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科学技術・学術審議会

2001/12/3 議事録
第3回海洋利用委員会議事録



第3回海洋利用委員会議事録

1  日時 平成13年12月3日(月)9:30〜12:00
2  場所 経済産業省別館825号会議室
3  出席者 (委員会)
  吉田主査、
栗林、小林、近藤、田代、田中、橋口、堀  各委員

(事務局)
文部科学省: 大塚海洋地球課長、上野山課長補佐
外  務  省: 佐藤海洋室長
経済産業省: 本城鉱物資源課長、市原石油・天然ガス課課長補佐
国土交通省:

日当海洋室専門官、吉田海岸室海洋開発係長
  
4  議題
1    わが国の今後の海洋利用のあり方に関するアンケート調査結果
2    海洋利用委員会報告書の骨子について
3    海洋利用における重点化の方向性について
4    その他

5  会議経過
●資料の確認において、事務局が用意した資料3−5を資料3−5−1、吉田主査が当日用意した「海洋利用のための政策の重点化」を資料3−5−2、「今後の海洋政策立案と政策評価システムについて」を資料3−6とすることとなった。
○議題1
●橋口委員から資料3−3に沿って説明がなされた。

【吉田主査】    この委員会として、まず、この資料、ここでのご提案をどう扱うかということを少しご議論いただきたいと思います。それぞれの内容に関してのご意見はたくさんおありになるかと思いますが、それは次のテーマにいたします。その内容は、後から事務局からご紹介のある資料3−4とか、資料3−5−1にこれまでの事務局が調査された内容をまとめて出てきているわけです。そういうものとどうかかわりを持たせるかという点、姿勢のまとめが必要だと思います。
  私といたしましては、経団連という我が国を代表する経済団体の中の、また、海洋開発にかかわる私企業が加わって、今度加わっておられる海洋開発推進委員会において、これまで一般的な意味で十分議論をされてきた委員会だと私は理解しておりますけれども、そういうところがしておられるアンケートでございますので、私はこの提言の内容について、適切とこの海洋利用委員会で思われるものは、委員会報告の内容に取り上げるということが自然であろうと考えますが、いかがでございましょうか。

【小林委員】    その場合、これ、いただいたのをよく検討して、この部分は賛成である、この部分については問題があるのではないか、この部分についてはもう少し検討する必要があるのではないかということをきちんとはっきり区分けして、それで、おっしゃるように、取り入れるべきものは専門的な視点を通したものとして取り入れるという、そういう過程が必要ではないかと思います。

【吉田主査】    そういうことが必要だと思います。全部取り入れるということを申し上げているわけでは全くありません。

【小林委員】    わかりました。ということでしたら、委員長と同じ意見です。

【吉田主査】    いかがでございましょうか、基本的にそういう考え方でよろしゅうございましょうか。

【近藤委員】    内容が非常にバランスがとれた回答になっていると思います。利用に偏っていない、それなりに環境のことにも配慮した意見を多く含んで、かなり参考になる部分が多いと思います。

【吉田主査】    そうですね。ありがとうございます。それでは、最初に申し上げたような姿勢で扱わせていただくということにしたいと思います。
  それでは、内容につきまして、内容というのは個々の項目、区分でもいいですし、中の1つ1つのテーマあるいは政策といいましょうか、に関してご質問、あるいはコメントがおありになれば、今いただければいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

【小林委員】    大変多岐にわたっておりますので、全般について申し上げるのは少し時間が必要かと思いますが、1つ、ご説明を聞いていて非常に気になったのは、陸で嫌がられている廃棄物を海にというところがありました。これはなかなか問題があることだと思います。陸上で嫌がられている廃棄物は、自然の中で分解されない、長い間危険性が持続するもの、分解方法がまだ研究中であるもの、そういう類のものではないかと思います。核廃棄物も含めて。そういうものを海へというのは、海は広いですから、地球の7割ありますので、さらにそれを拡散させてしまう危険性があると思います。したがって、これに関しては安易にそういう言葉を使うべきではないと思います。陸から海へそれを移動するということは削っていただきたいと思います。大変危険で、まだわからない分野が多すぎるということ、この2点から、そう思います。

【橋口委員】    ちょっと言葉としては刺激的かもしれないですが、陸上のほうも大変な問題を抱えていて、ダイオキシン問題ですね、それが地下に染み込むかもしれないという心配が出てきている。

【小林委員】    当然染み込みますね、ごみの中で。

【橋口委員】    そうすると、この前のランドフィル島構想に対しては、小林委員は大賛成とおっしゃったのですが、あれも捨てるものによっては染み出してくる可能性があるわけです。だから、どうやったら陸も含めて、海も含めて安全なのかということを考えなければいけない。今は何でもかんでも廃棄物と言っていますが、皆さんすぐ家を捨てられますので、どんどん壊したら、それこそ行き場がありません。コンクリートはほんとうにもう捨て場がない。それから道のアスファルトは、それをまた再利用しようと思って相当な金をかけています。それから石炭灰、これはほとんど安全ですが、それの捨て場所も困る。廃棄物といっても、いろいろ種類があるわけです。それをどうやって管理していくかという問題です。

【小林委員】    今の橋口委員のご意見はちょっといろいろなものが混じっていると思います。少し整理して、聞くほうが聞き分ける必要があると思います。
  まず第1に、ランドフィル島は賛成というのは、基本的にはどうしても陸にはとり込めないものを海に埋め立てる必要もあるかもしれないということが1つ。それと、平面ではなくて、高く盛り上げて、森とか、丘とか、そういうことにするという発想は必要ではないかということ。この2点で私は賛成です。
  ただし、そこへ埋め立てるものについては、問題が残っていると思います。橋口委員のお話で、いわゆるガスがらですよね、昔の石炭のガスがらとか、コンクリートであるとか、アスファルトであるとか、そういったものは危険廃棄物ではないわけですね。私が申し上げているのは、例えば瀬戸内海の手島に放置されたような、そういった危険物のことを言っています。ですから、危険だからといって海へというのはまずいけない。
  それと、これは海洋の委員会だけではなくて、もっとほかの専門家との連携も必要だと思いますが、最終的に無毒化できない有毒物をどう管理するかということは大変緊急な問題だと思います。飲み水にもかかわるし、大気汚染にもかかわる。したがって、そういったものは安易に廃棄物としてくくらないという基本的な産業界のお考えには賛成です。それをどのように識別して管理するかということも、産業界も含めて一緒に考えていかなければいけないことだと思います。それは区別すべきことだと思います。

【吉田主査】    ありがとうございます。基本的な姿勢は、今、小林委員がおっしゃったのと同じことで、あまり違っていないと私は聞かせていただいております。

【小林委員】    そうだと思います。

【吉田主査】    具体的にどうするかというお話は、ここの段階のお話ではないと思います。

【栗林委員】    今とてもいいご議論があって、伺っていたのですけれども、これは経団連が行ったアンケート調査であって、ここに出てきている意見はそれぞれのご回答を要約したものであると思うので、我々が削除するとか、そういう問題ではないです。

【橋口委員】    そうです、中身も矛盾していますから。

【栗林委員】    これをもとにいろいろ議論するのはほんとうにいいことだと思います。

【田中委員】    経団連はこれをどのようにお使いになるのでしょうか。

【橋口主査】    我々としては、経団連としては、こういう答申が出るときは、それにいろいろ意見を述べさせていただくチャンスと考えています。どういう感じで答申がまとまるかはわからないのですが、次のステップとしては、答申がまとまったときにパブリックコメントでまとめられるということですから、次はその回かなと思っています。今回、委員の皆さんの意見を自由に入れてもらって、これから、この委員会で取捨選択していただくというステップかなと思っています。

【堀委員】    ある意味で、これからの海洋開発というのは産・官・学共同にという姿勢をどうしても取り入れなければならないという意味では、このご意見は大変包括的で、いろんなことを提言していらっしゃるので、私はいい主張で、取り上げていただきたいと思います。
  ただ、少し細かいというか、部分的な解釈ですけれども、漁業資源と海洋資源を真剣に捉えていらっしゃるということは大変すばらしい。真剣なこれからの人類の問題だと思います。しかし、まだ研究的にも、あるいはデータ的にも出ていないのですが、環境汚染ばかりではなく、捕鯨のモラトリアムの問題が、実は海洋漁業資源を非常にアンバランスにしている。漁業の減少はむしろそれではないかと言われております。そういった意味での全体的な研究体制を強化するという中にも、捕鯨の問題が日本はかなり悪者論議で主張もされていませんでした。実は科学的なデータを精査すればするほど、いわゆるモラトリアムにおけるアンバラスな捕鯨禁止は、そのような結果を招いております。ほんとうに人間が食べるものすべての6倍から7倍を海でということも含めまして、環境問題だけに絞らず、そういったあらゆる角度で海の研究という要素の中で、調査という研究の要素に踏み込んでいただけるとありがたいと思っております。

【吉田主査】    今の堀委員のお話の確認で、私は何かの新聞で見ただけなのですが、鯨が非常にたくさん繁殖し出していて、それがオキアミ等をたくさん捕食する。そのことが他の魚類等の生育に少しずつ悪いほうの影響を与えている可能性があるようなことを読んだことがあります。先ほどおっしゃったことはそういうことでございますか。

【堀委員】    そういうことでございます。環境問題というか、漁業のとり過ぎというものにばかり目が行かれています。これも1つの環境かもしれませんけれども、実は私どもは水産庁と共同研究としてイルカの捕食関係とエネルギー代謝をやりました。それを海流別にどのぐらいいるかということから、1日食べるデータ、1年食べるデータを全部積算しました。その海域で海獣類がどれぐらいそれを捕食するかというのを推定しますと、ほんとうに6倍から7倍、人類が大体1億トンですと、8億トンという、そういうデータが出つつあります。今、5年の研究調査の3年目でございます。モラトリアムも人間が考えた1つの規制であり、それが逆に海のアンバランスを引き起こしていることをもっと真剣に考えなければいけない。捕鯨では、鯨がかわいそうだ、非常に知的レベルとか高いとか言っていっておりますけれども、陸域でも、そういうことがあっても食する畜産があることを考えれば、やはり海の資源というものを総合的に冷静に判断する方向性も、今とても重要なところに来ていると思います。

【大塚課長】    この経団連の調査結果の今後の取り上げ方ですが、今、橋口委員は、次はパブリックコメントとおっしゃいましたが、パブリックコメントというのはもうかなり全体がまとまって、意見をそれにいただいてもなかなか難しい状況になっておりますので、せっかくここまでまとめていただいたのですから、橋口委員もこの委員会のメンバーでいらっしゃいますから、できるだけこれを反映させる方向で事務局としては作業したいと思っています。
  もし可能でございますければ、これは1つのアンケートでございますが、もう少し集約した形に整理していただけると、事務局としても取り入れやすいので、そうした作業をお願いしてもよろしいでしょうか。

【橋口委員】    今日までにまとめないといけないような感じでしたので、集約する時間がなかったのですが、いつまでに集約すればよろしいですか。

【大塚課長】    これから、今日、骨子を議論いただきまして、全体のこの委員会の報告書を文書化する作業に入ります。ですから、もちろんここで十分議論していただいて、事務局と並行して作業を進めるというのは可能ではないかと思います。最終的には、1月早々の委員会で全体の文書化されたこの委員会の報告書を審議する予定でございますので、そこに反映できれば一番いい格好に収まると思います。

【橋口委員】    1月早々ということになると、もう1回委員会を何とか開けます。大勢なものですから、場合によってはメールベースで皆さんの了解をとるような形で考えます。

【吉田主査】    それでは、よろしくお願いします。

【小林委員】    今のことに関連してですが、私は、これはたくさんの方がそれぞれの専門の分野からお答えいただいたアンケートだと思います。ということは、裏を返せば、それぞれの利益を代表して発言しているということもあると思います。したがって、そのアンケートの中でも大変矛盾していることが出てきたりしています。私は、この委員会としてとても大事なこととして、利益代表という形ではないものを皆さんに提言することが必要だと思います。方向性とか、経済性とか、利益とかということは脇へ置いておいて、私たちの社会として目指すべき方向性というのをテーマとして皆さんに提示すべきだと思っております。
  したがいまして、これを参考資料、あるいは、大塚課長のおっしゃったように、何か添付するのであるならば、これは経団連の意見であるということがわかる形でクリアな形の添付資料にしていただきたいと思います。そうしなければ、何かわからなくなってしまう部分が出てくるのではないかと大変懸念しております。
  今の廃棄物の問題もそうです。いい面と悪い面と両方あります。沿岸域の利用に関しましても、道路をつくる、海浜公園をつくる、整備するという、まだ箱もの的発想が出てきているものもかなりあります。
  私は、例えばアメリカでも、オーストラリアでも、ニュージーランドでもそうですけれども、沿岸域の保全というのは、公園をつくったり、接道をつくったりという箱ものではない形で保全されています。いかに自然の状況、ワイルドフラワーとか、ワイルドな生き物を壊さないで整備するかということに、大変な注意と技術力とお金と人間がそこに注ぎ込まれています。大変な費用がかかっていると思います。しかも、そこには箱ものはないのです。例えばシャワーがあったとしても、1本立っているだけで、できるだけ自然を壊さないという方向になっています。ワイルドフラワーの中にも入っちゃいけないという形で、道も最小限の整備です。
  そういうことで産業界そのものの方向性が従来の経済的なスタンスというのをそのままシフトしているアンケートは、大変懸念しています。

【吉田主査】    委員長として言わせてください、取扱のことに関連しておりますので。今のこのアンケート結果がもう少しまとめられたとして、これを1つのまとまりとして我々の報告の添付書類にするという可能性はごくわずかにあるかもしれませんが、ほとんどないのではないか。それよりも、多分これを扱っておられる経団連のご関係の方々のお考えは、私の推測ですけれども、これを何とか切り刻んでもいいから、生かすべきものをこの報告書の中に生かしたいと、そういうお考えであって、これを丸ごととか、そういうお考えではないと推測しますが、いかがでしょう。

【小林委員】    私の説明といいますか、言い方がちょっと不十分だったと思いますが、これをそのまま添付ファイルとしてつけるという意味ではありません。報告書に出すのではなくて、私たちが検討する資料として事務局でおつくりいただく場合です。たくさんの資料の中に、これは経団連からのアンケートからとったものですというのを明記していただきたいのです。

【吉田主査】    わかりました、それは、ある段階まではそうされると思います、ソースの問題ですから。ただし、最後の段階に、最後までそれを引きずることは、多分変なことになりますから、それはなしでいいわけです。出すか出さないかを合意すればいいわけですから。それでよろしいですか。

【小林委員】    おっしゃるとおりです。そういうことです。

【吉田主査】    そういうプロセスを経るであろうと私は想像します。

【橋口委員】    これはもうみんなの意見をそのまま書いていますので、今ちょっと箱ものとおっしゃいましたが、反対の意見も書いてあります。白砂青松を取り戻すとかです。

【小林委員】    全く矛盾しますものね。

【吉田主査】    おっしゃるとおりだと思います。先ほど大塚課長がおっしゃっているように、事務局でのまとめ的な仕事が今から進行するわけですが、それと並行して、これをもう少しまとめていただいて、明らかに矛盾している面については、仮にそれの優劣を内部でご検討いただいて、ご提案いただいく。それがこの委員会の採用になるかどうかはまた別の問題ですけれども、とりあえずそういうお仕事と並行していただけるといいのではないかと思います。

【堀委員】    言葉の使い方で、ちょっと私、海洋と沿岸という中に、沿岸は海岸も包括していると解釈するのですか。
海上の問題であって、海岸も、沿岸域というのも非常に重要で、その辺が少し混同されて使われていると思います。

【吉田主査】    なるほど、そうですか。

【堀委員】    それで、海岸も非常に重要なものなので、沿岸という言葉の中に包括されているかどうかを確認したかったのですが。

【吉田主査】    それは今後意見をおまとめいただく上で姿勢をはっきりしていただければいいのではないでしょうか。海岸なのか、沿岸なのか、近海なのか。

【小林委員】    ウォーターフロントなのか、あるいは、潮が満ち引きする部分なのかということですね。
○議題2
●事務局から資料3−4に沿って説明がなされた。

【吉田主査】    今日の審議の資料で、次は資料3−5−1となっていて、4章の4.1以下についての具体的な内容の第1次的な提案が載っております。後ほどご説明いただいて審議させていただく予定でおりますが、順番が1つ逆になりますが、資料3−5−2の資料を続けて、説明をさせていただきます。
  この資料3−5−2は、今、大塚課長がご紹介いただいた4章の内身ですが、4章の中身がもともと、先ほどもお話があったように、それから、先ほどの橋口委員のアンケートにも反映されていたように、最初、資源エネルギーのところが1つになっていました。循環型社会を考えた資源エネルギーの開発というタイトルがついているのですが、それはどこから入ってきたかというと、国民に受け入れやすいということから出てきた発想だったと思っております。それはそれ以降の持続可能な海洋生物資源という形容詞にも反映されておりますし、多機能で調和のとれたという沿岸空間利用にも反映され、安全で効率的な海上輸送にも反映されております。すべてそういう形容詞あるいは形容詞句がついた表現になっておりますけれども、こういうまとめ方をいたしますと、資源エネルギーのところで明らかに何となく違和感のある内容が入り込まざるを得なくなる。先ほどの経団連のアンケートでも、矛盾するのではないかというご指摘が載っていたかと思います。これは個人の考えですが、海洋は社会のインフラとして既に存在しているわけですから、将来的な目標のためだけに存在しているわけではなくて、資源エネルギーの開発も必然だと思います。それから、水産資源にしてもそうで、持続可能なだけが目標ではない。生物資源という書き方ですから、マリンバイオとか、微生物の還元とか、深海とか、そういう話になっていったときには、水産という現状の言葉だけではくくりにくい考え方があるはずで、それをとり込めるようなものでないと、社会に出したときに、失望感なり、あるいは反発なりを招く可能性が高いのではないか。私はそういう恐れを少し感じましたので、特に利用という分野が一番難しいところだと思います。海洋保全委員会、海洋研究・基盤整備委員会は割合ストレートにいくと思うのですが、海洋利用委員会は現状も含み、近未来も含み、遠い未来も考えるというような、非常に複層的な、複眼的な視野の要る分野ではないかと私は理解しております。
  それが前置きでございまして、形容詞をつけない5つの大きな分野に大ぐくりに分けました。
例えば1番、海洋海洋エネルギー・鉱物資源の利用には循環型社会に適合するという形容詞はつけないとします。そして、中は、1−1は、国民生活の基盤としての海洋エネルギー・鉱物資源の確保。これは、我が国が資源がない国であるということから、従前から関係者の方々の非常に貴重な努力がされてきて、今のある種のバランスができているわけですけれども、このバランスが今の時代の変化とともに狂っていく、変わっていく可能性があるわけで、そういう中でどうしていくのかということはもうまさに国策であり、その国策は海洋と大きく結びついているはずです、一部のところは、海底資源等は、そういうことを含む。
  それから2番目は、新しいエネルギー、必ずしも循環型とは言いにくいものでも、新しいものはここへ入れる。それから、極めて明確に循環型の海洋エネルギー・鉱物資源の開発利用。これは将来的にはこの1−3の部分がどんどんと重みを持っていくものかと思うのですけれども、現在それだけを目標にまとめることは、私は不適切だと考えて、先ほどこの3−4の段階でも一部変更することをご提案して、循環型でない基盤型のものということをお話ししたのですが、それをある意味で具体的な表現にしたものが1です。
  それから、2は、先ほども申しましたが、食生活における日本の魚食民族としての基本蛋白源の確保という問題があります。先ほどの鯨の問題もちょっとこれに関係があるかなという気もいたします。それから、持続可能な水産システムという話があり、それから、必ずしも水産というくくりではくくれないような、そういう新しい生物資源という話が、今、少しずつ出ているのではないか。これから10年ということを考えるならば、これは大事な分野になるであろう、それが2−3の部分です。
  海洋空間の利用につきましては、3−1で先ほどからの沿岸というお話がまさに非常に重要です。社会として空間利用という意味では現時点ではほとんど沿岸です。そういう意味で、この沿岸ですが、それは環境の改善とやはり非常に密に結びついているという意味で、そのための技術開発と事業促進、この辺は海洋保全委員会と十分な打ち合わせというか、お話し合いが要る、どちらで主に書くかというようなことが要る部分かとは思います。仮に書いてあるだけだということで、あまりかたくななことを思っているわけでは全くありません。それから、3−2は、海洋空間利用の新しいものの創出という。3−3は、沖合空間の複合的な利用による、これはEEZを意識したのが3−3でございます。
  4の海上輸送、先ほどは、これも安全で効率的なとあるのですが、その安全と効率というのは必ずしも一緒になる言葉ではなくて、高効率で低環境負荷という船舶の開発が望まれているんだと思います、船舶運行に関連して。それが4−1です。
  それから、沿海・近海の海上輸送に低負荷輸送システム、これは先ほどの経団連のお話にもあったかと思うのですが、モーダルシフトという言葉に対応するような、これはシステムになると思いますので、4−2にあげました。それから安全が4−3です。
  5の海洋リクリエーション・教育ということでは、国民のリクリエーション、健康増進のための沿岸利用空間の拡大と整備というのが最も重要な話ではないかというので、5−1としてあります。それから、一般的な意味で、海洋教育が高校教育等で非常になおざりになっているという認識が一般に強いと思うのですが、それを2にして、それから、もうちょっと啓蒙運動的な3にすると、一般的なものです。
  こんなふうにして1つの大ぐくりが1番左の列で、真中が中ぐくりであって、そして右の3つは、ここへ各項が入ってくるのですが、後でご説明がございますように、その各項にはある意味で重点化がされていて、短期的に取り組む政策、中・長期、それから継続的と、こういう3つのカテゴライズが後のご提案には出てきますが、それを入れた、結構フレームワークになります。フレームワークだけですけれども、そういう一種のご提案、軽いご提案と受け取っていただければいいです。あるいは、話題の種にしていただければと思ったものでございます。これを3−4の4章の組み立ての代案とさせていただきたいと思います。

【橋口委員】    例えばメタンハイドレートを扱うという立場から言ったらエネルギーになるのですけれども、ものとしては鉱物資源になるわけですね。ですから、この海洋エネルギーと言った場合に、そういう鉱物資源も含めたやつをエネルギーということで一緒にされたのか。

【吉田主査】    ここで「・」でアンドみたいにしているのは、今橋口委員のおっしゃったことを含んでいます。区別がしにくい、エネルギー資源、メタンハイドレートは、これは田中委員がご専門ですから、お聞きするといいですが、エネルギー資源ということもありますし、ここでは一応「・」を入れましたけれども、田中委員、いかがでございますか、今のメタンハイドレートの呼称は。

【田中委員】    それは、まあ、海洋鉱物資源のほうに入ると思うのですが、海洋エネルギーというのは、先ほど出てきました風力とか、波力とか、いろいろ問題はあると思いますが、そういったものだろうと思います。

【吉田主査】    そうすると、メタンハイドレートは明らかに鉱物資源だというくくりですね。

【田中委員】    ええ、鉱物資源のほうがいいと思います。

【吉田主査】    それが普通の考え方でございますか。

【田中委員】    そうだと思います。というより、考え方が全然違うわけですよね、海の上と海の中のものと、海底下のものと。

【吉田主査】    地下資源ですよね。

【田中委員】    考え方が全然違いますので、それを一緒にするのは何かいろいろ誤解が発生する可能性もあるかと思います。

【吉田主査】    なるほどね。

【橋口委員】    それも分けるのであれば分けたほうがわかりやすいのかなという感じもします。エネルギーと海洋エネルギーというのも。海洋も含めたものは海洋エネルギーで、資源となると別のものではないでしょうか。

【吉田主査】    それ、もうちょっと細かく、もし分けるとすれば、少し細かくなっていくということですか。

【橋口委員】    文部科学省の原案のように分けたほうがいいのかもしれないですね。

【吉田主査】    なるほどね。

【橋口委員】    もう1つ、先ほどの循環の話があったのですが、もし分けるとしたら、海洋エネルギーという名前は非常にいいのですけれども、何か難しくて、経済性にほんとうに合うものができるかというのは非常に難しいというのがあって、鉱物資源についても、メタンハイドレートはほんとうに安全にとれるか、経済的にとれるかという非常に難しい問題を含んでいる。そうすると、あまり1番に来るのは、1番難しくて可能性が少ないかもしれないのが一番に来るなと思います。2番の海洋生物というのを、まず食料問題を1であげたらどうでしょうか。

【小林委員】    形容詞、美辞麗句でくくるというのをやめたという発想には賛成です。具体的な中身の問題として各項目があげられているというのはとてもいいと思うんですね。確かにいい方向にみんなは考えたいという基本ではあるのですが、美辞麗句でくくられてしまうと、何でもそれにからめとられてしまうというところがあるので、それがないストレートな表現の仕方というのは大変大事だと思っています。それが1つ。
  それと、この4項が具体的な提言なので、中身がある部分になると思っておりますが、これ、大体お金になるかならないかという発想で順番が並べられているような気がちょっといたしまして、そういうことが今の社会の調和を乱してきたのではないかと私は考えているものなのです。確かに経済性も大事ですが、そのもとは、つまり市民1人1人がいかに快適な生活を送れるかということの追求がさまざまな形で発展していると思います。したがいまして、私は、1人1人が快適性を求められる位置づけというのがまず第1にあって、その上に食料もエネルギーもいろんなものも出てくるのではないかと思うのです。発想を転換していかないと、ほんとうにこれから私たちが生き残っていける経済も構築できないし、工業も構築できないと思います。したがいまして、今まで余計なことのような、住民エゴというような言葉で表現されてしまうような、国民のリクリエーションを、ほんとうはそれが中心なんだと、国民、市民1人1人の快適性、それは海を見て気持ちよくなるということもとても大事なこと。そういう豊かさの上に立って、それでは、10匹とった魚のうちおいしいのを1匹だけとって9匹を捨てているというような今の漁業の実情があるのですが、お魚をたくさんとったときに、お金になりそうなのだけとって、制限があるものですから、そういうのではない、ほんとうの豊かさという上に立って海の利用というのがなければいけないと思うのです。
  したがって、私は、5番に来ている海洋リクリエーション・教育ということを、もう少し違う言葉を皆さんで考えられればいいなと思うのですが、そういう市民生活の快適性、豊かさ、保障というのでしょうか、そことピタッと結びついた上でさまざまなものが生まれ得るというようにしていただけると、非常に私としてはぴったりと収まりがいいように思います。

【吉田主査】    今の小林委員のお話は、非常に難しい点を含んだご意見だというふうに思います。難しいというのは困難という意味ではなくて、根源的な価値観にかかわっているお話だと思うという意味です。資源、エネルギーあるいは食料、これは生きることに欠かせないという意味で今まであがってきていると思います。

【小林委員】    だれが生きるのか。

【吉田主査】    その生きることに欠かせないということを最優先と考えるか、あるいは、人間が生きているという、その生きていくものというのは生きる価値のあるものだから必然的に必要になるという考え方かどうかというようなところにかかわっているのか、個人的に勝手なことを申し上げて恐縮なんですけれども。

【橋口委員】    最近の水産の方が書かれているやつは、もうほんとうに危機意識があります。どんどん魚が減っているし、水産業者は、もう今みんな、輸入業者なのです。日本で魚がとれないし、とらない。そういうことでどんどん自給率が減っている。このままでどこまで行くのですかという危機感があります。これでストップされたらお終いじゃないか。エネルギーもそうですね。そういうような、経済観とは別に、儲けよう、儲けようと考えているわけではなく、危機感があるわけです。日本の経済の危機感と、やっぱり食料が、その次はエネルギーの危機感です。

【吉田主査】    今のご意見ではどちらなのかわかりにくいのですけれども、この順番の話はそのことにからんでいるとおっしゃったのは、私もそのように思います。

【小林委員】    それはよろしいのですが、何のためにエネルギーが必要か、何のために魚をとるのか、何のために海上輸送が必要なのか、何のためにモーダルシフトをするのかといったら、例えば船会社のためにモーダルシフトするわけではないのです。それで、そういう上に乗って船会社が繁栄することはもちろんそれは大賛成です。ですから、目的と手段が逆になってきたような、また、今までの何十年間というのは、息せき切ってそうしなければならないような危機感みたいなものが確かにあったと思います。息せき切っていろんな工業とか、経済とか、いろんなものをやらなければいけないという強迫観念みたいなものがあったと思うのです。ただ、今一段落したところで、やっぱり何のために海を保全するのか、何のためにエネルギーが要るのかという基本から発想しないと、海と人間がうまく共存して調和して生きていくということができないのではないかと思います。決して産業が悪いと言っているわけではありません。

【橋口委員】    こちらから言うと、非常に産業を色めがねで見られているような感じがするとおもいますが、産業というのは、人間が必要だから産業が起こるわけです。それは、今、だれも海運業者のために海上輸送を合理化しようなんて考えていないです。国民を豊かにするためにやるわけです。何かエネルギーといったら、今もう80%、石油としたら99%輸しているわけです。それを、今、ヨーロッパは真剣に石油をやめるにはどうしたらいいか、国民的議論をやっているわけです。日本は何もそれを議論がない、それは非常にのんきな国民であるという感じが。風力発電も、ヨーロッパに行ったら、スペインやらドイツやら、モロッコとかその辺まであります。

【小林委員】    ええ、北欧もたくさんあります。

【橋口委員】    だから、そこまでエネルギー問題というのは真剣に考えている。もちろん環境も守りながら、それイコール環境なんでね。そのために循環型というのが最初入ったのです。

【堀委員】    あのですね、私、最初の骨子が、「はじめに」から「海洋は人類の生存基盤であり、様々な形で恩恵をこうむってきた」、こういう言葉がついて表現してございますので、利用の重点化においては、今のような形でよろしいのではないかと思います。もちろん人間が大事であるからこそ、人類と地球との関係、共生という意識の中でこれからどう利用しようかということは最初にバシッとうたわれておりますので、それに対して重点的に経済利用もいろいろなあれもというのが今度は項目的に書いてございますから、あまり国民の豊かな心の時代を反映するようなことばかりを強調しても、だって、生きていかなきゃならないんだという1つの絶対的な条件がありますから、私はよろしいと思います、こういう順番で。

【吉田主査】    ありがとうございます。

【小林委員】    政策の重点というのはどこにあるかという認識は、多分皆さんの中には、きちんと1人1人の人間だということはおありだと思います。ただ、それを意識の底にはあっても、表面まで持ち出してこないために起きているいろんな矛盾があると思います。したがって、確かに政策というのは1人1人の市民に対応するためにあるんだという認識を、大きな声で言うというとおかしいですけれども、表面に出すことが非常に重要だと思います。

【吉田主査】    別の面からのご意見等、ございませんでしょうか。

【田代委員】    重点化の方向性という、これはもう皆さんご同意をいただいた方向性の中でいろいろ問題が整理されていると思いますが、ここであげられています整理の項目、これはもう非常に的を得たまとめ方だということで全く異論はございません。これは個々に見てまいりますと、1番最初のエネルギー利用のところは別にしましても、2点目のところ、4−2のところ、海洋資源の利用、ここでも技術開発というところを非常に重点的に取り上げられてありまして、それから、3番目のところにいきましても、これは材料の開発という、これもいうなれば広い意味での技術開発という、こういう分野が強調されている。
  それから、その次の多機能にわたる、このところでも最終的なしめくくりは技術開発を重点的に進めましょうという考え方です。その次の5番目のところでも、ここは技術開発に重点的に取り組んでいくという。その後の近未来の海洋利用のところも、これは技術開発ということを挑戦的に取り上げながら、ひいては経済活動あるいは人材育成という、この中に全体の基調として一番大きな柱に技術開発という、この辺のところが盛られているのではないかと思います。
  これは否定するものではありませんが、この技術開発という面を強調する一方では、これを支える人材育成という、人材という面を全体の流れの1つの大きな柱に置きながら、やっぱり技術と人材という、これは不可分の問題だろうと思います。
  最後のところに、国民の理解を深める、国民に対する啓蒙とか、青少年の育成教育とか、この辺は大きな背景としてもちろん必要なことでございますけれども、技術開発と人材という面から見ますと、これは何も海洋利用委員会だけではなく、ほかの委員会共通した問題だと思いますが、特に利用という面から見ますと、専門的な技術というところがどうしても必要であるし、一番強調しなきゃいけない点であろうと思います。
  最近の大きな日本の流れとしますと、こういう専門家、スペシャリスト、個別の国益につながるような技術開発、それを支えるような人材が非常におろそかとは言いませんが、力としては弱くなってきておりますし、これが将来非常に懸念される問題の1つだろうと思うわけでございます。
  したがって、ここ全体の流れている技術開発と人の問題というのをリンクさせながら整理いただければという思いでございます。

【吉田主査】    大塚課長、今の田代委員のご指摘は、先日の運営委員会の議論、全体にかかわる、そこでの国際とか教育という、こういう共通的な話題をどう扱っていくかという切り分けのお話がこの間も出たと思うのですが、その点から何かコメントいただけますか。

【大塚課長】    先週、第1回目の運営委員会を開催いたしまして、幾つか共通的な問題というのをピックアップいたしました。たしか4つあったうちの1つが人材育成ということでございまして、それは研究開発の委員会でも、保全のほうでも、あるいは、ここでも、海洋にかかわる人たちを育成するための、子供のときから、大学あるいはそれ以降も含めて人材育成というのは非常に重要であるというのは一致した意見でございました。
  例えば1例を挙げますと、日本で今、海洋学部というのがあるのが、東海大学だけです。学科というのを含めてもあと1校しかなくて、海洋というのを総合的に育成するという大学の組織というのは極めて限られているということとか、非常に人材育成というのが1つの議論になりまして、ですから、全体の報告書の中でも人材育成というのが1つ強調すべきところに入れようと思っているところでございます。

【吉田主査】    ありがとうございました。

【大塚課長】    すいません、先ほどの順番の話で、橋口委員から2の海洋生物資源というのを最初に持ってくるという意見があったのですが、そこはどういたしましょうか。2と1をひっくり返すということ。

【吉田主査】    まだその議論は詰まっておりませんですね。ご提案があっただけになっております。この項目を締めくくるときに決めさせていただこうと思います。

【大塚委員】    はい、わかりました。

【吉田主査】    教育の問題は、そういう意味で全体として非常に重視されています。田代委員のおっしゃるとおり、私どもも、もうほんとうにこの海に関する日本の青少年の関心のある意味での全体としての低さは目を覆うところがあるように思います。
  ある高校の先生と進学にからんでなぜだろうということをお話し合いしたことがあるのですが、そういうときに、先ほどここで議論されているような、国民1人1人が接する海というものが少なくなり過ぎた、小さいときからですね。それから、その接し得る海が美しいとか、価値があるということを子供が直観で感じられる、そういう海でなくなったように思うとその高校の先生はおっしゃったのですが、私もほんとうに、そう言われてみると、私の子供のころと今とは違ったなという感じがするものですから、先ほど来からの議論も、みんなかかわって、望ましくない方向に向いている面もある。そんなまり決めつけた言い方は適切じゃないでしょうけど、何かそんな気がするところもあります。
  何が言いたいかというと、教育の問題は委員会全体として関心の高い事項になっていまして、特に海洋研究・基盤整備委員会が主として扱っていくということに一応そこではなったように記憶しております。全部がイーブンで取り上げるのではなくて。それぞれが取り上げるのですが、最終的にはまとめの大綱については基盤という問題として扱われるというふうに理解させていただいています。

【田中委員】    この5つか6つの項目ですけれども、これは海洋開発という1つの枠の中でやるわけですので、お互いの関連性といいましょうか、それが必要だろうと思います。平面的なマトリックスじゃなしに、2次元、3次元のマトリックスになっていくのだろうと思います。

【吉田主査】    そのことがさっきから議論になっている順番の問題にからんでいるのかなと思っていまして。

【田中委員】    先ほど田代さんが言われましたように、技術開発が重点的に置かれていると。ただ、その技術開発を行う場合に、どういうことを念頭に置いて技術開発をしなきゃいけないか、その方向がここに明記される必要があるのではないかと思います。今急に考えているものですから、煮詰まっていませんが、方向性としてはやはり環境を保護する方向と、それからやはり漁業を増やす方向に行くのだろうと思います。
  石油のほうでも、例えばプラットホームだとか、いろんな海洋施設を置きますけれども、以前はそれだけ置くということで技術開発してきたわけですけれども、最近はそれが漁礁としての効果を持っているかどうかとか、それから、周りに影響を及ぼすとしても、それがどのように影響を緩和できるかと、そういったところまで考慮して設計するようになってきていると思います。だから、そういうことによって漁業との共存を図っていくし、それによって要するに無駄なお金というと語弊がありますけれども、コストを下げて、そういう方向に行くんだろうと思うんです。何かそういったことで何かあれば。
  それから、もう1件、その海賊の問題は、果たしてここで取り上げる問題なのかなという気がします。この安全性の確保。

【吉田主査】    ここで書いてありますが。

【田中委員】    それは要するに、対処的な手法はここで取り上げられるかもしれませんけれども、根本的なその発生の問題を解決しなければ解決しないわけですね。ですから、短期的な対処方法は書くとしても、もっと長期的に根本的に解決策をどこかでやってくださいというのははっきり書く必要があるかなという気はします。

【吉田主査】    なるほどね。

【大塚課長】    海賊の問題をどこで議論するかというときに、若干いろいろ議論がございまして、一番海賊行為というのに被害を被るのがこの利用という面であるので、やはり3つの委員会に分けるときには、この利用の委員会で議論していただくのが一番いいだろうということで栗林先生にも入っていただきまして、ここで議論するということにいたしました。ですから、ここから出てしまうのは困るのですけれども、ただ、形容詞は5つの柱から落す方向になったと理解しているのですけれども、外に向ってメッセージを発するときに、安全というのは、海上輸送の安全性というのは1つの重要なメッセージではないかと考えてこういう柱立てにしているところでございます。

【田中委員】    だけど、戦略的といいますか、もっと広い視野のものが必要だというのはどこかに書いておいていただかないと。

【吉田主査】    運営委員会では、これは国際問題であって、この海上輸送にかかわるところで被害が出れば、当然それだけでとどまる問題ではないわけですから、国の資源輸送、製品輸送にもかかわる話ですので、それがひょっとしてロンボク回りになれば、かなりのエネルギーのロスになることも見え見えのことですから。

【栗林委員】    これ、前もって配布されたものを読ませていただいた中で、総合的な海洋の管理ということを非常に大きな柱として置かれているところに共鳴を覚えましたけれども、これから議論があるのかもしれませんが、重点化の方向性という個別、具体的な問題になってくると、総合的海洋管理というものをどうしたらいいのかということがあまり見えてこないところがあるという、今、田中先生の言われた点に私は賛成ですね。
  今日お配りされた3−6の資料で、今後の海洋政策立案と政策評価のシステムについてという文書がありますけれども、これはどういう私案だか、どなたの私案だかわからないのですけれども、ここでは相当管理ということを言っていらっしゃるし、それから、そういった総合的判断を可能にするシステムの必要性、システムの提案ということに踏み込んでいるんですね、これは。ですから、これについて何かご説明をいただきたいなという感じがするんです。そういう意味で、この案を後でご説明なるのか知りませんけど、今やってしまったほうが、全体として議論しやすいのかなという感じがします。
  それから、海賊の問題というのは、やはり海の管理ということとかかわっていると思います。船舶航行にとって、あるいは空もそうですけれども、航行の安全性というのは至上命題になってくるわけで、そういう意味で日本よりも国際的な問題、航行面ではやっぱりそういう海上バイオレンスというものに対して航行の安全を確保するということは重要だと思いますね、どこかで取り上げていただきたいなという感じはします。
  それから、最後に、先ほど小林委員からもお話があって、また、橋口委員からもご議論があった中で、この文書の中で全部見ていますと、空間という言葉が非常によく使われるんですけれども、それがどういう空間なのかということについてあまり議論がされてなかったように思います。我々の反省としては、どちらかというと、空間というのはものをとり、そこの上を利用するという、そういう考え方があって、いわば対象として見がちだったという感じはしています。しかし、だんだん陸だけが我々の生活空間なのではなくて、我々個人が海についてまでも生活していくんだと、その範囲が徐々に広がってきている、200カイリがだんだん生活空間の中に取り込まれつつあるということを考えると、もう私は海というものを生活空間としてとらえ直す、1人1人の国民の主題だと。それをとりあえず1人1人の国民が船を走らせるわけにいきませんから、それを経済界の人にやってもらっていると。そういう形でやはり生活空間というコンセプトを取り入れると、主体がだれかということがはっきりしてきます。ですから、少し前向きな議論ができるのかなという気がします。これは私の私見ですけれども、述べさせていただきました。

【吉田主査】    ありがとうございました。今のご議論が中途半端なままでちょっと話題をシフトさせていただいて恐縮なのですが、先ほど来から宿題になっていることは、この大くくりと言っているような分類法の順番、これをどうするかのかというお話が残っていたと思います。生物資源のほうを先にすべきという具体的なご意見もあり、それから、もう少し漠然と国民の海という観点を強めるべきであるという、漠然とという言い方は失礼ですが、ご提案もあったと理解させていただきますが、とりあえずこの順番を変えることは技術的にはかなり後になっても不可能ではないように思いますので、今日ここでこの議論をすると、かなり深い議論にならざるを得ないと私は感じます。そこで、ここしばらくはこういう今まで来た順番、これでもいいというご指南もあったわけですが、そういう考え方でいかがかということを提案させていただきたいのですが、よろしゅうございましょうか。    

【小林委員】    ええ、つまり順番が重要性を意味しているわけではありませんがという事務局からご説明がありましたとおり、順番が重要性を示しているものではないという理解の上でお進めいただけることには賛成です。ただし、今ご指摘がありました3−6の、例えば総合的な海洋の管理の必要性というふうになった場合、だれが、何のために、どういう管理をするかという主体をはっきりさせるという、主語をはっきりさせるために、やはり順番というのをきちんと念頭に置きながら、別の、それを直接議論するのではなくて、議論を進めていく必要はあると思うんです。そうでないと、今までのような旧来型の管理のための管理ということになってしまいますと、せっかく海へ出ようと思っても、管理でまた出られないという逆戻りの現象が出てきてしまうと思います。そこの1点だけでございます。

【橋口委員】    形容詞を、枕詞をなくしますということですが、私は海洋エネルギーというのは資源と分けて、これは再生可能型とか、循環型とかいうのを海洋エネルギーと、これを1つ強調すべきじゃないか。
  それから、海洋生物のやつは持続可能な海洋生物資源の利用と、持続可能をここに強調すべきではないかと思います。

【吉田主査】    それは、今、橋口委員のおっしゃることは、一番大きなくくり、まずエネルギーと鉱物資源については分けるべきだというのが1つのご提案で、それからもう1つのご提案は、それらにやはり形容詞はつけるべきだというご提案ですね。

【小林委員】    例えば鉱物資源と言っても、石油も地中にあるときは鉱物資源ですよね。しかし、エネルギーになるわけですよね。

【橋口委員】    エネルギーはエネルギーで分けるわけです。ここは再生可能エネルギーだけに限定するということです。

【小林委員】    でも、循環可能とか、持続可能というのは、具体的な2項目の説明の中で入っているというのが1つありますよね。つまり、一番初めのタイトルで持ってくるか、次の各項目の説明に持ってくるかということになるのでしょう。

【橋口委員】    第1項目の大前提、もっと前に出していい言葉で、環境という言葉もそうだし、エネルギー資源もそうなんですが、やっぱりその上持続可能にサステナブルという、この委員会の一番最初に議論をやったように、やっぱりサステナブルとか、循環型とか、再生可能、そういうのがあったほうが訴えるんじゃないかという気がするんです。

【吉田主査】    今のようなご意見、いかがでございましょうか。ただ、それで全部をくくることはできませんね。

【橋口委員】    私の私案は、1番を持続可能な生物資源の利用ということにして、2番を循環型というか、あるいは、再生可能でもいいのですが、再生可能な海洋エネルギーとして、3番目を鉱物資源の利用ということにすれば、はっきり分かれるかなと思います。

【小林委員】    それは、例えば海洋利用というのを基本的に循環型であり、持続可能なものであるということをどこかに書き込むことによって、1つ1つを限定しないで可能になるのではないでしょうか。

【橋口委員】    再生型というのはもう決まるんですね、何かというのは。もう基本的には太陽なのね、そこでもう定義されるんです、再生可能と言っただけで。

【小林委員】    そういう、つまり持続、循環、再生利用、そういう形で新しく海と向き合うということがこれからの海洋利用の基本だということをきちんと基本スタンスとして入れることによって、それぞれのところにそういう制限する形容詞をつける必要はなくなるのではないでしょうか。

【橋口委員】    そうではなくて、石油とか天然ガスとかいうのは、これはもうどうやっても再生可能にならないのです。

【近藤主査】    今言われたことは、順番をどうするかということと同じぐらい大事なことだと思います。きちっと形容詞をつけることによって我々の主張が文面の表にあらわれてくるわけですから、場合によっては目次にあらわれてくるわけですから、それがある意味で我々の今回の新しい主張としてはっきりこれまでのレポートとは変わったものになっていくんだから、私は橋口委員の意見に賛成です。言葉はもう少し詰めなきゃいけないと思いますけれども、ぜひそういう方向で進めていただけるとありがたいなと思っております。
  それから、もう1つ、いろいろ順番のことに関連して言いますと、これから、次の資料の中で議論が出てくると思いますけれども、重点化の方策の内容を具体的に詰めていくことになりますと、そのときにやはり利用間コンフリクト、あるいは、環境・生活とのコンスリクト、こういったところに技術開発の課題がそれなりにテーマとして上がってくるということがやっぱり今回の総合的海洋管理ということの一番大事なところだと思うわけです。ですから、その議論の大きさによって1つ順番を考慮するというような方法もあるのではないか。そうなるとこの順番ですということはちょっと私、今言いきれませんけれども。そういったことで、田中先生のこととか、栗林の先生のことも、大体同じような趣旨じゃないかと思います。

【吉田主査】    それでは、順番を変えるか、そして、形容詞をつけるようにするかどうかについては、今日、時間が後で残れば続けさせていただいて、一応今のこの段階ではペンディング、そういうご議論があったということをはっきりテイクノートしていくということで、今はそれを、じゃあ、どういう順番するか、どういう形容詞をつけるのが適当かという議論は、ちょっとここで中座させていただきたい。今日、終わりのほうで時間が出てきたらさせていただく、それから、もし時間がないならば、継続提議ということにさせていただいてもよろしいでしょうか。

【小林委員】    異議ありません。

【吉田主査】    ちょっと時間が足りなくなりつつあってまことに申しわけないのですけれども。司会のまずさによりますが。

【田中委員】    ちょっと、これ、5つにするのか、6つにするのかというのも非常に大きな問題だと思いますが、それもペンディングということで進めていただけますか。

【吉田主査】    ああ、5つというのはこんなようなことで、この3−5−2。それから、6つというのはエネルギーと鉱物資源を分けるという、そこですよね。

【田中委員】    はい。

【吉田主査】    そうですね、これはいかがでございましょうか。

【田中委員】    これもペンディングでいいと思います。

【吉田主査】    これもペンディングで、とりあえずよろしいでしょうか。

【田中委員】    要するに残っている資料を見ないと、考えが決まらないかもしれませんので。

【吉田主査】    一応今の段階で、それも含めてペンディングということにさせていただきます。
○議題3
●事務局から資料3−5−1に沿って説明がなされた。

【橋口委員】    まとめ方としては吉田先生のこういうふうにまとめたほうがわかりやすいような感じがしますけど、長期、中期、また、中・長期を問わずなど、下手をするとどんどん増長になってきますから、この表ぐらいで、この、長期にするか、短期にするか、そのあたりは表でまとめたほうが簡単じゃないでしょうか。

【吉田主査】    表現法でございますね、今のお話は。分けることそのものはあまり変わってないと思っておりまして、表現、書き方だけかと、どこかに表をつくるかどうかというような話だと思います。ほかにいかがでございましょう。

【近藤委員】    例えば、1番から6つここでは分けられているわけですけれども、それぞれの利用のやり方が、ある場所、ある時期、それが重なった場合にここで調整が必要になってくるわけですね。要するに、両方とも比較的短期に取り組むべき課題であると。しかも、それは場所がかなりのところをラップするところが大きい、空間的に。そういうところについては、もちろん施策的解決ということも最後に出てくるのですけれども、技術開発課題としてここにあげておくようなものが必要ではないでしょうか。

【吉田主査】    必要なんでしょうね。

【近藤委員】    そういったことが明らかになるような整理の表ですか。

【吉田主査】    その整理の仕方があって、それで、ダブっているとか、コンフリクトだとか、そういうことがある程度わかりやすく、委員が認識できるような何か。

【近藤委員】    読んでくれる人が認識できるような、そういったまとめ方が必要な気がします。そうしないと、例えば沿岸域で近々やることと、それから、沖合で将来やることを、お互いに問題が出てくるという変な議論になってしまわないか。

【吉田主査】    それはあり得ることであって、そういう意味では非常に重要なことですね。別々にあげたのはいいけど、実はそれはかなりリンクしているテーマであって、それが別の方向を向いていたら話にならないということになりますよね。それは、ここへ書く以上、内容を検討し、そうでないように調整が要るということでございましょうね。

【近藤委員】    ですから、この表現では、時間的なことについてはある程度意識して書かれているけれども、場所、場所というのはおそらく沿岸からの距離と考えるのがわかりやすいと思いますが、そういうこととスケールの大きさということが少し表現しきれていないのではないか。

【吉田主査】    なるほど。場所というか、今おっしゃった言い方で、スケールの大きさが一番からんでくる原因ですよね。

【栗林委員】    この表をベースにしていくとすれば、先ほどお話に出た、この項目が6項目になるのかどうかわかりませんけれども、各利用間の相互関係といいますか、そういう覧が欲しいような気がします。鉱物資源、生物資源、これは全部環境問題とからんでいるから、全部環境になっちゃうのかもしれませんけれども、やっぱり大陸棚開発をしても、やはり安全区域とかいう航行上の規制を設けないとなりませんし、そういうバッティングするところ、気をつけなければならないようなところ、そういうものの関連をちょっと示しながら行ったほうが、これだとあまりにも個別的な分類になりがちなものですから、利用間関係といいますか、それが必要だろうと思います。

【堀委員】    同感でございます。やはりすごく広範であり、海洋生物資源、港湾、海底と、いろんなジャンルにあるときに、調和のとれたということが1つどこにでも出てまいります。その調和をとる仕組みというのが、やっぱり調整機能というか、そういうものをどうしても入れていただきたいなということは前から考えていました。それがなかなか難しいというご意見もあったのですが、それが今の混乱を引き起こしている大きな原因であるということをもっと真剣に論ずる必要があるのではないかと考えております。

【小林委員】    別のことですが、4.3のところで、海洋生物資源の利用という項目がございます。この中に、利用を図るためにということで、材料開発や技術開発に重点的に取り組むという項目があります。ただ、これ、もっと基本的な問題として、生物を技術や材料でつくり出すことはできないわけですから、そのもとになるところとして、遠浅の海とか、浅い海とか、魚が子供を産んだり、再生産する沿岸域、ウォーターフロント域の保全をすること、それを増やすこと、整備をすること、そういうことを基本において、その上で材料開発や技術開発を行うという、そういう表現がどうしても必要ではないかと思います。
  今、これまでのほかの委員のご意見にも、大変沿岸漁業が壊滅的だというご意見がありました。それは、基本的には卵を産んで再生産する浅い海ではなくなっているからです。それは、埋め立てによってなくなっているのも1つですけれども、陸域の森林がなくなったり、そういうことでそういう海がなくなっているということも1つあると思うんです。したがいまして、そういうことを保全して育成して、そこを豊かにするという1文が必要ではないかと思います。

【吉田主査】    今の小林委員のおっしゃったことに関して、先日の運営委員会での意見交換の上でのことを少し含めて、お答えではないのですが、感想を述べさせていただくと、結局、海洋保全委員会というのが別にあるわけです。それで、今おっしゃったようなことを主体的に取り上げているのはそちらであると私は理解させていただいたわけですが、ただし、ここは海洋利用委員会ですから、生物の、あるいは水産生物資源の利用という意味で、例えばそういう干潟などでの一番卵生や幼生やなんかに一番大事なところを今やあまりむやみやたらにそういうところを埋め立てるなんていうことはほとんど許されない社会雰囲気になっていると思うのですけれども、そうでもないですか。

【小林委員】    沖縄のすごく大事なサンゴ礁が、知らない間に、つまり農水省の管轄の海域だったものですから、あっという間に埋め立てられて、見に行ったら、サンゴ礁の端っこまで港になっているところがありました。

【吉田主査】    ありますか。

【小林委員】    大変に残念に思います。こういうことがあるので、はっきり書く必要があると思います。

【吉田主査】    それでですね、対策そのもの等は、ある程度専門的な分野として海洋保全委員会で取り扱われます。それで、ここでは、利用するという立場からそういうことに最も基本的に留意をしながらやるべきだという、さっき1文とおっしゃいましたが、私もそういうことを載せるということなのかなと思いますね。それ以上突っ込みますとダブってくると思います。

【小林委員】    それはもうほかの環境のところで十分審議されると思います。ただ、これからの日本の水産というのは、つまり畜養殖が中心になるのかなと思うのです、いろんな状況。そうすると、そのための再生産のもとになるのが、浅い海岸域になります。したがって、その再生産を可能にするためのそういう場所を確保するという意味の環境保全の仕方、1つの環境保全というのはいろんな立場から見ることができると思いますが、基本的な再生産のためには、サステナブルにしても何にしても、そういう浅い海辺の確保と保全、整備が欠かせないという考え方をここではっきり出しておくことが重要かと思います。

【堀委員】    私が先ほどから沿岸域と海岸域と申しますのは、私どもがちょっと前に携わった委員会では、海岸域は、要するに水深20m付近までを海岸域として国土交通省のほうが管轄下であるということでありまして、ですから、そういう意味では漁業のほうでも、そこに入れないというか、いわゆる砂浜とか、自然海岸とか、そういう水深20m、日の当たるそこまでが海岸室の管轄というような、省庁の役割分担が、国土交通省の、もとの運輸省ですとか、建設省の領域。大部分が国土交通省の管轄域が多いという問題で、そういった中での、やっぱり海岸域と沿岸域というものの解釈ですね。水産庁の場合、沿岸域という、沿岸、これは今度水産という、今度委員会の名前も変わりましたけれども、沿岸としてとられていく、だから、その水産における最も重要な、稚魚が育つような部分というのは、どちらかというと管轄が狭いというのが現状ですね。その辺の海岸域と沿岸域の何かこう、言葉あるいは考え方の整理をしていただいたほうがいいのではないでしょうか。

【吉田主査】    政府としてですね。

【堀委員】    はい、大事ではないかと。

【橋口委員】    先ほどの経団連のアンケートをまとめるのは、これに入れれるような形で意見として入るかどうか別として、まとめることかなと思っているのですが、1つ、例えばメタンハイドレートを開発するといったって、これ、非常にリスクがある可能性があるわけですね。刺激したために安定域が崩れて、ガスが出てくるというような危険性もあるというようなことで、非常に、もちろん経済性というのも大問題ですし、そういうような問題点を一緒に書いておかないと、何か、メタンハイドレート、メタンハイドレートとどんどん突き進むというようなことがあると困るので、問題点を同時に書くというようなことが必要かと思います。
  それから、もう1つ、先ほど吉田先生が持続可能の生物資源ということでいえば、ゲノム関係が入らないでというような話ですが、ゲノムを持続可能ということでやる、バイオマスは明らかに持続可能ということですから、ゲノムのほうも少し無理があるかもしれませんけれども、入れてしまったらどうかなという気もします。

【堀委員】    技術開発というのと、科学としてどうとられるか。やや科学技術ですけれども、技術開発が一人歩きするということに科学という研究領域をどうとらえるか。要するに今まで失敗してきた例は、技術開発の一人歩きというような部分があって、科学技術という言葉が1つも出てこないのに、その辺をちょっと私も心配します。もちろんそういう意味で書かれているんだと思うのですが、技術開発ばっかりがどんどん一人歩きしそうな感じを大変受けます。
  それはどうしてかと申しますと、海洋科学技術センターが、科学と技術開発は違うという考え方で、科学研究分野と技術という、それの接点を見つけてやるというのですが、やはり基本的な姿勢に科学的な研究的な視野というものがどこが入っていないということを非常に感じるんでございます。

【吉田主査】    今の研究、特に科学研究、科学的な研究の分野、何かいろいろ、すぐ運営委員会のことを言うんですけれども、海洋研究・基盤整備委員会がありまして、それで、海洋学、それから、海洋学の中にはすべてを含むと私は理解していますけれども、物理的なところから生物から海底まで、もちろん気象も含むという、そういう科学、サイエンスという目から見る海洋についてはその委員会が主として扱っていく。今、堀委員のある意味でのご心配は、先ほど技術的開発を行うということが各項目に書いてある、そのことについて非常にそれが強調されているので、それだけが一人歩き、目的にもなってしまってというご心配かと思うのですが、ベースにそういうサイエンスに基盤を置いた技術であって、技術だけがその技術開発の目的のために技術を開発するという、一種の、ためにする研究といいましょうか、そういうことはここでは意識されていないと私は理解しております。言いかえれば、先ほどご心配になっているようなことは、やはり含まれている、ベースにそれは置かれていると感じております。

【堀委員】    サイエンスをベースにした技術開発ということでございますね。

【吉田主査】    はい。

【堀委員】    そうであっても、何かこう、文言として入っていたほうがもうちょっとわかりやすく、入れておいたほうが。まあ、循環型社会なんていうのはまさしくそういうことをすべて科学ベースでそれを開発していくということだろうと思います。いろんな意味での失敗というものを反省した場合に、技術の一人歩きというのは非常にありますから、何かちょっとそういうことを示唆するようなことをいれていただきたい。

【吉田主査】    それではですね、今、どこというのはなかなか難しいので、ちょっと事務局にご検討いただくことにいたしたいと思います、どういう表現をどこに入れるかということにつきまして、今、堀委員のご心配になっておられる。これを入れることは、多分ご反対はないと思いますので、ご検討いただくことにしたいと思います。

【小林委員】    よろしいですか。最後のページの4.6のところでございますが、国民の親しめる海洋に向けてという、「親しめる」というのがあるのですが、「国民に開かれた」という言葉を使うほうが適切ではないかと思います。なぜかといいますと、下のところで、4項目、項目で分かち書きがされております。日本の今の状況を申しますと、海水浴とか、岩場とか、釣を別にいたしまして、実際に海へ出るという行為をしようとした場合に、現実は大変禁止的な法整備がございまして、法律によって大変出にくい状況になっております。1隻の船が、市民が乗って海へ出ようとすると、たくさんの法律でからめとられてしまいまして、大変不自由な状況になっています。その結果として、船に乗る人口は大変少なくなってしまいました。実際に船も少なくなってしまいました。ボート産業も今はほとんどダウンの状況です。ということで、ほかの諸外国、海洋国と比べまして、ここの部分の旧運輸省がかかわっていた市民と海とのかかわり、つまり船を持って海へ出るかかわりというのが大変に不便な形になっているのです。そういうことを放置したままで海洋国家というのは成り立ち得ないと思います。
  今の具体的な提案を見ますと、現在の延長のままで整備とか、箱もの的な発想が出ているところがあります。したがいまして、これは、ほんとうに海洋国家をつくるのであるならば、今ある旧運輸省がつくったプレジャーボート、市民と海とのかかわりに関する法整備を全面的に見直して開放するという抜本的な発想の変換が必要だと思います。
  したがいまして、ここのところは、言葉使いとか、具体的な保管施設の整備とか、相変わらず何かをつくって、マリーナをつくってという発想になっていますが、これは基本的に間違いと私は思っています。なぜ間違いかというと、70年代と比べて、今のほうがマリンスポーツが低迷しているという事実が証明していると思います。
  ここのところはほんとうに大事なことですので、言葉であるとか、具体的なことをもうちょっと考えて、詰めて、考え方を変えてほしいと思います。
  まず、大事なことは、マリーナなどを建設、保管設備を整備するのではなくて、市民の船のためのく泊地という発想で整備するという。ここのところはちょっと具体的な文章にしたのを後で提案させていただきたいと思っております。

【吉田主査】    はい、ご提案ください、そういう代替案につきまして。

【栗林委員】    それと関連することでしょうけど、やはり漁業とか、そういう産業以外の、レジャーもそうですけれども、そういう海洋利用のときに1つのネックになるのは法制度上の漁業権です。そういう制度については、多分基盤整備のところで話が出るのだろうと思いますけれども、海洋利用ということと、日本のベルト的な漁業権というものの関係をやっぱりどこかで指摘しないとならないかなとは思っています。

【吉田主査】    今、ご指摘になった点、多分非常に大事な点じゃないでしょうか。小林委員のおっしゃっていることに多分関係もあると思います。漁業権があるのはもちろん必然だと私は思いますけれども、その運用の仕方は理想からほど遠いものだと、私は何もかかわっていることはありませんけれども、聞く話はたくさんあって、そういうふうに想像します。

【小林委員】    ほかの海洋国とか、漁業国で、うまくいっている国の例はたくさんありますよね。北欧なんかはほんとう船もたくさんある、ニュージランドもそうですけれども、なおかつ、漁業国であります。ですから、日本の古来の伝統を一方では尊重しつつ、うまくいっている例も見ながら、どういうふうに整合していったらいいかということを、直接利害関係者でない人たち、漁業というのはとても大事ですけれども、どうしても漁師さんたちが入るとどうしても感情的になってしまう部分があると思います。ですから、そういうところはもっと根本的な海洋利用といいますか、海洋保全の問題として突っ込んだ議論が必要ではないかと思います。例えば埋め立てとか、いろんな開発とか、いろんなときに、漁業組合が同意すれば、それがされてしまうということ自体もおかしいと思うのです。漁業組合がそれを持っているのではないわけですから、臨時的に彼らに託しているだけなのです。だから、それを、彼らが補償金を受け取ったからといって、目の前の海がなくなってしまう。そこまで漁業の関係者が権利を持っているものではないと思うのです。
  江戸時代からの伝統があって、そういう漁場の権利というのが生まれてきたと思いますが、そろそろほんとうにきちんと議論を深めていくべき。そのために、必要でしたら、専門的な人の、あるいは、関係している人たちのご意見も伺ったりしながらというのが片方で必要でしょうね。

【吉田主査】    そうですね。栗林委員がご指摘になった漁業権の問題は、基本的に日本の法整備と運用にかかわる問題であって、1つの根源的な問題かと思うのですけれども、その海洋研究・基盤整備委員会のほうが法律関係のことは主に扱うということになっていると、この間確認もさせてもらいましたので、事務局からそちらのほうへ、先ほどのご指摘等を何らかの形であらわれるような格好をご検討いただきたいとお願いしておきたいと思います。
  それでは、今のようなお話にもかかわるところが多々ありますので、時間が来てしまっていることもあって、資料3−5−1は一応ここで終わらせていただいて、少し残っております資料3−6の、これは全体としては6番目に今後の海洋政策立案と政策評価のシステムについてというところをつくることは基本的にご賛意を得ているわけですが、それの内容のフレームワークを私が私案として書いたものを紹介させていただいて、ご審議いただきたいと思います。評価のほうはここには含まれておりません。時間的に全くできなかったということがあって、立案の必要性と第1次的なご提案という、その段階までであります。
  ちょっと説明させていただきますが、立案システムの必要性というところで、まず、総合的な視点が必要だと。先ほど来からご指摘もある、結局同じことになっているのですが、多様な政策相互間の協力を推進することも必要だし、矛盾があったらそれを除去していかないと意味のないことになるわけで、そういうことがあるだろう。
  それから、現在の我が国の財政状況は幾つかの類似の政策等がパラレルに動くことはもう許されない状況にもうなっていると思います、大きなテーマの場合。そういう意味で、調整といいましょうか、そういうものが必要である。
  それから、ちょっと視点が違うのですが、海は生命体だという、象徴的な理念のことを1、2回前にご紹介いたしましたが、そういう理念を描くとすれば、海のそういうどこかを見るということは、他へ影響を与えるわけですので、全体を見て、そのもとの変更とか、いろいろな制御ということが必要になるであろう。
  それから、4番目では、我々の委員会が「利用」なのですが、まさにその「利用」が意識されすぎて、「利用」をある意味で保障していく「管理」という話が少し迂遠なものという感じを抱き過ぎていないか。これは世界の中での我が国とか、地球規模の大自然の中での海洋自然といいましょうか、そういういろんな意味合いからの中で、公にしたというのは、世界や社会に対してこういう考え方で海と取り組みますよということをオープンにして、そのオープンにした方法で状況を把握して、将来を予測して、それに従って必要な策を立てる、これが「管理」ということじゃないだろうか、マネジメントということじゃないだろうかと私は思っておりますけれども、そういう観念が、ちょっと言わせていただければ、薄弱ではないのだろうかと、全体としての。
  それから、海洋環境保全との調和ということで、これは先ほど来からご議論が幾つもある話ですので飛ばします。
  それから、国としての総合的判断を可能にするシステムが必要性。ここは、近年の海洋開発に関する提案には、国としての長期的な視野に基づく基本構想のもとに、――これはまさに現在我々に課せられたテーマですが、長期的視野に立つ基本構想と推進方法というのが本委員会というか、全体の委員会に与えられたテーマであるわけですが、そういう基本構想のもとに政策に重点化による順序をつけ、戦略的に推進していく姿勢が、ちょっと「欠如」などと書いて、激しい言葉になっておりますが、ちょっと不足気味ではないだろうかということが言いたいわけです。
  それから、海洋はこれまで省庁別、分野別の施策によって生じた多くの、解決さるべき問題点を孕んでいる。これも少し過激な言い方になっていますけれども、そういうことは私も幾つかの点で感じるところがございますので、そういう問題がないようにしていく。そして、海が持っているもっとグローバルという意味は、地球規模という意味と、海総体が持つ潜在能力を有効に使う。これは後々の時代を考えてということですが、そういうためにも、こういう総合的な判断がされる必要がある。
  それから、ちょっとまた別の観点ですが、いろいろなテーマを国の政策として取り上げる場合、隣接分野や異分野との十分な意見交換がないままに採択されていく案は、社会的に脆弱だと、まず基本的には。それが後でいろんな問題を引き起こしているケースがあるわけですが、それと同時に、もうちょっと別な意味で欠点は、純科学技術的にも弱いところがあって、十分な予定した成果が上がらないまま終わるというオープロ等がいろいろ散見されます。そういう問題にもかかわりがあろうと思います。
  それで、社会とつながりの深い政策について、一方で、そういう科学技術の面のみに力点を置くのではなくて、その社会的強靭さをつけるためにも、法制、経済システム、社会システム等の面との連携を十分考えた施策が必要。これが、とりあえずランダムに書いた必要性の因子みたいなものでございます。
  それで、立案システムの提案というところでは、2ページ目の下のほうですが、現在、海洋開発,関係省庁連絡会議というのが設けられているわけですが、そういうものにかわるもとして、内閣府あるいは文部科学省内に、例えば「海洋政策統括室」というような名称の組織をつくる。この組織に関係省庁からの担当の方が出て、常駐されて、そして、ここが1つのある種の独立な機関として動くようなものになっていて、平生はいろいろな調査や政府内あるいは外部との意見交換、情報交流、外国の情勢分析等をされていて、一方で、政策の議論が重要になる時期においては、関係省庁から提案される政策提案、それから学会、経済団体、有識者グループ等の民間の団体から提出される政策提案等を収集、分類、整理して、また、重点項目を選択する、こういう作業を行う、そういうところとして、先ほどのような1つの組織ができる。そして、その結果が、こういう海洋開発分科会というものが継続されるならば、そういうところで提案されて、審議されて、承認される格好で社会に出ていくというようなシステムはどうであろうかという、まだ、これは全くきちんとあまり考えていない段階で、今日お出しするほうがタイミング的にはいいのかなということで、非常に生のままで出しちゃっていて、検討が足りなくて失礼ですが、ご意見が承れればと思います。

【小林委員】    基本的には海洋政策、国の海とのかかわりを総合的に考える場所というのは必要だと思います。それが欠けていたために、例えば二重投資というようなこと、具体例で言うならば、マリーナが建設されて、すぐその傍にフィッシュアリーナが建設されて、両方ともがらがらで全くお金の無駄な投資であるというような例は日本の沿岸にたくさんあるわけです。ですから、そういうことは目に見えることですが、目に見えないことで、多分たくさんそんなことがあると類推できると思います。したがいまして、そういったことがまず1つ必要だと思います。
  それから、その場合、やはり議論される過程であるとか、情報公開は基本的に必要なものではないかと思います。それと、そこに専門家とか団体の代表の意見が反映されることも必要ですけれども、市民の意見も反映されることが必要だと思います。なぜ私が今日市民ということを申し上げているかといいます、2ページ目の1つの「・」のところに、隣接分野とか、異分野との十分な意見交換ということがございますけれども、これは専門家の人にとってはその専門のことしか見ていません。しかし、市民というのは生活している人間ですので、ある1つのことだけではなくて、全てのことが生きていく上には全部必要なわけです。そこの市民の中には、もちろん科学者の市民もいれば、漁師さんの市民もいるし、いろんな職業を持った普通の市民がそこで生活しているわけです。そうすると、当然いろんな分野を統合したものが1つの生活として成り立っているわけですから、そういう視点からものを見る立場の人の意見が反映される必要があるのではないかと思います。それが、どういう仕組みの中でそこがどういうレベルで参加するかということは、まだ議論の余地があると思います。全体の政策的なものではなくて、例えば地域に下りていって、地域で何か具体的に行われるときに、地域の人が参加するというような、そういう仕組みの問題というのは残るかと思いますが、基本的なスタンスとしてはその市民の意見が十分に反映されるという、それが住民エゴみたいな形でくくられないで済むようなシステムを頭に入れながら、考えたいと思います。

【橋口委員】    今、政策立案のことだけ書いてあるのですが、あともう1つは、実施の部隊ですね、これもばらばらというのがあって、海洋科学技術センターは科学技術庁だから、これはもう科学的な研究しかしないと、漁業なんて別だということで、水産は水産で、また沿岸域にこだわっていて、その辺もばらばらなんですね。そのあたりも一緒にするような、できるような仕組みというのが要るのではないか、そんな気がします。

【吉田主査】    この文章を勝手に書かせていただいたのは、さっきもちょっと冒頭に申しましたように、この海洋利用委員会というものの仮の報告書といいましょうか、最終的には全体の報告書になるわけで、仮のまとめといいましょうか、それの6章にこういう項目を立てるということを前回ご承認いただいたと私は理解しておりますので、それを埋めるために、まず、全くの草稿みたいなものをあえてといいましょうか、出させていただいたようなことでございます。なぜこんなものが出てきたのかということにつきましては。

【橋口委員】    この前、海洋の海外の記事を見ましたら、ハワイに全く新しい魚を育てる設備をつくったということです。それは何かというと、海中にネットで囲んで、太陽光も入るということで、その中で魚を育てるということで、しかも自然のプランクトンで育てる、そういうようなこと。そういうような発想がどこから出てくるのかという、何かそういう仕組みがね。やっぱり何か法改正をしたということが書いてありましたね。

【吉田主査】    書いてありました。結局それは養殖ですよね、今お聞きしていると。養殖があまり閉鎖海域の中にどんと網を置くのではなくて、オープンシーのかなり浅海域に、太陽光も入るようなところに養殖施設をある意味でつくってということですか。

【橋口委員】    ごく最近のニュースです。

【吉田主査】    最近のニュースですか、ああ、そうですか。

【小林委員】    それは、やっぱり海と密接にどのくらい濃密に海と人々がかかわっているかということだと思います。ただ単に海に行って眺めているだけでも全然違うし、いつでも出ようと思えば出られるし、そういう海とのかかわりの密度の濃さから出てくると思います。なぜそう思うかといいますと、私が日本の海をずっと回ってみて、漁師さんたちが必ず、例えば海が荒れていても、漁が終わった後でも、こうやって海を何もしないでじーっとみたり、たばこを吸って見たりとかしているんです。それは休んでいるのではなくて、海とかかわっているのです。だから、例えば私たちがぱっと聞いても、「お天気どうですかね」と言うと、「ああ、明日、この雲だと潮岬あたりは荒れるよ」とか、そういうことがごく自然に全部のコンピューターとしてとり込んでいて、そういう答えがぱっとアウトプットされるのです。そういう環境づくりといいますか、社会のコミュニティづくりがとても大事だと思います。すごく大事な橋口委員の疑問の提示の仕方だと思います。

【栗林委員】    すばらしい海洋利用のあり方を考えても、やっぱりそれを総合的にまとめて立案していくところ、そして、それを強力に実施していくところ、それはやっぱり必要です。そういう意味で、僕は、吉田主査のつくってくださった文に基本的に賛成です。ただ、やっぱり実施面が少しここでは、立案に偏り過ぎちゃって。

【吉田主査】    なるほどね。

【栗林委員】    やはり橋口さんからあがったような、実施の面も少し取り組んでいただければと思います。ただ、これはおそらく基盤整備委員会とのかかわりがあるでしょうからね。ただ、利用法を扱っている以上、そこまでいかないと、我々の議論は完結しないのです。

【吉田主査】    そうかもしれません。

【小林委員】    そうですね。それで、例えば競合したり、オーバーラップしたりしてもいいと思います。重なっている部分は重なっている部分で、それが別の分野で整理されるならば、そのまま提出して別の分野で整理されるというふうな、そういうかかわりは大事でしょうね。

【堀委員】    私も、最も求めているものはこういうものでございます。

【田中委員】    もう1つ、評価をどういうタイミングでやり、それをどう反映していくかという、それも1つ入れておいていただきたいと思います。

【小林委員】    評価されるべきものと、評価がなくてもいいものと、あるいは、しにくいものと、3つある。

【田中委員】    うん、すべてやったことは評価されるべきだと思いますので。

【小林委員】    そうか、評価しなくていいという評価も評価なわけ、という考え方。

【吉田主査】    そうでしょうね。この6章はまだ今からですが、およそはこんな筋書きで、この評価、実施という面についてももう少し敷衍すべきだというお話がございましたので、私が考えるだけというか、委員の皆さま方にお考えいただいて、またご提案があるといいと思いますけれども、私も考えてみたいと思っております。
  今日のお話につきましては、先ほど大事な4章の章立ての立て方について残ったままになりましたけれども、ちょっと時間が過ぎておりますので、まことに運営のまずさからこういう宿題を残したままになったのですが、事務局に中心になってご検討をいただいて、次回にご提案いただくか、途中でご提案があるかは、それは進行状況にもよりけりだというふうにさせていただきたいと思いますが、そんなふうにして次の機会へステップを進めさせていただきたいと思います。
○議題4
●外務省から参考資料の説明がなされた。

【小林委員】    すいません、日本には海賊情報室なり、インフォメーションセンターはないんでしょうか。

【外務省・佐藤海洋室長】    ございません。今あるのは、マレーシアにIMBの海賊報告センターというのがあるだけです。海賊を専門にしたものというのはございません。

【小林委員】    いつでも電話をかけたら聞けるという、今ここで、昨日海賊がありましたとか、そういうのが聞けるのがありませんか。

【外務省・佐藤海洋室長】    海上保安庁のほうで、もちろん情報は逐次受けていると思いますけれども、そういった専用の窓口というのはまだ設けていないです。

【小林委員】    わかりました。

○閉会

 

(研究開発局海洋地球課)

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