような中で、本委員会の検討事項といいますか、肝になる部分でございますけれども、資料13は、特に「現在の海底熱水鉱床の探査技術のその問題点」ということで、何を今後技術的な課題として議論していかなければならないのかというのをまとめた紙でございます。

 釈迦に説法の部分もございますが、海底熱水鉱床とはということで、断層等から浸透した海水がマグマにより熱せられ噴出し、また、熱水中に含まれる金属成分が海底に堆積している。この中には、鉛、亜鉛、銅、銀、金、レアメタルなども含めて大量な鉱物資源を含んでおりますので、我が国における今後の有望な鉱物資源として期待されているというものでございます。

 海底熱水鉱床に関する調査の現状でございますけれども、1マル、2マルとして未知の海底熱水鉱床の探査という観点と賦存量の把握という観点で、それぞれ現状と課題ということでまとめさせていただきました。

 未知の海底熱水鉱床の探査、新しい鉱床がどこにあるか発見するという観点でございますけれども、現状といたしましては、海底の地形、あるいは火山の活動分布より海底熱水鉱床の存在地域を推定する、あるいは海水の成分、イオン濃度、水温、濁度等を見ることによって熱水の異常を特定して、その周辺に鉱床があるのではないかという形の探査を行うやり方。あるいはテレビカメラ等の目視によって実際に熱水が噴出しているところを把握、特定して熱水鉱床を発見するというアプローチがとられていると聞いてございます。

 課題でございますけれども、広域的かつ効率的に海底熱水鉱床の存在を調査する手段は、今後、より効率的な手法が求められているのではないかという点。もう一点は、海水成分調査ですとかカメラ等による調査は、活動中の熱水鉱床しか特定できず、活動を停止して鉱物資源が堆積し終わった部分については、手がかりが少ないので発見することが難しいという課題がございます。

 一方、商業化を目指すという意味では、資源の賦存量を正確に推定するということが必要不可欠になってくるわけでございますけれども、現状といたしましては、テレビカメラ等による目視や音響ソナー等を用いた詳細な海底地形の調査で、鉱床の広がりを推定しております。その後、実際にボーリング調査、試錐を行って、特定領域の垂直方向の賦存量を推定することで、賦存量が把握されているというところでございます。

 課題でございますけれども、海底下の構造を立体的、特に深さ方向の資源量を把握する技術につきましては、より効果的、効率的な技術が求められているということ、また、試錐はある程度不可欠なものではございますけれども、ボーリング調査に多額の費用と期間を要しますので、こういった負荷をできるだけ低減できるような探査手法が求められているのではないかということでございます。

 また、共通の課題といたしまして、海底熱水鉱床等の探査に適した、自律式の方向探査機、あるいは無人探査機、AUVROV等の探査機の開発・整備が今後求められるのではないかということが課題の3点目として挙げられております。

 そこで、求められる技術として、重複になりますが、未発見の海底熱水鉱床を広域かつ効率的に探査するための技術、あるいは詳細な海底下構造を立体的、垂直方向を中心に把握して、鉱床の賦存量を高精度で把握する技術、あるいは海底熱水鉱床等の探査に適した自律型無人探査機、遠隔操作無人探査機等の探査機技術をあわせて開発するということが、検討課題として重要なのではないか。こういうことを検討することによって、鉱床の商業化に貢献していけると考えているところでございます。

 説明ばかりになってしまっておりますが、続いて資料14をごらんいただければと思います。こういった問題意識のもと、1119日に開催されました海洋開発分科会で、「海洋鉱物資源開発に関する今後の検討について」という資料を取りまとめていただいたところでございます。背景につきましては、今まで資料11から資料13までで説明した内容でございますので、割愛させていただきます。

 本委員会の検討内容としては、文部科学省においては経済産業省との調整結果も踏まえ、以下を含めた海底熱水鉱床を中心とする海洋資源の探査に資する技術等に関しまして、具体的な内容、技術開発の進め方等について検討を行うとされてございます。その際、人材育成ですとか開発された技術の他分野への応用等の関連事項についても、あわせて検討するとされたところでございます。具体的な検討課題は、先ほど資料13の最後に紹介させていただいた3つでございます。

 検討の進め方として、設置はされておりましたが、なかなか会議形式で開催されてこなかった海洋資源の有効活用に向けた検討委員会、本委員会におきまして、新しく専門家の方も委員となっていただきまして、かなりスケジュールがタイトで恐縮なのですが、本年度中に上記検討内容に関する中間取りまとめという形の報告書を取りまとめ、海洋開発分科会において決定することとなっております。

 この中間取りまとめでは、文部科学省の競争的研究資金であります基盤ツール開発プログラムでの新規公募課題を含めた今後の研究開発の方向性を整理するという性格もあわせて持っているとともに、海洋研究開発機構が実施しております無人探査機等の開発の資源探査上の位置づけを明確にするということも視野に入れてご議論いただきたいと思っているところでございます。

 大まかな検討スケジュールといたしましては、次のところに書いているとおりでございまして、本日が第1回会合ということで、審議事項、今後の予定等についてご議論いただきたいと思ってございます。それから、各分野の専門家等からのヒアリングを12月から2月にかけて5回程度開催していった後に、来年2月から3月に向けて中間とりまとめを取りまとめたい。

 ヒアリングの観点といたしましては、海底熱水鉱床の探査に必要なセンサー類、探査機等に関しまして、探査の現状と課題の把握、あるいは国内外における探査に関する最新の研究開発動向の把握、また、関連企業における技術開発ニーズの把握等も視野に入れて検討を進めていただきたい。

 最後に、別添2としてリストを挙げさせていただいておりますけれども、この検討委員会のメンバーの構成ということで、開発分科会のほうで決めていただいたものでございます。今後のヒアリングの中では、今回検討委員会の委員になっていただいた方々からも、鉱床の開発等に関する現状等について適宜ヒアリング等でお話を聞かせていただければと考えているところでございます。

 海洋開発分科会で決定された内容については以上でございます。

【今脇主査】  どうもありがとうございました。この後ご意見、ご質問等を受け付けます。一つ聞きたいのですが、資料1213を見ると、経済産業省のほうは、石油・天然ガス、メタンハイドレート、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラストと大きく4つ項目があります。今度こっちで集中的にやるのは海底熱水鉱床で、ほかの3つはどうなるのかなというのは、何か説明はありますか。

【生川海洋地球課長】  おっしゃったように、海底熱水鉱床を中心にやっていただければと思っております。ただ、資料12にございますように、コバルトリッチクラストについてもご検討いただきたいと思っております。一方で、石油・天然ガス、メタンハイドレートについては、経済産業省でかなりの検討が進んでおる、あるいは賦存量の把握も含めてかなりの技術開発が進んでいると認識しておりますので、その分について我々のほうが新たに検討するということではないと理解しております。

【今脇主査】  わかりました。海底熱水鉱床の賦存状態把握というのを経済産業省のほうも考えているけれども、こっちは効率的というか、技術をもうちょっと向上させてと、どこかに書いてありましたよね。

【生川海洋地球課長】  例えば、資料12にあります。賦存量の把握、あるいは新たな熱水鉱床を見つけるというやり方は、先ほどご説明させていただきましたように今でもあるのですが、それをより効率的にやる方法があるのではないかと。その面で我々が何らかの貢献ができないだろうかという観点から、ぜひご検討いただければありがたいと思っています。

【今脇主査】  わかりました。広域的、効率的ですか、そういう有効に賦存量を調査するための技術の開発をするにはどういうことを考えたらよいか検討するということですね。委員の方でご質問、ご意見がございましたら、ご自由にお願いします。

【浦委員】  浦でございますが、私のところは自律型海中ロボットを使って死んだ熱水を探す努力をしているのですが、もちろん生きたところも観測しておりますが、つまりどういうことかというと、今までは理学的な興味でアクティブなところを探していって、浦辺委員を含めていろいろ研究が進められています。しかし、生きているところを探すのも当然難しいのですが、死んだところを探すのはとても難しい。死んだところは生きているところよりもたくさんあると予想されているので、どうやって探すかということです。

 今我々が使っている情報は、死んだところにでも古い熱水チムニーが立ち上がっている。立ち上がっている熱水チムニーをいかに効率よく探していくかという技術開発が必要だろうと考えているわけなのです。

【今脇主査】  途中ですけれども、まだ死に切っていないと。チムニーがあるということは、まだ生きているのですよね。

【浦委員】  かもしれませんが、死んでいるかもしれませんが、とにかくチムニーが存在しているという事実だけ。

【今脇主査】  じゃあ、死んでいる、生きているというのはどういう。

【浦委員】  なぜならば、生きているものは、我々のやり方だとPhなり水に溶けているマンガンなりをくんくんしながら探すわけです。それは、水中で探しているので探すことができるわけですが、遠くからもにおいがするなと。つまり、遠くからウナギのにおいがすれば、その近くにウナギ屋があるわけです。においがしなければ、ウナギ屋はあるかもしれないけれどもないのです。においがすればウナギ屋があるので、それを頼りに見つけているというのが現状なのです。

【今脇主査】  それが生きている、死んでいるという定義ですか。

【浦委員】  いや、ウナギのにおいを出しているか出していないかです。

 それで、死んでいるのはウナギのかば焼きのにおいを出さないので、見つけるのはとても難しいのです。それは熱水鉱床じゃなくて熱水活動です。過去の熱水活動は、今のところ死んだチムニーを見つけるより手だてはないのではないかと考えております。浦辺委員にご意見を伺いたいところですが。

 そうすると、幅が1メートル、高さが二、三メートルのものの海底地形図をつくればいいということなのです。海底地形図をつくれる技術がどうやったらできるかということが非常に重要なところです。かつ短期間に広域観測できるという技術がとても大切です。我々はもともとそれを目指して自律型海中ロボットをつくっているのですけれども、例えば海底から30メートルから50メートル高度で3ノットで走ってサイドスキャンする。そうすると、ある程度の能力のあるサイドスキャンを持っていれば、その程度のレゾリューションは獲得できます。

 あとは、実はカルデラやがけのすぐそばを走らなきゃいけないとかなかなか難しい技術があるのですけれども、そういうことをやれる技術は、第一にはそれだろうと。その前として、マルチビームなんかいろいろ新しい音響技術を使って船の上からやるというのもあるのですが、どうしてもレゾリューションが悪いので当たりが悪いのではないか。

 そうすると、今JAMSTECも含めて我々どもが開発している航行型の自律型ロボットをプラットフォームとした観測システムに集中して、そういう目的のためにより高度なものを開発すればいいのではないかというのが、私のスタンスです。今日は申し上げられないのですが、実際にいけます。

【今脇主査】  途中を飛ばして結論ですね。

【浦委員】  すいません。そのうち事実はお見せします。そのときに、今までAUV技術というのはなかなかターゲットがはっきりしないところと、周りの環境、どういうデプスでやるかということですが、1つは1台のAUVだけでもだめで、マルチプルAUVでどんどんやっていかなければEEZの広い解析は不可能ではないか。それはまだ遠いターゲットです。1匹持つのもお金がかかって運転するのも大変なのですけれども。

【今脇主査】  1匹ではだめというのは、広いところをずっとやるのは無理だということですね。

【浦委員】  そうです。私ばかり具体的に言ってすいませんが、さっきのスペック、50メートル高度で3ノットでいきますと、左右大体800メートルぐらいはとれて、それでカバーできる面積というのがありますから、可能性があるところに同時に何匹もロボットを提示していく。このマルチプルロボットシステムというのは、工学的には非常に興味のあるところです。

 今、とにかく海洋観測のJAMSTECでいろいろやられている問題点は、「しんかい6500」を潜らせたらお手上げで、ほかの人はじっとしているだけです。ROVのハイパードルフィンにしても「かいこう」にしても同じことです。それを、今航行型のAUV。航行型のAUVは何がいいかというと、運動が非常にステーブルなので、ハイレゾリューションの海底のマッピングができるわけです。それを使って、かつマルチプルでシップタイム効率を上げ、かつ大きな船も使わないでいろいろなところにやる。

 さらには、宇宙との連携もあるのですけれども、無人母船をつくって無人母船からAUVを展開する。なぜならば、例えば伊是名の沖合だって明神礁の沖合だってほとんど船はいません。これは、国土交通省の船との関係もありますが、なかなかチャレンジングな技術的課題です。

 こういうチャレンジングな技術的課題が提示されれば、日本の大学の研究者、エンジニアの人たちも一生懸命研究します。今のところチャレンジングでありますが、そこからたくさんロボットや無人船ができたりするということがないので、大学の研究者たちはほとんど参加していません。

【今脇主査】  明神礁の近くに船がいないというのは、無人でもオーケーだということですね。

【浦委員】  そうです。東京湾の中で無人でやるのはなかなかつらいところがあります。そういう環境もいろいろありまして、工学的にチャレンジングな分野があって、つまりねらいは、無人船と無人海中航行型ロボットを含めた形で。それは最終的なターゲットです。そこまではいかないのですが、そういう熱水鉱床の開発のある程度の5年後ぐらいのマスタープランを立てたもとでやれれば、かなりいけるのではないかなという。それが探すことに一番近く、かつ楽しそうな研究ではないかと思います。

 もう一つ2番目は、たくさん言ってすいません。見つけた熱水鉱床についてですが。

【今脇主査】  2番目に行く前に確認ですけれども、この分科会でやるのは技術の開発で、実際の開発は別の人がやるのですよね。今のは、こうやったら開発できるという提案ができると。

【浦委員】  そのためにどういう技術が必要かということは、今言ったのは絵にかいたもちみたいなものですが、もちろんできるという自信があって言っているのですけれども、それをやるためにどういう技術が必要か。言うのは簡単ですけどね。

【今脇主査】  開発は大変ですね。

【浦委員】  開発は大変です。それから、オペレーションもなかなか大変だということです。

【今脇主査】  こういう技術を開発したらできると。その技術は開発できるということですね。

【浦委員】  そういうことです。

【今脇主査】  じゃあ2番目。

【浦委員】  2番目は、今我々が非常に問題にしているのは、今日のお話にもありましたが、一体どれだけ鉱量があるのかということを観察する。これはどういうことかというと、資源がどれだけ厚く積もっているかということです。実際にJOGMECにお聞きしても、ボーリングが白嶺鉱床の斜面において、なかなかうまくできない。それで、一体何メートル程度鉱床が詰まっているのか。40メートルなのか60メールなのかいろいろ推定値が言われています。

 今まではそれをほうっておいてもよかったのです。理学的興味でしかそこに行っていませんから。しかし、産業的な興味、これから特に経済産業省と一緒にやっていくのだったらば、今度はそれをちゃんとはかれる技術を開発するべきではないのか。例えば斜面でも60メートル掘れるための技術は一体何なのか。それを見据えて技術開発していくことが大切だと思うのです。

 熱水鉱床については今の2つ、発見すること、それから掘って厚さを調べることがキーのテーマであって、その下にどういうテクノロジーを今後やっていかなきゃいけないか考えるのがおおのではと私は思います。

【今脇主査】  ありがとうございました。掘らないとやっぱり厚さはわからないものですか。

【浦委員】  これは、今あった文部科学省の今年の新しいプログラムの中の1つのテーマに挙がっていて、ヒアリングが予定されている某先生がその研究をしているのですが、それは私の仕事ではないのですけれども、電磁波、重力場なんかをいろいろ複合的に使ってできるのではないかと言われているのですが、私はそのことに関してはよくわかりません。

【今脇主査】  慎重な発言ですね。

【浦委員】  これはとても慎重です。そのことに関してはよくわかりません。ヒアリングで聞いてください。

【今脇主査】  ありがとうございました。浦辺委員は何か。

【浦辺委員】  結論が出てしまっているような感じですけれども、先ほどの今脇委員の生きている、死んでいるというのは難しい問題で、その中間みたいなのもあるわけです。一部生きているとか。

【浦辺委員】  言い方がいろいろとあります。だから、海底に今死んだばかりで生きがよくて地形として残っているものもあれば、完全に埋まっちゃっているものもある。そうすると、埋まっちゃっていないものは今、浦委員がおっしゃったような方法で見つかるし、埋まっちゃっているものは違う方法で見つけなくちゃいけないということがあると思います。

 ですので、さまざまなものがあるのですが、完全に死んで埋まっちゃって地形的にあまり見えないようなものが見つかればもっといいですね。実際にそういう例があるかということですけれども、我々がやった中では、鉄が酸化して海底が赤くなっているのですが、そこを5メートル、6メートルぐらい掘ると100%硫化物で、完全に隠れているのだけれどもそういうものがあるところも見つかっているのです。なかなか難しいのですが、文部科学省のほうは相当先のことまで考えておられるというので、できればそういうものも見つかるものが、どなたかこれだと言っていただけるとすごくいいと思いました。

【今脇主査】  もっと難しい方法ですよね。隠れているやつを。

【浦辺委員】  沖野委員が地球物理の専門でもいらっしゃるし、何かアイデアがあるのかなと思いますけれども、そういう少し深いところのものも見つかると、浦委員の方法で見つかったものとプラスアルファでいいかなと思います。

【今脇主査】  ありがとうございました。じゃあ、沖野委員に振られたけれども。

【沖野委員】  死んだやつをどう探すかなんですけれども、浦委員がおっしゃったような、もくもくしていないチムニー、閉店したウナギ屋を探すというのは。

【今脇主査】  今もう煙が出ていないやつという意味?

【沖野委員】  という意味で使っておられますよね。

【今脇主査】  じゃあ、それは死んだばかりですよね。

【沖野委員】  だから、それはまだウナギ屋の店舗はある状態ですよね。

【今脇主査】  店はあると。

【沖野委員】  1つ、産業目的ではないのですけれども、科学目的の調査で地磁気の探査で見つけている例があります。海底は、もともと普通は磁化しているのですけれども、熱水循環することで循環しているエリアが変質してしまって、岩石が変質して磁化が失われる。ずっと調査すると、周りは普通に磁化しているのだけれども、熱水のあるところだけ磁化が弱い状況。そうすると、それは生きていても死んでいてもなるのです。

 アメリカ西海岸で比較的高分解能の磁気調査をやった例があって、そうすると、本来もともと知っていた熱水サイトの近辺を少し広い範囲調査したら、ほかにもたくさんの磁化のない丸い異常地帯、スポットが見えた。その幾つかを調査したら、煙の出ていないチムニーがあって、だから死んだものを見ているのだという報告が1例ある。

 だけど、それを追試して同じようなことをほかで見つけた例はだれもやっていない。それは結構難しい。ほんとうはAUVなりできちんとそういうことができればいいのですが、アメリカのチームは測器を引っ張るタイプの非常に珍しい調査を実施しました。センサーを船から曳航して船が行き来するのですけれども、何千メートルもケーブルを引っ張るオペレーションはかなり難しいのです。そのタイプをやった例がそのあとなくて、できればそういうAUVを使ってやるとおもしろいとは実は思っていたので、そういうのは1つのアイデアではあります。

 あと、つけ加えると、浦委員がマルチセンサーで。

【今脇主査】  ちょっと待って下さい。AUVは鉄とか何とかはあるけれども、地磁気ははかれるのですか。

【浦委員】  我々のロボットにも3成分地磁気計を載せていて、そのデータはとっているのです。まだ公表されていないものなのですけど。

 それで、沖野委員がおっしゃっている今までの方法は、トーイングでやるのと、サーフェースシップでやるのとでやっているのです。もちろんサーフェースシップでやってもそこは磁力があって、外乱がとても大きいのです。AUVの場合も、もちろんプロペラを回して走り回っていますから外乱があります。

 ですから、レゾリューションなり精度なりがどのくらいのものかという要求はありますけれども、例えばベヨネーズ海丘の上をJAMSTECの船だったか白鳳丸だったかが2往復ぐらいして、頂上付近の磁気が大分違うというデータは既に出ています。それをAUVでやると、より細かい測線でかつ海底に今言った50メートルとか100メートル潜って近づいて、3成分磁力をはかることによって、今、沖野委員がおっしゃったようなことができる。

 というのは、要するにプラットフォームがあるからできるわけで、今までプラットフォームがなくてトーイングでやっていたので、それがうまくできる。トーイングはむしろ磁力の外乱が少ないからいいのですけれども、オペレーションがとても難しい。

【今脇主査】  そうですね。コントロールする先端をちゃんと動かすのは。

【浦委員】  それが大変なのでポジショニングもうまくいきません。しかし、トーイングも非常に強力なのは、今まではトーイングされたビークルが一体どこのロケーションにいるかというのがよくわからない。ポジションがよくわからないのです。なぜならば、白鳳丸にはSSBLという装置がついてなくて、水中のトランスポンダーの位置がわかる道具を持っていません。JAMSTECの船は水中ビークルを扱っているので、SSBLも非常にいい精度のものを持っています。これでトーイングすると、ポジショニングがはっきりできて、ポジショニングの位置精度がよくなるので、今言った問題は解決できます。

 しかし、大きな船がトーイングビークルのために占有されちゃうので、ずっと走りまわっているのはなかなか大変、シップタイムがつらいと。夜やればいいとかいうのもあるのですけれども。ただし、元東大の船2隻にも積んでいないぐらいですから、SSBLのいい機械を持っている船は日本にはほとんどありません。元東大の船ですら、そのていたらくですから。私は主張しているのですけれども、全然通らないのです。予算が通らないとかいう。

 ですので、トーイングビークルでやって磁気をはかるというのは、AUVを使わないでやるというやり方の1つの方法だと思います。現在ならば、非常にいい精度でポジショニングができるので、いい精度で磁場がはかれるのではないかなと僕は思います。

【今脇主査】  ありがとうございます。中断してすいませんでした。続けてお願いします。

【沖野委員】  あともう一つは、浦委員がおっしゃったマルチロボットみたいなものは非常にいいと思っています。

 あと、そういうほんとうにハイレゾリューションの例えばソナー等で地形を見るというのと、もう一つ前はにおいをかぐような探査。それはもう少し中層でもいいし、粗くてもいいし、速く走ってもいいわけですよね。本来はそういうのがステップを経てあるべきで、広域の船の調査があって大まかにこのあたりという当たりがあって、においをかぐような探査があって、さらに海底付近の調査があって、最後に映像を撮るとか実際にサンプルをとる。ステップがあるはずで、それを今は少しずつやっているのですけれども、どこかのステップが同じ船で一緒にできるとかなりおもしろいかなとは思うのです。

 事実、トンガあたりにラウ海盆というのがありますけれども、海底が拡大して熱水のあるところがあるのですが、そこをアメリカのチームが熱心に熱水系の科学調査をしていて、そこはそういうように3ステップでやるのだと公言していて、ROVAUVのたぐいを2種類持って1つの船で行く。広域に走って、いろいろな化学センサーで当たりをつけたところを、深海を行くセンサーが同じ母船から出るということをしているので、そういうようにもっとシステマチックに複数のセンサーとかプラットフォームが動くという設計をするのは、科学的にも産業的にも将来的にはいいのじゃないかと思うのです。

 以上です。

【今脇主査】  ありがとうございました。報告書の一部が出かかっているような気もするのだけれども、国際的な動向も調べて盛り込みたいと思います。

 宮崎委員、どうぞ。

【宮崎委員】  この委員会は技術開発なので大変うれしくて、たくさん言いたいことはあるのですけれども、ちょっと振り返ってみますと、JAMSTECは海洋・地球とかいろいろ環境のことをやっていますが、潜水調査船「しんかい」とかいうものがあって、持っている機器が深い海でさらに海底下の深いところのいろいろなデータをとるという目的があったものですから、これからはやはりもう少し浅い海域、私たちから見たら浅い海域、1,000メートルから3,000とかいうところですが、その中で今度は海底の表層近くを精度よくデータをとるというのは、今まで私たちが持っていたのと機械が全く変わってくるものと思います。

 この辺は沖野委員、あるいは浦辺委員の意見をお聞きしたいと思いますが、そうして船からもまだ十分にできて、それで当たりをつけて浦委員の言ったAUVを使って、そこで集中的にデータをとるということが必要になってくると思います。それから、私たちはケーブルつきのROVがありますから、サンプリングなどができると同時に、先ほどのディープトウで、磁気探査もできると思いますが、さらに私の考えだと、センサーを海底に這わせてみたい。

 それで、私たちはDONETのプロジェクトで海底ケーブルの敷設をROVでやりますが、資源の厚みを調べたいという場所でケーブルを張ってみて、データをとる。また、それを回収して次の場所に行って張ってやる。そういうことをすると、資源量とか厚みというところがさらに精度よく求められると期待しております。まさにそういう機械、あるいは調査機器を開発していきたいという気持ちはございます。

【今脇主査】  ありがとうございました。深さの話が出たのですけれども、実用化というのも横目でにらむと、対象はどれぐらいの深さなのですかね。1,000メートルぐらい。もっと浅い。

【平委員】  海底下ですか。

【今脇主査】  海底がどの深さを対象に。

【平委員】  海底の深さは、日本付近の熱水鉱床は深いところもありますけれども、カルデラとかだったら2,000メートルぐらい。

【今脇主査】  2,000メートルぐらい。続けて平委員、どうぞ。

【平委員】  僕は、皆さんの言うことは非常によくわかるし、浦委員、浦辺委員、沖野委員、宮崎委員の言うこともそのとおりだと思いますし、マルチセンサーやステップワイズで探していくというのもそのとおりだと思います。基盤ツールプログラムも実はそういう構造になっているのだろうと今私は理解しています。

 私自身はジオロジストなので、現物を見ないと納得しないということがあって、幾らリモートセンシングでいろいろ調べても、やはり現物があってこその鉱床探査だと。ですので、基本的に今ここに現物をとるというプログラムは入っていないのですが、実際に経済産業省でやるプログラム等も含めて、現物を見てグランドトゥルースがあって、また、その磁気的、電気的な性質そのものがあって、もう一つそれが今度リモートセンシングの探査の精度化、あるいは別のパラメータをはかっていくということに帰っていかなきゃならないので。

 ですから、これは方法的な話ですが、経済産業省がやるボーリング調査、あるいは場合によっては「ちきゅう」が出張っていってもいいのかどうか、お金をどこから出すのかということはありますが、某省から出ると非常にうれしいと思っていますけれども、そういう「ちきゅう」も出張った現物をとるプログラムとうまくかみ合わせることによって、リモセンでやることとグランドトゥルースをうまく結びつけていかなきゃならないので、それは一種これからの計画の組み方だとは思いますので、そういうことを視野に入れてセンサー等の開発に対する方向性もぜひ考えていきたいと思っております。

 以上です。

【今脇主査】  ありがとうございました。ほかに何か。

【浦辺委員】  今、平委員にグランドトゥルーシングのことをおっしゃっていただいて、私も地質屋なので非常にありがたいと思っているところなのです。物理的な探査とあわせて一応掘ってみるということは非常に必要なことで、おそらく阿部委員なんかは、ずっとやっておられて実感しておられると思うのですが、今、海の場合に非常に困るのは、機械そのものはあるのですけれども、陸上ほどきちっとできないというのがあります。あまり深さ方向ができないとか、オペレーションが大変とかさまざまなことがありますが、最大の問題はやはり、コアリカバリーというのですがコアの回収率です。10メートル掘ったら何メートルとれるかというのが今非常に低いのです。

 それで、こういう文章に書いてしまうとボーリングで全部わかるかなと思うのだけれども、実際にはコアリカバリーがすごく低くて、間は何だったのかわからないと非常に困る。要するに、それが100%鉱石だと思うのか、今大体平均20%しかコアがとれないので、あと80%は鉱石なのか……。

【今脇主査】  上げたときに抜けてくるのですか。

【浦辺委員】  そうですね。上げるときに抜け落ちるとかいろいろな原因があるのですが、非常に低いのです。これは、日本のものだけが低いというわけではなくて、ODPなんかの結果でも硫化物のところはさらに低い。ジョイデス・リゾリューションで掘ったときに5%しかコアリカバリーがない。普通の岩石はすごく高いのですけれども、鉱石は非常に低いという問題があって、ODPよりは平均すると高いのだけれども、まだ20%。

 そうすると、例えば鉱量計算するときに、20%しかコアがないのに、間を全部つなぐのかどうするのかで4倍は違うので、これはちょっと難しい問題があるのです。だから、そういう技術に関しても、やはり完成はしていない。だから、物をとるときのツールについても、未完成な状態なのだということです。

【今脇主査】  ありがとうございました。寺島委員は中座されるので、もし時間があればお願いします。

【寺島委員】  もう専門家の方々がおっしゃることに感心して伺っていたところなのですが、ただ1つ、まさに技術開発という面では今のようなお話の積み重ねでいいのだろうと思うのですが、海底自体、あるいは海の中をきちんと把握するという面では、全体の探査計画なり調査計画なりがあって、その上に必要な部分の熱水鉱床の探査をするという積み重ねがあると、もうちょっと海全体を。今は気がついたところから調べてということでいいと思うのですけれども、だんだんそういうものが積み重なってきたときに、やっぱり全体的な調査計画なり探査計画なりがあって、その中で今ここをやっているということになると、今度予算を要求するとか何とかいうときにもかなり迫力が出てくるのではないかなということを考えながら伺っていました。

【今脇主査】  ありがとうございました。阿部委員、さっき振られましたけれどもどうですか。

【阿部委員】  私も地質屋のはしくれです。会社で金、銅、鉛、ニッケルをいまだに探していますけれども、探す考え、あるいはアイデアというのは、基本的には地表でやっていることがベースになるのだろうなと。どの部分が海底に応用できるのだろう、あるいは海底でやるとしたらどのような方法に地上の方法が敷衍されていくのかなと。

 そのような考え方でやっていかないと、私はちょっと先走り過ぎたところも聞こえてきたと思うのは、いきなり開発云々かんぬんという方向に導くのではなくて、やはり探す方法の王道を行くといいましょうか、常識の範囲で行くということです。例えば、我々も地表でもいろいろ探査しています。先ほど物理探査のお話も出てきましたけれども、そういうものも随分やっています。やって似たような結果を得たけれども、入れ物はあったけれども中身はないという例がかなりあります。

 ということは、先ほど例えばマグネで低いところが熱水変質である可能性がある。これは確かにそのとおりなのです。だけど、全部あると思えないということです。要するに、大きく網をかけて我々はどんどん絞っていくわけです。やはりそのような考えでいくのが一番いいのかなと私は思います。

 それからもう一つは、どこの地表の鉱山もそうなのですけれども、1つ大きいものが見つかったら、あるいは中でも小でもいいのですが、周囲の地質条件というのは非常に似ているわけです。そうすると、やはりわーっと大きな網をかけるということも1つの方法ですけれども、既に見つかったところ、あるいはそういうところの近辺を探す。地質条件は非常に似ているはずです。

 ということで、我々はそのような考え方で見つける確率を上げていくという考え方でおります。これは参考になるかどうかわかりませんけれども、私はそのように感じました。

【今脇主査】  どうもありがとうございました。ほかに。瀧澤委員。

【瀧澤委員】  いろいろな専門家の先生のお話を伺って、素人なりの意見で申しわけないのですけれども、海底のまだ見ぬ資源を探査する技術を確立するのは非常にわくわくするプロジェクトだと思うのですけれども、それ自体がチャレンジングでして、その技術を確立できた先に、必ず実用化の道が開けるのかどうかというのは、別の越えなくてはいけないいわゆる死の谷という深いものがあるのだと思うのです。今、阿部委員が指摘されていたところにその辺の答えがあるのかもしれないのですけれども、産業界での活用を目指した開発というところで、効率性とかコストの問題を専門家の先生の頭でぜひ検討していただければいいかなと思いました。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 今の瀧澤委員の発言で思い出したのですけれども、技術開発と同時に人材育成とか他分野への応用というのが付加的のように書いてありますが、そちらは今までのご発言ではなかったので、それもちゃんと考えないといけないというご指摘だと思います。

 ほかに今までのところに関係して何か。

【今脇主査】  浦辺委員どうぞ。

【浦辺委員】  お聞きしたいことがあります。資料11ですけれども、3ポツの「第20回海洋開発分科会での主な意見」の中の3つ目の丸ですが、「特に、海洋開発に伴う環境の変化や生物多様性の問題などについて検討を実施すべきかと考える」というのがございました。

 今議論がすごく技術主体になっているのですが、日本が海洋開発をしていく上で、こういう問題もやはり非常にきちっとやっていかないと、なかなか難しいかなと。海は世界中につながっているし、水産とか環境サービスの供給源であるということもありますので、これについてどういうことをやればいいか。こういうのは、ベースライン調査をして、何か開発した後環境影響が出ているか出ていなかということをやって、なるべくそれをミニマイズする技術ということになっていきますね。

 今回、文部科学省でやられるのは、どちらかというと探査的な意見が強いのかなという気もしましたので、こちらのほうは開発に至ってからの話ではありますけれども、これについても何かおやりになるのかどうかというのが質問です。

【今脇主査】  ありがとうございました。実際に掘るほうは経済産業省がやるので、そちらのほうが当然配慮しないといけないのだけれども、ほうっておいたら必ずしもそれをちゃんとやらないかもしれないので、こちらでもちゃんとウォッチしないといかんという、ぶっちゃけた話をするとそういう議論だったと思いますけれども。

【鈴木委員】  多分、探査をして資源があるかを確認していく。しかし、それを実際に資源化するときに、その時点でも環境影響評価をやっていないと、物がありました、あとは一から始めてくださいでは、かなり大きなロスになるのではないかという観点であったと思いますけどね。

【生川海洋地球課長】  確かに、前回の分科会で環境影響評価とか環境保全みたいな話について議論がございました。この分科会、あるいは検討委員会でもしっかり検討すべきだというご意見であったと思います。

 一方で、経済産業省のほうで先ほどご紹介した計画を検討するに当たって、しっかり検討されているところもあると私どもとしては認識しておりますので、そことの関連も踏まえて、こちらの委員会として何らかさらに追加的にインプットすることがあればご検討いただいて、経済産業省にお伝えしていくことはあり得るのかなとは思います。

【鈴木委員】  今まで大変わかりやすくおもしろい話を聞かせていただいて、多様なセンサーの活用であるとか、それに必要な道具の話だとか大変おもしろかったのですが、最後に浦辺委員も言われ、平委員から始まった話ですが、実際に現物をとる、試錐という段階でも、現在の日本のボーリング技術というのは、経済産業省がやっておられるのは知っておるのですが、どの程度のレベルにあるのでしょうか。例えば掘削ロボットのようなものが設置されていて、そこで掘っていくということが可能になっているのかどうか。「ちきゅう」のような大型のものは全く別の話ですけれども、その辺のレベルは、国際的に見てどうなのでしょうか。

【浦辺委員】  私も完全に専門家ではないのですが、掘削の場合は船から掘る場合と機械を海底におろして掘る場合と両方あります。船から掘る場合の代表例が、平委員のところの「ちきゅう」ですけれども、経済産業省のJOGMECというところで、BMSと言っている海底設置型の高さ5メートルぐらいのもので掘るという技術がありまして、それに似た機械は、最近この1年で出てきましたが、世界で実績があるのはそれ1台だけということです。そういう意味では非常によくできているのですが、先ほども言いましたように、まだ20%というのが最大の問題です。ほかは非常によくできている。だから、学術的な目的だとある程度それでいいのですけれども、やはり資源とかいうことになると20%では厳しいかなと思います。

【今脇主査】  20%を改善するという開発余地はないのですか。

【浦辺委員】  手前みそになって大変申しわけないのですが、私の科学目的の調査のときにその船を用船したことがありまして、そのときに陸上のボーリング屋さんに乗っていただき、現実に現場を見ていただいて、何かサジェスチョンがないかということをしたことがあるのです。

 それで、コアが切れないようにとか細かいことですけれども、幾つかのコメントをいただいたのですが、画期的にというのはなかなか難しくて、やはり新しい機械を買うなりそういうところに注意したものをつくるなりしないと難しいかなと思っています。

【今脇主査】  ありがとうございました。平委員、お願いします。

【平委員】  熱水堆積物のリカバリーがすごく悪いというのは昔からあって、ジョイデス・リゾリューションを使った場合でも、シーマウントとか熱水マウントとかでもあまりいいリカバリーはされていない。

 ただし、工夫はできるのだろうと思っているところはあります。それは、ゲルやそういうもので1周掘った部分をつかんでくるような。ただ、周りでグラインディングすると全然だめなのですけれども、掘った部分については落ちないような工夫は幾つかできるのだろうと思いますので、それはこれからもいろいろJOGMECとも相談してやっていきたいと考えています。

 私自身は、JOGMECの委員会のほうにも浦辺委員と一緒に座っているものですから、ちょっとポイントだけ。先ほど環境変化とか生物多様性みたいな話がありましたけれども、やっぱりこの調査のベースはマップであることは確かだと思うのです。非常にレゾリューションの高いカルデラの中のマップをつくって、あるいはカルデラが2つ、3つあればさらにいいですけれども、その11つのでこぼこが何であるかということをきちっと押さえて、シロウリガイのコロニーはここにあります、ここにアオリムシがいますということを含めてマッピングして、なおかつその下がどうなっているかということもわかって、そういうものがあることをベースに、またいろいろな探査技術を深めていくというのが非常に大事だと思うのです。

 幸いなことに、この文部科学省のプロジェクトだけだと中に浮いたような話になっちゃうわけですけれども、経済産業省のほうの環境影響調査とかいろいろな調査と一体化して進めることができるので、私としてはそういうことがわりと現実的に行われる可能性がある、データとしてとれると思っていますので、先ほど鈴木委員が言われたように、初めからそういうことがわかっていないと、いざ開発といったときに、マップだけできてさてどうしましょうというのではどうにもなりませんということがありましたけれども、技術開発と実際の探鉱に結びつくようなデータがとれていく。だからといって、阿部委員が言うように開発できるかどうかは別問題ですけれども、ともかく実態はわかってくると思いますので、今日はJOGMECがおられますけれども、ぜひ密接な協力でやっていければ、実効がさらに上がるのではないかと思っていますけど。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 それでは、時間が大分押してきましたので次に移りたいと思います。この後のこの委員会における検討の進め方と予定についての審議に入りたいと思います。最初に事務局のほうから説明をお願いします。

【事務局】  事務局の嶋崎が中座させていただきまして、私、久保池のほうから説明させていただきたいと思います。

 「今後の検討の進め方及び予定について(案)」ということで資料15に示させていただいております。海洋資源の有効活用に向けた検討委員会、この委員会では、先ほどから申してあげているとおり、海底熱水鉱床を中心とする海底鉱物資源の開発に向けて、賦存状況をより効率的・定量的に把握するための技術課題の整理、それから現状の技術レベルを把握し、こういう技術開発が必要だということについて検討を実施していきたいと思います。

 今非常に具体的なお話が出て、活発な議論をしていただきましたけれども、いろいろな分野からアプローチされている方がいらっしゃいますので、その方からヒアリングを実施して、ご知見をもらいながら検討を進めていくのはいかがかと事務局のほうでは考えております。それで、資料の中盤以降ぐらいに書いておりますけれども、第2回会合より専門の先生方にヒアリングをしていきたいと考えております。

 まず、3枚目の別紙のほうを見ていただきたいのですけれども、こちらが、1119日に開催されましたこの委員会の親に当たります海洋開発分科会において、机上のみで出させていただいた資料でございます。

【今脇主査】  資料153枚目、最後です。

【事務局】  資料15にとじてあります3枚目でございます。こちらのほうが1119日の海洋開発分科会に出させていただいた資料なのですけれども、先ほどから科学的な調査、それから実際の資源の開発に当たって商業的な掘削をするといういろいろな観点がありましたので、そういう意味で、理学系の学術研究としてやられている方からのお話、それから工学分野、実際に産業につなげていく形で開発を行っている方々を含めてヒアリングしていくことを考えております。

 そのほか、現在平成20年度より文部科学省の競争的研究資金として行っております「海洋資源の利用促進に向けた基盤ツール開発プログラム」が4課題動いております。具体的には、海底下の構造探査、あるいは海底地形の探査、海中の化学成分の探査、コバルトリッチクラストの厚さの計測ということで4課題設けておりますが、具体的に動いておりますプログラムの現状について、研究代表者から現状、こういう開発を行っているというお話もいただければと思っております。

 それから、瀧澤委員がおっしゃられたように、当然民間のニーズがあって、それに対して技術開発を行って、実際に民間にも使っていただける技術開発を目指すわけなので、民間企業においてどういう技術開発のニーズがあるのか、あるいは民間のほうでも海底熱水鉱床を中心とする海洋資源の開発に関連した研究会、勉強会などが立ち上がっているという話も聞いております。そういうところのお話も含めて聞かせていただければということとで、別紙に書いております方々を事務局の案としてリストアップさせていただきました。

4つ目もそうですれども、当然国内外における海底熱水鉱床の探査が現状どういう技術レベルにあるのかということも含めて検討していきますので、国外でどういう技術開発のレベルにあるのかというのも、海洋研究開発機構のほうにお願いしておりますので、ご発表いただいて、今後の検討の参考にしていきたいと思っております。

 資料が前後して恐縮ですけれども、資料15の中盤に戻っていただいて、一応1218日を予定に第2回の委員会を開催し、2月中旬ぐらいまでかけて第5回まで開催してこの方々からヒアリングし、ヒアリングの結果を受けて、第5回の後半と第6回の委員会においてこれまでのヒアリングの内容等をまとめて、中間取りまとめという形で何か1つ報告書を作成したいと考えております。中間取りまとめについては、この委員会で取りまとめていただいた後、親の分科会に当たります海洋開発分科会において審議・決定を行っていきたいと思います。

 具体的なヒアリングの実施方法は、非常に細かい話なのですけれども、議論も今日みたいに皆さんのお話をお伺いして活発に実施していきたいということから、10分程度の発表をしていただきまして、その後質疑応答、あるいは議論を15分程度、そしてすべてのヒアリング終了後20分程度の議論の時間を設けたいと思います。

 そして、1ページ目の後半から2枚目にかけまして、5回委員会を開催すると仮定しまして、どういう順序でヒアリングを行っていくのかについて入れさせていただいております。ただ、専門の先生方の中でこういう方々から意見を聞いたほうがいいとか、あるいはこういう観点でヒアリングを実施していけばいいというのがありましたら、ぜひご議論いただきたいと思っております。

 以上です。

【今脇主査】  ありがとうございました。

 ヒアリングでどんな人たちにどんなことを聞くかというのが、さっきの資料15の最後の3枚目の別紙です。ここで4つのタイトル、大枠が書いてありますけれども、ほかに追加することはないかということと、この人にも聞いたほうがいいのじゃないかという追加のご意見なんかがありましたら、ご自由にお願いします。何かありましたら今ローカルに。耳打ちされていましたけれども。

【宮崎委員】  沖野委員のヒアリングという。

【今脇主査】  沖野委員の名前がない。

【沖野委員】  佐柳先生がカバーしてくれると思うので大丈夫です。

【今脇主査】  そうですか。委員の方で、積極的に紹介したいという立候補というのもありますけど。よろしいでしょうか。進めている間に、この人にも聞いてみたいということがあれば随時追加ということで。一応取っかかりとしては、この方々にここにあるような枠組みでお話ししていただくということで進めたいと思います。

 それで、第2回は、18日というとあと2週間後ですか。これらの方は都合がつくという方々なのでしょうか。

【事務局】  ここでご審議いただいて、認められてから打診はしようと思うのですが。

【今脇主査】  まだ予定は聞いていないわけね。

【事務局】  今後の予定につきましては、お話をお伺いできる方々の予定も踏まえつつ決めていきたいと思いますので、適宜ご連絡させていただきたいと思っております。

【今脇主査】  皆さんお忙しい方なので、この項目についてこの日にまとまってというのは多分できないで、あっちに行ったりこっちに行ったりになると思うのです。同じ項目、一番上の枠の人が何日かにばらけてお話を聞くというのはしようがないと思うのですが、会合設定を3回目、4回目も早目に日にちを決めて、話していただける先生を早目に捕まえるのが大事だと思いますので、事務局のほうでよろしくお願いします。

【生川海洋地球課長】  今脇主査、一言よろしいでしょうか。

【今脇主査】  どうぞ。

【生川海洋地球課長】  おっしゃるとおりでございますので、きちっとやらせていただきたいと思います。本件は浦辺委員も含めてこの名簿は、はじめて出させていただきました。まことに失礼な形になってしまいまして申しわけなく思っておりますが、今説明があったようにまだアプローチしておりませんので、大体この方向でいいということであればこれからアプローチさせていただきたいと思いますし、今座長におっしゃっていただいたように、やっぱり日程が合わないという方もいらっしゃると思いますので、申しわけございませんがある程度事務局のほうにお任せいただいて、似たようなテーマをお話しいただけるような方を順次入れかえるということでやらせていただければと思います。それに加えて、特に2回目、3回目くらいまでは早速当たっていきたいと思うのですが、4回目、5回目について、先ほど座長におっしゃっていただきましたように、追加的にこういう人に聞いたらいいのじゃないかということがあれば、後でも結構でございますので、事務局のほうにご指摘いただければありがたいと思っております。

【今脇主査】  ありがとうございました。平委員どうぞ。

【平委員】  最初の回に大岡さんというJOGMECの方の名前が出ていますけれども、本プロジェクトは経済産業省との連携ということは非常に大事ですし、今JOGMECが中心に熱水鉱床等の探査もやってきたという経緯があるので、じっくりお話しいただくのがよろしいのではないかと思います。本来なら、増田委員がいればそういう趣旨の発言をされたのでしょうけれども、本日、欠席ですから。

【今脇主査】  実現されるところがある程度念頭にあって、そこでどんなことを考えているのかをぜひ早目に聞きたいと思いますので、そちらのほうは、事務局よろしくお願いします。

 それで、ヒアリングが大体4回目ぐらいで終わるのでしたかしら。5回目以降について資料143ページ目に、ヒアリングの後第5回が中間取りまとめの骨子の審議で2月。3月にこの委員会としては最後の審議で、中間取りまとめを委員会で決定する。3月中に分科会に上げるということですね。

【生川海洋地球課長】  これはざくっとした目標でございますので、審議の進捗に応じてご相談させていただきたいと思います。2月頭に骨子くらいは出していってというイメージを持っているという状況ではございます。

【今脇主査】  報告書のもとの案は、どのようにしてつくります? 委員にインプットしてもらいますか、それとも事務局でそれまでの話をまとめた形でやってもらえるのか。

【生川海洋地球課長】  それも含めて検討させていただければと思いますが、基本はここでのご議論を踏まえて、事務局のほうでドラフティングしていく予定でございます。ただ、特定の部分についてメモ出し的なものを少しお願いすることは、あるかもしれないとは思っております。

【今脇主査】  そうすると、全体の構想というか、どんな項目で書くというのも、ヒアリングを受けるのと並行して早目に項目立てぐらいをやっておいたほうがいいと思います。

【生川海洋地球課長】  そうですね。エレメントをどういうことを書いていくのかということは、早目に案をお示しさせていただいてご議論いただければとは思っております。

【今脇主査】  これは短期決戦ですもんね。じゃあ、それも並行して作業を進めるということでよろしくお願いします。

 全体を通して何かご質問とかご意見がございましたら、今日は第1回ですので。どうぞ。

【浦辺委員】  最初の資料でも、非常に力強く各省庁と連携してやっていくということが書いてあって、非常にいいと思いました。それで、この委員会ではなかなか時間もないですけれども、ぜひ何らかの形でこういう両方がやっていることを行ったり来たりみたいな仕組みがきちっとできて、お互いにどう連携していくかみたいな仕組みが将来にわたってできるといいなと。

 そうすると、寺島委員がさっきおっしゃったように、こういう問題に関して国家として全体のプランの中にきちっと組み込んでいけるようなものがあるといいので、それがこの委員会だけではあれで、やはり経済産業省ともうまくやっていく必要があると思いました。

【今脇主査】  ありがとうございました。大事なポイントだと思います。今は個人的に委員の方がかけ持ちされているのである程度の情報は伝わりますけれども、もうちょっと組織としてちゃんとした連携がとれるような仕組みをつくったらどうかということだと思うのですが、どうでしょうか。

【生川海洋地球課長】  まず、事務局レベルで経済産業省とよくお話しさせていただいておりますので、その辺の連携はきちっととらせていただきたいと考えておりますのと、あと、審議会レベルでも今、経済産業省とご相談させていただいておりますが、こちらの進捗状況について経済産業省の審議会でご報告させていただいたり、あるいは先方の進捗状況についてこちらのほうでご報告いただいたりということも相談していこうという話をさせていただいておりますので、そういうことを含めて連携はきちっととらせていただきたいと思っております。

【今脇主査】  ありがとうございます。海洋開発分科会が受け持っているのは、文部科学省だけではなくて5つぐらい府省がありましたよね。

【生川海洋地球課長】  基本的にはオールジャパンです。

【今脇主査】  そうですか。じゃあ遠慮なしに、海についてのところだったらこの分科会からメッセージを出したらいいわけですね。

【生川海洋地球課長】  メッセージを出していただいて構わないと思います。先ほど申し上げたとおり、こちらの分科会から先方の審議において何かお気づきの点があればインプットさせていただくというのも当然あると思いますし、先方から同じようなインプットもあり得るということだと思います。

【今脇主査】  ありがとうございました。どうぞ。

【浦委員】  熱水鉱床の開発は国家の非常に重要な目標であるということが認識されて、こういう会議に至っていると思うのですが、そうすると、このためにシップタイムが特別に確保できるかということが、今後の研究の展開にとって重要なわけなのです。なぜならば、自分のことを言って申しわけありませんが、来年、鳩間海丘に行くのですが、厳しいJAMSTECの中の海洋研究推進委員会の査定を通って、プロポーザルを書いてようやく1年半後に行けるということが現状です。

 例えば2年とか3年とか急テンポでいろいろなことを研究なり開発しているときに、今までの深海研究の枠の中でシップタイムを確保していくだけではなかなか間に合わない。例えば、ドリリングのためには船をつくってというのはシップタイムをフルに利用しているわけですから、それと同じように、国家の重要なプロジェクトである熱水鉱床のためにいかにシップタイムを確保するかという方策をぜひ確立していただけないかなと思います。それはいろいろな理学的な面も含めてという意味ですが、よろしくご検討を。提案に入れてくださるように事務局が考えてくださるかです。

【生川海洋地球課長】  海底資源探査のための技術開発を進めていくためにどういう留意点があるのかということも含めてご議論いただいて、報告書の中に盛り込んでいっていただければありがたいと思っております。

【今脇主査】  今のを確認したいのですけれども、シップタイムというのは開発のために要る。

【浦委員】  開発、調査ですね。つまり、このプログラムを行っていく上でシップタイムはどう確保されるのだろうかということです。

【今脇主査】  実際の調査で要るというのではなくて、技術開発のために要るということですね。

【浦委員】  技術もいろいろな調査も含めてですね。調査のほうは、経済産業省がやられるかもしれませんが、文部科学省の研究開発というテーマのもとでシップタイムがどうやって確保できていくのかという課題です。

【今脇主査】  2つに整理したいというのがあって、ここで考えている技術開発のためにシップタイムが要るというのと、実際にそれを実応用して産業化するときに、その技術を使ってまた調査しないといけませんよね。だから、2段階あると思ったので、ちょっと質問しました。

【宮崎委員】  JAMSTECの公募航海、あるいはシップタイムですが、公募航海というのは、皆さん競争でやっていきます。しかしながら、JAMSTECでは文部科学省等から委託、あるいは国家の重要なテーマがありそれがJAMSTECに来る。あるいは国から指示、指導があればJAMSTECの枠の中で実施することができますので、まさに海底資源、鉱物資源の開発というテーマが大きくなり、予算もついていただけると一番ありがたいというところがございます。

【今脇主査】  共同利用的な枠以外に、国の重要施策として必要だという枠もないことはないと。ただ、それにはお金が要りますということですね。

【平委員】  そのとおりなのですが、それだけの重要なテーマだと我々は認識していますので、頑張りたいと思っております。

【今脇主査】  鈴木委員、どうぞ。

【鈴木委員】  先ほど浦辺委員から資源マップという話がありました。これはどこかでやることになっていたのじゃなかったですかね。何かのプロジェクトがありましたよね。

【浦辺委員】  日本近海に関しての資源マップというものは、経済産業省の産業技術総合研究所のほうで、海底資源マップということで10年ぐらい前に一部マップとして出ております。まだそれは改訂されていませんけれども、大体概要はわかるような形になっています。

【今脇主査】  10年前のマップがどれぐらい貴重な情報を載せているかと。載ってないのじゃないかというのもあるのですよね。

【浦辺委員】  それはありますね。

【今脇主査】  探せてなくて。もっと別のあれが。

【鈴木委員】  国家基幹技術の中のいろいろなデータを集めて統合するという話がありましたよね。その中に海底資源マップ、資源というあれがあったかは知らないけど、要するに海底地形図のびしっとしたものをつくりますということになっていたような気がするのですけれども。

【生川海洋地球課長】  国家基幹技術の中も、先生がおっしゃったように、将来的な構想として資源も含めてデータを統一的に統合していきたいというのがあるのですが、今データがあるかというと、そこまでいっていないというのが現状ではございます。

【鈴木委員】  先ほど寺島委員が言われたような全体計画という中にそういうものをきちっとうたい込まないと、将来構想で動かないのじゃないかと思うのですよね。

【生川海洋地球課長】  おっしゃるように、全体計画なるものがあると非常にいいということだと思うのですが、どういう切り口でどういう範囲のものをつくるのか、それをだれがどういう形でつくるのか、非常に難しい問題かもしれません。だから、科学探査という意味で例えば文部科学省がつくるのか、資源探査も含めてもうちょっと大きな枠組みでつくるのかとか、いろいろなオプションがあり得ると思いますので、将来的な課題として検討させていただきたいと思います。

【鈴木委員】  だから、今の学術研究船から調査船から合わせて、船の数も倍ぐらいにならないとね。船の今後の日本のあり方という論議をやりましたよね。何となく中途半端で終わっちゃっていますけれども。

【生川海洋地球課長】  船については海洋研究船委員会でやりましたね。研究船がどのくらい必要かということで検討いただいて、一定の方針を出していただいたと我々は思っていますけれども、さっきおっしゃった海底の調査全体計画みたいなところまでは至っていない。それはおっしゃるとおりだと思います。

【今脇主査】  どうもありがとうございました。今日は非常に熱心な集中した討議をしていただきまして、この後なかなか楽しいというのが実感でございます。

 

 

(2)その他

【今脇主査】  今日はこれで終わりにしたいと思います。

【事務局】  連絡事項を三つさせていただきます。次回については、資料15にも示させていただきましたとおり、1218日を予定しております。時間等詳細につきましては、メール等でご連絡させていただきますが、今のところ午前中を考えております。

 それから2つ目ですが、資料の最後のほうに旅費、謝金等に関するシートをつけておりますので、ご記入いただいて事務局までお返しいただければと思います。

 それから3つ目ですが、新しく委員についていただいた方に任命に関する書類を置いておりますので、お受け取りいただきますようよろしくお願いいたします。

 以上です。

【今脇主査】  どうもありがとうございました。

【生川海洋地球課長】  どうもありがとうございました。

 

―― 了 ――

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