本事業の下で行われる社会的・政策的ニーズに応える研究の成果は、国際社会で活躍する日本人(国際援助活動に携わる政府・NGO関係者、海外赴任者とその家族、留学生等)が広く活用できるよう、研究成果を積極的に発信していくことが重要である。
このため、本事業では、特に次の2つの点に重点を置いて、成果公開を行うことが適切である。
学術研究の成果は、通例、学術論文として発表されるが、本事業では、一般の国民が研究成果の利用者となることを想定しているため、研究期間の終了に当たり提出される研究成果報告書には、研究成果を一般向けに分かりやすく説明した部分(一般普及版)を盛り込むものとする。
一般普及版は、文部科学省その他の適切な機関においてデータベース化を図り、広く一般に閲覧を可能とする。
研究コーディネーターの主宰の下、各研究課題の下で個別に研究を進めている研究チームが、少なくとも年一回は一堂に会し、同じ事業の下で行われている研究として、お互いの問題意識について情報交換する機会を設ける必要がある。
また、社会的に関心の高いテーマについて研究が行われていることから、ある程度研究の方向性が定まった時点で現在何をどう分析しているのか、一般国民をも対象とした「中間報告会」で途中経過を公開していくことが必要である。
また、研究終了後は、「研究成果報告会」や、文部科学省が依頼する講演や雑誌執筆等において、研究成果を広く一般に発表することが期待される。
本事業の審査は、今後設置される推進委員会と、審査の際に組織される審査WGが行うこととなるが、第1章2.で述べた本事業の目的や第2章で述べた研究領域選定の考え方に沿って、審査に当たっての主な観点を挙げれば、おおむね次のとおりとなると考えられる。
なお、実際の審査に当たって、推進委員会又は審査WGが具体的な基準などを定めることを妨げるものではない。
研究開始後3年目に中間評価、研究期間の最終年度に事後評価を行う。
なお、研究成果公開と研究評価の在り方については、時間的な制約から十分な議論ができなかったことから、本事業のために今後設置される推進委員会において、さらに検討が深められることを期待する。
研究振興局振興企画課学術企画室