科学技術・学術審議会
2002/10/18議事録第1回海洋研究・基盤整備委員会議事録 |
1.日時 平成13年10月18日(木)14:00〜17:00 |
2.場所 経済産業省別館825号会議室 |
3.出席者 |
(委員会)小池主査、奥脇、木下、平、平澤、松田各委員 |
(専門家)谷口東北大学教授 |
(事務局) |
総務省:増子電磁波計測部門長 文部科学省:大塚海洋地球課長 外務省:大久保首席事務官 農林水産省:松井課長補佐 国土交通省:岡部総合政策局海洋室長、岸田海洋開発官 環境省:長山係長 他 |
4.議題 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
○議題1 ●資料1−2に沿って事務局から説明がなされた。 |
|
○議題2 | |
●資料1−3−1に沿って文部科学省、資料1−3−2に沿って総務省、資料1−3−3に沿って農林水産省からそれぞれ説明がなされた。 | |
【平委員】 昔からの問題ですが、文部科学省の場合、特に大学では科学研究費で多くの研究が行われています。科学研究費は海洋開発という区分がないのでこれには出てこないのです。しかし、実際には多くの研究が行われているので、もう少し反映できればいいなと思います。確かにこういう事業としては、大学では海洋研究所が窓口になって中心になっております。多くの科学研究費はそれぞれを中心にした研究が行われています。これは毎年出てくる議論で、大学側の寄与が小さいということですが、逆に言えば、こかから発展していって、科学研究費の枠を見ただけでこれは海洋だとわかれば、この海洋開発の立場からいうと非常にいいなとは思います。 【文部科学省・大塚海洋地球課長】 おっしゃるとおりで、実は14年度海洋開発関連経費概算要求の概要に入れ込もうとしたのですが、集計ができないところがございました。文部科学省になったのですから、科研費や大学の海洋学部の経費をぜひ入れ込んでいきたいと思っております。 【松田委員】 やはり文部科学省なんですけれど、たくさんプロジェクトがありますが、このうち国際的な連携をとりながらやっているというものはどのぐらいあるんでしょうか。 【文部科学省・大塚海洋地球課長】 明示的に国際的に連携しているのは資料1−3−1の2枚の上から2つ目の深海ドリリング計画、これは国際的にやって、日米が中心となりそのほかの国とやっているプロジェクトでございます。それから、ODPとIOCも完全に国際的なプログラムでございます。ただ、どのプロジェクトも何らかの形で海はつながっていますから、外国との協力はほとんどすべての分野でございます。 【奥脇委員】 水産庁の場合ですが、概要のところには科学調査と出ていて、実態は通常の資源調査、また、資源調査と疑われないようにいろいろ工夫して科学調査をやっておられると思いますが、この資源調査と科学調査とがうまく区別できない。これはこの委員会の仕事でしょうが、何かはっきり分けて広報するというか、あるいは戦略的に資源調査ではない科学調査を実施するということがあるのでしょうか。その場合、水産庁という名前で実施することが良いのか悪いのかという問題もあると思います。多分それは調査結果としてのデータをどう使うかという問題だと思うのですが、何か気にされてやっているのでしょうか。 もう1点は、漁業といっても遠洋や排他的経済水域については国がやるのでしょうが、近場の地先沖合の資源調査はどこがじっしするのですか。 【農林水産省・松井課長補佐】 全てを水産庁の官船で実施するには足りませんので、計画的に予算化し、傭船、要するに船会社から船を借りて、研究所の関係するところに配属させて調査しております。 【奥脇委員】 それはすべて国がやっておられるのですか。 【農林水産省・松井課長補佐】 国もやっていますし、各県に水産試験場がございますので、県でもやっております。水産試験場の船は小さいので地先になると思います。 【奥脇委員】 日本の場合には水産調査船は少ないのですか。 【農林水産省・松井課長補佐】 そうです。どちらかというと、取り締まるという観点が中心になりますが、開洋丸という南氷洋まで行ける大きな調査船もあります。それ以外に照洋丸等があります。 【奥脇委員】 実際の排他的経済水域の取り締まりは海上保安庁がやるという感じですか。 【農林水産省・松井課長補佐】 我が国の200海里内の取り締まりとは、基本的には、海上保安庁がやっております。水産は水産庁がやるべきでないかと実は言われております。九州漁業調整事務所が博多にあります現在、韓国、中国との関係で取り締まりをやっております。 【木下委員】 船のことですが、以前、文部省に所属していたころ、大学サイドから日本における研究船のアクティビティーをどのようにして増やしていくかという問題意識が出てきました。そのときに日本に一体どのくらい調査船があり、一般の研究調査活動に、活用できるのかできないのか調査をしたことがあります。文部省内だけだったので不完全に終わってしまいました。事務局にお願いして高校の水産関係の練習調査船も含めて、日本に一体どのくらい調査船が活動しているのかという資料をつくっていただければありがたいと思います。 【平委員】 一応、海洋学会としては今おっしゃった船のリストはきておりまして、現在100トン以上の外洋船が56隻ぐらい、ただし、今おっしゃった水産高校の実習船は今は入っています。 【木下委員】 例えばそれは海上保安庁の船とか、気象庁の船も入っていますか 【平委員】 もちろん入っています。 【小池主査】 海上保安庁は水路部ですよね。 【平委員】 水路部も、海上自衛隊も入っております。 【小池主査】 海上自衛隊も入っているのですか。 【平委員】 海上保安庁は水路部だけであって、他の船は入っていません。水路部は測量船でそれ以外は取り締まり船になりますので入っていません。 【木下委員】 続けてよろしいですか。個々の質問です。2つほどあるのですが、農林水産省の説明にありました文言の説明をしていただきたいのですが、沿岸漁業等振興法と水産基本法は本質的にどこが違うのですか。 【農林水産省・松井課長補佐】 沿岸漁業等振興法は基本的に漁業の振興を図ることが目的です。昭和のはじめに制定されてから漁業の観点も変わってきており、世界においての体制も、国内においての体制も変わってきまして、見直しが必要になりました。ただ、取り締まりをするだけではなく、増殖なり、養殖なり、そういうことも含めた体制をとり、資源の管理をしていくということを重点にした内容が水産基本でございます。 そこに大きく柱を掲げていますのは、資源回復措置をすることです。資源回復措置というのは、休漁をすれば一番早い道でしょうが、各漁業者の方の生活がかかっておりますから、そこをいかに維持をしていくかです。最大維持生産量(MSI)までとって、あとは再生産を図っていけば資源の維持はできます。今までの調査研究等も含めて、対応してきたのですが、急激にイワシが漁獲量が落ちたということもあり、全体の漁獲量が下がっています。 沿岸はまだいいのですが、沖合ではかなり落ちてきています。さらに遠洋は落ちています。そういった中でどのように資源管理をし、漁業者の生活を図りながら、バランスをとっていくのかということを大きな柱として見直しをしたのが水産基本法でございます。 【木下委員】 例えば一枚物になった基本理念みたいなものはありませんか。 【農林水産省・松井課長補佐】 用意いたします。 【木下委員】 それからもう一つ、総務省の流速場の観測、与那国島と石垣島局を使った観測がありますが、太平洋側は測らないのでしょうか 【総務省・増子電磁波計測部門長】 現状では測れません。これは非常に大がかりな装置でして、両方の島に取りつけてありますのも、アンテアの高さが11メートル、その中に16本のアンテナを持っている装置でして、全体としては300メートルぐらいです。機材を動かすことはそれほど困難ではないのですが、土地の確保が非常に大変でございます。 【小池主査】 私も1つ農林水産省の資料でちょっとお伺いしたいことがあります。主な施策の1と2で、1がどちらかというと周辺漁業ですね。それから、2が国際資源で回遊しているものですが、資源の適切な保存及び合理的・持続的な利用のための、手法のための調査のような書き方をされています。これはどういう扱いでしょうか。ある程度水産庁の中では基礎的なデーダベースをつくるような考え方でやられているのでしょうか。 【農林水産省・松井課長補佐】 我が国周辺水域における水産資源の回復と持続的利用を図るため、主要魚種について科学的知見の基礎となる調査等を行い、魚種ごと資源評価を実施し、これら結果を広く国民に提供するというふうにしております。 【谷口教授】 多分、今おっしゃったのは、略称でVENFISHと言っているような大型別枠研究のことだろうと思います。これは地球規模の海洋生態系変動に関する国際共同研究計画(GLOBEC)対応でもありますが、要するに、国連海洋法条約の定めるところにあって、主要な漁業国は、資源の状態について責任のある解析をして、どこまでとることができるか、そのうちどれだけを日本がとって、どれだけをほかの国に分け与えることができるかという数値を出す義務がある。それを正確にはかるためには、資源調査だけではだめであって、海洋生態系、海洋環境を含めた海洋調査から掘り起こさなければいけないという、それを非常にまじめに日本の水産庁は取り組んでいることを私は高く評価しています。 【農林水産省・松井課長補佐】 今、先生からお話があったように、MSIというのは最大維持生産量ですね。それに対して漁獲可能量(TAC)、要するに、200海里の中でどれだけ漁獲できるかというものです。あと余剰があった場合には、外国にその分を割り当てることができるというのが一つです。今回の基本法を立てたときに、先ほどはTACですが、今度TAEという漁獲努力可能量というのを導入をいたしました。 【奥脇委員】 TA何ですか。 【農林水産省・松井課長補佐】 TAE、漁獲努力可能量でございます。先ほどのは漁獲可能量でございます、TACというのはMSIを念頭に置いて、いかに維持しながらとっていくかというものです。TAEのほうは、各漁獲する努力量をいかに資源を管理しながら、漁業者の生活を図りながらいくことを考えております。一番簡単なのは漁船を削減すれば漁獲量が減ります。しかし、それでは漁業者が困りますので、例えば手法としては、網目を大きくして小さい魚をとらないで、半年後か1年後にとればある程度の状態になりますから、価格の維持ができます。このように、資源に着目をして重点を置いた水産基本法が制定されたということでございます。 ●資料1−3−4に沿って国土交通省、資料1−3−5に沿って環境省から説明がなされた。 【平委員】 先ほど通信総合研究所の最後のほうに、データベース、データの通信ということがございました。今回、海洋データセンターということでありますが、このような新しい情報を統合するのでしょうか。多分、通信総合研究所ではご自分のホームページ等のデータベースで公開されると思います。例えば与那国島の沖合の黒潮の海流図のような計測値は非常に重要な情報だと思いますが、将来これも海洋データとして収集する計画がおありでしょうか。 【総務省・増子電磁波計測部門長】 私どもとしては、皆さんに公開して使っていただくことを考えております。もちろん海上保安庁のデータセンターは現場で運用されているものですし、そういう視点からいきますと、もう利用者の方と非常に密接にかかわっているので、規模が違うように思います。私どもは、どちらかというと運用ではなく、データの情報公開に関する技術開発を担当していくということで認識しております。 【松田委員】 省庁間のやりとりで気になることがあります。例えば今、えひめ丸が捜索が始まりました。あれが沈んだときに非常に深いところであるから、まず技術的に引き揚げることができるかという検討し、つり上げることができるとなりました。次は環境問題です。油が漏れて生態系を侵すと困るから、そのチェックをするという報道が出ていました。それで大丈夫なら浅瀬に引き揚げるということで今にきていると思います。その場合に国土交通省の電子地図でしょうか、海底地図でしょうか、例えばハワイの沖合はこういう地形になっている。そこの上には、今度は環境データでこういう問題があるというように研究者がたどることができないか。あるいはたまたまアメリカの専門家がノウハウとして持っていたのか。このようなことがシステムになっているのかどうか気になりました。 【国土交通省・岡部海洋室長】 私自身、直接米国の領土内での海図を参照した経験ございませんが、海図の基準そのものは、国際水路機関が決定をした基準にのっとって作成するという仕組みをとってございます。当然国家ごとの当該区間で海図は作成されるわけでございますが、米国の中であれば、おそらく技術的にも問題のないような海図をかくということは可能だと思います。それを、例えば実際に引き揚げるときに、引き揚げる責任を持つ機関の人がどういう手当てをしてくださるかというときに使えるような資源ではあると思っております。 【松田委員】 地球の上を覆っているある地点で何かが起きたとき、その地点に関して考慮しなくてはいけないものがつながって一元管理するような仕組みを作るほうがいいと思います。総務省が一番適任なのでしょうか。この例ですとリモートセンシングの研究ですので。 【総務省・増子電磁波計測部門長】 観測手法に関しては私どもが関わっていると思います。しかし、海洋に関するデータの集積というのは海上保安庁のようなところが管理されておりまして、それのお手伝いをするという形になると思います。政策としては、例えば総合科学技術会議なり、文部科学省なり、国土交通省なりがイニシアチブをとっていただくということが必要かなと思います。 【文部科学省・大塚海洋地球課長】 これは多分私から申し上げるよりは、次回のヒアリングのテーマかと思いますが、海洋のデータというのは、極めて広範囲のものが極めて多種多様にございます。ですから、物理的も一カ所にどこかへ行けば全部わかるということにするのは難しいと思います。今、どういう状況になっているかというと、いろいろ国際機関、例えばIOCのようなところで議論が進んでおりまして、一カ所に集めるというよりは、公開するときにそのフォーマット流通できるように決めて、公開するということ大きな方向かと思っております。 それからもう一つは、最近はインターネットを通じて、比較的簡単にデータ発信ができるようになりましたので、フォーマットに即して発信することが比較的容易になってきております。ですから、一カ所で大きなデータベースというよりは、比較的世界各地に分散したデータベースを構築し、その間の流通を容易にするという方向でいろんな議論が進んでいると認識しております。 【小池主査】 今の松田委員のお話は、多分陸でも海でもそうなんですが、GISというテクニックがあって、地理情報に関していろいろな情報を載せていくというテクニックがあります。陸ではかなり進んでいるのですけれども、海の場合は難しいのです。最近やっと沿岸で幾つかのデータが載りはじめました。外洋でGISというのはまだ無理です。特に、下と上とで水は動いていますので、なかなかリンクが難しいような気がします。 【木下委員】 今、大塚課長がおっしゃったように、視点が欠けていたというより、能力的にできなかったのだと思います。今、電子情報の交換が非常に簡単になりますので、世界的に網をかぶせてそういう機構をつくる、あるいはいろんなサイトと自動的にリンケージが結べるような、そういう提言をこの基本的な考えの中に盛り込んでいくというのが必要ではないでしょうか。 【小池主査】 1つ質問があるのですが、先ほどの環境省のお話の中で、3番目の施策に関する調査研究がございます。このデータというのは、どこがやっているのかと、やるのかということと、実際に得られたデータというのは公開されるのかどうかということに関してお答えいただければと思います。 【環境省・長山係長】 これは行政の施策にもリンクしたものですので、各局ごとでの予算を持っております。それを民間団体や地方公共団体が実際に実施機関としてやります。例えば、水質ですと水環境部というように、部局ごとでそのデータをとります。どのように実際に使われているかですが、さまざまな計画に基づいての調査ですので、例えばモニタリングですと、その北西太平洋地域海行動計画の推進するためのモニタリングということで、それに貢献できる形のデータをとっております。 【小池主査】 これは多分ほかの沿岸関係のも大体皆そうですが、いろいろ調査がされているのですけれども、データがほとんど出てこないのです。出てこないという言い方はおかしいかもしれませんが、なかなかアクセスしにくいのが現状です。1年ぐらいたってその目的が終わったら、もとのデータも含めて全部オープンにしていただくと、それを使ってまた別の見方もできるし、やり方もできると思います。多分、情報公開の話とリンクしてくると思うのですけれども、ちょっとご検討いただければと思います。 【奥脇委員】 それは科学調査とそれ以外の調査とで意味が違ってくると思います。例えば水路調査の近海水路情報は、安全保障の問題とかかわる部分というのがあり、従来はあんまり公開しないのです。通常商船が通航する部分は逆に安全のために公開する。新しいリモートセンシングのような方法で海底まで明らかになるのでしょうか。 【総務省・増子電磁波計測部門長】 海底の場合は、先生方のほうがご存じだと思いますが、電波は海底まではちょっと届かないものですから、音波で測定することになります。それについてはかなりの程度公開されていると思います。 【木下委員】 今の情報公開のお話ですが、きのう、核燃料サイクル機構のワークショップがあって、そのときに、特殊法人としては初めて情報公開法を内規として決定して、皆さんにお見せしますが、セキュリティーのために出せないというような仕分けは当然必要だと思います。例えばアメリカは、海底地形図を平気で出しているように見せますが、彼らの一番新しい最新情報は出さないのです。潜水艦が隠れるか隠れないかくらいのところは出すんですが、それ以下の詳しいものは持っていても決して見せてくれない。先ほど松田委員がおっしゃったハワイの調査はアメリカの海軍基地の手前、目の前ですから、アメリカは多分ものすごいものを持っていると思いますが、それは日本の調査船にもなかなか教えてません。 【木下委員】 きょうで、省庁のご説明は全部終わりなんですか。 【小池主査】 省庁のご説明はきょうでおしまいです。 【木下委員】 そうすると、参考資料の平成14年度海洋開発関連経費の中に経済産業省のように、今日説明のないところでかなり大きなものが入っています。一つの例が11ページや23ページに産業技術総合研究所のものが出ていますが、ここには関係がないのでしょうか。 【文部科学省・渡邉課長補佐】 経済産業省とも相談をしたのですが、今回委員会を3つに分けまして、本委員会と海洋保全委員会、海洋利用委員会とあるのですが、経済産業省の研究開発は利用を目指したものであるということで、海洋利用委員会で説明をしていただいたという状況でございます。 【木下委員】 例えば23ページは、利用というより、海洋科学の基本的な問題を追求している大きなものですので、海洋研究・基盤整備委員会でもちゃんと理解しておくほうがいいと思います。 【文部科学省・大塚海洋地球課長】 それでは、経済産業省と連絡をとりまして、次回にでもプレゼンテーションしていただけるようにいたします。 |
|
○議題3 | |
○議題2 | |
●資料に基づき谷口教授から説明がなされた。 | |
【奥脇委員】 このVictorHensenというのはどういう方ですか。 【谷口教授】 今から100年と少し前ぐらい、いや、ナポレオン戦争の直後ぐらいから、ヨーロッパでは産業革命が発達して蒸気機関ができると同時に、一般的に生活レベルが上がってきました。それまでは魚は非常に恵まれた人たちだけが食べていたのですが、蒸気機関によって船でたくさんとれるようになり、北極へ行って氷をとってきて、魚を氷づけにするというようなことができるようになりました。陸では蒸気機関車が走り、魚の供給と消費が急速に伸びて、ヨーロッパの海で乱獲が起きました。これは大変だということで、魚の資源管理を上手にするためにドイツのVictorHensenは海の研究をしなさいと言いました。海の研究をすることによって魚の生産量がわかって、どれほど人間が魚をとっていいかが決まるということを言いました。その後、ヨーロッパは第一次世界大戦の直前で諸国は反目しあっていましたけれど、それにもかかわらず国際共同体をつくって国際共同研究を海について始めました。これは、国際共同研究というものの歴史上最初のものだと言っていいものです。それくらいインパクトのあった主張であったのですが、その後、日本で起こったように漁業者が、研究者の研究成果を待つことができなかったわけです。簡便な方法で資源管理と称して、繰り越しをして海洋研究をなおざりにしてしまいました。今、国連海洋法条約が求めているのは、それではいけなくて、海洋研究をきちっとした上で資源を利用しなさいと言っているわけです。それはまさしく100年前のVictorHensenの主張に戻ることであると思います。 【木下委員】 これは科研費分科・細目の見直しに関する要望はどのような理由で落ちたのですか。 【谷口教授】 この要望がそのまま文部科学省にいったかどうかは、実は私はわかりません。少なくともこの要望書は学術会議では非常に評価が高くて、学術会議では、この要望に沿って確かに海洋科学を総合科学として位置づけて、新しく分科・細目を設けるべきであるとしました。文部科学省のウェブサイトに出ている科研費の改正案の平成15年度以降実施のものには海洋科学は落ちています。学術会議では、それに関して文部科学省とまた意見交換をしたいと思います。もちろん決めるのは文部科学省ですから、落ちるのもやむを得ないのですが、なぜそれが落ちたかというようなことについてのご説明をお願いしたいという要望を出したところです。 【平澤委員】 文部科学省というよりは、科学技術・学術審議会の学術分科会がそういうのを決めていくのではないでしょうか。 【谷口教授】 科研費の仕組みをよく知らないものですから、文部科学省のほうがよく知っているのではないでしょうか。 【平澤委員】 そのはずです。同じ審議会でここが1つの分科会ですから、分科会の会長からそういうような発言を総会でされるというのは意味のあることであろうと思います。【平委員】 先週総会があって、平澤先生と一緒に報告を受けたのですが、もう私は落ちたというのは前もって学会のほうで聞いていたものでから、何ももう申し上げませんでした。 【平澤委員】 複合領域に出しておられたのですか。 【谷口教授】 新領域とか、総合新領域という名前に今度変わりました。その中に、今までの枠には入り切らないものですから、環境とも違うので苦慮したのですけれど、新しい領域を設けて申請をしました。もちろん再度再考をお願いしたいという意見書は、昨日、学術会議と文部科学省担当官との意見交換会で伝えられています。 【小池主査】 やはりなぜだめかという理由は述べてしかるべきだと思います。 【谷口教授】 ぜひそうしていただきたい。学術会議の科研費担当の部門の人と話を直接するのは文部科学省の科研費担当の方で、学術分科会ではないのです。 【小池主査】 事務局なので、そうなると思います。 |
|
○議題5 | |
● | |
【奥脇委員】 ざっと読ませていただいて、全体の方針として海洋に関する問題、先ほど包括的戦略とおっしゃいましたが、まさにそういう問題を戦略的にどのように動かすかをしっかり考える。プライオリティーも場合によったらつける。このようなことが海洋開発分科会で強くあったと思います。 海洋研究・基盤整備に関する基本的考え方の中から、一体どのような政策が出てくるか、読んでいてよくわからない。中身はもちろんそのとおりだと思いますが、書き方の順番で、例えば「1.」のところの第2段落の後半、「また、全ての海洋は、一つにつながって」という書き方がなされており、国連海洋法条約等に言及されているのですが、むしろ、海洋法のほうから言えば、それを動かしていく基盤がまさに海洋研究、海洋科学調査であります。魚にしても、汚染にしても、船舶の航行についても、とにかく海洋研究や海洋調査で得られたデータをどう使っていくかが、国連海洋法条約が有効にその目的を達成するために必要不可欠と思います。ところが、その情報がいろいろな理由で共有できない。いろいろな国の間で情報を出したり、出さなかったりという問題があります。それは、資源についての情報を出す、出さないというのが、魚の場合でも、海底の鉱物資源の場合でもどの段階で出すことが一番戦略的に有利かということになって、必ずしも直ちには出てこいないのだと思います。 そういう意味では科学的知見をいかに人類的に共有していくかということが国連海洋法条約のもとであります。谷口先生のお話を聞いていて、まさに海洋法、あるいはさらに海洋文化について、日本が海洋文化の伝統の中で、科学的知見と海洋に関するイニシアチブという視点でつなげていくことが重要と思います。本来的には伝統的に海洋文化という構造をいろいろ調べてみると、蓄積もあるし、有利な立場にあると言えれば、戦略的になってくると思います。近代の海洋工学や水産海洋学等の、高度に科学的に発達した海洋自然科学的なものは相当進んでいると思います。それと海洋についての日本の文化とがうまくつなげられると、そこから戦略がでてくると思います。 私の経験で言うと、例えば捕鯨の問題で、昔、国際法の先生が日本の国内における鯨文化を調べ上げて、論文にしてある国際法の英文紙に載せたところ、あちこちから反響がありました。少なくともこれが一番おもしろい論文であると言われました。このような経験を踏まえると、戦略を立てるには、その文化と先端的な技術とがどのように結びつくのか考えることが必要だと思います。何かうまくそこを引き出せるような配列にならないかと感じます。 【小池主査】 今のご意見は、多分「1.」の海洋研究・基盤整備の意義・必要性というところが、そこから下のただのサマリーにしまっていて、フィロソフィーがここには出できてない。ここで包括的な戦略を立てなければいけないという多分結びにもってきて、それから、個別の話に入るということが多分必要だと思います。 【奥脇委員】 できるかどうかは私もわかりません。難しいと思います。 【平澤委員】 前のときも見てみたのですが、こういう意義・必要性が先にきて、基本的な考え方となっています。このような順序というのはごく当たり前なのでしょうか。海洋研究の推進に関する基本的考え方、理念が先にきて、そういう方向の研究、あるいは整備の意義・必要性がくるほうが自然ではないかと思います。 それから、2番の基本的考え方は並列して幾つかあるのですが、何を最も重要としているかよくわからない。2番の基本的考え方の後に一つの文章があって、最も大事なこと、あるいは基本的理念があって、やや具体的に幾つかあるというんならわかるのですが、このように並べてしまうと、みんな並列になってしまい、何とか海を上手を利用しようということに落ちつくのかなというような気分にしてしまいます。私としては、海洋研究に関して少なくともそれだけは極めて格調高いものになるといいなと思っています。 【小池主査】 私の理解ですと、「1.」がどちらかというと非常に基礎的で、どのように利用・保護に結びつくかわからないけれども、海を調べてみようという考え方で、2番目は、ある程度目的を持って調べる。だけど、その目的のためには基礎的なことがわからなければいけないという観点で書かれていて、3番目は、その中でも地球環境は非常に大事だから、それだけ抜き出しましょう。4番目は、それを支える何かベースみたいな感じです。一応カテゴリーはそれぞれ違うのですが、このような書き方ではパンチがないと思います。 【平澤委員】 4つカテゴリーが違うものがあっても、その4つに共通する考え方というものを我々が持っているということが出るほうがいいと思います。海洋利用委員会あてだったと思いますが、送付いただいた経済団体連合会の意見書を見ていても、200海里の海を豊かにするということを基本にして、結局は上手に利用して国益を得ようということが中には書いてあるのですが、基本は一つに言っています。200海里という、これも国益臭くて嫌だなという気はしますけれども、中心のテーマはここで、それを背景にして幾つかあるんだという書き方になると、受け取るほうはわかりやすいし、これの特徴は何ですかと言われたときも、我々委員もこうですって言えます。4つも5つもあったら、あれとあれとあれという具合で分からなくなってしまうことが心配です。 【木下委員】 事務局のご意見も伺わないとわからないのですが、海洋の利用・保全、研究・基盤整備、これらを全部一緒にして全体のまとまりになるのですね。 【文部科学省・大塚海洋地球課長】 最終の答申はそうです。 【木下委員】 要するに、あの3つが全部一緒になって大論文になると。で、その論文の最初の上書きか、前書きが、表書き、そこに全体のフィロソフィーがあれば、僕はこれを理解できます。一つ一つの基本的考え方はどうであるか。それは先ほどいただいたこの資料も大体そんな線で書いてあります。まずフィロソフィーがあって、それについて我々はどう立ち向かうかということが細かい基盤整備であり、利用であり、国家安全保障でありという、そういう感じだと思います。 【谷口教授】 そのことでつけ加えたいことがあります。それは、今、アメリカの「TurningtotheSea:America'sOceanFuture」はノアのホームページでダウンロードできますし、各国語に訳しています。もちろん日本語にも訳しています。この国家戦略をもって世界の海洋政策を支配しようというのがアメリカのもくろみです。だから、早く日本もつくらなければいけないと思うのです。急がないと、アメリカの考え方が国際標準になってしまうわけです。 【事務局】 海洋産業研究会というところが日本語をつくっておりまして、それについては、第1回の海洋開発分科会のときに資料としてお出ししております。 【平委員】 よろしいですか。まず初めに、インフラについて、先ほど日本の100トン以上の、観測船が五十数隻あるというお話をしました。IOCの海洋法条約に関する専門家会合のときの資料ですが、アメリカは150隻の観測船で海洋の科学的調査を行っていて、5年間で2,100件の他国のEEZの観測許可を得たとなっております。年間当たりにすると約400件ということです。日本は外務省で多分わかる数字だと思いますが、多分実態40件とか、50件ぐらいじゃないでしょうか。 【外務省・大久保主席事務次官】 まとまった記録がありますので、資料を用意します。【平委員】 50隻という船の中でも大きな役割を果していた水産系の大学の練習船が、船員になり手がいなくなった、漁船員のなる希望者がいないという理由でだんだん減っているというのが、本日、谷口先生が用意された練習船が減るというお話なわけです。この私の調べた範囲でも全部で8隻ぐらいのうちの3隻ぐらいは廃船が予定されてしまっているということです。 それからもう一つ、私として、このまとめについての2つの点は、その1つは、先ほどお話がありましたが、海の文化や日本人は海に親しむということがどこにも記述されてない。ほかのことでは、いわゆるプレジャー活動に対する海洋情報の提供は多くの機関の売り物になっているわけですが、そういう観点が一つどうしても要るのではないでしょうか。 それからもう一つ、国連海洋法条約に対する考え方で、先ほどは、ほかの国のEEZの観測許可を得るというイメージでお話ししたのですが、6月にありました先ほどの会合では、今度は逆でありまして、開発途上国では、確かに国連海洋法条約でそれぞれのEEZについて、それぞれの国が責任を持つということになりましたが、それを実施するためのノウハウや資材も含めて援助が必要とのことです。これは、先ほどの谷口先生が引用された方の冒頭にも、パルド氏の国連海洋法条約の演説の中でも書いてあるのですが、日本は、海洋先進国として技術移転を含む義務があることを、あらためて認識しました。 【小池主査】 今の平委員の話は、これの最後の国際的な問題への対応で、ここが、どちらかというと、それぞれが自分たちの200海里をちゃんと調べるというよりは、むしろ海洋の先進国というのは、そういうサービスもやるべきということが盛り込まれないといけないということと思います。 【平委員】 それは単なるサービスではなくて、実を言うと、多くのことはもう既にやっていることです。海上保安庁水路部では、データハンドリングの講習会を過去20年以上実施しております。毎回20人近くの人に講習していますから、400人以上にやったことになります。また、日本学術振興会の事業では、海洋研が窓口になった拠点大学方式の交流があります。これらの活動が国連海洋法条約と結びついているという観点からとらえていかないといけないと思います。 余談ですが、日本学術振興会の事業によって、実は国連海洋法条約の下では非常に難しい、ほかの沿岸における海洋調査、海洋研究が可能になりました。普通だとインドネシアなどでは、勝手に海岸の写真を撮っただけでも憲兵隊に引っ張られるのですが、共同研究で多くの成果を上げていることによってそれが可能となりました。これは、海洋研の誇るべきことの一つだと僕は思っていますが、さらに幸いなことに、あと10年続けられるということで期待しております。 【奥脇委員】 その国際協力というのをどうやって戦略的にやるかというところを考えないといけないのではないか。例えばミナミマグロの事件でも、私の聞くところの話によると、マグロの試験漁獲で調査漁獲をしたとき、それは隠れた漁獲と報道されるのですが、実際は、相当広い南太平洋をメッシュに仕切って、ある程度の科学的な根拠でどれだけの資源量があるかを調査しています。しかも、従来操業してないところまでわざわざ出ていって調査しており、ものすごい金かかっています。しかし、この面は全然報道されません。このようなことは戦略的には非常にまずいと思います。 【小池主査】 それぞれが別々のところで一生懸命努力しているのだが、全体としてまとまってないことが、日本のいろいろな施策の欠点なのです。それを書き込んで、実際に意味があるものにしていくかというところだと思います。 【奥脇委員】 直接書いていただかなくても、起草していただく方が何となくそういうイメージを持っていただければいいと思います。 【文部科学省・大塚海洋地球課長】 先ほどの平先生の2つのご指摘のうちの1つの海の文化に親しむという点でございますが、海洋利用委員会で、5つほど海洋利用における重点化の方向性を考えてございます。そのうちの1つが「国民の親しめる海洋に向けて」でございます。中身はウォーターフロント開発、マリンレクリエーション施設、マリンレジャー、それと、もっと一般的にどうやって国民全体に海洋ということを親しむように理解してもらえるかということを書こうと思っております。それは同時に教育でもあり、こちらの課題でもありますので、両方で書いていただきまして、答申ではどのようにあわせるかを考えたいと思います。 【松田委員】 私は、データとか成果をどんどん公開をして、それを世界的に役立てる、その結果、日本が国際的に貢献をすることが欲しいと思いますね。 【小池主査】 情報の流通のところでの国際貢献ですね。 【平澤委員】 1つ細かいところですが、海洋基盤整備、海洋基盤が一体どこまで入るかというのは、私にはわかりにくいのですが、これは必ずしも研究基盤ではないと理解させていただいています。そうしたときに、基盤は非常に幅が広いので、大事なことを漏れなく入っているかどうか大変心細いのですが、今後10年間を考えたときには、研究体制的なものは何にも入らなくていいのか気になりました。国立大学が独立行政法人化するという中で、東京大学の海洋研も独立行政法人化し、JAMSTECもそれに近いようなものなので、一般的に何で2つ必要なのかよくわからないということになるのではないか。そうならないうちに、こういう考え方でこういうふうにしていくという方針を盛り込んではいけないのか、盛り込んだほうがいいのか、どうでしょうか。 【平委員】 それはこの中でも2つの方向が書いてありました。1つは、国策に沿ってプロジェクト研究を進めるという方向、もう一つは、研究者の自発的な研究の方向、海洋科学技術センターと海洋研究所の間では、それぞれがこういう面では非常に特色を持っています。海洋科学技術センターが大型の施設をつくり、大型の予算を持っているのは、大きなプロジェクト研究をやるということであり、一方、海洋研究所は、予算規模でいくと、実は残念ながら10分の1以下になのですが、研究者の自由な発想でという、そういう方向でいきますので、その2つの機関は日本にとって必要で、それぞれにぜひ発展できるような道を探そうとしています。 【平澤委員】 わかりました。あえて書かない、避けたということですね。 【平委員】 いやいや、わかりません。 【小池主査】 いやいや。この書き方ですね、未知の領域への挑戦というところは、どちらかというと、これは研究者の自由な発想に基づく、いわゆる海を知ろうというための基礎研究です。2番目の海洋保全・利用などの礎となる海洋研究というのが、これは目的研究です。多分この仕分けの仕方、未知の領域への挑戦の最後の書き方が、基礎研究とのバランスよくというのも、達成目標を明確にして重点的に実施する研究開発というのは、この2番目に当たる研究なのか、それとも、基礎研究の中でも2つに分かれて考えるのか。多分これは基礎研究も2つに分かれて、大型のプロジェクト研究とそうじゃない研究というニュアンスで書かれていると思います。 【文部科学省・大塚海洋地球課長】 ここはそういう考え方もできるんですが、未知の領域への挑戦のところは、知的基盤の拡大、これはボトムアップの研究であろうとトップダウンの研究と同じですから、知的資産をとにかく増やすという意識で書きました。ですから、目的型研究も含むのではないかという前提でございます。保全・利用などの礎となるというところは、知る・守る・利用するの関係を明記して、海洋を知るというところが守ると利用するとの関係、どういう位置づけになっているか。守りながら最大限利用するということのための礎を与えるために知らなきゃいけない。そこを包括的に記述したつもりでございます。 【平澤委員】 私が言ったのは、海洋基盤整備の推進に関する基本的考え方で、人材の育成、資金の確保、情報の流通があるのですが、研究体制について項目がなくてもいいでしょうかということの一例として言ってしまったわけでございます。先ほどの谷口先生のお話もあって、海洋科学の専攻さえないということですから、それは深刻にとらえてないというんだったらいいと思いますが、そこがよくわかりません。 【小池主査】 人材育成のところにぜひそれは入れたいことです。海洋を包括的にやるような教育組織というのは、高等教育のレベルでもぜひ必要だということはぜひうたわないと困ります。 【平澤委員】 そうですよね。海洋研というのは、やっぱり教育も担当しているわけですよね。 【小池主査】 大学ですから教育をやっています。 【平澤委員】 そういう後継者、人材を育成するのにどういう研究体制が傍らにあって、どうしていけばいいかという戦略が絶対あるはずなのに、何にも書かなくていいのかというのが私の意見です。 【小池主査】 そこに今、もう一つの研究体制という別項を立てるのか、人材育成の中に研究体制も少し入れるのかということについて、どうお考えでしょうか。 【木下委員】 国の海洋に対する基本的な体制整備と教育とは全く別のものだと思います。体制をとことん突き詰めて議論していくと、例えば海洋庁が必要であるというようなところまで議論が達してもおかしくない。その中で、例えば船を運航する体制はどうなのか、研究する体制はどうなのか、それから、教育する体制はどうなのか、その中で教育はこういうものだという具合に書き分けていかないと、人材の養成ですべて国の政策まで論ずるのはとても不可能だと思います。しかも、ここに書いたことは、ほんとうは役所としては次から次へと実現していただきたいような問題です。それが実現できなければ、これは単なる紙くずになってしまい、海洋学なんて要らないと国から言われているようなものですので、そうならないようにするために少し強目に書いたらどうかなと思います。 【小池主査】 そうしますと、いろいろなご意見をいただいたんですけれども、どうしましょう。これはやはり、これを今、いただいた意見で、各先生も、これ、実際直されなくても結構ですけど、ここに対するコメントを文章の格好でいただいて、あるいは実際にこれに筆を入れていただいても結構ですし、それで、次回までに、またそれをもう一度事務局(案)という格好で出すということにいたしましょうか。 【文部科学省・渡邉課長補佐】 次回でも検討をしようかと思っておりますので、また修正いたしまして、ご紹介したいと思います。 【小池主査】 もう一つよくやるのは、メールアドレスを共通しておいて、それでどなたの意見がどこにきているかというと、あまり話が、ある程度この会を次に開く前に皆さんのご意見がわかるので、割合最近のはそういうのが多いんですけれども、もし事務局のほうで、各委員の先生にみんなメールアドレスを教えていただければ、事務局が送るのと同時に、ほかの委員の先生にもそれを送れば、情報を共有することができます。 【文部科学省・渡邉課長補佐】 そのようにいたします。メールアドレスを早急に連絡いたします。 【文部科学省・大塚海洋地球課長】 それと、先生、もう一つ、もう時間が限られていますが、この後に、基本的考え方の後に、目次を見ていただきますと、資料1−2でございますが、具体的推進方策というのがございます。それで、そこの基本的考え方はある程度まとめた上で、海洋研究に関する推進方策というのを4の@でございますが、記述するわけでございます。基盤整備に関するほうは人材・資金・情報、あるいは場合によっては体制ということで、比較的イメージがわきますが、この研究に関する推進方策について、どういった柱書きで、研究を推進していくか、基本的考え方ともリンクしますが、重要なメッセージになります。事務局の案だとおもしろくも何ともない、海洋の諸現象、海洋底の構造、それから、地球変動、基盤技術開発という、分野別に分けているような感じですが、この基本的考え方からすると、もう少しメッセージを持った柱立てというのが必要ではないかと思います。それについて、今、ご意見をいただきたいと思います。コメントいただくときに、ここについてもご意見をぜひ賜りたいと思います。次回は、ここの基本的考え方を仕上げると同時に、この具体的推進方策の柱書きをどうしようかというご議論になるかと思います。 【小池主査】 今の事務局のご説明ですと、4の@の海洋研究に関する推進方策のところの柱立てを、確かにこれから10年がんばらなければいけないと思うような何か柱立てにしていく必要がある。これだと何か無味乾燥であるということです。きょう各省庁のヒアリングをさせていただきましたが、具体的にこの中に組み込まれてくるわけですから、内容は、きょう5つの省庁、また、次のときに経済産業省のヒアリングもあるかもしれませんが、それをどのようなカテゴリーに入れていくか、プライオリティーづけをどう考えるか、ということもあわせて次回議論いただきたいということです。 【木下委員】 例えば私たちがタッチしていい部分については、添付文書でナンバー1とか、ナンバー2とか、3つぐらい添付文書をつけていただく。我々のような一般人民から見ると、まるでお経の文句のようです。非常に暗い。これでは国民が読んでおもしろそうだという気にはならない。キャチフレーズを少し織り込んで、例えば、地球を守ってくれている海、生命の源といって、そこに生命の起源とか、生物のエネルギートランスファーみたいなものを織り込むとか、例えば海洋の下に眠っている資源の問題だってあるわけです。 【小池主査】 eメールアドレスと同時に、これのたたき台としてのもう少し魅力あるものを事務局から送っていただくことにします。 |
|
○閉会 | |
第3回海洋研究・基盤整備委員会を11月22日(木)午後2時から午後5時に開催することとし閉会した。 |