深海掘削委員会(第12回) 議事録

海洋開発分科会 深海掘削委員会(第12回)が、以下のとおり開催されました。

1.日時

平成25年7月19日(金曜日) 10時~17時30分

2.場所

文部科学省 旧文部省庁舎2階 第2会議室

3.議題

  1. 評価項目に沿った前回中間評価以降の実績報告と質疑応答

4.出席者

委員

斎藤主査、石渡委員、井上委員、鎌形委員、川幡委員、竹山委員、平田委員、増田委員、益田委員、森田委員、横山委員

文部科学省

文部科学省研究開発局海洋地球課 井上課長、木村企画官、担当者

オブザーバー

説明者:東京大学 木村教授、独立行政法人海洋研究開発機構 担当者

5.議事録

【斎藤主査】 おはようございます。ただいまより第12回、科学技術・学術審議会、海洋開発分科会の深海掘削委員会を始めたいと思います。お暑い中、皆様お忙しい中御出席くださいまして、ありがとうございました。
本日は、松本委員と佃委員が所用のため欠席でございます。それで、平田委員が午後1時、途中退席なさいますので、あらかじめお伝えしておきます。
それでは、初めに、事務局から資料について確認をお願いしたいと思います。

【事務局】 (議事次第にそって、「配付資料」の確認)

【斎藤主査】 大丈夫です。皆さん揃っておりますでしょうか。それでは、議題に入る前に、改めまして、今回の中間報告、中間評価の進め方について事務局の方から説明いただきたいと思います。

【事務局】 (参考資料1-1にそって、「中間評価の進め方」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。それでは、ただいまから議題に入ります。
 議題1、評価項目に沿った前回中間評価以降の実績報告と質疑応答でございます。これについて、事務局の方から初めに御説明いただきたいと思います。

【事務局】 (参考資料1-3にそって、「委員会のタイムスケジュール」について説明)

【海洋地球課木村企画官】 (資料1にそって、「IODP科学目標とその意義 P.1」について説明)

【斎藤主査】 今、補足資料も含めて御説明いただきましたけれども、ここで何か御質問ございますか。

【川幡委員】 少しテクニカル質問ですが。この表ですが、収入と支出のところで、合計したら5ミリオンぐらいずれがある様に見えるのですが、その部分はどこに移動したのでしょうか。

【海洋地球課木村企画官】 まだこれは終わっていませんので。

【川幡委員】 途中だから。残っている。

【海洋地球課木村企画官】 はい。

【川幡委員】 分かりました。

【斎藤主査】 でも、この予算についてはこれから変わりますよね。

【海洋地球課木村企画官】 はい。基本的にもうアメリカの会計の年度で2013年度、今年9月末をもって一応このCommingled fundによる活動というのが終わります。当然その後処理の様なものがしばらく残りますけれども、その後はプラットフォームごとに管理運営を行っていくというような形になります。

【斎藤主査】 はい。もしほかに御質問ないようでしたら、次の項目へ進んでもらいましょうか。

【東京大学(木村)】 (「南海トラフ地震発生対策計画 P.3」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。ただいまこの沈み込み帯、その地震発生帯についての最近の成果を紹介していただきました。

【海洋地球課木村企画官】 少し申し訳ないのですけれども、科学的成果、3番のところですね。すべり速度が上がると摩擦が大きくなるところが、ある一定の速度が上がると、摩擦は小さくなるという。このメカニズムの発見は重要だというのは分かるのですが、掘削とはどう関連があるのでしょうか。

【東京大学(木村)】 掘削をした試料、掘削によって得た岩石試料というか、堆積物試料、直接そのものを使ってやると。それが実はアナログ物質というか、そういうものを使ってやるのと違って、非常にリアリティが増します。例えば南海トラフですと、海溝域に1キロぐらいの堆積物がたまっていて、特に重要なのはその堆積物の下半分を構成している四国海溝というか、フィリピン海プレートの上を非常に広く覆っている堆積物。これは非常に均質でありまして、南海トラフから沈み込んでいって、ほとんど地震発生というのは全域にわたってプレートの境界部に存在することはほぼ間違いないというふうに想定されておりますので、そういうものを使って実験するという、そういうことが非常に重要で、今そういうことが海溝の掘削、例えばコスタリカ沖等々で試みられておりますが、やはり摩擦実験はリアル物質を使ってやるという段階に入ってきておりますので、そういう意味が掘削との関係であります。

【斎藤主査】 他に何か聞いておきたいことは。はい。

【川幡委員】 報告書を書くときに必要なので、かいつまんで伺いますと、5つの科学的成果はすばらしいと思いますが、特に「ちきゅう」の場合には、ライザーでやる部分と、あとはライザーじゃなくても掘削科学として、全体として成果が上がるという、この2つ側面があると思いますが、今の5つの成果を区分けしたらどの様に評価は。

【東京大学(木村)】 ライザーを使って本格的に掘るというのは、今まさに進行中ですが、特に応力が深いところに行って、どんどん変化していくという、あそこの最後の部分はライザー掘削の成果ですので、深いところはライザーじゃないと掘れないため、非常に期待されているところですね。

【川幡委員】 今のこの計測の機械を入れるところもライザー、ライザーで掘っている途中ですが、もっと深いところに行くと、もっと精度がよくなると。それもそれでよろしいのですか。

【東京大学(木村)】 ええ。ただ、これはもっと将来の課題になりますけど、深いところへ行くと温度・圧力が高くなって、特に観測装置と温度の問題というのをやっぱり非常に、現在技術ですと120度。

【JAMSTEC(東)】 120度。

【東京大学(木村)】 120度でね。120度行くとエレクトロニクスが、センサーが機能しなくなるという、その限界をどう突破するかという。そこが突破できると非常にパワフルになると思いますが、今のところはそこまで行かないので。

【平田委員】 今の御説明は南海トラフのことで、JFASTは別のところで。

【東京大学(木村)】 後程説明いたします。

【平田委員】 それでは、結構ですけれども、深海掘削計画が地震発生、海溝型のプレート境界の発生に科学的に大変貴重な知見を提供したというのは大変よく分かりました。それで、南海トラフで大きな地震が起きるというのは、大滑りの想定が出ましたが、それについても科学的な根拠を与えたというのは重要なことだと思います。多分この後で、JFASTの成果の御説明があって、それと併せて、実際にこれまでは海溝に近いところは、大きなすべりはないと言われていたものが現にすべったという事実と、それを理解する根拠が与えられたということは非常に大きな成果だと思います。
 ただ、木村さんが多分口がすべっただけだと思いますけど、内閣府が大滑りを設定したのは、この科学成果4を強く意識していたかどうかは、やや後付けな気はします。そこまで内閣府がちゃんと勉強して取り入れられたら、これはもうすばらしいことだと思うので、是非内閣府の人にこの成果を売り込んでください。科学的にもちゃんとしたバックグラウンドがあるということは非常に重要なことなので、多分希望を込めて言われたのではと思いますが、事実関係としてはいかがなものかと思います。内閣府がそこまで良く知っているとは思いませんので。非常に重要な成果であることは間違いないと思います。

【斎藤主査】 ありがとうございました。今、平田委員のおっしゃったことは非常に大事で、関係者の中で理解されていて、学会の中でもそれなりに理解してもらっていても、割とそれが一般的にもう少し広く共通理解されているかというと、そこはまだまだのように思います。その辺の大事さといいますかね、おもしろさというのをもう少し広く理解してもらうとよいのですが。

【東京大学(木村)】 それに関して、特に地震発生というか、地震発生等々、日本の地震発生行政という、地震行政というか、海洋行政。例えば文科省の中に海洋地球課と地震がポッと分かれている。地震をどう取り扱うかというときに、我々サイエンスのコミュニティから見て、もう少し風通し良くうまくやってほしいなというのをこちら側の立場から言うと、細かく海洋掘削でいろいろ調べているやつを、逆に言うと、国の地震行政の様なものとともに、我々はもちろん声を大きくして言っていきますけれども、そちら側でもその辺をうまい具合に調整するようなことを考えてやっていただけることが重要かなと思いますので、よろしくお願いいたします。

【益田委員】 さっき聞き落としたのかもしれませんが、DONETの観測網というのはリアルタイムでデータを見ることができるのでしょうか。陸上で行っているのですか。

【海洋地球課木村企画官】 はい。今、DONETはリアルタイムでやっています。

【JAMSTEC(東)】 観測もリアルタイムで。今、出てきましたけど、DONETのデータでさえも陸上に比べすごいと言っていましたが、今回はDONETにつなげた坑内の観測網でやると、よりすごくなってしまったので、別の世界になってきております。

【東京大学(木村)】 特に最近、微小地震の観測というのは、巨大地震の発生を理解する上で非常に重要で、それはボアホールのオブザバトリーが決定的に重要じゃないかなと。というのも、地震の起こっている場所に非常に近いからです。下手すると、そのものの場所の様な中といえるので、海底面はもちろん重要ですけど、ボアホールのオブザバトリーというのが観測サイエンスのブレークスルーを作るのではないかというふうな気がします。

【益田委員】 それはホールが深ければ深いほど良いのですか。そういうわけではない。

【東京大学(木村)】 まあ、深ければ深いほどいいですよね。掘っているところに近いと思うので。比較的近い。あそこの海底と孔内のあれを比べていただくと、非常に明瞭な違いが見えますよね。

【竹山委員】 今DONETから出てきたリアルタイムな情報を、陸上で受信できるところまできているということはわかりました。陸上で受信した情報はその後どのような処理がされるのでしょうか。

【JAMSTEC(東)】 2010年は設置をいたしましたが、その後、実際には海底からDONETにつなぐ作業があります。これはROVを使ってやりますので、それはちょうど昨年になると思いますが、見ることができます、それは気象庁と我々の基礎データについてです。

【竹山委員】 では、現時点でそのデータを確認することはできても、その情報を基にした対応というのは、今後の課題なのですね。

【JAMSTEC(東)】 それは気象庁の法律の中での枠組みの中で対応するということですので、我々はデータの共有に関しては関与できません。

【竹山委員】 DONETの成果を社会に還元する必要がありますが、その成果は一般の方々には浸透はしていないのではないでしょうか?

【JAMSTEC(東)】 いや、そうでもないですよ。特に地震に関心がございます和歌山県だったり、静岡県だったり、そういうところにはデータを出すと。我々が何も判断せずにリアルタイムでデータを出すという、そういう取組は行政と我々で行っております。

【竹山委員】 行政レベルの話ですね。一般レベルでの知名度が低い気がします。

【JAMSTEC(東)】 そこはなかなか難しいです。気象庁の関係もありますので。どうしていくかということを考えていく必要はあると思います。

【竹山委員】 はい。

【海洋地球課木村企画官】 まさしくおっしゃるとおりで、今の説明にもありました地上での測定、それから、海底での測定、それから、海底下の孔内の測定でそれぞれ精度が全く違って、どんどん精度が上がったと。その成果が一般には知れ渡っていないということは、確かにそれはあるということだと思います。そこを努力していかなければいけないと思います。

【平田委員】 また質問いいですか。ただ、私の理解では、この計画は地震発生のメカニズムを理解するという科学目的でやっているわけで、最終的にはそれは防災に貢献すると思いますけれども、この南海トラフにある掘削孔にあるリアルタイム計測が直接防災に組み込まれているわけではないと私は理解していますけれども、それでよろしいですか。つまり、ここでキャッチされたデータというのは、世界で誰も見たことのないデータです。私の理解では、それを直接防災にすぐ使える防災の組織はないですから、それを実際にどう津波の予測であるとか、地震発生の予知とか予測につなげるかというのは、まさに研究をするフェーズにあると。それを国民に正しく伝えないと、あたかも南海トラフに深い井戸があって、リアルタイムでデータが取れると、それを使って南海地震の予知ができるというように国民に言うことは、むしろ現時点では不誠実だと私は思いますが、いかがですか。

【JAMSTEC(東)】 おっしゃるとおりだと思います。いつも四六時中張り付いて、これを見ているわけじゃないので、やっぱり研究報告に基づくことで、御指摘は大変適切だというふうに思います。

【竹山委員】 それで結構だと思いますが、そのような研究がまさに進んでいる点を広報する必要があると思います。

【海洋地球課木村企画官】 いや、それは非常に重要だと思います。

【斎藤主査】 一つ、言葉の問題ですが、さっき応力状態の深さ方向で変化するところで、アンコンフォーミティと使っていましたけど、あれはジオロジカルじゃなくて、テクトニックな意味でのアンコンフォーミティ。

【東京大学(木村)】 ジオロジカルに。ただ、そこは同時に応力状態でも少し大きくしているので、ジオロジーは結構効いているなという気はします。静々とたまっていく堆積物と、下のちゃんと立派な岩石になっている。

【斎藤主査】 違う、別の堆積物と。

【東京大学(木村)】 その通りです。

【増田委員】 質問よろしいですか。このIODPの中にこのコストというのは全て入っているのですか。IODPのですね。先ほど予算の話で数字がありましたけど、このDONETで接続とかそういうところまで全てがこのIODPのプロジェクトに入っているのですか。

【海洋地球課木村企画官】 IODPそのものは基本的には公開をして、海洋海底掘削ですので、公開をして、そこで掘削をすると。それの当然、前後の準備と、それから、終わった後の評価まで含まれます。今回のDONETにつなげる部分は、正確にはIODPには入っていないと思います。ただ、当然、孔内に計測器を入れるというところまでは当然IODPには入りますけれども、それをつなげるというところまでは入っていません。

【増田委員】 そこには入っていない。どこまでがIODPで、どこまでが別のプロジェクトなのかというのははっきりしなかったものですから。非常にすばらしい成果は出ていると思うんですけれども、このIODPの評価というところで考えると、どこまでなのかなという。

【東京大学(木村)】 要するに、オブザバトリーにインストールするというのは、「ちきゅう」で穴を掘って、そこに観測装置を入れると。ところが、先ほどありましたように、回収するとか、DONETにつなぐとかね。そういうのは多分別経費で。ただし、回収されたデータをどう扱うかというときには国際コミュニティに開くと。すなわちIODPというのは国際プロジェクトですので、そこには関与して、インストールするときに一生懸命頑張って、研究者等々に優先権を与えて、それで先ほどいろいろ新しいデータをどういうふうにサイエンティフィックに解釈するかということにやっぱりともに貢献しているという、そういうことだと思うのですが。

【海洋地球課木村企画官】 あと、IODPと、それから、深海ドリリング計画は、少々違っておりまして、完全に同じ集合ではなくて、少しずれているというふうに見た方がいいと思います。IODP自体はその国際コミュニティを使った計画ですから、当然日本だけでなくて、アメリカや欧州も含めて、3つの船を使った計画で、その中の「ちきゅう」ということになると思うので。深海ドリリング計画は、基本的には「ちきゅう」を中心として、当然、科学コミュニティとしては他の部分も入りますけれども、「ちきゅう」を中心としますし、そのIODP以外のお金以外で使っている深海ドリリングの部分も、当然そこは入るというふうに考えていいかなと思うのですが。

【増田委員】 分かりました。確かにそういう難しい、重なっている部分、大分あると思うのですけど、ただ、「ちきゅう」を使って、そういう掘削科学を進展させるというのは、日本としては、やはり国策として持続的に責任を持ってやっていかなきゃいけないという共通理解をしてもらうということがこれから大事なんじゃないかなと思ってはいます。ですから、この委員会でもなるべくそういう方向で、政府にしても、特に財務省にとしても、そういうところにきちっと意味が伝わるような形で進めていければと。だから、IODPがあろうが、なかろうが、本当は日本がもう少し力があればもう少し国際貢献できるのだと思いますが、難しい部分があります。ただ、そういう方向で私たちは努力できればという具合に思っております。
 ですから、今は、地震関連に関係した話でしたが、続いて、別の形の、別のところの成果を紹介していただきたいと思いますが。

【JAMSTEC(高井)】 (「沖縄熱水海底下生命圏掘削 P.13」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。今、非常におもしろいお話いただきましたけど、何かお聞きしたいことございますか。

【石渡委員】 最初に確認させていただきたいのですけれども、これは約3年前に掘削されたわけですよね。それで、先ほどの南海トラフの資料を拝見しますと、公表論文がそれぞれの成果に幾つか挙げてあって、この中には多分いろいろ受賞されているような論文もあるというふうに承知しておりますが、3年間だとまだあんまりそういう成果は多くないとは思いますが、具体的にどれくらいの研究論文が公表されているのでしょうか。

【JAMSTEC(高井)】 論文としては、今載っているのは多分1本ぐらいしかないです。しかも、非常に小さなサイエンスで、論文自体はさして今のところ載っていません。もう一つは、今、僕らが書こうとしている論文は、非常にたくさんのデータを統合した、例えば先ほどの生命圏の限界を見付けたというようなところの論文ですが、それは研究者間のストラテジーの違いで、いろんな方々が出すか、あるいはもうストーリーを決めて、まとめた論文を書くかというところの違いがあって、僕らは後者を選択したということになると思います。ですから、論文が今のところ出ていないのではないかというのはそのとおりです。だけど、それが科学的成果の評価に結び付くかどうかというのは分からないと思います。

【斎藤主査】 他に何か。はい、どうぞ。

【川幡委員】 いつもながら非常に意欲的な成果の発表の仕方で、今日も感動いたしましたが、ひとつ。もともと鉱床の総量を決めているのは、リーチングするメタルの量と、それから、熱源温度だと思うので、基本的には、穴を開けたから、開けていないからで総量は関係なくて、どこかに沈殿しますよね。それに穴を開けることによって、自分で回収しやすいところに新しい鉱床を作ったという意味で画期的だと思います。次の質問は、なぜ普通の自然の状況ではそういうのができないのですか。何がコントロールしているかというのは。

【JAMSTEC(高井)】 結局、自然の状況というのは、例えば熱水の流路ですね。噴出するとき、ディスチャージするときに割れ目に沿って上がってくる、要するに、下に熱水がたまるのは間違いなくて、そこから割れ目とか、すき間を沿って上がってきて、噴出孔になるわけですが、結局そこは、要するに、熱水というのは自らが自らを変えていく。要するに、流路も占めていくわけですね。詰まっていくわけ。となると、すぐに詰まって、長い期間その鉱床を育むような安定した噴出というのを自然環境では制御できていない。要するに、なすがままですので、あるいは広がるか、若しくはボヤーンと出てしまうか。そういうので、コントロールができないがゆえに、例えば鉱床を見付けることもラッキーに近い。そういうコントロールできないから、たまたまそういうのが起きるようなところを見付けるとか、あるいは長い期間でそういうのを待って、地質年代的に、時間がたった後に利用するしかないのですが。要するに、我々はコントロールで可能性を広げているのですね。例えばパイプの径を決めたり、パイプの中で流路を決めたり、あるいは噴出のパターンをこちら側で制御することによって、どこまでも完全にコントロールはできないけど、少なくとも鉱床をコントロールするすべの研究をできるような知見を得たということです。だから、今後は、実際にそういうことで、こうすればこうなるというロジックができれば、今おっしゃったように最終的にはコントロールすることかできる。でも、自然環境というのはやはりなすがまま、あるがままの環境で噴き出させるから、我々が思ったとおりには噴かないし、後追いでそれを研究することはできるけれども、なかなかそういうふうに思いどおりには鉱床は成長しないし、思いどおりの方法の鉱床にはならない。

【川幡委員】 シンプルに言ったら、パーミアビリティのコントロールが基本的に掘削孔だとできるけど、自然は十分なやつがないから従わないと。

【JAMSTEC(高井)】 はい。そういうことです。熱水というのは必ず自分でシールをしてしまうという傾向があるので。

【川幡委員】 はい。分かりました。おもしろいお話で。

【竹山委員】 何年間のIODPでの活動では、掘削孔を開けるところが重要だったと思いますが、今後の展開はJAMSTEC内の研究としてやっていくような雰囲気を受けますね。今後の研究展開では、IODPのプロジェクトとしてリンクを張りながら、もしくはJAMSTEC独自のプランニングでやっていくのか、お聞かせください。

【JAMSTEC(高井)】 はい。結局、多分次の稲垣君のときもそうですが、我々、生物系というのは、たった1回のサンプリングでできることもありますし、どちらかというと、例えば生態研究とかだと、空間変動や時間変動をしているわけですね。そのときにIODPというのは1回掘るのもすごく大変です。このプロポーザル、10年かかっているわけですね。僕、10年で20日間しかもらえなかったわけです。プロポーザルも自分の思いどおりのプロポーザルはできなかった。その中で、いかにサイエンスを展開するかと考えたら、たった1回の掘削しか、しかも、その掘削孔の回収率20%と、予想では5%ぐらいしかなかった。それだけしか回収できない中で、いかにサイエンスを完成するかと考えたら、やっぱり1発きりのコアではなくて、掘ったことを最大限利用できるようなプラットフォームであるとか、あるいはモニタリングであるとか、継続的なサンプリングシステムを作らないと、僕はIODPのそのフレームワークが広がらないと思います。
 ですから、これはJAMSTECのテストケースとして、僕は紹介しましたけど、決してこれはJAMSTECだけのテストケースではなくて、IODP全体のテストケースであるべきと。例えば地震発生帯、さっきの南海トラフ、掘ります。穴が開いた。そこにセメントで沈めるのもいいですが、例えばあそこに人工冷湧水というのが作成できれば、例えば直接コアリングにかかわっていない他のフィールドの人が集まることができる。より虫になれるわけですね。そういうようなIODPというのが物すごくマルチパーパスでできるようなシステムになっていくべきかと思います。
 それは、今はJAMSTECがハードウエア的にできることをやっていますけど、それは世界に対してオープンであって、その研究ですごくいいアイデアがあって、これを使ってこうしたいというのがあれば、僕はできるはずだと思いますし、IODPがそこまで、別にお金だけじゃなくて、オポチュニティを展開するという意味では、IODPがそういうふうにやっていかないと、どんどんソサエティの大きさが広がらないというふうに思います。特にバイオの人を入れたいのだったら、もっとたくさん使えるようにしないと、とても、とても、ワンチャンスのコアだけでバイオ研究なんかできないと思うわけです。

【竹山委員】 波及効果をということですね。

【JAMSTEC(高井)】 そうです。

【竹山委員】 具体的なことはまだ決まっていないのですね。

【鎌形委員】 さっきの生物生息可能域というのは、これは12メートルと。12メートルかどうかというのは、いろんな物理的な条件によっていろいろ違うわけですよね。それでもう少し易しく縮めて言うと、何と何がその生命圏を規定しているのかと言えるものがありますか。

【JAMSTEC(高井)】 結局、今回は、熱水ですけど、熱水が供給される。熱水と海水のミキシングでエネルギーがとれるのですけど、ですから、我々は熱水と海水のミキシングがなだらかになってほしかったんですね。なだらかになって、100メートルぐらいのミキシングの中で起きたというのが本当は予想としてはそうで。だけど、先ほど言ったように、熱水というのは自らシーリングをしてしまうので、なかなかそういうなだらかなグラディエントにならなくて、あるところでこくっと放置した。結局、今回の場合は温度。温度が全ての生命圏のあれを決めてしまっているというのが見えているわけです。
 ただ、今回は温度でしたけど、じゃ、別の局面環境にいくと、PHがその制御をするなど、要するに、環境によって生命圏の限界を決める条件というのはいろいろある。だから、IODPの中でいろんな生命圏の限界を探りましょうというふうに言っているわけですが、今回は少なくともそういうふうに温度で、しかも、その温度を制御しているのは、この熱水のミキシングが非常に早かったので、12メートルで終わってしまったと。だから、もう少し条件を選ぶともっとなだらかなミキシングがあって、より深いところで見ることができる。
 ただ、我々、今まで海底面ではチムニーの壁を使っていた。壁ではミリメートルだったのですよ。ミリメートルの生命の限界が12メートルになったのは、あれはもうはっきり言って、すごいことだと我々自身は思っています。

【鎌形委員】 いや、あんまりそう思わないのですけど。まあ、いいですけど。でも、本当に生命圏がどこまで深くあるのか。それも例えばあのラインが、熱水が下にあるわけで、そういうところにも一応生きているか、死んでいるか分からないけど、それも見つかるのでしょう。

【JAMSTEC(高井)】 だから、生命圏のリミットとしては、生きている生命の活動領域としてはそういうことです。ですから、ブラインの中に、例えばアミノ酸とか有機物があるのは多分そうだし、実は今回は20日間ですから4本掘って終わりですけど、実はあれはもう一個抜くと、あの熱水だまりの下にまだあるかもしれないのですよね。だから、そういうのはやっぱり掘ってみないと分からない。

【鎌形委員】 分からない。

【JAMSTEC(高井)】 はい。

【鎌形委員】 非常に着目すべき資源ということになると、具体的にはどういうものになるのですか。こういう人工的なものをつくった場合。トップ10に出てくるような元素ということでいえば。皆さんが着目するような。

【JAMSTEC(高井)】 資源とすれば何?と。

【鎌形委員】 そういうトップ10として上がってくる元素。例えばこれは鉱物……。

【JAMSTEC(高井)】 何があるかということでしょうか。

【鎌形委員】 その通りです。

【JAMSTEC(高井)】 それはどういう意味で。

【鎌形委員】 いや、皆さんがどんなものに興味を持っているか。

【JAMSTEC(高井)】 いや、ですから、そういうトップ10といったら、鉄と銅とか言っていくわけでしょうか。

【鎌形委員】 いや、そういう意味ではなくて、それはアバンダンス順でしょう。

【JAMSTEC(高井)】 はい。

【鎌形委員】 そうではなくて、どんなものに皆さん興味を持っているのかという。

【JAMSTEC(高井)】 ああ。普通に科学的に言うと、組成ですね。量というよりは、何がどうやって入っている。しかも、どういう状態のときに濃集する。黒鉱というと、グシャッと入っているのですが、よく見ると、ちゃんとここには亜鉛と一緒に何々が入っています。レアメタル系の鉱物が入っています。要するに、そういう元素親和力というか、親和性があったりして、黒鉱の鉱床というと、みんな、大体、品位とかこんなものが何グラム入っていますとかに注目するのですが、実はちゃんと見ると、こういう元素とこういう元素はいつも挙動を一緒にしているねと。多分、温度がこれぐらいのときに成り立っているねとか、あるいはこういうミキシングが起きたときに、こういう鉱物が成長して、その中に例えば金が入るねというようなことがわかった。
 そうすると、もちろん量だけじゃなくて、何で黒鉱の中にこういうものが入ってくるのですかということをちゃんと研究することができる。しかも、それが長期間ほったらかしにされたわけじゃなくて、今できていますから、非常に物理化学条件がわかった状態でそういうことができるので、実験的にそれをやるか、研究室の中でやるかというのはなかなか難しいので、まさしくある意味、自然環境中の実験室で我々は今、鉱床学を学んでいると、研究している。そういうことになると思います。
 ですから、余り、どういう金属が入っていますかというのはまた別の機会に質問していただければ。

【増田委員】 よろしいですか。今のお話に関連するのかもしれませんが、この18ページに深海掘削。2枚目ですね。IODPの今後の重要課題。「深海掘削とコア試料採取による、海底下熱水活動によって集積した鉱床の探査」。これはIODPが示したものなのでしょうか。もっと前からこういう熱水鉱床の探査というのは始まっているわけですよね。そこと何が違うのでしょうか。

【JAMSTEC(高井)】 深さですね。要するに、今までの熱水鉱床探査というのは、掘れる深さが圧倒的に違います。例えばJOGMEGとかがやっている、今は掘れるようになりましたけど、昔はBMSという簡易設置型のドリルで掘りますが、それとか使うと、マックスで20メートル、あるいはもう通常で言うと、5メートルとかしか掘れないのですが、これは深海、「ちきゅう」の場合は、今回は確かに10メートル以下とか、最大で100メートルしか掘れていませんけれども、それを掘ることで、例えば17番とかもっと離れたところから掘ったときに、何百メートルも掘って、初めてそういう熱水の鉱床に当たることも分かるわけです。
 そうすると、今までは掘れる深度の中での鉱床の分布しか分からなかったのですが、少なくとも物理探査で予想されて、ここにありそうだというのが数百メートル掘って分かると、ちゃんとそこに熱水鉱床があるということが分かる。そういう意味で深海掘削による鉱床の探査という言い方ができると思います。ですから、別に深海じゃなくて、どちらかというと、深く掘るという意味ですね。

【増田委員】 「ちきゅう」が非常に深く掘ったことによって、深いところに、鉱床と言えるかどうかは非常に疑問ですけれども。

【JAMSTEC(高井)】 そうですね。鉱床かどうかは分からない。

【増田委員】 鉱石の様なものが、硫化物があったということは、非常に興味深いと思います。

【JAMSTEC(高井)】 そうです。

【増田委員】 それは確かにそのとおりですけれども、少し言い方として、誤解を招くようなことではないかと見えますが。

【斎藤主査】 例えば深部掘削とか?

【増田委員】 深部、まあ、100メートル下の。

【JAMSTEC(高井)】 それは深部とも呼べないですね。

【増田委員】 ええ。少し我々の常識から考えると、何だか違うなという感じはいたしますが。硫化物が非常に深いところに、今までにないような深いところにあったということなのでしょうかね。

【JAMSTEC(高井)】 でも、これはあくまで課題ですから、だから、今後こういうことを解決していきたいという意味としては深部でもいいような気もしますけど。

【増田委員】 あと、熱水が噴出しているものから、鉱床ができるというようなイメージがありますけど、まあ、サイエンスとして非常におもしろい重要なことだと思いますけどね。これが鉱床になるのかどうかというのはかなり別の話だろうと思います。

【JAMSTEC(高井)】 そのとおりです。

【井上委員】 全く専門外なので、今このタイミングで質問することが適切かどうかも分かりませんけれど、先ほどたくさんの方の研究に生かされる方がいいとおっしゃったのですけれど、採られた試料とかは、その後どこかに置かれて、たくさんの方が使うというような格好になるものなのでしょうか。それともある研究テーマを持っておられる方が使って、それでおしまいになるものなのでしょうか。その辺はどういう枠組みですか。

【JAMSTEC(東)】 後で御説明があると思いますので、簡単に。

【増田委員】 ああ、そうですか。こういう生命圏の何とかということについても、いろんな方はそれを。

【JAMSTEC(高井)】 はい。ただ、生命に関して言うと、ほったらかしにしておくと、どうしようもないわけですね。今までの様にアーカイブといって、半分とって、半分はもう雨ざらしというわけではないですが、保管庫で気温4度ぐらいにおかれる。そうすると、どんどん腐っていくし、生命が変わっていくわけですから、例えば高知とかでは、今、生命用の、微生物とか遺伝子の研究のためにそれ専用の保存施設、保管を使って、将来的にそういう研究にも使えるようにアーカイブをとっているわけです。ですから、そういう意味では、その情報を知って、将来的にこんな研究をしている。例えば竹山さんがメタゲノムをしたいということになれば、そういうのをリクエストすることができるし、研究することができるわけです。非常にそれはオープンに開かれています。

【JAMSTEC(東)】 公開です。

【森田委員】 我々からすると、この研究は、例えば熱水を利用していろいろな電気を発電するなどすると。それからあと、金属や何かを採ると。そうすると、生態系はどのぐらい破壊するかという方に我々は興味があって、そちらに重点をもっともっと置くべきだと思うのですけれども、これから、そちらの成果はおたくの方から出てくるわけですね。

【JAMSTEC(高井)】 そうです。今ずっとモニタリングしているので。

【森田委員】 そちらの方に我々は興味があって。

【JAMSTEC(高井)】 我々というのは?

【森田委員】 普通の人はみんなそうだと思いますよ。生態系をだめにするといけないから、だから、ここにすばらしい熱水鉱床があるとかも、開発はやめておこうとかね。

【JAMSTEC(高井)】 それはまさしくそういう研究も重要だと思います。

【森田委員】 その方が大事。

【JAMSTEC(高井)】 はい。だから、それをするためにみんな寄ってきたわけですね。だから、結局、自然環境中で擾乱を掘る。マグマ、火山がボンと噴火した後の熱水の生態変動などみんな知りたくて。でも、そんな都合よく噴火も起きないし、地震も起きないから、こうやって掘られた後のすごく制御されたところに寄ってきたというのが、先ほど言った話なので、ほとんどの人はそういう研究で資金を当てて、ポス取りの研究をされる。だから、まさしくおっしゃるとおり、今それが物すごい勢いで研究が進んでいます。

【森田委員】 だから、そういう方にもかなり向けてほしいということです。

【JAMSTEC(高井)】 はい。

【斎藤主査】 大分時間も押してきましたけれども、これで高井さんのお話、ここで打ち切らせていただきます。ありがとうございました。
 それでは、続きまして、東北地方の太平洋沖の話をしていただきまして、それでもしかするとお昼ぐらいになっちゃうかもしれないですね。それでは、東北地方の林さんの方からお願いします。

【高知コア(林)】 (「東北地方太平洋沖地震調査掘削 P.22」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。非常に掘削が早い対応だったことと、それで、すぐまた林さんほかの論文が、『サイエンス』の論文が非常に国際的に注目されたというようなことを御紹介していただきました。そして、更に熱の問題なんか、これから発展するという課題についても御紹介いただいたわけですけど、何かここで質問はありますか。

【鎌形委員】 最初に一番素人的な質問をさせていただきたいと思います。ものすごくおもしろい気がしますが、少し私がよく分からなかったのが、そのすべりが、非地震性なのか、能動的なのか、受動的なのかと、結局何で判断されたのかというのが少しよく分からなかったのですが。

【高知コア(林)】 最も重要なことは、そこはすべるかどうか。その非地震性というのが通常そこは地震が起こっていても途中で断層が止まっていて、海底まで付ききらないということが多くて、それが一番の地震性、非地震性ということですが、まず今回はそれがすべったというのが事実あります。そして、その観測事実からすべり量というのが海溝に近付けば近付くほど、すべり量が大きくなると。それが何故だろう。従来の考え方では、深いところですべって、上の方はブレーキ役を働くと。しかしながら、今回はむしろアクセルのような役割を果たしたと。それがなぜだったのかということを今回の掘削で解明したというか、しているところであります。

【鎌形委員】 そのときのいわゆる、先ほど最初の方にありましたけど、すべりの速度というのは、どのぐらいの速度というのが算出されるのですか。

【高知コア(林)】 秒速でメータークラスですね。メーターオーダーになります。

【鎌形委員】 ありがとうございました。

【森田委員】 少し興味があるので少し。このホールドを突き抜けて掘削したのですよね、少しは。

【高知コア(林)】 はい。

【森田委員】 その下のブレークアウトの解析や何かがないのですけど、それをやったらもっとおもしろいと思ったのですけど、何でそれがないのですか。不十分だったと。

【高知コア(林)】  それがよく分からないのですが、ブレークアウト、森田先生はよく御存じですが、ブレークアウトというのが我々発生させることができなくて、掘削に伴って、自然発生したものを我々は解析する。今回はアンラッキーというか、プレート境界の下にそれがなかった。

【森田委員】 なかったのですか。

【高知コア(林)】 実はまだまとめておる段階ですが、コアを使った計測、別の手法による応力計測もやっていて、その下で幸い1個サンプルが採れて測ったのですが、そこも正断層型と予察的に分かっているんですが。

【森田委員】 えっ、下も正断層型なの。

【高知コア(林)】 断層のすぐ下ですが、その下のバサルトだとか、あるいはチャートとか、そこのデータはないのですが、その上のブラウンクレーという、比較的軟らかい層、そこも正断層型の結果が上がっています。

【平田委員】 正断層型というふうな応力の主軸の方向が変わったというのはよく理解できるのですけれども、最初、圧縮軸の方向、シグマ線はトレンチに平行ですね。

【高知コア(林)】 はい。

【平田委員】 つまり、正断層型といっても、ストライクはむしろトレンチに直交する方向ですね。それはどういうふうに解釈されているのですか。

【高知コア(林)】 はい。井手さんの論文とかで、オーバーシュートとかとおっしゃっていたのですが、私の理解では、この場所、この極めて浅いところではまだオーバーシュートにはなっていないと。もっと行き過ぎると、すべりが行き過ぎると恐らくトレンチの沈み込む方向がシグマ線になるだろうと思っているのですが、そこまで至っていないというふうに私は解釈しています。

【平田委員】 分かりました。先ほどすべりの量を推定されたとおっしゃいましたけれども、これはその温度から推定しているのですか。応力の絶対値から推定しているのですか。

【高知コア(林)】 すべりの量?

【平田委員】 すべりの速さ。

【高知コア(林)】 ああ、すべりの速さ。いや、今のところ我々のデータから推定はしておりません。温度の異常の量から、もしかしたらできるかもしれないですが、むしろその観測データから一般的に言われていることを私はさっき答えました。秒速数メートルと。

【平田委員】 分かりました。そうすると、このJFASTのブレークアウトの解析から分かったのは、応力の主軸の方向が変わったということですね。

【高知コア(林)】 あと大きさも。

【平田委員】 応力の大きさ、絶対値が変わったと。

【高知コア(林)】 絶対値。その通りです。

【斎藤主査】 何か他にございますか。時間がもうちょうどお昼ぐらいになってしまいましたので。何かコメントございますか。大丈夫ですか。本当はもう一つ行きたかったのですが。
 どうもありがとうございました。

【高知コア(林)】 ありがとうございました。

【斎藤主査】 お昼になってしまいましたので。ここでお昼にいたしますが、何か具合悪いことございますか。午後の予定とか何かで。

【JAMSTEC(稲垣)】 飛行機は遅らせたので大丈夫です。

【斎藤主査】 お昼にして。午後一番によろしくお願いいたします。

【事務局】 12時45分から再開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
( 休憩 )

【斎藤主査】 皆さん、お揃いになったようですので、少し早めですけど、始めたいと思います。
 それじゃ、稲垣さんの方からよろしくお願いいたします。

【JAMSTEC(稲垣)】 (「下北八戸沖の石炭層生命圏掘削 P.34」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。今、御紹介いただきました。何か御質問ございますか。

【鎌形委員】 よろしいですか。大変興味深かったのですけれども、さっきの深度で2,000メートルぐらいのコールベッドのところに微生物が結構いるという話だったような気がしますが、それでもそこには数が物すごく少ないとおっしゃっていたような気がするんですけど、これはログプロットなので、少し正確なところが分からないんですが、深度と微生物の量比ですね。それから、コールベッドのある場所。少しそこは後でお聞きしたいと思ったのと、実際にこれはそういった石炭層の様なところでの水素とかCOとかの発生機序というのは、一番考えるに、やっぱり物理化学的な、でも、熱化学反応している圧力を伴う何らかの反応と考えるのが合理的なのでしょうか。

【JAMSTEC(稲垣)】 このバイオマスの振れですね。今ここに示している、通常は一直線に下がっている傾向じゃなくて、振れている。これをコントロールしている要因は何かということが単純な疑問でもあり、最大の疑問ですが、僕らが今考えているのは水です。実は海底下生命圏とは、海の広大な水界の下にある生命圏ですよね。海の下にある生命圏が何で水によって規定されるのだと思うかもしれませんが、ロギングの調査によって、僕たちはロギングでCMR、NMRをやっているんです。核磁気共鳴のロギングツールをおろして、その地層の中のフリーウォーターと動けない水、つまり、もう生物として鉱物に固定されてしまっている水というのは、水であっても動けないわけです。動けない水とフリーウォーターの比というのをロギングの核磁気共鳴でプロファイルしているのですが、ここで見られる減少傾向がある部分。この部分とこの部分ですね。この区間というのはフリーウォーターが極端に少ないということが分かっています。
 更にフリーウォーターが少ない。特にここの部分にはインパーミアブルな泥岩があって、パーミアビリティも非常に小さいです。フリーウォーターが少なくて、パーミアビリティがない。この特性が実はこのバイオマスを規定しています。それはこのスライドに載せて、本当は説明する予定ではなかったのですが、ロギングのデータとこういったバイオマスというのは非常にきっちり一致している。それを今、論文に書いているところです。

【鎌形委員】 実際にこれはポロシティとしてどのぐらいあるのですか。

【JAMSTEC(稲垣)】 ポロシティは0.2とか0.3なので、ポロシティは問題じゃないです。

【鎌形委員】 フリーかどうかということですね。

【JAMSTEC(稲垣)】 そうです。

【鎌形委員】 その水素となどかなり高かった気がしたのですが、それはコールベッド由来のものが出ているというふうに考えるのが合理的なのでしょうか。

【JAMSTEC(稲垣)】 やはりモバイルウォーターが少なくて、そのモバイルウォーターとフリーウォーターが少ないというのと、あとは水というか、物質をやりとりするためのコネクティヴィティですよね。そういうものが問題なのだろうと思うんです。例えば石炭層でいえば、石炭層というのは余りコネクティヴィティがないです。非常に小さなコアがたくさんあって、そこに動けない水があるような感覚です。だけど、その熟成自体はどんどん進んでいて、栄養分は非常にリッチなので、そこにいる微生物たちは生存のためのエネルギーを取れるけれども、あり余るエネルギーを活発に使って、それをグロースにつなげるということができないでいます。ですので、リアクターなどにそういった試料をボンと入れた場合に、その石炭を砕いて入れた場合に、そういう低活性の細胞若しくは飢餓状態から長期生存状態であった細胞が一気にバーンと増える。そういうような現象を僕らは今見ている。

【鎌形委員】 最後の質問で、ソリブルなオーガニックなものというのはどういうものが同定できるのですか。

【JAMSTEC(稲垣)】 今、酢酸を中心にやっていますが、ギ酸、酢酸、若しくは、そのほかもアミノ酸であるとか糖まで。今、FTIRMSという機械で全てのDOMの成分をマッピングして、構造解析をしています。

【鎌形委員】 分かりました。

【益田委員】 今のに少し関連するんですけど、あの石炭層のところ、今言った、随分餌がたくさんあるけれども、生物は少ないとおっしゃっていましたが、実際の生物種というのは、そういう硫酸還元菌の様な化学合成細菌だけなのですか。従属栄養のものというのはあんまりないのですか。

【JAMSTEC(稲垣)】 硫酸還元菌で確かに水素と硫酸で独立栄養的にいるものもいるのですが、メインは従属栄養細菌です。メタン細菌ももう検出できないぐらい少ないです。いることは培養によって分かっているのですけれども、遺伝子で定量すると、メタン菌とか硫酸還元菌というのはほとんど検出できない。そのバックグラウンドのレベルよりも下のレベルというか、検出限界以下のレベルです。実際にマジョリティを占めているのは、その従属栄養細菌です。つまり、石炭層に含まれる有機物を分解する人たちですね。分解者の細菌が多いです。

【斎藤主査】 他にございますか。

【竹山委員】 今回微生物がどこまで生息しているのかなど色々なことがわかってきたと思います。ここは今まで誰も研究したことがなかったので、出てきたことが全て新知見ではありますが、微生物学として見たときの、アーキアといっても、メタン菌もアーキアも様々なところに生息しているので、微生物としての新規性という点を区別して考えるとどうでしょうか。

【JAMSTEC(稲垣)】 このエコシステム自体がどうなっているのかというのは、これまでこういった掘削が、前例がありませんので、新規なのです。その生態系の実態という面では、今、説明したとおりですけれども、この説明の中でなかったのは、どういう微生物がいて、その中で新規なものは何かというのは説明できません。今、クレイグ・ベンターのゲノム研究所と一緒に、そのゲノム解析というのも進んでいますし、いろんなシングルセルレベルでの解析も進んでいます。それをやることによって、もともとこの表層の微生物の遺伝学的な解析によって、その海底下にいるほとんどの微生物が余り分離培養されたことのない新規なものだということは、2006年のPNSに僕は載せたのですが、よく知られていることで、実際にこの時点で新規となるのは、この海底数百メートルのこれまでの知見とこの数キロメートルの微生物がどれだけ違うのかということだと思うのです。それについては、今いろんなレベルでやっています。シングルセルレベル、システムレベル、そしてあとは、脂質のレベルですね。それによって明らかになってくると思います。

【斎藤主査】 はい、どうぞ。

【石渡委員】 これはライザー掘削で世界最高の掘削深度に達したということで、その点での成果が大きいと思うのですけれども、お話を聞いていると、そのライザー掘削によるメリットというのとデメリットというのが両方ある。それについてやはりライザー掘削を、例えば今後、推進するという立場から言うと、やっぱりライザー掘削をしたことによって、こういうことが分かったということを、もちろんデメリットはある。コンタミとかあるのでしょうけれども、そこの成果、メリットの方をもう少し強調していただいた方がいいかなという気がするんですけれども、それは先ほどビーチサンドはそのまま上がってきたというような例を出されましたけれども、そこから、じゃ、そういうことで何が分かったかというようなことはございますか。

【JAMSTEC(稲垣)】 非常に高速な堆積物で、これまでに採取できなかったような環境を詳細に解析するという点では恐らく使える技術だろうと思います。CHIKYU+10で、例えばサンタバーバラベースンのような場所でライザー掘削をする話も出ていましたけれども、ああいう場所においては、同様の砂層、若しくはゼンコウの堆積盆が層序としてあると思いますので、リカバリーは非常に期待できるだろうと思います。
 また、ライザー掘削の特色としては、何といっても泥水を循環させるということで、今ここに出しているようなリアルタイムの詳細な化学分析、これはライザー掘削でしかできません。これを本当に数百万のプロットをこれだけシンプルにコンパイルしてまとめていますけれども、これだけ詳細な科学情報がリアルタイムで見て取れて、しかも、こういった場所で、ガスサンプルを採ろうというときに採ることができます。この分析がなければルーチンで採るしか手はないわけです。こういうようなことはライザー掘削の特徴だろうと思います。
 また、最後にも話しましたが、検層、これはやはりライザー掘削の大きな武器になるだろうと思います。ボアホールが泥水で守られていますと、非常に安定します。それによって、予想されていたよりもしっかりと検層ができたのですね。それによって非常に良いデータが取れている。ここで実施できなかった、例えばサイドウォールコアリングであるとか、そのほかの今新しい石油業界などが開発されているツール、そういったものを展開することによって、将来の科学掘削というのはもう少し幅が広がるだろうと思います。
 また、コンタミの問題もそうなのですけれども、石油業界で使われているツールをそのまま単純に科学に使うというのではなくて、やはりサイドウォールをやるにしても、このぐらいのコアを取っても、なかなか分析には耐えられない。やはりもう少し大口径のサイドウォールコアを取れないか。若しくは、ゲルに包まれて、無菌的に取れないかとか、やはりサイエンスの方から少しその分析などに耐え得るような次の世代、次世代のやっぱりそういう孔内ツールというのを開発していく必要があるのではと僕は思っています。

【JAMSTEC(東)】 補足させてもらうと、一番のメリットは、海底下2,000メートルを掘れるのはライザーしかないということですね。そうでなければもう数百メートルだとか、1,000メートル前後であれば、ライザーレスで試料を採るということは可能かもしれませんが、もし本当に深いところを考えるのであれば、ライザーの方法でしかあり得ない。それが多分一番大きなメリットだと思いますけど、深いところはこれしかやれないということです。穴を守れないということで、要するに、深いところが掘れないというのもありますので。

【海洋地球課木村企画官】 そうですか。非常に新規性のある研究が多くされているんだということを聞くたびに思うのですけれども、その割に世間的な評価というか、あれがいまいち上がっていかないというのが、今、聞いている中では、例えばコンタミの問題があって、タイミングですよね。発見したときにパッと発表すれば、もっと盛り上がるのかなと思うのですけれども、どうしても検証してからやらなきゃいけないとかそういったことがあるのかなと思うんですけれども、そういう、なぜこう、一般的な盛り上がりが低いのかというのと、それを上げていくにはどうしたらいいのかというその辺を少しお聞きしたい。

【JAMSTEC(稲垣)】 まずは僕のしゃべりが堅すぎるので、余り一般の人に分かりやすい表現で僕が伝え切れていないということは実績としてありますが、実際に産業界からは非常に多くの質問とか注目を浴びていて、この間も石油技術協会で講演しましたけれども、いろんな方から、産業界の方から、訪問なり、取材を受けるなど実際していますし、科学的にも一般というか、産業界的には非常に注目をされている。また、これは実施したのは去年の震災後で延期して、去年の夏ですので、まだ11か月しかたっていません。それで、IODPの正確なクルーズレポートというのを、モラトリアム期間が明けてから出ますので、発表できない部分もあります。きょうはベラベラとしゃべってしまいましたけれども、こういった内容も余り話せない状態に今あります。
 ですから、本当に一般の講演では、こういうのをやったよということと、あとは話せる範囲での成果をお伝えしていますけれども、実際に論文が載ってプレス発表ということになっていくでしょうから、徐々に徐々に。急にセンセーショナルにというわけにはいきませんけれども、でも、オペレーションの面では世界最高到達記録を到達して、それで非常に多くの新聞とかメディアには取り上げられてもらったので、その点では国民一般にも評価いただいているのかなと考えていますが。

【斎藤主査】 どうもありがとうございました。
それでは、続いて、倉本さんにお話しいただきますけれども、結構時間が伸びていますので、急いで簡潔にやっていってください。

【JAMSTEC(倉本)】 (「次期IODPでの取組方針 P.43」について説明)

【斎藤主査】 いいですか。

【川幡委員】 私、J-DESCとして、私自身はIODPをやっていないので、少し言えませんが、「ちきゅう」の運航に関して、これに表れた以外、要するに、正確な段階から、アメリカとか会議を持って、こうしましょうとかいう段階でもよく変更されていると。帰ってきた後、1週間たって、話し合った内容は何かというような話を幾つか聞いていますので、これは公式の出せる範囲の変更点ということですけど、それ以外にも水面下で変更が頻繁に行われて、どこで行われたのか分からないという、少なくとも文句が来ていますので、その点に関しては、今後留意してもらいたいなと。
 根本に何があるかと申しますと、基本的にはほかの「ちきゅう」以外にもJRも1年ぐらい止まっていた時期とか、あと、ミッション・スペシフィックもなかったという、3船止まった時期がありましたが、サイエンス・プラニング・コミッティーとか言っても、止まった原因は、どちらかというとお金が来なかったからだとか、要するに、他人が悪いのだという形の言い方を、公務員的によく言う。それで対処しているところが見受けられますので、やっぱり自分たちは顧客というか、サイエンティストの集団自体がやっぱり世界の利用者であり、顧客であるという認識に立てば、CDEXだけじゃなしに、アメリカも含めて、このIODPのコミュニティがもう少し運航している人たちがみんなのためにというのを意識してもらえれば、そういう文句がなくなるかなと思いましたので、この点指摘してということになります。
 これでいいかな。いいですかね。まあ、みんなのためにというので、努力してくださいというところですね。

【JAMSTEC(倉本)】 引き続き、努力させていただきます。

【斎藤主査】 それでは、次の項目へ。また倉本さんに続いてやっていただけますか。その他の掘削船、JRその他についてです。

【JAMSTEC(倉本)】 (「その他の掘削船による科学的成果 P.45」について説明)

【斎藤主査】 どうもありがとうございました。「ちきゅう」以外の掘削船による成果の御報告をいただきました。それでは、川幡さん。

【川幡委員】 もともとIODPがこっちの参考資料1-4の2ページ目と3ページ目に目標を設定してやっているというのを最初に書いてあるので、これに基づいて、この5年間にこういうのをやったのだけど、ここまで進んでいますよという感じで言ってもらわないと、私は一個一個、大体知っているからいいけど、ほかの人だと分からないのではというのを危惧しております。というか、書きぶりを2ページ目と3ページ目とこうやりましょうと言って、次はこうやりますと書いたのだから、ここまでできたけど、ここまでやらないから、次にやるのですよというようなことが分かるような感じで書き換えれば、もう少し分かるかもしれないなと思いました。

【JAMSTEC(倉本)】 はい。

【斎藤主査】 それじゃ、ダブるかもしれないですけど、その次の波及効果について。

【JAMSTEC(倉本)】 (「社会・経済への波及効果 P.49」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。はい、どうぞ。

【横山委員】 たくさんの御説明ありがとうございました。2点お伺いしたいと思います。
 1点目でございますが、今の御説明には詳しくは入っていなかったと思うのですけれども、この参考資料1-4の報告書(案)のところの15ページ目に、産業界との共同開発の内容などが示されているかと思います。例えば三井造船との自動船位保持システムであるとか、川崎重工業による装置であるとか、そうしたものが世界的な開発シェアとか、あるいは、市場規模の中でどれくらいの発展の見込みを持っているのかという点について、1点目、お伺いできればと思います。
 まずはこれを伺ってから2点目を伺えればと思います。

【JAMSTEC(倉本)】 はい。まず1点目のダイナミック・ポジショニング・システム、これは三井が作ったわけですけれども、これはまず「ちきゅう」のために作った船で、同様の別の売り物とかもあります。要するに、コンペティターがいるわけですけれども、これが市場の中でメジャーになっているかというと、まだなっていないと思います。もし技術者の方のコメントがあればあれですけれども。
 それから、川崎重工のアジマスラスター、これに関してはかなり川崎重工も、ここに書いてありますように、ペトロブラス社に提供したり、その製品として、その何%かというのは少し分からないんですけれども、かなり高性能の品質のいいものとして売り出しているというふうに聞いています。

【横山委員】 これからもシェアが広がっていくような、あるいは市場規模としても広がっていくような見込みは多少なりともあり、その中で日本企業がこれだけ頑張っているというふうに考えてよろしいのでしょうか。

【JAMSTEC(倉本)】 はい。こういった船、あるいはこういった能力というものが必要だというのは明白でありまして、一つは、大水深、大深度での石油天然ガス掘削というのは、今やっぱり投資がどんどんされている段階であります。それから、別の非在来型にしても、海の中に新しい資源を求める、あるいはそれに対する動力を持つものを作るというのは、ひとつまだ大きな流れとしてありますので、市場としてはまだたくさんあるのだろうと思います。

【横山委員】 ありがとうございます。2点目よろしいでしょうか。この報告書(案)の14ページ目、文末が「期待される」とか、「行っていく」とか未来形のものが多いと感じます。これは「取組実績」ですので、実績報告として、目標がここにあっても、現段階としての実績はここまで行ったと書いていただくのがよいと思います。少し期待感を煽るような文章に感じ、そのあたりを御注意いただけたらいいかなという印象がございます。

【竹山委員】 文章中の記述では、あまり強調されてはいませんが、御発表では少し気になる点があります。例えば、メタンが出てくるので、エネルギー資源として有用である、というくだりがあったかと思います。自然エネルギー生産のプロジェクトがいろいろありますが、そのポテンシャル以外にコストパフォーマンスも討議されています。深海からメタンが採れるというのは良いのですが、コスト的には必ずしも大きな期待を寄せる、という話ではないと思います。ですので、あまりその点を強調しすぎるのはどうかと思いました。やはり、ここでは今まで未知だった生態系で何が起こっているのかを明らかにすることが一番重要なのだと思います。

【JAMSTEC(倉本)】 はい。ありがとうございます。午前中の地震の話と同じ路線だと思うのですけれども。

【竹山委員】 地震のことは、そのプロから言わせれば、そこまで言ってはだめですみたいなのがあるのがよくわかりました。サイエンティフィックに、それはまだ言える段階まで行っていない、とのことでしたね。

【JAMSTEC(倉本)】 はい。

【増田委員】 今の話に少し似ているかもしれないのですけれども、同じく14ページで、「海洋資源の利活用」で、黒丸の2番目に、チムニーを育ててという方法が、「新たな回収方法として経済界からも注目されている」と書いてあるのですけれども、これは本当でしょうか。どういった意味で注目されているでしょうか。

【JAMSTEC(倉本)】 これはいろいろ問い合わせがあるということです。あとは、今、特許申請をしていまして、なかなか。

【増田委員】 特許は結構ですが。今にも開発したいという人がいるというように書いてあるように見えるんですが、もし本当ならすばらしいことだと思うんですけど。この辺少し文章的に。

【森田委員】 みんなそういうのをあった方が、科学的評価最中であるとか経済採算の評価中であるとかと書き換えた方がいい。そうでないと,みんな成果に振れちゃって、本当は。

【増田委員】 何となくね。まあ、そのあたり、特許を出願し、詳細な研究を行っていくと、それは結構だと思います。ただ、経済界が注目して、回収方法に注目しているというのはどうなのかなと。本当に注目している企業とかがあれば、大変いいことだと思うのですけど。

【JAMSTEC(倉本)】 程度問題かもしれませんけれども、そういう問い合わせがあるというのは事実でございまして、それを注目と言っているのかもしれません。

【斎藤主査】 地球を相手にすると、人間がそこに住んでいて近いものですから、資源や災害など社会的に少し期待されていると、それに応えなきゃいけないという強迫観念があって、だから、竹山先生がおっしゃったように、そこまで応えなくてもというか、そこまで何か言わなくても大丈夫だと思います。さっきもこの会議の前に話をしていたと思いますが、宇宙では夢を追いかけていることで許されるようなことがあっても、地球が相手だとどうしても、何か許してもらえないという感じがあって、何か言わなくちゃいけないんじゃないかという具合になっちゃうものですから。

【増田委員】 私も何か言い過ぎじゃないかと。

【斎藤主査】 そう。だから、言わなくてもいいのかなと。もう少し開き直っても。

【増田委員】 うん。この熱水循環の中でそういういろいろな物質が循環しているのが分かったし、その中で金属の成分があるとか、海に存在しているというのがわかったと、それですばらしいことじゃないかなと思います。

【斎藤主査】 だから、そういう鉱床のメカニズムとか、地震発生のメカニズムとか、そういうところに迫っていることをきちんと言えれば、それでよろしいのでは。

【竹山委員】 経済界からの注目ではなくて、社会から注目されていると表現すればよいのかと思います。経済というのはやはり、コストパフォーマンスの世界です。アピール性という点で、話を取り上げてはもらえますが、コストパフォーマンスからも実用化レベルの話ではありませんね。ですので、社会から注目されている、としたほうがよいかと思います。

【斎藤主査】 そうですね。ええ。それはやっぱり言葉の問題としては、商業主義的に期待されているとか、商業主義的に評価されているというのは言わなくてもいいと思います。今、社会からと、竹山先生がおっしゃったけど、それはやはり学術的に期待されているとか、学術的に評価されていると言った方が、社会からということと同じで、そういう言い方でもう十分だと思いますので。

【竹山委員】 100年後、もしかしたらそれが採算ベースに合うこともあるかもしれませんが、現時点では無理かと思います。

【益田委員】 あと、今まで教育の効果とかありましたよね。技術者を育てているとか、それから、実際にアジマスラスターを開発したとかと、そういう技術開発の問題がありますでしょう。私、それでもう随分、社会に貢献していると思うのですよね。科学の目的は、直接社会に貢献することじゃ、もちろん社会に波及効果があって、日本の経済の発展につながれば、もちろんいいわけで、そういうものがある方がうれしいと。お金をたくさんつぎ込む科学なので、余計にそのことを期待するという部分があると思いますが、だけども、やっぱりお金を使ってきて、技術者を育てた、技術開発する力を育てたと。そういうことはもっと高く評価してもらった方がいいのではと思う。だから、直接、いや、これを使えば、科学的成果を使えば、何かお金がもうかるというふうに言わなくても、もう随分いろいろとやってきていると思います。やっぱり科学的な成果を使って、それでお金を稼ぐのは産業界にもう任せて、自分たちはもっと基本的な部分のメカニズムなり、原理というものを理解するというところを強くやっているのだということをやっぱり言ってもいいのかなと私も思いますね。

【斎藤主査】 ほかにございますか。

【川幡委員】 1点だけ、この「社会・経済への波及効果」の「科学的成果の波及」というところですけど、これは項目、「ちきゅう」だけじゃないので、モデリング、実施するデータを出しているというのを入れておいた方がいいかなと思います。理由は2つあって、私たちの観測は基本的に点の観測でしかないですよね。目的には。それがモデリングは目にできる。もう一つは、真理が分かれば将来の予測もできる。少なくとも気候とか何とかに関しては、モデリングは最近非常に進歩しているので、科学的波及効果のところに入れていただければ、これはいいと思います。

【JAMSTEC(東)】 少しいいですか。補足で、整理させていただくと、社会への貢献というところに、確かに科学成果に関して、慌ててこれがすぐに役に立つのだというのは拙速だと思うのですけど、一方で技術に関しては、これはまた別の話でして、実際に「ちきゅう」というのは、いいテストデータですよね。これを使って、うちの何とかを試してみたいとか、これをやったときにどういう具体的なデータが得られるためにも、データを取れるとか、そういう話はまた別途ありましたよ。そういうところとやっぱり、それは先ほど言ったように、実際に商売として役立つという側面もありますので、そこのところと科学成果は別で。だから、今、説明があんまり良くなくて、それが一緒になっているようになっているので、そこのところは違うのだというふうに御理解いただいたらいいと思うんですけど。

【斎藤主査】 確かに期待に応えなきゃいけないということを、あんまりサービス過剰にしなくても大丈夫かなと、そういう気はします。

【JAMSTEC(東)】 ただ、技術のところは、いずれにしても、我々だけではできないところもあるなと。恐らく産業界、それから、メーカーのところも一緒に共同研究しないと、新しい科学というのはやっぱりどうしても新しいツール、必ずしも議論が進まないところはありますのでね。

【斎藤主査】 そうですね。確かにライザー掘削を始めた時点で、例えばヨーロッパでも、イギリスでもかなり注目しているわけですよね。特に掘削というのはどうしても将来的にはガス、石油に絶対絡みますから、みんなその日本の技術というものに関心を持って見ているわけで、極端に言えば、「ちきゅう」に乗って、いろいろ盗んできてほしいという期待は非常に強いわけですよね。だから、その辺はきちっと評価しておいた方がいいと思いますね。

【横山委員】 今の御意見に非常に賛同ですけれども、やはり技術開発が産業界に強く波及して、更にサイエンスにも波及効果を及ぼしてくるという、この循環は日本として強く堅持して、応援していく部分なのかなというふうに感じております。
 少し全く別の話ですけど、私は素粒子実験の出身ですが、スーパーカミオカンデを使って実験していましたが、あれを作ってくださったのは三井造船なんですよね。しばらく知らないで、やはり造船会社というのがいろんな技術を蓄えて、いろんな分野に波及しているのだなというのを非常に身をもって感じたことがございまして、加速器分野も全く同じで、素粒子で、ヒッグス粒子を見付けるにしたって、医療用加速器の技術の発展に寄与するのも、やはり最先端のパフォーマンスを持つ加速器を開発するからこそ、医療分野にも発展するという、そういう水平方向の展開というのにも当然のことながら各分野で重要視されていますので、その部分は公共財としての大型装置という部分も堅持しながら、今その前に御議論にあった部分に非常に賛同しているんですが、科学的成果がすぐに波及するかのようには言わないという一定のラインを非常に守られるといいかなという印象を強く持ちました。
 地震については、もう地震学会をはじめ、先生方、非常に御議論されているので、この場で繰り返すまでもありませんが、参考になるかなと思うのは、iPSの分野なのかなというふうに感じました。iPSも臨床実験も始まって、いろんな波及効果が期待されている分野ですが、彼らが物すごく気を付けているのは、期待させ過ぎないということですね。報道がどうしても煽ってしまうので、それを引き戻す役を山中先生やその周りの集団でがやっています。やはり期待させ過ぎると、いろんな意味で研究自体がつぶれていくという現象がほかの分野でもあるので、その点十分お気を付けて文章作成していただけるといいかなという印象を持ちました。
 以上です。

【斎藤主査】 ありがとうございました。木村さん。

【海洋地球課木村企画官】 (「国際的なIODP推進体制の構築とリーダーシップ P.54」について説明)
 
【斎藤主査】 続けて説明していただいて、それから質問を受けたいと思います。

【JAMSTEC(倉本)】 (「アジアを中心とした諸外国のIODPへの参加促進及び連携 P.56」について説明)

【斎藤主査】 今のお話にまた関係してくると思いますけど、木下さんの方の国際的な拠点となります高知のことも紹介していただかないといけないかと思いますので。

【高知コア(木下)】 (「世界的研究拠点の提供 P.59」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。
 また後でもう一度、センターの話はしていただきたいと思います。続きまして、また倉本さんに「参加促進に関する取組」をお願いします。

【JAMSTEC(倉本)】 (「IODP運営への国内研究者の参加促進に関する取組 P.64」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。今までの取組状況と、それから、まだ不確定な部分があると思いますが、これからの予定も含めて御紹介していただきましたが、次の推進体制も紹介してもらってよろしいのではないでしょうか。

【海洋地球課木村企画官】 一緒に。はい。分かりました。

【斎藤主査】 それじゃ、倉本さん、恐縮ですが、続けて。

【JAMSTEC(倉本)】 (「国内におけるIODP関連研究の推進体制 P.68」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。井上さん、どうぞ。

【井上委員】 取組報告書の何ページとかの前回の評価のところで、その提案が全部減少傾向にあるということが書いてあって、それに対して何かいろんなことが行われたということが、報告があったと理解しているのですけれども、今の70ページですか、先ほどの棒グラフを見ると、結果としては提案数の増大にはあんまり結び付いてはいないというふうに見えたのですけど、そういう評価なのでしょうか。

【JAMSTEC(倉本)】 これは結構、複雑な問題でして、アクティビティが下がって、提案数が下がっているというふうには解釈していないです。一つは、プロポーザルがかなり滞留していまして、世界的に見てもそうです。出してもそれが実行されないままになって、店ざらし状態というのが結構ありまして、それで一時期、少し全体的に減ったという。提出とか、再提出になるなどですね。そういったこともあって、何かアクティビティが下がっているようにも見えかねないグラフになっちゃうのですけれども、決してそういうことはないだろうという。ただ、少しそのまま流れていかなくなっちゃっているので、全体的に提出が渋っているというところはあったかと思います。

【井上委員】 そういうような点はやはり一つ一つの回りが非常に遅いということによるのでしょうか。

【JAMSTEC(倉本)】 はい。一つは、審査の時間が長過ぎた件もあったので、もういわゆるプレプロポーザルを出して、それを今まで育成しながらやっていきましょうということで時間をかけていたんですけれども、育成し過ぎちゃうというと言い過ぎですけれども、たくさんプロポーザルがどんどんできてくると、今度は実施の方がたくさんできなくてたまっているという。だから、育成も重要だけれども、手厚くずっとやって、その生かさず殺さずやっていくのではなく、ここは少し問題があるから一旦切りますということで、新しく出し直してくださいというふうにシステムを今どんどん変えている最中ですね。

【JAMSTEC(東)】 今の質問に対して、答えとして一番シンプルなのはワークショップ、建設的なワークショップを戦略的にやるということで、ワークショップからプロポーザルにつなげていこうという。CIBというところに、組織の中で将来を見通して、必要なものに対して集中的にワークショップだとか資源を投資して、それでいいものをつくっていこうというような方法で今、ハンドルを切り直しています。そんなにプロポーザルが、そんないいものあるし、それはいたずらにたなざらしにして、数だけ追っ掛けていくのではなくて、本当にいいものに対してワークショップをやって、しっかりもんで、いいプロポーザルにして、それでアウトプット、実際に掘削承認としていく。そういうプロセスは踏んでいきたいというふうに思っております。

【海洋地球課木村企画官】 あと、前回、井上委員からの御指摘もあって、人材育成、どうやってしていくのだということについて、補足資料から、資料2の方の補足資料の7のところに、これまでの人材育成の実績を挙げさせていただいております。裏表で2ページになっております。そういうことで、継続的な人材育成を今までもやっておりますし、今後ともやっていくということでございます。

【JAMSTEC(東)】 ポイントはやっぱり若い人、先ほどの稲垣さんもそうですけど、高井さんも。まあ、高井さんが若いということは少しあれですけど、とにかくああいう若い人をどうやって育てていっていくか。いいプロポーザルを更にどういうふうに勘案していくか。そのためにはやっぱり周りも含めて、特にワークショップというのは非常に鍛えられますので、そういう意味でワークショップを重視してやっているというのが考え方にあります。

【横山委員】 簡単な質問で済みません。議長、副議長は日本からどれくらい出て、また、どういう方がなっていらっしゃるのでしょうか。

【JAMSTEC(倉本)】 人数ですか。

【横山委員】 人数と。はい。どういうタイプの方がなっているポストなのか、少し余りイメージがわかなかったもので。

【JAMSTEC(倉本)】 人数は、SASパネル全体では……。

【横山委員】 全体というか、その議長、副議長というそのリーダーシップをとるところにどれぐらい日本人が付いているか、付いていないのか。

【JAMSTEC(倉本)】 例えば最終的にプロポーザルの評価をしている委員会の議長は、日本からこれまでに2名。

【横山委員】 2年交代で、議長、副議長がいる中で、全体のその委員会で2名しかいないということですか。

【JAMSTEC(倉本)】 2名ですね。それともう一つ評価をするところで4名かな。

【横山委員】 かなり少ないという状況でしょうか。

【JAMSTEC(倉本)】 いや、少なくないです。日米で同じ数だけ出しています。

【横山委員】 議長、副議長として出す人数も同じということで。

【JAMSTEC(倉本)】 はい。それはいろんな委員会があるのですけれども、最終的にそういう決定権があるような委員会は日米で応分の議長の数を出すというふうに決めています。

【横山委員】 少しほかの分野と相当違うので分かりにくいんですが、IODP全体の世界代表とか、日本代表とかそういうのは置いていないわけですよね。

【海洋地球課木村企画官】 IODP自体はもともとアメリカと日本で契約書を交わしていまして、全ての決定権は、基本的にはアメリカと日本で決めると。

【横山委員】 それは国にあるということですね。研究者コミュニティとしてあるわけではなくて、その国としてあるということでしょうか。

【海洋地球課木村企画官】 いや、ファイナンス、ファンディングの部分については国にある。それから、科学部分については、科学パネルのメンバーにあるということです。

【横山委員】 分かりました。ありがとうございました。

【JAMSTEC(東)】 今の御質問ですけれども、平たく言うと、IODPを司っているIODP-MIという組織がありますよね。それに最初の5年は米国人、最後の5年は、末廣潔さんという日本人がなって、引っ張ってきました。

【斎藤主査】 3時過ぎましたので、半ぐらいまで休憩でお願いします。

( 休憩 )

【斎藤主査】 それでは、始めたいと思いますが、最初に「ちきゅう」の性能に関する技術的な取組からお願いします。

【JAMSTEC(許)】 (「「ちきゅう」の性能と研究者・運航管理者等の技術提案の反映 P.71」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。この部分で何か御質問ございませんか。
 もしなければ運用の方のお話に移っていただければと思います。

【JAMSTEC(東)】 (「効率的な運用体制の整備及び運用の実施 P.78」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。
 もし御質問がないようでしたら、続いて、今度は維持管理のことについて御説明を。

【JAMSTEC(山尾)】 (「継続的な運用のための維持管理体制の整備 P.80」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。
 それでは、続いて、運用体制についても続けてやっていただいていいですか。

【JAMSTEC(東)】 (「安全及び環境保全に配慮した運用体制の整備 P.83」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。

【JAMSTEC(東)】 軽微なものに関しては、CDEXの中で処理するということが原則ですけれども。

【斎藤主査】 宜しいでしょうか。

【井上委員】 1つだけ。先ほど環境影響評価ということがありましたが、これには何かのガイドラインみたいなものがあるのでしょうか。

【JAMSTEC(東)】 今、参考にしようとしているのは、インターナショナル・シーベット・オーソリティが出しているガイドラインというのをやっているのですけれども、その前に実はそのガイドラインが明確になる前に、実際に掘削をするということに、特に熱水域というのは。我々の意識としてはやっぱり生物多様性条約のCOP10の合意というのがあって、なるべくそういうものに対しては触れないようにするということと、今、産業界の方で、やっぱりこの問題は非常にナーバスになっていて、その対応策を求められている。我々は当然ながら、産業界にも船を出したいというふうに思っていますので、そういうクライテリアをどうするのかということで自分たちの中でいろいろ考えて、それで、ああいうような非常にホットスポットのところで掘削をしたときに、生物に対するダメージというのはどうなのかということを、実際に我々はROVを持っていますので、それでダイブをして、記録をする。それから、もし対応が必要であれば、対応策を考えていくということでやり始めたものです。別に、こうしなさい、ああしなさいということじゃなくて、まず自主的にやらせていただいたと。
 その後のインターナショナル・シーベット・オーソリティはかなりそれに近いようなことをやっぱり言っておりますので、我々の方向はそれほど間違ってなかったかなというふうには思っております。

【斎藤主査】 ありがとうございました。
 それでは、今度は続きまして、また「船上研究設備・支援体制」と、続いて、今度は高知の木下さんに。

【JAMSTEC(東)】 (「船上研究設備・支援体制の整備 P.86」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。それでは、続きまして、高知コアセンターについてお願いいたします。

【高知コア(木下)】 (「高知コアセンターの整備・運営 P.89」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。

【井上委員】 質問なのですけれど、それだけのことをやられていると、外部から来た人たちにある種の支援も必要でしょうし、研究の補助も必要でしょうね。

【高知コア(木下)】 もちろん支援ですよ。そうですね。サポートですね。

【井上委員】 その辺はどういう。スタッフも相当な数が要るような気がしますが。

【高知コア(木下)】 IODPに関しては、キューレータというのが2人いますが、その下に支援のパートタイマーのような女性数名、このくらいで回しています。具体的には、サンプルリクエストに対して、研究者が自分でやる場合もありますが、支援の人がサンプルを実際に取る作業があります。それから測定分析の支援を若干やっておりますが、先ほど紹介した、NanoSIMSなどの高級な分析装置はすぐ使えるものではない(非常に高度な測定技術が必要)ので、サービスの対象にはなっていなません。そのような分析は、例えば個別に共同研究の枠組みというのを作って実施することが考えられますが。一方、もう少し汎用性のある、例えば物性を測る装置であるとか、CTスキャンであるとか、あるいは電子顕微鏡であるとか、これは基本的に高知大学所有のものですが、これは高知大学の枠組みで全国共同利用の申し込みをしていると利用することができます。それらに対して、ある程度のサポートはしております。例えばCTスキャナーではX線を取扱いますから、そういう意味ではオペレーターは別に配置しています。その他のものは研究者が基本的に自分で測定しを実施しそれを支援する、というような感じです。

【井上委員】 先ほど船上の方は外注とおっしゃっていましたが、そちらはそうではないのですね。

【JAMSTEC(東)】 Marine Works Japanの方は。

【高知コア(木下)】 (JAMSTEC職員以外に)外注(マリンワークへの委託)による支援もあります。ごめんなさい。それを言い忘れました。済みません。

【井上委員】 それもある。

【JAMSTEC(東)】 それと1つのサンプルで決して1つではないです。たくさんのところから同じように何百も何十も取れるというのが。そもそもの数が。だから、どうしてもそれを取るための補助員が必要になってくる。400とか300とか平気で1つのリクエストがある。サンプルリクエストで。その労力は。

【森田委員】 我々がリクエストできるの? 例えば我々はセルとかものすごく必要で、そんなの買ったらとても高いんだけど、そういうこともできますか? 一般にオープンなのですか?

【高知コア(木下)】 研究目的であればオープンです。

【森田委員】 オープンなの?

【高知コア(木下)】 はい。

【斎藤主査】 どうぞ。

【川幡委員】 非常によくオーガナイズされていて、いいところだなと思っているのですけど、JRのコアはアメリカのもの、「ちきゅう」のものは日本のものということでよいのでしょうか。

【高知コア(木下)】 そうです。日本的に地に足のついた誠意を持ったサービスを、粛々と実行しております。

【川幡委員】 いや、非常に良くやっていると思うので、是非とも頑張ってください。

【高知コア(木下)】 はい。

【斎藤主査】 今、木下さんが割とサラッと御紹介しましたけど、キュレーティングというのはとても大変な仕事です。地味でもあるけれども、研究を支える点では本当に基本的に大事な部分があって、リクエストが来ても、1人からリクエストが来ても、1個じゃないでしょう。もうガバッと来るでしょう。その辺の数が何個も来ているというのが案外理解されていないから。

【JAMSTEC(東)】 そうですね。10万件とか20万件とか、すごい量で。

【斎藤主査】 そうそう。物すごい量があって。

【高知コア(木下)】 こういう数が6万とか超えることをちゃんと考慮しなくちゃいけませんね。これだけの数を実際取っているわけですから。

【斎藤主査】 すごいですよね。それで、取り方が悪いとかと文句は言われるし。

【JAMSTEC(東)】 基本的に評価は高いです。

【斎藤主査】 日本のバイオは割ときちっとしているという評価は受けていると思います。どうぞ。

【竹山委員】 現時点では運営にかかわる経費のサポートは、高知大学も含めいろいろあるかと思いますが、今後5年、10年は何となく大丈夫と思えますがその後が心配です。微生物の寄託・分譲をしているセンターがありますが、利用率が下がることで国からのサポートが受けづらくなるようなことが起こっています。センターを維持運営するには年間にとてもお金がかかるので、当然その有効性を問われるわけです。今回、紹介していただいた施設、システムはよくできていると思いますが、長い目で見たときにどのような仕組み運営していくのでしょうか。

【高知コア(木下)】 大変いい質問であると思います。答えはないのですが、考えていることは幾つかあって、一つはまずお金を取る仕組みですよね。それは実は今、(コア試料の管理費用として年間)4,000万円がかかっていると述べましたが、これまでのIODPではそのうちの大きな部分は(IODPの枠組みから提供される)SOC(Science Operation Cost)マネーでありました。今後はこのSOCがなくなってしまうので、それに代わる方法を進めています。実はコア研にある94km分のコア試料のうち83km分はアメリカの掘削船(JR号)で採取された試料(レガシーコア)ですあり、所有権は米国にあるのですが、それをコア研で継続して管理する受託契約を、JAMSTECと米国NSFとの間で締結しようとしています(NSFは合意済)この体制で当面もつだろうと考えております。

【海洋地球課木村企画官】 レガシーコアが理解されていなのではと思うんですけど。

【高知コア(木下)】 いずれにしても、総コア長94kmのうち83km分の管理費用は出る。まあ、プラス10km分ぐらい増加しても、その管理費用はそれほど増加しないと考えております。いずれにせよ、IODP以外のコア管理を含めて、JAMSTECの交付金もある程度使っております。

【海洋地球課木村企画官】 実はIODPで取ったサンプルが利用されているというのは余り多くなくて、レガシーコアと言われるIODP以前のODPとかそれ以前のものがアメリカから全部こちらに運び込まれています。というのは、この地域のコアは、どの時代に取ったものかに関係なく、全部集中して置きましょうという、そういう考え方で、この3分割されています。ですから、今後ともその利用率が下がるかというと、それはあんまり、IODPというプログラムに関係なく、ずっと使われ続けるのではないかなというのが私の想像ではありますけど。

【高知コア(木下)】 (現状でのコア研へのリクエスト数・利用率は)安定していますが、無論先のことは分かりませんから。ですから、別のファンディングソースとして、例えばアジアとの「ちきゅうパートナーシッププログラム」などが検討されています。そういうのがあれば、もちろん我々も協力してやっていきたいと思います。もう一つはサービスの利用率を維持するための仕組みというのが必要で、コアが16万本あって、それはどんなのがあるかというのを、これはPRの問題だと思います。キューレータの業務として一つ位置付けたいのは、研究者のニーズを発掘するような仕事です。ニーズ発掘というのは、うまくやればきっと何かあると思います。ただ単にCTスキャンデータがありますから、どうぞご覧くださいでほっぽり出してもだめなので、もう少しおせっかいというか、積極的なサービスを提案したいと考えています。これは単なる支援というよりも、それ自体一つのリサーチだと思っています。

【竹山委員】 そのおせっかいをどこまでやるのか、議論を呼びそうですね。

【高知コア(木下)】 そうですか。

【竹山委員】 微生物の寄託・分譲センターでも同様な話があります。

【高知コア(木下)】 おせっかい、やり過ぎてもだめですかね。

【竹山委員】 おせっかいも、やるにはお金も人も必要になってしまいます。そこまでしないと、利用率が上がらないのか、という議論が出ますね。

【高知コア(木下)】 そうですよね。予算のことはまだ考えていませんが、何とかできる範囲で。

【竹山委員】 そうですね。

【高知コア(木下)】 ええ。一般参加型で何かイベントでもしようかとか、考えておりますが。

【竹山委員】 先ほどお話しいただいたように、情報の開示の仕方、利用したい人がどのような情報だったら見やすいのかなどの検討が必要ですね。

【高知コア(木下)】 そういうことですよね。分かりました。

【斎藤主査】 どうもありがとうございました。
 今まで船とかそれに関連する施設のお話を聞いてきましたけど、これだけの内容があると、やはりそれを支えている人材が最も大事なことになりますけど、続いてその人材の育成についての話をしてもらいたいと思います。

【JAMSTEC(倉本)】 (「研究者の育成 P.96」について説明)

【川幡委員】 私、補足者になっているのでいいですか。J-DESCは海だけではなしに、陸上掘削も含めてプロモーションするという目的で設立されました。各機関というか、学部内で10万円、原則年間10万円の会員費を出して運営されていますので、年間経費、大体500万円、JAMSTECの運用の方から7,000万円いただきまして、それで、IODPの参加者などを募っていると。本来、文科省から直接お金を頂くというのが本来の筋ではありますが、文科省の方も、訳の分からない法人にお金をあげるということは、日本ではないので、無理しないでお金を運用しましょうということで、実質的にうまくいくような体制でやっています。
 一番いいのはコアスクールでありまして、7つぐらいコアをやっていまして、どちらかというとボランティアベースで、先生クラスからポスドクの人たちが後輩を指導するという、非常に美しいお話のコースでありまして、実際にうまくいっていまして、やっている方も、教わる方も喜んでやってくるという、非常にうまくいっているコースでありまして、今年はそれを英語版、一番基本的なのは英語にして、韓国の方を招待して一緒にできたらと思っています。
 あともう一つ、J-DESC主催で、タウンホールミーティングというのを連合大会のときにやっていまして、文科省というのは別にJAMSTECにお金をあげるためにあるのではなくて、船を提供しているのはコミュニティの発展のために投資しているという性格がありますので、ファンディング・エージェンシーと研究者が実質ベースも含めて語り合うという場面が一つもありませんでしたので、それをセットアップいたしまして、コミュニケーションしていると。
 J-DESCの活動でした。以上です。

【斎藤主査】 どうもありがとうございました。実際にボランティアでまあまあうまくいっているということだと思うのですが、大学でもう少し何とかならないのか、大学での教育がもう少し何とかなってほしいという気持ちはあります。今は大学の方も大変な時期かと思いますので、大学がもう少ししっかりするまで何とかもたせていかないといけないのかなという感じはしますね。
 それから、今の研究関係のお話ですけど、同時にやはり技術、さっきのオペレーションをやってくれる方たち、技術屋さんの育成も大事だし、それから、やはり組織を維持運営するスタッフたちの話もありますので、続けてその2つをお話ししてください。

【JAMSTEC(小林)】 (「技術者の育成 P.98」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。何となく昔は、日本に任せると日本人ばかりでという、ありましたよね。

【JAMSTEC(東)】 ガラパゴスのですね。そうならないようにということで、非常にこの辺のところに目標数字を置いて、計画的に計画しているところです。随分育ってきているなと思います。

【井上委員】 修士、博士を持っているスタッフもおられるということですね。

【JAMSTEC(小林)】 ラボの研究者ですね。

【井上委員】 そういうところへ入っていく人たちというのは、もともと大学院で、こういう地球科学をやっている、あるいは工学をやっているような人たちで、それらの人たちがそこへ入っていく流れみたいなのができているということなのでしょうか。

【JAMSTEC(東)】 そうです。

【井上委員】 そうすると、そういう人たちは研究者を目指して大学院には入ってきたけれども、ある種割り切ってそういうところへいくということなのでしょうか。

【JAMSTEC(東)】 研究者よりすごい者もいますから。研究者は若い人材が入ってきていましたけど、逆に使われてしまうような、そういう土壌もだんだん減ってきています、非常に。まあ、専門職というのは、そこはちゃんと分けて育てて。育つ環境ですが。

【益田委員】 うちの学生も行っていますが、研究者じゃなくて、コアのテクニシャンになりたいという人がいるんですよ。だから、むしろそっちの方がという人もたくさんいるので。

【井上委員】 ある種のキャリアパスがそっちにできているというのはいいですね。

【鎌形委員】 その後でまた研究者になるなど、そういうことはできないのですか。

【JAMSTEC(東)】 そういう人もいるかもしれません。実際に大学に戻っている人もいます。今年も1人、早稲田に戻っている学生もいますから。

【竹山委員】 任期付きの雇用なのでしょうか。

【JAMSTEC(倉本)】 会社ですから、任期付きじゃなくて、正規雇用。

【鎌形委員】 要するに、マリンワークの社員として働いておられるわけですね。

【JAMSTEC(倉本)】 大学に行かれた方は辞められて、出ていくという。

【川幡委員】 多分みんな誤解しているかもしれないので、マリンワークの前の事務所は、JAMSTECの敷地内にあるので、組織を別にしてお金を流しながらテクニシャンを育てたというそうした仕組みなので、少し普通の外部かなと言われたら、うまく育てたな、そういう仕組みを作ったなというのが私の感想です。

【JAMSTEC(東)】 今は違います。

【川幡委員】 今、外に。

【JAMSTEC(東)】 今は全然違うところに事務所が。

【斎藤主査】 よろしいですか。それじゃ、続いて木村さんの方で。

【海洋地球課木村企画官】 (「計画推進実務者の育成 P.101」について説明)

【JAMSTEC(東)】 いわゆるIODPという中で、IODPの誰が責任者、誰が顔なのかというと。次期フェーズはキア・ヴェッカーという人が多分3年か4年やると思いますけど、その後誰か日本人を、我々は出したいというふうに思っておりますが、多分その後やろうと思ったら出てくるだろうと思うので、そんなような話も。

【斎藤主査】 それでは、いよいよ最後の情報発信、交流について、お願いします。

【JAMSTEC(倉本)】 (「国民への情報発信及び交流 P.102」について説明)

【斎藤主査】 ありがとうございました。どうぞ。

【横山委員】 以前のコメントを意識していただいた構成にしていただきまして、本当にありがとうございます。幅広いすばらしい活動をされているなというふうに拝見しております。簡単なことばかりですが、幾つか伺いたいと思うのですが、頂いている資料であるとか、あるいは報告書(案)の方に記者発表の件数のようなものは、私が見た限りはなかったような気がするんですが、よろしければそうしたものも入れていただくといいかなという印象を持っております。
 あと、そのときに、そのJAMSTECさんからの発信のみならず、そのIODPのメンバーの各大学が研究成果として発表したようなものも、そのIODPプロジェクトとしてはやはり総括して数を持っていた方がよろしいかなという印象を持ちましたので、そうしたものも網羅して情報を集約しておくとよろしいかなという印象を持ちました。
 コメントはこれなのですが、質問の方は、ほかの分野では、こういう国際プロジェクトになると、各国のコミテーション・ディレクターが集まって、年に何度も戦略を練って、国際的なコミュニケーションの会議を持つし、あと、戦略を練って実際に活動するんですね。よく使われている例としては、その国際リリースというのが今非常に1分野でははやっておりまして、世界じゅうにリリースをまくんですね。特にヨーロッパは、大新聞社のようなそういう形態をとっていないので、フリージャーナリストにいかに活躍してもらうかというのが、非常にコミュニケーションの核になってくると思います。アメリカもやっぱりリーマンショックの後、科学記者から切られているような状況もありますので、なるべく使いやすい情報提供を世界じゅうのジャーナリストに提供するという観点からは、そうしたやり方というのは広がってきているように思うんですが、何かそういうIODPとしてコミュニケーション戦略を国際的に練っているような議論が既にあるのか、あるいはそうした、例えばリリースのメーリングリストの登録制があるのかとか、その辺を少しお伺いできたらなと思いました。

【JAMSTEC(倉本)】 中央管理組織であるIODP-MIというところにコミュニケーションマネジャーがいます。その人が中心となって、各オペレーターのところに代表が一人ずつアウトリーチ関係の人がいて、年に一度、そういった会議をやっております。ここ最近少し、去年はなかったんですけれども、そういうことをやってきて、いわゆるIODPとしての国際広報戦略というのはそこでやっています。
 ただ、各自、各国の独自の問題もありまして、例えば日本でやる場合、日本語でやりたいとか、日本でプレス発表したいとかそういう問題もあるので、完全に同じもの、コンテンツを何かということはなかなか難しい問題もあるのですけれども、協力しながらブースを出しましょうとか、あるいは映像をシェアしましょうとか、そういう形ではやっております。
 それから、リリースに関しては、全てのエクスペディションの始まる前と終わった後の成果に関してリリースしています。その国内でリリースした記事は全て英語訳をして、IODP-MIのコミュニケーションマネジャーを通して、IODPのチャンネルで全て情報を流すようにしています。そのほかに例えば『ネイチャー』とか『サイエンス』だと、フリーでしょうかね。ジャーナリストが契約してきて、特にダイレクトに例えば「ちきゅう」のエクスペディションの問い合わせとかが来ます。それがそのフリーのジャーナリストが例えば『ネイチャー』のブログみたいなところにヒュッっと掲載されるなどは、非常にスピーディーに行われているので、そういった対応も今、我々の方ではしています。

【横山委員】 ありがとうございます。大体わかったのですが、もう一点だけ。少し日本独自のことだと思うのですが、やっぱり震災の後、海に対するイメージというのはかなり変わったと思うんですよね。特に沿岸部の方たちがやはり大人も子供も海というものに対する心構えというのが大分変わってきたように感じていて、私は東大の方の海洋アライアンスなんかはそうしたことを意識したコミュニケーションの戦略をまた立てなきゃいけないのではという話をしているのですが、そのあたりはIODPとしてはというか、日本としてはどのように意識されていますか。もし具体例があれば教えていただきたいと思います。難しいですね。

【JAMSTEC(倉本)】 難しいですけれども。

【JAMSTEC(東)】 その話はIODPというよりJAMSTECだね。

【横山委員】 JAMSTEC。

【JAMSTEC(東)】 ええ。JAMSTECの内部でもやはり若いお母さんが子供を海水浴に連れていけなくなったとかという、そういうように海に対して嫌悪というのがあって、それをどうするかというので、いろいろ話はしていて、やっぱりそういうようないろいろな機関と、NHKも今回協力していただいていますけれども、そのようなことでプログラムを、海に対しての関心を増やすようなことで努力はして、我々としてはなるべくならそこに対してのマテリアルを潤沢に供給するという。ですから、これではないですが、「しんかい6500」でやったときのようなことを使って、リアルタイムでやって、何か40万とか30万とか見たという話がありましが、そういうような努力はしているというのが現状だと思います。IODPとしてというよりは、むしろJAMSTECとしてそれはやっていきたいと思っています。

【横山委員】 済みません。私の周辺では、例えば東北地方の理科の先生が、楽しい、うれしい海というふうに言われると、もう近付きたくもないというふうな反応を示すような、やっぱり学校の先生がそういうぐらいの大変な思いをされているので、多分何か海のコミュニティとして何か新しいコンテンツを考えていく必要はあるのかなと思うのですが、JAMSTECのことということで、承知いたしました。ありがとうございます。

【井上委員】 今の御説明に対してというよりも、少し人材のことについて質問です。お話をいろいろ聞いていて、若い人たちが新しいことをやろうとしても、なかなか順番が回ってこないというような御説明があったと思うのですけれど、ヨーロッパとかアメリカとか日本の船のすみわけの中に、割に小さな規模で新しいアイデアの挑戦みたいなことをやる部分というのは、何か用意されているものなのでしょうか。それともやっぱり随分全体に敷居が上がっちゃっているのでしょうか。若い人が少ししたことを挑戦してみる場というのは、今どういうようなところにあるのですか。

【JAMSTEC(東)】 先生がおっしゃったようなことは、例えばヨーロッパ、ドイツや何かで若い人と同じような、時限付きで入れて、それでプロフェッショナルと同じように、例えば助教授とか助手を雇ってやらせてみると。

【井上委員】 私が言ったのは、船から、実際に海を使って、何らかのことをやってみる機会みたいなことについてです。

【JAMSTEC(倉本)】 IODPとしては、もちろんプロポーザルをやってくれれば一番いいのですけれども、そういうポッとしたアイデアを試すというのには、船がそこにいればできるというシステムはあります。例えば2日、3日でできる、一本コアを取れば、新しいことが分かるというアイデアがある場合には、そういうのを受け付けるシステムがありまして、それはもう特急で審査されて、それで実施されるという例が幾つかあります。

【井上委員】 ああ、若い人と言う必要はないのかもしれないですね。

【JAMSTEC(倉本)】 ええ。いや、それは別に年には関係ないですけれども、たまたま船がこういうふうな計画が決まっていて、ここのところで、もう10キロ離れたところで一本取ってくれると、世界が変わるよというようなコアがあるとすれば、そういうのは受け入れられると。

【JAMSTEC(東)】 EBLという形で、レター形式でプロポーザルを出すということが。

【井上委員】 そうすると、知恵さえ出せばということですか。

【JAMSTEC(東)】 そうですね。

【井上委員】 では、何となく敷居が上がってしまい、なかなか新しい芽が出てくるのが難しくなっているのではないかと、少し思ったのですけれども、そんなことはないということですね。

【JAMSTEC(東)】 大事な問題ですよね。本当に大事な問題で、それをどういうふうに引き上げていくかという。そのように多様にしていかないと、いろいろな多様なチャンネルを使って活性化させるということをやっていかなきゃいけないというふうに思うのですが、JFASTも我々にとっては一つの活性化させるプロジェクトですので、それであれば、やはり3年かかるものを、紹介があったように10か月のプリパレーションを、CDEXのものはもうめちゃくちゃだったんですけど、とにかくあれはやらなきゃいけないということで、ああいうようなことも我々の掘削、ラピッドレスポンスという言い方で我々言っていますけれども、ああいうようなガイドラインというのが出来始めていて、それに乗ればああいうことができるというのは、今度はやってみせたらということですよね。ガイドラインじゃなくて。ただ、先生の言うもっと多様なものを作っていかなきゃいけないというのは確かにそうかもしれない。その辺少し考えていかなきゃいけない問題ですが。

【鎌形委員】 少し質問ですけど、このIODPは、まあ、JAMSTECの組織の問題になるのかもしれませんけれども、例えばマリンワークさんとかで育っている皆さんというのがどういう契約形態で働いておられるか分からないのですが、多分ずっとパーマネントトラックじゃない雇用形態なんじゃないかなというふうには。

【JAMSTEC(東)】 パーマネント、マリンワークは。

【JAMSTEC(小林)】 マリンワークの社員です。

【JAMSTEC(東)】 パーマネントの社員です。

【鎌形委員】 正社員。

【JAMSTEC(東)】 ええ、そうです。

【鎌形委員】 じゃ、例えばJAMSTECとか高知コアとかで働いている皆さんはどういうふうな形態なのですか。ほとんどの方は年契約なのですか。

【JAMSTEC(倉本)】 JAMSTECは任期付き契約の人もかなりいます。

【鎌形委員】 例えば今、労働法の改正とかで5年で打ち止めとかいうところをどういうふうに、これは機構の問題になりますね。少しずれますね。

【JAMSTEC(東)】 そう、機構の問題なので、ずれてきますね。

【鎌形委員】 でも、かなり大きな問題になってきますよね。人材育成というところで切れてきてしまうというのは。それはどこの組織も大きな問題になってきて。

【JAMSTEC(東)】 JAMSTECでも実は5回ほどワーキンググループを作って、そういう人たちをどうするかという話をしています。それで、やはり一つの審査みたいなものを行って、無期雇用を図る。あなたは無期雇用になっていいですよと。あなたはそうじゃないですよというのを。本人に手を挙げさせて、アプライしてもらって、そういう制度をやって。ただ、研究者によっては、無期雇用なんかされたら嫌だという人も結構いるようで。

【鎌形委員】 まあ、それは若い方なんかの強みでね。

【JAMSTEC(東)】 そうです。そういう人たちもいるので、全員を無期雇用の形で風呂敷の中に入れてギュッとやるというようなことはしないで。

【鎌形委員】 どのみち、こういうのはある意味、決して正しいとは思えない労働法の改正というのは物すごく研究機関とかにマイナスな影響を与える可能性が非常に絶えないですよね。今なら4年あるからということで、様子見てやっているけれども。

【JAMSTEC(東)】 我々もJAMSTECとしては、MEXTに対して、この法案というか、考え方は少し改まらないかということをお願いしているのですけどね。

【鎌形委員】 いや、重大な深刻な問題、決定的な問題になってくると思ってはいるのですよね。

【JAMSTEC(東)】 そうですね。そうだと思います。

【鎌形委員】 もう一つですけれども、さっきの広告の件ですけど、私も高知コアに、私のところで働いている人、今、3人いるものですから、育っているのだなと思いながら聞いていたのですけれども、一方で、そのIODPのプロジェクトというのをいつも海洋機構とかでサーチしようとすると、JAMSTECのホームページって物すごくうるさいのですよ。どこにたどり着くのかが全く分からない、非常に複雑な構造ですが、ほかの大学も、あるいは私たちの産総研のところもはっきり言って、とても恥ずかしいホームページを持っているので、全然人のことは言えない。ということを前提にして、非常にJAMSTECの中でのIODPの立ち位置を探すのに非常に難しい。プレゼンスがどこから見たら探せるのかというのが、むしろグーグルとかの方がよっぽどストレートに分かるような、少し情けない感じのホームページだなというのはいつも。広告としては。皆さん必ず見るものですから。

【JAMSTEC(東)】 我々も問題になったのは、実は3.11以降、船員の人たちに、やっぱり外国の人がいます。そういう人たちはやっぱりホームページを使いたいわけですよ。ところが、JAMSTECのホームページに行っても、おっしゃるように、日本語でさえも難しいのに、あれを英語で入れるかというと入れないのですよ。文句をいろいろ聞いて、我々も広報に対して少し考えてくれというようなことを言っているのですけど、残念ながら現状のままです。我々自身もフラストレーションを感じています。

【鎌形委員】 どこも研究機関でまとまるところは一つも見たことがないので、今、大学とか東大とかも全くひどいホームページを平気でさらしていて、少し何か日本のホームページはあんまり。まあ、アメリカの大学もひどいですけれども、少しいくら何でも。

【横山委員】 これは予算の問題と随分絡んでいるでしょうね。先生方、100万でできるでしょうとか思うくらいだと、やっぱりそれくらいしかできないというところもかなり効いているのではないかと思います。一方で、お金が十分に付いているWPIみたいなところは、豪華なホームページをたくさんつくっている。

【鎌形委員】 WPIですか。

【横山委員】 はい。世界拠点になっているような東北大の物質と数学が結びついているところとか、そういうところはかなりいいのをつくっているので、もしよろしければググってみていただけるといいかもしれないです。

【鎌形委員】 分かりました。

【斎藤主査】 報告は全部終わって、皆さん大分お疲れになったと思いますが、あと、そうですね。10分ぐらいは、お疲れでなかったら質疑応答となっていますけれども、コメントを頂ければと思います。

【鎌形委員】 済みません。唯一お尋ねしたいのですが、これからのIODPのシステムというのをもう一回きちんと、簡単で結構ですけど、重要な改定部分を教えていただきたいのですけど。

【斎藤主査】 さっき木村さんから御紹介なさったようなことだと思うのですけど。

【鎌形委員】 特に人とお金の流れの部分です。

【海洋地球課木村企画官】 次期枠組みについて。はい。54ページですね。次期枠組みにつきまして、今まではIODPというものが、アメリカと日本が中心と言いましたが、基本的には一体化したものだったわけですけれども、今後につきましては、研究者のレベルから見ますと、一体化した形にしようというふうな話し合いをしております。そういうことで、プロポーザルを受け入れたりする窓口については1つになると。それを運営するのが支援機能というのが、サポートオフィスということで今アメリカのスクリプス研究所が請け負うことになっておりまして、そのお金はNSF、アメリカが出すということになっております。
 そこの中で、「ちきゅう」向けのライザーのプロポーザルも、それから、「ちきゅう」もライザーレスをやる可能性はあるわけですけど、アメリカ、ヨーロッパの船がやるライザーレスのプロポーザルも一括して受けますと。ただ、審査自体は一括でやるとなかなか難しい部分もありまして、そこは今少し、まさに検討しているところですけれども、JAMSTEC、MEXTの方からそこの部分は支援するということが今考えられております。
 運営の方ですけれども、プラットフォームを動かすことについては、SOC、POCという言い方が今ありまして、サイエンスに係る経費、それから、プラットフォーム運営に係る経費というものがございまして、今でもプラットフォームの運営に係る経費につきましては、それぞれのプラットフォームを持っているところがお金を出していて、SOCについてだけ中央管理組織、IODP-MIを通して、それぞれのミッションごとにお金が払われると、そういうシステムに今なっているわけですけれども、次回は今年の10月以降については、そのSOCの分配ももうやめようと。逆に言えば、SOCだけのために喧々諤々とすること自体に少し、まあ、そこの部分は合理化しましょうよということでありまして、それぞれが運営する運営委員会というものを設けて、その中で管理をしていきますということになります。
 ですから、そういう意味では、運営委員会に日本人を押し込むというようなことは、それはなかなか今後はできないわけですけれども、一番上にIODPフォーラムというのがありまして、これはかなり緩やかな結び付きではありますけれども、今、最初の3年間ですかね。アメリカのキア・ヴェッカーがIODPフォーラムの議長になりますけれども、その次は日本がとろうという約束というか、話をしているところでありますけど、これが年に1回程度フォーラムを開いて、科学的な調整もそこで皆さんやりましょうという話になっております。つながりとしては、まずIODPフォーラムがということと、それから、その下の科学諮問組織、これは一緒にやっていきましょうということで、お金はNSFから出してもらうんですけれども、日本人のパネルメンバーも押し込むことに今、交渉して、大体成功しつつあります。
 そういうような、少し数は減るのですけれども、そういうような流れで、運営はそれぞればらばらですけれども、先ほど乗船交換ということで説明ありましたように、日本とアメリカはイーブンに交換します。それから、ヨーロッパと日本は4対1、向こう側へは4人しか乗船枠がありませんので、それに対応して、欧州からは1人分というか、もう半年分ですね。「ちきゅう」が2回やるとしたら、そのうちの1回分にしか乗れませんという、そういうような形でありまして、それにプラス、欧州からは、1億円頂いて、更に2人分足してというようなことで、今、運営をするということで進めているところでございます。
 流れとしましては、こういう形になります。

【鎌形委員】 そうすると、プロポーネントとかプロポーザルに書いてあるレビューする、サイエンティフィック・レビューの部分というのは、従来型と変わらないのですか。

【海洋地球課木村企画官】 少なくともホームページ上、ホームページは今、IODP-MIが持っているホームページはスクリプスにそのまま移りまして、そこで、特にプロポーネントにとっては、ライザーでやるか、ライザーレスでやるかというのを。だから、「ちきゅう」を使うか、JRを使うかということ自体もこだわっていらっしゃらない方が多いものですから、そのプロポーザル自体は一斉にそこで受け入れるという形になります。

【鎌形委員】 先ほど何か何年分でしたっけ。たまっているとおっしゃって。

【海洋地球課木村企画官】 それはライザープロポーザルということでいくと、「ちきゅう」、今までそれこそ7ミッションぐらいですから、それに対して、フルプロポーザルが10あれば、もうそれで10年分たまっていることになっちゃいますよね。そういう意味では、「ちきゅう」向けのプロポーザルとしては、結構たまっていますけれども、JRは年4航海ありますので。

【鎌形委員】 そうすると、「ちきゅう」での、もちろん商業利用も除くと、プロポーザルベースでもって、乗れる機会というのは非常に限られた世界になるのですか。

【海洋地球課木村企画官】 大体年に4、5か月ですから、2か月に1回は入れ代わりますので、それに28人から30人ですか。そうすると、最大60人の枠があるという、そういう考え方ではあります。

【鎌形委員】 それはプロポーザル分でいうと、幾つプロポーザルがあるかと、それはケース・バイ・ケースなのでしょうけれども。

【海洋地球課木村企画官】 プロポーザル的には多分60人で1つとか、若しくは2つとかでしょう。

【JAMSTEC(東)】 プロポーザル何回目で非常に大きな目標を立てれば、さっきも言いましたけど、ライザー掘削のプロポーザルは幾つかのクルーズに、エクスペディションを固めなきゃいけないでしょうから。一つの、本当に1か月で済むようなのもできるかもしれませんね。リーダーシップを発揮して。

【鎌形委員】 現状でもレビューされているものが、審査されて通ったとして、あと何年後かにあるかないかと、感覚的にはそういう感じですよね。

【海洋地球課木村企画官】 いいもの、そうですね。更にCHIKYU+10で、ある程度もうスクリーニングといいますか、この方向でということで話し合われていますから、ここ数年のものについては、その中から選ばれるというふうに考えるのが常識的だと思います。

【鎌形委員】 分かりました。

【益田委員】 先ほどの件に関連して、その選ぶときのスタンスというかね。その中に例えば、「ちきゅう」だけに関して言うと、どれぐらい日本人の意思が反映されるのか、あるいは外国の人の意思が反映されるのかというのを少し聞きたいのですけど、というのは、今までは実際4年か5年か、「ちきゅう」が運営されてきたのだけど、領海から出ていませんよね。やっぱりこれから物すごく大事なことの一つというのは、領海から出ていくことなのだろうと思うのですが、それはどれぐらい、これからの数年以内に実現可能なのか。あるいはそれに対して、上の方のそういう実際にどこを掘るかということを決める組織がそういう決定権を持っているのかという。

【海洋地球課木村企画官】 先ほどからも説明ありますけど、プロポーザルとして科学を審査するということと、それは結局候補として上がるわけですね。それに従って、一筆書きと言いましたけれども、どれだけ効率良く掘っていくかということを、それを考えるのは、逆に、下の今まではIOと言っていましたけれども、それぞれの船を運航する運営体が考える。例えばヨーロッパでもECORDという組織ではありますけれども、その下のIO自体が実はその運航管理は行っていくという考え方になります。なので、そういう意味では、「ちきゅう」の場合もプロポーザルはいっぱい、まさに日本以外もいっぱいあるわけでして、出ていかなければならないというのも非常に、実はJAMSTECも含めてみんなそう思ってはおります。あとはその状況が許すかどうかというところかなというところだと思います。余り答えにならなくて済みません。

【斎藤主査】 ほかにございませんか。何かコメントありますか。

【JAMSTEC(東)】 ちなみに、これは本当かどうか分かりませんが、CHIKYU+10のワークショップの最後の締めくくりのときに、うちの理事長は、3年以内に出すと考えていると。その一言で分かっていただけると思いますが、ただ、予算が伴うので、それは現実やれるかというのは我々のやり方というのがありますけど、理事長はそういうふうに明言されたので。そこにつきましては、「えっ」と思いながら聞いて。前に出すというのは、領海の外に出して、外国の海に出すというのは、皆さんそれはわかって。まあ、予算がありますので。

【斎藤主査】 そうですね。結局、これからはそこに行き着くので、どうしてもそれぞれが分担して責任を持とうということをやはり日本の場合もかなりしっかり考えておかないといけないだろうというふうに思いますね。

【JAMSTEC(東)】 是非お考えいただきたいのは、このプロジェクトは、JAMSTECのインハウスプログラムではないということを強くお考えいただいて、いろいろアドバイス頂ければと。

【斎藤主査】 ただ、何となくJAMSTECにいっぱい人がいるから、何となくJAMSTECに任せているみたいに周りから思われているところが非常に不思議なので、そうじゃないということを全国的に考えるようにしないといけないと思うのですけど。そういう意味では、各学術的なコミュニティの方にもその辺を共通理解してもらうということが非常に大事かなと思っています。もちろん社会の理解も必要ですけど。その前に、それぞれの学術団体がきちっと理解して、バックアップしていくということが一番大事であると思います。
 それで、今日はもう予定の時間が過ぎましたが、きょう話し合って、それで、この時間配分の中にそれぞれ主な担当委員というところに名前が挙がっておりまして、これは大変急ぎで恐縮ですけれども、今月いっぱいぐらいでそれぞれコメント頂いて、まとめる作業に入っていきたいと思いますので、お忙しい中大変かと思いますけれども、何とかお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それとあとは、きょう欠席の松本委員、佃委員にはきょうの結果をお送りして、同じように意見を頂くということになりますよね。

【海洋地球課木村企画官】 別途説明もしたいと思います。

【斎藤主査】 ええ。お願いいたします。
 それじゃ、あとは事務的な連絡事項がありましたらお願いしたいと思います。

【事務局】 それでは、次回の委員会につきましては、予定どおり、8月22日水曜日10時より開催いたします。
 それまでに委員会では、委員の皆様から事前に頂きました評価(案)を集約しまして、事務局の方で評価報告書(案)を作成して、その場で御報告させていただきますので、そこで修正等の御意見を頂く予定にしております。したがいまして、きょうお配りしました参考資料1-4の電子データを再度皆様にお送りいたしますので、そこの評価・分析欄に評価(案)を記入していただきまして、7月末までに返信していただければというふうに思っております。
 ただ、開催場所、会議室につきましては、前回と同様に、今度は文部科学省の東館、前回と同様のところにしておりまして、具体的には16階の第3会議室を予定しております。これは委員会の直前になりましたら、また再度正式に通知させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 次回の委員会の終了時刻は12時30分を見込みとしておりますので、よろしくお願いいたします。
 なお、今回使用いたしました資料につきましては、机上に置いていただければ後日郵送させていただきますので、よろしくお願いいたします。

【森田委員】 7月末までに我々が受け取って評価をするには、あそこに名前が書いてある人は、書いてある段だけでよいのですか。それとも全部ですか。

【海洋地球課木村企画官】 基本的には名前を書いてあるところについては、是非書いていただくと。あと、それ以外のところについても、いや、こういう感じで評価は進めるべきだなという、何かキーワードでもいいですので、書いていただきますと、我々も次回に向けて案文を作成する作業が楽になるかなというふうに考えております。

【森田委員】 カバーすると。分かりました。はい。

【斎藤主査】 じゃ、済みませんが。

【川幡委員】 この解説者というのは。解説役と書いてありますけど。

【海洋地球課木村企画官】 解説役の方は評価を書けないということです。

【川幡委員】 だから、やらなくていいと。

【海洋地球課木村企画官】 はい。そういうことです。

【川幡委員】 一応確認しておかないとね。あとでこうだというのは。

【事務局】 最後になりますけれども、きょうは机の方にお配りしております諸手当の確認につきましては、必要事項を御記入の上、置いていっていただければ、こちらで後ほど回収いたしますので、よろしくお願いいたします。
 事務局からは以上でございます。

【斎藤主査】 ありがとうございました。どうも本当にお忙しいところ、長々ときょう1日御苦労さまでした。ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

以上

お問合せ先

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