深海掘削委員会(第11回) 議事録

海洋開発分科会 深海掘削委員会(第11回)が、以下のとおり開催されました。

1.日時

平成25年6月21日(金曜日) 10時~12時30分

2.場所

文部科学省東館13階 13F3会議室

3.議題

  1. 深海掘削委員会について
  2. 深海地球ドリリング計画について
  3. 深海地球ドリリング計画中間評価について

4.出席者

委員

斎藤主査、石渡委員、井上委員、鎌形委員、川幡委員、竹山委員、佃委員、平田委員、益田委員、増田委員、松本委員、森田委員、横山委員

文部科学省

文部科学省研究開発局海洋地球課 井上課長、木村企画官、担当者

5.議事録

【斎藤主査】 おはようございます。ただいまより第11回、科学技術・学術審議会、海洋開発分科会の深海掘削委員会を始めたいと思います。本日は御多忙中にもかかわらず、御出席くださいまして、誠にありがとうございます。
本委員会にて主査を拝命いたしました斎藤と申します。何卒宜しくお願い申し上げます。次に、深海掘削委員会の委員の皆様を御紹介いたしますので、事務局よりお願いいたします。

【事務局】 (参考資料1-1にそって、委員および事務局を紹介)

【斎藤主査】 ありがとうございました。それでは、事務局から資料について確認をお願い致します。

【事務局】 (議事次第にそって、「配付資料」の確認)

【斎藤主査】 皆さんそろっておりますでしょうか。それでは、議事に入ります。議題(1)「深海掘削委員会について」を議題といたします。まずは深海掘削委員会の目的、運営規則、公開、利益相反について、事務局から説明をお願いいたします。

【事務局】 (資料1-1にそって本委員会の目的について説明。参考資料1-2にそって本委員会の運営規則について説明。海洋開発本委員会はすべて公表とすること、及び資料1-2にそって「深海地球ドリリング計画中間評価における利益相反の考え方について(案)」について説明。)

【平田委員】 私はIODP-MIのボードメンバーですが、大丈夫でしょうか。また、IODP-MIの日本側の一般社団法人の理事です。言っていなかったかもしれません。

【海洋地球課井上課長)】 IODP-MIはIODPプログラムの中で中央執行組織の位置づけではありますが、請負企業の立場にあり、このプログラムを直接企画立案して執行しているかというと、そうではありません。少し微妙な組織です。

【平田委員】 お任せします。テーブルから離れる必要があれば。

【斎藤主査】 ご検討いただければと思います。直接プログラムの執行には触れないとは思いますけれども。

【海洋地球課木村企画官】 そうです。IODP-MIのBoard of Governorは経営者ではありますが、実際には意思決定過程にほぼ参画されてないと思います。それほど大きい利害関係とは思われないですが、今回の評価の対象になります「ちきゅう」そのもの、それからIODPというその枠組み、そしてそれを用いた研究という、大きく3つに分かれた分野を評価していただくわけですが、2番目のIODPの枠組みからはその評価をすることからは外れていただいて、メインテーブルで解説をしていただく側に回っていただく事でいかがでしょうか。

【斎藤主査】 それでよろしいでしょうか。それでは益田さん。

【益田委員】 私は過去、IODPのScience Planning Committeeの委員をやっておりました。それは構わないですか。

【海洋地球課木村企画官】 そこまで細かく見ると非常に多くの方が関わっていることになりますが、いつ頃でしょうか。

【益田委員】 中間評価の対象になっています、割と最初の時期ですが。

【森田委員】 そうですね、私も該当しそうです。

【益田委員】 平成20年の3月までです。

【海洋地球課木村企画官】 評価内容は、資料2にあるとおり、「ちきゅう」のそのもの、IODPの枠組み、その研究成果です。

【海洋地球課井上課長】 Science Planning Committeeは今回の評価の対象である「ちきゅう」の運航など、事業を如何にきちんと運営、運用をして成果をあげるかという事には特に利害関係はないと判断してもよろしいと思いますが、いかがでしょうか。

【益田委員】 そうであれば結構ですが、NanTroSEIZEの計画を決定した時の委員会に参画しております。

【海洋地球課井上課長】 NanTroSEIZEをやることがいいか悪いかという評価をするのではなく、科学コミュニティで決まった航海を如何に実行するか、という所が評価の対象になると思います。

【斎藤主査】 川幡さんいかがですか。

【川幡委員】 もともとSPCやSESECでは利益相反をその場で議論して、余りに密接な関係のある方は場外に出てもらって決議しており、少なくとも国際コミュニティの中では決議に参加したと言うことは利益相反でないと認識されます。そういう所に居た人はこの会でも大丈夫と決めればいかがかと思います。ですから問題ないと思います。

【佃委員】 私も現在IODP-MIのガバナーなので平田委員と同じ扱いでやりたいと思います。

【斎藤主査】 皆さん色々関わりがあってのことだと思いますが、もしまた何か気になることありましたら、その時にはご意見いただくとして、先ほど事務局から説明のあった、本委員会の目的・運営につきましては既に海洋開発分科会で決定されております。一方、公開の問題、それから利益相反の考え方といった事につきましては、幾つかご質問があったわけですが、それ以外に何かご意見、ご質問ありますでしょうか。もしなければ、最後に川幡さんがまとめてくださったような形になりますが、そのような事で進めさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。それではその様にお願いいたします。それでは、利益相反の場合にはここから外れていただくということで。

【事務局】 それは必要ないのではと思っています。

【斎藤主査】 それは特に必要ないです。

【事務局】 メインテーブルから外れていただくというのは。

【斎藤主査】 よろしいでしょうか。

【川幡委員】 ただ、この頂いた表、おそらく以前にも参考資料3-2の所に評価は外れ解説役と書いてあります。本日言われた方について、もし変更があればここの所にきちっと記載しておけば。

【斎藤主査】 そうですね。

【川幡委員】 そしたら間違いない。その人は評価を行わなかったと。

【斎藤主査】 そういう事が分かるようにしておいた方がよろしいかと。

【川幡委員】 私はここに全部入っていますね。

【斎藤主査】 今、ご意見頂いたような形で整理していただければと思います。それでは次に進めさせていただきます。議題の2に入りますが、深海地球ドリリング計画についてです。今回の評価の対象となるわけですけれども、これにつきまして、説明をお願いいたします。

【事務局】 (資料2にそって、「深海地球ドリリング計画の概要」について説明。)

【斎藤主査】 はい、ありがとうございました。只今の資料2についてご説明いただきましたけれども、何かご質問ございますか。

【森田委員】 一つこれ。

【斎藤主査】 はい、どうぞ。

【森田委員】 この評価では効率性が非常に大事だと思いますので、お聞きしたいのですが、17ページの掘削計画の予算推移ですが、例えばアメリカはどのくらい使っていて、ヨーロッパのMission Specific Platformはどのくらい使っているのかといった資料がありますと、我々としては比較しやすいのですが。

【事務局】 それにつきましては、日本で使っているものは既に送らせていただいた資料に入っておりますと思いますが、入ってない分については別途準備、事務局の方で準備させていただきたいと思います。

【川幡委員】 分野外の方は多分J-DESCが良く分からないと思うので、1分程で説明しておきます。JAMSTECで委員会を作って掘削地点を決めるのではなく、別組織にしなさいという事になったため、J-DESCを先ず作りました。普通の集まりと違うのは、この会員は1年間に10万円、例えば東京大学であったら理学部は10万円、地震研は10万円というように皆お金をきちんと出して支えましょうという事で、負担を自分達自ら負っています。年間の規模は大体500万円から700万円の会費で運営していますが、実際に先ほどの委員会や出張経費、これに関しましてはJAMSTECの委託経費を使っていまして、その予算規模が大体7000万円。だから、500万円位のお金を集めて公の要するにパブリックのコミュニティの意見をまとめて、7000万円で委員の運営をしています。実際に執行部会の人のお給料は出ておりませんので、ボランティアです。それでいいかなと思います。

【斎藤主査】 はい、ありがとうございました。

【井上委員】 私は深海掘削活動をよく存じ上げないものですから、基本的なところについて幾つか質問させていただきます。まず、8ページから9ページにむけてIODPの枠組みが変わろうとしているという理解をしたのですが、これだけ見た印象としては、8ページでは国際的に割に民主的な考え方であったものが、9ページでは比較的それぞれがやりやすい格好の、「ちきゅう」のためのものとアメリカの持っている船のものとに分けられたというふうに変わったと思われます。科学の民主主義から言うとある種、後退をしているような印象を受けるのですが、この背景が非常に現実的な運営であるという点でのやりにくさが起因しているのか、或いは国というものとその全体の科学みたいなものとのある種のバランスの様なものが変わった結果、こういうものになってきたのか、その辺の背景をお聞かせいただきたいというのが一つ目です。それから二つ目は、今の質問と関係するのかもしれませんが、11ページに科学掘削と海外資源掘削というものが言われていますが、海外資源掘削というものの位置づけが良く分かりませんでした。先ほどご説明があったのかもしれないですが、今の科学という考え方と海外の資源掘削というその科学目的と違う意味合いのものがどういう考え方でこの全体計画の中に入ってきているのか、その辺の背景を教えていただきたいのが二つ目です。それから三つ目は、先ほどご説明いただいたJ-DESCの位置づけについてのものです。以前の国際的な考え方の中でJ-DESCというものを持たなければいけないというような位置づけだったとすると、そういうものが次の枠組みの中で、国としての「ちきゅう」の分担という考え方が割に強くなるとすると、J-DESCの位置づけも少し変わろうとするものなのかどうか、以上の3点です。

【斎藤主査】 はい。

【海洋地球課井上課長】 私の方から。最初の1点目ございますけれど、枠組みが変わる話ですが、この背景は単に財政的な事情でございます。日本のみならず、アメリカやヨーロッパも財政的に非常に厳しいものがあり、今の枠組みをなるべく壊さず、世界的な科学のコミッティは維持したままで、運営を如何にスリム化するか。それでポイントは中央管理組織が無くなりました。今までは各国が分担金を出してそれを集めて、それで中央管理組織に落としてそこでまた各国に配分するという事をしておりましたけれども、実は中央管理組織の維持等経費がありまして、そこを取っ払ったと。その代わり、基本的に船の運航は各国独自の責任でやりましょう。但しサイエンスの部分は世界共通というのは維持しましょうという事で、IODPフォーラムという緩い繋がりになりますが、その下での世界共通の科学諮問組織というものは残しましょうと。ですから船の運営についてのみは各国独自持っている国の責任でやりましょうという事にしました。ですから、今までの枠組みに比べると、各国の結び付きはどうしても緩く成らざるを得ないと。中央管理組織がガチっと見ておりましたけれども、それがなくなるということですが、単に最も大きな背景は財政事情でございます。それ故に、そこをスリム化したということでございます。その上で、J-DESCの役割もこれまで通り変わらないです。サイエンスの部分につきましては世界一体的にやりましょうという事ですので、その関係とJ-DESCの関係、位置づけも我々は基本的には変わらないものと認識しております。それと資源掘削でございますが、これはもう基本的には「ちきゅう」は科学掘削の船でございますので、先ず最優先で科学掘削のスケジュールを立てます。立てた上で、資源掘削というのは基本的に受託をしてお金をいただいて資源掘削するものですので、「ちきゅう」は非常に能力高い船でありますので、そういう要望もあります。また、実はそういう受託をすることによって、この「ちきゅう」の運航する方々の能力の向上というものも効果もありますし、お金も入ってくる。これは実は「ちきゅう」の科学掘削も含めた全体の運航経費にも当てられるという面もありますので、そういう事で科学掘削に支障を及ぼさない範囲で、海外の要望にも応じて資源掘削を入れているという事になっております。そういう意味で基本的には先ず科学掘削をメインにスケジューリングをして、空いている時間で可能な範囲で資源掘削を入れている、そういう構図になってございます。

【井上委員】 それはどこが管理している形になるのですか。

【海洋地球課井上課長】 そこは基本的には科学掘削はIODPの全体の方針に基づいてプランニングして入れていきますけれども、合間に資源掘削を入れるかどうかはJAMSTECの判断でございます。

【増田委員】 関連して、平成23年度を見ると、科学掘削を行ってないですよね。それはどういう事ですか。

【海洋地球課井上課長】 これは事情を申しますと、3.11でスラスターが1個壊れましてそれの修理をしておりました。23年度の科学掘削で南海トラフに行きたかったのですが、南海トラフの掘削海域は非常に流れが速い海域でありまして、スラスターが1つ損失した状況では行けなかったわけです。従って泣く泣く取りやめた。但し、スラスターが1個無くてもスリランカの資源掘削の海域は比較的その海流の条件が緩い所だったので行けるという判断がありました。南海トラフに行けない間「ちきゅう」を眠らせておくのも非常にもったいない話であり、スラスター5つでもスリランカ沖には行ける状況でありましたので行ったと。そういう事で、この年は残念ながら科学掘削はできなかったという事でございます。

【森田委員】 先ほどの件に関連するのですが、9ページは2013年から2023年の内容ですよね、そのページにあるもので気になったのですが、これはこれからの事は全く関係なく評価するということですか。というのも、これからの事を念頭に置いて評価するのと、今までの評価するのとは、これから枠組みが全く変わるので、全く違うものになってしまいます。将来の事は無視してよろしいですよね。というのも、「ちきゅう」は元々JOIDES Resolutionのライザーレスとペアになって設計されたものなのですよね。それでそれを全部切り離せるっていうと、今度はもう効率性や費用など膨大になりすぎて、この船は結果的にはそういうもし「ちきゅう」、JOIDES Resolutionと完全に切り離されたら間違いの設計に近いわけですよ、はっきり言うとお金がかかり過ぎて。ですから、その今、今回の中間評価で将来のことは無視すると、10月以降については、それでよろしいでしょうか。

【海洋地球課井上課長】 いえ、私の理解はそれぞれの運航は主幹している組織の責任ですが、先生がおっしゃったように3船が一体的に計画される事に意義があるわけでありまして、その為に緩い繋がりではありますけどIODPフォーラムというものを置いて、その上で科学諮問組織はこれまで通り共通で全部見るということで組織をしておりますので、我々はあくまでも今後とも3船をトータルで見てから計画を立てていくという部分は変わらないという事で考えております。また、アメリカ、欧州ともこの次の枠組みにいく議論をしましたが、各国の政府も今はそういう考えで一致しております。従って、ご懸念がある様でしたら、これまでの事を評価していただくと共に、次の枠組みでも例えばそういう3船が一体的に運用されると、特に科学計画の面ですけれども、そういうところについては担保されるべきというのをお考えでしたら、そこへのメッセージも今回の評価で評価した上で将来の次の枠組みに対するメッセージも私は入れて頂いた方がむしろ、評価の意義があると思うのでいいと思います。

【森田委員】 はい、了解しました。

【海洋地球課木村企画官】 一応、資料的には次期の枠組みも評価していただくということで準備はさせていただいております。あと、補足的ではありますが、9ページの件ですが、全くバラバラという事ではありませんし、あと8ページが全く一緒だったかというとそれもそうではなくて、科学諮問組織は当然そのプロポーザルを全部審査してるわけですけども、実際にそれをどの順番でどこを掘っていくかという事までは皆では話し合えなくて、船を管理している人が考えていかなければいけない。それは別に「ちきゅう」だけではなくてJOIDESもそうですし、Mission Specific Platformもそうです。だから、そこはある程度、船を持っている事業体が裁量しながら今までもやってきておりますし、今後もやっていかなければいけないという事でいくと、それほど変わらないという。実は突然コロッと変わるかというと、そんなに変わらないというふうには考えております。

【森田委員】 でも分担金は凄く変わると思いますけども。要するに過去には3等分していたのが、これからは全部3等分じゃなくて、我々はかなり負担を強いられると。そういうところは。

【事務局】 いや、それもそんなに大きく変わるとは。

【森田委員】 思いませんか。それならいいのですけども。

【海洋地球課木村企画官】 実際に中央管理組織からサイエンスで貰っていたのが最終的には5億から7億位ですから、「ちきゅう」全体で今申し上げましたように100億近く日本で出して、あと中央管理組織に1億円出しているという事で、実は日本政府としては「ちきゅう」運営が100で中央管理組織が1という規模でしたので、それがなくなっても、入ってくる分が新たな枠組みで、今度ヨーロッパから直接貰うなどしますので、デコボコで考えると突然致命的に全部が無くなるという事ではないです。当然大きな差ではあるのですが。

【増田委員】 一ついいですか、また関連するのかもしれません。しつこいようですが予算案を見ると毎年100億円位使っているのですが、先ほどのご説明ですと海外資源掘削やJOGMEC受託事業もそうだと思うのですけれど、これはお金を貰ってやっているわけですよね。

【事務局】 はい。

【増田委員】 そうすると、23年度科学掘削というのは無い中で、100億円はその船艇修復工事に使ったって事になるのですか。

【海洋地球課井上課長】 そうですね。100億円の中身ですが、ほとんど運航、船員、運航の為の経費です。IODPの方から科学掘削の為に来る経費っていうのは今、企画官が先ほども言いましたけど、最終的に6億円程度で、多くても10億円程度です。ですから、そういう意味では「ちきゅう」を持っているだけで100億の内相当部分を使うわけです。ですから、あとそれとスリランカ沖掘削もお金を貰っているわけですが、そこまで儲けるというものではない。

【増田委員】 儲かるというか必要なお金を貰うのでないのでしょうか。

【海洋地球課木村企画官】 逆に24年度はずっと科学掘削をやっておりまして、普通の予算的には5カ月できるかできないか位ですが、その分が繰り越してきて23年度で資源掘削したものを24年度に集中して科学掘削ができるというようになります。

【増田委員】 年間通して科学掘削ができる予算はないという事ですか、毎年100億円では。

【海洋地球課木村企画官】 予算的にはそういう見方になっています。

【川幡委員】 私は全然関係ない第3者の立場で知っている範囲で言いますけど、現在MEXTからのお金だけでは科学掘削を全部やるのは不足気味だそうです。それでアルバイトしに資源掘削をしに行くけれども、その時の値段も儲けてはいけないという制約があるそうで、そんなに高い金では請け負ってないですという事で、全体として「ちきゅう」を動かすためにはこの海外掘削もアルバイトしながら全体を運用しているという事になっているという事らしいです。

【森田委員】 ズバリそのもの。

【川幡委員】 らしいんですよ。それで先生の方のお答えに関しましては実際にこれからフレームワーク凄く変わりますかという事なのですけれども、J-DESC、研究者の立場からいくと、基本的にはMI中央組織が無くなった分の委員会がなくなって、他の乗船権利などがありますので、JRにも乗れるしヨーロッパの船にも乗れるし、逆にアメリカの方は日本の「ちきゅう」に乗れるというふうにアレンジしていただいているので、大きくは研究者のレベルでは変わらないと思います。

【斎藤主査】 一番大事なことは、ただ止めておくというよりも、「ちきゅう」の場合には動かしておくというのが一番大事な事だと思います。それで動かしておく事と同時にやっぱりライザー掘削できるという利点も大事です。海外の研究者にその辺を理解してもらってどういうプロポーザルを海外からの、協力を持てるかという事を日本が示していかないといけないという事が一番大事だと思います。ですから、確かにその枠組みが変わって、井上委員がご心配なさっていたようにそれぞれが独立してバラバラにいくのかというと、そうではなくて、今までのやり方、枠組みが変わっても、どのように調和させて、同じような目的で進められるかという事をこの委員会では判断して、その方向を出していただければと思っておりますが。他に何かご質問ございませんでしょうか。時間もかなり過ぎておりますので、次の議題に進みたいと思いますがよろしいでしょうか。それでは議題の3に進みます。深海地球ドリリング計画中間評価について進みたいと思います。幾つかの項目がありますので、最初の中間評価の進め方についてからやっていきたいと思いますが、最初にそこからお願いします。

【事務局】 (資料3-1にそって、「深海地球ドリリング計画中間評価進め方(案)」について説明。)

【斎藤主査】 はい、ありがとうございました。この進め方について何かご質問ありますでしょうか。特になければ、次のこのように進めさせていただきたいと思います。宜しくお願い致します。次に評価の対象及び評価観点についてご説明をお願い致します。

【事務局】 (資料3-2にそって、「深海地球ドリリング計画中間評価における評価の対象及び評価の観点(案)」について説明。)

【斎藤主査】 はい、ありがとうございました。今、対象と観点について説明いただきましたが、対象は実際には「ちきゅう」が完成したために変わったという事と、その評価の観点については同じようなものですが、こういう方針でいくという事でございます。これについて何かご意見、ご質問ございますか。もしないようでしたら、この方針で進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。それではこのように決定させていただきます。次に中間評価項目についてお願い致します。

【事務局】 (資料3-3にそって、「深海地球ドリリング計画の中間評価項目 (案)」について説明。)

【斎藤主査】 はい、ありがとうございました。今、ご説明いただいたわけですが赤字の部分それから青字で書いたところが前回と変わっている部分です。この辺ご覧になってご意見をお願いいたします。

【横山委員】 マイナーなポイントではございますが、7ポツの普及広報に関して1点ご意見を申し上げたいと思うのですが、(4)で国民への説明というふうになってございます。地球科学の分野良く存じ上げませんが、近年の広報的な観点から見ますと、情報発信では足りず、例えば「ちきゅう」に関するパブリックコメントを取っているのかなど、或いはこの大型研究というのが100億円の予算というのがどういうふうに見られているのか、国民からの意見を吸収するような活動というのが不可欠になっております。資料全体において、アウトリーチという言葉が使われておりますが、一部ではアウトリーチという言葉は嫌われておりまして、こちらから手を差し伸べて情報を与えるという態度は近年割と否定的に見られております。こうした言葉使いも含めて、国民への説明というところが情報発信及び交流或いは広報活動、広報というのはパブリックリレーションズですので交流という意味が含まれますが、一方的な説明ではなくて、やはり交流という意味合いを評価観点に入れて頂ければと存じます。

【斎藤主査】 はい。今、要望ございましたけれども、それはそのような方向でまずは行く方が宜しいのではないかという気もしますので。そのような事を追加していただいて。

【事務局】 はい、7ポツのカッコの所は、頂いた通り表現をまた変えさせていただきます。

【斎藤主査】 他にございますか。

【石渡委員】 一つ確認させていただきたいのですが。評価の観点が7項目ございまして、要するに学術的な研究をするための科学プログラムを組んでそれを実施しているわけですので、学術的成果というものがでているかどうかという事が一番重要ではないかと思います。その事そのものはここでは評価しないというふうに捉えてよろしいでしょうか。

【事務局】 今回1ポツ(1)の、マル2で「ちきゅう」による科学的成果、それからマル3の所でその他の掘削船による科学的成果という所、まさに今回追加しておりますので、こういった所で評価いただければと思います。

【石渡委員】 はい、分かりました。

【斎藤主査】 宜しいですか。

【井上委員】 一つだけ感じたのは、科学の面での波及効果という事でありますとか、或いは科学の周辺分野への説明ですとか、例えば工学的、技術的成果の波及効果ですとか、マル4で書かれている意味合いもそういう事かもしれませんが、やはりそういう観点もあった方がよいと感じます。どこに何かを書き加えろとかいう事ではありませんが、コメントです。

【斎藤主査】 何か増田さん、追加ありますか。ないですか。よろしいでしょうか。何か工夫できますでしょうか。

【事務局】 ええ。一応1ポツの先ほどの1.(1)のマル4の所で「社会・経済への波及効果」、カッコして「技術的成果の波及効果も含む」という項目も設けておりますので、そういった所でコメントいただければと思います。

【斎藤主査】 確かに「ちきゅう」を運航する上では、テクノロジーの部分はかなり大きく貢献しているので、その辺をどのように評価に入れるのかという事も大事だろうと思います。

【井上委員】 それと何か、新しい発想は意外な所にあるような。

【斎藤主査】 多分出てくると思いますけど。

【井上委員】 その辺、周辺の人達への説明みたいなものがあるといいと強く思いました。

【海洋地球課井上課長】 そうですね、ですからその学術的な波及効果の所より、むしろこの科学的成果の中で併せて見ていただければと思います。

【斎藤主査】 少し膨らむような形で入れていくのがよろしいかなと思いますけど。それは委員の皆様にはその辺共通の理解をしていただいて、膨らませていただければと思います。他にございませんでしょうか。

【鎌形委員】 よろしいですか。

【斎藤主査】 はい、どうぞ。

【鎌形委員】 先ほどの17ページの地球ドリリング計画の予算推移がございまして、これに関しては固定的経費、掘削費と非常にアバウトな経費の書かれ方ではあるのですけれども、文部科学省さんも含めてですが、例えば経費のある程度の基金化や或いはそのキャリーオーバーなどの形でもって少し柔軟な掘削計画を単年度ではないやり方でできるように、できないのか。そういうお金の内訳やその運用に係る内容っていうのをもう少し具体的にその今後の方針の部分、或いはこれまでの事象として書いていただき、それを評価するような事があってもいいのではないかという気がするのですが。

【森田委員】 そんな事できるのですかね。

【鎌形委員】 要するに、どこまでこれである程度その資金を様々な、例えばJOGMECなどから回収できるのかといった様な委託経費の話もありますし、お金そのものを如何に単年度会計でない部分を増やしていきながらやっていけるのかというのは、結構運用のフレキシビリティを増す為には重要な事だと思います。特にこれ程の大きな予算を使って研究する場合です。

【海洋地球課井上課長】 そうです、そういう意味では「ちきゅう」の運航関係は、現状ですが、データは色々お出しできるとは思いますけれども、運営費交付金の中ですので、その他のいわゆる国費とは違って、予めガチガチに目毎に支出などを決めるとかではなく、運営費交付金の枠内ではある程度、海洋研究開発機構の裁量で動かせる事になっております。そういう意味では例えば3.11で被災した時などにも柔軟に組み替えるという事は実際に現場レベルで対応ができております。今は「ちきゅう」の運航をJAMSTEC全体の枠の中でその運営費交付金の中で上手く融通を利かせていますけれど、例えば「ちきゅう」の関係だけを基金化して独立させてしまうと、それはまたそれでいいのかなど色々ございます。ですから確かに今回の評価でそこまでやるのかというのはございます。そもそもの予算の立て方などにも係る大きな話かもしれません。ただし、今回実際に「ちきゅう」の運航の状況など評価の中で見ていただいた中で今のやり方はおかしいと、もっと違うやり方を考えなきゃいけないのではないのかという事があれば、そういうメッセージを発していただくというのはあると思います。関連するような予算的な資料は、可能な範囲でもお出ししたいと思います。

【益田委員】 今と同じようなものですけれど、概算でいいので、実際に「ちきゅう」そのものを運営するのに必要なもの、費用と、それから周辺で使っているもの、例えばコアセンターの運営の費用など、そこに設備を設置するわけですが、そういうものにどれくらい使っているかというような事も概算でいいので示していただくと嬉しいかなと思います。

【海洋地球課井上課長】 はい、分かりました。

【斎藤主査】 その辺はできるだけ分かるようにしていただけると。

【海洋地球課井上課長】 そうですね、分かりました。

【斎藤主査】 他に、何かご質問ございますか。もし無いようでしたら、今頂いたご意見を参考にして、項目を決めていただければと思います。それではこの項目に対応して、担当について説明をお願いします。

【事務局】 (資料3-4にそって、「深海地球ドリリング計画の中間評価主担当委員」について説明。)

【斎藤主査】 はい、ありがとうございました。今、この資料の3-4に担当が書かれてありますけれども、これにつきまして何かご質問・ご意見。

【増田委員】 一番右端にある時間って何ですか。

【事務局】 はい、すいません。一番右の時間は、この後それぞれの項目について、質問など次の委員会で聞きたい事というのをお述べいただこうと思います。その割り振りの時間でございます。

【平田委員】 時間っていうのは分ですか。

【事務局】 分です。

【平田委員】 すいません、一つ前で聞くべきだったのかもしれませんが、IODPの意義としてそれ自体を評価するという事ですけれども、「ちきゅう」による科学的な成果というのは良く分かるし今日もご説明されましたが、「その他」の掘削船による科学的成果もやる事になっていて、一応資料にはどこに行ったなどと書かれていますけれども、JOIDES Resolutionやヨーロッパの傭船の成果についてもこの委員会で評価するのですか。つまり日本がどう貢献したのかは、その次の2の方でやられていますけれども、日本人が乗船していない航海についてもその成果について報告を受けて、評価をするんですか。

【川幡委員】 基本的には、全航海に乗船しています。全て。全体に対してIODPを推進するというのはコミュニティと文部科学省の立場なので、一部はトピックス的に大きいものがあるので、ヨーロッパやJRアメリカが入ってもいいかなと思いますね。

【平田委員】 そうすると、例えばそれぞれの航海で日本チームがどこの方なのか、日本人は何人乗っているかというデータは出てくるわけですよね、当然ね。

【川幡委員】 もし出すならJ-DESCの事務局の方に頼めば出ます。

【海洋地球課木村企画官】 IODP全体、日本人がどういうふうに関与しているのかについて、全てデータを提出させていただきます。また、科学的成果についてはJRやMission Specificまで評価するのではなく、基本的に「ちきゅう」を中心にやっていただくという事を考えております。

【平田委員】 常識的にはそうだと思いますが、IODPは3つのプラットフォームで全体として成果が上がるという事であるならば、「ちきゅう」だけでは評価できない。特に日本の貢献について、勿論「ちきゅう」には日本の貢献が大きいと思いますが、科学的成果についてはJRやMission Specificでの成果が挙げられているので、それを評価する必要があると思いますので。確認の意味で聞きました。

【松本委員】 一ついいですか。冒頭の利益相反の関係で確認ですが、5ポツのマル1、マル2、マル3ですか、私は主担当委員の所となっておりますが、JAMSTECで個別の掘削計画の安全性の評価について外部の人間を集めて安全の掘削委員会をやっており、私はそこのメンバーです。それがここのマル1、マル2、マル3との関係で利益相反の問題にならないかどうかを確認していただきたいです。

【海洋地球課木村企画官】 JAMSTECとしてやられているわけではなくて。

【松本委員】 そうではないです。JAMSTECさんが主催の外部委員会です。運航計画自体はJAMSTECさんが立案するので、特に安全性関連の評価、審議を行っております。

【海洋地球課井上課長】 外形的に見ると、外部委員会ですので、そのJAMSTECの委員会も基本的には利益相反にはならないとは思っております、細かく言うとJAMSTECから謝金を受け取るなどの金銭のやり取りもあるかもしれないですね。そのJAMSTECの委員会で具体的にどういった議論をされているのかは、承知しておりませんが、議論の内容と委員会の権限、権能が係ってきます。したがいまして今後、この5ポツの安全の部分について、JAMSTECからの説明のち、この評価作業を進めていきますけれども、その過程で先生がJAMSTECの委員会に参画している事が利益相反に影響してくるとお思いになったら、その時に是非手を挙げていただけますでしょうか。

【松本委員】 向こうでやっている内容が、今回こちらでの評価の対象になるような事になれば、そこで考えることにさせていただきます。承知いたしました。

【斎藤主査】 他にございますか。もし他にございませんようでしたら、この方針で進めさせていただきます。それでは、次回ヒアリングの質問事項について。

【事務局】 (資料3-4にそって、「次回委員会におけるヒアリングの質問事項」について説明。)

【斎藤主査】 あまり時間もございませんので、担当委員の方々からそれぞれの項目について、何か聞きたい事がございましたら、お名前と共に発言していただきたいと思います。

【川幡委員】 川幡です。とても困っている事、改善したらとても良くなるデータがここには出てないので、それをリクエストいたします。それは、スケジュールがころころ変わるという点です。例えばデパートへ行って何か買いに出かけたら閉まっていた、といった様な感じでコミュニティが離れていってしまいます。それに関して、これが多分一番困った事で、2点あると思いましてデータとして。一つは、(提出が)可能か分かりませんが、外国と取り決めた日程に対して実際に航海が行われた日程の対照表の提出と、二つ目については最終的な募集が航海の3カ月位前でないとおこなわれないといった事例があります。修論や博論などで実際に乗れないという事があり、これさえ解決できたら「ちきゅう」乗船者は非常に満足されると思われるので、多くの顧客が見込めると思います。それの基となるデータを集めていただきたいなと。J-DESCにとっては非常に重要なことですので。

【斎藤主査】 はい、ありがとうございました。

【益田委員】 科学的成果についてですが、実際に研究が行われるに至った経緯を時系列で簡単に示していただけると嬉しいです。というのは、航海を決定する経緯が時間のかかるものと、突然に割り込んで入ってくるような割合に短期で実現されるようなものとがあると思われますが、それがどういうふうな経緯で決まったかっていう事を教えていただけると、その意義を考える時にも参考になるかと思います。

【海洋地球課井上課長】 課題ごとのプロセスが分かればいいんですね。

【益田委員】 その通りです。

【佃委員】 佃です。主担当ではないですが、5ポツの安全で効率的な運用について、今回津波の被害に対し、その後どの様に対応したかですが、全体として運用のBCPと言いますか、事業継続計画の様なものや、危機管理などに対しどこまで整理されているのか。例えば、地震があった後、直ぐに沖合に退避することは危機管理上常識的だと思うのですが、それができず、何故被害があったのか、そういった所も含めてどういう運行管理、危機管理がなされているのか、或いは事業を継続的に或いは計画的に運用するために、どういう方針なのかを教えていただければ。よろしくお願いします。

【平田委員】 平田です。2ページ、3ページに科学目標が幾つかまとめられて書かれていますが、それと実際に航海が行われている、掘削が行われているそれぞれの計画がどのその科学目標に対応しているかという事が分かるような資料が欲しいです。じっくり読めば分かると思いますが、自分の専門は直ぐ分かりますが、専門から離れていると分かりにくいので、それが分かるような資料が必要です。例えば3ページの黒丸で書かれているようなものの中に更に細かく、非常に細かく分類されていますので、折角このようにされているのでしたら目標が実際にどういう様に達成されたのかの観点から整理された資料があると分かりやすいと思います。それは、「ちきゅう」とJRとヨーロッパの船とで、どういうふうに分担されているのかというのが一目瞭然に分かる評価と全体として上手く運用できているのかが分かるかと。以上です。

【森田委員】 森田です。先ほどの繰り返しになりますけれども、3つのミッション、プラットフォームの収入と支出。それから後、「ちきゅう」の日本の収入と支出を細かく書くと差し支えありますので、差し支えない程度に大雑把な項目で書いて下さると分かりやすいです。

【海洋地球課木村企画官】 「ちきゅう」については直ぐ書けますが、JRとMSPについては国際的な枠組み中は全部書けますけれども、彼らがどのぐらい出しているのかは、ここ数年は公開していないです。

【森田委員】 過去データでいいです。それがあると比較しやすいです。日本が他国に比べ非常に多く出費しているように思えるので、大体オーダー的にどのくらい違うのかっていうのが分かるといいと思います。

【横山委員】 横山です。(1)のマル4社会・経済への波及効果について情報の提出願いです。一つ目は、この波及効果の先が国内なのか国外であるのかという事です。分野によると思いますが、発注の先が国外に偏っている例も多くございますので、国内の波及効果というのがどれくらいなのか、或いは世界への波及効果がどうなのかという、国内・国外別のデータを頂けたらと思います。それに関連して2点目ですが、評価項目が3ポツの(2)マル2の社会・経済への波及効果とございます。作る時の、波及の見込みですね。波及見込みと実際の波及がどれくらいの差異があるのか。この「ちきゅう」ではどういう状況になっていたのかという、実際と取組がどう違ったのかという点を教えていただけたら有難く思います。以上です。

【竹山委員】 竹山です。科学的成果の評価方法に関して質問です。目標はこの表に書いてあるのですが、その目標をどのくらいのタイムスケジュールで実現するのか等の、タイムスケールがあると評価しやすいです。例えば、掘削で生物を発見すれば、それで十分な評価となるのか、評価の基準の置き方に迷います。確実な評価法としては、論文、学会発表を通じて、成果を国際的にどのように発表したか、特許につながった成果があったか等を考慮することかと思います。しかし、すぐには無理かと思いますので、少なくともそこに進むまでの達成目標を時系列にとともに示してもらいたいと思います。

【海洋地球課井上課長】 なるべく明確に、分かるように資料を検討したいと思います。

【竹山委員】 この計画が何年計画なのかが、ここでは不明瞭です。是非その点も入れてください。

【海洋地球課井上課長】 サイエンスコミッティで審査する段階に色々元々提案が出ていますので、私自身はそれを見たことはないですが、むしろ参画されている先生方が見ていると思いますが。可能な範囲で調べてお渡ししたいと思います。

【井上委員】 井上です。二つあります。一つは3ポツの国内におけるIODP関連活動の推進体制が築けているかということが、この参考資料3-3の所で書かれていて、32ページの前回評価という所に現在は皆掘削計画の提案数は減少傾向にありという事が書かれています。その後、取組実績という所に何らかの事がされてきたとあったと思うのですけども、その事が今回評価する期間においてはどうだったのかという事と、それからもし今も削減傾向にあるというような事になっているとすると、その背景の分析と言いますか、その辺は聞かせていただきたいなと思いました。私がやってきたような分野で言うと、新しい装置が研究に導入され、5年、10年過ぎると、何か新しいものがそこに入っていかないと、新しい活性化が行われていかないというか、その装置の新しさが入った事によるピークが過ぎて行くような所があります。そういう点で今回は次に向けてどういう事をやっていったらいいかという種類の事を聞かせていただけるといいと思います。それが1点目です。2点目は、6ポツの人材育成に関してですが、ここもどういうふうに実際の事業が行われているか良く分からないので、これまでの研究なり或いは運用でどういう人材が足りないのかという事の先ず分析と、それからその中で例えば大学院生、或いはポスドクと言われている方々、或いは技術者層と言われるような方々それぞれについてどういう形で関係してもらっていて、それぞれの数の点ですとか或いは能力の点でどういうところを強化・育成しないといけないと思うのか、或いはどんな環境を補強しなきゃいけないのかというような点の分析を聞かせていただきたいと思います。その中で、多分工学的には非常に面白い事をやっておられると思いますけども、そういう中の工学系との繋がりみたいなもの、或いは国際的な人材交流というかその先の若い人達が海外に出ていって、武者修行して帰ってくるなど、そういう種類の国際的な育成の考え方みたいなものがあるのかどうかなど。その辺りを聞かせていただければいいと思いました。いろいろな事を言いましたけれども、以上です。

【増田委員】 増田です。幾つか。一つは、先ずこの「ちきゅう」を作る目標と成果との関係ですが、「ちきゅう」を作る際に、掘る本数や長さのドリリングがどれくらい必要で、そのためにこういう船が必要なのだという事が考えられたと思います。それに対して実際どの位できたのかと。また、次にそれを使って研究成果がどうだったのかという事になると思うのですけれども。先ずどのくらいの量ができたのか、先ほど地震でできなかったというのが1年間あるわけですよね、そういった所も含めての事になると思うのですけど。もう一つは、参考資料3-2の科学目標という所と、先ほどのパワーポイントで見た19枚目の目標が違うようになっていまして、私にとっては新しい資源の生成メカニズムの解明というパワーポイントのある方に関係してくるのですけれども、参考資料3-2でどういう所にこれがこうあるのかなっていうのが、今一つ良く分からないので、その辺の目標の所をどういう整理をされているのか。中を見ると、メタンを一つ主とするとはパワーポイントについては殆ど何も述べられてないと。という所とがこの目標に対する実績の整理が良く分からない所がざっと読んでいてあったものですから、その辺を少し分かるように説明していただければと思います。もう一つは、波及効果ですが、特に熱水鉱床について波及効果が色々書いてあるのですけども、具体的に本当に波及効果していくのかというような所に疑問があるような書き方もあるので、そこは具体的にどうやってその波及効果させて行くのかという所まで説明していただいた方が良いのではと。Specificな話になって申し訳ないのですが。もう一つは高知のコアセンターの方ですが、整備と設備の整備・運営っていうのは、色々な設備が導入されているのが書いてあって良く分かるのですけど、利用の実態が良く分からないので、先ほどのコアセンターにどのくらいの予算が投入されていて、という所と含めてどのくらい利用、どんな事に利用されているのかいうのも評価する為には必要なのではと思います。以上です。

【松本委員】 松本です。5ポツのマル3との関係なのですが、資料の3-2を見ると特にトラブル事例があるという事で何年何月にこういうトラブルが起きたってのは、ずっと出ているのですけれども、先ほど冒頭で田中さんがおっしゃっていましたが、その内容を少しこう原因など、性質によって例えば元々もう少しハードの方を先にやっておけばよかったのに、ハードの方をもう少しプラスしておけばよかったものなのか、或いはその掘削計画自体、リスク評価含めてやる時にもう少しフィードバックさせるべきものなのかなど。要はどういう事故が起きた、こういう処理しましたは良いのですが、対策をどういうふうに今後とるのか、フィードバックが取れないものも勿論相当あると思うのですけども、それも含めてそういう観点での整理をして、次に繋がるようなものを付けていただければと思います。多分それはその1のマル4の技術的成果の波及効果など、それから技術者の育成6なのですけど、これにも関連すると思いますが、それとの関連でそういう切り口での整理をしていただければと思います。以上です。

【斎藤主査】 他に。はい、石渡さん。

【石渡委員】 先ほど、増田委員もおっしゃられましたが、高知コアセンターで保管している資料がどれ位科学研究に使われているか、サンプルリクエストがどれ位あると、どれくらいその論文として成果が出ているかというような事が大変大事ではないかと思います。掘ってくる、掘るという事も勿論大事ですけど、掘った資料をきちんと保管してそれを科学研究に使うっていうところが、やっぱり1番その後の大事なプロセスだと思いますので、そこの所の資料をぜひご準備いただければというふうに思います。

【斎藤主査】 コアセンターのデータで出ますよね。

【川幡委員】 はい。コアセンターはJAMSTECの所管のものと、高知大所管のものがありますので、それを両方集めていただくのがいいと思う。

【海洋地球課井上課長】 そうですね、一緒に運営しておりますので。

【平田委員】 平田ですが、どの項目か良く分からないのですけれども、ODPやIODPのこれまでの掘削で重要なのが、プロポーザルを書いてそれを色んなパネルで審査して、非常に厳密にやっているというのが私の理解です。科学的な観点もあるし、安全的な観点もあります。それは良い事ですが、非常に時間がかかります。論文を書くよりも大変なプロポーザルを作らなくてはいけなくて、これは世界的には評価されている事なので、どこかの資料としてどのくらい、いつ最初にプロポーザルをサブミットして、少なくともいつ提案していつそれが実現されたか、そういうまとめができれば日本から貢献した実現した掘削計画がどの位前に提案されているのかが分かります。本当に知りたいのは日本のプロポーザルが世界的に見たときにどういう評価をされているのかという事が知りたいのですが。ですから立派な成果も出てきているけど、非常に苦労している事は知っていまして、そのプロポーザルを書くことが新しい計画では簡素化されてできるというふうに書いてあるけど、それは善し悪しがありまして、それはどういう方針でやっているかということは少し計画されている、実行されている方の意見をお聞しきたいので、だからまとめて言うとそのプロポーザルの、そもそも出したプロポーザルが何件あって、それで既に実現されたのが何件で、もうスケジュールされているけれども今後どうなのか。その中で日本の割合がどの位かという程度のトータルのデータがあると分かりやすいかなと。

【鎌形委員】 鎌形です。今、先ほど先生のお話ですけど、このIODPのレビュープロセスはかなり長いですよね。

【平田委員】 長いです。

【鎌形委員】 何年も何年も何かをやっている、私たちから見ると明らかに常識を逸脱している位の長いプロセスでやっていていますが。実際にどれ位の期間がかかって、どれだけ実現したかっていう、そういうタイムスパンも含めて少し情報をいただきたいです。今後、どれだけそれを短くしていくのかっていうのは、勿論スケジューリング的に短くしてどんどん詰め込めばいいという話ではない事は重々分かっていますので、あくまでも参考資料として知りたいということです。以上です。

【平田委員】 平田ですが、それについては、両方の考えがあって、そのレビューのプロセスの中では例えばデータが足りないからScientificなデータをちゃんと取りなさいっていうレコメンデーションが出ると、そのプロポーネントはやらなきゃいけないわけですね。その為にまた別のNSFのお金や、科研費を取ってやるわけですから、それはある意味波及効果そのもので、それによってそのプロポーザルは良くなるし、その科学計画は良くなるし、考えは進むし、データもちゃんと取れるという事だから、これはある意味良い事です。10年かけてやっと掘れる計画はいっぱいありますけれども、その間に科学は進歩しているわけですね。掘るのは非常にお金がかかりますから、それまでに十分に掘った結果が波及できるような体制を取るというのがODPの今までの伝統です。特にライザーで掘るようなものは物凄くお金かかりますから、掘削提案の周りに十分な科学的な一般的な知識が増えないと、一般化できませんから。そういう意味で必要なので、とても努力しているという事が重要です。そういうデータの良い悪いは、委員の評価があると思いますけれども、それでその間にそのプロポーザル自体が良くなるって事と、科学が進歩すれば良い事だと思います。しかし、それは実際にはその提案がいっぱいあって、実際に掘れるのは極わずかだって事もやっぱり重要な事実です。日本の人もそのパネルには物凄く貢献していますから、それも一応パネルに何人という事や日本人がどういうふうに貢献しているかなどは書いてあるのですが。このコミュニティはインターナショナルに非常に貢献されていて、本委員会の中にも非常に貢献されている方は沢山います。地震の分野なんかは盛んに国際的に交流するようにと言われている時にこのIODPの仕組みというのは非常に実際的でインターナショナルに活動されている、そこは強調してもいいと思う事ですので、それにはデータが少ないかなという印象があります。

【海洋地球課木村企画官】 その辺、事務局はやっているうちに分かってきている事というのが非常にIODPの場合は多くて、やり方がどんどん変わってきているという事と、それから求められるデータ、平田委員からもありましたように、特にライザーになればなるほどその大量のデータが求められるし、一人のプロポーネントのプロポーザルがスッといくっていうことは先ずあり得なくて、それは良いアイディアがあったら、それに対してワークショップを開催することもある。定量的なデータを出しても中々ご理解いただけないので、もう少し定性的な説明を実際担当者からさせていただくなど、そういったことも。

【平田委員】 そうですね、それは良いと思います。何か出していただければ。

【井上委員】 井上です。今のご説明で聞いてみたいと思った事なのですけれど、実際に実行される計画は、今おっしゃったようにかなり長期に皆さんの議論で練り上げられるという感じを受けましたが、最初の萌芽的な部分っていうのは、それぞれが科研費の様なもので努力して取ってこないとできないような枠組みになっているのでしょうか。それとも何かJAMSTECがある種の資金を持って動いているような部分があるのでしょうか。

【平田委員】 それは両方だと思いますけど。プロポーザルも、プリプロポーザルといったように何段階にもなっている。最初は本体の頭出しをして、それがある程度見込みあるとなると、フルプロポーザルを書くために色んなレコメンデーションが出ますから、そうするとそのそれぞれの提案者は色んなファンドを取ってきて研究を進めてデータが集まってくるという。そういうプロセスを分かりやすくプレゼンしていただいた方がいいと思います。非常に複雑で、だから日本人はなかなか。でもちゃんとco-chiefになっていますから、実際にやれています。しかし日本人はそれ程得意ではなくて、物凄い時間がかかったと石渡先生に聞くと直ぐ分かると思います。その間に大学院生もそこで教育されるなどとプロセスは非常に進んでいますけれども、なかなか日本はそれ程得意ではないというか。結構時間をかけて非常に重要な貢献をしていますけれども、他のも色々複雑です。日本はそれ程簡単にサイトサーベイやれと、事前調査やれと言われてもそのファンドがなくてなかなか進めないって事もあって。そういう事は評価の中で少し書いて、財政当局にお願いをした方がいいかなと私は思いますけれども。

【斎藤主査】 ありがとうございました。確かに、国際深海掘削計画は物凄い長期に渡る試行錯誤、失敗もあります。また、未だに川幡さんがおっしゃるような、コロコロ計画が変更する場合もあるのですが、そういう国際共同研究の伝統として、試行錯誤をきちっとやってきたという経験は、かなり豊富だと思いますので、そこは正確に記載した方がよろしいと思います。確かに日本人のアピールの仕方は下手だと思うのですが。

【平田委員】 ただ成果も物凄く重要な貢献もしていますから、それは正確に記載する必要があります。

【斎藤主査】 初期から随分貢献していますから。

【平田委員】 特に最近の学術の風潮では短期間で成果を出さなければならないのに、掘削研究では1、2年で提案が実現するわけではない。但し、東北の地震の時には、通常の仕組みとは全く違うRapid Responseといった、違う範疇での緊急対応が行われました。地震が起きた事で緊急にやらなければならないという事を世界中で議論して、勿論日本人からも提案がありましたが、世界中の研究者が世界で初めてM9の地震の滑った所を掘らなければならないという事で、多くの10年待っている人を追い越していきなり1年以内に掘削するという機動性も発揮した。それは、色々な要因がありましたが、それにしても非常にいい機動力でした。また、たった1年だけでも非常に集中的に議論をして、計画を立てた事も、従来とかなり違うので、これも強調すべき事と思います。

【井上委員】 すいません。先ほどから日本は下手なので」とおっしゃっておられます。そこがどこの部分の所をおっしゃっているのか正確に分からないのですが、今のファンドの事をおっしゃっているのか、それともその英語で色んな事を競争し合う所のデメリットをおっしゃっているのか、どの部分が日本は不利なのでしょうか。それが私には分かりませんでした。

【平田委員】 それはデータを見た方がいいと思います。ただその航海は、内容によって非常に日本、例えば前だったらば、地磁気の分析など、それから化石の分析だとか、非常に日本人が得意な分野がありまして、そういう人がいないとその研究が進まないといったような事実は非常に通り易いのですが。一方、その新しい非常に最先端な分野では、日本人が得意な分野と不得意な分野があって、それを色々議論してやるわけです。パネルやその審査の委員会が沢山あって、その中で議論していくわけですけれども、それは基本的に全部英語でやりますから、そこで議論をリードしていくには、やっぱりアメリカ人やヨーロッパ人と比べると、ハンディがあるかなっていう気がします。勿論日本人でもそういう方は何人かいて、そういう所で学生、若い研究者は鍛えられていくわけですけれども。これは私の単なる印象ですけれども。それはデータでそういう所が分かるといいかなと。

【斎藤主査】 他に。この際何かございましたら。何か追加があったらまたメールか文書ででもいただくことにして、皆さんからいただきましたご意見を踏まえて、次のヒアリングを実施したいと思います。

【事務局】 最後に事務局から連絡事項を連絡いたします。次回の委員会ですが、7月19日金曜日の10時から開催で、ヒアリングを行う予定でございます。場所については鋭意、会場確保している所ですが、恐らく省内になるのではないかと思います。いずれにしてもまた事務的にご連絡させていただきます。10時から始めまして、次回、終了時間は終日かけて17時半位を見込んでおります。1日かけての評価でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。それから、本日、この委員会の後、事務局よりまたご連絡しますが、今の質問或いはこんな資料・データが欲しいというご意見がありました。またメールをお送りしますので、追加の質問事項など、こんな資料・データ欲しいというような事、事務局までまたご連絡ください。6月28日来週位までに、頂ければと思います。詳しいことはまたメール等で連絡いたします。あと最後ですが、本日お配りした資料、置いておいていただければ郵送いたしますが、今申し上げた事前の質問の事もありますので、必要な資料はお持ち帰りいただきたいと思います。以上でございます。

【斎藤主査】 どうもありがとうございました。それでは、本日の委員会はこれで終了とさせていただきます。皆さんお忙しい中、本当に全員ご出席くださいましてありがとうございました。それではこれで終了とさせていただきます。

以上

お問合せ先

研究開発局海洋地球課

安藤、佐伯
電話番号:03-6734-4146
ファクシミリ番号:03-6734-4147
メールアドレス:kaiyou@mext.go.jp