2.計画の進捗状況等についての評価結果

 日米欧の電波天文学の研究機関、研究者が、宇宙における銀河・惑星・生命の誕生の謎の解明を目指して、ミリ波・サブミリ波帯域で世界最大の電波干渉計を作り上げるアルマ計画は、学問的・社会的に極めて重要な意義を持つプロジェクトである。

 アルマ計画の母体となるLMSA(大型ミリ波サブミリ波干渉計)計画を米欧に先駆けて構想したにも関わらず、アルマ計画への参加は2年遅れたが、今回の中間評価において、望遠鏡及び観測装置、運営並びに国際協力について順調に進捗し、特にアンテナや相関器の開発・製造においては計画全体をリードしていることを確認した。併せて、平成15年の事前評価における留意事項への対応も適切になされている。
 これまでに投じた建設予算並びに国立天文台関係者の努力によって、本計画の進捗は妥当であり、今後も、不測の事態をあらかじめ想定し、それに対する有効な対処法を検討しておくなど、様々なリスクへの備えを怠ることなく、引き続き計画遂行に注力いただきたい。併せて、計画全体の進捗についてもリーダーシップを発揮されたい。

 なお、アルマは、全てが完成して初めて効能を発揮するものではなく、一部のアンテナ群を用いるだけでも世界最高の科学的成果を得ることが可能である。このため、4年後の本格運用を待つことなく、2年後に開始される初期科学運用こそがスタート地点であるという認識の下、国立天文台関係者並びに国においては一層の努力を期待する。

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研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付

(研究開発局参事官(宇宙航空政策担当)付)