附属資料2 用語解説

○アーカイブ:

 元来は、文書を保存するための組織を意味したが、本報告では、電子的な文書(印刷物の版面を電子的ファイルに保存したもの及び文書作成時点で電子的なもの)を恒久的に保存する機能をもつ計算機システム、またはそこに収められている電子的ファイルのこと。

○英国リサーチカウンシルズ:

 Research Councils UK.英国において研究資金助成を行なう分野別のリサーチカウンシルに共通する原則、方針を審議・決定するための独立行政法人。

○紀要:

 大学・研究機関等において、学部、学科、専攻などの単位で刊行される学術雑誌。著者のほとんどがその大学に所属する研究者もしくは卒業生であり、刊行費用も大学が負担することが多く、大学図書館間の寄贈・交換によって流通する。(分野によっては非常に評価の高い雑誌も存在するが、レフェリー制のある学術雑誌よりは評価が低く見られることが多い。)

○原著論文:

 オリジナルな研究成果をまとめた最も典型的な学術論文。当該分野の研究を総括するレビュー論文や、いち早く結果を速報するレター論文などと区別される。

○サイトライセンス:

 機関の所在地(サイト)においてならば機関の構成員が誰でも論文を利用できるという条件を有する使用許諾のこと。

○査読:

 論文・学会発表に際し、投稿論文の内容審査を行い、掲載・発表の可否を判定すること。これにより、論文の質を維持することができる。

○ピアレビュー:

 論文等の審査を同じ研究分野に属する研究者が行うこと。

○ファクトデータ:

 実験・観測データ、統計、経済指標、株価等の情報・数値。学術論文全文を意味することもある。

○プラットフォーム:

 本報告では、利用者の要求とその権限に応じて電子ジャーナル掲載の論文を提供する目的で構築されたコンピュータシステムのこと。

○レフェリー:

 査読者ともいう。学術雑誌編集部等の求めに応じて論文等の審査を行い、掲載の許可・書き直し・却下等の意見を述べる。通常、同じ研究分野の研究者がレフェリーを務めるピアレビューの形式をとる。

○Current Contents:

 1958年にISI社が刊行した目次速報誌。主題ごとに学術雑誌、会議録、専門書の目次、著者抄録、書誌情報等が掲載されている。現在はCurrent Contents Connectとしてが9主題(7エディション+2コレクション)で毎日更新されるデータベースとなっている。

○ISI社(現トムソン・サイエンティフィック):

 1958年にユージン・ガーフィールドが創立。Current ContentsやScience Citation Indexなどの学術文献の二次情報を専門に取り扱ってきた。1992年The Thomson Business Informationに買収される。2004年トムソンコーポレーションの事業部であるトムソン・サイエンティフィックとなる。

○NIH:

 National Institute of Health.米国国立衛生研究所。世界有数の生物医学分野の研究機関であり、研究助成機関でもある。National Library of Medicine(NLM,米国国立医学図書館)もその下部組織である。

○PLoS:

 Public Library of Science.2000年に科学技術医学(STM)分野の文献への全面的なアクセスを求めて創設された主として研究者たちの非営利組織。当初は公的電子アーカイブを通じての学術論文公開という方針への署名を集める運動であったが、2003年に著者支払いモデルに基づくオープンアクセス雑誌であるPLoS Biologyを創刊した。

○PubMed Central:

 NLM国立生物工学情報センター(NCBI)が2000年から運営する生物医学分野の学術雑誌の電子的なアーカイブで、無料で制約のない利用の促進を唱っている。2005年5月よりNIHが助成した研究成果の論文は、1年後までにPubMed Centralに登録することが要請されている(NIH Public Access Policy)。

○Science Citation Index(SCI)、Social Sciences Citation Index(SSCI):

 どちらもISI社が刊行した引用索引誌。SCIは1961年に刊行され、科学技術と医学を対象とする。またSSCIは1973年に刊行され、社会科学を対象とする。なお、人文科学には1977年刊行のArts and Humanities Citation Indexがある。現在は全て学術文献・引用索引データベースであるWeb of Scienceの一部として提供されている。