アルマ実施計画に関する評価について(基本問題特別委員会天文学研究ワーキンググループ報告) はじめに

 米国、欧州及び日本の電波天文学の研究機関、研究者が、宇宙における銀河・惑星・生命の誕生の謎の解明を目指して、ミリ波サブミリ波帯域大型干渉計システムによる国際協力計画を構想し、検討してきている。
 この構想は、アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計計画(以下、「アルマ計画」という。)として具体化され、その実現に向けた検討がされてきている。
 我が国においても、アルマ計画の学術的意義に関しては、文部省学術審議会において評価がなされ、平成12年12月の報告において、「早急に実現に向けて推進すべき計画」とされたところであり、この実現に向け、平成14年度からアンテナに関する研究開発の着手がなされている。
 一方、平成14年に至って、米国、欧州においては、アルマ計画に係る建設計画が承認され、米国及び欧州が先行して建設を進めることとなってきている状況である。
 これらの米国及び欧州における動向を踏まえ、我が国としても、国立天文台を中心として、その動向に対応するアルマ計画への参加に向けた実施計画が検討されてきている。
 このため、天文学研究における大型プロジェクトの評価を任務とする本ワーキング・グループにおいて、国立天文台から検討中のアルマ計画への参加計画(以下、「アルマ実施計画」という。)に関してヒアリングを行い、平成12年12月の文部省学術審議会報告を基礎としつつ、その学術的意義や技術的可能性といった観点に加えて、我が国の学術全般への効果、また、我が国の経済・社会情勢を踏まえつつ、文化、社会、教育、国際等の観点から総合的に評価を行ったところであり、以下に取りまとめて報告する。

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