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2 国際共同研究の支援

 前期(第2期)の本部会において、研究種目構成の見直しの観点から、研究種目そのものの見直し及び重複応募制限の見直しについて審議した。その中で、国際共同研究のための新たな研究種目の設置に関して、「国際共同研究支援については、その特性に応じた新たな研究種目を設定することについて、今後更に検討を行う必要がある。」とされた。
 このため、本部会では、国際共同研究のための新たな研究種目の設置を含め、国際共同研究の支援について前期に引き続き審議を行った。

(背景事情)

 国際共同研究は政府間、大学間又は研究機関間で協定を結んで進めることが多く、当事者間での信頼関係が必要であり、研究の継続性が非常に重要である。したがって、国際共同研究にかかる計画が、特別推進研究、特定領域研究の中で他の研究と同時に審査に付された場合、他の研究との比較が困難で採択研究課題の選定に支障が生じる場合があり、国際共同研究にかかる計画については、別途審査を行うことが適切ではないかとの問題提起がなされている。
 また、日本学術振興会においては、協定・覚書に基づく二国間交流事業や研究拠点の形成を目的とした先端研究拠点事業等の相手国との経費負担を前提とした交流事業を実施しているが、日本学術振興会における支援は、旅費の支援が主体であり、研究費の負担は行っていない実情にある。各大学又は研究機関間の国際交流事業を支援するためには、こうした大学間、研究機関間協定などに基づき実施される国際交流事業と連動する研究活動についても、科学研究費補助金で研究費を措置できる仕組みを設けるべきとの要望もある。
 このため、本部会では、従来の研究種目とは別に新たに国際共同研究のための研究種目を設置する必要性について、検討を行った。

(新たに独立した研究種目を設置することについて)

 新たに独立した研究種目を設置して、国際共同研究に係る研究計画をそれ以外の研究計画と区別して審査を行うようにした場合、当座の問題の解決にはなると考えられるが、中長期的に見れば、新たな研究種目の中において、先行する国際共同研究の研究計画が優遇されるという、いわゆる「指定席化(採択課題の固定化)」を招くおそれがある。
 また、我が国の学術研究は、既に「国際共同研究」であることを特別扱いする状況ではなく、むしろ国際共同研究が日常的に行われる状況にある。
 このようなことから、国際共同研究に関して新たな研究種目を設けることについては、必ずしも適切ではなく、現在の研究種目構成を維持し、通常の研究と同じところで、国際共同研究であるか否かに関わらず、学術研究としての質の優劣によって採否を決める現在の方法を維持することの方が適当であると考える。

(継続を必要とする研究課題についての対応)

 なお、この問題は、国際共同研究に限らず、中長期的な研究期間を必要とし継続性が強く求められる研究に共通に見られる問題であると捉えることができる。
 こうした継続性が強く求められる研究には、

  1. 研究の意義は高いと認められるが、5~6年の研究期間で成果を期待することが難しく短期間では評価しにくい
  2. 5~6年の研究期間で計画される他の通常の応募研究計画との比較が困難
  3. 研究の継続を求める応募がなされた場合、それまでの投資が無駄になる、国際的信用を失う、などの理由により中断させることが難しい
  4. その結果、多くの場合、継続して採択されることになることから、他の新規の通常の研究計画の採択を圧迫しているように見える

という傾向がある。
 このような傾向を持つ継続性が強く求められる研究に関しては、結局のところ、特別推進研究及び特定領域研究の予算の増額、又は、これらへの配分枠の増額あるいは審査方法の工夫以外に解決を図る方法がないと考える。
 このため、今後とも予算の増額に努めるとともに、継続が必要な研究課題のための採択枠を現在の分野別の採択枠とは別に設けるなど、他の新規の通常の研究計画の採択を圧迫しないような審査方法を工夫する必要がある。

(今後の国際交流事業に連動する研究活動に対する支援)

 科学研究費補助金制度においては、学術創成研究費において、選定に際し着目する研究分野の一つとして、国際的に対応を強く要請される研究が掲げられているが、今後、科学技術・学術分野における国際活動を戦略的に推進することが求められている。先進国との共同のみならず、政府全体としては途上国などへの協力の一環としてODAとの関連にも留意しながら、トップダウン方式とボトムアップ方式を組み合わせつつ、科学技術分野における国際活動(国際共同研究等)を支援するためのファンディングの仕組みを充実・強化していくことが重要となっていると考える。
 そのようなことから、学術の国際交流の支援については、現在の研究種目の審査の仕組みの中で、優れた学術研究であるということを当然の前提としつつ、国際交流事業や国際活動の重要性にも十分留意した形で国際的な共同研究を積極的に採択し支援していくようにすることが望まれると考える。
 また、必ずしも本部会の所掌の範囲内ではないが、国際交流事業ないし国際活動の展開の意義を重視して政策的にこれらの事業等を支援することも重要であり、政府としては国際交流事業ないし国際活動のための研究費を別途、新規に措置していくことが望まれる。

お問合せ先

研究振興局学術研究助成課企画室

(研究振興局学術研究助成課企画室)

-- 登録:平成21年以前 --