学術分科会(第97回) 議事録

1.日時

令和7年12月9日(火曜日)15時00分~17時01分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 第7期「科学技術・イノベーション基本計画」の検討状況及び「科学の再興」に関する有識者会議提言について
  2. AI for Scienceの推進に向けた基本的な方針について
  3. 令和8年度概算要求及び令和7年度補正予算(案)について
  4. その他

4.出席者

委員

(委員、臨時委員)
大野分科会長、木部分科会長代理、飯田委員、五十嵐委員、石塚委員、宇南山委員、大竹委員、小野委員、尾上委員、梶田委員、加藤和彦委員、加藤美砂子委員、北本委員、関沢委員、鷹野委員、千葉委員、中井委員、中野委員、中村委員、原田委員、森田委員、安田委員、吉田委員

(科学官)
池田科学官、北川科学官、北野科学官、清水科学官、杉岡科学官、恒吉科学官、橋本科学官、深川科学官、藤森科学官、外田科学官、安原科学官、柳田科学官

文部科学省

淵上研究振興局長、石川研究開発戦略課長、俵大学研究基盤整備課長、板倉学術研究推進課長、阿部参事官(情報担当)、土井参事官(情報担当)付学術基盤整備室長、助川学術企画室長、林学術企画室室長補佐、ほか関係官
 

5.議事録

【大野分科会長】  それでは、定刻になりましたので、ただいまより第97回科学技術・学術審議会の学術分科会を開催いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 お忙しい中、御出席ありがとうございます。
 初めに、事務局から本日の出席状況、配付資料、オンライン会議の注意事項について説明をお願いします。
【林学術企画室室長補佐】  事務局でございます。
 まず、委員の先生方の御出席状況でございますが、本日は石原委員、大橋委員、熊ノ郷委員、治部委員、仲委員、水本委員が御欠席となっております。
 本日の資料でございますが、事前に電子媒体でお送りさせていただいておりますが、議事次第に記載のとおり、資料1から資料5、参考資料1と2をお配りしてございます。もし不足等ございましたら、事務局まで御連絡をお願いいたします。
 オンライン会議の注意事項でございますが、まず、御発言の際は「手を挙げる」ボタンをクリックしていただきまして、分科会長より指名を受けましたら、マイクをオンにしていただいて、お名前から御発言をお願いいたします。終わりましたら、ミュートにしていただきますようにお願いいたします。もし不具合等ございましたら、事務局連絡先まで御連絡をお願いいたします。
 本日の会議でございますが、傍聴者の登録を行った上、公開としてございます。
 それから、本日は事務局より淵上研究振興局長ほか関係官が参加してございます。
 説明は以上でございます。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、議事に移りたいと思います。
 まず、議題1です。第7期「科学技術・イノベーション基本計画」の検討状況及び「科学の再興」に関する有識者会議提言について、御報告を頂きたいと思います。
 それでは、石川課長、お願いいたします。
【石川研究開発戦略課長】  それでは、私の方から御説明させていただきます。資料1、2、3を使いながら御説明できればと思います。基本的には資料1を中心に御説明したいと思います。
 まず、2ページ目でございますが、昨年の12月からCSTIの方で基本計画専門調査会が始まりまして、たしか7月頭の学術分科会でも、当時の段階でCSTI基本計画専門調査会の状況報告があったかと思いますが、そのときの段階でも、基本計画専門調査会の方で基礎研究力を抜本的に強化して「科学の再興」を目指すというような方向が出されておりました。そういった中で、正に科学の再興というところは、文部科学省が中心となってしっかりやっていくべきところという認識の中で、文部科学省において科学の再興に向けて、これまでの、正に学術分科会での御議論も含めて、科学技術・学術審議会等における議論の蓄積も踏まえた「科学の再興」に向けた対応方針を取りまとめようということで有識者会議を設置いたしまして、資料にございますように、9月から11月までの2か月半ほど、集中的に3ポツに上げております有識者の先生方に様々御意見を頂きながら、提言をまとめさせていただきました。
 この提言について、次の3ページ目でございますけれども、科学の再興に向けての提言ということで、この有識者会議の中では、科学の今日的な意味合いというものがどういうものかというところから改めて御議論いただきました。そうした中で、まず、上の方に記載がございますように、近年の国際社会や社会・経済の情勢変化というところで、一つはやはり科学とビジネスが近接化しているということ、短期間の中で急速に実用化であるとか社会浸透するというような領域分野が出てきている。また、地政学的リスクなどを含めて国際秩序の不安定化が進んでいるというところ、今、申し上げた背景なども含めて、各国で研究開発投資や先端科学の競争が激化しているというような状況、また、気候変動ですとか、我が国として人口減少社会への対応といったようなことが近年、国際社会や経済・社会の情勢変化という中で動いていると。
 そうした中で、「科学」の今日的意味合いというところで、先ほど申し上げたように、先端科学の成果が短期間で社会を変えるほどのインパクトがあると。場合によっては、勝者総取りというようなこともあり得る中で、変動する社会を見据えた戦略性という観点と不確実な未来に向けた多様性という2つの観点で、科学の具体的な活動としての基礎研究の推進というものが重要であろうということでまとめています。戦略性という中では、やはり我が国の自律性ですとか不可欠性、社会課題対応といった観点、多様性という中では、研究分野の多様性のみならず、人材の多様性ということも含めて、その重要性を有識者会議の中でも御議論いただきました。「科学」の今日的意味合いの矢印2つ目にありますように、先端科学が我が国の社会経済の発展ですとか経済安全保障に直結するというのが今の科学でございまして、科学が正に国力の源泉であるということで、先生方からも御意見を頂いて整理をさせていただいております。
 こういった形で、これまでも基礎研究が大事というお話がある中で、近年の情勢の変化などを踏まえて、今日的にもやはり科学、正に国力の源泉ということで重要であるという中で、では現況はどうかというところを振り返っております。今年の10月に坂口先生と北川先生、お二人のノーベル賞受賞者が出たということで、まだ日本の研究力、必ずしも全然駄目かというと、そうではなくて世界を引きつける研究者がいる。一方で、記載のとおり、研究時間の減少ですとか研究者数の伸び悩み、基礎研究に関係の深い大学部門の研究開発費の停滞ですとか諸外国との差の拡大、こういったものを背景にしながら、Top10%の補正論文数の減少と相対的な低下というようなことですとか、民間からの研究費の、海外トップ大学との差が拡大しているというようなことが現状としてあるだろうというところも整理させていただきました。
 その中で、今日的な意味合いとともに、そもそも何ができると科学が再興されたのかというところも御議論いただきまして、ここに記載しておりますように、日本に、世界を引きつける優れた研究者が存在する今こそ、科学を再興し、科学を基盤として我が国の将来を切り拓くという目標の下、科学の再興とはということで、新たな「知」を豊富に生み出し続ける状態の実現、それによって我が国の基礎研究・学術研究の国際的な優位性を取り戻す、そういうことができた状態が科学の再興だろうという議論をしております。
 具体的に国際的な優位性を取り戻している状態とはどういうことかということで、具体的なイメージを右側に記載しておりますけれども、日本の研究者が、アカデミアはもとより各国の官民のセクターから常に認識されている状態。概要では常に認識というところまで記載しておりますけれど、本文の方では更に踏み込んで、認識された上で、更に共同研究であるとか新しいことをやろうとしたときに一緒にやっていくというような関心を引きつけるような状態というところまで書いてございます。海外セクターから見たときに、何かやりたいと思ったときに、日本のあの研究者に相談してみようとか、あの人とちょっと一緒にやってみようというところまで見えている状態をイメージしております。そういった日本の研究者が国内外にいる中で、日本にも集結して、日本からも出ていってというダイナミックな頭脳循環のハブになっている状態が日本の科学が再興しているという状況だろうと。優位性を取り戻す、ビジビリティーを取り戻すということであろうということで御議論いただきました。
 では、そういう状態をつくるためには何が必要かということで、必要な要素ということで3つほどまとめております。1つ目が新たな研究分野を日本の研究者が開拓して、かつ先導するということ。そうした先生方、研究者がいる中で、2つ目として国際的な最新の研究動向をけん引していく。有識者会議の中でも、国際的なネットワークに参画するという、ただ参画するという言葉だけでは弱いと。むしろ、もっとけん引するのだとか中心になっている、そのぐらいのことが必要であろうというような御意見も頂きました。3番目ですけれども、国内外や次世代が魅力的に感じる研究環境、これが重要であるということで、大きく3つの必要な要素が必要であろうということでまとめていただいております。
 正に科学の再興の提言は、次の第7期基本計画に向けてという趣旨で御議論いただいたものですけれども、オレンジのところにございますように、そうした科学の再興を目指すために、では、次の7期の5年間で何をしていくべきかというところで、迅速かつ集中的に取り組み、トレンドを変えていく事項ということで整理をさせていただいております。
 白の四角の部分ですけれども、左側の方は我が国全体の研究活動の構造変革を促していくべきもの、その中でも主要なトレンドを変えていくべき事項ということで全部で5つほど挙げておりまして、右側の方は我が国全体ということではなく、特に研究大学群についてはこういった環境を実現するように変革していくことが必要であろうということで、大きく我が国研究全体というところと、特に研究大学群ではこういった環境をというところで2つ整理しております。
 左側の我が国全体という方では、1つ目として新たな研究領域への挑戦の抜本的な拡充を進めていこうということと、日本人研究者の、国際性の格段の向上ということで、特にここでは日本の研究者が外に行くということを一つの大きなトレンドとしてモニタリング、ウオッチしていってはどうかということで書いております。3番目として、科学技術人材の継続的な育成・輩出ということで、特に博士課程の入学者数ですとか、博士号取得者数の拡大ということを挙げております。また、4-1、4-2とございますけれども、4-1としてAI for Scienceによる科学研究の革新、4-2といたしまして研究環境の刷新ということで、日本の研究環境を正に時代に即した環境に変えていくということを打ち出しております。
 そして、右側、研究大学群につきましては、以下のような先導的な研究環境の確保ということで7つほど挙げておりますけれども、機関内でも挑戦を促すような資源配分ですとか、グローバルな教員評価の構築、また、外国人研究者の受入れ体制や、組織・機関を超えた共用システムの構築ですとか、研究開発マネジメント人材の確保、官民からの投資確保といったようなことをできるような環境にしていく。そのためにも経営・マネジメントの強化、人事給与マネジメントですとか財務戦略、こういったものの強化をしていくことが必要であろうということを挙げております。
 これらのことをやっていくためにも、一番下にございますように、大学・国研等への投資の抜本的拡充が重要であろうということを書いておりまして、提言の中でも基礎研究への投資は文科省だけではないと。正に科学とビジネスが近接化しているということも踏まえれば、様々な府省庁からの投資、民間からの基礎研究への投資、こういったものが重要になってくるであろうというところを提言としていただいております。右側にございますように、アカデミアの方の変革と併せて民間企業との好循環につなげていってイノベーション・エコシステムをつくっていくということが必要になっていくであろうというようなことを御提言いただきました。
 次の4ページのところは、今、申し上げたような変革を進めていくことで、どういう形で実際の現場が刷新していくかというイメージをもう少し分かりやすくということでつくってございます。どちらかというと、やはり個人の負担によるところが大きいのがこれまでの現状かなというところで、バツを幾つか書いておりますけれど、一番上では新しい領域への挑戦はリスクになるのではないかということですとか、海外に挑戦すると帰国後のキャリアのリスクになるのではないか、また、3つ目のバツのところは、必要な設備、機器を整えるためにも、自分でアプライして資金調達して整備する、かつオペレーションも自分でやるという状況ですと、新しく研究をスタートさせようとするときにどうしても遅れてしまうというような状況があるだろうですとか、4つ目にあるように、優秀な研究者ほどほかの業務負担も多いのではないかというようなこと、こういった、どちらかというと個人の力量によるところが大きいような状況を、右側の7期計画中に実現する姿ということで、研究機関の組織が法人として様々な支援部門を整備していったりですとか、コアファシリティのような機器の整備も含めて、法人として研究環境もマネジメントしていくようなところもありながら、挑戦できる研究費の拡充や、適切な処遇や評価というようなことも進めていくということで全体として変わっていくということを目指してやっていこうという趣旨を整理させていただいております。
 こういった提言を先月、11月27日にCSTIの基本計画専門調査会がございまして、そちらでも、科政局長の西條の方から報告をさせていただきました。
 資料2は、同じく基本計画専門調査会で、同じ11月27日に骨子(案)ということで示された資料も併せて載せております。今、申し上げた科学の再興という文脈のところにつきましては、ワードファイルで恐縮ですが、5ページのところで、基本計画の柱として6個の柱を立てておりますけれども、その一番初めに、知の基盤としての「科学の再興」という柱が立っておりまして、骨子の6ページ以降、第2章として「科学の再興」の章のところで、今、申し上げた提言の内容を踏まえた記載をしていただけているのかなというふうに考えております。
 今後、基本計画専門調査会の方で素案の取りまとめなどを進めていく過程の中で、引き続き文科省としても、この基本計画の議論に参加して、一緒に基本計画策定に向けて調整を進めていきたいと思っております。
 私からの御説明は以上になります。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 最初の2つの議題は関連しますので、まず御説明を頂いてから、その後で皆様から御発言を頂きたいと思います。
 「科学の再興」に関する有識者会議に関しては、本分科会からも千葉委員、今日御出席ですけれども、仲委員、そして安田委員に御参加いただいています。ということで、本分科会の意見もかなり取り入れたものになっていると考えています。
 それでは、続きまして、議題2、AI for Scienceの推進に向けた基本的な方針について御説明いただきたいと思います。
 それでは、阿部参事官からお願いいたします。
【阿部研究振興局参事官(情報担当)】  情報担当参事官の阿部でございます。よろしくお願いします。資料4を御覧ください。
 まず、最後のページに行けますでしょうか。89ページ目になりますが、文部科学省では、昨年の白書でAIについて特集を組んでいたところですが、今年の5月にAI法が成立しまして、その後、6月に内閣府の基本計画専門調査会、7月にはここ学術分科会、8月には情報委員会、それから並行して有識者のヒアリングなども進めながら、その後も議論をしてきまして、11月には「科学の再興」に関する有識者会議の提言の中に盛り込んでいただいて本日といった流れで検討をしてきているところでございます。
 その上で、最初のところに戻っていただきますけれども、少し簡単に背景等を含めて御説明します。まず、3ページ目を御覧ください。AIの全体の流れになりますが、2020年代以降、第4次ブームというような中でAIが大衆化してきているという指摘がありますけれども、今、潮流が3つあると言われており、AI基本原理の発展、リスクへの対応、そしてAI for Scienceなどを含めたAIトランスフォーメーション、こういった流れがあるという指摘があります。
 そういった中で、4ページになりますが、各国におきましてはAIを重要技術と位置づけて国家戦略を整備しているおり、2025年、今年になって、アメリカ、EU、イギリスなどでもAI for Scienceの戦略等が打ち出されてきている中で、5ページ目にありますとおり、11月24日にはアメリカでジェネシス・ミッションというAIを活用して科学的発見とイノベーション創出を加速する国家的な取組という大統領令が発出されたところで、非常に注目が高まっている状況にございます。
 そういった中、6ページ目ですが、AIランキングというものを見てみますと、日本は今、大体10位前後にあるという位置づけです。
 7ページ目を御覧ください。AI for Scienceの言葉遣いですけれども、政策論をするときにはAI for ScienceとScience for AIを含めて概念として捉えていると認識していただきながら見ていただけるとよいかと思います。
 8ページ目を御覧ください。全体の今の状況として、JSTで作られている資料を拝借しておりますけれども、左下にあります研究主体、これまでは支援系のAI4S、AI for Scienceであったのが最近は自律系の方にも進展してきているということ、また、研究環境としてもバーチャルからフィジカルに動き始めているという状況にございます。
 9ページ目を御覧ください。左上のところに科学研究サイクル、マル1とありますが、こういったものと、社会とのつながりの中で大きなループがあるというのが全体の概念かなと捉えられております。
 10ページ目を御覧ください。横軸が汎用化レベル、縦軸が自律化レベルになっていますが、この青のところ、フィジカルAI、ラボラトリーオートメーション、マルチモーダルAI、それからAIサイエンティスト、こういったところは今、いろいろな研究が世界中でされているところですが、更にその右上のところ、汎用人工知能という指摘も最近どんどん出てきていると、そんな状況にございます。
 そういった中、11ページ目を御覧ください。今後の重要な取組と書いてありますが、それらを加速するための施策として、右にありますとおり、先端研究基盤・インフラの構築、グランドチャレンジ等の設定や、分野を超えた人材育成、ツール等の普及が必要じゃないかという指摘があるところです。
 こういったところを背景として持ちながら、以降、本文になります。13ページ目を御覧ください。はじめにとありますが、AIは、研究力の生産性・効率性の向上のみならず、科学研究の在り方そのものを変革している状況にあり、海外では、研究の高度化・高速化が急速に進展している状況にあります。では、日本はということですが、イノベーションを促進しつつリスクに対応するため、今年の5月にAI法が成立しまして、今月にもAI基本計画が策定されるような状況になってございます。『世界で最もAIを開発・活用しやすい国』を目指すという方針が出されているという状況でございます。研究生産性が飛躍的に向上しようとしている中で、日本としても技術的優位性・不可欠性を確保しなければならないと考えており、「AI for Science」の先導的実装に取り組むことが喫緊の課題ではないかと捉えております。そういった中で、「科学の再興」の駆動力として、日本の科学力の反転攻勢のチャンスと捉えて、スピード感を持って取り組むことが重要ではないかと考えております。
 次の2ページにわたりまして、これまでヒアリングした概要ですが、ここは省略させていただきます。
 16ページ目を御覧ください。日本の強みというところを捉えておりますけれども、世界にもまれな世界最高水準の情報基盤があること、質の高い実験・観測データの蓄積、基礎科学力の蓄積が日本にあるのではないかという点。さらには、AIの社会的受容性が比較的高いという点。一方で、世界に先駆けて少子高齢化・人口減少が進展しているという現状があろうかと思います。
 こういったことを頭に置きながら、17ページ目、「AI for Science」の推進による目指す将来像というようなイメージ図でございますが、説明上、下のマル3から見ていただければと思いますけれども、次世代情報基盤の構築、SINETや、スーパーコンピューター等々、こういった基盤をしっかりと国として支えながら、更にこれを、右上のマル2になりますが、研究システムそのものを自動・自律・遠隔化を進めて研究データをどんどんつくっていく。そして、それを左上、マル1になりますが、各分野でAI駆動型の研究開発を強化していく、この全体像をしっかりとサイクルを回すようなイメージを持っていく必要があろうかと捉えております。
 この辺りを少し文章化したのが18ページ目ですけれど、少し日本語が多いのでここは飛ばしまして、19ページ目を御覧ください。今後の方向性と課題等というところでございます。日本全体のAI for Scienceをスピード感を持って戦略的に推進することが必要だということで、マル1からマル6に分類させていただいています。まずマル1として、研究というところで、Science for AI、AI for Science、この先導的・先駆的な取組、また萌芽(ほうが)的・探索的な研究が必要だろうということ。マル2として、データの話、データをつくるところ、そしてそれを活用する基盤の創出。そしてマル3、それらを回していくためには次世代情報基盤が必要だということ。マル4、人材育成、それから産学連携、国際連携の強化も更に必要だということ。それから、こういった取組をしようと思いますと、やはり大胆な投資も必要でしょうし、推進体制の構築が不可欠だろうと捉えております。
 以降のページについては、マル1からマル6の補足説明になりますので、ポイントを絞って説明したいと思います。まず、マル1として研究の部分になりますが、各国で取組が進められている中、日本においてもリソースを戦略的、機動的に分配しながら、重点領域への集中的な投資により世界をリードするようなプロジェクト型の研究や、あらゆる分野における波及・振興及び先駆的な研究を目指したチャレンジ型の取組、これを両輪に、AI for Scienceの先進国の地位を確立するような取組を推進することが必要ではないかというところがマル1になります。
 次の21ページ、マル2、データのところになりますけれども、ここにつきましても、やはりこれからどんどんデータが出てきますので、そういったことを支えるデータ基盤は不可欠だろうということになりますが、この中で、特に大規模なオートメーション/クラウドラボの形成や、全国の研究大学におけるコアファシリティを戦略的に整備し、先端的な研究設備・機器等の整備・利活用・高度化・共用を進めるという取組が重要になってくるのではないかと考えております。
 22ページ、次に計算資源になりますが、やはりAIの研究をするためには膨大な計算資源が不可欠になってくるところであります。こういった計算資源の戦略的な増強、効率的な分配をしっかりと国として進めなければいけないと考えているところでございます。
 23ページ目、研究データ基盤の強化ですけれども、研究データをいかにAIに対応可能な形で蓄積して、それを利活用していくかということが非常に重要な点になってくると捉えており、今後ますます研究データが多く出てくる状況になりますので、AI対応可能な研究データを保存・管理する仕組みをしっかりつくっていく必要があろうかと捉えております。
 24ページ目を飛ばしまして、25ページ目、データの流通基盤の強化というところになります。こちらも全国に張り巡らされていますSINETでありますけれども、そういったところをいかに次世代研究インフラとして構築していくかというところで、AI for Scienceを支える研究データの管理・利活用と流通の在り方についての検討を早期に行って、AI時代に適した研究データ基盤NII RDCや流通基盤のSINET、この高度化を推進していくことが必要だろうと考えております。
 26ページ目、人材のところですが、文部科学省は、初等中等教育段階から若手研究者の育成まで様々なプログラムがあります、研究開発の取組と一体となって、こういった関連人材の育成をしっかりと進めることが不可欠だと考えております。
 27ページ目、国際連携ですが、昨年の4月にAI for Scienceの日米連携枠組みが創設されており、理化学研究所をはじめ、既に動いているところがありますけれども、アメリカ等の動きを見ながら、こういった国際連携を更に進める必要があろうかと捉えております。
 28ページ目、研究投資の重要性というところですが、世界全体のAI投資が増えている中、各国でも投資が進んできている中、日本の現状を捉えますと、頑張っていかなければならないと考えているところです。
 29ページ目、こういったことを進めようと思いますと、やはり国としての推進体制の構築は不可欠だろうと考えておりますが、AIに係る動向、非常に進展・変革が速いというところで、不確実性を伴うところになりますけれども、そういったことを考えますと、やはり中長期的な視点で柔軟かつ効率的な支援も必要だろうという点、そして各取組を有機的に加速するための仕組みを構築して、全体の最適化・効率化を図りつつ、研究開発を機動的に推進していく、そういったことが必要だと思っております。
 次、30ページ目、最後になりますけれども、おわりにと書いておりますが、AIの急速な進展によりまして、研究開発の在り方そのものが歴史的な転換点を迎えていると捉えております。AIは正にゲームチェンジャーだという指摘がなされているわけですけれども、AI研究開発力が科学研究力に直結する時代になってきていると捉えておりまして、AI for Scienceが日本の「科学の再興」の重要な駆動力の一つになるのではないか。また、世界的な動向、国際競争の状況を見ますと、やはり切迫感・危機感を持って取り組んでいく必要があろうと考えております。一番下に書いておりますけれども、そのためには、やはりスピード感を持った強力な政策誘導が必須ではないかと考えているところです。
 少し長くなって恐縮ですが、私からの説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、ただいまの2つの御説明について意見交換を行います。御質問も結構です。いつものようにお一人1回は発言できるようにしたいと思いますので、時間的にはほぼ3分を目安に御発言いただければと思います。
 それでは、いかがでしょうか。どなたかアイスブレークをしていただければと思いますが。梶田委員、お願いします。
【梶田委員】  御説明、ありがとうございました。
 まず、前半部分ですけれど、科学の再興に向けての提言、読ませていただきました。大変有り難く思います。このような文書をまとめていただいたことに感謝いたします。特に今の科学とビジネスが近づいているという現状に照らしても、裾野の広い研究の多様性を有することの重要性を言ってもらったのは大変心強く感じました。
 振り返ってみますと、ここ20年ぐらい、大学間の競争とか研究者間の競争のイメージを私は持っていましたけれど、それにあまりなじめず、また、実際、私の関連する分野ですけれども、日本国内の研究者コミュニティーが弱くなっているように感じていましたので、今回の提言では、むしろ、競争のイメージが薄くて、また、個人の負担の件にも触れていただき、むしろ大学の枠を超えたというような言葉のように、日本全体として科学を再興させていくという方向にかじを切っているようで、感想だけですけれど、大変うれしく思いました。ありがとうございます。前半部分の感想です。
 後半に関して、質問なのですけれど、AI for Scienceの部分で、この問題についてスピード感を持って取り組むということですが、たしか資料4の28ページ目に過去5年間の政府のAI関連投資額の比較がありますが、このくらいの感じで予算的に本当に対抗できるのかというのが一つ、素直に心配になりました。
 それから、あともう一つは、最終的に、もちろん、AIを開発したらば、研究者を含めて多くの人たちが使うということなのでしょうけれども、日本で開発したAIというのはどのように使われることを想定しているのか疑問に思いました。もちろん、日本の科学のためだと思うのですが、具体的に無料で全員になのか、そこら辺をどう考えられているのか気になりました。
 以上です。
【大野分科会長】  どうもありがとうございます。
 途中で切って、今、御質問があったものを事務局からお答えしてもらいたいと思いますので、まずは質問、御意見だけ幾つか頂戴したいと思います。
 それでは、原田委員、お願いいたします。
【原田委員】  御説明、ありがとうございました。
 まず、科学の再興に向けて、有識者の皆様と、非常に短期間ですばらしい報告書をつくり上げていただいてありがとうございます。
 資料2に多少書かれていたかと思いますが、提言の資料3ページ目の真ん中ぐらいに、研究環境のグローバルスタンダード化というふうに書かれています。研究環境のグローバルスタンダード化について、研究は皆さん御存じのように、研究者だけがやっているわけではなくて、その実験施設の保守管理、観測技術の高度化など、データを生み出し、品質管理、公開という点、非常に重要な研究活動で、専門性の高い技術職やデータマネジメントの専門家の役割は大変大きいです。したがって、研究職に加えて、こういった技術職、マネジメント職など、多様な研究関連職の存在をしっかりと敬って、その地位を確保していただくという意識が非常に大事と思います。外国ではもちろんそういうことがなされていますので、このグローバルスタンダード化の中にはそういった点も含めていただけたらなというふうに思っています。
 それから、2つ目のAI for Scienceに関して質問ですが、AI for Science、ゲームチェンジング的な技術かと思うと同時にフェイクですとか、間違ったデータ、情報も非常に巧妙になって侵入してくると想像します。これをいかに排除していくのかというところも非常に重要になってくると思います。こういう課題に対する技術は、日本がどこまで進んでいるのか、世界ではどう進んでいるのでしょうか。
 以上です。
【大野分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、次の大竹委員まででちょっと区切って、事務局からの短い回答をお願いしたいと思います。
 大竹委員、お願いいたします。
【大竹委員】  機会をありがとうございます。また、御説明、ありがとうございました。
 私も梶田委員、原田委員がおっしゃったとおりで、科学の再興というのは我々を元気づけるペーパーになっているなというふうに思いますし、大いに歓迎したいと思います。
 そこで、ショートで2点だけ申し上げたいと思っていて、1つは人材育成ですね。これについては、先ほどのまとめのペーパーでも言及はある中で、これから恐らく人材育成の仕組みというのも少し変わってくるのかなと、あるいは変えることを考えてもいいのかなと思います。具体的には、大学でしたら国研と組むとか、あるいは産業界とより組むとか、そういったところというのは強調されていくのかなというふうに受け取りました。
 もう1点は、気持ちとしてですけれども、日本の大事なところ、あるいは得意なところって、得てして日本のペーパーでは出てこなくて、日本の大事なところを守り育てていくって、とても大事だと思うのですよね。そういった観点で、AI for Scienceというところに包含されているのだと思うのですけれども、例えばAI for manufacturingといった生産技術的なところにも光を当てるというところは日本の特徴を出すためには非常に有効かなというふうに思いますので、そういったまとめ方ということも御検討いただけると有り難いなというふうに思いました。
 以上です。
【大野分科会長】  どうもありがとうございます。
 では、簡潔に石川課長、阿部参事官から一言ずつお願いします。
【石川研究開発戦略課長】  ありがとうございます。
 科学の再興の提言について、今も先生方からいろいろポジティブな御指摘、どうもありがとうございます。
 研究環境のグローバルスタンダード化について、この概要の資料でもあるように、研究者のみならず、職員等と書いているところは、正に他の研究者以外のスタッフも含めて国際スタンダード化していくということを目指していこうということを考えておりますし、人材育成について、正に御指摘いただいたように、しっかり変わっていく中でやっていくところはやっていくということを頭に置きながら、最後、基本計画に落とし込んでいくときも議論できればと思います。
 ありがとうございます。
【阿部研究振興局参事官(情報担当)】  情報担当参事官、阿部でございます。AI for Scienceの関係で幾つか御質問いただいた点、回答させていただきたいと思います。
 まず、28ページの予算の心配というところ、正に心配はそのとおりだと捉えておりまして、何とか国全体としてAIに関する投資を増やしていかなければならないと考えているところです。後ほど補正予算の説明もあると思いますが、今回の経済対策、補正予算の関係で申しますと、文科省としましては、約1,500億円を超える予算を計上しているところでございまして、そういったことをきっかけに今後更に強化していきたいと考えているところです。
 それから2点目として、どのように使っていくのかという点だったかと思いますが、全体として見ますと、世界ではオープン戦略、クローズド戦略、いろいろあると思います。それはモデルについてもそうですし、データについても同様に各国の考え方、いろいろあるかと思います。さらには、各分野によって少し状況も異なるところがありますので、そういった中で、分野ごと、世界的な動向を見ながら取組を進めていくことが必要かと思います。
 ちなみに、78ページ目に御参考ですけれども、理化学研究所が先駆的に取り組んでいただいている取組を御紹介しておりますが、2年ぐらい前から様々な基盤モデル開発等を進めており、ここでは開発したモデルを広く公開しながら、これを更に高度化していくという取組もなされている状況でございます。
 それから、AIのフェイク、間違った情報というところでございますけれども、ここにつきましては、御参考で65ページ目を御覧ください。世界的にもAIがブラックボックスであったり、またハルシネーションを起こしたりという点が大きな課題としてあるわけですけれども、この点、5月に成立しましたAI法でも指摘がありまして、そういったことの中で、文科省として、生成AIの透明性・信頼性の確保に向けた事業というものをしておりまして、AIの中身がどうなっているのかをしっかりと解明していかなければやはり困るということでこういった取組をしているところです。引き続き、こうしたところを強化しながら対応していきたいと考えております。
 それから、最後、AI for Scienceのmanufacturingというところ、日本の特徴の一つではないかという御指摘でございました。そういった製造業は日本の強みというところはよく御指摘いただけるところでございます。この辺りは、経済産業省の方が非常に力を入れて、今、取り組んでいるところでありますけれども、文科省も一体となって連携しながら取り組んでいくことが重要ではないかと捉えております。
 以上になります。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、戻りまして、中野委員、お願いします。
【中野委員】  ありがとうございます。
 御説明いただいた内容を研究環境基盤の整備という観点で整理し直すと、全体として方向性は適切であり、前期と比べても踏み込んだ内容になっていると感じました。特にAI for Scienceが研究環境基盤の議論と明確につながっている点は重要だと思います。
 評価できる点として、研究環境を研究者個人の努力に依存するものから組織、システムとして支えるものへ転換しようとしている点が挙げられます。設備、データ、計算資源、人材を一体として共用基盤化する考え方に加えて、AI for Scienceを研究テーマではなく、研究を支える基盤インフラとして位置づけている点は大きな前進だと感じました。
 一方で、物足りなさや今後詰めるべき点も幾つかあると感じました。
 第1に、研究基盤整備の持続性です。共用設備や研究支援人材は、初期整備よりも維持、更新、持続的な人件費が本質であり、競争的資金では賄いにくい部分です。これをどの財源でどの主体が継続的に支えるかについて、もう一段、具体的な議論が必要だと思いました。
 第2に、研究環境の二層化への対応です。研究大学群の強化は重要ですが、それ以外の大学がどのように研究基盤ネットワークに接続し、国全体としての底上げにつなげるのか、この視点が今後重要になると考えています。総じて、研究環境基盤とAI for Scienceを一体として進める方向性は妥当であると感じましたが、今後はその実装と持続性の具体化が鍵になると考えています。
 以上です。
【大野分科会長】  どうもありがとうございます。
 それでは、続きまして、千葉委員、お願いします。
【千葉委員】  科学とビジネスをつなげていくという観点で申し上げます。もちろん、基礎的な研究が重要だということは改めて申すまでもないのですけれども、ビジネスというところは、要するに科学に対する投資、そしてそのリターン、それがどういう規模なのか、これは日本全体でもっとしっかりと認識する必要がある。それは科学への、特に基礎的なところも含めて、あるいは人材育成も含めての投資を推進する意味でも必要だというふうに思っています。
 現在、日本全体では構想力が劣後していて、それから資金調達力が激減しているということです。これは、基本的には人手不足というのが非常に大きくて、GDPの2.6%ぐらいが影響していると言われています。ということは、十五、六兆円になるわけですね。この中枢になるのはデジタル人材とか、製造業の技能人材とか、地方中小企業などの人材不足。こういうものを解析していくと、これからは博士、それから高専等のエンジニアが極めて重要な役割を持つ、しかもそこにはこれまで以上に大きな人数も必要になるということで、これは正に国が掲げている方針と一致しているということだと思います。
 これが不足するとどうなるかというと、国家プロジェクト級の構想そのものがこれからますます立ち上がらなくなる、要するに構想力のコア人材が薄い影響ですね。それから、政府の成長戦略が小粒になるとか、大企業も守りの投資に偏ってしまう。それから、海外投資案件にしても、日本発の面白い案件が提示できなくなるというような問題が出てくると思います。
 グローバルの投資家というのは、リーダー人材のレベル、それから技術研究の質、それから大学研究機関の例えばトップ10%ジャーナルや特許、こういうものを見るわけです。要するに、専門的な深いところではなくて、表面化したものを見て評価してくる。ですから、こういういいジャーナルを出していくということももちろん必要なわけですね。本質がどうこうという議論よりも、やはりそういうところを推進するという意味でも、科学の研究は極めて重要だというふうに思います。
 こうしたところをどう回復していくかというところですけれども、一つはミッション志向型の博士ですね。要するに、自分の研究テーマというよりも、むしろ、社会の課題と科学技術を掛け合わせて何を変えるかということを考え、実行できるような博士が必要になりますし、もちろん、分野融合・学際型というのも必要になります。ステークホルダーと一緒にシステムを設計できるという、そういう大きな構想力を持った人が必要になるわけです。これ、オーナーシップ型、あるいはアントレプレナー型の博士でありますし、分野としては、データ、AI、ファイナンス、自然資本等々、この意外なところがつながっていく、あるいはつなげることができる人材の育成が必要で、私の思うところ、科学技術と自然資本、政策金融、そして国債、例えばこういう4項目を包括的に話すことができるような高度研究人材というものが必要になってくると思います。
 そのためには、やはり大学の教育の在り方も変えていかなきゃいけない。これは先ほど大竹委員が言われたことは全くそのとおりで、機関連携、特に異分野の機関連携というのをやって、その中で教育をしていくというような、かなりダイナミックな変革も必要になるのではないか、それによって、この目標が大きく底上げされてくるのではないかというふうに思います。
 以上でございます。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、尾上委員、お願いします。
【尾上委員】  ありがとうございます。
 AI for Scienceのところの19ページ目に今後の方向性と課題等というのが記載されています。このマル4、マル6のどちらに入るのかちょっと分かりませんが、後ろを見ると、マル6にはあまり入っていないような形なので、AI for Scienceの時代において、やはり研究企画支援人材、あるいは研究開発マネジメント人材自体も、やはりこういうAI for Scienceの研究というのを支えるように変革していく必要があるかなと思っております。
 マル4とかマル6の後ろには、主にサイエンス、要するに研究者であるとか、あるいはそれをAIとしてAIエンジニア、そういうところの人たちのことが書いているのですけれども、そういう間接的な支援人材自体もやはりAI for Scienceに対応したような研究開発プロセスをうまくサポートするようにしていく、そういうことが必要ではないかと思います。
 以上、簡単ですが、私からの意見でございます。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、五十嵐委員、お願いします。
【五十嵐委員】  五十嵐です。御説明ありがとうございました。
 2点、質問したいのですが、まず1点目はAI for Scienceの方です。17ページ目のところで科学基盤モデルというものが出てきます。明らかにこの基盤モデルというのは、例のLLMから生成AIを生んだ、アメリカが圧倒的に進んでいるファウンデーションモデル、それを意識して基盤モデルとつけていると思います。科学基盤モデルとは何かと思ったら、27ページ目のところで、科学研究向けAI基盤モデルと書いてあります。なるほどそうかと思いました。
 1点目の質問は、こういったいわゆるファウンデーションモデルが、アメリカの巨大ビッグテックのモデルに比べて、日本の強み、ここにいろいろ書いてあるのですが、本当にこれらが、アメリカがつくろうとしているもの、アメリカもこのサイエンス・ファウンデーションモデル、もちろんつくっていますから、どう対抗できるのかという話が一つ。
もう一つは前半の基本計画の方です。私は産業界にいますが、10年前から、経団連と産業競争力懇談会で、基本計画に向けての提言を出してきました。今回の基本計画は、かなり毛色が変わったと思っています。資料1の6ページをお願いできますでしょうか。ここの第5期のところから関わっていますが、そのときは、そもそも基本計画は何のためにあるのか、計画が目指すべき社会像とは何だろうかということで、経団連からSociety5.0の概念を出しました。サイバー・フィジカル・システム、CPSで、世の中ががらりと変わってしまう、新しい社会、ソサエティーになるという話です。第6期は、そもそも何のためにということで、国民の安全・安心と、一人一人の多様な幸せ・ウェルビーイングのために、そこで手段として、総合知であるとか、子供の頃からのSTEAM教育が大切であるという話です。そもそも基本計画は何のためにあるのか、という提言を随分出してきたのですが、今回の計画骨子案は、そこは第6期のままで、以前に戻って、重点領域とか、そのための手段やシステムがどうかという話になっています。もちろんそれはそれで全く問題なくて、梶田先生や原田先生、大竹先生もおっしゃっているとおり、やはりお金が足りなかったし、システムがしっかりしていなかったというのは分かります。しかし、手段とかシステムとか、重点を置くところがはっきりし過ぎていて、若い方々に、動機づけがきちんとできるのかということが心配になります。AI for Scienceの説明の「おわりに」のところにあったのですが、「切迫感や危機感を持って」ということが、十分に伝わり過ぎるような感じがしましたので、そこのところをどうお考えかということをお願いします。
 ありがとうございました。
【大野分科会長】  ありがとうございます。
 もうちょっと皆様の御意見を頂戴してから事務局に答えていただきたいと思います。
 それでは、続きまして、中村委員、お願いします。
【中村委員】  御説明、ありがとうございました。
まず、前半に関しまして、経済成長の停滞とか、あるいは人口減少という現実がある中で、どのようにしてこういう計画が実現できるのかという見通しといいますか、その理由ですね、それが分かるように御説明いただけますと、大変、私としては理解しやすいと思いました。
 例えば、AIの方の話であれば、日本は今、こういう強みがあるので、こういうリソースを活用してこういう方法を採るというような御説明があって分かりやすかったのですけれども、科学の再興に向けてというところでは、第7期の基本計画では、例えば大学のポジションの数、研究職の数は限られているから、個人から組織やチーム力の向上へというふうに向いているのかとか、例えばそういうことについてお伺いできればと思いました。
 もう1点は、再興ということなのですけれども、例えば災害からの復興みたいなことを言う場合には、しばしばビルド・バック・ベターというような概念が語られることがございます。そういうときには、必ず何か特徴を出す必要があって、どの部分が元に戻すだけじゃなくてベターになるのかという概念が伴うのですけれども、科学の再興という場合、国際レベルに戻す以外にどこがベターになっているのかというような点をもう少し明確に御説明いただけると、より理解しやすいと思いました。
 以上です。
【大野分科会長】  どうもありがとうございます。
 それでは、加藤委員までで一度切って、事務局から少し応答してもらいたいと思います。
 加藤委員、お願いします。
【加藤(和)委員】  
加藤です。コメントいたします。
我が国にはすばらしいITの情報基盤があるということで、恐らくそれはスパコンとSINETのことであろうと思います。スパコンはユーザーが限られますけれども、SINETに関してはインターネットですから、1,000組織ぐらいがつながっていて、ほとんど多くの学術機関の人が恩恵に浴しています。
SINETは1992年から公開が始まって、現在まで33年間に亘って提供されていて、現在はSINET6、6世代にわたって構築されたものです。私の手元資料で右下に28ページと書かれているページに、AIに関するもので大胆な投資資金の確保、環境整備、と書かれていますが、世界のAI投資国が出ているスライドでは、アメリカが突出している。我が国のAI投資は、民間がものすごく遅れていて、国の投資も十分とは言えません。我々研究者が欲しいものは、SINETのAI版、SIAIであると思います。今から33~35年ぐらい前の時代の人たちがインターネットに遅れまいとしてSINETを構築したように、SIAIというか、AIを学術機関の誰もが同じように使える基盤環境こそ、我々が今、欲しいものではないかということが1つのコメントです。
 もう1つのコメントです。IT分野ではアメリカを中心に、非常に革命的なことが起きています。アメリカではIT人材が就職難です。どんどんレイオフされている。最近聞いた情報によると、皆さんもよく知っている某大手アメリカのIT企業は、ソフトウエアの50パーセントはAIが書いている。だから、AIが50パーセント書いて、人間は50パーセントしか書かないということが現実に今、起きています。これは恐らく、だんだんとほかの分野にも波及するであろうと思います。日本はまだIT人材が不足しているのでちょっと遅れているのですけれども、いずれそうなると思います。AI革命への対策をもう採っているという御報告が文科省からありますけれども、更に踏み込んだことをやらないと、とても乗り遅れることになるのではないかと心配しています。
【大野分科会長】  ありがとうございます。
 それでは、簡潔に、また石川課長、そして阿部参事官から応答していただこうと思います。
【石川研究開発戦略課長】  それでは、私の方から科学の再興の関係でいろいろ御指摘いただいたところを少し御回答も含めてお話しできればと思います。
 中野先生から御指摘いただいていた今後の整備の持続性ですとか、あとは二層化していく中でのそれぞれのレイヤーをつないでいくという点、その辺、我々も非常に重要なところだと思っています。正に機器の整備、コアファシリティというところで、今回の補正予算の中でもEPOCHという事業で計上していますが、大学の中だけの共用ではなくて、外部の機関とも共用していくようなものや、技術職員などもコアファシリティに集めながら、大学内以外も含めての共用のネットワークをつくっていく形ができればというようなことなども考えております。いずれにしても、御指摘のところ、しっかり継続性というところができるように我々も引き続き考えられるところをしっかり考えていきたいと思います。
 また、千葉先生から頂いていた人材の点ですけれども、高等局の予算ですけれども、理系転換の基金についても、今回、少し追加で積み増すということを補正予算に計上させていただいておりますけれども、正に2040年の産業構造とのギャップを頭に置きながら、学部、学科の転換ですとか高専の機能強化というところで進めていくということをやっております。また、人材育成という点で、博士学生についても、再興の提言の中でもしっかりそこの重要性を書いておりますので、実際の実施というところで、今日の御指摘も踏まえてしっかり考えていきたいと思っております。
 あと、五十嵐先生から若い人への動機づけができるのかどうかという点、その辺は我々も提言を頂くだけでなく、今後、基本計画にしていくというところでも、基本計画専門調査会の方でもちゃんとメッセージになるようなものをという御指摘をそちらの委員の先生方からも頂いておりますので、そういった観点もちゃんと意識しながら、メッセージ性というところも考えていきたいと思います。
 また、中村委員から御指摘いただいた点、どういうふうに実現可能なのか、見通しを持っているのかという点ですけれども、先生も先ほど少し例示されたように、人が限られているから個人から組織なのかといったお話も頂きましたし、あと、再興ということでどこが更にベターになるのかという御指摘をいただきました。例えばですけれども、研究機器、研究設備の観点でも、予算的なところで限られている中で効率的にということを考えれば、個人がそれぞれ機器を持つというよりも、一定の基盤的な機器は共用機器として広げていくということで、先ほども資料の4ページ目のところで少しイメージで載せておりますように、自分で整備しなきゃいけないというところから、ある意味、新しく所属、機関が変わったとしても、コアファシリティがあることでスタートに早く着手できるようにというところの組織的なマネジメント、法人としてのマネジメントも変えていくというところですとか、個人の負担というところから、法人組織が負担できるところは環境を整えていきながら、個人が活躍できるような環境にしていくということがあるかと思います。科学の再興ということで論文数自体が低下している中で、2000年初期ぐらいに論文数がピークの時期がありましたけれども、その時期の環境に戻せばいいのかというと、単にその時期に戻すというわけではなくて、今の時代に合った形での、先ほどほかの先生からも御指摘あったような研究者だけではなくて、周りのテクニシャンであるとか、マネジメント人材であるとか、事務職員も含めての全体として組織としての研究力を上げていくというところに変わっていくことを我々として後押ししていきたいなというふうに思っております。
 少し回答になっているかどうかはありますけれども、私からは以上です。
【大野分科会長】  阿部参事官、短くお願いします。
【阿部研究振興局参事官(情報担当)】  AI for Scienceの関係でいろいろ御指摘、ありがとうございます。
 まず、基盤の観点につきまして、御指摘のとおり、持続性と実装、ここは非常に重要な課題だと思っておりますので、引き続き、国としてしっかり基盤を構築しながら、それを持続させ、更に発展させていくという取組を強化していきたいと考えております。
 それから人材の観点で、19ページ辺りで支援人材、それからマネジメント人材も必要という御指摘のとおりでして、AI人材、そもそも少ないという観点もありますけれども、こういった支援、マネジメントを含めて、人材育成の強化を図っていくということは大きな課題の一つだろうと捉えております。
 それから、LLM等の話の中で、どこでどう対峙(たいじ)、戦っていくのかというような御指摘があったかと思います。今、我々、日常的に使い始めている大規模言語モデル等、そういったところで今回勝ちにいくということではなく、飽くまでAI for Science、科学の観点で、それぞれの分野に特化した科学基盤モデルの開発競争が今、世界中で進みつつあるという状況にありますので、その中で、日本としてどこに勝ち筋があり得るのか、それから日本の強み、日本の持っているオリジナルデータは何なのか、そういったところを考えながら戦っていくことが必要なのだろうと捉えております。20ページ目に、後ほど紹介あるかもしれませんが、研究開発を加速するための取組としてプロジェクト型の研究というものも今回始めたいと考えておりますが、我が国の勝ち筋となるような領域を見据えながら、世界と戦えるところでやっていくというところは今後注力しなければならない一つの課題かと捉えております。
 それから、もう1点、誰でも使えるものが今後必要になるのではないかということや、また、日本が遅れてはいけないという御指摘、そのとおりであると思っております。20ページ目のマル2のところでチャレンジ型ということを書いておりますが、あらゆる分野の研究者の方々がAIを活用して科学研究を高度化、加速化していくという取組が不可欠だろうと思っております。ここを今やらなくては世界の流れに乗り遅れてしまうという危機意識を持っておりまして、驚異的なAI技術の発展に取り残されることなく日本の強みをつくり、そして技術的優位性や不可欠性、こういうものを確保していくために強力な推進が必要だろうと捉えておりますので、頂きました御指摘を踏まえながら、引き続きよく検討しながら進めたいと思っております。
 ありがとうございます。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、お待たせしました、続きまして安田委員、お願いいたします。
【安田委員】  ありがとうございます。
アカデミアの中でAI for Scienceを進めていくというのも一つ大事だと思いますが一方で、研究に関係している国内企業ともアカデミアが連携して進めていくというのも非常に重要かなと思っています。産業、社会、学術界といった多面的なニーズから見つかってくると、日本のサイエンスの優位性みたいなものが今後出てくる可能性が、ここからもまた生まれてくると思います。
 またもう一点、AIをどんどん生かしていくときに、基となるデータが非常に重要になってきております。そのうち律速になるのは、クオリティの高い生データをきちんと取ってくるところに必ずなってくると思います。このときに、分類の分野をみていると、海洋で潜水調査しているので強く感じるのですけれども、現場でデータを取ること、クオリティの高いデータをつくることが非常に難しい分野というのが幾つかありまして、その中で特に重要なところを幾つかピックアップして、もう今の段階からそういったところの人材育成だとか、データをきちんと取っていくということにもきちんと投資していかないと、結局、行き詰まって、律速になり最終的には、AIのクオリティは基盤となるデータのクオリティになっていくのではないかと思います。
 コメントは、以上です。
【大野分科会長】  どうもありがとうございます。
 それでは、続きまして、宇南山委員、お願いします。
【宇南山委員】  ありがとうございます。宇南山です。
 まず、科学の再興につきまして、非常に力強い文章だと思ったのですけれども、書かれていることを改めて見ますと、昔からの課題で、日本が世界にどうやって立ち向かうかといったときに、国際頭脳循環というフレーズで言われていますが、要は人材が外国の中でどう認知されていくかとか、外国からいかに日本に連れてくるかというような視点がここでも強調されているわけですけれども、その際にやはりすごく重要になるのは言語の問題だと思っております。先ほどから何人かの先生が御指摘していらっしゃいましたが、サポート人材、例えば大学の事務であるとか、そういったところではまだまだ国際化は進んでいなくて、例えば私、京大に所属しているのですが、京大といえども、英語だけで生活していけるか、正規のファカルティーとして生きていけるかというと、なかなか厳しい状況にあるかと思います。また、社会科学系なんかの文系の学問分野ですと、外国の官民のセクターから常に認識されると、この人が何をやっているかということに注目してもらえるかというと、そこにもやはり言語の壁というのが大きく立ちはだかっているように思います。もちろん、英語ぐらい身につけろというのは大前提になろうかとは思いますが、実際には裾野まで広く研究者がいて、ましてやサポート人材というと、なかなか言語の壁が越えられないところがこれまではあったというふうに思っています。
 今日、お話を聞いていて、やや皆さんが考えているのよりレベルが低い話なのですが、AI for Scienceという観点でいった場合に、やはり現状のAIを見ると、最も信頼できて使える部分、大して発展しなくても使えそうというのは言語の部分のように感じていて、AIを活用することで、国内研究者若しくはサポート人材の言語の壁を取り除くということがかなり実現可能な段階に来ているように思います。もちろん、研究の中でどうAIを使うかという中では極めて初歩的な部分ではあるんですけれども、どの大学にも共通する課題だと思いますので、何か言語の壁を取り除くために研究サポートをするというのが研究のビジビリティーを上げるなどの観点で、翻訳的な機能を果たせるようなAIみたいなものがもし広く提供されれば、多くの研究者にとって国際的認知を上げるような鍵になり得るのではないかなと思いまして、この科学の再興とAI for Scienceの部分をつなぐ結節点として言語みたいなものを少し検討いただけるといいなと思いました。
 私からは以上です。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、吉田委員、お願いいたします。
【吉田委員】  ありがとうございました。
 AIと科学とビジネスの近接化ということが次の再興に向けての提言ということについて本当に理解できましたし、よくまとめられていると思いました。そういう背景の中で、3点ほど少し質問と感想をさせていただきます。
 まず、第1点は、資料2の10ページのところなのですけれども、第5章の産学連携の推進、世界で競い成長する大学の実現というところで少しコメントさせていただきますと、現在、国際卓越、J-PEAKSを採択中あるいは採択が既に済んでいる事業が始まっていますけれども、この中ではAIということはなかなか事業に組み込まれていなかったように思います。ですから、今後、AIの活用や特定分野のエコシステム形成、あるいは国や自治体の戦略実現に貢献している大学、こういうのも随時、追加採択するなど、変化する社会に応じてチャレンジできる仕組み、こういうものを少し用意していただいたらどうかなというふうに思ったのがまず第1点でございます。
 第2点は、資料2の14ページになるでしょうか、基盤経費の確保というところで、(1)のところになると思うのですけれども、国立大学などの運営費交付金のことについて触れてございます。御存じのとおり、昨今の人件費、物価上昇、大学の基盤的経費が圧迫されていて、もうそれこそ厳しい状況であることは言うまでもなく、第5期からこういうことを入れていただいているというのは非常に有り難いことなのですけれども、一方で、人事院勧告なんかについて、今回も一時的な支援を補正予算でいただいてはいるのですが、一時的な救済にとどまらず、しっかりと物価の変動に応じた安定的な継続的な支援、これをきっちりとやっていただきたいと、これは確認でございます。
 3点目は、同様にその下の3つ目のポツで、民間の研究開発投資を促進するとともにという文章のところなのですけれども、企業とそれから学術がしっかりやるということに対しては、自治体、産業界、投資家についてのインセンティブ、こういうものを是非つくっていただきたいというふうに思っておりまして、これは恐らく経済財政諮問会議でもディスカッションされたのではないかと思うのですけれども、産業界との連携・協働を求める方針の中で、大学にしっかりと支援する企業などについてはしっかりと減税を行えるようなシステム、今も少しはあるのですけれども、特に大学改革を行う大学、あるいは重要なのは地域の中で地域の大学に支援する、そういう企業さんに対しての減税措置を是非インセンティブとして加えていただきたいというふうに思いました。
 以上になります。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、加藤美砂子委員に御発言いただきたいと思います。その次に、4時半までとお伺いしていましたが、小野委員がもし何かあれば御発言いただいて、そしてもとのキューに戻りたいと思います。加藤美砂子委員、お願いいたします。
【加藤(美)委員】  加藤でございます。科学の再興に向けておまとめいただき、ありがとうございました。
 私からは博士人材の育成についてちょっと述べさせていただきます。この中にありますように、多様な場で活躍できる博士人材の育成というのは本当に必須だと思います。今、博士後期課程の進学者がなかなか伸び悩んでいる状態というのは、博士を取得すると将来の処遇に反映させるなどのエビデンスをきちんと見せていって、人材を育成していくということが必要だと思っております。特にこのAI for Scienceを担う人材というのは今後不足することも予想されますが、その人材の予備軍としては、結局、大学生の下は中高生なので、そういう中高生の理工系に進学したい人というのが予備軍になります。けれども、中高生が志向する分野に関して、いわゆるITやエンジニアリング等の割合というのは、昨今の時代の情勢から考えると、やはりちょっと少ないように思っております。そのため、初等中等教育の段階からAI for Scienceを理解していただくような科学技術人材の育成の強化を図って、この分野への興味や関心を若いときから育てるように、企業も巻き込んだ形で裾野を広げる努力を今から行わなければならないのではないかと考えております。
 私からは以上でございます。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、小野委員からはテキストでコメントをいただけるということですね。どうもありがとうございます。
 それでは、続きまして、木部委員、お願いいたします。
【木部委員】  ありがとうございます。
 AIは全ての分野でこれから非常に重要な役割を果たすことになるので、26ページに、人文・社会科学系の分野も含めたということが書かれているのは非常にすばらしいことだと思います。
 その際に、資料4の19ページのマル4に、AI人材の育成・確保というふうに書いてありますが、人文系のデータに限らず、データの権利関係、個人情報関係についてきちんと考えられる人材が必要だと思います。特に3つ目の丸の国際連携・国際協調について、例えばEUとデータを共有しようとしたときに、EUには非常に厳しいデータ保護管理のGDPRというルールがありますが、現在、日本ではそれをどういうふうにクリアするかということがあまり考えられていません。ですから、人材育成のときに、リテラシーとして、スキルだけでなく権利関係、個人情報保護関係、データ保護関係、それからデータ利用に関する倫理、そういうことがきちんと指導できるような人材を育成するということも入れていただければと思います。
 以上です。
【大野分科会長】  どうもありがとうございます。
 続きまして、北本委員、お願いします。
【北本委員】  私からは2点、コメントと意見を申し上げたいと思います。
 1つ目は、AI研究のトップを引っ張っていくというところです。特にScience for AIを考えたとき、お金が足りないという問題は28ページの図にもありましたが、実際にどこで足りないのかという点をもう少し解像度高く分析できるとよいと思います。例えば、モデルをつくるという基盤的なところにお金がかかることは理解できますが、データをつくるところにもお金がかかりますし、データをつくるところはスケールしづらい面があるので人も必要になります。更にアプリケーションをつくるというところもあります。それらに分解した上で、配分としてどこがどのように足りないかが見えてくると、もう少し解像度高く議論できるのではないかと思います。
 また、研究が大型化していく状況の中で、資金の使い方の柔軟性なども重要です。資金を増やすとしても、研究者には最終的に研究プログラムやファンディングなどを経由して届きます。それが使いにくいと、研究が進まないということもあり得ます。急速に状況が変化する中では、5年計画をつくって、5年後、計画どおりに進んだからよいというわけではないと思います。状況の変化に柔軟に対応できる研究資金の使い方を備えた制度を是非つくっていただきたいと思っています。
 それから、先ほども御意見がありましたが、データをつくるというところは非常に大変ですので、AI研究に使うことを想定した作り方を最初から意識しておく必要があります。研究を始めるときからデータ側の専門家と相談する、データをつくったらモデル側の専門家とコラボレーションするなど、柔軟なコラボレーションも考えていく必要があります。
 最後にコメントです。AI研究が遅れているという切迫感、危機感です。私はこの分野の研究者なのでもちろんありますが、他の分野の方は必ずしもAI研究が遅れることへの危機感を持っているわけではないかもしれません。どちらかというと、それぞれのコミュニティーの研究が遅れることへの切迫感、危機感があるのではないでしょうか。そうした遅れへのソリューションとしてAIを活用する。そうした使い方を広く共有できるような仕組みが必要と考えています。
 以上です。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、石塚委員、お願いいたします。
【石塚委員】  まず、科学の再興についてなのですけれども、非常にオーソドックスなコメントなのですが、参考資料1の一番後の方に、研究者が研究に専念できる環境というようなほかの先生方のコメントが書かれておりました。これに恐らく対応するのが実際の提言の中の例えば施設の共用だとか、もう一つが多分、資料1ですかね、イメージ図があったと思うのですけれど、こちらです、ありがとうございます。この下の方に専門化・組織化されたというような記載があるのですけれども、研究者が研究に専念できる環境の整備というのも、恐らく長年どこの大学も頭を抱えている問題だとは思いますし、公の研究所だとしても同じ問題を抱えているところが多いのではないかと思います。なので、こちらの方、恐らく施設の共用だけではもちろん解決しない問題で、その辺りはこれまでもディスカッション、議論されているかと思うのですけれども、少しこちらの方のてこ入れも是非お願いできればというふうに考えております。
 それから、AI for Scienceの方なのですけれども、こちらに関しては既にもういろいろな先生方が意見を述べられていて、なぞるような話になってしまうのですが、AIが今、急成長を遂げている中で、恐らく整理すべきいろいろな周辺の課題というのが多分、まだそれに追いついていないところもあるのかなというふうに考えております。先ほど資金のお話が出たのですけれども、資金もそうなのですけれども、恐らく追いついて同じスピードか、若しくはそれを越して整備を進めていかないと、どこかで両輪がぱきっと折れてしまうのではないかというのを心配しておりまして、もちろん、先生方も文科省の方も認識されていることかと思うのですけれども、是非よろしくお願いしたいと思っております。
 以上です。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、飯田委員、お願いします。
【飯田委員】  科学の再興の取りまとめとAI for Scienceの御説明、ありがとうございました。AI for Scienceが極めて重要なのは言をまちませんし、ここに注力いただけるという方針に産業界としても大変有り難く感じているところです。
 資料4の14ページから15ページに有識者ヒアリングの概要として書いていただいているこの項目一つ一つに対しましても、大変もっともと思って拝見しておりました。
 あと、先ほど文科省様の経産省様と密に連携に取り組むというお言葉も非常に心強く伺ったところです。
 今の資料4の16ページに日本の強みをまとめていただいておりまして、これらの強みは強みであろうと思う一方、例えば昨今の中国のAI関連の報道ですけれども、素直に脅威と感じるようなところもございまして、これに対して、日本は広く浅くでは戦えないといいますか、勝てないのではないかと思っております。基礎研究、応用研究の各でどのような戦略を取るのか、戦略的に特定の部分に重点的な投資ということも選択と言いますか、そういうことも必要と思われますけれども、その目利きをどうするのか、また、アカデミアと産業界の連携の話も出ておりますけれども、これはどう加速させるのか。これから具体的に見えるようにしていただくと思うところですけれども、誰が、また、どこが中枢となり動くのかという辺り、進め方をお伺いさせていただけたらと思って聞いておりました。
 以上でございます。よろしくお願いいたします。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、続きまして、森田委員、お願いします。
【森田委員】  ありがとうございます。重要で大きな問題につきましては、既にほかの委員の先生方から御指摘いただいていますので、私としては、やや細かい点についてコメントさせていただきたいと思います。
 AI for Scienceのところなのですが、先ほどから言語の問題とか、あるいはデータの作成の問題というのは出ていますけれども、私のような人文・社会科学系の研究者から見ますと、やはりローカライゼーションが非常に重要なことになってきております。
 そうしますと、日本独自のデータというのが重要になってきますがやはりなかなか難しい。例えば国や地方公共団体のような公的機関もたくさんデータを持っておられます。例えばこの審議会でも議事録は今は、公開されていますけれども、ちょっと古いものになると公開されていません。あるいは、例えば裁判の判決についても来年度から全部公開されますけれども、それ以前のものは全部公開されてはいないというように、ちょっと古くなるとデータがないというのがあります。ですから、そういったものも含めまして、ちょっと古いデータでも、研究のためには非常に重要でありますので、できれば公開されるような仕組み、あるいは制度作りみたいなものがあると、すごく役に立つのかなと思っております。もちろん、それを行うためには担当者の方々のマンパワーが必要ですので、すぐにそう簡単にできるものではないとは理解していますけれども、できればそういった日本固有のデータを増やすような形での支援がなされてくれると非常に助かると思っています。
 以上です。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、中井委員、お願いします。
【中井委員】  どうもありがとうございます。
 科学の再興について、感想ですけれども、大変勇気づけられる内容だと思って、多くの部分で同意できると思いながら読ませていただきました。
 一方で、ここに書かれていることは日頃からよく問題視されている、そういう項目が挙げられていると。日頃から問題視されている問題は、これまで解決してこなかったという、正にそういう問題で、今回、こういうまとまった提言によって、これが着実に解決につながるということを期待いたします。感想です。
 AI for Scienceに関してなのですけれど、AI関連人材の育成と確保というところに特に興味を持ちました。こちらの内容を見させていただくと、研究者の育成、いわゆるトップ層から汎用的なAIのリテラシー層、更に産業人材、リスキリングまで広く考えられているなというふうに思いました。
 こういう人材が必要だということは分かったのですけれど、日頃、学生、大学院生とか若手研究者と接している身にとっては、どういう学生たちがどういうときに研究者になりたいか、要するに研究者としてのモチベーションをどういうときに持つかということ、こういうことも含めてまとめていただければなと。もちろん、こちらに書かれているようなAI for Scienceというのが研究の高揚感であったり、あるいは社会的意義、貢献とか、創造性を発揮できる魅力であったり、あるいはコミュニティーに対する魅力、こういうものは感じるわけですけれど、個人的にはキャリアに対してもどういうふうに反映されるのか、学生がどういうときに本当にその道に進もうと思うかというのは人それぞれですけれど、そういう視点もあってもいいのかなというふうに思いました。
 もう1点、最後ですけれど、AI for ScienceでどういうAIをつくるのかということを先ほど回答いただきましたけれど、全体ではなくてある分野に特化したものをつくっていくのだというお話があったと思うのですけれども、もちろんそれは質のいいデータをつくって集めるということだと思うのです。それは1から10、あるいは、1を100にするという意味では非常に重要だと思うのですけれど、いわゆる0から1と言われているのは、もしかしたら特化していないところから、実際、私自身がAIと対話しながら研究を考えるという意味では、全然、自分が特化している分野ではない、もしかしたら幼児体験も含めて物事を考えている可能性があるので、そういう意味の広いプラットフォームも、やはり日本としては後押ししてもらう必要があるのかなというふうに思いました。
 以上、感想とコメントです。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、鷹野委員、お願いします。
【鷹野委員】  提言と課題をまとめていただきまして、ありがとうございます。
 私もAI for Scienceの重要性というのをひしひしと感じているところです。
 資料4の18ページに基本的な戦略の考え方というのがまとめられております。これまでの加藤先生をはじめとします皆様のコメントで理解が進んだところですし、安田先生や飯田先生のコメントとも関係するのですけれども、私がちょっと疑問といいましょうか、気になるところとしましては、大学等の研究機関と企業との協力関係ですね。それが現状どうなっているのかという辺りは、ちょっと私、情報がございませんで、そういったところを知りたいなと思いました。そしてまた、今後の連携の見通し、そういったものも、もし文部科学省の方でお持ちでしたら、是非教えていただきたいと思いました。
 以上でございます。
【大野分科会長】  どうもありがとうございます。
 それでは、続きまして、関沢委員、お願いいたします。
【関沢委員】  ありがとうございました。私は資料3の30ページについて、ちょっと気になったことがありますもので、一言コメントさせていただけたらと思います。
 30ページに、次世代の科学技術人材育成の強化という項目があるのですけれども、ここで持続的な観点から人材育成をしていくに当たり、義務教育の段階から文理分断型の教育からの脱却を図るという言葉が文末にあるのですけれども、確かに持続的に人材を育成していくためには、文系の人間にも理数的な素養ということは必要だということはよく分かります。だけれども、五十嵐委員が最初におっしゃいましたけれども、やはり人文的な思考というものも大切で、だから、何のためにそういう研究をするのかという、手段だけではなくて、何のためにするかというところもきちんと伝えていくことが大切かなと思いました。
 以上です。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 小野委員からコメントを頂いていますので、助川室長から読み上げていただければと思います。
【助川学術企画室長】  ありがとうございます。事務局の助川でございます。
 小野先生からテキストで意見を頂戴しておりますので、代わって読み上げます。
 科学の再興において、戦略性と多様性という2つの軸が示されている点はとても重要で意義深いと感じました。戦略性については、CSTIでも既に具体的な議論が進められている一方で、多様性については十分に議論が深まっていないように思われます。分野ごとの盛衰や分野間の相互作用といった点は、外からはなかなか把握しにくい側面もあるだけに、実態をどのように捉えるのか、また、国としてどのように戦略的に多様性を確保していくのかについて、今後更に解像度の高い議論が求められるのではないかと感じています。
 また、機関連携による多様な人材育成や質の高いデータの整備、保管の在り方については、皆さんがおっしゃっている点に共感します。
 以上、代読させていただきました。
【大野分科会長】  どうもありがとうございます。
 これで私を除いて全員に御発言いただいたと思いますけれども、忘れられているという方、いらっしゃいませんよね。大丈夫ですね。
 それでは、最後に私から発言させていただいて、あと、文科省のメンバーから今まで頂いた御意見、御質問に簡潔に答えていただけたらと思います。
 3点あります。
 1点目は、科学の再興のところに出ていますけれども、組織というもの、つまり、大学であったり、国研であったりというところが非常に大きな責任を持つ主体になるのだと。つまり、研究環境を整備する主体になるのだということです。これまで資源がなかったせいもありますけれども、正直言って、大学がこういうことをやっていたら研究時間がなくなってしまうでしょうということで、組織を変えたり、仕組みを変えたりすることはなかったと思います。全部、教員が発案して、様々な組織が変わっていったと。それに対して、これからはやはり組織の責任として研究の卓越性を、あるいは卓越した研究を大学で行うに当たって、どういう環境を整備するのか、そこが問われるのは次の期になるのだと考えています。野球で例えたら不謹慎かもしれませんけれども、大谷選手が球団経営をしないのと同じように、優秀な研究者が活躍できるように組織が経営されるべきだという、そういう流れになっているのだと思います。
 2番目に、AIですけれども、これは加藤和彦委員がおっしゃったことに近いのですけれども、今、研究の現場は大きく変わろうとしています。例えば、グーグルだとCo-Scientistというものが出てきて、そことある種、相談しながら、データの解析も、あるいは仮説も様々なものをAIと対話をしながら、あるいはAIが勝手にサイエンスを進めるという面が出てきています。それはある研究者に10人、20人の部下がいて、その研究者を助けているというような構図に非常に似ているわけですね。そうなりますと、研究の生産性という立場に立つと、一人の研究者ができることがものすごく増えます。それに後れを取りますと、競争しているわけではないのですけれども、新しいことを発見しよう、あるいは深めようとしたときには、どうしても時間の軸が関わりますから、そういう環境を早く日本の研究者が享受できるような形にしていかなければいけないと。従いまして、トップの基盤モデルをつくるというのもやらなきゃいけませんし、スーパーコンピューターを使ってというところも従来以上に進めなければいけませんけれども、大きな研究のやり方の変革が来ているというところは、個々の研究者、様々な研究者が広く享受できる環境をできるだけ早くつくらなければいけないと考えています。
 そういう意味で、加藤和彦委員がおっしゃったのだと思いますけれど、SINETならぬAINETというか、AIのネット、みんなが使えるような、使い方をもそこで学べるようなネットワークというのがこれからは必要になるのだろうと思います。それをできるだけ早く、そして、相手もどんどん変わっていますので、変わるところについていけるようなスピードで仕組みを変えていく、あるいは中身を変えていくということが大事だと思います。
 データに関しても、契約できちんと縛って、例えばグーグルと一緒にやるのであれば、グーグルのところに集まったデータ、かくかくしかじかの形で外へ出さない、日本の中で蓄えておくべきであるというような契約の仕方が重要だと思います。それは個人の研究者ができるレベルではないので、やはり共同利用研究機関等が責任を持ってやるような形になるのだと想像しています。
 もう一つは、これは言わなくてもいいのかもしれませんけれども、研究は何のためにするのかというと、2つの軸があると私は考えています。1つは理解をする。深く理解をするということは、役に立つ、立たないに関係なく重要だと。つまり、数学の構造であったり、物理であったり、理学系が比較的分かりやすいわけですけれども、文学系であっても、人間がどう物を考えるのかとか、どう物を表現するのかということを深く理解するということは、それ自身が価値であるということだと思います。
 一方で、役に立つということも当然大きな価値であって、例えば工学系はその価値がないと話にならない、話にならないという言い方ではなくて、工学系はそういうことを目指している系なわけです。やはり社会でどれだけ役に立つかということが重要で、その2つの軸ではかられるべきで、両方が大きければ、それはまたとてもいい研究だということであると思います。
 例えば、純粋なといいますか、理学系の理解しようとする研究というのは、将棋を深めるようなことに近いところがありますよね。本人にとっては、もうそれが面白くてしようがないと。ですから、藤井聡太氏のような深め方があるわけで、それを役に立つ、立たないという軸では切れない深さがある。そこも常に理解しながら、しかし、最終的には私たちの活動は税金で大半が賄われていますので、国民に対する説明責任、役に立つというのが一番分かりやすい説明だから常に求められるわけですけれども、その軸だけでは学術はない。このことを常に念頭に置きながら説明していく。役に立つということはとても重要な説明の柱なので、これからも強調していくということになろうと思いますけれども、学術にはそういう二面性があるということをここでは発言しておきたいと思います。
 私から以上です。
 それでは、是非文科省の皆さんから最後の議題の時間を残していただくように御発言いただければと思います。石川課長からお願いします。
【石川研究開発戦略課長】  ありがとうございます。科学の再興の関係で御指摘いただいたところを御説明できればと思います。
 吉田委員から御指摘あったところ、引き続きチャレンジできる仕組み、これは正に文科省としても今後も考えていくべきところかと思っています。
 基盤的経費のお話ですけれども、この科学の再興の報告書の中でも、国立大学の次の第5期中期目標期間においての運交金の在り方というのは、物価変動なども含めて安定的な形で予見性が立つような形ということを検討していく方向になっていたかと思います。民間からの研究開発投資へのインセンティブという点では、今回の研究開発税制の改正につきましても、例えば重点領域に指定された分野については、大学との共同研究で更に控除率を上げるというようなインセンティブを提案していたりですとか、あとは先生御覧になったかもしれないですが、資料2、骨子の10ページでお話があったように、ここのページのところにもありますように、例えばですけれども、民間企業から地方自治体への寄附を通じて、大学、研究機関への資金の確保の方法として企業版ふるさと納税の活用を拡大していくという記載も、骨子にも記載されていますので、そういった観点も含めてインセンティブというところで検討が進められておりますし、文科省も一緒にやっていこうと思っています。
 加藤委員から御指摘があった博士人材に関して、我々も博士課程への進学や、学位を取得する高度人材を増やしていこうという中で、そのキャリアパスがアカデミアだけではなくて、民間も含めて多様なキャリアパスというところもしっかり企業側、経産省とも連携しながら、ハンドブックをつくってというようなところも含めてしっかりやっていきたいと思っていますし、小学校段階からというところでも様々、科学への関心の高い子に対して、それを更に伸ばしてあげるような施策というのも打っていきたいというふうに思っております。
 あと、石塚先生から御指摘のあった研究者が専念できる環境。正に今回、我々としても非常に大事なところだと思っております。先生の御指摘のように、施設だけではなくて、先ほど来、ほかの先生方からも御指摘あったようなスタッフ、サポート人材であるとか、マネジメント人材も含めて、そういった研究者以外のスタッフもしっかり充実していくですとか、あとは競争的資金もできるだけ申請や、そういったところのコストを下げるような様式の共通化などは引き続き進めていければと思っておりまして、様々な施策を通じて研究に専念できる環境というところで支援していければと思っております。
 あと、関沢先生から御指摘のあった文理分断からの脱却のお話。これ、必ずしも文系の方に理系の素養をというだけではなくて、逆に理系の方たちも文系の素養をということも含めて、文理を分けてということではなくやっていくということが重要なのだろうと理解しております。科学の再興の提言の中でも、有識者会議の中でも議論がありましたように、科学技術は、使われ方によって二面性があるだろうという御指摘も頂いていまして、社会的受容性ですとか法制度を含めたELSIへの対応といった、自然科学だけではない人社の知も含めてしっかり進めていくというところも御指摘いただいて書き込んでおりますので、そういった観点も引き続き頭に置きながら、我々も様々進めていきたいと思います。
 私からは以上です。
【大野分科会長】  それでは、阿部参事官、お願いします。
【阿部研究振興局参事官(情報担当)】  AI for Scienceの関係でございますが、様々な御指摘、ありがとうございます。
 今後の取組や検討におきまして生かしていきたいと思いますが、私から御指摘いただいたところ3点、まず、企業連携、人材、データのところを申し上げたいと思います。資料4の18ページ目を参照いただければと思いますが、やはりAI関連の人材育成、これは全てのレイヤーで進める必要がある一方、高度な人材につきましては、高度な研究活動を通じて育成されるような部分もありますので、そういう人を引きつけるような魅力的な研究環境とか、それを含めた国際連携、こういったことも必要かと考えております。
 また、企業との関係で言いますと、これから人文・社会を含めたあらゆる分野においてAI for Scienceを普及、浸透させていくということが必要だと思いますけれども、例えば2030年代、全国どこでも誰でもAIを使った研究活動が可能となっていくような、そんなことも見据えながら、一方で科学とビジネスが非常に近接化しておりますので、科学研究から産業への橋渡し、こういったことを含めて取り組んでいくことが非常に重要で、そこの科学とビジネスの好循環を頭に入れながら取り組むことが重要ではないかと捉えております。
 それから、データの話につきまして、資料3の32ページ目のところ、本文に少し記載していますが、データの関係、ユニークなデータが貴重な研究資産となるというところがあると思います。知の継承や海外流失の防止、そういったことも含めて、電子化されていないデータや、いわゆるレガシーデータと言われているもの、こういったものをどう使っていくのかというのは大きな課題だと思いますので、しっかりとそういったことも検討が進められればと考えております。
 あと1点、研究の柔軟性と御指摘いただいている点につきましては、資料4でいいますと20ページ目、研究の取組のところで少し御紹介しております。プロジェクト型の研究ということで、今回、補正予算で320億円を3年間の基金ということで計上させていただいております。こういったAIの取組をするときに柔軟な資金、機動的な資金をいかに投入するかということも大きな課題だと思っておりますが、今回の補正予算なども通じまして、更に取組を強化したいと考えております。
 ちょっと雑ぱくになって恐縮ですが、私からは以上になります。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 次の議題に移る前に一言言っておきたいということがあれば挙手をお願いします。よろしいですか。どうもありがとうございました。
 それでは、次に議題3、令和8年度概算要求及び令和7年度補正予算(案)について、助川室長から説明をお願いいたします。
【助川学術企画室長】  ありがとうございます。学術企画室長の助川でございます。
 ここでは、来年度、令和8年度の予算の概算要求と今年度、7年度の補正予算(案)につきまして、ポイントを絞って御報告申し上げたいと思います。
 資料5を御覧いただきまして、2ページ目は今年の8月末に文部科学省から提出されました来年度、令和8年度予算の概算要求のうち、科学技術・学術に関するものの主なポイントを1枚にまとめたものでございます。
 左上の「科学の再興」に向けた研究力の抜本的強化というところでは、例えば2つ目の新興・融合領域への挑戦をはじめとする多様で卓越した研修への支援、その1つ目のポツとして科研費・創発事業による若手・新領域支援の一体改革ですとか、また、その次の緑のところにありますように、「AI for Science」による科学研究の革新などを要求しているところでございます。
 このページは簡単にさせていただきまして、最近のことといたしまして、4ページ以降からでございますけど、今年度、令和7年度の文部科学省関係の補正予算(案)について簡単に御紹介申し上げたいと思います。
 今回の補正予算(案)では、物価高への対応と大胆な危機管理投資と成長投資で強い経済を実現するための予算というものを計上してございます。今、こちらに映しておりますのが、文科省関係の資料、全部で150枚ぐらいになりますので、そのうち、科学技術・学術関係のもののうち、更に幾つかを抜粋したものでございます。その補正予算(案)は11月28日に閣議決定されまして、現在、まだ国会で御審議いただいているところというステータスでございます。
 次の5ページ目を御覧いただきますと、科研費・創発事業による若手研究者の国際的・創発的研究等への支援とございます。真ん中に事業内容というのがございますけれども、マル1のとおりですけれども、科研費につきまして、まず、国際共同研究を実施するための海外派遣や海外からの日本人研究者の受入れを促進するとともに、次の丸、研究費の柔軟な使用を可能として、若手研究者の研究時間を確保するための基金化の拡大に必要な予算といたしまして、科研費の関係で300億円を計上してございます。
 また、マル2にございますように、創発的研究支援事業につきましても133億円を計上してございます。
 右下にありますけれども、これらによりまして期待される効果、若手研究者を中心とした、国際的な研究ネットワークへの参画促進によって、研究の国際競争力の向上につなげる、また、研究時間の確保を推進する。また、次の丸にありますけれども、破壊的イノベーションにつながる質の高い研究成果を創出し、研究力強化に資するということでございます。
 次の6ページ以降がAI for Science関係で、先ほど情報担当参事官の阿部から申し上げたことと若干重なりますけれども、令和7年度補正予算(案)ではAI for Scienceに関する経費を含めると、総額1,527億円を計上してございます。特にAI for Scienceによる科学研究の革新関係のものは6ページから12ページまで出てございまして、まず、6ページ、今、御説明申し上げましたけれども、基金を措置して最先端のAI基盤モデルの開発を促進することも含めて、AIの研究開発・利活用の推進というもの、続きまして、ちょっと飛ばしますけれども、10ページ目になりますか、大規模オートメーション/クラウドラボ形成への支援、事業内容にございますとおり、まず、研究設備の自動化・自律化・遠隔化による大規模なオートメーション/クラウドラボを形成する。また、高度な研究支援・コンサルテーションと一体的な新たな共同利用サービスを提供する。また、研究者が時間・空間を超えて高度な研究環境にアクセスし、それによって高品質なデータを大量に生成するというものでございます。
 また、次の11ページにありますように、AI for Scienceを支える情報基盤の高度化などを行います。
 また、先ほどと関連する経費として、例えば13ページにありますけれども、先端的な研究設備・機器の整備・共用・高度化なども行い、また、これらに例えば富岳の次世代機の開発整備なども加えて、関係する経費として1,527億円を計上しているところでございます。
 ちょっと飛ばしまして20ページでございますけれども、大学等における最先端研究設備等の整備の推進とございます。国際的な研究拠点の形成ですとか全国的な観点からの国内外の共通研究基盤の整備として学術研究の大型プロジェクトを推進しているところでございますけれども、事業内容のところにございますとおり、学術分野の国際的な動向を踏まえ、国立大学法人、あるいは大学共同利用機関法人における大学等の枠を超えた共同利用・共同研究機能を担う最先端の研究設備等整備するものとして総額96億円を計上してございます。
 次の21ページが共同利用・共同研究システム形成事業として、国公私立大学の共同利用・共同研究拠点について、事業概要のところにありますけれども、最先端の中規模研究設備の整備に係る費用として10億円を計上してございます。
 また、22ページのところでございますが、物価・人件費の上昇ですとか教育研究設備の老朽化などに対して速やかな支援が必要という背景・課題の下、物価・人件費上昇等への対応のため、国立大学や大学共同利用機関の運営費交付金を措置して、また、教育研究設備の整備を支援するものとして合計486億円を計上してございます。
 以上が補正予算及び令和8年度の概算要求の御説明でございます。
 以上でございます。
【大野分科会長】  どうもありがとうございます。
 それでは、今の件に関して、何か御質問ございますでしょうか。よろしゅうございますか。
 それでは、今日の議題は以上となります。
 最後に、事務局から連絡事項があればお願いします。
【林学術企画室室長補佐】  事務局でございます。
 本日の議事録につきましては、後日、メールでお送りいたしますので、御確認の方、よろしくお願いいたします。
 また、本日の議題に関しまして、もし追加の御意見等ございましたら、後日、事務局まで、こちらもメールでお送りいただければと考えております。
 次回でございますけれども、令和8年2月24日、火曜日の15時からの開催を予定してございますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 連絡事項は以上でございます。
【大野分科会長】  どうもありがとうございました。
 それでは、本日はこれで閉会といたします。お忙しい中、御出席いただきまして、誠にありがとうございました。
 
―― 了 ――

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