第13期研究費部会(第3回)議事録

1.日時

令和7年11月11日(火曜日)15時00分~17時00分

2.場所

対面及びオンライン会議併用のハイブリッド形式にて開催

3.議題

  1. 令和8年度概算要求について
  2. 我が国における新興・分野融合的研究の振興について(中間報告)
  3. 「学術変革領域研究」の検証について
  4. 「基盤研究」の役割・在り方について

4.出席者

委員

大竹部会長、鷹野委員、宇南山委員、加藤委員、塩見委員、新福委員、中井委員、永田委員、中野委員、中村委員、華山委員、茂呂委員、速水委員

文部科学省

鈴木研究振興局研究振興官、板倉学術研究推進課長、大鷲学術研究推進課企画室長、豆佐学術研究推進課企画室室長補佐、他関係官

5.議事録

【大竹部会長】  
 それでは、定刻になりましたので、ただいまより第13期第3回の研究費部会を開催させていただきます。
 本日は、事務局から概算要求の状況について説明していただくとともに、日本学術振興会から挑戦的研究に関する検討状況について中間報告をしていただきます。その後に、学術変革領域研究の検証の進め方、さらに基盤研究の役割・在り方について議論したいと思っております。盛りだくさんですが、よろしくお願いいたします。
 それではまず、事務局から配付資料の確認と注意事項をよろしくお願いいたします。
【豆佐企画室長補佐】  
 ありがとうございます。本日は、対面とオンラインのハイブリッド形式で開催をしております。事務局から、配付資料の確認とオンライン会議の注意点について御説明させていただきます。
 資料につきましては、議事次第の次のページに記載のとおりでございます。個々の資料の読み上げはいたしませんが、資料の欠落等がある場合や、また、対面で御参加の方で、タブレット端末の操作方法について御不明な点がある場合には、事務局までお申しつけいただければと思います。オンラインで御参加の方は、資料については、事前にお送りいたしましたファイルを御参照いただければと思います。
 続きまして、オンライン会議の注意事項でございます。音声の安定のため、発言時を除き、常時「ミュート(マイクOFF)」にしていただければと思います。部会長、委員、オブザーバーを含めメイン席の方は、常時「ビデオON」に、その他の方は、常時「ビデオOFF」にしていただければと思います。
 また、発言される場合は「挙手」ボタンを押していただければと思います。部会長が指名をされますので、ミュートを解除「マイクON」にしていただきまして、その都度、お名前を御発言いただくとともに、オンラインでも聞き取りやすいよう、はっきりと御発言ください。
 資料を参照される際は、資料番号、ページ番号などを分かりやすくお示しいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 また、トラブル等が発生した場合には、電話にて事務局まで御連絡いただければと思います。
 以上でございます。
【大竹部会長】  
 どうもありがとうございます。
 それでは、早速ですけれども、ここから議事に入らせていただきます。令和8年度概算要求について、事務局より御説明をよろしくお願いいたします。
【大鷲企画室長】  
 事務局でございます。お手元の資料、資料1を御覧いただけたらと思います。通し番号でいきますと、右下4ページになろうかと思います。
 こちらは、表題を見ていただきますとお分かりになりますとおり、科研費・創発事業による若手・新領域支援の一体改革ということで、本部会でも御議論いただいたことを踏まえまして要求させていただいているところでございます。
 冒頭「背景・課題」からでございますけれども、1つ目の丸、「我が国の研究力は相対的に低下傾向となっている中」とございます。その中において、7月のこの部会、研究費部会におきましても、東大、坂田先生をお呼びしてヒアリングを行ったところでございますけれども、研究トピックの後追いとなっているとの指摘もいただいているところでございます。
 また、資料といたしましては、28ページのところに、NISTEPの「サイエンスマップ」における国際的に注目される参画領域数についての推移を載せているところでございますけれども、その参画領域数が、我が国は主要国の中でも少ない状況。特にスモールアイランド型と呼ばれる領域について、少ないことについての御議論があったところでございます。また、さらには、前期の部会におきまして、研究活動の国際性についても御指摘をいただいているところです。
 このような状況も踏まえまして、2つ目の丸のところ、若手研究者を中心に既存の学問体系に捉われないチャレンジングな研究への挑戦を後押しするとともに、国際ネットワークへの参入というものも、引き続き重要であろうというところでございます。
 そして、本年6月に閣議決定されました各種政府方針におきましても、「経済財政運営と改革の基本方針2025」、いわゆる骨太でございますけれども、こちらでも、科研費等の充実を通じた研究力の一層の強化について盛り込まれ、またその下、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」におきましても、若手研究者を中心とした挑戦的、国際的、創発的研究への支援の積極的な拡充、それから、国際共同研究支援の拡充について取り組むことが盛り込まれ、また、右側に行きますけれども、「統合イノベーション戦略2025」につきましても、既存の学問体系に捉われない研究テーマを後押ししていこうという趣旨の文言が記載されているところでございます。
 このような本部会での議論、それから、政府の方針も踏まえまして、骨子以下にございますとおり、科研費におきましては、対前年度112億円増の2,491億円の予算要求をさせていただいているところでございます。
 その中身といたしましては、1つ目のポツ、若手・新領域支援の一体改革・拡充とございますけれども、今回の要求におきましては、「挑戦的研究(萌芽)」におきまして、若手研究者の挑戦を積極的に促すための若手支援強化枠を設定するとともに、件数につきましても倍増という形での要求をしているところでございます。また、「学術変革領域(B)」は、若手向けの種目でございますけれども、新領域の開拓を目指す種目についての基金化を要求させていただいてるものでございます。
 そしてその右側、2ポツでございますけれども、国際性の高い研究への支援の拡充というところでございまして、若手研究者を海外に派遣する、国際共同研究強化の拡充ですとか、また、基盤研究A、B、Cを対象に導入いたしました、国際性の評価の高い研究への重点配分につきましては、今回の要求においては、基盤Bを対象に拡充をしていくという形での要求をさせていただいているところでございます。
 現在、我々といたしましても、必要な予算の確保に向けてしっかりと対応させていただこうというところでございます。
 事務局からの説明は、以上でございます。
【大竹部会長】  
 御説明いただきまして、ありがとうございました。合計124億円の増額という積極的な案をお示しいただいているところでございます。
 事務局からの御説明について、御意見あるいは御質問があれば、ぜひいただきたいと思いますがいかがでしょうか。
【永田委員】  
 永田ですけど、よろしいでしょうか。
【大竹部会長】  
 お願いいたします。
【永田委員】  
 ありがとうございます。非常に積極的な要求をしていただいていると思います。ただ、増加分でいうと5%ということで、これまで科研費というのは、もちろん全体の予算が限られている中で、課題感としては2つあったと理解しています。
 まずは、採択率が非常に低いというか、申請意欲を削ぐレベルまで低くなっているというのが問題であるというのが1つと、それからもう一つは、採択された課題でも、充足率が非常に低い。この2つのうちの2番目、充足率の低さについて、国際性が高いものについては、充足率を高めましょうというような御提案で、5%増ということになったのかなと理解しておりまして、これはこれで非常に評価しているんですけど、一方で、採択率を高めましょうというところまでは、このレベルでは、なかなかつながらないというふうにも思いますので、難しいとは思いますけれども、充足率増が喫緊の課題というのは理解しているんですけど、その後、さらに採択率を高めるようなところまで伸ばそうと思うと、やはりよく言われている、もう倍増しないと追いつかないというような危機感を現場の皆様は持っていますので、ぜひ、今後もこれでは足りないという積極的な攻めの姿勢で、要求していただければと思います。
 以上です。ありがとうございました。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。
【大鷲企画室長】  
 御指摘いただいてありがとうございます。
 御指摘のとおり充足率に関しましては、今回、国際性の評価の高い研究への重点配分ということで対応させていただこうかと考えているものでございますが、採択率に関しましては、ちょっと私の説明が足りなかった部分もありますけれども、挑戦的研究の萌芽におきましては、件数を倍増する、つまり、応募件数が増えなければ、採択率も倍にするというような要求はさせていただいてございます。
 ただ一方で、萌芽についてのことでございますので、前回、これまで御議論していただいている、まさに学術変革研究種目群をしっかりと強化・改善していきましょうという中においては、まだまだ十分ではないというところも承知してございますので、引き続き我々といたしましても、しっかり次回の予算要求も含めまして、対応していきたいと考えてございます。ありがとうございます。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。採択率についても、一定の期待が持てる概算要求になっているかなとは思います。
 ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。ありがとうございます。これがこのまま進むことを祈りましょう。
【華山委員】  
 1つよろしいでしょうか。
【大竹部会長】  
 はい、どうぞ。
【華山委員】  
 ありがとうございます。科研費を120億円余りで増額要求されたことは、大変すばらしい試みと思っております。
 もう一つ、今回は創発におきましても、12億円がこちらに一緒に計上されているというところに関心がございます。これまで創発は、補正予算にて500億円規模で3年に1回要求していただいているところですが、この12億円の使途といいますか、どのような目的で使用されるのか、ご説明いただけますでしょうか。
【大鷲企画室長】  
 ありがとうございます。創発につきましては、御指摘のとおり、現在、審査中のものが第6期になりまして、第7期以降の予算を獲得する必要があるという状況になっているところでございますが、創発のこの12億円に関しましては、当初予算化も見据えつつ、来年度に必要な額として計上させていただいているところでございます。
 ただ先ほど、華山先生からも御指摘いただいたように、創発事業については、これまで補正予算という形での措置も行っているところでございますので、現在、成長戦略というところで政府全体として動いているところがございますので、補正も含めて創発事業をしっかりと予算措置できるように、我々としても対応していきたいと考えているところでございます。
【華山委員】  
 ありがとうございます。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。
 先ほど、祈るばかりと申し上げましたが、我々も一緒に実現するように努力していくということかと思いますので、委員の皆様もよろしくお願いいたします。
【大竹部会長】  
 それでは、2つめの議題に移らせていただきます。我が国における新興・分野融合的研究の振興についての中間報告でございます。これは、日本学術振興会の学術システム研究センター科研費ワーキンググループの木須隆暢主査から御説明いただくということで、木須様に御出席いただいております。
【木須科研費WG主査】  
 ありがとうございます。それでは、よろしいでしょうか。
【大竹部会長】  
 御説明よろしくお願いいたします。
【木須科研費WG主査】  
 御紹介ありがとうございました。それでは、現在、研究費部会のほうからJSPSへの検討依頼があります事項について、現在の検討の進捗の報告ということで、御説明をさせていただきます。
 具体的な依頼事項としましては、資料2の1ページ目にございますけども、4つの項目がございます。まず、1点目が、挑戦的研究萌芽から挑戦的研究開拓への接続を強化する具体的な方策。2番目が、負担にも考慮して、基盤研究と重複応募・受給の範囲を設定するというものです。3番目が、これまでの蓄積を踏まえて、挑戦性の考え方の観点の例を示すというものになります。最後、4番目になりますが、2段階書面審査を前提とした複数区分の選択を可能とした審査の方法について検討するというもので、これについては若手研究も含むということになっております。
 こういった課題に対しまして、センターのほうでは、科研費ワーキンググループと、科研費改革推進タスクフォース、この双方で検討を進めてきているところです。9月から科研費ワーキングを3回、タスクフォースを2回開催して検討を行ってきました。
 それでは、具体的な進捗の状況につきまして、次ページ以降で御紹介をいたします。
 次のページよろしいでしょうか。スライドの2ページ目になりますが、これは、1つ目の挑戦的研究の萌芽から開拓への接続を強化する具体的方策ということで、具体的には、2つの項目を導入する方向で検討しております。
 まず1つ目が、新たに最終年度前年度応募を導入するということです。これは、研究期間が3年で採択された場合に、最終年度前年度になりますと、実質的な研究期間は1年程度ということになりますので、若干短いという意見も一部にはあったのですが、やはりフィージビリティースタディー的な要素もありますので、常にチャレンジできるように門戸は開いておきたいというようなことを考えております。
 もう1点目が、科研費の研究計画調書の中に、過去に行われた萌芽での成果をさらにステップアップして開拓につなげることができるように、過去の萌芽の実績も書けるような形で明示しようというものです。これは、萌芽で採択になった課題が、そこで既に挑戦性が終わっているという解釈で、開拓に応募してはいけないという誤解を一部で与えているのではないかというような意見がありましたので、それに対応する形として、具体的に研究計画調書を変更しようというものになります。
 なお、このように萌芽から開拓への接続の強化を図るということで、その発展性ですとか、飛躍的な展開をどう評価するかといったところも同時に検討する必要がありますので、評価基準等についても見直すかどうかを含めて、検討をしていく予定です。
 次のページに、具体的な研究計画調書の変更箇所を示してございます。赤字部分です。過去の萌芽で得られた成果をさらに発展させる場合には、そこを記載するようにという形で明示をされているということになります。
 一番最後の5番目の項目は、前年度申請の場合に、現在の萌芽で優れた成果がどういったことかというものを、特出しで1ページで書くという形になります。これは、例えば基盤研究の前年度申請と同じようなスタイルということになるかと思います。
 以上が、1番目の項目ということになります。
 続きまして、次のスライドになりますが、こちらが、今度は審査負担も配慮した基盤研究等との重複応募・受給の設定範囲についてということになります。
 若手研究者の積極的な応募を促すために、研究費の規模が萌芽と同等であります基盤Cとの重複制限を緩和をして、重複応募、重複受給できるようにする方向で進めております。具体的には、制限の表がありますけども、下段の重複制限の一覧の中の黄色の網かけの部分、これのバツと三角を空欄にするということで、すなわち、基盤Cの新規も継続も挑戦的研究、萌芽と同時に応募ができるようにするといったものであります。
 その際、どの程度まで緩和の範囲を広げるかということですけども、特に若手の範囲をどこまで広げるかという件につきましては、応募件数等も見ながら検討が必要だろうということで、例えば、年齢等を基準にして選んではどうかといったようなことを、今、検討を進めているという段階にございます。
 参考として次のスライドに、令和7年度の公募における萌芽と基盤Cの応募状況というものをまとめてございます。応募件数、採択率とそこに出ておりますけども、大体、基盤Cが今は全体で4万件ぐらいが、総数として出ております。萌芽は、大体それの5分の1ぐらいという規模になっております。ですので、基盤Cをどこまで制限の緩和するかによって、萌芽のほうにどれぐらい流れてくるかということがあるかと思いますので、そこら辺も見ながら、バウンダリを決めていくということかと思います。
 例えば、仮に40歳ぐらいで見てみますと、現在の萌芽の40歳未満の応募件数総数というのを見てみますと、大体1,000件ぐらいということになります。基盤Cのほうは、40歳未満で見ますと、大体6,000件ぐらいということになりますので、その6,000件が、仮に両方、萌芽も出しますよということになると、萌芽のほうは6,000件追加になるということですので、現在総数9,000に6,000が乗っかるということで、規模としては、1.7倍ぐらいというような規模感かなと思います。ただ、それは最大の場合ですので、そのうちの7割の方ということになると、もう少し少なくなりますので、どこまで審査がうまく回るかといった観点も含めながら、考えていくということになるかと思います。
 一方、若手という意味ですと、先ほどのCから流れてくると、最大だと7倍ぐらいに増える。あるいは、20%ぐらいの方が萌芽にも出していただくと、件数としては2倍ぐらいに増えるといったような検討が、今のところは行われているというような状況で、そういったものをもう少し進めながら、どこら辺の基準が適当かといったことをさらに進めていこうとしている段階にございます。
 重複制限につきましては以上となりまして、次のスライド、5枚目になりますけども、こちらが審査のこれまで行ってきています蓄積を踏まえて、挑戦性の考え方や観点の例を示すということになります。挑戦的研究の根幹であります挑戦性につきましては、公募要領にきちんと定義が書かれているわけですけども、これをより応募者や審査員に十分理解してもらうために、もう少し具体的な観点を示してはどうかということになります。
 公募要領の中には、挑戦性として定義されていますのは、斬新な発想に基づき、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを試行し、飛躍的に発展する潜在性を有する1人または複数の研究者で組織する研究計画。なお萌芽については、探索性の高い、性質の強い、あるいは芽生え期の研究計画も含むといった形で定義をされておるところでございます。ただ、やや抽象的な部分もありますので、こういう例示をすることで、若手の人にも応募しやすい形で、具体的なイメージをすり合わせるといったことが狙いになるかと思います。
 まだ検討中ではございますけども、具体的には、そこに今5つほど挙がっています表現を載せてはどうかといったことでございます。
 1番目が、斬新な発想に基づき、人々の好奇心をかき立てるような研究。特に若手の方に対して、学術の変革というのは、ハードルが高過ぎるんじゃないかというような意見もありましたので、やはりキュリオシティー・ドリブンといいますか、好奇心をかき立てるような研究というのは、ぜひ、若い方にも積極的にチャレンジしてほしいという意味で、1番目のものが、例えば入っているということです。
 あとは、先ほどの定義もありましたけども、新しい原理や学理の発見を切り開く可能性を有する研究。学術の概念や体系の見直しを切り開く可能性を有する研究。大きな発想の転換や斬新な方法論等の導入につながる可能性を有する研究。既存の学問分野の枠に収まらない、新興・融合領域の創成につながる可能性がある研究といったことが挙がっております。
 また、こういう表現が難しいようなもの、例えば、実績を重視しない点ですとか、即座に成果を得られなくてもいいといった公募要領に記述が難しいような内容につきましては、FAQなども活用するといったことを検討しているところです。
 また、これまでは合議によって開拓の審査が行われていましたけども、その際に挑戦性の考え方について審査会で議論を行っていたわけですけども、それは非常に有効であったという回答が多数ありましたので、今後は2段階書面審査を導入した後にも、例えば、審査員の説明会等の場を活用して、挑戦性に関する考え方のすり合わせを行うといった機会を設けることも検討をしているところでございます。
 最後になりますけども、次のページが、2段階書面審査を前提とした複数区分を選択可とした場合の審査方法ということで、これを若手研究にも適用できるかを考えるということになります。新興・融合領域の研究の挑戦を後押しするという意味で、応募時に複数の審査区分を選択可能とするという審査方式の導入について検討を行っているところでございます。
 この複数区分の選択というのにつきましては、過去に若手研究Bで導入をし、科研費改革2018年を受けて廃止した経緯がございます。また、現在、科研費改革2028に向けて審査区分表の見直し等も行われておりまして、例えば、量子情報のような複数の大区分をまたぐ中区分なども新設する予定です。
 そういった形で、そもそも中区分といいますのが分野としてはかなり広くて、複数の分野の研究者が多角的な審査を行って、そういった新領域の開拓、あるいは新たな学術に即した分野を牽引できるような研究を選定することが前提となっているということになりますので、もともと中区分の審査で行っています挑戦的研究に、さらに複数区分を導入することが挑戦的な研究を促進する上で効果的かといったことも含めて、現在、引き続き検討を行っております。また、若手研究の場合は、審査区分が小区分ということもありまして、複数区分を導入することについても、審査員の負担等も考えながら検討を進めているという段階にございます。
 これらの検討につきましては、2段階書面審査方式というのが前提になっておりますので、その導入に当たって、真に挑戦的な課題を選定するための、例えば、評定要素ですとか評定分布といった評価基準の見直しといったものも検討を進めていると同時に、審査意見などにつきましても、評価の低い課題については、例えば、選択肢から選択できるような形も含めて、審査意見作成の簡素化なども検討しているという状況にございます。以上が、現在の進捗ということで御報告させていただきます。
 以上になります。
【大竹部会長】  
 御説明いただきまして、ありがとうございました。新興分野・融合研究の振興についてということで、挑戦的研究について、恐らく4つに分かれて御説明いただいたかなと。1つは接続ですね。萌芽から開拓への接続。2つ目は基盤との重複。3つ目は挑戦性の例示。4つ目は複数区分のお話ということだったかと思います。
 いろいろな観点での御議論が、あろうかと思います。どの観点でも結構ですので、御意見があれば、いただければと思います。茂呂委員、お願いします。
【茂呂委員】  
 茂呂です。お伺いしたいのですが、今までよく「挑戦性って何ですか」という話を、特に若手の人が応募するときに私自身も聞かれてきたので挑戦性の例示はとてもいいことだと思うのですが、今回、若い方に挑戦的萌芽にもっと参加していただけるようにしようという動きがある中で、恐らく、若手の方が混乱するのは、挑戦性という言葉に、予備データなどがまだ確立していないような未熟な研究でもいいというイメージがあるようで、それが本当のところはどうなのかという説明を一文入れたほうがいいのではないのかなと思います。
 挑戦的なものなので、やってみなきゃ分からない研究という捉え方もあるんじゃないかなと思いますし、一方で、あまりにも予備検討がされていないものは、挑戦してもらっては困るわけで、若い方ほど挑戦性のある研究として、どれぐらいとんでもない奇抜な研究を提案していいのかが分からなくて困っていると思うので、そういった説明を含んでいただくことというのはできるのでしょうか。
【木須科研費WG主査】  
 御質問ありがとうございます。今、御指摘いただいた点は、まさに学術システム研究センターの中でも議論のポイントの1つになっておりまして、例えば、FAQのような形で、そういったところを少し補うやり方があるんじゃないかなという意見は出ているところでございます。
 それともう一つは、やはり現在の評定要素の中に、研究構想は合理的かといったようなところも含まれていますので、非常にチャレンジングなんだけども、やはりそれをしっかりと考えて、研究構想としてもしっかりしたものを選ぶという立場というのは、片やあるかと思いますので、そこのバランスの取り方というのは非常に難しいところではあるかと思うんですけども、基本的に挑戦的研究は、やはりジャンプといいますか、不連続な発展を目指すようなコンセプトの種目ということかと思いますので、それがより伝わるように伝えられればといった観点で、議論を進めているところでございます。
 一方で、どこまでエビデンスもなく応募できるかといったのが、先ほどの御指摘のところかと思いますけど、やはり研究構想の合理性というのは、評価の中ではゼロではなくて見られるということかと思います。
 以上になります。
【茂呂委員】  
 ぜひ、若い方に理解できる文言で書いていただければと思います。
【木須科研費WG主査】  
 ありがとうございます。先ほど、好奇心というキーワードを一番最初に持ってきているのは、ある意味でそういう議論の1つの結果でそこに出ているんですけど、例えば「わくわく」とかそういった表現も、ちょっと軟らかいような表現も案としては出たりといったようなことはありますので、引き続き検討させていただきたいと思います。
【茂呂委員】  
 ありがとうございます。
【木須科研費WG主査】  
 ありがとうございました。
【大竹部会長】  
 それでは、永田委員、お願いします。
【永田委員】  
 ありがとうございます。萌芽から開拓への接続を強化するという話の中で、前年度応募を可能にしてはどうかという案は、僕は非常に賛成です。狙いの1つとして、萌芽の次に同じような発展的なもので、開拓はなかなか申請できないのではないかという誤解を解除したいということがあったということですけども、もう一方の見方として、萌芽で1年、ある程度の成果が出て、もしうまくいけば開拓のほうに進みたいというような心積もりで、ぜひ、積極的に萌芽に応募してほしいというような呼びかけも行うべきではないか。そういう意向が応募者側に伝わるような方策が必要じゃないのかなと思いました。
 例えば、もし前年度応募が可能だということを前提に、1年目でこういう成果が出れば、前年度応募で挑戦的開拓のほうに出しますというような心積もりがある方には、ぜひ、それを積極的に提案書でうたってほしいと思うんですよ。なので、それを評価するような提案書の様式の考え方というのもあるのかなと思ったんですけど、いかがでしょうか。
【木須科研費WG主査】  
 ありがとうございます。まさにそれは今の開拓ではなくて、萌芽の書式の中にも、今のような内容を盛り込むということですね。
【永田委員】  
 そうです。
【木須科研費WG主査】  
 連続性という意味では、そういうビジョンをもって今は萌芽を出しますという形で、フィージビリティーという位置づけがより明確になるので、1つの方策かなと感じました。御指摘どうもありがとうございました。引き続き検討させていただきます。
【永田委員】  
 ありがとうございます。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。華山委員、お願いいたします。
【華山委員】  
 ありがとうございます。10ページ目のスライドを出してください。こちらの表を見させていただきますと、40歳未満におきまして、基盤Cと萌芽で重複制限がある中で、萌芽の方の申込み数と採択数が大体8分の1ぐらいというデータが出ているかと思います。
 一方で、基盤Cに出さずに、あえて萌芽に出している方は、よほど自信があるのか分かりませんが、すごく採択率が高い。ほかの年代と比べても、萌芽の研究者は若手のほうが16%近くと圧倒的に採択率が高くて、55歳ぐらいになると半分ぐらいまで下がるというデータです。やはり若手の方が出す新鮮な提案、斬新なアイデアが萌芽研究にマッチしているのかなと、このデータから感じました。
 一方で、創発でもよく話題になるのが、若手研究者におけるエフォートの問題です。特に研究員が少ない状況下で、どれだけその研究へのコミットが本当にできるのかといったところが、よく議論になります。これまで、基盤BとかAなどで比較的大所帯といいますか、大きな研究室を持たれている方々においては、違う研究員に違うプロジェクトを担っていただくという形ですみ分けができていたと思うのですが、今回のように基盤Cと萌芽を、若手研究者が重複で応募もしくは採択できることになると、それぞれの課題がどういった関係にあるのかとか、内容を少し変えただけなのではないかとか、といった問題も生じるのではないかと懸念しております。
 ですので、萌芽に若手が出すことが可能になるのであれば、例えば、基盤Cで提案している内容がどのような内容なのか、それと萌芽での提案がどのように違うのか、それで実際に若手が自分のエフォートでやっていけるのか、などといった観点も審査に加えるとよいのではないかなと感じた次第です。
 以上です。
【木須科研費WG主査】  
 御意見ありがとうございます。参考とさせていただきます。一応、研究種目の位置づけとしては、やはり基盤と萌芽というのは、不連続なジャンプを生むような目的という意味で、そういう意味でアウトカムとしては、位置づけがかなり違うという形にはなっているかと思います。
 ただ、類似の研究を、例えば別の見方で違う発展を促すとか、その中身の違いというのは当然出てくるかとは思うんですけども、そこの中で、先ほど御指摘があったエフォートですとか、あるいは、より明確に違いをきちんと書くというのは審査の助けにもなるかと思いますので、検討させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【華山委員】  
 ありがとうございます。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。この挑戦性ということについては、この部会でも何度か取り上げて議論してきたところでもあります。
 今回は、こういった具体例を示すというところができたことで、一歩前進というところはあろうかと思います。
 それでは、中村委員、よろしくお願いいたします。
【中村委員】  
 挑戦性という言葉に戻ってしまうのですが、海外の資金配分機関でも同じようなカテゴリーのものはあると思います。それで、例えばヨーロッパですと、よくハイリスク・ハイリターンなんていう言葉があって、私は個人的には、やはりそちらのほうが大分すっきりとして分かりやすいかなという気もするんですけれども、もう少し英語で、例えばどういうような言い方をされているかみたいなことを多分検討されていると思うのですが、そういったものを参考にされるといいかもしれないと思いました。
 以上です。
【木須科研費WG主査】  
 ありがとうございます。複数の評価軸で、そういった基盤との違いとかそういうのをうまく、例えば、ビジュアライズできるともう少し伝わるんじゃないかとか、そういったのを含めて、今は検討を進めているところでございます。参考にさせていただきます。ありがとうございます。
【大竹部会長】  
 それでは、宇南山委員、お願いします。
【宇南山委員】  
 ありがとうございます。私はこれまでの経緯を完全には理解していないところで、挑戦性の言葉についてお伺いしたいんですけども、挑戦性を有するということと、分野横断的である、もしくは学際的であるということが、ここだとかなり近い概念のように見えるんですけれども、学際性を問うているのかどうかというのが、恐らくは出す人間からすると大きいところで、例えば、私は専門が経済学なんですけれども、経済学の枠内だけれども誰もが認める挑戦性、これは今までの課題とは全然違うタイプの課題だねということはあり得ると思うのですが、その場合、挑戦性を有するってみなしてもらえるのかというのは、この文章を読むと、ちょっと不安を感じるかなというところです。もしかしたら、もちろん学際的でなければいけないというのが大前提だとすれば別ですけれども、そこのところを教えていただければと思います。
 あと、この掲載案という感じで出ているところなので、細かいところなんですけども、「学理の発見を切り開く」とか、「体系の見直しを切り開く」という日本語に若干違和感があって、体系の見直しを切り開くというと、何か重複感というか、少しずれている感じがして、「見直す可能性がある」とか「発見する可能性がある」もしくは「学理を切り開く」とか「体系を切り開く」のどちらかのほうがいいのではないのかなという、これは細かい点です。
 もう一つ、先ほど10ページのスライドのところで見せていただいた、応募状況の話なんですけれども、現状、やはり基盤Cのほうが、はるかに数が多いところで、仮に40歳未満の人が萌芽にも出すとなった場合には、件数としては、圧倒的に40歳未満になるというようなイメージをしているということでいいのでしょうか。もう1点は、現状の採択率や採択件数を考えると、実は基盤Cと比べると件数が少ないので、40歳未満の人にとってチャンスがすごく増えるかというと、かなりの競争率になるはずのところに出しても、あまりチャンスが広がっていないというような、せっかくやっても効果が薄いという印象を与えてしまうのは、あまりよくないような気がするので、何か基盤Cから萌芽にも出すと、今までにはなかったチャンスが広がるというような立てつけがあったほうがいいんじゃないかなと。具体的なアイデアがあるわけではないんですけれども、現状のままで基盤Cの人が大挙して挑戦的研究に応募すると、あまりに現状と比べて、むしろ今まで挑戦的研究に応募していた人にとっては、狭き門になるだけで、世代としての全体としてのチャンスが増えない印象があるというのがコメントです。
 以上です。
【木須科研費WG主査】  
 ありがとうございます。それでは、一つ一つにお答えさせていただきたいと思います。
 まず、挑戦性のところの学際性が必須かという御質問がございました。これに関しては、必ずしも学際性を要件としているわけではございません。いろんな意味での挑戦性というのがあっていいと思いますし、例えば、同じ分野なんだけども今までのアウトカムとはかなり違う、ジャンプのある結果が出てくることが期待できるとか、当然そういったものも含まれての挑戦性ということになると思います。
 それと、2つ目の表現につきましては、ありがとうございます。これは、まだブラッシュアップが必要かなと考えておりますので、御指摘いただいたような箇所の表現をもう少し見直した形で、載せられるところまで持っていきたいと考えております。
 あと、先ほどのグラフの10ページです。そこで御指摘いただきました件数で、基盤Cの今の応募件数は、全体で今は4万5,000件ぐらいの応募があっている状況かと思います。科研費全体が、9万件をちょっと超えるぐらいですので、実は全体の半分ぐらいが基盤Cで出ております。それに対して萌芽がどれぐらいかといいますと、大体9,000件ぐらい、1万件をちょっと下回っているのが現状かと思いますので、基盤Cと萌芽の総数で比べますと、大体5分の1ぐらいが萌芽のほうで出ていると。若手に関して見ますと、例えば、40歳以下で見ますと、基盤Cのほうは、6,000件ぐらいが40歳未満の方が出されています。それに対して萌芽のほうは1,000件ぐらいということですので、若手の割合は萌芽が若干低い、6分の1ぐらいが萌芽に出ているということになります。
 ですので、もし40歳というところで、両方に出せますよという形に緩和したときに、今は基盤Cを出されている方が、Cと萌芽と両方に出しますということになると、萌芽の最大で見込める数としては、6,000件がアドオンされますので、今の1,000件に6,000件が乗るということで7,000件と。そういう意味でいうと、若手の方の応募が7倍ぐらいまで増える可能性はあるかなということかと思います。ただ、さすがに全員がということは難しいでしょうから、例えば2割ぐらいという形で見ると、40歳未満が大体2,000件ちょいぐらいになりますので、2倍ぐらい増えるのかなと。そういった形で見てみますと、今の萌芽のヒストグラムの若手の方のところが2,000件近く伸びてくるとすると、大体フラットな形になって、先ほども御指摘がありましたように、実は若手の方の応募のほうが採択率がいいんですね。平均だと10%ぐらいなんですけど、若手の方の採択率だけを見ると16%ぐらいは出ていますので、そういう若手の斬新なアイデアをより拾うことにつながりはしないかなと期待しているところでございます。
 数の検討につきましては、そういったところを今は見ているところです。今ので、御回答になっておりますでしょうか。もう一点、何か御質問があったような気がするんですけど、大丈夫でしょうか。
【宇南山委員】  
 ありがとうございます。今のところ、まさしくオレンジが、萌芽のところがフラットになるということは、ある意味、いいことだとは思うんですけれども、一方で、今既に挑戦的萌芽にあえて行っていたような人たちにとっては、かなり戦いとしては厳しくなって、もちろんその中で勝ち抜く人が、よりすばらしい研究ができる可能性は高いとは思うんですけれども、何というか、あまり挑戦する気がなくて、だけれども優秀で基盤Cを取っていたような人が大挙して来るとなると、かえって若手の挑戦的なところにあえて挑戦していたような人を、ディスカレッジしかねないのではないかというのが、ちょっとコメントでした。
【木須科研費WG主査】  
 はい、ありがとうございます。実は若手の方から、両方出せるようにしてほしいという声はずっと出ておりまして、それは、少し年齢が上になっている、例えば、BとかAを持っている方は両方出せるわけですよね。それに対して、少し不公平感というのが、特に若手の方からはあったように、我々としては認識しております。今度は萌芽だけを出していた方は、逆に言いますと、基盤Cも出せることになるということで、出せる窓口としては増えるということなので、それがある意味、先ほども御指摘があったメリットはあるのかということに対しては、出せるチャンスが倍になるということはあるかなとは考えております。
 ただ、件数が増えるということは、萌芽の場合はさらに競争が厳しくなるんじゃないかという御指摘は、まさにそうかと思いますので、それは全体の予算の配分等も含めての話になってくるかとは思いますけども、いずれにしてもまず若手の方に、よりチャレンジして出していただくということが、最初のステップとしては非常に重要かなと考えているところでございます。
 以上になります。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。採択数が倍という話にもなりますよね。
【宇南山委員】  
 ありがとうございます。その学際の面も、少し学際でなくてもいいというのは、書いてあげてもいいかなと思います。ありがとうございます。
【木須科研費WG主査】  
 ありがとうございました。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。中野委員、お願いします。
【中野委員】  
 今、大竹部会長からご発言がありましたけれども、採択数については、今回の概算要求で若手がかなり支援されますので、申請者が増えたとしても、そこまで下がらないのではないかと思います。
 もう一点、挑戦性について追加でコメントします。今年度は科研費の審査員に対する説明会に私が出席し、質疑応答を受けました。多くの質問がありましたが、挑戦性に関する質問は、ほとんどありませんでした。逆に言えば、皆さんがかなり理解されているという印象を持ちました。
 今後の課題としては、それが審査員の間での共通理解にとどまらず、申請する側にも十分に共有されることだと思います。先ほど茂呂委員もおっしゃっていましたが、特に若手の方が申請する際に迷わないようにすることが重要ではないかと思います。
 ここで挙げている「挑戦性を有する研究」の例は、まさに審査員向けマニュアルから引用したものであり、同様の情報が審査員には与えられています。現時点では大きな混乱は生じていませんので、先ほど文言のブラッシュアップが必要という御指摘がありましたらが、それは全くそのとおりであると思っており、ブラッシュアップを行うことで、かなり良いものになるのではないかと思います。
 以上です。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。御議論は尽きないところかと思いますが、時間の関係もございます。木須主査、誠にありがとうございました。挑戦的研究に関しまして、本日の御意見等も参考に、引き続きどうぞ御検討をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【木須科研費WG主査】  
 ありがとうございます。検討させていただきます。では、失礼いたします。
【大竹部会長】  
 それでは、3つ目の議題、学術変革領域研究の検証についてでございます。まずは、事務局より御説明をお願いします。
【大鷲企画室長】  
 事務局でございます。資料といたしましては、通し番号14ページになろうかと思います。
 こちらは、学術変革領域研究A・Bの検証についてとございますけれども、前期の研究費部会におきまして、学術変革研究種目群の在り方の検証、こちらは、申し送り事項となっているところでございます。
 そして、夏前の研究費部会におきまして作業部会を設置し、この学術変革領域研究の検証も含めて進めていくというお話をさせていただいたところでございますけれども、本日は、今後の進め方を中心に御議論いただければということで、用意をさせていただいたものでございます。
 この学術変革領域研究A・Bにつきましては、冒頭からございますとおり、令和2年に創設され、今年度、初めて学術変革領域研究Aについては、事後評価を実施したところでございます。
 今後、先ほどからのお話もありますとおり、挑戦的研究ですとか、創発的研究支援事業も含めまして、その接続強化などの観点も含めて、学術変革領域研究の強化・改善を図っていこうというところでございますけれども、1つは、7月の研究費部会でもお話に出ていました、学術変革領域研究Bの年齢制限の引上げによって、創発ですとか、挑戦的研究からの接続を強化してはどうかというところでございます。これにつきましては、現行は45歳以下が対象となっているところを、49歳以下に引き上げてはどうかというものでございます。
 例えば、創発を見てみますと、参考のデータ集には用意してございますけれども、平均といたしましては、採択時の年齢は38歳でございますけれども、40歳の方が一番多い状況になっていまして、42歳から43歳は、一定程度いらっしゃるというところがございます。研究期間が7年ということを考えましても、応募を積極的に促すためにも、49歳以下に引き上げていくというところで考えてはどうかというものでございます。
 それから、この学術変革領域研究A・Bにつきましては、前身の新学術領域研究がございましたけれども、その課題に対応していこうというところで、種目の見直しを行った背景がございます。したがいまして、例えば、領域代表者ですとか、審査員等の意見を踏まえつつ、その課題に対応できているかどうか等の確認を行い、必要な見直しを行っていってはどうかというところでございます。
 また、次のポツにつきましては、創発等におきましては、異分野融合が活発に行われており、学際性に富んだ応募も今後は期待できるというところがございますので、現在「審査システム改革2028」に向けて議論が進んでいるところでございますけれども、この学術変革領域研究におきましても、新たな審査方法を含め、審査の在り方について検討を進めていってはどうかと考えているものでございます。
 特に挑戦的研究ですとか、創発との接続先として想定している学術変革領域研究Bにおきまして、検討・試行・検証を行っていってはどうかと考えているものでございます。
 下半分に検討スケジュールがございますけれども、学術変革領域研究につきましては、実際に業務に携わっていただいている学術調査官の先生方ともよく連携をして、検討を進めていければと考えてございまして、その上で作業部会、それから研究費部会にはもちろん御議論いただくとともに、審査につきましては、審査部会が関係してくるというところがございますので、審査部会でも御議論していくというところで、この学術変革領域研究の検証について考えているところでございます。
 必要な見直しにつきましては、やはり「審査システム改革2028」の実際の公募につきましては、前年度の2027年4月から行われるところでございますけれども、それまでに間に合うよう、必要な見直しについては、やっていければと考えているところでございます。
 以降の資料につきましては、まず、次のページには、学術変革領域研究A・Bの概要でございます。先ほどからも御議論いただいているところではございますので、簡単におさらいでございますが、冒頭のところ、本種目につきましては、次代の学術の担い手となる研究者の参画を得つつ、多様な研究グループによる有機的な連携の下、これまでの学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを先導することなどを目的として創設したものとされているところでございまして、各区分の概要は下半分、まず左側、学術変革領域研究Aでございますけれども、学術の体系や方向を大きく変革・転換させることを先導するとともに、我が国の学術水準の向上・強化や、Aにございます公募研究等を通じまして、若手研究者の育成につながる研究領域の創生を目指していこうというものでございます。応募金額といたしましては、5,000万以上、3億円まで、こちらは年1領域の単年当たりの金額。それから、研究期間は5年という形で設定させていただいているものでございます。
 右側につきましては、学術変革領域研究Bでございます。こちらは、次代の学術の担い手となる研究者による、少数の研究グループ、3から4グループ程度を想定しているものでございますけれども、より挑戦的かつ萌芽的な研究に取り組むことで、学術水準の向上・強化につながる研究領域の創成を目指し、将来のAへの展開などが期待されるものというところでございまして、こちらは、単年当たり5,000万円以下、そして、研究期間としては3年という形で整理をしているものでございます。
 次のページにつきましては、若手の育成というところを含めまして、学術変革領域研究B、若手向けについては、領域代表者のほかに、計画研究でも複数の45歳以下の若手を入れていこうという整理をし、学術変革領域研究Aについては、計画研究に複数の若手、45歳以下の方を入れていこうというところでございます。それを今回は年齢を引き上げる、この黒い人の形のところの人たちを、45歳以下から49歳以下に引き上げるというものでございます。
 また、その次のページには、第9期の研究費部会における審議のまとめの抜粋を用意しているところでございますが、先ほどお話しした、新学術領域研究の課題・問題意識につきましては、真ん中あたりに記載されているところでございまして、1つ目は、新学術領域研究という種目名やキーワードが、応募者にとって強引な融合研究を検討させ、過度に新規性を意識させているのではないかといった御指摘。それから2つ目のポツでは、研究領域の構成や研究期間の設定に柔軟性がないといったような御指摘を踏まえて、見直しとして、学術変革領域研究A・Bが創設されたというところでございますけれども、目的といたしましては、学術変革を先導するという目的を明確にし、A・Bという形で分けることによって、その規模、構成、研究期間の設定を異なる2つのものに分けたという背景があるものでございます。
 最後でございますけれども、次のページには、学術変革領域研究の応募・採択状況を参考に示しているところでございますけれども、この学術変革研究種目群に当たる学術変革領域研究についての応募件数については、減少傾向にあるというところでございます。2つ目の丸のところにもありますとおり、学術変革BからAへの発展を期待するということもございますので、よりBを魅力的にする必要があると考えているところでございますので、今回の検証におきましても、そのような視点も踏まえて検討できればと考えているものでございます。
 資料の説明は以上でございます。
【大竹部会長】  
 御説明いただきまして、ありがとうございました。1つのキーポイントは、45歳から49歳に上げるというところでありまして、ここについて、今日は合意できればと思っているところでございます。それも含めまして、御意見等があればいただきたいと思います。いかがでしょうか。では、中野委員、お願いします。
【中野委員】  
 49歳に引き上げることに賛成します。御説明にもありましたとおり、やはり創発的研究支援事業からの接続が重要だと思います。非常に優秀な方が支援されており、なおかつ採択された方々の間で融合研究が次々と生まれている状況が見て取れます。そうした人たちの受皿として、科研費の中では学変Bが最も適していると思いますので、その接続を強化をすることについて賛成いたします。
 以上です。
【大竹部会長】  
 ありがとうございました。明確な支持ですね。では、新福委員、加藤委員の順番でお願いいたします。まず、新福委員、お願いいたします。
【新福委員】  
 私も年齢の引上げに賛成の立場です。そのような創発からの接続というのは、もちろんすごく重要なことと思うんですけれども、それ以外にも、多様な研究者が参画できる可能性が高まるというところも重要ではないかと思います。やはり45歳を皮切りに急に若手から外れてしまうので、応募できるものが急になくなるという感覚があります。ですので、またこの領域研究の代表者というのは、割と重要な役割を担う立場になりますので、年齢が引き上がるというところも、特に問題はないのではないかと思います。
 以上です。
【大竹部会長】  
 ありがとうございました。そうしましたら、加藤委員、お願いします。
【加藤委員】  
 加藤です。私も45歳から49歳への引上げには賛成いたします。今の若手の人は、若くなくなったらどうなるんだろうみたいな、心配をされている方もいらっしゃいますので、この年齢を引き上げるということが、1つチャンスを広げるということになるのではないかと思っております。
 また、学変の変革というキーワードに結構引っ張られてしまって、異分野融合を無理に行わなければならないというような、そういう認識がある方がまだいらっしゃるような気がします。今の創発事業というのは、異分野研究はもう当たり前のような形で進行していますので、創発の卒業生から学変などに採択された場合には、そういう心配は、だんだんなくなってくるのではないかなと思っております。
 また、学変Bの採択率が、初年度がすごく低かったので、その印象が残っている方も多いと思っています。採択率は上がっているので、これから変わってくるとは思いますが、その辺をもう少し周知をしたほうがよろしいのではないかと思います。
 以上です。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。新福委員、加藤委員の御意見にもありますが、事務局としてほかの施策にも「49歳」というのが波及する可能性は感じておられますでしょうか。
【大鷲企画室長】  
 そこは今回、学変Bの年齢を引き上げることによって、どのような状況になるかというのは確認をする必要があろうかと思いますけれども、必要があれば引上げということは考えられるかとは思います。ただ一方で、若手というところで、どこまで年齢を考えるかというところはあろうかと思ってございますので、今、こうすべき、こうしたいというのは、正直、これからの状況を見ながらというところで検討させていただければと考えているところでございます。
【大竹部会長】  
 若手の定義と、この49歳というのは少し異なるということでございましょうかね。
【大鷲企画室長】  
 はい。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。そうしましたら、華山委員、お願いいたします。
【華山委員】  
 ありがとうございます。16ページをお願いいたします。これは、今の議論にも関連するのですけれど、今回は、学変Bの領域代表者のみを引き上げるという理解でよろしいでしょうか。
【大鷲企画室長】  
 いえ、こちらについては、計画研究の若手と位置づけられている45歳以下の研究者も含めて、49歳以下に引き上げると考えておるものでございます。
【華山委員】  
 そうですね。Bのほうは全て49歳以下に上げるという形でよろしいですね。
【大鷲企画室長】  
 あわせて、AとBでやはり違うというのは種目としてどうかと思いますので、Aのほうも49歳以下に引き上げできればと考えています。
【華山委員】  
 そうなのですね。
【大鷲企画室長】  
 はい。
【華山委員】  
 了解しました。全体的に49歳に引き上げるということで理解しました。ありがとうございます。私も賛成でございます。
 以上です。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。塩見委員、お願いします。
【塩見委員】  
 塩見です。接続強化という言葉が出てきますけど、これは具体的にどうするんですか。声をかけるのですか、優秀な人に。どうなんですか。
【大竹部会長】  
 これは中野先生に。
【中野委員】  
 我々は実際に声をかけていますが、声をかけなくてもそうした動きは進んでおります。
 これから、挑戦的萌芽とか挑戦的開拓が、予算的に手厚くなっていくと思いますが、創発的研究支援事業に採択された方々には、挑戦的研究の開拓や萌芽ではなく、学術変革Bを目指してほしいという思いがあります。そのため、学術変革Bへの挑戦を積極的に促していくことは、個人的に良いことだと考えています。
【塩見委員】  
 それと、今も出ましたけど、この「B」というのに限定する必要があるんですか。40歳になった人が次のステップとして、AとかCRESTとか、そういうのに代表として、グループを組織していくという形があってもよさそうなふうに思うんですけど、年齢的にも。
【中野委員】  
 賛成いたします。
【塩見委員】  
 はい。
【大竹部会長】  
 そういった道もメインストリームの1つと受け取ってよろしいですよね。
【大鷲企画室長】  
 他事業につきましては、こちらのほうでも他事業の担当とも連携させていただきながら、科研費に限らず、今回は創発というものを入れているところはございますけれども、その他の事業も含めて、どういうことができるかということについては考えていきたいと思います。ありがとうございます。
【鷹野委員】  
 よろしいですか。
【大竹部会長】  
 鷹野先生、どうぞ。
【鷹野委員】  
 鷹野でございます。方向性については、私も賛成なんですけれども、質問としまして、18ページの学変Bの応募件数、採択件数、採択率というグラフがございますが、その中で採択率は、かなり安定して12%から15%弱ぐらいで推移しております。このたび年齢を上げますと、恐らく応募件数が上がると思うんですけれども、金額が上がればいいのですが、そうでないと採択率が下がってしまうという懸念があるのですが、そのあたりはどのように計画されているのでしょうか。
【大鷲企画室長】  
 我々といたしましては、今回の要求においては、萌芽の件数倍増というところで要求をさせていただいていても、学変Bは基金化をまず行うというところではございますが、例えば、次回の要求につきましては、学変Bの件数を、どのくらいまでできるかどうかというのは、そのときの状況によりますけれども増やしていく方向で考えていきたいと思っております。
【鷹野委員】  
 分かりました。場合によっては、一時的にはちょっと採択率が下がってしまう状況も出てくるけど、それはやむを得ないことで、次につなげていくと。
【大鷲企画室長】  
 応募状況によって、確かにすごく飛躍的に応募が増えた場合には、そういう可能性もございますけれども、我々としては、そうならないような予算を確保していきたいと考えております。
【鷹野委員】  
 分かりました。ぜひ、よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。この1件も含めて、先ほど御説明があったスモールアイランド型のような斬新な研究領域を増やしていくということになろうかと思うんですね。ここをうまくトレースできるといいかなと思います。こういった施策を打ったことによって、将来、スモールアイランド型が増えましたよというふうに結びつくといいなと思います。
【中野委員】  
 先ほどの創発的研究支援事業の接続が重要と言いましたが、必ずしも創発との接続だけを重視する必要はないと思います。今回、挑戦的研究の重点化が若手を対象に始まっていますので、そこからも学術変革Bにつながっていく流れができれば良いのではないかと考えます。
【大竹部会長】  
 そうですね。
 ほかに御意見はいかがでしょうか。よろしゅうございますか。ありがとうございます。
 それでは、ただいまの議題につきましては、年齢制限を49歳以下に引き上げるということについては、見解の一致を見たと思っております。引き続き、学術変革領域研究の検証を進めてまいりたいと思いますので、御協力のほどよろしくお願いいたします。
【中井委員】  
 1点だけ、採択率が極端に下がるということが1年目で起こると、すごくネガティブなメッセージになるので、そこはかなり重点化して、予算確保の上でも多くしておかないといけないと思います。
【大竹部会長】  
 それは、概算要求を通すというところが重要になってきますね。
【大鷲企画室長】  
 はい。ありがとうございます。
【大竹部会長】  
 御指摘ありがとうございます。
 それでは、4番目の議題として、基礎研究の役割・在り方についてに移りたいと思います。まずは、これも事務局から、御説明をよろしくお願いいたします。
【大鷲企画室長】  
 こちらの資料といたしましては、通し番号で20ページになろうかと思いますけれども、基盤研究種目群の役割・機能についてということで、用意させていただいているところでございます。基盤研究の助成の在り方につきましても、前期研究費部会からの申し送り事項というところがございますので、本日は、その役割・機能について御議論いただくというところで用意させていただいてございます。
 まず、1つ目の丸のところでございますけれども、基盤研究種目群につきましては、御承知のとおり幅広い年代の独創的・先駆的な研究を支援することにより、多様で重厚な知的蓄積を形成するという重要な役割を担ってきたところでございまして、まさに、日本の研究力を牽引する原動力となっているものと認識しているところでございます。
 次期科学技術・イノベーション基本計画は、来年度から始まるところでございますけれども、次期基本計画に向けて、現在は科学の再興について議論されているところでございますけれども、もちろん基盤研究は重要な役割を担うというところがございますし、また、今回の要求について、学術変革研究種目群を中心に、来年度も、先ほどから話に出ているように、学術変革研究種目群というところはございますけれども、今後のこの基盤研究の予算要求に向けても、しっかりと役割・機能を整理した上で明確にしつつ、在り方について議論していきたいと考えているものでございます。
 この基盤研究につきましては、先生方も御承知のとおり役割は様々ございますので、今回は矢印の下につきましては、例として幾つかお示しし、御議論いただくものとして用意をさせていただいたというところでございます。
 まず、1つ目でございますけれども、多様な学問分野の進化・発展というところでございます。科研費につきましては、これまでも学術動向の変化に対応し、「審査システム改革2018」をはじめ、不断の改革を行ってきたというところについては、御承知のとおりでございます。
 そして、現行の審査区分につきましては、まさに学問分野の体系を表すものではなく、さらには、固定化されたものではないというところで、学術研究の新たな展開や、多様な広がりに柔軟に対応できるように設定されたところでございまして、現在もこの審査区分のさらなる改善を図るべく、見直しも進めているというところでございます。
 そして応募者の方々におかれましても、まさに自由な発想により、研究計画を策定し、御自身の専門分野にも、ややもすれば関係なく自らやりたいこと、自らの応募研究課題に最もふさわしい審査区分を選択することもできるというようなところとなっているものでございます。このような審査区分、また審査方式も含めまして、多様な学問分野の進化・発展に資するものとなっているという理解をしているところでございます。
 例の2つ目でございます。中長期的な視点に立った研究の推進というところでございますけれども、学術研究につきましては、真理を探求するというところがございますので、地道な試行錯誤の繰り返しであり、中長期を見据えた研究活動が必要にはなってくるというところはございます。
 それに当たりまして、基盤研究における調書を見てみますと、研究課題の核心をなす「学術的問い」を明示することとなっているところでございます。もちろん、「学術的問い」の設定についても自由でございます。どのような設定を立てるかについては、研究者の方々の発意によるところでございますけれども、応募者の方々は、この問いも活用しながら、中長期的視点に立った課題の設定を行った上で、3年から5年という研究期間において、何をどこまで明らかにしようとするのか、その研究計画を作成することができることとなっているという理解をしているというものでございます。
 そして、例の3つ目でございます。研究者のキャリアパス、キャリアアップへの貢献というところで用意をさせていただいているところでございますけれども、基盤研究につきましては、研究分担者も含めますと、新規課題だけでも延べ4万人ほど、継続課題を含めますと、少なくとも10万人以上という多くの研究者の方々が携わっているところでございます。比較的規模の大きい基盤研究S、A、Bを見ますと、研究分担者では、若手の層も多く参画しているという状況が見れるところでございます。
 また、2つ目のポツにおきましては、大学や学会の枠を超えた、まさに競争的環境のもとで採択されるというところもございますので、研究者の採用、昇進等の評価にもつながることもあるでしょうし、また、審査員を経験することで、自身の専門分野以外の先端研究に触れることにより、学術的視野を広げることにもつながっているというところがあろうかと考えてございます。そのため、研究者のキャリアパス、キャリアアップへの貢献にも資するものとなっているのではないかというところでございます。
 もちろん例としてお示ししているもののほかにも役割・機能があろうかと思いますので、そういったほかにもこういう役割・機能があるんじゃないかという御指摘をいただくとともに、その矢印の下に論点例としてお示ししてございますけれども、それぞれの例における役割・機能につきまして、留意すべき点は何かというところの議論、御意見もいただければと思います。
 例えば、多様な学問分野に関しましては、地方大学も含め多様性を確保するために、どのようなことが必要なのかといった観点もあろうかと思ってございますし、3つ目の丸のところ、キャリアパス、キャリアアップに関しましては、特に大型の研究種目、今回は基盤ですけれども特推も含めまして、特推・基盤Sにおきまして、人材育成機能というものを可視化するということも、考える必要があるのかどうかといったところでございます。
 4つ目の丸については、その他とさせていただいているところではございますけれども、先ほど、部会長のほうからもお話にありましたとおり、スモールアイランド型を増やしていくという中で、一方で、そもそも国際的に注目される領域の参画数を増やさないといけない。なので、スモールアイランド型の領域を増やした、それをコンチネント型という、より大規模な領域への移行というものも考えていかなければいけないというところも考えてございますので、例えば、日本発の新領域の創出ですとか、国際的に注目される研究領域への参画を促進するに当たり、基盤研究の果たすべき役割・機能は何かということも、用意をさせていただいたものでございます。
 最後の丸といたしましては、国の審議会におきましても、現在、科学技術人材投資の抜本的強化というものが示されているところでございます。科研費におきましても、設備・機器の共用の促進に関しましては、今年度から1,000万円以上の設備・機器については、共用化することについて、努力義務を課しているというところでございますので、そういった設備・機器の共用の促進によって、例えば、RA等の人件費を捻出するといったような工夫も考えられると思いますけれども、そのほか、どのような工夫が考えられるかということ。
 最後に、「また」のところでございますけれども、やはり基盤研究の役割・機能等を踏まえ、基盤研究の重要性というものを、今まで以上に対外的に示していきたいと考えてございますので、どう示していくべきかということも含めて、本日、御意見、御議論いただければと考えているものでございます。
 資料の説明は、以上でございます。
【大竹部会長】  
 御説明ありがとうございました。基盤研究の原点に戻ったような論点をいただいているということで、これから質疑、あるいは議論をしていきたいと思っておるところでございます。
 様々な論点をお示しいただいていますので、いろいろな切り口で御発言いただければと思います。いかがでしょうか。華山委員から、まずお願いします。
【華山委員】  
 どうもありがとうございます。基盤研究の役割・機能について考える上で、国の他の研究費、例えば、JSTとかAMEDの大型の研究費や内閣府のムーンショットなどとのすみ分けといいますか、役割分担が大きな論点になってくるのではと感じました。
 我々は特に医学系なので、AMEDとかJSTとかをよく頂いていまして、そちらの金額のほうが正直圧倒的に大きいのですけれど、科研費の基盤研究は何が本当にありがたいかというと、研究の継続性を保つことができるというところかなと思っております。
 特に今は運営費交付金がすごく下がってきて、いわゆるデュアルサポートが、かなり難しくなってきているという状況の中で、我々が普段の研究を継続する上で、水や空気のように基盤研究がないとやっていけないと感じます。それが途切れると、これまでせっかく築き上げてきたものが、一気になくなるわけですね。人材であったりとか、機械のメンテナンスであったりとか、そういったものをサポートしていく、我々の日々の安定した研究を進めていく上で、基盤研究というのが重要なのではないかなと、私自身は思っています。特に地方大学などにおきましては、基盤Cすら取れていない研究者も多数いらっしゃいますので、研究を諦めてしまうのですね。なので、多くの方が基盤研究の恩恵にあずかって、日々の研究を継続することができるというのが、我々にとっては非常にありがたいシステムなのではないかと感じた次第です。
 以上です。
【大竹部会長】  
 ありがとうございました。そうしましたら、永田委員、お願いします。
【永田委員】  
 ありがとうございます。今、挙げていただいた役割というのは、我々としては、もうみんな分かり切っていることで、でも、なかなかこれが社会に認知されていないなというところが、大きい問題点なんだろうなと思いながら伺っていました。
 ただ、科研費の役割というのは、僕はやはり一番重要なのは、何でも提案していいという、大規模な補助事業としてはもう群を抜いているわけですよ。つまり、基本的にボトムアップで研究テーマが立ち上がっていくんですよね。我々がこの20年で学んだことというのは、やはり世界でトップを取るような研究というのは、ボトムアップから基本的には出ていくんだと。選択と集中で世界のトップを取ることというのは、なかなかできない。選択と集中している時点で、もうトップはかなり前に行っていますので。なので、ボトムアップで、そこに世界がついてくるという世界をつくらないと、世界一は取れないんですよね。なので、このボトムアップ型の助成というのは、もっと大事にしないと、日本はますます沈んでいきますよというような危機感がなかなか広がっていかないなというのが、一番の課題かなと思いました。
 以上です。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。共感する方が多いかなと思いました。
 中野委員、どうぞ。
【中野委員】  
 全くそのとおりだと思います。やはり基盤研究は、科研費の中で最も中核的な位置付けにあるではないかと感じています。応募数では全体の約80%、予算額でも約60%を占めており、ここをどのように強化していくかが、科研費改革において最も重要な点ではないかと思います。
 一方で、デュアルサポート体制が崩れ、基盤的経費が徐々に細っていく中で、科研費本来の役割が果たしにくくなっているのではないかという懸念があります。また、為替レートの変動や物価上昇が進む一方で上限額は変わっていないため、実質的に目減りしているという危惧もあります。
 そのような状況の中で科研費が本来の役割を果たすためには、上限額を上げるとともに、申請時に上限額に張り付かないような工夫を行い、誰から見ても適正な執行の下で研究が行われているというと理解されるような、研究者側の改革、あるいは意識の変革も必要になってくるのではないかなと思います。
 以上です。
【大竹部会長】  
 そうですね。額の話というのは、これからありそうですね。
 速水委員、お願いします。
【速水委員】  
 ありがとうございます。私もボトムアップは、幾らどれだけ言っても言い足りないぐらい大事なところかなと思います。それから、科研費はスケール感がいろいろあって、そこから選んで研究をデザインできるというところが、すごく貴重だと思っています。CからSや特推まで、いろんなスケールで選べるというところがすごく大事です。そのときに、先ほどの御説明にあった大きな問いというのが大事で、特に私は人社系の研究者なので1人でもできるし、でも1人で積み重ねたものを、じゃあみんなで共同研究したらどうなるかとか、いろいろそのとき、そのときのデザインができて。そうすると科研費を取るということが、自分自身は今研究がどの段階にあって、これからどう進んでいきたいかという、自分の研究の現状を確認し、先を考えてデザインしたり、そういう研究のライフデザインといいますか、そういうことを自由にさせてもらえるのが、科研費かなと思っています。しかし、デュアルサポートが崩れてくると、そうではない動機づけによって、とにかく取っておかないと研究ができないということになってしまうので、これがやはり大きな問題だと思います。
 先日、ほかのところで資料を見せていただいて、基盤Cの利用者が、地方大学と女性研究者と、それから若手の比率が非常に高いという統計を見せていただいたんですけれども、やはりまずは、基盤Cでも取っておかないと研究が続けられないというところに来てしまっているということは、もうそこで科研費の本来の目的でないところに使われていると言いますか、使わざるを得ないような状況になっているということも、ちゃんと大きな声で伝えていきたいと思います。
 以上です。
【大竹部会長】  
 ありがとうございました。茂呂委員、お願いします。
【茂呂委員】  
 まず、研究費について海外の研究者と話していると、日本の研究費の採択率はすごくいいねというふうに、よく言われるので、他の国に比べて採択率はいいのかなというふうに感じますが、やはり規模がすごく小さいのを感じていて、海外が世の中の物価上昇に合わせて研究費を上げてきている中で日本の現在の科研費の額が決まったのは、いつなんでしょうか。私が少なくとも研究を始めたときからは変わっていないのですが…。
【大竹部会長】  
 Aの上限とか、Bの上限とかそういうことですね。
【茂呂委員】  
 その10年単位でのスパンでの物価上昇から変えずにやっているということは、とても信じられないことで、うまい棒も10円だった時代があるというのと一緒で、やはり特に生命科学など、私たちの分野は試薬代がものすごく上がっていて、とんでもない状態なのに科研費が変わらないというのは、そこは本当に早期に改善するべきかなと思います。家庭の給料とかも、どんどん年に合わせて変わっていったと思いますけれど、研究費はラボにとって、大黒柱が稼いでくる給料みたいなものなので、これが時代に合わせて変わっていかないということは、とても問題だと思いますし、逆に何年変えていないということを言えば、国はもう少し動いてくれるんじゃないかなとも思うので、ぜひ、そこをお願いしたいところかなと思います。
 科研費の日本を含むアジアの有利な点としては、人件費を払わなくていいという部分で、私たちがかなり得をしているところで、大学の自分の給与であったり、助教、講師という給料が大学から支払われて、それは目減りしないものです。そして、大学院生にも給料を払わなくていいというのは、日本の研究者にとってものすごい利点なので、海外の場合は、それを全部自分たちの研究費で払うという意味では、単純にアメリカの研究費の3分の1ぐらいしか額がないから、少ないのかという議論は難しいところですね。なので、他国に比べて少ないのか、多いのかという議論は、そこを加味して考えなければいけないなと思いますが、やはり何年も変わっていない額という部分は、いつもどうなのかなと思います。
 あとはやはり、これは何人もの方が切り込もうとして失敗して今のままなのだと思いますが、分野ごとに同じ額というのは、やはりあり得ないことで、分野や研究の質によって一概にはいえませんが、どう考えてもやはり文系より理系とか、宇宙科学のようなとんでもないような額を使う分野というのは、同じ科研費であっても、もらって助かる度が違うと思うので、そこはいつまでも、「なかなか判定が難しいところなので…」、といって課題として残しておかないで、何かしらの対策をそろそろ始めていただきたいなといつも思っているところです。
 以上です。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。幾つか論点があったと思います。
【大鷲企画室長】  
 ありがとうございます。先ほど、いつから変わっていないのかというところに関しましては、今確認しましたところ、平成9年度、1997年度から変わっていないという状況ではございます。
【茂呂委員】  
 30年近くということですね。
【大鷲企画室長】  
 はい、変わっていない。ですので、先ほどから御指摘いただいているように、上限額についてどうするかということについては、検討をしていく必要があろうかと思いますけれども、今回の論点例の中にもお示ししていますけれども、例えば、その中においても設備・機器の共用を進める。そういったことで、いかに研究費も捻出していくかというところも工夫しながら、そこはセットで考えていかないといけないのではないかと。
【茂呂委員】  
 でも、30年も機器はもたないので、5年スパンで機器を替えていくということを考えると、やはり30年上げていないのを、そこで補充するというのは、やはりどう考えても無理なような気がしますけれども。
【大鷲企画室長】  
 ありがとうございます。
【大竹部会長】  
 やはり30年変わっていないというのは、失われた30年とやはり一致しているところもあるんですかね。それなりに成長していれば、どこかで上がっていますよね。感慨深いと言ってはいけないですけど。
【茂呂委員】  
 ちょっと、びっくりですね、30年変わっていないとは。
【大竹部会長】  
 これから変わっていくのでしょうね。今回は5%というのも、何か意味のありそうな5%という数字ではありますよね。
 中野委員、お願いします。
【中野委員】  
 上限が変わっていないこと自体も問題ですが、むしろ、その状況の中で、申請が増えているのが基盤Cだという点が、より問題だと思います。本来であれば、上限額が変わらないのであれば、より上位の種目へ、申請が移っていくのが自然であり、仮に申請が全て基盤B以上にシフトすれば、実質的には上限額が引き上げられることになります。しかし、実際にはそうなっていない。この点に、先ほど話題に出たデュアルサポートの崩れが如実に表れているのではないかなという印象を持ちます。
 やはり、この点を本質的に変えていかないと、基盤研究は、ここで論点で示されている役割を担っているにもかかわらず、それを本来の意味で果たせなくなるおそれがあると思います。
 本日は冒頭、学術変革研究についての議論が大半を占めましたが、基盤研究が十分に充実していれば、本来は学術変革研究は必ずしも必要ないかもしれません。両方が持つ機能は、それほど違ったものではなくて、かなり大きく重なっています。基盤研究で進められてきた研究が発展して、いろいろな学術的な変革が生まれることもありますし、基盤研究において専門性が高まることによって、初めて分野間の融合が起こる場合もあります。完全に切り分けられるものではなく、基盤研究を充実させなければ、いくら学術変革研究だけ強化しても、期待したほどスモールアイランドは生まれず、たとえ生まれてもそれがコンチネンタルに発展することもないのではないかなと感じています。
【大竹部会長】  
 そうですね。それは本当に。今日の議論を通じて、そういった論旨というのは有力だなと思います。
 金額のことを申し上げると、やはり基盤A以上でしたら、ある程度は人を雇用するということが安定してできるってやはり必要なのかなと思うと、やはりもうちょっと上限を上げていく必要というのは、今はあるのかなというふうな受け取りもあるかなと思いました。
 ほかにいかがでしょうか。お願いします。
【中井委員】  
 中井です。
【大竹部会長】  
 中井委員。
【中井委員】  
 先ほどの挑戦性の議論をしているときに、いろいろな具体的な項目を挙げているわけですけれど、こういう項目を見ながら、そもそもやはり研究費の提案ってこれに尽きるので、そもそも基盤研究の段階で斬新な発想に基づきとか、学理を発見するとか、もうこの当たり前の、結局、中野先生がおっしゃったとおりですけれど、基盤研究で、これぞと思うのは、こういう挑戦性を含んでいるというのが本来なので、基盤研究は、もっと確実に増やすべきであって、まずは額ですかね。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。ほかはいかがでしょうか。
【中野委員】  
 もう一点あるのですが。
【大竹部会長】  
 中野委員。
【中野委員】  
 最後のポイントである機器の共用促進については、非常に重要だと思います。科研費で整備された機器が一代限りで使われなくなる、あるいはそうでない場合も限られた個人やグループでのみで利用されるという状況は、国費の観点から見ても望ましくありません。その意味で、機器の共用は大事ですが、日本の場合、実際には多くの研究所・センターや共同研究拠点で、長年使われている機器が共用され、科研費による研究にも利用されているというのが普通です。
 一方で、それらの機器が老朽化しているという問題があります。これは、先ほどの基盤的経費の額が目減りしているのと同じ理由によるものだと思いますが、皆が利用する機器が陳腐化、あるいは老朽化し、海外との競争力を失っている状況の中で、科研費だけを充実させても競争力の回復は難しいのではないかなと感じます。
 そのため、何らかの工夫によって設備や情報が生きるような施策が打ちだせないかなと思います。例えば、機器更新や、老朽化対策に当たって、研究所側の予算と科研費を組み合わせるなど、柔軟な枠組みで対応できる道が開ければ、科研費の使い方という意味でも、一世代で終わらない、より継続的な研究基盤の整備という面でも、大きな効果が期待できるのではないかと思います。
【大竹部会長】  
 ありがとうございます。柔軟性ですかね。
 ほかはいかがですか。もう少し時間はありますが。ほかに御議論はございませんか。よろしゅうございますか。
 非常に大きなテーマではありますので、この基盤研究をどうするかということについては、また我々も継続的に議論していくことになると思いますし、国の科学技術をどうこうというのも、直接基盤研究に影響すると思いますので、ぜひ慎重に、積極的に議論していきたいと思います。
 板倉課長がいらっしゃったので、一言何かあれば。
【板倉学術研究推進課長】  
 ありがとうございます。今日も御熱心に御議論いただきまして、誠にありがとうございました。今日は遅参いたしまして、大変失礼いたしました。
 今、最後に基盤研究の話もございましたけれども、科研費全体として一番いい形、また、科研費以外の共用機器の使い方等も総合的に考えながら、一番いい科研費の在り方というものを、しっかりと研究費部会を中心に御議論いただきながら、我々、事務方としても、それを形にできるようにしていきたいと思いますので、何とぞ、引き続き御指導いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【大竹部会長】  
 どうもありがとうございます。
 それでは、議題はここまでとさせていただきまして、最後に事務局から連絡事項等があればよろしくお願いいたします。
【豆佐企画室長補佐】  
 ありがとうございました。本日の議事録につきましては、各委員に御確認いただいた上で、公開させていただきたいと思います。
 また、次回の研究費部会につきましては、改めて御連絡させていただきます。
 以上でございます。
【大竹部会長】  
 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。皆様、どうもありがとうございました。

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