参考3 アルマ計画に関するQ&A

Q:アルマはどういう装置?

 山手線の広さに80台のパラボラアンテナを展開し、光ファイバで結合させて作る地上で究極の電波望遠鏡です。アンテナの位置は移動可能で、ズーム型のカメラのように働き、「広い視野」と驚異の「視力」もつ望遠鏡で、はっきり見えるかという点であのハッブル望遠鏡の10倍の視力を持っています。

Q:「アルマ」の意味?

アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array)の略称です。「ALMA」はスペイン語で「心」とか「たましい」という意味です。

Q:電波望遠鏡とは?

 すばる望遠鏡のような光の望遠鏡が、誕生後の恒星や銀河を観測するのに対して、電波望遠鏡は星や銀河の生まれる前の冷たいガスから来る電波を観測します。したがって、光(可視光)と電波の望遠鏡を併せて、星や銀河の誕生から成長の様子が統一的にわかるのです。

Q:ミリ波、サブミリ波とは?

 電波も光も「電磁波」と呼ばれる同じ波の仲間で、波の長さ(波長)が違うだけです。電波の中で、波長がミリメートル程度のものをミリ波、ミリメートル以下のものをサブミリ波と言います。特に、サブミリ波で宇宙を大規模に観ることは、史上初めてのことで、驚異の発見が期待されます。

Q:「アルマ」では何が見えるのか?

 140億光年彼方を観測して「宇宙の夜明け」と言うべき宇宙の初めに、生まれたての銀河を観ます。また、太陽系とは別の「第2の太陽系」の誕生現場や、アミノ酸など生命発生に関係する有機分子などを探査します。予想もしないような大発見もありそうです。

Q:「アルマ」の設置場所は?

 南米チリの北部にある標高5000mのアタカマ砂漠に作ります。年間降水量100mm以下で、理想的な観測条件を備えた「宇宙に一番近い場所」です。

Q:「アルマ」の完成時期は?

 平成23年に完成予定で、新しい宇宙像がもたらされる予定です。

Q:「アルマ」の先端技術とは?

 携帯電話を月に置いた場合、月の携帯電話から地球にいる私たちに届く電波の強さは太陽系外の宇宙からやってくる電波で一番強い電波源になります。それほど宇宙から来る電波は弱く、このため非常に高感度、高精度な測定が必要です。12mのアンテナを0.1ミクロン(食品ラップの厚み程度)の精度で測定・調整する技術や、10km分で伸縮が同じく0.1ミクロン程度しかない高安定光ファイバ網など、様々な先端技術が開発・導入されます。

Q:「アルマ」を活用するのは?

 アルマは少なくとも三十年程度は運用されるので、利用するのは現在小中学生の人たちを中心とする若い世代です。

Q:「アルマ」の意義は?

 「宇宙の夜明け」や「第2の太陽系」の誕生など、国民の方が追い求める知的な「夢」と「ロマン」を提供します。また、日本独自の先端技術のよって世界共通の未来にわたる貴重な文化財を作ることに大きく寄与することによって、「元気な日本」になることに役立てます。

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