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参考資料4

高知大学海洋コア総合研究センターの概要


新センター建設の背景・経緯
   前身の海洋コア研究センターは、平成12年4月に学内共同利用施設として設立され、独自に施設要求を行っていたところ、平成13年末に、第2次補正予算の計画が持ち上がり、海洋科学技術センターが進めているIODPのコア保管施設と、大学のコア研究センターが一体になった形で、大型の研究センターを高知大学が引き受けることとなった。14年度には新センターの建設が進められ、15年3月末に建物が竣工。同時に、研究設備・装置の搬入等が行われて同センターは完成した。新センター施設完成とともに、4月から全国共同利用研究施設に改組・拡充され、新名称「海洋コア総合研究センター」となっている。

海洋コア総合研究センターの特徴
   「高知大学海洋コア総合研究センター」は、大量の海洋コア試料を良好な状態で保存できる冷蔵保管施設を備えると同時に、それを総合的に解析するための様々な高性能研究設備を導入しており、海洋コア試料の保管から解析・応用研究まで一貫して行える、この分野では世界でも唯一の国際的大型施設となっている。新センターは、国内における海洋コアの保管・解析を行う国内研究拠点としてだけでなく、今秋10月から始まる国際的ビッグプロジェクト“統合国際深海掘削計画(IODP)”の掘削コアを保管・解析する国際研究拠点として運用されるものである。
1)  コア冷蔵施設  : 主要な施設であるコア保管庫は、4種類の温度でコア管理を行えるのが特徴である。本センターでは、新分野に対応するために、目的別保管という概念を提案・採用し、その要望に答えたものである。4棟の保管庫で最大9万本程度(IODPの10年分を担保)のコア保管が可能であり、また凍結したままセンターに送られてくる有機・微生物試料を液体窒素で冷凍保管するための、液体窒素冷凍保管タンクも設置した。
2)  一次解析設備及び機器  : 一次解析では、コアの物理特性を数多く、また連続的に測定するマルチセンサーコアロガー、人体用のものを応用しコア内部を計測するX線CTスキャン、X線を使って堆積物の元素濃度など組成分析を、コア全体のまま連続測定ができるXRFコアスキャナなどを有する。さらに、古地磁気測定室(磁気シールド室)において、コアの古地磁気データが測定される。以上で、コアの基本的な要素・性質が把握できる。
3)  高次解析機器  : 応用解析用機器としては、有機物の抽出計、地球環境の寒暖を調べるのに役立つ炭酸塩の質量分析計、年代測定用の希ガス質量分析計、そのほか特殊な質量分析計、電子顕微鏡類、遺伝子などを抽出するためのバイオ関係の特殊装置類やDNA解析装置など、海洋コア分野の研究機関では他にあまり見られない設備・装置を導入している。
   このように、コア保管設備から多数の計測装置類や先端機器を導入した海洋コア専門の研究機関は、これまで例がなく、規模・設備面では本センターが世界的にも屈指の機関となる。



高知大学海洋コア総合研究センターパンフレット表紙
内容については海洋地球課にお問い合わせください。

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