令和5年4月28日(金曜日)10時00分~12時00分
オンライン会議にて開催
白波瀬委員、鷹野委員、仲委員、大竹委員、尾辻委員、塩見委員、新福委員、中野委員、華山委員、山本委員、加藤委員、岸本委員
森研究振興局長、奥野大臣官房審議官、田畑学術研究推進課長、松本学術研究推進課企画室長、梅﨑学術研究推進課企画室室長補佐、他関係官
大野独立行政法人日本学術振興会学術システム研究センター所長、岸本独立行政法人、日本学術振興会学術システム研究センター副所長大川学術システム研究センター R4科研費WG主査
・議事のはじめに委員の互選により、白波瀬委員が研究費部会長に選任された。
・続いて白波瀬研究費部会長により、中山委員が研究費部会長代理に指名された。
(以上の議事録は、人事に係る案件のため非公開。)
【白波瀬部会長】
本日の議事、進めさせていただきたいと思います。
続きまして、本部会の運営規則について、事務局より御説明をお願いいたします。
【松本企画室長】
それでは、資料2-3を御覧ください。こちらは研究費部会の運営規則になってございます。特に会議の公開のところにつきまして簡単に紹介します。
本会議、会議資料も含めて、原則公開となってございます。ここに書かれている1、2、3に該当する場合を除いて、基本、公開ということになっています。また、第6条で議事録の公表につきましても、この会議の議事録を作成してこれを公開するということになってございます。
公開の手続については、次のページに記載してございますけれども、説明は割愛させていただきます。
資料の説明は以上でございます。
【白波瀬部会長】
ありがとうございました。ただいま御説明ありましたとおり、本部会は原則として会議を公開することとなっております。研究費部会運営規則の第5条に基づきまして、本日の部会もこれより公開とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
では、次の議題は、第12期の研究費部会における検討事項についてであります。今期の研究費部会で議論を始めるに当たりまして、事務局より前期における審議内容や、学術研究をめぐる現状、課題等について、また、学術振興会より科研費審査システム改革2018の点検につきまして、それぞれ御説明をいただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
【松本企画室長】
それでは、資料3-1に基づいて説明させていただきます。資料の共有をお願いします。
1ページ目のスライドは、何度も御覧になった方もいらっしゃると思いますけれども、10年間で、日本の論文数は横ばいでありますが、世界的な順位としては、トップ10%、トップ1%補正論文数も下降しているという状況がございます。
2枚目のスライドは、サイエンスマップにおける参画領域数、中段の資料でございますけれども、参加する領域としては増えているけれども、応用寄りの研究領域の割合が増加していて、基礎研究の研究領域の割合が減少しているという説明の資料になってございます。
3枚目のスライドです。少々資料が見にくいですが、、赤で囲った部分が科研費のところでございまして、サイエンスマップにおいても幅広い分野で出現しているというのが分かります。
それから、次のスライド、こちらから科研費制度の現状ということになってございます。科学技術関係予算と科研費予算の推移を表したものになっています。全体的に科学技術関係予算は増えているということではありますが、科研費が占める割合は横ばい傾向にあります。
次のスライドは、主な研究種目の新規応募数、それから、採択の状況を表したグラフになります。令和4年度の主な研究種目の新規要望件数は9万2,000件余りです。前年度と比べると、新型コロナウイルス感染症に伴う継続研究課題の延長、研究期間を延長された方が多かったので、そういう影響もあり、前年度よりも減少していると考えられます。その影響もありまして、採択率は若干上がっているという状況でございます。
次のスライドは、基盤研究に焦点を当てて、それぞれの応募件数の推移をグラフにしたものです。一番上、赤い部分、赤い折れ線が基盤研究(C)になります。令和4年度だと4万5,436件、採択率は28.5%となっています。
青い線が基盤研究(B)、黄色が基盤研究(A)、ピンクが基盤研究(S)となっていまして、(B)、(A)、(S)を拡大したのが右のほうになっていますけれども、基盤研究(B)でも応募件数は大体増加傾向ですが、基盤研究(A)はかなりというか、減っている、減少傾向が見て取れます。
次のスライドは、科研費の応募資格者を年齢別に追ってみたものですが、右側に年代を書いていますけれども、40代前半だとか30代後半、30代前半、この辺り、20代後半ですね。下線を引いている年代で減少傾向が見られます。
次のスライドは、研究活動スタートアップ支援という研究種目の状況です。こちらは応募のタイミングが合わなかった人とか、、産前産後の休暇とか育休を取得していて、応募できなかった方が対象の種目ですが、その研究種目の状況をグラフにしたものです。こちらについてはかなり採択率が高く、多くの方を採択してきているという状況が見て取れるかと思います。
次のスライドは、基盤研究の繰越件数をグラフにしたものです。まだ基盤研究の(S・A・B)は基金化されていませんので、次年度に研究費を使いたい場合には繰越しをしないといけないわけですけれども、御覧になってのとおり、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、近年、大幅に増加しているということが見て取れると思います。令和3年度においては、大体、約半数の研究課題が繰越手続を行ったということになっています。
次のスライドは、科研費において、「学術変革領域研究」を説明したものになります。「学術変革領域研究」につきましては、令和2年度に創設したものですが、従来から新学術領域研究という種目がございまして、それをリニューアルする形で「学術変革領域研究」というものを創設しています。こちらにつきましては、若手研究者の育成につながる研究領域の創成を目指すとか、次代の学術の担い手となる研究者による小規模の研究グループが提案するものとか、そういう目的をもって、ある程度、若手の研究者を中心に、その育成にもつながる研究種目として、令和2年度からやってきているものです。
それから、次のスライドは、学術変革領域研究の応募採択状況です。グラフを見てのとおり、学術変革領域研究(A)、それから(B)、どちらも応募件数は減少傾向が見られます。
一番右の学術変革領域研究(A)の公募研究につきましては増えていますが、これは単純に公募研究に応募できる研究領域数が増えますので、応募件数が増えているようになっているということです。
次のスライドは、令和5年度の予算を説明した資料になります。予算額としては、2,376億円ということに加えて、令和4年度2次補正で156億円を措置されています。下のほうを見ていただくと主な内容が書いてありまして、一つは国際共同研究の強化ということで、国際先導研究を拡充したということ、それから、2つ目、特別研究員奨励費の見直しということで、こちらを基金化したということが主な柱となっています。
次のスライドが、国際先導研究の1回目、応募採択状況を表にしたものでございます。131件の応募があり、15件採択したということで、採択率11.5%となっています。それぞれ採択課題については、資料に書かれているものが採択になっています。
次のスライドは、現状の研究種目で、基金化された部分と、まだ補助金の部分ということで整理したものです。上の緑の部分がまだ補助金の研究種目となっているということです。
次のスライド以下は、御参考までに科研費の現在の研究種目の一覧を掲載させていただいております。
資料3-1の説明は以上です。
続いて、資料3-2は、日本学術振興会から説明させていただきますので、お願いいたします。
【白波瀬部会長】
大川先生、よろしくお願いいたします。
【大川JSPS学術システム研究センターR4科研費WG主査】
JSPS学術システム研究センターの主任研究員をしております大川でございます。
それでは、科研費審査システム改革2018の点検についてということで、こちら、私から御説明させていただきたいと思います。
科研費審査システム改革2018は、それから5年が経過しておりまして、今後の科研費の審査の在り方ですとか、方向性の検討の起点とするために、昨年度、学術システム研究センターにおきまして、これまでの5回にわたる公募審査の経験ですとか、審査システム改革の定性的な効果、そして、その後の制度改善等について点検を行い、その結果を取りまとめました。現在画面に出していただいていると思いますが、こちらの報告書は、本年3月にJSPSのホームページに掲載しております。
まず最初に、資料のページ番号で申し上げますと、28ページに、「審査システム改革の背景と位置付け」について記述させていただいております。
審査システム改革は、センターでのそれまでの科研費の審査の在り方、特に審査体制ですとか審査の方法、応募書類等の改善に関する議論の蓄積、あるいは文部科学省科学技術・学術審議会における学術研究に対する現代的な要請ですとか、挑戦性の減衰に関する議論、それから、分科細目表の見直しに関する議論、及び、検討依頼等を背景として、センターによる学術研究をめぐる集中的かつ徹底的な議論を経て、科研費の新たな審査の仕組みに収斂していくものとなりました。
まとめた結果、詳細は省略しますが、背景あるいは位置づけとして、まず1つ目として、Study Section方式を導入したことでございます。
それから、2つ目が、次のページに行っていただきまして「系・分野・分科・細目表」の抜本的な見直しを図ったという点でございます。
それから、3点目が、学術研究への現代的要請、挑戦性の減退への対応を図るというものでございます。
それから、4点目が、続いてのページになりますが、業績偏重主義の誤認識への対応という点。
そして、最後に、次のページにありますように、審査システム改革の位置付けについて整理したというところでございます。
続いて、具体的な審査システム改革の内容については、こちらに記載させていただいております。
4点ございまして、1つ目が審査区分表の採用ということで、従来のもの、いわゆる分科細目表に変わりまして、審査区分表というものを採用したというのが1つ目でございます。
それから、続いてですが、次のページにありますように、新たな審査方式としまして、総合審査、そして、2段階書面審査というものを採用するということが2つ目の点でございます。
それから、3点目でございますけれども、次のページに行っていただきまして、研究計画調書の様式の見直しについて行ったというところでございます。
そして、最後ですが、評定要素の見直しを図ったということでございます。
以上4点が審査システム改革の内容ということでございます。
これを受けて、続いての3番目の項目となりますが、「審査システム改革の定性的効果」について議論いたしました。実際、詳細については資料を御確認いただければと思いますが、審査システム改革の定性的な効果については、審査委員の先生方、あるいはセンター研究員からの意見、そして、審査システム改革前後、その両方を審査した方へのアンケート調査、そして、合議審査、2段階書面審査の効果を検証しまして、実際、改革が良好な水準で有効に機能しているということが確認できているところでございます。
続いて4番目、「審査システム改革後の見直し」ということで、次のページ、その次ですか。そちらのほうにお進みください。審査システム改革後もセンターでの議論を経まして、様々な制度改善を検討して実現してきております。主な制度改善事項は、次の4つになります。
1つ目が公募・審査スケジュールの早期化ということで、全体的に公募のスタート、それから、締切り、そして、審査というものの前倒しを図っていって、ある意味、早期の審査結果の通知ができるような形に進めていったということでございます。
それから、2点目です。続いてがその次のページになろうかと思いますが、研究計画調書様式の更なる見直しを図っていったということでございます。この辺り、アンケートを踏まえて、おおむね適切というようなところはいただいていたわけですけれども、さらにいろいろと意見交換をした結果、幾つかの分かりにくい部分等についてしっかり見直しを行っていったところでございます。
それから続いてが、その次の3番目になりますが、令和5年度公募から適用する審査区分表の改訂等ということで、基本的に審査区分表の改訂について、いわゆる内容の例について見直し等を図っていったというところでございます。
また、基盤(B)につきまして合同審査といったものを導入したということもあげられます。
それから続いて、4番目でございます。挑戦的研究(開拓・萌芽)につきまして、評定要素、そして、審査方式の変更を行ったというところでございます。具体的にはそちらにもありますように、評定要素として、挑戦的研究としての妥当性というものをクローズアップしたということ、それから、萌芽の部分の審査方式について、総合審査から2段階書面審査に変更した点でございます。
以上に基づいて、最終的に、「おわりに」という形でまとめてございます。点検結果、それから、今後の方向性について書かせていただいております。審査システム改革は、良好な水準で有効に機能しているということがこれまでの議論を通しても確認されております。また、学術研究への現代的要請ですとか、挑戦性の減退等に対して適切に対応する方向に進んできていると考えております。
一方で、点検の過程で課題も指摘されております。幾つか例を申し上げますと、審査委員と応募者の間のコミュニケーションにつきましては、審査結果の所見の開示等を通じて一定の向上は図られてはおりますが、所見が開示される種目がある程度、限定的ということもありますし、実際、審査委員が応募研究課題の審査に際して記述していただいた審査コメントというものがありますので、それをより有効にコミュニケーションに活用していく方策というものも考える必要があるのではないかというのが1点目でございます。
また、次の点として、研究業績等の記載方法の見直しに伴いまして、論文業績リストという形での提出が必須ではなくなったという点があります。それが論文産出の動機に影響を与えているのではないかというような、そういったところも議論として上がっているところでございます。
それから、審査システムの改革と並行で進められました研究種目ですとか枠組みの見直しの一環として、重複制限の緩和等が適切に進んでいる点については評価されるわけではありますけれども、特別推進研究の応募回数制限、それから、それが影響して基盤研究(S)に非常にたくさんの応募があるようになったということで、そちらの支援規模の拡大ですとか、あるいはそれに伴うヒアリング審査の在り方などについて、継続して議論すべきではないか。そういった点が幾つか課題として挙げられているところでございます。
今後、基本的考え方によりますと、審査区分表自体については、令和10年度、2028年度の公募に向けて体系的な検討が行われるということが予定されているところでございます。今回の点検を通じて、審査区分表の策定を含む審査システム改革の趣旨や方向性については、センターとして適切であると判断しており、間もなく開始される審査区分表の体系的な検討に当たりましても、まず審査システム改革の趣旨を堅持することを考えております。
また、今回の点検と並行して、センターにおきまして、科研費の膨大な応募件数ですとか、あるいはコロナ禍による研究環境の変容等に対応して、科研費を持続可能な制度として維持・発展させていくために、審査負担の軽減方策ですとか、あるいはデジタルトランスフォーメーションを取り入れた効率的な審査方法、審査委員の意識の醸成等について、短期的な改善の視点に加えて、中長期的な方向性の視点で検討してまいりました。
その結果として、今後の合議審査はウェブ会議形式を基本とすることですとか、それから、審査資料の電子化を進めること、これを決定するとともに、審査のインセンティブとして「科研費審査功労者」の認定制度の創設などを検討しているところでございます。
センターとしましても、残された課題について議論を深めるとともに、環境の変化に柔軟に対応した持続可能な審査の在り方、それから、審査負担の軽減方策等について引き続き検討することとしております。今後も不断の改善に努めていく所存でございます。
最後に、基盤研究等の応募件数が増加しまして、1研究課題当たりの配分額が減少している現状に鑑みて、「『デュアルサポートシステムの再生』に向けた行財政措置」について強く求めたいと思っております。
報告は以上となります。どうぞよろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございます。ただいま2つの御説明につきましては、また後ほどまとめて御質問等受けたいと思いますので、続きまして、第12期研究費部会における審議事項(案)について、事務局より御説明をお願いします。
松本室長、お願いします。
【松本企画室長】
それでは、資料3-3に、今期の研究費部会で御審議いただきたい内容を事務局の(案)としてお示ししています。その前に、参考資料として前期第11期の研究費部会で御審議いただいた内容概要をつけておりますので、そちらを簡単におさらいさせていただければと思います。
こちらが審議のまとめの概要になってございますけれども、前段のほうに書かれている「我が国の学術研究を巡る現状と課題」となっている部分については、先ほど資料3-1で触れさせていただいた部分と結構重なっている部分です。国際的に、相対的に低下しているということ、それから、若手研究者割合が減少しているということ。それから、応募件数の増加や先ほども大川先生から説明ありましたけれども、1課題当たりの配分額の低下というような現状と課題があるという認識の下で、前期も御審議をいただいているということです。
それから、第11期で審議いただき改善していった内容としましては、中段のほうに書かれてございます、国際頭脳循環・国際共同研究の推進としまして、国際先導研究を創設したりですとか、「KAKEN」のデータベースの機能強化として、国際的な研究活動に関する情報公開を充実させるとか、それから、審査員選考でも国際性に配慮することですとか、国際研究の実施歴、それから、海外機関での研究歴等を含めた研究遂行能力を評価するということを改善してきているということです。
それから、若手研究者の飛躍の支援ということで、若手研究(2回目)と挑戦的研究(開拓)の重複制限を緩和したということ、それから、特別研究員奨励費を基金化して、国際共同研究強化との重複制限を緩和したという部分。それから、独立基盤形成支援において、機関の移動状況を踏まえた選考を実施したということです。
これ以外にも審査システムの改善や基盤(C)の助成水準の考え方については審議していただいているということになっています。
それから、前期において引き続き検討すべき課題ということについては、基盤研究の助成の在り方、それから、持続可能な審査システムの構築に向けた審査負担の軽減等の検討、それから、学術変革領域研究の検証と日本学術振興会への移管の検討等ということでまとめられています。
まとめについては、一番下に赤で書いているとおり、研究活動の国際化や若手研究の育成、それから、研究機関のマネジメント改革等に貢献する研究費支援の在り方に留意しつつ、科研費の予算の充実と基金化等の制度改革を継続的に進めていくことが重要ということになってございます。
それでは、資料3-3を御覧ください。簡単に説明させていただきます。
11期の研究費部会における審議のまとめを踏まえて、こちらに書いている1から5について審議を行っていただいてはどうかと考えています。こちら、事務局(案)でございますし、これ以外にも随時、重要事項があれば、随時、審議対象にすると考えています。
それでは、1ポツ、若手・子育て世代の研究者の飛躍を支援するという部分です。科研費においては、これまでも継続的に若手を中心に研究者の挑戦を奨励する制度改善というものを進めてきました。繰り返しますけれども、令和4年度には、特別研究員奨励費の基金化や、PDについての機関雇用といった制度改善を行ってきたところです。
我が国の研究力を抜本的に強化していくためには、若手・子育て世代の研究者が多様性の高いチームで研究に挑戦しやすい条件を整えるなど、将来の飛躍につながる支援をさらに充実する必要があるのではないかと思っていまして、研究と育児の両立等、喫緊の課題となっていることから、研究者を幅広くエンカレッジする制度改善をさらに検討する余地があるのではないかと思っています。
例えば、若手研究は現在、博士の学位取得後、8年という条件がありますけれども、そちらについて何かしら考える、緩和するのか、ライフイベントにした要件の緩和とかそういったものを考える余地があるのではないかと考えています。
それから2ポツ目、国際的な研究活動の促進、こちらについては令和3年度補正予算から国際先導研究というのを創設しています。こちらは補正予算で対応していますので、今後どうしていくのかと、定常化を図っていく必要があると思うんですけれども、そういった部分ですとか、国際共同研究のところもかなり研究種目としてはメニューが増えてはきていますけれども、さらに制度改善等、検討する余地があるのかないのか、そういった部分について御審議いただいてはどうかと思っています。
それから、オープンサイエンスに資する取組についてでございます。こちらは内閣府で、主にファンディング・エージェンシー間の会合で議論されている部分もあるますので、そちらの議論の状況を見つつ、科研費で対応できる部分があるのかないのか、こういったことにも触れられればと思っています。
科研費では、支出の面で既に対応している部分はありますが、それ以上に何か資する取組があるのかないのかということについて、少し検討していただくこともあり得るのかなと思っています。
それから、次のページ、こちらは中長期的な課題になるかもしれませんが、基盤研究の改善にかかる検討ということで、助成水準、重複制限といった既存の枠組みを前提とした改善というものから、応募上限額とか区分そのものの構成とか、それに関係する関連種目、関連する研究種目の構成、そういった枠組みそのものの見直しまで、少し幅広く、この課題に取り組んでいく必要があるのではないかと思っていまして、新規事項として取り上げさせていただいています。
それから4ポツ目ですが、持続可能な審査システムの構築に向けた検討ということです。応募の状況の増加傾向とか、種目によっては減少している部分もあると思うのですが、長期的に見ると増加傾向も続いていますし、一方で、審査委員の数、審査委員の増員に加えて、負担軽減といった部分、審査の効率化、簡素化も進めていかないといけないのではないかと考えていまして、その辺りの検討をお願いできればと思っています。
先ほど大川先生からも説明していただいた審査システム改革2018の点検を踏まえ、審査方式ですとか審査区分の見直し、それらを含めて必要な改善を検討していく必要があるのではないかと思っています。
審査区分の見直しについては、大きい改革、5年とか10年とか、そのような間隔で区分の見直しを検討することになっていますが、それなりに時間もかかりますので、今期からそのような部分についても検討を始める必要があるのではないかと思っています。
それから、最後、こちらは「学術変革領域研究」の検証と日本学術振興会への移管の検討ということで挙げさせていただいています。先ほども説明しましたが、学術変革領域、令和2年度に創設されたばかりの種目ですので、今後、審査・評価プロセスも検証しながら必要な改善を検討する必要があると思っています。その際、これはJSPSの体制強化もセットになる話かもしれませんけれども、審査・評価業務の円滑な移管というのも考えていかないといけない課題ではないかと思っています。その辺を含めまして審議事項の案に入れさせていただいています。
資料の説明は以上です。よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございました。説明が続きましたけれども、大変御苦労さまでございました。
それでは、資料3-1、3-2についての御質問や、ただいま事務局(案)として、今期の審議事項についての説明が資料3-3としてあったところでございます。繰り返しですけど、一応これはこちらからの(案)ということですけれども、前期、第11期の実績も踏まえながら、よい意味で継続しつつ、さらに改善し、あまり総花的にならないようにということも含めながらということであるとは思いますけれども、皆さんの御意見を頂戴したいと思います。
本日は時間に余裕がある形で比較的長くとってございますし、第12期の研究費部会初回でありますので、御出席の委員の皆様全員から御意見をいただきたいと思っております。御自由に御発言をお願いしたいと思いますけれども、いかがでしょうか。挙手のほう、どうかよろしくお願いいたします。
では、最初、中野先生からお願いいたします。
【中野委員】
よろしくお願いします。御説明ありがとうございました。資料3-1の17ページでしょうか。基金化されていない基盤(S・A・B)の繰越件数の表が出ている図ですが、もちろんこれは新型コロナウイルス感染症の影響があったということは確かなのでしょうけれども、それ以外に、今まで繰越しが認められていなかったけれども、繰越しができるようになったから繰り越した人も結構いるのではないかと思うんですが、その点に関して調査がおこなわれているのか、今後、その需要が非常に大きいということが分かった場合は、基金化の検討も進められるのでしょうか。
質問は以上です。
【白波瀬部会長】
ありがとうございました。事務局からお願いいたします。
【松本企画室長】
繰越しの要因分析については、どこまでやれているか分かりませんが、ある程度調査できると思いますで、分かったらこの場で御報告させていただければと思います。
それから、科研費については、平成23年度以降、順次基金化を進めてきています。補助金のままで残っているところについては、基金化していきたいという気持ちを継続して持ち続けていますので、今後もその方向で頑張っていきたいと思っています。
以上です。
【中野委員】
ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
今、中野先生の御質問は少し違うように思います。、前回、コロナになる前の、少なくとも繰越しの状況について少しおまとめいただいて、それでコロナ禍になったので、みんなもう一括して、繰越しオーケーですよというふうに急に緩んだ感じなのです。そこでこれから定常化するという案も含めて、要因分析というか、基本的な情報を集めていただけると今後の議論に役に立つのではないかなという意味だというふうに私は理解しました。事務局のほう、どうかよろしくお願いいたします。
【松本企画室長】
承知いたしました。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。
では、仲先生、よろしくお願いいたします。
【仲委員】
どなたか先に手を挙げてくださっていた先生もいらっしゃるのかなと。
【白波瀬部会長】
ごめんなさい。私のところの右側に名前が並んでいて。その順番に言っているだけで、もしかしたらタイミングが違うかもしれません。
【仲委員】
分かりました。ありがとうございます。資料3-3で、今後、当面審議する課題等というところについて意見を申します。1、2、3、4、5と挙げてくださいまして、本当にどれも大変重要な課題だと思いました。1番の若手・子育て世代の研究者の飛躍支援、もう本当に重要なことで、大賛成です。ここ、子育て世代というところにジェンダーの問題も入っているのかなと思うんですけれども、ますますジェンダーのエクイティ、バランスというのは重要になると思いますので、これもやはり検討課題の一つに入れていただければと思います。
以前調査したところですと、また数値も変わっているかもしれませんけれど、女性の科研費の応募率、それから、採択率というと、2割、3割ぐらいという形になっています。基盤(C)ですと、女性の割合も比較的高いんですけれども、基盤(A)とか特推となっていきますと、本当に僅か、10分の1とかそれぐらいになっていたかなと思うところです。ですので、ここは多様な、ジェンダーバランスが反映されるような、そういうシステムづくりに向けた検討があるといいなと思うのが一つです。
それからもう一つ、ごめんなさい。国際的な活動に関してですけれども、ここも先導研究などが始まっていて、大変いいわけですけれども、ますます国際的な共同研究の枠に入りやすいようなシステム、例えば諸外国の基金と合併させて、併せて使うことができる基金とか、また、例えばHorizon Europeみたいなああいう連携があるわけですけれども、日本はアソシエイトではないので、ヨーロッパの基金に応募できるような形になっていない。科研費とはちょっと違う部分もあるかもしれないんですけれども、日本からも基金を併せるような形で国際的な連携研究に入っていけるというような、何かそういう工夫ができるといいのかなと思いました。
以上、2つです。どうもありがとうございました。
【白波瀬部会長】
ありがとうございました。すみません。先にお手を挙げていらっしゃった先生、ごめんなさい。仲先生から大変重要な点、2点ございましたので検討させていただきたいと思います。ジェンダーバジェットというのは、今、活発に議論されていて、単に分布の上の男女差を解消するだけではなくて、という話も進んでいるのでよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
大竹先生、お願いいたします。
【大竹委員】
ありがとうございます。大竹でございます。今日、全体の背景というか、科研費は自由な発想を大切にするというところから局長に入っていただいたところは、私もそのとおりだなと思っておりまして、やはり研究者の自由な発想に基づく研究を支援する一番大きな取組として、この科研費の重要性というのは我々も認識しているところでございますし、その重要性はやはりこれからもますます重要になってくるというところが起点にあるのだと思います。
その中で、昨年度の紹介もありましたけれども、審査も含めて、多くの改善をしてきて、自由な発想というところを伸ばしていくという方向には間違いなく向かっているのかなと私も思っていますし、これからもそれに精進していかなければいけないなという気持ちを新たにしたところでもございます。
今日、特に学術変革について、最後にも検討事項として取り上げられている中で、松本室長から、今日の資料でありますと18ページ、19ページで御紹介があって、特に19ページをもし出していただければと思うのですけれども、ごめんなさい。19ですね。そうです。これです。ありがとうございます。(A)、(B)、共に件数が減っていますよと。申請件数が減っていて、落ち着いてきたというような印象もあるのですけれども、(B)も14.2%の採択率ということで落ち着いているようにも見えますが、少なくとも私の周りとか、あるいはもう少し広く御意見を伺っているには、やはりかなり敷居が高いという印象がいまだにあって、やはり出しにくい、なかなか採択に至らないという観点から出しにくいという意見はいまだに多いと私は思っています。
この委員会でもそうですし、あるいは文科省さん、内閣府さんのペーパーでも、やはり文理連携とか文理融合というのは非常に重要だと、これからそういった研究を進めなきゃいけないという方向性自身は多く出されている中で、やはりそういった研究を吸収できる学術変革というのは、依然重視する、これからまた、より重視しなければいけないのではないかと私自身は思っておりまして、最後の課題のところで、学術変革は取り上げられていますけれども、審査、評価というのがメインになっていたと思うんですね。それだけではなくて、これをどのように活性化していくのかという観点からの議論もあってもよいのかなと一つ思ったところでございます。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございます。
【大竹委員】
ひとまずそこで。ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
大竹先生、ありがとうございます。最初に重要なポイントを御指摘いただき、自由な発想というところで、あとは文理、学術変革、ありがとうございます。
では、尾辻先生がいいかな。尾辻先生、いらっしゃいますか。
【尾辻委員】
はい。います。ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
よろしくお願いいたします。
【尾辻委員】
尾辻でございます。塩見先生、よろしいですか。
【塩見委員】
今ようやくミュートを外せました。
【白波瀬部会長】
では、すみません。では、尾辻先生、最初で、次、塩見先生でいいですか。ごめんなさい。微妙な時差があってごめんなさい。
尾辻先生、よろしくお願いいたします。
【尾辻委員】
では、すみません。塩見先生、尾辻より先に時間をいただきます。
私からは2点でありまして、松本室長様から御説明いただいた資料3-3の最初の部分です。若手・子育て世代の研究者の飛躍支援の中で、特別研究員奨励費、2ポツのところで、「将来の飛躍につながる支援を充実する必要がある」という部分の各論になります。参考資料2、下のページ数で言うと、92ページになりますでしょうか。
それで、特別研究員制度につきましては、今年度、基金化を断行いただきましたことと、それから、特別研究員のPDが機関所属の身分を保障された。本当に歴史に残る大改革をやっていただいたことを私どもは大変うれしく思っている次第です。ただ、残念ながら、待遇改善の部分ではそこに手が及ばなかったのが今年度の状況だと認識しています。特にこの92ページを見ていただきたいんですけれども、特に激しいのがDCなんですね。今、御承知のとおり、研究奨励金は20万円フラットであります。
次に、各企業さん、業績のいいところは、ゼロベースだったところがベースアップ、今期の春闘でたくさん上がっていることもあるんですけれども、一層、民間企業での研究員の給与と、それから、DCの研究奨励金の格差が開いています。これはグラフのつくり方がちょっと誤解を招くんですが、DCの場合は、民間平均30万円に対して、奨励金20万円ですから、これは3分の2にとどまっているんですね。一方、PDのほうは、四十一、二万円が36万円ですから、約1割減。ですから、この格差は、PDはもちろん改善していただきたいんですけれども、DCはやはりもう喫緊の課題だと思います。このことは学振のDCのやはりプレステジアスなレベルをなかなか今の学生さんが認知できない。それから、博士課程の後期の在籍率が、外国人留学生がほとんどカバーして、まだ満たないと。逆に言うと、日本人の博士後期進級者が極めて少ないんですね。これは7帝大も含めて、どこの大学でもそうだと思います。ですので、この部分を抜本的に待遇改善を果たしていただきたいというのが今期の重要な課題になるのではないかと認識しています。これが第1点です。
それから、第2点目ですけれども、3番目の補助金種目である基盤研究、科研費の屋台骨の基盤研究種目分ですけれども、学振の大川先生からも点検での説明をいただきましたし、それから、資料3-1の14ページでしょうか。このグラフを見ますと、基盤研究の(C)だけが年々応募件数が増える。最近、過去3年間は飽和傾向にあるんですけれども、応募件数がこれだけ増えても、採択率が、国の指定もあり、政策的な点もあり、落ちていないんですね。ほぼ二十八、九%がキープできている。ということは、逆に言えば、競争力が低下しているということです。
もう一つ重要なのは、ここに大半の科研費の予算が基盤(C)を賄うことになるわけですけれども、充足率が極めて低い。ですから、もう基盤(C)をやっている人たちは、デュアルサポートの劣化の基盤的経費を補う用途にかなりの部分が使われているのではないかという懸念がすごく大きいんですね。それと同時に、大型種目の基盤(S)、(A)に予算が回らない。これは大川先生の科研システム改革の3-2の中でも、最後の今後の残された課題に言われていますけれども、トップを引っ張る支援が十分に行き届いていない実態がこういうところに現れていますので、基盤研究の(S・A・B・C)という現在の種目構成ですね。予算規模、それから、重複制限、そういったものも含めて、かなり抜本的に検討し直す時期に来ているのではないかと感じている次第です。
以上でございます。よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございます。尾辻先生、さすがに専門的なところも踏み込んだところのコメントがございました。事務局の方で、後で少し御対応をお願いしたいと思うんですけど、まず塩見先生から御意見をいただいて、事務局さんに今までのコメント等に対して、回答をお願いしたいと思います。
では、塩見先生、どうかよろしくお願いいたします。
【塩見委員】
私が言いたかったことは、今、尾辻さんが2番目に言われたことと全く、充足率が低くて、採択率が変わっていないけど、数が増えているということは、充足率が明らかに減っていて、つまり、1件当たりの研究費がすごく減っているので、そんなのでは、研究できないというのが多くの研究者の意見なんです。そういうのがいろんな人から聞きますので、特に基盤(C)は特にそういうのが目立っていますけど、それ以外に関しても、本来やろうと思っている研究が仮に採択されたとしても、充足率をこれだけ下げられてしまうと、できないよねというような。だから、尾辻さんが丁寧に今、説明されましたように、そういうところをやはり、今回のこれをざっと見た限り、そういうところが盛り込まれていなかったという気がしますので、よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございます。過去にも充足率よりも採択率にすごく焦点が当たった議論の時代もあったかのように思うんですけれども、事務局から何かありますか。簡単で結構です。
【松本企画室長】
いろいろ御意見いただいたので、順番にコメントさせていただければと思います。
仲先生のジェンダーバランスの点についてですけれども、こちらについては、またデータ等をお示ししながら、議論していただければなと思っています。次回なのか、次々回なのか分かりませんが、それまでにデータを少し整理させていただきたいと思っています。
それから、国際共同研究のところについても、周辺状況を少し整理させていただいて、議論していただくような資料を準備させていただきたいと思っています。
それから、大竹先生から学術変革の活性化の議論ではないかということでしたので、その辺をぜひ議論していただければと思っています。
それから、尾辻先生から御意見ありましたDCの改善ですが、こちらについては、JSPSとよく話合いをさせていただきながら、科研費の中でどのような対応ができるのかということについて検討していきたいと思っています。
JSPS運営費交付金の中でやっている研究奨励金を上げていくというのが本筋の部分なのかもしれませんけれども、特別研究員奨励費というのを科研費でも出していますので、科研費としてどこまでやれるのかといったところも議論の対象になると思っています。
それから、尾辻先生と塩見先生の基盤研究、枠組みというか、充足率も含めてですけれども、一応、当面の審議事項の中ではそこも含めて書き込んだつもりです。助成水準というところで充足率を読んでいただければと思っていまして、基盤(C)の充足率は60%台まで落ちていると聞いていますので、そこはかなり問題だと認識しています。そこも含めて、種目構成全体の議論を少し中長期的にやっていただければとは思っています。
以上です。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。では、また、しばらくまとめて御対応をお願いいたしますね。
まず、山本先生、お願いいたします。
【山本委員】
山本でございます。2点あります。
まず最初は、科研費全般のことですけども、通しの9ページで値が出ていました。つまり、順位がどんどん下がってきているではないかという話です。9ページを御覧いただきますと分かるように、順位が下がっているというところに目が行くんですけど、私の目はどこに行ったかというと、数が変化していないということです。つまり、10年前と今回とでトップ10%の数。順位ではなくて、数ですね。それが変わっていない。つまり、ほかが伸びていて、自分たちが変わっていないということになります。それに対して、12ページに行っていただきますと、科研費予算はコンスタントにもかかわらず、科学技術関連予算はどんどん増えております。割と目的志向型の研究費がこの間、増えてきています。結局、その全体のバランスの悪さではないかという気が私は何となくしていて、科研費の中でいろんな制度改革というか、いろんな種目をつくることだけによって、先ほどのトレンドを解決しようというのは無理だと。やはり全体として考えていただく場にしなければいけなくて、そういう意味でも、科研費予算の増額というのがやっぱり一丁目一番地というところは絶対譲らないでいただきたいと思います。
それからもう1点目は、ちょっと細かい話になりますけれども、大川先生の御説明で、挑戦萌芽が2段階審査になったという御報告がありました。これは多分、審査負担のことをお考えになったわけですけれども、もともとこれを、いわゆる総合審査にしていた理由というのは、広い範囲の視点で評価するということを原則にしていたからです。挑戦的な研究というのはやはり分野をまたぐというところがあるので、そういうようなものに対して十分な審査を尽くすという意味で、そうしていました。私は2段階審査したことはやむを得ないと思っていますが、当初の挑戦的研究の趣旨に沿って、趣旨に鑑みて、今回の改革で影響が出ているかどうか、問題がないかどうかというのは一言お聞きしたいと思っています。
審査負担ということで言いますと、確かにシリアスですよね。そのことはよく分りますが、ピアレビューというのは絶対にやらなければいけないことなんですよ。それをやはり学術コミュニティーにしっかりと伝えるということが必要だと思っていて、その辺は学術システム研究センターあるいは学振のほうでどのような取組をされているのかというところもぜひ知りたいですし、御検討いただければと思います。
例えばですけど、科研費を申請するときに、科研費の審査はピアレビューで行われていると。なので、もし審査員に指名された場合には最大限協力するという念書を取る、そんなことぐらいまでしていってもいい気が私はしています。つまり、これは私たちが守らないと誰も守ってくれないものなので、研究者が忙しいから、何だと言っているというのは、ある程度もちろん分かるんですけど、やはり皆さんの力でやらなきゃいけないということをもう少し浸透していくことはできないだろうかとも思います。もちろんシステムを改善するというのは大事ですけど、一方で、意識改革という部分も必要かと思います。
以上です。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございます。また、山本先生からとても重要な御指摘をいただきまして、改めて覚悟するというか、今期、本当に頑張りたいなという感じであります。ピアレビューを中心としてこれは外せない、まさしくそのように私も感じております。ありがとうございます。
では、次、新福先生、よろしくお願いいたします。
【新福委員】
ありがとうございます。私は初めてこの研究部会に参加させていただきますので、文脈が分かっていないところもあろうかと思うんですけれども、私の考えているところをお伝えできればと思います。
まず、若手の研究者の科研費応募資格者数の減少の問題ですけれども、やはり考えるに、この研究費だけでどうにかできる問題ではないなというのはすごく思っておりまして、そもそも若手が応募できるポジションに就いていないというところが大きな課題なのだろうと思っております。
この研究費の部会でどうできるのかというところを議論するんだと思うんですけれども、その議論においては、必要なデータをもう少し出していただければというところで、そのほかの先生方もおっしゃっていましたけれども、世代ごとにどれだけ採択されているとか、あと、男女ですとか、ジェンダーの問題ですとか、最近考えておりますのが、同世代と話しておりますと、女性だけではなくて、男性の研究者も育児に積極的に関わろうという男性が増えてきています。やはり悩みは、そういった男性研究者が、そうではない男性研究者に比べて、業績数的に落ちてしまう。それで評価が下がるというところを、女性研究者だと、それが配慮されても、男性では配慮がされにくいというところがまだまだあるというところで、また、この研究費部会だけの課題で収まらない問題があるんですが、それをどうやって研究費部会の中で解決できる、解決策につなげていけるのかというところを今後議論していければと思っております。
一つ、お示しいただきたいのが、科研費の採択率ですとか、充足率の問題が出てきているんですけれども、それによってどうなったという分析を見せていただきたいと思っていまして、採択率が変わらなくて、充足率は下がった。つまり、1件ごとの研究費は下がっているんだけれども、論文数が変わらないということであれば、それなりに多様な研究者が採択され、研究費は少ない中で、コスパよく論文を出すという努力しているのだと評価もできるのかもしれません。採択率を下げるか、充足率を下げるかという議論になり、そもそもの予算が増えればいいのですが、そこが難しかったときに、どういうふうに我々が推進して目指していくのかという、そもそもの目指すところをどうしていくのかというのがまだ私には見えていなくて、論文数をどんどん上げていくことを目指していくのであれば、採択率を下げてでも、論文数が多いところに注力せよということになろうと思いますし、多様な研究者を増やすということを考えれば、採択率は下げずに多様な研究を採択していくという方向性になるでしょうし、そのバランスもあるとは思うんですけれども、どこを目指していくのかというところを明確にするのと、それに対するデータをお示しいただきたいというところが今後の議論においてお願いしたいところでございます。
以上です。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございます。重要な点を示していただき、ありがとうございました。初めてだと意見しにくいかもしれなくて、私もそうだったんですけど、決して御遠慮なさらずに、積極的にどうかよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょう。まだ御発言のない先生。では、加藤先生、よろしくお願いいたします。
【加藤委員】
加藤でございます。私からは、資料3-3の今後の審議事項に関することで意見を述べさせていただきます。「若手・子育て世代の研究者の飛躍支援」の、本当に「飛躍」とついているところがこの心意気を表しているようで大変うれしく思いました。私の周りでもやはり、例えば若手研究を取っている研究者でも非常に苦労しながら研究時間を捻出しているという現状がございますので、どうにか若手研究者が子育てなどをしながら充実した研究環境ができればいいなと私も考えておりました。
それで、この御提案の中に、「多様性の高いチームで研究に挑戦しやすい条件」と書いてあるんですけれども、昨今、研究は、分野にもよりますけれども、かなり大型化しておりますので、チーム構成、研究チーム全体でそういうサポートをしながら進んでいく。また、チーム構成を多様性の高いチームで構成していただくなどして、全体でそういう若手の研究者の支援ができればいいと思いました。今後そういうことを御議論いただきたいと思います。
あともう1点は、その下の「国際的な研究活動の促進」の一番下の部分ですけれども、今、オープンサイエンス時代になっておりまして、APCがものすごく高くなっています。先ほど基盤(C)の充足率とか言っていましたけれども、とても基盤(C)を取っただけで、APCを払えると私たちは誰も思っていないわけで、そのときにAPCをどうにか支援できれば、もっとその先の広がりがあるのかと思います。研究の立案から論文公表まで、全てを通して研究なので、このAPCの問題もお考えいただくといいかなと思いました。
以上です。ありがとうございました。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございます。オープンサイエンスの話は本当に。ありがとうございます。また検討させていただきたいと思います。
では、次に、まだの先生もいらっしゃったかと思います。
【仲委員】
華山先生がまだみたいです。華山先生が、手を挙げておられます。
【白波瀬部会長】
華山先生。ごめんなさい。
【華山委員】
大丈夫です。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。よろしくお願いします。
【華山委員】
私が一番懸念しておりますのは、選択と集中ですね。私が常に感じているのは、選択と集中が日本ではかなり進み過ぎておりまして、それに伴い、現場が疲弊しているというのがやはり大きな問題なのではないかなと考えております。特に、今回こちらの部会で扱われます科研費、特に基盤研究、さらに学術変革、それに加えまして、例えばJST、AMED、NEDOとか、様々な事業がございますが、それらに対して、皆様がやっぱり研究費が足りないということで応募される。その上で、トップの研究者が全て取っていかれて、2番手、3番手の人にはなかなかその機会が回っていかないというのが問題なのではないかなと。特に重要な研究費というのは採択率が低くて、10%以下のものもあります。学術変革とかもそうですが。そうなりますと、9割の申請が無駄になってしまう。申請したほうも大変な時間を使っておりますし、審査するほうも、せっかく審査したのにほぼ9割が無になってしまう。そういった形で、皆様が常に研究費の申請と審査に追われているというのが正直、かなり問題なのではないかなと思っております。
ですので、個人的にはやはり立ち返って、基盤研究を充実させて、例えばアメリカでしたら、生命系のRO1みたいなグラントのように、例えば、2,000万円掛ける5年間と、比較的長期に、しかも十分な額の研究費が与えられる。そういうことによって、持続的に安定して研究を進めることができるといった形で、基盤研究、特に基盤(B)とか(A)を充実させるような政策を進めていくべきなのではないかなと感じております。
以上です。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございます。確かにそうですね。このお話は最後に言おうかなと思っているんですけど、デュアルサポートについては絶対外せないぞというのはぜひ強調しつつ、今、先生がおっしゃったようなところや基盤(A)についても含めて、少し、研究費は拡大ということで進めたいと思っております。ありがとうございます。
次に、鷹野先生、よろしくお願いいたします。
【鷹野委員】
ありがとうございます。新福先生の御意見とかなり近いところですけれども、その御発言の前にちょっと手を挙げたので、同じようなものなのですが、すみません。資料の15ページ、若手の方の年齢層で、応募者資格が減少しているというところで、私も感じたところを手短に申し上げます。
若い世代に関して、応募資格者が少ないというのは分かるんですけれども、申請率や採択率、そういったものの経年変化というのがどうなっているかということに興味が湧いたといいましょうか、そういうことを知りたいなと思いました。先ほど新福先生もおっしゃったように、若手の世代が少ないのは、研究費だけの問題ではなくて、やっぱりポストが少なくなっておりますので、そういった影響だと思うんですけれども、そういった方々が、少ないながらに研究費が取れているのか、申請する余裕があるのか、そういった辺りも含めまして、検証して、対策を練るのがいいのかなと思いました。
以上でございます。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。すみません。順番が分かるようにしておきます。ありがとうございます。
【鷹野委員】
いえいえ。新福先生がお話しされた後に、私と同じと分かったので。すみません。
【白波瀬部会長】
はい。ありがとうございます。
では、岸本先生、よろしくお願いいたします。その後、事務局、対応をお願いします。岸本先生、お願いします。
【岸本委員】
ありがとうございます。岸本でございます。私は、産業界から参加させていただいていますので、的を外してしまっているかもしれませんが、先ほどの民間給与との比較というお話は随分びっくりしたんですね。これほど差があるのかなということで、物すごくびっくりしたんです。それで、我々民間企業に大学からこられて研究をやっている人間はどうなのかというと、結構裏腹の関係にあって、給与は比較して高くても研究の範囲は企業活動の範囲だとか事業の範囲に限定されてしまいます。
科研費を申請して研究者が育った先には、もちろん研究所や大学に残られるパターンもありますし、民間企業のほうに行かれるときがありますが、そういう人たちが元気になる方法はどうしたらいいんだろうと。感想みたいな話にはなるんですけども、そういった視点で議論に今後も参加させていただきたいなと思っていますので、よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。多分これは研究費の枠外かもしれませんが、私の専門分野の社会学で、キャリアの多様化との齟齬が問題となっています。もう少し人事交流としての経験が評価にも反映されたりとか、何かそこは構造的な問題がある気がするので、ぜひ積極的に御意見ください。よろしくお願いいたします。
【岸本委員】
はい。よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
では、事務局から。今までのまとまった御意見、どれも本当に重要ですけど、よろしくお願いいたします。
【松本企画室長】
ありがとうございます。では、順番に。
山本先生の予算の増額という部分については、我々も頑張っていきますとしか言えないのかもしれないですけれども、おっしゃっていることはよく理解しているつもりですので、努力していきたいと思っています。
2番目のほうの挑戦萌芽等の問題については、ピアレビューの問題ということで、JSPSの大野所長、入られていましたら、少しコメントいただければと思います。
【白波瀬部会長】
はい。大野先生、よろしくお願いいたします。
【大野JSPS学術システム研究センター所長】
すみません。別の書類を見ていて話しについていっていないのですけども、何を答えればよろしいのでしょう。
【白波瀬部会長】
事務局からどうぞ。
【松本企画室長】
大川先生お願いできますでしょうか。
【大川JSPS学術システム研究センターR4科研費WG主査】
大川ですけれども、私から。いわゆる挑戦的の萌芽のほうが2段階の書面審査に変わったことの影響について御指摘があったのだと思っておりますので、少し回答させていただきたいと思います。
御指摘のように、今回、萌芽に関しまして、2段階書面審査に変更したことというのはやはり審査負担等を考えてということではございます。ただ、一番のポイントは、萌芽と、それから、開拓を同じ審査委員が担当しているということで、萌芽の2段階目の書面審査の前に、開拓のほうを合議でやる機会というのが設けられております。その開拓を合議でやる際に、同じ審査委員が集まって、その分野における挑戦性というのはいかなるものであるのか。どういう点に注目して挑戦性を見るべきであるのかという点についてしっかり議論いただいた上で、それを踏まえて、萌芽のほうの2段階目の書面審査を行っていただく。そういうような建てつけにしておりますので、単純に、単独で2段階書面審査をしたものと比べますと、ある程度、合議の側面も残す形での審査ができているのではないかと考えております。
制度的にはそのような形を用意しておりますが、もちろん実際に、この形での2段階の書面審査、2段階目というのがどの程度有効に機能しているのかというところについては、きちっと1段階目の書面審査の結果と、2段階目の審査で、それがどのように変わっていったのかという、そういった点を比較していきながら、今後、さらに検証していく必要があると認識しております。
こちらについては、大体以上となります。
【白波瀬部会長】
ありがとうございました。
【松本企画室長】
ありがとうございます。それでは、新福先生と鷹野先生が大体同じような御意見ということで、世代ごと、年齢別、男女別、それぞれ応募とか採択率の経年変化とか、そういった必要なデータについては、次回以降整理して出していきたいと思っています。
それから、新福先生からは、目指すところはどこなのかというお話もありましたので、基盤研究の大きな枠組みを変えていくという議論の中では、当然、採択率と充足率というところを含めて議論していただくことになるのかなと思っています。こちらも周辺データ等を出しながら御議論していただくと良いと思っています。
それから、加藤先生からは、多様性の高いチームということで、チームのサポートを得ながらというお話もございましたので、ちょっと思いつきですけれども、必要に応じて、現場の声とかヒアリングをしながらというのも部会の中であっても良いのかなと思いました。
それから、APCの問題、科研費としてどこまでできるのかと思っています。充足率にも関係してくるかもしれませんが、内閣府の議論では、ブロックファンドというようなお話も出ているということも聞いていますので、必要に応じて内閣府の6FAの会合の議論も紹介していければと思っています。
それから、華山先生からは、これも非常に重要な御意見で、現場の姿勢ということでございましたが、基盤研究の充実ですね。ここについては、もちろんそういうふうに思っていますので、そこはしっかり努力していきたいと思っています。
それから、岸本先生、産業界からの御意見でした。ぜひ大学とか、我々にはない視点で、特に若手研究者、企業の研究所、そういった立場の考え方というか、置かれている状況等をぜひ積極的に御意見いただければと思っていますので、よろしくお願いします。
簡単ですけれども、以上です。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。
大野センター長から何かひとつ御発言いただけますでしょうか。お願いいたします。
【大野JSPS学術システム研究センター所長】
よろしいですか。オブザーバー的な立場なのであまり言えませんが、やはり問題は予算が少ないというところでいろいろなストレスが出てきているというのは否めないと思っております。充足率は、いろいろと議論がありますけれども、要は、どうやって、基礎研究の重要性というものを財務省に理解してもらって、将来の日本を支えるためには基礎研究をもっともっと充実させなくちゃいけないんだということを、必ずしも短時間で応答があるわけではないんですけども、言い続けなきゃいけないというところを強調しておきたいと思います。
どうせ駄目だろうということで諦めると、もうこれは全く駄目になってしまいますので、何とかして、我々としてはいろいろな案を出しながら、その案をうまく文科省の方々がうまくひねっていただいて、先につなげるような形になっていければいいのかなと思っております。そのためにもこの部会でのというのは非常に重要だと思っていますので、よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
よろしくお願いいたします。科研費補助金審査部会ということで、ある意味でちょっと縦割り的なこともあるんですけども、今、評価ということもありますし、横連携をして、情報交換ができるだけできると、こちらのほうとしても大変ありがたく思います。何名かの委員も重複されておりますし、全体のところを見つつ、各論の議論を充足していくというのが重要なのではないかと思います。行き着くところは恐らく投資ということになりますので、科学や人への投資はもう額的には大きいものでありますから、それをどういうふうに多方面から納得していただけるかということになろうかと思います。今期につきましても先生方のお知恵をおかりしながら、説得的にどう説明するかが大切だと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
一通り、先生方の御発言いただきましたけれども、何かもう一度とかありますでしょうか。仲先生、どうぞお願いいたします。
【仲委員】
すみません。図々しく、ごめんなさい。一つだけ。もう最後になってしまうんですが、少し冗談みたいに聞こえるかもしれないんですけれども、去年、例えばジェネレーティブAIと言うんでしょうか。ChatGPTのようなものが出てきて、11月ぐらいに出てきたと思うんですけれども、あれが3月、4月と本当に急速に能力が高まっているかなと思うところです。もちろん、例えば私たちが科研費の調書をつくるときに、表作成ソフトを使えばよりよい表ができるし、グラフのソフトも使えば、よりよいグラフができると、魅力的な調書をつくるのに道具を使っていくわけですけれども、ああいったAIの力というのも道具の一つと考えていいのかどうなのかというようなことを、すぐには問題にならないかもしれないですけど、これが半年ごとぐらいにどんどん急速に能力がアップしていくということを考えると、少し目を向けておく必要があるかなと思うんですね。これもちょっとだけ検討課題に入れておいていただけるといいのかなと思ったりいたします。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。多分それは結構現実的な話だと思います。申請書の中身自体についてもそうですが、確かに米国の大学で教鞭をとる同僚も、AIだと全く、文法的にも間違いがないので、それを逆に疑わなきゃいけない世の中になっている、と言っていました。いろんな形で日進月歩ですが我々のほうがうまくどう使いこなすかが重要です。若い方々とか、民間の先生も委員に入っていらっしゃいますので、積極的に御議論いただきたいなと思います。大変ありがとうございます。
ほかに誰かいらっしゃいますか。よろしいですか。
ありがとうございます。初回から本当にど真ん中の、非常に重要な論点が出てきました。検討課題としてはいずれも重要なものばかりですが、若干優先順位もつけていく必要があります。第11期はしっかり効果が見えるかたちでの取りまとめとなっていると思います。12期は12期で何とか皆さんと御一緒に、少しでも一歩踏み出した検討ができればと思います。
少し早いですけれども、全部の時間を使う必要はないのではないかと私は思いますので、もし何も御意見がありませんでしたら、大体この辺りでよろしいでしょうかね。はい。ありがとうございます。
あと、先生方から、今日、いろいろデータを見せてほしいということがありました。平均値だけではなく、少し分野は年齢層ごとにブレークダウンした結果をだしてもらえると有益なのではないでしょうか。事務局の方々、作業が増えますけども、どうかよろしく御協力のほどお願いいたします。
では、本日の議論、ここまでとさせていただきたいと思います。本日いただきました御意見につきましては、事務局におきまして整理し、できるだけ反映させる形で進めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。どうか今後とも引き続き、御協力、御鞭撻のほう、よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。
では、最後に、事務局から連絡事項をお願いします。
【梅﨑企画室長補佐】
ありがとうございました。日本学術振興会から、審査システムの点検の状況を御報告いただきましたが、科研費の配分審査や評価に関する所掌は科学研究費補助金審査部会となっていますので、審査部会のほうで日本学術振興会と協力して、検討させていただければと思っていますが、よろしいでしょうか。
【白波瀬部会長】
はい。分かりました。よろしくお願いします。
【梅﨑企画室長補佐】
随時、議論の状況を研究費部会のほうにも御報告させていただければと思っています。
【白波瀬部会長】
そうですね。はい。よろしくお願いいたします。
【梅﨑企画室長補佐】
はい。これから事務連絡を申し上げますけれども、本日、先生たちからいろいろなご意見をいただいたところで、田畑課長から、よろしければ御発言をいただければと思いますが、お願いいたします。
【白波瀬部会長】
ぜひ。田畑課長、よろしくお願いいたします。
【田畑学術研究推進課長】
田畑と申します。本日、各先生方からいただいた意見をしっかり踏まえたいと思います。私も聞いていまして、この4月に着任し、この科研費を担当させていただくことになりましたが、先生方の御意見にありますとおり、私もこの1か月余りですけども、充足率と採択率のバランスについても今後しっかり改善していきたいと思っております。今回は特に委員の先生にいただきました国際化のところ、特に海外のグラントをどうするかといったところ、または、デュアルサポートのところは特に大学、または研究機関の基盤経費等の関係性もありますので、科研費だけでは解決できる問題ではないと思います。我々、科研費のところもしっかり予算の拡充を含め、取り組んでいきたいと思いますが、その中でやっぱり基盤研究の在り方というのは今のままでいいのかと本当に思っておりますので、ここはできれば抜本的に変えて、日本の研究者の方々のそれぞれの研究がしっかり進むような形で再構築できればと考えております。
今後は、現状や現状の分析、またデータをしっかりお示しさせていただきます。それに基づいて先生方に御議論いただければと思います。
また、この夏、6月、7月になりますと、令和6年度の概算要求が始まります。そこに向けて、全て取り込むことは難しいんですけども、まずはいわゆる基金化、あとは若手研究者の支援、国際化の促進というポイントをしっかり踏まえた形で、先生方と一緒に検討を進めて、概算要求にまず臨みたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。
以上でございます。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。田畑課長、ありがとうございました。でも、問題意識を共有できたというのは改めてよかったなと思います。もう既に、課長から、基盤研究とは何ぞやということをど真ん中でもう1回ちゃんと見直してやろうじゃないかという心意気を伺うことができましたので、せっかくですから、できるだけ先生方の御意見を反映しつつ、先生方の思いを受け止めて概算要求のときに説得力のある文面を考えて、挑むことができればと今、本日改めて感じました。よろしくお願いします。
先生方、お忙しいですけども、ありがとうございました。
【梅﨑企画室長補佐】
ありがとうございます。事務連絡について、続いて申し上げます。
本日の議事録については、各委員に御確認いただいた上で公開させていただきます。また、次回の研究費部会につきましては、後日、また日程調整させていただきますので、よろしくお願いいたします。
科研費につきましては、先生たちの現場の意見を反映させてつくり上げていける制度だと思っておりますので、今後も忌憚のない御意見をいただければと思っております。引き続きよろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
どうもありがとうございました。では、本日の会議、これで終了いたします。大変どうもありがとうございました。
以上です。
―― 了 ――
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