5.重点化後の人材育成の在り方

 実現まで長期の間を要する核融合研究において、ITER計画のような国際的大型プロジェクトを成功させ、かつ我が国が主導的役割を担うためには、高度な専門教育に基づいた不断の人材育成が必須である。重点化後の人材育成においては、共同利用・共同研究の効率的な活用を踏まえ、研究及び教育が最適化されるような適正な競争的環境の設定、研究及び研究者の積極的な交流・流動化を可能とする組織・制度設計が必要となる。
 人材育成にとって、優秀な若手研究者が最先端の研究の場に身を置けるような環境整備が肝要である。具体的には、国際的レベルの大型実験装置への直接的関与、及び大学等の得意とする機動的な小規模装置での萌芽的・独創的研究への参加等を挙げることができる。人材育成においては、このような多様かつ魅力ある研究の機会を多くの研究者に提供することが重要である。
 大学以外の研究機関において行われている高度専門性養成への努力に鑑みると、大学と研究機関の連携・協力の下での人材育成の枠組みの検討が必要である。学生教育を行う上で、他の大学法人等へ学生が長期滞在することも今後増えることも予想され、対応する制度設計が必要となる。学生教育の観点からも相応しい、旅費の仕組み、受け入れ機関の身分等の整備、受入先でのリサーチアシスタント等の大学院生の経費の新設、学生宿泊施設の整備等を早急に検討し、遅滞なく実現することが期待される。従って、人材育成においても、共同利用・共同研究促進措置や、新たな可能性への挑戦への措置を十分に活用することが肝要である。

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