競争的研究資金制度改革について(意見) 序

 競争的研究資金は、意欲ある研究者の優れた提案に基づいて実施される研究開発に対して資金を提供するものであり、科学技術システムにおいて、極めて重要な役割を担っている。このため、第2期科学技術基本計画においては、競争的研究資金について、期間中に倍増を目指す方針が示されるとともに、その効率的な活用を図り、優れた成果を生み出していくために、制度改革の推進が盛り込まれている。

 このため、総合科学技術会議においては、競争的研究資金の効果を最大限に発揮させ、研究者や大学等の研究機関の競争的研究開発環境を形成するため、制度改革に関する具体的方策について検討することを目的として、産学官の有識者からなる競争的資金制度改革プロジェクトを昨年4月に発足させ、6月19日に「競争的研究資金制度改革について 中間まとめ」(以下「中間まとめ」という。)をとりまとめ、意見具申を行った。

 これを受け、各省はプログラムオフィサー等の配置をはじめとして、「中間まとめ」に沿った施策の実施に着手してきている。競争的資金制度改革プロジェクトでは、このような各省の取り組みをフォローアップするとともに、「中間まとめ」において更に検討を行うべきとの指摘のあった課題を中心に、昨年11月以降、10回にわたり、プロジェクト会合を開催し、検討を行った。

 その間、主要な競争的研究資金制度について、個別ヒアリングをも実施し、各制度の実態を踏まえたより具体的な制度改革について議論を深めた。

 本意見は、以上の検討結果をとりまとめ、我が国の競争的研究資金制度改革のための具体的方策として提示するものである。
 もとより競争的研究資金制度改革は、大学改革や研究者のキャリアパスの再構築と一体的に取り組むことにより我が国の科学技術分野の構造改革を大きく推進するものである。
 一方、競争的研究資金を倍増に向けて拡充を図っていくことは、これら制度改革の円滑な実現のためにも不可欠である。

 かかる認識の下に、総合科学技術会議は、競争的研究資金の一層の拡充と改革の実現を図っていくため、関係府省等において本意見及び「中間まとめ」に盛り込まれている具体的方策の実現に向けて、引き続き必要な措置を講ずることを求めるものである。

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