第12期研究費部会(第11回) 議事録

1.日時

令和6年12月24日(火曜日)10時00分~12時00分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 前回までの議論について
  2. 総合経済対策及び令和6年度補正予算について
  3. 科研費による研究設備・機器の共用の促進について
  4. 目指すべき採択率・充足率の水準について
  5. 第12期審議まとめの骨子案について
  6. その他

4.出席者

委員

白波瀬部会長、鷹野委員、大竹委員、尾辻委員、塩見委員、新福委員、城山委員、中野委員、長谷川委員、華山委員、山本委員、岸本委員、速水委員

文部科学省

塩見研究振興局長、松浦大臣官房審議官(研究振興局及び高等教育政策連携担当)、田畑学術研究推進課長、松本学術研究推進課企画室長、梅﨑学術研究推進課企画室室長補佐、他関係官

オブザーバー

杉野日本学術振興会理事長、水本日本学術振興会理事、大野日本学術振興会学術システム研究センター所長、岸本日本学術振興会学術システム研究センター副所長

5.議事録

【白波瀬部会長】
 時間となりましたので、ただいまより第12期第11回の研究費部会を開催いたします。
 本日の議題についてですけれども、最初に前回までの議論について報告いただいた後、総合経済対策及び令和6年度補正予算、科研費による研究設備・機器の共用の促進、目指すべき採択率・充足率の水準、第12期審議まとめの骨子案の以上4点について御議論いただきたいと考えております。
 事務局より御連絡事項及び配付資料の確認をお願いいたします。
【梅﨑企画室長補佐】
 次に、事務局から配付資料の確認とオンライン会議の注意事項について説明します。
 資料については、事前にお送りいたしましたファイルを御参照ください。
 また、オンライン参加の注意事項についてですが、音声安定のため、発言時を除き常時ミュート、マイクをオフにしてください。また、部会長、委員、オブザーバーを含めメイン席の方は常時ビデオをオンに、その他の方は常時ビデオをオフにしてください。
 また発言される場合は挙手ボタンを押してください。部会長が指名されますので、ミュートを解除、マイクをオンにして、その都度、お名前を発言いただくとともに、オンラインでも聞き取りやすいよう、はっきりと御発言ください。
 資料を参照される際は、資料番号、ページ番号などを分かりやすくお示しいただくようお願いします。
 また、トラブル発生時は電話にて事務局に御連絡いただければと思います。よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
 それでは、議題に入ります。
 資料1に基づきまして、前回の研究費部会における主な議論について、事務局より報告をお願いいたします。松本室長、お願いします。
【松本企画室長】
 それでは、資料1に基づいて、前回の研究費部会での御議論における主な御意見を紹介させていただきます。
 前回、基盤研究の助成の在り方について、それから目指すべき採択率・充足率の水準について、それから挑戦的研究の審査の在り方について様々な御意見をいただいています。本日、議題の4で目指すべき採択率・充足率の水準というところを御議論いただきますので、そちらと関係が深いところを中心に御紹介をさせていただきます。
 まず、諸外国でも採択率が30%以上となっているというところについて、偶然ではなく、多大な投資により育成した研究人材の研究を支援することで国費の最適な価値を図る観点からも、採択率の目標としては適当ではないかという御意見ですとか、それから、幾つか宿題みたいな形でご意見をいただいていた部分もあります。
 挑戦的研究の充足率を向上させた結果、論文業績等のアウトプットがどう変化したかという分析が有効なデータになるのではないかという御意見がございました。こちらについては、挑戦的研究のデータは時間がかなりかかるということで、後ほど議題のところで、基盤研究について論文等のデータを分析したものを説明をさせていただければと思っています。
 それから、諸外国における財政当局と政策担当の部局との間でどのようなやり取りがあるのかというのも御意見としていただいていました。こちらについては、具体的なやり取りまでは、ヒアリングしないとなかなか難しいと思うのですが、外形的な状況はどういう形になっているのかということを後ほど説明できればと思っております。
 それから、基盤的な研究を支援する研究費と政策目的のために配分される研究費のバランスが悪いのではないかという御意見ですとか、基盤的経費による支援を加味することなく採択率のみをもって比較することはできないのではないかという御意見をいただいております。
 残りの御意見は省略させていただきます。
 資料の説明は以上でございます。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございました。前回の研究費部会でいただきました意見も踏まえまして、引き続き議論、検討を進めていきたいと思いますので、委員の皆様におかれましてはどうかよろしくお願いいたします。
 それでは、次の議題に移ります。資料2に基づき、総合経済対策及び令和6年度補正予算につきまして事務局より説明をお願いいたします。
 田畑課長、お願いします。
【田畑学術研究推進課長】
 おはようございます。田畑です。資料の2、スライドの6を御覧ください。こちらにつきましては、本年11月22日に閣議決定されました総合経済対策、こちらの抜粋になります。科研費につきましては、本部会でも審議いただき、また6月24日の中間まとめにも記載されております国際・若手支援強化枠の創設、これを盛り込みました。
 当該経済対策がベースとなった補正予算が次のページになります。スライドの7を御覧ください。こちらが科研費に関する令和6年度補正予算の概要になります。我が国の研究力が相対的に低下傾向にある中、国際的な研究活動の遅れを早急に取り戻し、継続的な成長を実現するため、国際性の評価基準を導入するとともに、特に若手研究者の応募件数が多い基盤研究の(B・C)に国際・若手支援強化枠を新たに創設することで、分野にとらわれず、若手研究者による国際性の高い研究課題を支援してまいります。
 こうした取組を通じまして、国際的な活動が期待される若手研究者の研究機会を拡大し、研究の生産性を向上させることで我が国の研究力の強化を図ってまいりたいと考えております。
 金額につきましては、右上にございますとおり52億円でございます。
 説明は以上でございます。
【白波瀬部会長】
 大変ありがとうございました。
 ただいまの説明につきまして委員の皆様から御質問等ありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 よろしいですか。
 では、大竹委員、お願いいたします。
【大竹委員】
 すいません。大竹でございます。52億円という補正予算ができたということについては、その御努力に敬意を表するところではあります。全体の中でやはり科研費の重要性というのは産業界からも最近言われていることでもあるので、より増額を補強するということで、我々も後押しというか、努力していくべきかなと改めて思うところでもあります。ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。
【田畑学術研究推進課長】
 ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
 では、塩見先生……。事務局のほうからよろしくお願いします。何かありますか。
【田畑学術研究推進課長】
 大竹先生のおっしゃるとおりで、我々、これがまだスタートだと思っております。今後引き続き必要な改革と支援に取り組んでまいります。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。では、塩見先生、よろしくお願いします。
【塩見委員】
 おはようございます。この件ですけど、基盤の(B・C)を補正予算で増やすって、どういう取組なんですか、これ。例えば3年継続とか、5年、このお金で持っていけるということですか。
 もう一つは、若手と書いてありますけど、これは若手限定の基盤(B・C)を公募するということなんですか。
【田畑学術研究推進課長】
 まず1点目でございますが、今回の補正予算の対象につきましては、令和7年度の新規の採択課題の前倒し、通常であれば4月以降交付決定しますけども、今回の補正予算によりまして、来年4月以降、令和7年度の新規採択の一部前倒しと捉えていただければと思います。
 2点目でございますけども、これにつきましては、これまでの規模に、件数としまして大体約400件でございますけども、アドオンするような形の仕組みになってございますので、若手に寄せるといいますか、特に国際性、また、かつ若手の研究者が代表となる課題につきまして、採択件数を増やす仕組みでございます。
【塩見委員】
 これって結局基盤(B)を増やすということですか。
【田畑学術研究推進課長】
 先生おっしゃるとおりです。これまでの件数にプラス400件増えるという形になります。
【塩見委員】
 じゃあ、それも認可できるということですよね、基盤(B)で。
【松本企画室長】
 当然予算は基金で取ってきていますので、基金に積みまして。
【塩見委員】
 そういうこと。
【松本企画室長】
 はい。
【塩見委員】
 じゃあ、確認ですけど、これ基盤(B・C)って書いてありますけど、基本的には(B)ということですか。
【田畑学術研究推進課長】
 (B)と(C)でございます。
【塩見委員】
 じゃあ、(B)と(C)に大体同じように配分するということですか、この五十何億円を。
【田畑学術研究推進課長】
 大体件数が400件でございますので、(B)と(C)それぞれ、200件・200件というような感じの割合になります。
【塩見委員】
 それを若手に配分するという、若手の定義ってどこにあるんでしたっけ。40歳でしたっけ。35歳でしたっけ。
【田畑学術研究推進課長】
 今、想定していますのは39歳以下を想定しております。
【塩見委員】
 ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
 恐らくこの辺りの細かいところはもちろん周知の義務がありますので、詰めていかれると思うんですけれども、ただ39歳となりますと、文系分野では対象外になる研究者がそれなりにいるのではないかと危惧します。引き続き検討ということだと思いますけれども、補正予算ということでの追加枠での検討と理解しています。今課長からもありましたように、最初、これが第一歩ですので、これから2期というか、本格的なところでまたどういうふうに展開していくかというところにつなげられればという意味だと考えています。
 塩見先生よろしいですか。
【塩見委員】
 ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
 では、中野先生、お願いいたします。
【中野委員】
 今の白波瀬委員長と、それから田畑課長の答えで大体分かったのですが、今回補正で前倒しということは、この方向で令和7年度の本予算でさらに対象と規模を拡大する方向で要求されているということでよろしいでしょうか。
【白波瀬部会長】
 事務局、再確認お願いいたします。
【田畑学術研究推進課長】
 基本的に、今年の夏に概算要求しました新たな2つの取組がございます。1つ目が、国際性評価の導入と伴う重点配分というのが1つ目。2つ目が、「国際・若手支援強化枠」という2つ目。今回の補正予算では、2つ目の「国際・若手支援強化枠」というのを補正予算で確保しましたので、当初予算ではここは除きます。当初予算で折衝しておりますのは、1つ目の重点配分のところを今最終調整しております。この事業を当初予算でしっかり確保していきたいと考えております。
【中野委員】
 ありがとうございます。大変期待しておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
【田畑学術研究推進課長】
 ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
 尾辻委員、お願いいたします。
【尾辻委員】
 ありがとうございます。尾辻です。今、田畑課長から御説明があったところが非常に重要で、そもそも今回の枠組み2つありまして、補正で手当てしているのは若手支援強化枠で400件・400件とおっしゃられましたけれども、それを新たに設定するといったところなんですけれども、そもそも本予算で要求しているのがいわゆる基盤研究及び基盤研究(C)の充足率が70数%でとどまっているところに対してプラスアルファの予算配分を、国際性の評価基準を新たに導入して、そこで評価が高かったものに対して追加配分をするという部分がセットになっているということなんですよね。この全体の枠組みを委員の先生方に御理解いただいた上で今回の補正予算の50億の位置づけが御理解いただければ、よりその意義というか、意味合いがはっきりすると思いましたので、ちょっと補足させていただいたということでございます。違っていたら、よろしくお願いします。
【田畑学術研究推進課長】
 尾辻先生、ありがとうございます。先生がおっしゃるとおりで、本質的なところでございます。今回、充足率の関係につきましては、先ほど申しました当初予算で盛り込む予定の重点配分になります。ここのところで、全体ではございませんけども、国際性の高いプロジェクトに対しては重点配分をするという形で、充足率の一部改善行うこととしており、量的充実つきましては、今回の補正予算で約400件でございます。充足率の改善と量的拡大を今回、二兎追う形の要求をしておりまして、ここを何とか実現したいと考えております。
 以上でございます。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。華山委員、お願いいたします。
【華山委員】
 ありがとうございます。国際性の評価におきまして、今年の科研費の審査から既に導入されているのは皆さま御存じかと思います。審査項目が1つだけあって、そこで点数をつけるのですが、4点満点だったかな、そこで4点とか3点とかをつけるという非常に簡易なものと今回感じました。審査員がこの評価基準において国際性の項目がどれだけ大きなインパクトを残すのか(例えば充足率が上がる、若手枠の採択数が増えるなど)を理解した評価項目にはなっていない印象を受けました。
 独創性とかいろいろな評価項目が科研費にはありますけれど、国際性はその1つの項目としてちょっとあるだけですので、それだけで決めて良いのかどうかについていかがお考えでしょうか。
【田畑学術研究推進課長】
 今回、新たに国際性に関する観点を評価に取り入れました。国際性の評価については、今回スタートですので、徐々にその精度を上げていきたい。また、その評価の意味をしっかり審査員の先生にも御理解いただくべく今後周知していきたいと考えております。
【華山委員】
 よろしくお願いします。
【田畑学術研究推進課長】
 ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。では、よろしいでしょうか。
 大変貴重な御意見なり再確認ありがとうございます。皆様には大変、これまでの御苦労を感謝するとともに、高い期待を持っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 では、本部会でも御議論いただきました基盤研究への国際性の評価基準の導入と国際・若手支援強化がかなり中心的なテーマになりますけれども、枠の創設が令和6年度補正予算に無事盛り込まれましたものと理解しております。事務局におきましては、令和7年度当初予算案についてもどうか引き続き財務当局との折衝に取り組んでいただきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
 では、次の議題に移ります。資料3につきまして、科研費による研究設備・機器の共用促進につきまして、事務局より説明をお願いいたします。松本室長、お願いします。
【松本企画室長】
 それでは、資料3に基づいて説明させていただきます。6月の中間まとめで最後に「その他」としてまとめていただいた部分に、設備の共用についてさらなる取組を検討するとなっています。
 それにつきまして、科研費による研究設備・機器の整備の状況について現状を御説明をしたいと思います。科研費の直接経費の使途を見ると、種目の規模にかかわらず、研究設備・機器等の物品費が支出の五、六割程度を占めているということが分かります。ただ、物品費という非常に大きなくくりになっていますので、必ずしもこれが設備と機器だけではないという部分は注意しなければいけないですが、費目の構成の割合は、(S)、(A)、(B)、(C)、について大よそこのようなイメージになっています。
 それから次のページを御覧ください。科研費では、実績報告書上50万円以上の物品については個別に記載を求めているところでございます。それを集計しますと、いずれの研究種目においても低価格帯の物品の導入実績が多いということ、大型種目では高価格帯の物品も一定程度導入されているということが分かります。左端のほうが100万円以下という部分になっています。
 次のページをお願いします。こちらの資料ですが、文科省の他課で調査をされた内容でございます。平成30年度から令和4年度にかけて、対象は国際卓越研究大学または地域中核・特色ある研究大学強化促進事業に申請した48の国立大学法人です。それらの大学で購入された研究機器のうち購入金額が160万円以上であって、かつ相当規模の市場規模があると考えられる機器、例えば電子顕微鏡とか、一番下の米印のところに書いていますけれども、マル1の電子顕微鏡からマル7の蛍光分光光度計に至る、相当程度市場規模があると考えられる機器の共用状況について調査を実施したというものでございます。
 こちらを見ると、科研費で購入された研究機器の84.4%は共用に供されていなかったということがわかります。
 それから、科研費外で購入された研究機器と比較すると、科研費で購入された研究機器のほうが少し共用化率が低いということが分かります。
 科研費以外で購入された研究機器の共用化率は31.5%、科研費で購入された研究機器における共用化率は15.6%ということになっています。
 次お願いします。また、財源別・購入価格帯別の共用状況を見てみますと、購入時の財源にかかわらず、高価格帯の研究機器ほど共用化率が高い傾向が読み取れます。
 他方、科研費で購入された研究機器については、科研費以外で購入された研究機器と比較して、低価格帯の研究機器であっても共用化率が少し低いということが分かるかと思います。
 次のページをお願いします。こちらのスライドは、先ほどの調査を基に共用化されてない理由を集計されたものになっています。研究機器が共用されてない理由については、科研費で購入された機器のほうが使用頻度が高いということを理由にされている割合が高いことがわかります。
 科研費の中でも低価格帯の研究機器に限定しますと、使用頻度が高いという部分を理由にしている割合がさらに高くなるということが分かります。
 次のページをお願いします。こういう状況がある中で、少しでも共用の促進に向けて何かしらできないかということ考え使用ルールの改定をしてみてはどうかなと考えたところです。
 共用が進まない背景につきましては、先ほど共用されてない理由が幾つかあったと思いますが、やむを得ない要因があるとは思いますけれども、限られた研究費の有効活用を図る観点も重要だと思いますので、補助事業の遂行に支障のない範囲内で共用を促進することが必要ではないかと考えています。
 科研費の使用ルールにおいて、科研費により購入した研究設備・機器の共用に努めるべき旨を定めることで共用を促して、有効活用を図ってはどうかという案でございます。
 それで下のほうに点線で囲ってある部分が、具体的にこのような文章を追加してはどうかと考えているものです。左側が研究者使用ルールに追加してはどうかと考えている案です。
 読み上げます。「研究代表者及び分担者は、直接経費により購入して研究機関に寄付した研究設備・機器のうち、次に掲げる条件の全てを満たすものについては、所属する研究機関が『研究設備・機器の共用推進に向けたガイドライン』」、こちら令和4年3月に文科省で策定されたガイドラインというのがあるのですが、それに基づいて構築する共用システムを通じて、所属する研究機関の内外への共用に努めなければならない」としてはどうかと思っています。
 その条件が下に書いてあるところです。所得価格が幾らか以上にするなど。ここはまだ精査が必要かだと思っています。それから、他の研究でも利用できるような汎用性を有するということですとか、当該研究設備・機器が設置された研究機関の建屋内において同じ種類の研究設備・機器が共用に供されていないことであることとか、研究設備・機器の利用に当たって専門的な知識や習熟を必要とする場合には、代表者または分担者以外に利用者による利用をサポートできる者が存在することですとか、それから、共用に供することで補助事業の遂行に支障を来すおそれがないこと、というようなこれらの条件を全て満たすものについては共用に努めていただくような形で使用ルールに追加してはどうかと考えています。
 同じような内容で、機関使用ルールにも追加項目の案として右側のような形で追加できないかと考えています。
 いずれにしましても、研究者の意識を少しでも前向きに共用について変えていただきたいという意味で、このように使用ルールに追加してはどうかと考えています。
 御審議よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございました。それでは、ここまでの説明につきまして、御意見あるいは御質問等ございましたらお願いいたします。
 尾辻先生、その次、岸本先生。まず尾辻先生、お願いいたします。
【尾辻委員】
 ありがとうございます。御説明ありがとうございました。それで科研費ももちろん国民の税金を用いて研究開発を促進すると。そのために実験設備・機器等を、国税によって購入したものをできる限り有効活用を果たしていくように努力をされたいという、その趣旨自体は大変真っ当でありまして、理解できるところなんですけれども、例えば11ページの科研費VS科研費以外で共用がどの程度進んでいるかという、こういった統計データ、これを考察したり評価するときには、それぞれの競争的資金の性質をよく考えた上で見ないといけない。
 どういうことかというと、科研費は基本的に個人研究を支援する競争的資金なんですね。学術変革が唯一エクセプショナルでグループ研究なんですけれども、JSTの事業の場合はさきがけ以外は基本グループ研究だし、NEDOですとか他の省庁についてもグループ研究が基本的なので、個人型研究の科研費で購入した実験機器をグループ以外の者と共用を果たしていくというのは、特別な施策等を講じない限りはなかなか進まないというのはある意味当然なことだと思うんですね。
 その上で、14ページの今回の文科省からの各研究者あるいは研究機関に対する提言的なものの内容を読みますと、100万円だとか小型の実験機器で、マニュアルがあって、マニュアルを読めば誰でも間違いなく安全に取り扱える機器、これはある程度スケジューリング管理さえすれば、特別な予算措置を講じなくてもできるかもしれないんですが、例えば左側の点線の下から2つ目のところの利用者による利用をサポートできる者が存在しないとなかなかその機器を他人に活用していただくことが難しかったり、そういうようなものについては、例えば技術補佐員とか、特定の習熟した方がそれを支援する必要がありますから、そこには人件費が当然発生いたしますし、それから右側の点線のところの上の段落の下のほうに書いてあります、複数の研究機関が参画する検索システムに登録すると。そのシステムは誰がどの予算で用意するんですかということで、ここでもやはり予算措置を講じる必要が出てくるんですよね。そういったものが現在の科研費の間接経費の予算の中で充当できるんでしょうかということですね。
 つまり、予算措置を文科省として講じることなく、こういう義務的なことを課する点を研究者とか研究機関に依頼するだけになってしまうと、これはなかなか難しい点があるだろうと。
 それから、研究機関がそうだ、そうだと言って研究者に対して共同利用を促進しなさいって、そういった圧力がかかると、研究者にとっては必要以上のロードがかかるということになりますから、ここのさじ加減ってすごく難しくて、恐らくこれはできる範囲でやってくださいという文言にとどめていますというのが文科省様の見解かもしれないんですけれども、この書き方はちょっと強過ぎて、共用を促進するためには予算措置が必要であるとか、その努力もしなければならないとか、それは省庁含めてなんですけれども、そういったことがセットになって表現されれば、ああ、そうだなって皆さん納得いくとは思うんですけれども、ちょっとなかなか難しいところがあるんじゃないかなというのが私の率直な感じでございます。以上です。
【白波瀬部会長】
 貴重な御意見ありがとうございます。まず、ちょっと質問等から行って、事務局のほう、3つぐらいまとめてということでお願いできますか。
 では、岸本委員、お願いいたします。
【岸本委員】
 すいません、岸本でございます。私も尾辻先生と全く同じ視点でしたので重複しますが、共用促進というのはやはり研究を推進していく上で非常に重要な取組だと思います。一方、利用をサポートできる人がいる、いないというのは大きな問題だと思うんですね。それで、これは努力義務というふうなことだと思うのですが、やはりサポートできる者が存在することというのは重要で、場合によってはそういう人さえもいないというパターンもいるかもしれません。そういった視点では、表現がちょっと強いかなと思ったので、もうちょっと緩めていただいたほうがよろしいかと思いました。よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。では、まず、中野委員まで行って。中野先生、お願いします。
【中野委員】
 核物理研究センターは、共同利用・共同研究拠点なので、当センターの構成員が獲得した科研費で大型の装置を導入する際は、ほとんど共用となっています。共用化により、研究者側にもインセンティブが生じます。例えば財源を複数に分散し、一部を運交金から補填することが可能です。また、科研費で購入した物品が破損したり、メンテナンスが必要になった場合にも、当センターの財源を活用することができます。また機関側にとっても、科研費で整備される先端設備というのは、施設の機能強化に資する場合がありますので、機関側としてもインセンティブがあります。
 現状の課題として、外部ユーザーが科研費で導入した設備を共用化する動きが十分に進んでいない点が挙げられます。この点については、よりシステマティックに推進すれば、少なくとも共同利用研を活用する科研費課題において、ユーザー側・機関側双方に十分なインセンティブが生まれ、共用がさらに促進されるのではないかと考えます。以上です。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。次、山本先生なんだけど、ここで言ってしまったほうがいいですか、それともちょっと待てますか。山本先生。
【山本委員】
 待てます、待てます。
【白波瀬部会長】
 分かりました。ではまず、事務局からよろしくお願いします。
【松本企画室長】
 そうですね。尾辻先生られたように、この分析結果はどちらかというと科研費の特徴がよく出ているといいますか、そういった捉え方もあると思っています。
 特に科研費の場合は、先生おっしゃったように個人研究であって、中身も、例えば機器自体を自分でつくるとかカスタマイズしているという方も多いと思いますので、そういったオリジナリティーが高いという面もあらわしているとも思います。
 先生もおっしゃっていただいたんのですが、現状ある検索システムの例として、自然科学研究機構の大学連携研究設備ネットワークというものがあります。
 それから、次のページ、先端研究基盤共用促進事業という中で、今回、右側の共用システムの見える化ということを新規要求をされています。結果がどうなるのかというのは分かりませんが、そういった検討もなされています。
 最後にガイドラインを参考までに載せています。全体の方向性としては、共用していこうということは御理解いただけると思いますが、先生方がおっしゃるとおり、例えばそういうサポートをする方々を創出する予算については、科研費とは別の問題にもなってきますので、その点も考慮して、ここの条件に書かせていただいて、これが満たしていれば共用してください、共用に努めてくださいという努力義務にしているということです。
 それから、研究者へのインセンティブという面では、確かに共用して壊れたらどう補償してくれるのかとか、メンテナンスの部分とか、そういった部分を大学が補償するとか、そういうものに対する別の予算措置があるとかというのであれば、もう少し進展していくのだろうとは思いますけれども、現状ではそこまでしっかりした予算措置があるとは言えない状況ではありますが、そういった中で科研費としてどこまでそういった方向に協力できるのか、促すことができるのかという中で、まず、このような方向でいかがかということでございます。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。おっしゃっていることは分かるというか、ただ尾辻先生や中野先生のほうからの意見、もちろん書き方の問題もあると思っていて、誤解がないようにお願いします。こちらの意図とは反して、促進という言葉でお願いすると、いざやってみようとしたものの、具体化する段階で、それなりの追加的人材も必要であることがわかるけれど、そのための予算が準備できなくて結局、はしごを外されるような、そういうことがないようお願いする、という意味だと思います。少し書き方を工夫していただきますよう、お願いします。
 お待たせしました。山本委員、お願いいたします。
【山本委員】
 ありがとうございます。これは、皆様おっしゃっているように、共用に出すほうが物すごく負担になるわけです。そういう意味で、私も経験があるんですけども、共用に出していると、例えば夜の8時ぐらいに電話がかかってきて、壊れたから見てくれみたいなことが起こるんですよね。やっぱり相当負担がかかることであることは事実であるという認識の下で、先ほど中野先生がインセンティブということをおっしゃっていたと思います。例えば私が共用に出した理由は、スペースチャージをそれで免除してもらうというような形でやっているわけです。
 ということはどういうことかというと、これは科研費の問題ではほとんどなくて、科研費が取り組む問題であることは事実ですよ。だけど、科研費で解決できる問題ではなくて、組織がやはりそういうシステムをつくる。つまり、科研費であろうが、ほかの競争的研究資金であろうが、装置の共用を通じて研究力を向上させていくんだという考えに立つのであれば、やはり文科全体として各機関に要請するというような性質のものではないだろうかという気がしています。
 それが1点と、もう1つは、そんな堅いこと言わずに貸してって言われたら貸してあげてよというぐらいの表現でもいいんじゃないですか、ルールとして。昔そうでしたよ。ちょっとこれ、X線測りたいからちょっと貸してって言って、はいって貸していましたよね。だから、そういうようなことをもっとやってくださいというような趣旨のほうがとっても実質的だと実は私は思います。
 でもお進めになることは全く問題ないと思いますが、ポイントは2つあると思います。よろしくお願いします。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。では次、華山先生、お願いいたします。
【華山委員】
 ありがとうございます。今の山本先生の1点目に強く賛同いたします。数年前に文科省の先端研究基盤共用促進事業、通称コアファシリティ構築支援プログラムが開始され、現在15大学ぐらいが採択されている状況だと思います。我々の大学も数年前に採択いただきました。このシステム非常に良くて、大学内のネットワークやウェブを通してどこにどのような共用機器があり、どういう形で予約するのかとかをシステムとして立ち上げるのに非常に役立ち、我々の大学での共用化が大きく進展したという経験がございます。
 ですので、そのような制度設計をもっといろいろな大学に広げていただき、より使いやすい形で、研究者による共用化の意思が通じるようにしていただければと考えております。
 以上です。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。ということで、趣旨は賛同するということで、共用については、いずれにしても、メンテのコストも含めて、最終的には決して悪い方向性ではない、ということですね。ただ、運営、実行する上の各機関というか、組織レベルの進め方と、実際の研究費の展開という点ですくなからずズレがありますので、そのあたりをうまく表現していただきたい、というような御意見だったと理解しております。
 事務局、一言どうですか。よろしいですか。
【梅﨑企画室長補佐】
 山本先生、華山先生、御意見ありがとうございました。こちら、使用ルール、案ということで御提示させていただきましたけれども、まだまだ文言については我々も検討中です。
 また、ルールにしてしまうと、どうしても堅い表現になってしまいますが、意図としては、山本先生がおっしゃったような、まず、どこに何があるのかという「研究設備の見える化」について御協力いただきたいというところで、どうしても共用化して誰かに貸し出さなければいけないとか、そういう趣旨でこのルールを導入したいというものではありません。、まずは研究設備が、どこにどういうものがあるか、研究者の方が見えるように御協力いただきたいというところがまず第一歩だと思っていますので、いただいた御意見も踏まえて検討させていただければと思っています。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございました。活発な御意見ありがとうございます。では、事務局において以上の議論を整理のほどお願いいたします。
 では、次の議題に移りたいと思います。資料4に基づきまして、目指すべき採択率・充足率の水準につきまして、事務局より説明をお願いいたします。では、室長、お願いします。
【松本企画室長】
 それでは、資料4に基づいて説明させていただきます。まず、前回の振り返りと今回の議論ということで、前回の研究費部会におきましては、諸外国のファンディング・システムにおける採択率の水準等の資料を出させていただいて、科研費として目指すべき採択率の水準について御議論いただいたところです。
 今回は、採択率の国際比較に関する御指摘を踏まえた分析のほか、充足率の水準について御議論をいただければと思います。
 それで採択率の水準ですけれども、諸外国の代表的なファンディング・システムにおいては、採択率は上昇傾向にあるか、変動が大きい場合であっても20%台後半、それから30%台前半を維持しているという状況でございました。
 科研費においても、国際比較の観点等から、種目全体の新規採択率については、第6期基本計画に引き続き、30%を目標としたいと考えています。
 なお、諸外国のファンディング・システムとの国際比較の前提として、予算制度や基盤的経費による助成の仕組みの違いについても留意する必要があると考えています。
 それから、充足率の水準ですけれども、充足率につきましては、採択率に関する議論のほか、中間まとめで示されました充足率の変動が注目度の高い研究成果の創出に及ぼす影響等の観点を踏まえて、その水準について御議論をいただければと思っています。
 次のページお願いします。こちらの資料、採択率に関して、前回の御議論で、冒頭、説明で触れました前回の御議論で、諸外国において財政当局とどのようなやり取りがあるのかという部分ですけれども、具体的なやり取りというよりも仕組みについてしか回答を用意できませんでした。アメリカの例になります。イギリスは公表資料自体が少なく、アメリカの例を一例として提示しています。
 アメリカでは、予算編成権が連邦議会に帰属するという形になっていますけれども、大統領が連邦議会に提出する予算教書の策定に向けて、行政管理予算局と連邦政府の各機関の間で調整が行われることになっています。この資料の右の下のほうに示しているような形で、予算編成過程が行われているということです。
 それから、基盤的経費の助成については、そもそもデュアルサポートシステムを採用してないということもあり、公立大学、主に州立大学になると思いますが、基盤的資金が歳入に占める割合は9.0%にとどまっているという状況です。
 御質問に100%お答えできる内容になってはいませんが、アメリカの予算編成過程とか基盤的経費の助成の概要については、このような状況になっています。
 次のページをお願いします。充足率の水準に関する基本的考え方ということで、充足率は、単に助成額の水準の一つの指標としてだけではなく、個々の研究者が応募時点で有していた研究計画を実現するに当たっても重要な意義を有していると思っています。そのため、応募額を尊重した研究費配分というのが当然望ましいわけですけれども、令和5年度の実績としては平均充足率は77.2%にとどまっているという状況です。
 こうした充足率の意義や現状に関する認識の下、研究種目全体として当面目指すべき充足率の水準やさらなる充実方策を検討するに当たって、以下に示すような観点を踏まえて総合的・俯瞰的な議論を行うことが求められていると思っています。物価高とか、論文投稿料の高騰とか、研究成果の創出に及ぼす影響であるとか、トレードオフの関係にある採択率の水準など、こういった観点を踏まえて総合的に議論を行う必要があるんだろうと思っています。
 このうち注目度の高い成果の創出に及ぼす影響については、基盤研究(S)から(C)の産出論文に関して統計分析を行いましたので、次のページで紹介させていただきたいと思います。
 こちら、平成20年度から令和元年度の基盤研究(S)から(C)の採択課題により産出されたScopus収録論文のデータです。アーティクルのみで、n=44万2,000になっています。そのデータを用いてTop10%論文を目的変数としたロジスティック回帰分析を実施をしてみました。説明変数のうち、充足率、こちらのオッズ比が1よりも大きい。これはどういったことかというと、Top10%論文の産出に当たって充足率が一定の効果を有しているのではないかということが分かったという資料になっています。
 こちらの赤い点線で囲っている部分になりますが、こちらのオッズ比が1よりも大きいということは、Top10%論文の産出に当たって充足率は一定の効果を有しているのではないかということが言えるのではないかということでございます。
 それから次のページ、採択率・充足率の水準に関する議論のまとめ案として、このようなものでどうかと思っています。為替安・物価高の傾向等に示されるような社会経済情勢下において、学術研究を取り巻く状況は依然と厳しいものとなっています。こうした中、デュアルサポートシステムを基軸とした政策体系が想定されていますけれども、次期基本計画の策定に向けた過程においても、学術研究を支える科研費の重要性は広く認識されているところだと思います。
 研究種目全体としての新規採択率・充足率の水準は、こうした社会経済情勢や政策動向を踏まえて、次期基本計画における科研費全体の在り方を示すものとなると思います。その具体的な水準につきまして、本部会における議論を踏まえて以下のようにしてはどうかと考えている案です。
 採択率ですが、先ほども少し触れましたけれども、諸外国の状況とか、研究費の助成を通じて一定規模の研究者を持続的に育成する観点から、種目全体の新規採択率については引き続き30%目標値としてはどうかと考えています。
 それから充足率につきましては、個々の研究者が応募時点で有していた研究計画を実現するに当たって重要な意義を有する指標としても説明することが可能であって、ロジスティック回帰分析の結果が示唆するように、注目度の高い研究成果の創出に当たっても一定の効果を有していると考えられると思います。
 厳しい財政状況の中で研究計画の実現に必要な経費を効果的に配分するためには、一律に同様の充足率を適用するのではなく、今回、基盤研究の(A)から(C)に適用しました研究課題の国際性の評価に基づく重点配分、こういった取組をはじめ、当該研究課題の評価に基づいた水準の充足率を適用することが望ましいのではないかと思っています。
 上記のようなこのような考え方を前提にして、次期基本計画期間においては、注目度の高い研究成果の創出を通じて研究力の強化を図るという観点から、種目全体の充足率について当面おおむね80%になるように留意しつつ、応募上限額の引上げなども含んだ配分額のさらなる充実方策についても並行して検討するべきであるというようなまとめの方向性ではどうかと考えています。
 次のページに参考までに5年度における主な研究種目全体の採択率・充足率の水準を示しております。
 説明は以上になります。御審議よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
 御意見、御質問、ただいまの説明につきまして、よろしくお願いいたします。
 では、大竹先生、お願いいたします。
【大竹委員】
 御説明いただきましてありがとうございました。大竹でございます。21ページの分析は、今回新しく出していただいて、非常に理解が進んだところです。前回、挑戦的研究について調べてみてはと申し上げた記憶があって、それに対して基盤研究で調べていただいたというのは、むしろこちらのほうが適切で、これ、国際のほうも、著者の所属国数というのは、これは今回補正で入っている国際という観点も含まれていると考えてよろしいですかね、とまず問いたいと思いますけれど。
【白波瀬部会長】
 質問なので、事務局いかがですか。
【竹下企画係長】
 文部科学省学術研究推進課の竹下と申します。ただいま大竹委員から御指摘がございました、こちらの分析の説明変数のうち著者の所属国数に関してでございます。こちら、スライド21ページの下の脚注の米印の2つ目に記載がございますように、まず説明変数の意義といたしましては、例えば日本の機関から2名、米国の機関から1名、英国の機関から1名が著者としてその論文に参画する場合には、日・米・英の3か国が所属国となりますので、実現値としては3になると、そういったまず変数でございます。
 こちらの分析結果でございますが、モデルのうち、(1)のモデルを御覧いただければと思いますが、この変数のオッズ比といたしましては、1.210、かつ、1%水準で統計的に有意な結果となっております。なので、充足率と同じく、Top10%論文の産出に当たって一定の効果を有する変数であると考えております。
 その上で、御指摘ございました国際性の評価の導入との関連でございますが、国際性の評価で高く評価される研究課題につきましては、その全てが国際共同研究に該当するというわけではございませんけども、傾向といたしまして、所属国数が多い論文が成果として増えるということは恐らく想定はされますので、こうした分析結果からも国際性の評価の導入の実効性というものがある種裏づけられているものと捉えております。
【大竹委員】
 ありがとうございます。一定の説明ができると理解しました。それも有効な分析結果だと思います。
 白波瀬先生、すいません、あともう1件だけ、続きで。
【白波瀬部会長】
 どうぞ、どうぞ。
【大竹委員】
 すいません。一番上の採択率のところは負の相関になっているようにも見えて、あんまり採択率を上げ過ぎるのはどうかという受け取りに見えないこともないんですけれども、そこもそう考えてよろしいんですか、と問いたいと思います。
【白波瀬部会長】
 事務局どうですか。
【竹下企画係長】
 御指摘ありがとうございます。御指摘ございましたように、オッズ比としまして、採択率は0.961で1を下回っておりますので、解釈といたしましては、Top10%論文の産出に当たって正の効果は有してはいないという捉え方が恐らく一般的なものかとは思っています。
 しかしながら、採択率に関しましては、単に研究成果の質との関連のみならず、前回の部会でも御指摘ございましたように、人材育成の観点から一定の水準を維持していくと、そういった必要性もある指標でございますので、今回の分析結果のみをもって採択率の水準について論ずるようなものではないのではと、事務局としては捉えております。
【大竹委員】
 私も同感です。Top10論文ということで、限定した分析になっているので、我々としては全体を見て判断するというのは妥当だと思います。ありがとうございました。
【白波瀬部会長】
 大変ありがとうございます。御確認もありがとうございます。
 では、城山先生、お願いいたします。
【城山委員】
 ありがとうございます。ちょっと幾つか質問なんですけど、1つは、21ページのデータなんですけども、ちょっといまひとつ理解できないところもあって、充足率が高いとTop10%論文が増えるというのは分かるんですが、端的に言うと、これは相関なのか、因果関係なのかみたいな話で、ある種現在のプラクティスにおいても多分研究評価をする段階で採択・充足率を決めるときに、研究評価、研究内容の評価みたいなところ、単にお金が適切かどうかというだけじゃなく、研究内容の評価みたいなところが入っている側面があるのかなあという気がしますけれども、だとすると充足率が高いというのは、研究の中身の評価が高いということとそもそも入り口段階で何か関連している可能性があるので、それを切り離して充足率だけの影響を見るということができているのかどうかという辺りをちょっと確認をさせていただきたいというのが1つです。
 それから2つ目は、採択率のほうの話で、国際的にも20%後半から30%台だという話ですが、これはちょっとすいません、どこかで資料出していただいたのかもしれないんですけど、海外、国際的動向というのも、どこの国のどの研究費を念頭に置いているのかということが論点になるかなと思うので、ちょっとこのエビデンスは何なのかというのを伺いたいというのが2つ目です。
 3つ目は、最終的に充足率の結論のところなんですけども、結局研究評価に基づいた充足率の適用が望ましいというのは、これは1つ目の質問とも絡むんですが、現在のプラクティスはそうなってないということでいいのかということです。現状でもかなりこの要素というのは入っているんじゃないかという気がしますので、その辺りはどういうふうに考えたらいいのかというのが一つと、それから最終的にはおおむね80%ということでいうと、現在よりここを少し上げるということでいいのか。結果として採択率と充足率が増える分を掛け合わせると、若干の予算増を求めるという、何かそういうようなのがこの議論のまとめのインプリケーションだという、そういう理解でよろしいのか、ちょっとその辺り教えていただければと思います。よろしくお願いします。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。一つの目安ということなんですけれども、もう1点、中野先生がお待ちになっているので、まず中野先生、お願いします。すいません、よろしくお願いします。
【中野委員】
 どうも詳細な説明ありがとうございました。まず、21ページですが、ここでしめされているのは、相関関係か、因果関係かというのは気になります。充足率が高い種目は、例えば特推であるとか、学術変革とか、大型の科研費で、採択率が高いのは、基盤(C)のような比較的少額の種目が多いので、種目による生産性の違いが、相関関係を生んでいるのではないかというのが質問でございます。
 とはいえ、今回おまとめいただいた、全体として30%の採択率を目指すということと、さらに充足率には80%を目指しつつ、研究の質に応じた傾斜配分を行うという、全体方針については強く賛成いたします。
 特に充足率については、現在、種目ごとに一律に設定されているため、研究者が申請額に対して十分に意識を払っていない状況があります。実際には、ほとんどの申請が上限額に張りついているのが現状です。今後、上限額の引き上げが議論される中で、充足率をある程度高めるとともに、評価の高い研究は100%に近づけることで、申請額の意味をより明確にしなければ、全体としての改革は進まないと思います。したがって、充足率を80%と高めに設定し、傾斜配分を行う方針には賛成いたします。
 以上です。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。では、鷹野先生にまずお話を伺って、事務局、まとめてお願いいたします。鷹野先生、お願いいたします。
【鷹野委員】
 ありがとうございます。鷹野でございますけれども、私からは次のページ、22ページかと思うんですが。すみません、間違えました。採択率と一覧表になった、充足率・採択率が一覧になった表、これですね、23ページです。こちらについてなんですけども、若手研究に関しましては、一番採択率が高くて、充足率が一番低くなっているということで、この意図としては、若手研究者の採択率を高めることで科研費申請へのモチベーションを高めると、そういった意図があるのかなと思っております。
 一方で、そうしますと、充足率が大変低くなるという問題がありまして、このバランスなんですけれども、このバランスがベストかどうかということに関しては検討がされているのかということをちょっと疑問に思って、質問させていただければと思います。こういったバランスが本当ベストなのかどうか。例えば当事者、若手研究者がどう思っておられるのか、そういったところも確認できればいいのかなと思いました。
 ベストとしては、やはり平均充足率の一番低いものを、低めのものをできるだけ上げていくという工夫も検討の一つの視点なのかなと思っております。
 以上です。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。では事務局から、回答というか、対応をお願いいたします。
【竹下企画係長】
 御質問いただきありがとうございます。まず城山先生の御質問の1点目と中野先生からも御指摘ございました21ページの分析結果、こちらが相関関係を示すものであるのか、それとも因果関係を示すものであるかという点でございます。
 こちら前提といたしまして、回帰分析の手法を取っておりますので、一定の統計的仮定の下、確率論によりまして行っている分析でございます。なので、因果関係を示すものでは必ずしもございませんで、そういった仮説とも併せて考えていって、因果関係があるかどうかというところを解釈していくというものではないかと考えております。
 また、城山先生の御質問の2点目でございます。採択率の国際比較について、具体にどの国と比較したものであるかという点でございます。こちらについては、資料の31ページ以下に付しております参考資料を御覧いただければと思います。前回の研究費部会でお示しした資料でございますが、対象とした国としましては、米国、英国、またドイツの3か国でございます。
 幾つか簡単に御紹介させていただきますと、米国については、国立科学財団(NSF)と国立衛生研究所(NIH)のデータを御紹介したところでございまして、採択率の水準としましては、30%には達してはいないものの、基本的には増加傾向にあるという結果でございました。
 また、英国とドイツに関してでございますが、33ページをお願いします。英国とドイツにつきましては、データにつきまして一部不十分な点もございますが、採択率については年度によって変動がある程度あるという状況でございます。しかしながら、そういう状況の下でも、基本的には20%後半ですとか30%前半台といった間で指標が推移しているという結果でございました。
 また、城山先生から3点目御指摘ございました充足率の現在の適用のされ方についてでございますが、中野先生からも御発言いただきましたように、現在、研究課題ごとに個別に水準を設定して適用するといった形にはなっておらず、基本的には種目ごとに一律の水準が適用されているものと理解しております。
 また、城山先生から4点目御指摘ございました、今回の22ページのスライドで出ているような議論のまとめの意図として、この水準を達成していくために、予算額、所要額の増を求めていく趣旨なのかという点でございます。こちら、もともと中間まとめのほうでも、採択率・充足率の議論を行う前提といたしまして、科研費予算の望ましい規模を導出すると。そのためには、採択率・充足率の水準を検討する必要があるという議論の運びとしておりました。なので、御指摘のような趣旨も含んだスライドとなってございます。
【白波瀬部会長】
 よろしいですかね。ありがとうございます。では、華山先生、お願いいたします。
【華山委員】
 ありがとうございます。私からは採択率についてコメントさせていただきます。30%を目標値にするのは妥当なところと考えます。一方で次のページ、23ページの3番の採択率を見ますと、特推11%、学術変革(A)(計画研究)が10.9%、基盤研究(S)12.3%など、いわゆる世界と戦える大型研究費の採択率が著しく低いという状況が大きな問題と思っております。これもやはり30%を目指す方向に行かなければ世界とは戦えないと考えております。
 では、どうすれば良いのかということですが、こういった大型種目が複数に分かれていると分散してしまうという問題があります。例えば、学術変革(A)の計画研究142億円を基盤(S)107億円に統合することで250億円になります。そうすることで基盤(S)の採択率は30%まで引き上げられます。
 そういった種目の再編といった施策をしないと、この状況がいつまでも変わらないのではないか、日本を代表するトップ研究者が9割も落ちるといった状況がいつまでも続くのはこの国にとって良くないのではないかと思っている次第です。
 以上です。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。では、次、山本先生、お願いいたします。
【山本委員】
 ありがとうございます。統計データの件なんですけど、中野先生とそれから城山先生もおっしゃいましたけれど、やっぱりちょっと丁寧に見られたほうがいいように思います。要するに、統計データといったら何でも信用しちゃうところがあるんですけど、統計性が成り立つためには条件があるんですよ。それにはバイアスがないこととか、あるいは完全性とか、そういうこともあるんですよね。なので、やはりこれちょっと専門的な方と相談していただいてやったほうがいいと思います。
 統計データというのは、ある意味で説得力ありますが、これが何かの拍子に躓くと大きなダメージになります。なので、これ出される前に、やはりしっかりと検証されるということをお勧めしたいと思います。
 それが1点と、もう1つはちょっと余分なことなんですけど、採択率30%というのはどのぐらいかというと、偏差値、入試のときを思い出していただきますと、偏差値にしたら55です。そのぐらいの人を採っているということ。それから15%というのが偏差値60です。だから結局、基盤(S)なんていうのは偏差値60ぐらいのところ、もちろんいい人ばっかりなんですが、その中でそこを採っているということになります。
 だから、イメージとしてそういうふうに捉えていただくと、偏差値55というのは真ん中よりも一定程度進んだところにありますので、妥当なところかと私も思っています。
 以上です。
【白波瀬部会長】
 速水先生、お願いいたします。
【速水委員】
 ありがとうございます。私も基盤の(A)、(B)、(C)でまずは採択率3割、充足率8割確保というのは非常にありがたいことで、ぜひそのように進められたらうれしいなとは思うんですけれども、先ほどの華山先生の御意見を伺いながら思いましたのは、最近大型の科研の審査などを拝見する機会がありまして、大型の科研になればなるほど女性PIの率が低くなるということをまざまざと拝見する機会がありまして、そういう意味では、審査を通る方たちのダイバーシティを確保するという意味でも、次なる目標としてそこをぜひ何らかの形で実現できないものかという点です。大御所の先生がすごく説得力のあるものを出してこられると、もちろんそれがまず採択されるんですけれども、少しそこの大型の科研費を取れる人の幅が広がるような何か工夫や措置ができるといいなと考えておりましたところでちょっと華山先生の御意見を伺ったので、一言足させていただきました。具体的な方策はなく、希望ばかりで申し訳ないです。
【白波瀬部会長】
 大変ありがとうございます。事務局のほうから何かありますか、華山先生と速水先生のほうの御意見に対して。
【松本企画室長】
 今のところ種目全体の目指すべき採択率ということで30%とさせていただいていますが、当然個々の種目でどれくらいにするかというのはまた別途あると思っています。そのときに、本当に特別推進研究から基盤(S)みたいなところも全部30%を目指すのかというと、そこは違う議論になってくると思いますのでので、個々の研究種目の採択率といういうのは別の議論が必要なのかなと思っています。
 それから、学術変革領域研究と基盤研究(S)とか(A)とか、研究種目の統合とかについては、これまで国際研究関係の種目のところについて、国際研究加速基金のところを基盤研究のほうに統合していくという議論をしていただいています。領域型の研究というものと個人型の研究というものがあり、それぞれの目的、理念とか、研究種目の趣旨とかがあると思いますので、単純にこれを統合して大型の個人研究種目の採択率を上げるとかという議論にはならないのではないかと考えています。
 領域研究のところについては、もう少し丁寧な議論が必要だと思っていますので、今期なかなか難しかったのですが、来期以降、そのあたりも議論していただければと考えています。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。統計的な分析につきましては、事務局のほうもかなり、先生方の御要望もあって統計的に何か見れないかということで、データを示してくださいという宿題に対して頑張ってくれたところでございます。
 ただ、分析となるとすぐ多変量しようとするんですけれども、実はそれぞれの中で、基本的な関係性が見えにくいことにもなっています。例えばその種類を限ってとか、若干の分野を限って、大体どれぐらいの論文が出ていますかという平均値ぐらいから積み上げていくと、もう少し中身が見えやすくなるかもしれません。最初に大竹先生からもありましたように、一つの目安として、現状を視覚化していただいたと、御了解いただきたいと思います。
 繰り返しですけど、Top10%という形でカテゴリーしやすいところもありますし、国によってTop10%という基準が明確な場合とそうでない場合があります。いろいろ言い出したら切りがないんですけれども、もう少し記述的な統計データと併せてこれからも分析をお示しいただけるとよいのではないでしょうか。因果関係というところまでいくのは厳しいと思いますし、そのところは事務局もよく分かっているところだと思いますので、どうかよろしく御了解のほどお願いいたします。
 よろしいでしょうかね。大変重要なところで、充足率・採択率、これは本当に、今後もある意味での本分科会の一丁目一番地でもありますので、今後ともよろしく、御議論あるいは御示唆のほどお願いしたいと思います。
 では、13期以降も引き続き検討が必要な論点だとも思いますけれども、すぐにというわけではないかもしれませんけれども、本日いただいた意見をまとめまして、事務局のほう、また整理のほう、お願いいたします。
 それでは、次の議題に移りたいと思います。資料5に基づきまして……。
【松本企画室長】
 白波瀬先生、すいません、1点だけ補足をよろしいですか。
【白波瀬部会長】
 どうぞ。
【竹下企画係長】
 事務局でございます。すいません、21ページのスライドの分析に関しまして、1点補足をさせていただきます。先ほど白波瀬先生から、記述統計的な手法によって基本統計量の確認も必要であるという御指摘を賜ったところでございます。また、山本委員からも、統計の信頼性というところについて御指摘賜っております。
 こちらに関してでございますが、説明が漏れておりましたが、こちらの調査の前提としまして、エルゼビア社から入手したScopusのデータを基に文科省の科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の協力も得まして実施した分析となっております。
 今回、資料の紙面の都合もございまして、最終的な結果のみをお示しいたしておりますが、その前提としまして、多重共線性等の問題を回避する観点から、まず各説明変数間の相関関係を含めまして、分析を行った上で、左側の図にございます(1)から(4)のモデルに絞り込んだ上でロジスティック回帰分析を実施したものとなっておりますので、念のため、ちょっとその点補足させていただきます。
 もちろんこの分析結果、すなわち因果関係というものとは考えておらず、あくまで科研費における論文生産性を試行的に分析したものとして議論に供させていただいたという次第でございます。
【白波瀬部会長】
 大変ありがとうございます。データに基づいて議論しようということで、大変重要なアプローチだとは思いますけれども、追加説明ありがとうございました。了解しました。
 では、次の議題に移りたいと思います。資料5に基づきまして、第12期審議まとめの骨子案につきまして事務局から説明をお願いいたします。室長、お願いします。
【松本企画室長】
 では、資料5に基づいて説明させていただきます。こちら、審議まとめの骨子案としています。構成や目次の案と考えていただければと思います。。
 まず、こちら御覧いただいているとおりですが、このような感じでまとめようと思っています。1ポツでは「我が国の学術研究をめぐる現状及び課題」ということで、こちら中間まとめにおいても現状分析、課題分析をさせていただいているので、そちらをベースに肉づけする形で書ければと思っています。
 それから2ポツについては、「本審議まとめの位置付け」ということで、位置づけを明示するとともに次の3ポツを要約する形で記載をしていければと思っています。
 それから、3ポツにおきまして、「具体的に取り組むべき事項」として、今期議論していただいた内容について整理をさせていただきたいと思っています。研究種目の整理・統合、それから国際性・若手研究者支援の強化。こちら先ほども話題になりました令和6年度の補正予算や令和7年度の当初予算の内容にも共通するところです。
 それから、研究費の効用の最大化というところで、今後も引き続き基金化を推進していくという部分、本日議論していただいた設備・機器の共用の促進、それから、先ほど議論いただいた「採択率・充足率の水準」、こちらは第10回、11回の議論を要約するような形で記載できればと思っています。
 それから4ポツにおきまして、次期の研究費部会において引き続き検討していただきたい事項について記載できればと思っています。まず「『学術変革研究種目群』の見直し」について、こちらについては中長期的な見直しの方向性を議論していただくような形で記載できればと考えています。
 それから、「基盤研究の助成の在り方」についてです。これはかなり大きな問題ですので、今期においても御議論していただきましたけれども、なかなか結論が出るところまでは至らなかったのですが、ぜひ次期の研究費部会でも引き続き議論していただければと思っている点でございます。
 それから、大型研究種目、先ほど華山先生からも御意見ありましたけれども、特別推進研究や基盤研究(S)といった科研費の大型研究種目についての在り方、それから「応募件数の増加への対処」、それから「審査システム改革」、「その他」という内容で審議まとめについてまとめていければと思っています。御意見よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございました。それでは、ここまでの説明につきまして、御意見、御質問等ありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
 案ということですので、これからということにはなってくるとは思いますけれども。
【松本企画室長】
 年明け、なるべく早く本文のほうをまとめて、先生方に、1月下旬に予定している研究費部会の前には、お送りして読んでいただく時間を確保できればと思っていますので、よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
 分かりました。よろしくお願いします。
 いかがですか。よろしいでしょうか。
 私からちょっと1点、よければなんですけど、もしなければ。ありますかね。
 4点目の第13期に対してどれぐらいボリューム感で引き継ぎ事項を盛り込むかというところが検討事項としてあります。ここについては、当方から案を提示するというよりも、13期の御担当の方々の御意見というのもあるので、個人的にはもちろんこれらが全て残る形にはなると思うんですけど、最小限でよいのではないかと考えています。3のところはやっぱり具体的に議論したところは、しっかり記述してく。何をやったのかというところですね。やっぱり実は基金化の問題って、基盤(B)の基金化の問題ってすごく私は重要なことだ考えますし、一つの成果として強調できると思います。国際・若手というのはもちろん今予算ともリンクしてということなんですけれども、この辺りは、我々の期で、先生方、本当に一生懸命議論していただいたので、このあたりもしっかり明記していただきたいです。
 あとは、いかがですかね。
【鷹野委員】
 鷹野ですが、よろしいですか。
【白波瀬部会長】
 どうぞどうぞよろしくお願いいたします。
【鷹野委員】
 ちょっと若手に関することで確認をさせていただきたいのですけれども、先ほど冒頭で御説明がありました補正予算につきましては、国際と若手というキーワードで補正予算で量的拡大を図るという御説明でございました。それから、今後のまとめの中では、3番のところの(2)が国際性・若手研究者支援の補正予算絡みのことかなと理解いたしました。全体として若手研究者の、ポンチ絵の中の26ページに、左下のほうに若手研究者の支援という、「『若手研究』種目群」というキーワードがあるのですけれども、その配置からいうと、一番下にあります若手研究のところにつながっているかのように見えるのですけれども、その辺りの関係がちょっと分かりませんでした。この若手研究、右下の部分も何か強化するというような意図もあるのでしょうか。
【白波瀬部会長】
 事務局、いかがでしょうか。
【松本企画室長】
 直接的には先ほど説明したような今回の補正予算や当初予算で対応するような方向性です。基盤研究の中で国際性であったり若手研究者支援を強化するという方向性です。全体としては、充足率とか採択率の水準のところでは、若手研究の充足率を上げるかどうかについても議論の対象にはなるとは思うのですが、(2)のところでは議論していただいていない状況です。
【鷹野委員】
 分かりました。この図の中でも、左上に国際共同研究の支援ということで、国際のキーワードがあり、一番下に若手研究者のキーワードがあり、そういった国際とか若手の支援を強化していくという意味で、今回補正予算で基盤(B・C)に国際・若手強化枠を進めていくというような理解でよろしいでしょうか。
【松本企画室長】
 はい。
【鷹野委員】
 分かりました。ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
 この辺りは種目の構成の話と少し重なっているけれどもというところはあるんですけれども、一元的に連動するというような議論ではないかもしれないです。この辺りは明確にしていただくのがいいかもしれません。ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 今日御発言なかったので、全体、もしもスルーということであればよろしいんですけども、新福先生、何かございますか。
【新福委員】
 御指名ありがとうございます。今回補正予算で国際・若手の研究費が追加でということで非常にありがたく思っております。私自身はもう若手を卒業してはいますけれども、直下にいる若手研究者がこういうところで予算を取っていけることをうれしく思いながら聞いておりました。
 この期におきましては、基盤(B)の基金化ですとか、若手にとっても非常にありがたい取組がされたと思っておりますので、特に疑問や不安が今回ありませんでしたのでそのまま拝聴していた限りです。
 以上になります。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございます。あと長谷川先生、いかがでしょうか。
【長谷川委員】
 ありがとうございます。いろいろと先生方のお話を伺っていてほとんどそのとおりだなと思って伺って発言のチャンスがなかったんですが、大変ありがとうございました。
 特に、今、若手の国際的な活躍の場を科研費の枠でまた増やしていただけたということは、本当に事務局の皆様ありがとうございます。
 そして、尾辻先生ですとか山本先生のお話にありました、ちょっと話が戻るんですけども、研究設備の共用のことについて、私ども、私立大学なんですけれども、少し状況を共有させていただいたほうがいいかなと思いまして手を挙げました。
 いろいろと事前に調べていただいて、装置がなかなか共有にならないということは、まさに私どもも同じような状況です。それで科研費とはちょっと離れますけれども、やはり文部科学省の御支援をいただきまして、20年ぐらい前にセンター・オブ・アドバンスト・テクノロジーという、文部科学省とあと本学と一緒に立ち上げた研究の共用の場がございます。そこでは大型の例えば電子顕微鏡ですとか、X線光電子スペクトルですとか、そういった大型で、しかも高度な技術を必要とする装置があるんですけれども、さらに個別に科研費で採択されたときに、研究室、あるいは個人で持っている大きな、例えば数千万円ぐらいの分光器、今日も具体的に蛍光の測定の分光器なども出ておりましたけれども、あるいは質量分析計ですとか、そういったものは、やはりなかなか皆さん、センター・オブ・アドバンスト・テクノロジー、今、私どもの大学でもまだしっかり動いているんですけれども、そこでお声がけをして、そこに仲間に入れませんかということでお声がけをしているんですが、なかなか共用に手を挙げにくいという状況です。それはほかの大学も一緒なんだなというのが今日分かったんですけども、アドバンテージとしては、場所の利点ですね。大きな装置なので、置く場所がない場合に置かせていただけたり、あるいは、皆さんで使っていただくので、修理費をシェアできるという意味ではアドバンテージは大きいんですけれども、もう一つ、やはり個々の研究者が懸念しているのは、使い方が研究者によって異なることによって装置のリスクが高いというか、装置が壊れたり精度が落ちるといったことを懸念しているというようなことも現状であるということが挙げられるかと思います。
 また、少し組織としての運営でもお話がありましたけれども、今、大型の装置に関しましては、大学の中で研究推進部という、研究推進課という事務の役割の中で、特別に研究助手という形で研究を補佐する助手の学内の称号が与えられて、その方たちがセンター・オブ・アドバンスト・テクノロジーの装置の管理と、それから学生や研究者への指導と運営を非常に積極的にやってくださっています。
 その方たちはもともと企業の例えば電子顕微鏡のプロでしたりとか、そういった方たちが、再度雇用して、こちらにいらっしゃっていたり、あるいは嘱託として、正規の職員ではあるんですけれども、パートタイムのような形での雇用ということではうまく回っているということを少し共有させていただきたいと思います。
 以上になります。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございました。貴重な情報もありがとうございます。
 ほかの先生方よろしいですか。
 ありがとうございました。今日もいろいろ活発な御意見、あるいは貴重な情報、あるいは貴重な御意見いただきまして、ありがとうございます。次回のこの審議案、まとめ案につきましても、第12期のまとめとして次の部会に示したいと思います。
 本日は本当に皆様、活発な御議論いただきまして、ありがとうございます。効率的にいつものことながら御議論いただいて大変ありがたいです。
 では、事務局から連絡事項、お願いいたします。
【梅﨑企画室長補佐】
 本日の議事録につきましては、各委員に御確認をいただいた上で公開させていただきます。
 また、次回の研究費部会につきましては、1月23日木曜日の16時から18時に対面とオンラインのハイブリッド形式での実施を予定しておりますので、御出席と御回答いただいた委員については、引き続き日程の確保をお願いします。
 資料等については開催日が近づいてまいりましたら改めて御案内します。よろしくお願します。
【白波瀬部会長】
 ありがとうございました。
 本日の会議はこれにて終了させていただきたいと思います。皆様、大変ありがとうございました。皆さん、もうすぐクリスマス。よいお年を。また来年もよろしくお願いします。
 

―― 了 ――

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