○ 「知的存在感のある国」を目指し、かつ、「科学技術創造立国」を通して豊かな国造りを目指す我が国にとって、学術研究の積極的な推進は不可欠なものであり、このような学術研究は、大学個々による研究と、それらを横断し、重点的に発展させる大学共同利用機関との不可分な協調によって推進されている。
○ 平成14年1月29日、「今後の大学共同利用機関の在り方等に関する懇談会」は、その報告において、「大学共同利用機関が分野を超えて連合し、多数の研究所からなる機構として総合的な学術研究の中核の一つとなることについては、今後の我が国の学術全体の発展に資するという観点から意義深いと考えられる」と述べ、そのため、同時に「そのような機構の在り方、実現可能性、大学附置研究所等との連携の在り方等について、国立大学の法人化の在り方や総合研究大学院大学との関連にも留意しつつ、大学を中心とする研究者コミュニティの意見を踏まえて、科学技術・学術審議会において検討が行われること」を要望した。
これを受けて、そのような機構の在り方等について検討するため、同年2月14日、科学技術・学術審議会の当分科会の下に大学共同利用機関特別委員会(以下、「特別委員会」という。)を設置した。
○ 一方、大学共同利用機関の法人化に際しての制度設計に関しては、平成12年7月以来、「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」において、国立大学と併せて検討が行われ、平成14年3月26日に「新しい「国立大学法人」像について」(以下、「最終報告」という。)が取りまとめられた。
○ 同最終報告においては、大学共同利用機関が、研究者の自由な発想を源泉とする学術研究を推進する機関であり、国立大学セクターに属する機関として位置付けられていることから、基本的に国立大学と共通した制度設計を行うことが適当であるとして、組織業務、目標評価、人事制度及び財務会計制度の各論点にわたる制度設計が提言されたが、役員以外の運営組織等の一部の項目については、大学共同利用機関の連合について検討中であったことから、考え方の大枠を示した上で、連合後の機構の姿に応じて、また、法人化後の国立大学の制度設計との整合性も考慮しつつ、適切な運営組織等を検討すべき旨の提言がなされた。
○ 同特別委員会では、これらの経緯及び理念を踏まえ、大学共同利用機関の法人化後の制度設計の在り方や大学共同利用機関の再編の在り方について、本年3月以来9回にわたって専門的な検討を行い、これまでの検討について、以下のように考え方を取りまとめた。
研究振興局学術機関課