科学研究費補助金「系・部・分科・細目表」の改正について

 
2001/09/21答申
科学技術・学術審議会学術分科会

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科学研究費補助金「系・部・分科・細目表」の改正について
2001/12/19取りまとめはこちら(※国立国会図書館ホームページへリンク)別ウィンドウで開きます
   
   科学研究費補助金は、我が国の学術を振興するため、人文・社会科学から自然科学まであらゆる分野における優れた独創的・先駆的な研究を格段に発展させることを目的とする研究助成費で、大学等の研究者又は研究者グループが自発的に計画する基礎的研究のうち、ピア・レビューにより学術研究の動向に即して特に重要なものを取り上げ、研究費を助成するものである。
   
   科学研究費補助金の「系・部・分科・細目表」(以下「分科細目表」という。)は、「基盤研究」等の種目に関し、審査分野の区分を示す分類表である。研究者は実施しようとする研究計画の内容に照らし、適切な系・部・分科・細目を自ら選ぶこととなっており、分科細目によっては、その内容等を理解し易くするために、キーワードを例示として付している。
   
   このたび、分科細目表の改正について、科学技術・学術審議会学術分科会科学研究費補助金審査部会が中間とりまとめを行ったことから、公表するものである。
   
   今後の日程
  10月中旬〜12月必要に応じ分科細目改正検討委員会等の開催
  12月科学研究費補助金審査部会において新分科細目の決定

科学研究費補助金「系・部・分科・細目表」の改正について
(科学技術・学術審議会学術分科会科学研究費補助金審査部会中間とりまとめ)
 
平成13年9月21日
   
   科学研究費補助金「系・部・分科・細目表」(以下「分科細目表」という。)については、平成5年度の公募要領において、抜本的な改正を行った。改正は、学術審議会科学研究費分科会(当時)に「分科細目改正検討委員会」が設置され行われたが、分科細目改正検討委員会が改正案を取りまとめた際に、分科細目表の見直しは、今後5年程度ごとに行うことが適当であることが付記された。このため、平成10年度に小規模な改正が行われ、この度、平成15年度に抜本的な改正を行うこととしたものである。
   
   「科学技術創造立国を目指す我が国の学術研究の総合的推進について」(平成11年6月29日学術審議会答申)において、「『系・部・分科・細目』の在り方については、学術研究の動向や申請件数の増減などに配慮しつつ定期的に見直しを行ってきているが、今後とも、不断の見直しに努めていく必要がある。」と指摘されるとともに、既存の枠組みを超えた諸科学の連携を必要とする境界領域の研究の推進にも適切に対応していくことが求められている。
   このため、平成12年度に学術審議会科学研究費分科会審査第一部会に「分科細目改正検討委員会」を設置し検討を開始した。そこでの検討結果は、省庁再編後は科学技術・学術審議会に引き継がれ、本年3月、本部会に改めて「分科細目改正検討委員会」を設置するとともに、これに加え分野別の関係研究者の協力を得るなどして、検討を行ってきた。(別紙参照
   
   審議に当たっては、科学研究費補助金が人文・社会科学から自然科学まであらゆる分野を対象とし、研究者の自発的な研究計画に対する研究費であることに留意しつつ、次の問題点に適切に対応し得るようにすることを検討の観点とした。
  学問の進展に的確に対応するため細目を抜本的に見直すべきではないか。
  申請に当たって適当な細目がない学際的領域の研究が多くなっていることにどう対応するか。
  伝統的な学問の分類に収まり切れない、新しい分野の研究を申請し難い状況が生じているのではないか。
  学問の進展に伴い、審査員の専門分野を超えた申請が多くなり、適切な審査が困難になってきている状況にどう対応するか。
   
   本年9月、本部会は別添の分科細目表及び分科細目表付表キーワード一覧の改正案を取りまとめた。
   本改正案のポイントは以下のとおり。
  分科細目表構成の変更
       分科細目表をこれまでの8部(文学、法学、経済学、理学、工学、農学、医学、複合領域)構成から、4系(総合・新領域系、人文社会系、理工系、生物系)構成とし、細目数をこれまでの242細目から278細目にする。
  複合領域の大幅見直し
       これまでの「複合領域」については大幅な見直しを行い、名称を「総合・新領域系」とし、その中を2つ以上の系にまたがる総合的な分野(総合領域)と2つ以上の系にまたがる比較的新しい分野(複合新領域)の2つに分ける。
  総合・新領域系の細目におけるキーワード方式審査の採用
       総合・新領域系の分科細目については、複合領域から大幅な見直しを行い、学際的・横断的な研究分野となっていることから、その細目をキーワードにより複数のグループに分け、第1段審査をそのキーワードのグループ単位で実施する方式(キーワード方式審査)を導入する。
  全ての細目にキーワードを設定
       総合・新領域系の細目におけるキーワード方式審査の導入に併せて、他の3系においても従来から一部の細目では当該細目の内容等を申請者が理解しやすくするための例示として付していたキーワードを、全ての細目に付すこととし、将来、キーワードを活用して審査を行うことを念頭に置いて見直しを行った。
  総合・新領域系の分科細目の設定・分割への柔軟かつ機動的対応
       分科細目表の見直しについては、平成5年度から5年毎の見直しを行ってきたが、今後、総合・新領域系の分科細目については、名称の変更、時限付き分科細目の本表への採用等について適宜対応することにより、分科細目の設定・分割等を柔軟かつ機動的に行う。
  基盤研究における広領域への申請の廃止
       広領域の申請課題については、本改正案によって分科細目表を抜本的に見直したことにより、これまで広領域に申請されていた大部分の課題が各細目に申請することが可能になると考えられることから、広領域への申請を廃止する。

別紙
平成15年度「系・部・分科・細目表」改正の検討経過
 
○平成12年
    5月9日 学術審議会科学研究費分科会審査第一部会において、「分科細目改正検討委員会」の設置を決定
  8月9日 分科細目改正検討委員会(第1回)
    基本的考え方の決定
    部毎のワーキング・グループの設置
  10月26日 分科細目改正検討委員会(第2回)
    ワーキング・グループの検討状況の報告
  11月14日 人文・社会系合同ワーキング・グループ
    文学、法学、経済学ワーキング・グループによる系別の整理についての検討
  12月6日 自然科学系合同ワーキング・グループ
    理学、工学、農学、医学ワーキング・グループによる系別の整理についての検討
 
○平成13年
  1月30日 ワーキング・グループ合同委員会(第1回)
    各ワーキング・グループの検討結果の報告、検討
  2月23日 ワーキング・グループ合同委員会(第2回)
    新分科細目についての検討
  3月7日 科学技術・学術審議会学術分科会科学研究費補助金審査部会において、「分科細目改正検討委員会」の設置を決定
  4月20日 分科細目改正検討委員会(第1回)
    基本的考え方の決定
    系別のワーキング・グループの設置
  7月13日 分科細目改正検討委員会(第2回)
    各ワーキング・グループの検討結果の報告、検討
  8月8日 分科細目改正検討委員会(第3回)
    新分科細目及びキーワード等の検討
  9月5日 分科細目改正検討委員会(第4回)
    新分科細目及びキーワード等の決定

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