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国立大学法人及び大学共同利用機関法人における学術研究活動に対する当面の推進方策について

平成17年3月31日
科学技術・学術審議会 学術分科会・研究環境基盤部会

一部改正 平成18年3月31日

1.はじめに

 法人化の趣旨にかんがみれば、国立大学法人及び大学共同利用機関法人における教育研究活動は、当該法人の目標・理念や経営戦略に沿った自主的・自律的な取組によって推進されるべきものであり、国は各法人の意思を踏まえ支援していくことが基本である。
 上記のような考え方のもと、新たな教育研究ニーズに対応し、各法人の個性に応じた意欲的な取組を重点的に支援するため、国立大学法人運営費交付金の中に特別教育研究経費が設けられている。
 平成19年度概算要求における特別教育研究経費の取扱については、今後「国立大学法人の運営費交付金に関する検討会」で検討され、特に、学術研究関係については本部会で検討することとなる。本部会としては、「第3期科学技術基本計画」や科学技術・学術審議会学術分科会等における提言も踏まえつつ、今後とも特別教育研究経費により、各法人の自主性・自律性に基づく個性豊かで多様な研究活動を支援するとともに、我が国の学術の発展を視野に入れた必要な施策を講じることは極めて重要であると考えているところである。このため、これまでの審議を踏まえ整理した以下の「平成19年度概算要求に向けて考えるべき視点」について、各法人に対しあらかじめ示すこととした。本部会としては、各法人に対し、この視点を考慮した取組を期待するものである。

2.平成19年度概算要求に向けて考えるべき視点

 平成18年度予算における特別教育研究経費の学術研究関係については、学術政策上の必要性を踏まえつつ、各法人における重点事項としての優先順位を尊重するとともに、各法人の自助努力を重視して、各法人の事業に対する支援が行われたところである。
 なかでも、法人の枠を越えた全国共同利用に資する取組や、法人と地域との緊密な連携による当該地域の課題解決を図る学術研究活動、各法人の研究設備整備計画に基づく学術研究設備の整備に対し、積極的に支援が行われた。
 本部会としては、平成19年度概算要求に当たっては、基本的には平成18年度の考え方を踏まえることが重要であると考える。すなわち、各法人の優先度を尊重した支援を基本的には行うべきである。
 それとともに、我が国の学術の振興を図る上で特に重要と考えられるものについては、各法人としての優先順位に加え、学術政策上の必要性も勘案した上で、適切に支援することも必要であると考える。
 このようなことから、本部会としては、平成19年度概算要求に向けて考えるべき視点を以下に示すこととする。
 なお、科学技術・学術審議会学術分科会報告「研究の多様性を支える学術政策」(平成17年10月)において、各法人が主体的な判断により「学術研究推進戦略」を構築することの必要性が指摘されており、法人は概算要求に当たり、各要求事項を学術研究推進戦略等においてどのように位置付けているのか明確となるようにすることが重要であると考える。

(1)各法人からの要望を踏まえて支援すべきもの

1.継続事業についての考え方

 特別教育研究経費により推進される事業は、各法人の意欲的かつ重点的な取組であるだけでなく、我が国の学術政策上も重要な事業であると考えられるため、継続的な支援の必要性を十分に考慮に入れる必要がある。
 各法人においては、当該事業の進捗状況等を踏まえ、事業計画の有効かつ効率的な推進を図っていくことが求められる。
 また、本部会としても、そのような観点を踏まえつつ、適切に対応することが重要であると考える。

2.研究環境の基盤整備の必要性

 各法人においては、研究プロジェクトの展開のみを重視するのではなく、法人の特色を活かした基盤的な研究環境についても整備・充実を図っていくことに配慮していく必要があると考えられる。その際、人的、物的両面において継続的な対応が行われることを望みたい。
 特に、本部会の下に設置された学術研究設備作業部会における報告「国公私立大学及び大学共同利用機関における学術研究設備について」(平成17年6月)及び学術情報基盤作業部会における報告「学術情報基盤の今後の在り方について」(平成18年3月)において、学術研究設備や学術情報基盤の整備について計画的かつ継続的な取組の必要性が指摘されているところである。
 本部会としては、各法人の学術研究推進戦略における研究環境基盤の整備計画等を踏まえ、各法人の自助努力を基本としつつ、真に必要なものについて適切に支援することが重要であると考える。

3.学術研究における多様性の確保

 各法人においては、成果の見えにくい研究分野や、比較的少額な資金で推進が可能な研究分野などについても、その重要性に着目し、各法人の個性を伸ばす観点等から推進していく必要があると考えられる。
 本部会としては、学術研究における多様性を確保するため、そのような研究についても支援していくことは重要と考えるが、各法人の平成17年度及び平成18年度の要求の状況を見ると、法人内における優先度が必ずしも高くない場合もあった。
 よって、平成19年度の要求においては、真に必要なものについては各法人内の優先順位に加え、学術政策上の必要性も勘案した上で適切に支援することも重要であると考える。

(2)学術研究推進の観点からの国として支援すべきもの

1.法人の枠を越えた連携事業の推進

 法人化を契機として、各法人には、社会との連携や、国際的競争力のある研究展開等が一層求められてきている。また、各法人においては、個性ある研究が展開されているが、それらを総合化あるいは統合化し、我が国全体の学術研究をより高い水準に導いていくことが必要であると考えられる。
 そのような状況を踏まえ、法人の枠を越えた連携、国際的な研究機関等との協力体制の充実、分野を越えた連携による新たな研究領域・分野への積極的な研究展開、社会的諸課題に対応した学術研究の推進、また、研究を通じた地域の「知の拠点」としての地域貢献などの取組について、内容に応じて、一定の配慮を行うことが重要であると考える。

2.研究拠点の形成へ向けた継続的支援

 競争的資金等によって形成された優れた研究拠点等の中には、当該法人の戦略的な取組として新たな研究展開に資するものもあると考える。
 そのような取組の中には、我が国の学術研究を推進する上で極めて重要であると考えられるものもあり、特に国内外の評価が高く、更なるレベルアップ等が期待できるものについては、内容に応じて、一定の配慮を行うことが必要であると考える。

3.大学共同利用機関及び国立大学の全国共同利用の附置研究所・研究施設等への支援

 大学共同利用機関及び国立大学の全国共同利用の附置研究所・研究施設は、大型の研究施設・設備を設置・運営し、又は大量の学術情報やデータ等を収集・整理する等により、これらを国公私立大学等の研究者の共同利用に供し、効果的かつ効率的に研究を推進するなど、当該研究分野における中核的研究拠点として、我が国の学術研究の発展に重要な役割を果たしている。
 これらの機関の研究者コミュニティのニーズを踏まえた、大型の研究施設・設備の運転・維持管理、高性能化等、共同利用への取組に対して引き続き支援を行うとともに、当該研究分野全体を視野に入れた取組に対しても内容に応じて、一定の配慮を行う必要があると考える。
 また、全国共同利用の附置研究所・研究施設以外の国立大学における法人の枠を越えた全国共同利用的な取組に対しても、同様に配慮すべきと考える。

お問合せ先

研究振興局学術機関課