令和6年8月30日(金曜日)10時20分~12時00分
オンライン会議にて開催
白波瀬部会長、鷹野委員、仲委員、大竹委員、尾辻委員、城山委員、中野委員、山本委員、岸本委員
塩見研究振興局長、松浦大臣官房審議官(研究振興局及び高等教育政策連携担当)、田畑学術研究推進課長、松本学術研究推進課企画室長、梅﨑学術研究推進課企画室室長補佐、他関係官
西田日本学術振興会学術システム研究センター副所長
【梅﨑企画室長補佐】
おはようございます。文部科学省事務局でございます。
鷹野先生、白波瀬先生が入室されましたので、白波瀬先生におかれましてはこれから研究費部会の議事進行について、よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
皆さんおそろいで大変失礼いたしました。遅れまして大変失礼いたしました。12期第9回の研究費部会を開催いたします。
本日の議題についてですけれども、6点あります。最初に非公開議題として、今後の方向性として令和7年度概算要求について説明いただきます。その後、公開議題として、前回の本部会における議論及び学術分科会における議論について報告をいただいた後、審議まとめに向けた議論の進め方(案)、国際共同研究加速基金の統合に向けた具体策、基盤研究の助成の在り方、令和6年度予算執行調査の結果を受けた対応について御議論いただきたいと思います。
事務局より、御連絡事項及び配付資料の確認等、お願いいたします。
すみません、遅れました。じゃ、補佐、お願いいたします。
【梅﨑企画室長補佐】
次に、事務局から配付資料の確認とオンライン会議の注意事項について連絡します。
資料については、事前にお送りいたしましたファイルを御参照ください。
また、オンライン参加の注意事項についてですが、音声の安定のため、発言時を除き、常時ミュート、マイクをオフにしていただくようお願いします。部会長、委員、オブザーバーを含めメイン席の方は常時ビデオをオンに、その他の方は常時ビデオをオフにしていただくようお願いします。
また、発言される場合は挙手ボタンを押してください。部会長が指名されますので、ミュートを解除、マイクをオンにしていただき、その都度、お名前を発言いただくとともに、オンラインでも聞き取りやすいよう、はっきりと御発言いただくようお願いします。
また、資料を参照される際は、資料番号、ページ番号などを分かりやすくお示しください。
トラブル発生時には、電話で事務局に御連絡いただくようお願します。
【白波瀬部会長】
ありがとうございました。
それでは、議題に入ります。
議題(1)の今後の方向性については、公開前の令和7年度概算要求に関する情報を含むため、審議の円滑な実施を図る観点から、研究費部会運営規則第5条第3号の規定に基づきまして、非公開議題とさせていただきます。
また、同規則第6条第2項の規定に基づき、議題1の議事録についても非公開とさせていただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
では、資料1に基づき、今後の方向性につきまして、事務局より説明をお願いいたします。
課長、お願いいたします。
<今後の方向性について>
令和7年度概算要求の内容について、事務局からの報告及び意見交換が行われた。
また、研究費部会運営規則第5条に基づき、この時点から会議の公開が再開された。
では、資料2と3に基づきまして、前回、本部会における議論及び学術分科会における議論につきまして、事務局より報告をお願いいたします。
室長、お願いいたします。
【松本企画室長】
それでは、まず、資料2からです。前回の研究費部会における主な御意見を復習させていただきます。
前回は主に研究費部会としての中間まとめ案に関する御意見をいただいておりますので、基本的にいただいた意見は「中間まとめ」のほうに反映をさせていただいているということになってございます。
我が国の学術研究をめぐる現状及び課題については、こちら資料にあるとおり2つの御意見、それから、国際的に波及効果が高い学術研究の推進の部分について、こちらの2つの御意見をいただいています。
次のページをお願いします。それ以外にも、中規模設備の関係等で4つほど御意見をいただいております。また、それ以外の論点について、基盤(C)であったり海外の研究費との関係への御意見、それから、予算の増額の必要性についての御意見をいただいているところです。今後、審議まとめについてこれから御議論していただくに当たって、このような御意見を含めて進めていければと思っております。
それでは、続いて、資料3をお願いします。7月31日の学術分科会で議論され、今月の23日に取りまとめられた学術分科会の意見の御紹介です。こちらについては、本研究費部会の「中間まとめ」を基にした方向性が打ち出されております。
以下、関係部分の抜粋です。
科研費の質的充実・量的拡大ということで、以下、このような形で「中間まとめ」を反映した方向性が打ち出されておりますので、御紹介をさせていただきました。
資料2と3は以上です。
【白波瀬部会長】
ありがとうございました。
前回の研究費部会でいただきました御意見や、次期基本計画に向けた学術分科会としての意見も踏まえまして、今後の科研費の在り方について引き続き議論、検討を進めたいと思いますので、委員の先生方におかれましては、どうかよろしくお願いいたします。
では、次の議題に移ります。
資料4に基づきまして、審議に向けた議論の進め方(案)について、事務局より説明をお願いいたします。
じゃ、松本室長、お願いします。
【松本企画室長】
審議まとめに向けた議論の進め方について(案)でございます。
第4回でお示しした今後検討すべき課題等に基づいて、これまで主に持続可能な審査システム等に関する議論をしていただいています。
第8回では、「中間まとめ」において第7回までの議論を総括していただいたということになっています。今後、次期科学技術イノベーション基本計画に向けた「審議まとめ」を念頭に置いた議論を加速したいと思っておりまして、こちらに書いているようなスケジュールで議論していただければなと思っているところです。
本日、第9回、8月になっていますけれども、本日は特に国際共同研究加速基金の統合に向けた部分、それから、助成の在り方、研究の枠組み等という項目での現状の分析と論点の確認といったところをメインに今日は議論をしていただきたく、今後、2月を予定している「審議まとめ案」の議論に向けて、10回、11回、12回と、それぞれのところで各論点の議論を進めていければと考えています。今のところ、このような予定で考えているところです。よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
ありがとうございました。
それでは、こちらの進め方につきまして、御意見、御質問等ありましたら、お願いいたします。
よろしいでしょうか。では、先生方から特に御意見はないみたいなので、ありがとうございます。
それでは、今後の審議につきましては、おおむね提示されました案のとおりとして進めさせていただきたいと思います。委員の皆様におきましては、どうか引き続きよろしくお願いいたします。
それでは、次の議題に移ります。資料5に基づきまして、国際共同研究加速基金の統合に向けた具体案について、事務局より説明をお願いいたします。
室長、お願いします。
【松本企画室長】
では、まず資料5を御覧ください。「中間まとめ」におきましては、国際共同研究加速基金のメニューのうち、海外連携研究の公募停止ということを明記させていただいて、帰国発展研究は現状残すという方向で記載させていただいています。
今後、国際共同研究加速基金の基盤研究種目群等への統合に向けて、国際先導研究と国際共同研究強化の取扱いを議論していただきたいと思っています。
資料上の破線部分が「中間まとめ」の抜粋でございまして、今、説明したような内容が書かれています。
下の部分、海外連携研究については令和7年度助成から公募を停止し、帰国発展研究はメニューとして残すということでございますけれども、帰国発展研究については、海外特別研究員の応募資格を認める、採択から交付申請までの間の猶予期間を延長するといった制度改革の方向性をまとめていただいています。今後は、国際先導研究と国際共同研究強化、赤枠で囲っている部分の統合に向けての取扱いを議論していきたいと考えています。
次のページをお願いします。統合に向けた基本的な考え方ということで、まとめたものです。
コロナ禍後、国際研究交流の回復傾向を後押しするためには、基盤研究種目群等への統合によって研究活動の国際性が後退する結果とはならないよう、それぞれの種目の機能に応じた検討が必要だと考えています。
したがって、基本的な考え方としては、統合される研究種目の人材育成であるとか、海外派遣等の機能自体は統合先の種目に積極的に取り組んでいくこととしたいと考えています。
資料としては、海外への派遣研究者数であるとか、受入れ研究者数の推移を参考に掲載しています。
それから、次の資料をお願いいたします。こちら、国際共同研究強化の導入経緯、それから、制度趣旨についての説明でございます。
国際共同研究強化については、少額の研究種目に採択された研究者が、海外の研究者との間で実施する国際共同研究の支援を行うということを趣旨として、平成27年度の国際共同研究加速基金創設の際、そのメニューの一つとして設けられたものです。応募上限額が1,200万、その範囲内で研究費とは別枠で渡航費、滞在費、代替要員確保のための経費を助成するという内容です。
波線の部分については、当時、平成26年度の第7期研究費部会でまとめられたもの(中間まとめ)ですが、これを受けて国際共同研究強化が創設されたということです。
種目の概要はこちらにお示ししているとおりでございまして、研究期間・応募総額それぞれ最大3年度で1,200万円以下、派遣する期間は半年から1年程度、交付申請を行った年度の翌年度中までに渡航を開始していただくとか、そういった内容になっております。それから、応募資格ですけれども、45歳以下ということです。もともと基盤研究、若手研究、特別研究員奨励費の採択者で45歳以下の者という応募資格になっています。
それから、次のページをお願いします。国際共同研究強化の応募・採択の状況についてまとめたものです。多少わかりにくいかもしれませんが、基課題ごとに動向を分析すると、応募件数、採択件数ともに、基盤研究(B)(C)、若手研究が多いという状況です。令和5年度だと応募件数が317件、採択件数は104件になっています。
次のページをお願いします。こちら平均配分額とか充足率の関係です。平均配分額は基課題の別に関わらず一定の水準となっておりまして、応募額を尊重した配分を実施しています。充足率は9割以上になっている状況です。
次のページをお願いします。こちらは代替要員確保のための経費についての説明になります。代替要員確保のための経費については、他の研究種目におけるバイアウト経費の導入に先立って、研究代表者の渡航中における業務代行を可能にする経費として導入したものです。
バイアウト経費の違いとしては、組織の管理運営事務等を含む幅広い業務代行のための経費を支出することができるものとなっています。下のほうに代替要員確保のための経費とバイアウト経費の違いを表で示しています。
次のページをお願いします。代替要員確保のための経費が活用されているかということについて、JSPSでフォローアップ調査をしていただいています。回答があった方のうち59%が制度を活用していたということでございます。
「活用した」、「思うように活用できなかった」について幾つかコメントがあり、「活用した」と回答した方の中には、「所属機関における授業を受け持ってもらうため、兼任講師を雇用した」とか、「大変助かりました」ということとか、「技術補佐員を雇用して研究の促進に活用した」というコメントあります。
「思うように活用できなかった」方からは、「学内の制度が整わず活用に至らなかった」とか、「主にTA雇用の費用に使った」ということ、「講義を肩代わりしてくれた教員に、学内ルール上経費を支払うことができなかった」とか、そういった御意見がありました。
次のページをお願いします。国際共同研究強化の統合に向けた具体的な方向性についての案でございます。研究課題の国際性の評価を今回導入するわけですが、こちらによって研究費配分額を充実させるということになります。この研究課題の充足率を応募額を尊重して手厚く措置するということは、それだけだと国際共同研究強化に相当する規模の助成を実施することは困難になります。もともと基盤研究とか若手研究の応募上限額の100%を目指して充足率をアップするということになるので、現状、国際共同研究強化が基課題に加えて1,200万円上限という制度になっていますので、このような言い方になっています。
したがって、海外に渡航して行う国際共同研究のニーズは依然として存在すると考えられますので、基盤研究種目群への統合後においても、渡航費、滞在費、それから、代替要員確保のための経費を措置するための枠組みが必要ではないかと考えています。
現に、基課題としての利用が多い基盤研究(B)(C)、若手研究において、研究期間中に半年から1年程度の渡航を伴う国際共同研究を予定する研究課題については、応募上限額を例えば引き上げるとか、その応募上限額の枠内で研究費と別途渡航費、滞在費と代替要員確保のための経費を措置してはどうかというようなことが考えられるのではないかと思っています。
次のページは、これまで研究者の国際共同研究や長期海外派遣、それから、帰国支援のための施策のイメージで、以前お示しした資料になっていますので、御参考です。
今回、最初に説明したとおり、国際共同研究加速基金のメニューのうち、今後、国際先導研究と国際共同研究強化、2つそれぞれ考えていかないといけないのですが、今回、特に国際共同研究強化の部分について御議論いただければと思っています。
説明は以上になります。よろしくお願いいたします。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございました。
それでは、ここまでの説明につきまして、御意見、御質問ありましたら、どうかよろしくお願いいたします。
ちょっといろいろ情報量がたくさんありましたけれども、御遠慮なくお願いいたします。
【岸本委員】
すみません、岸本ですけれども、よろしいですか。
【白波瀬部会長】
岸本先生、お願いいたします。
【岸本委員】
御説明いただきまして、ありがとうございます。
私ちょっとバックグラウンドが分かっていないので教えていただきたいんですけれども、9ページのグラフなんですけれども、応募件数が年々減っていっているという傾向に見えるんですけれども、これは何か理由とかはあるんでしょうか。
【白波瀬部会長】
事務局、いかがですか。
【松本企画室長】
研究種目とか新しいメニューをつくると、ある程度最初が高くて、その後、落ち着いてくることが多いと思います。
【岸本委員】
そういう見方をすればいいんですね。
【松本企画室長】
大体そのような傾向がございまして、今、多分安定している状況と捉えていただいてよいと思っています。
【岸本委員】
なるほど。よく分かりました。ちょっとじっくり見てみます。ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
全体の傾向としてはそうですけど、採択率の推移とか凸凹はもちろん、コロナの関係とかいろいろあると思いますけど。ありがとうございます。
あと、いかがでしょうか。
では、山本先生、お願いいたします。
【山本委員】
私は、方向性として異論はないんですけれども、共同研究加速基金分というか、海外に行く分について、そういう申請をした場合において上限額を引き上げるということになるんですけれども、それはそれで一つのやり方で、私としてはやはり審査は増やさないほうがいいのではないかとは思っております。そのまま基課題というか、基盤(B)(C)、若手の審査フレームの中で同時に審査することになるという理解だと思います。
プラス、ちょっと気になるのは、もし行くと言って行かなかったときどうなるんでしょう。
【白波瀬部会長】
事務局、いかがですか。
【松本企画室長】
先生、ありがとうございます。
最初の審査の部分については、我々も同じ心配もありますので、そこは十分JSPSと相談しながら、いろいろ御意見を聞きながらやっていこうと思っています。
後半の、行くと言って行かなかった場合は、手続的には変更交付申請とかをしていただくような形になるのかなと思っています。補助金上の手続といった部分では改めて変更交付申請していただいて、減額するという形、その部分はやらないということで再申請していただいて再交付という感じになるのかなと想定しています。
以上です。
【山本委員】
全部基金ですよね。
【松本企画室長】
そうですね。基金ですが補助金適正化法が適用されますので、手続上は変更交付申請といった手続が必要と思っています。
【山本委員】
分かりました。ありがとうございました。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。
では、仲先生、いかがでしょうか。
【仲委員】
どうも御説明ありがとうございます。
先ほど代替要員に関する御説明をいただいたところだと思うんですけど、うまく見つからなかったから使えなかったということでしたが、この辺りについては何か改善案みたいなことというのはあるんでしょうか。
【白波瀬部会長】
いかがですか。相手の大学の状況もあると思うんですけれども、事務局から何かありますか、仲先生の御質問に対して。
【松本企画室長】
我々としても、この辺りは各大学に深掘りして聞いていかないといけないなと思っています。
多分、学内ルールとかがあって難しいということなので、もし、いい例とかがあれば、このような方法でやれますよというのを周知していけば良いかと思っています。その辺りは採択になった研究者が所属している各大学にヒアリングする必要があると思っています。
【仲委員】
ありがとうございます。
外付けのものであれば、これはこうするから、というふうなことが見えやすく、こういった代替要員を確保することもやりやすくなるのかなと。一方で、統合されてしまうと全体の一部になってしまうので、従来型の支援しか得られなくて、ますます代替要員などは見つかりにくくなってしまうのかなと思ったりもいたしました。
統合することは全く結構なんですけれども、何かそういう工夫を併せてやっていく必要があるかなと思いました。ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。
なかなかその辺りも……。
中野先生、よろしくお願いいたします。
【中野委員】
統合に関する技術的な質問です。統合先も基金化されている必要はあるんでしょうか。
【松本企画室長】
そうです。
【中野委員】
分かりました。以上です。
【白波瀬部会長】
いかがですか。
議論として我々の議論対象を超えるところになるかもしれませんが、代替要員のところは他国もそうなんですが、代替要員の間で別市場が決してできないように注意することが必要だと思います。代替が終わって、次また代替要員として不安定な職に就く、というような底辺となる労働市場ができてしまうのは望ましくありません。その辺りはこちらで期待される議論を超えますが、本当に全体設計がすごく重要な感じがしますよね。
山本先生もおっしゃったように、審査の問題というよりも、最初から研究を構想し、そのためにどのポストが最適で、そこに就くための戦略を立てることができると一番良いように思います。今、仲先生がおっしゃったように、キャリアパスや選択肢が見えやすくする工夫があってもよいのではないか。特に、わからないままに、市場が分断されてしまっていて、一旦不安定な職に就くとそこから抜け出せない状況は無くす必要があると思います。そのような工夫を具体的にどう設計するかなかなか設計は手強いぞという感じはしないでもないんですけど、肝心の若手研究者がうまく循環するような環境を作ってしまわないと、どんどん分断が広がっていく危機感があります。そうなると、もっと問題なのは、全体的に競争力が落ちる危険性も高くなるということです。
大竹先生、お願いいたします。
【大竹委員】
ありがとうございます。
私も代替要員のところについてですけれども、仲先生、白波瀬先生おっしゃるとおりだなと思っていて、大学の内側の規則で縛られてしまう場合というのも恐らく結構あると思うんですよね。そういう意味では仲先生もおっしゃっていましたけれども、グッドプラクティスとしてこういう利用で非常にうまくいったよというのをぜひ共有していただけると、次の段階でうまくこの代替要員を使うことができると思いますし、白波瀬先生おっしゃるように、キャリアパスについても我々は気をつける必要がありますよね。そこはこういううまくいった事例がありますというのは、ぜひ共有できるといいかなというふうに思いました。ありがとうございます。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。
ですから、大変だと思うんですけど、事務局の方でも少しヒアリングを幾つかしていただいて、その情報を共有させていただけるとすごく有益です。よろしくご検討ください。
今の大竹先生の御意見につきましてはいかがでしょうか、事務局は。
【松本企画室長】
具体的には、個別の大学の担当者に細かく聞いていこうと思っています。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。
いかがでしょうか。大丈夫ですか。いいですか。
私から1点あります。今後の方向性についてという最初の丸のところなんですが、おっしゃっていることはすごい分かるんですけど、制度というかメカニズムとしてちょっと別々なので、この書き方をすると、充足率と規模との関係は全く背反しているような印象です。それはやっぱり制度として違うので注意しないといけないと思います。充足率は重要だと思いますが、現状は申請時から、充足率7割を前提に作成しています。ですので、書き方の問題ですが、誤解を与えかねないので、よろしくご検討ください。
【松本企画室長】
分かりました。
【白波瀬部会長】
よろしいでしょうか。
大変ありがとうございました。では、先生方からいただきました貴重な御意見につきまして、事務局においても整理をし、次回の研究費部会でも引き続き議論を深めたいと思います。
次の議題に入りたいと思います。資料6に基づきまして、基盤研究の助成の在り方について、事務局より説明をお願いいたします。
【松本企画室長】
それでは、資料6に基づいて説明させていただきます。
「中間まとめ」における基盤研究の助成の在り方の位置づけについてですけれども、「中間まとめ」においては、「審議まとめ」に向けた中長期的な課題の一つとして、助成の在り方、研究費の枠組み等、基盤研究の助成の在り方を掲げていました。
競争的研究費としての科研費の性格を前提としつつ、デュアルサポートシステムの在り方が変化を迎えつつあることも踏まえて、応募上限額ですとか、重複応募・受給制限等の在り方を中心に検討する必要があると思っています。下のほうに「中間まとめ」の抜粋を載せています。
次のページをお願いします。前回の第11期の研究費部会でも議論が行われていますので、そちらを紹介をさせていただきます。
11期の研究費部会においても、基盤研究の助成の在り方に関して、種目の構成、それから応募上限額、研究期間、重複応募・受給制限等の観点から議論が行われています。こちらに関連する主な御意見を載せています。
少し簡単に紹介をさせていただくと、1ポツ、現状認識の部分ですけれども、本来は研究期間が措置するべき基盤的経費の役割を実質的に担っているという前提の中で最善の研究支援を考えるべきという御意見、それから、現実問題として基盤研究(C)の位置づけを考えつつ、デュアルサポートの構造自体は確保する必要があるという御意見、デュアルサポートシステムの代替的な役割を担っているという前提の下では、現実を誤って認識する可能性があるのではという御意見、私立大学についてはデュアルサポートの考え方はそもそも存在しないのではないかという御意見、応募件数の増加の背景として、大学の研究者が科研費に応募しなければならない状況にあるのではないかという御意見、それから、人文学・社会科学系では、シニア研究者も基盤研究(C)を獲得する傾向があるというような御意見がございました。
それから、研究種目の基本的性格の部分については、研究種目の規模にかかわらず、競争的研究費としての性格を担保しなければならないという御意見、それから、応募上限額に関しては、人文学・社会科学系と自然科学系で異なる応募上限額を設定するといった議論にするべきではないといった御意見、基盤研究(C)の充足率の向上、応募上限額の設定について見直す必要があるという御意見がありました。
それから、研究期間についてですが、基盤研究(B)について、現行の応募上限額で研究期間を7年から10年程度に延長し、応募件数を抑制できないかというような御意見がありました。
それから、重複応募・受給制限の部分についてですが、基盤研究(C)と挑戦的研究(萌芽)の重複緩和には慎重であるべきといった御意見、それから、他の審査区分(大区分)の間で基盤(C)と挑戦的研究(萌芽)の重複を認めるのは非常によい方向性ではないかという御意見、それから、基盤研究(S)(A)の分担者について、基盤研究(C)または萌芽との重複を制限してもいいのではないかという御意見がございました。
それから、採択率・充足率については、競争性を担保するためには採択率にこだわる必要もなく、採択率を下げることで充足率を上げるということも一案ではないかという御意見、それから、あらかじめ充足率の目安や採択見込み件数を示すことで応募件数の抑制が図られるのではないかといった御意見、それから、採択率はある程度高さを保ったまま萌芽的な研究への支援を徹底的に広げていくべきだといった御意見がございました。
それから、応募資格の点ですが、こちらは基盤研究(S)(A)の研究代表者の応募資格に博士号取得を設けても、審査負担軽減、応募件数削減には効果がないのではといった御意見があったというところでございます。
次のページをお願いします。このようないろいろな論点から検討が行われ、「審議まとめ」においては、重複応募・受給制限の緩和の部分のみが盛り込まれたという形になっていまして、下の部分、太字で書いていますけれども、既存の専門分野にとらわれない挑戦的な研究を支援する観点から、例えば大区分の異なる審査区分に応募する場合に限定して、基盤研究(C)と挑戦的研究(開拓)の重複制限の緩和について試行を検討することが考えられるということが盛り込まれています。
実際、こちらはまだ試行もやっていないわけですけれども、実際、挑戦的研究については、開拓の審査と萌芽の審査の部分で、JSPSでも問題意識がございまして、いろいろ検討していただいているという状況なので、こちらの「審議まとめ」の部分、試行を検討することという部分については、試行をする段階にもまだ至ってはいないという状況ではあります。
次のページをお願いします。こちらは基盤研究種目群の現状ということで、種目の構成、応募上限額を一覧にしたものでございます。
基盤研究種目群については、従前の一般研究、総合研究、試験研究を統合するということで、平成8年度に創設をされている科研費における最も中核的な種目群になっています。
独創的・先駆的な研究を助成対象とするという点では各種目共通していますけれども、研究チームの規模とか研究期間の下限で、(S)(A)(B)(C)と大きく区分した上で、応募上限額によって種目の境界というのが定まっているという状況になっています。細かくは、下の表に整理をしたとおりになっています。
次のページをお願いします。基盤研究種目群の現状について、応募、採択の状況についてです。
比較的少額な研究種目ほど採択率が高く、大型種目ほど充足率が高く設定をされているという状況です。特に基盤研究(C)の応募件数の増加が顕著であり、採択率を一定水準に維持する必要性と相まって、充足率が低下する結果を招いているということになります。
次のページをお願いします。配分の状況についてですが、充足率の変動に伴って平均配分額の水準が移行するので、基盤研究(C)では、充足率の低下に比例して実際の平均配分額の水準も低下をしているという状況になっています。令和5年度は応募件数も若干減ったというのもあって、少し回復している状況です。
次のページをお願いします。研究期間の状況についてです。平成20年度公募から基盤研究(A)(B)(C)の研究期間が、もともと2年から4年というものを3年から5年に延長しています。(S)は原則5年ということになっています。それ以降、見直しはされていないという状況です。
基盤研究(A)から(C)を見ると、種目の規模が大きくなれば、実際の研究期間が長期化をする傾向にはあるということでございます。
次のページをお願いします。こちらは重複応募・受給制限です。本当はもっと複雑なのですが、分かりやすくするために、新規応募で研究代表者の場合に限って、基盤研究と挑戦的研究、若手研究における重複制限を表にしたものでございます。
次のページをお願いします。こちらが検討を要する論点になるのではないかと思って、整理させていただいた部分です。
まず最初に、検討を要する論点1として、種目構成です。現状、独創的・先駆的な研究を助成対象とする点で共通しつつも、研究チームの規模・研究期間の下限で(S)(A)から(A)(B)(C)と大きく区分した上で、応募上限額によって種目の境界を定めています。
検討の切り口として挙げていますのが、審査負担を軽減する観点から、同一の審査方法を取る(S)と(A)、実際には(S)はヒアリングもあるんですけれども、それから、2段階書面の(B)と(C)の間で種目の統合を含む検討を行う余地はないのか、それから、その際、同一の種目における応募上限額から下限額の幅が広がることになりますが、応募上限額付近に応募金額を設定する課題が増え、上のほうに張りつく課題が増えて種目間の配分額の差を広げる結果とはならないかという点は、少し考えないといけない点だと思っています。
次のページをお願いします。論点の二つ目、応募上限額についてです。現状については、応募上限額の水準は平成9年以降、一度も見直されていないところ、物価高、円安等の影響で研究費の平均実質配分額は低下し、諸外国と対等に国際競争力の高い研究に取り組むことは困難となっているという現状と思っています。
検討の切り口として挙げさせていただいているのが、応募上限額を現在の物価水準等を考慮したものに見直す必要があるのではないかということ、それから、応募上限額の設定のみを見直しても科研費予算の総額が伸び悩む状況では、1課題当たりの平均配分額が直ちに増加することはなく、充足率が低下する結果とならないのか、それから、応募上限額の検討と併せて最低限助成するべき金額を示す意味で、充足率の下限の設定が必要ではないというような検討の切り口もあると思っています。
次のページをお願いします。論点の三つ目として研究期間です。現状、平成20年度公募から基盤研究(A)(B)(C)の研究期間を2年から4年を3年から5年、(S)は原則5年という見直しを行って以降、見直ししていません。基盤研究(A)から(C)では、種目の規模が大きくなれば、実際の研究期間は長期化する傾向が見て取れます。
検討の切り口として挙げさせていただいているのは、研究者が研究費の規模に見合った研究計画を遂行できるようにするために、研究期間を長期化させる余地はないのか、それから、特に基盤研究(C)の研究期間を延長する場合、特に自然科学系の課題にとっては単年度当たりの配分額が過度に少額となる可能性もあるため、研究期間の下限は現在の水準に維持する必要があるのではないか、それから、研究期間の長期化によって応募件数の抑制が期待できないかということを挙げています。
次のページをお願いします。論点4、重複応募・受給制限についてです。現状、限られた財源で、より多くの優れた研究者を支援する必要があること、それから応募件数の増加によって、適正な審査の運営に支障を来すおそれがあることなどを考慮して、重複応募や受給制限に係るルールを設定しています。
検討の切り口としては、応募件数が継続して増加する状況下では、特に応募件数が多い研究種目に係る重複制限の安易な緩和には慎重になるべきですが、デュアルサポートシステムが変質を迎えつつあることを踏まえ、研究者の不採択リスクをどのように考えるべきかとしています。
資料の説明は以上になります。少し長くなりましたけれども、よろしくお願いします。
【白波瀬部会長】
ありがとうございました。
委員の皆様から御意見、御質問をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
鷹野先生、よろしくお願いいたします。
【鷹野委員】
丁寧な御説明ありがとうございました。いろいろ現状とポイントの切り口を整理していただいているので、大変分かりやすかったと思います。
私からは、24ページの応募上限額について意見を申し上げたいと思います。
検討の切り口の中で1つ目に挙げられております、物価水準、為替相場を考慮したものを見直す必要があるのではないかということに関しましては、私はやはり必要なのではないかと考えます。そうしますと全体的な経費がかさむということになるとは思うのですけれども、充足率についても検討が必要と思います。充足率の下限の設定ということについては必ずしも賛成しないのですけれども、先ほどのグラフを拝見したときに、60%台というのはちょっと避けたいなというような思いがございます。研究申請しても、60%台ですと、やはり計画どおりにできない、計画をかなり変更しなければいけないと思いますので、せめて70%以上をキープするというような方向でできればいいのではないかと思いました。現実的にはいろいろ難しい問題もあるとは思いますが、そのように思った次第です。
以上でございます。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。
では、事務局から何かありますか。
【松本企画室長】
いえ、特にありません。
【白波瀬部会長】
では、御意見ということで、ありがとうございます。
次、中野先生、お願いいたします。
【中野委員】
ありがとうございました。
23ページの検討の切り口に書いてある、審査負担を軽減する観点から、同一の審査方法を取る(S)(A)、(B)(C)の間で種目の統合を含む検討を行う余地について、非常に興味深く、検討を行う余地はあると考えています。
一方で、多くの場合申請額は上限額に張りつくという傾向がありますので、この対策として、上限値に張りついた申請を行うことが必ずしも申請者にとってメリットにならないというような工夫が必要だと考えます。
このような対策により、上限額と下限額の幅が広い種目を設定した場合でも、分野の特性に応じて適正な申請額が集まることが可能になるのではないかと思います。また、その結果、充足率の問題というのも、おのずと解消の方向に向かうのではないかと考えました。
以上です。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。
恐らく科研費リテラシーみたいな、そういう感じになるかもしれませんね。ありがとうございます。
では、次、山本先生、お願いいたします。
【山本委員】
ありがとうございます。山本です。
私、この24ページも若干関係するんですけれども、研究期間の問題がちょっと気になっています。研究期間が長く必要であるというのは2つの理由があって、1つは本当に研究をするために必要であるという場合と、申請負担を減らすというか、審査負担というタイプじゃなくて、研究者側からとしても、まあ、ともかく最低限確保しておこうという形での長期化というのがあり得る。それで、10年とかにしますと、単年度当たりの経費って物すごく低くなると思うんですね、基盤(B)とかであっても。これまで我々としては「基盤(C)に集中してきましたよね、もっとやはり大きな研究を、国際的に競争できるような規模で研究してください」というメッセージを送ってきたわけですよ。それで(B)の充実ということをうたったわけで。それと、若干長くするということが私は何となく矛盾しているような気がしています。もしやるのであれば、やはり上限を上げることとカップルせざるを得ないのかなというふうに思います。
そうでないと、どんどんどんどん研究の規模が縮小していくだけであって。確かに審査負担は多少楽になると思いますけれども、研究力強化という点でいうと、あまりプラスには働かないという感じがするので、研究期間を延ばす部分の考えの議論においては、そのこともちょっと留意していただきたいなという気がしております。
以上です。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございます。
まとめて事務局からいろいろリプライをお願いしたいと思いますけれども、では、次、大竹先生、お願いいたします。
【大竹委員】
ありがとうございます。大竹でございます。
今の山本先生の話とも関連するのですけれども、24ページのやはり一番上の段落の上限の話です。
私は、恐らくこの科研費の金額のキーになるのは人件費だと思っていて、つまり人をきちんと雇って研究を進めることができるかと。(C)についてはなかなか難しいかもしれませんけれども、(S)(A)はもうこれは絶対そうだと思いますし、(B)でも可能であれば研究者を雇用してというような金額設定になっていることによって、国内の頭脳循環というのもうまく回ると思いますし、研究力も強化されるかなというふうに思います。
その点で、今、人事院勧告もありますけれども、雇用にお金がかかってくるという段階において、やはり上限は上げるのが自然なのかなというふうに思うところでもございます。ぜひ御検討いただければと思います。
以上です。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。
では、次、仲先生、お願いいたします。
【仲委員】
ありがとうございます。(C)についてなんですけれども、冒頭のところで、尾辻委員がおっしゃっていた統合イノベーション戦略2024、あそこで基盤的な経費を充実させるという政策決定がなされていると言ってくださって、それはとてもよいと思ったんですけれども、(C)の在り方というのは、これとの関係で検討していかなくてはいけないんじゃないかなと思うところです。
そちらの政策が本当に充実して基本的な研究費が提供されるのであれば、(C)はもっともっと競争的にしてもいいと思うんですけれど、そうでない状況の場合はどうするか、というのは、本当に重要な課題かなと思いました。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。
尾辻先生、どうぞ。仲先生を受けてというか。そういう意味じゃなくて、すみません、よろしくお願いします。
【尾辻委員】
仲先生からの御発言にもお答えしたいですし、幾つか言わせていただければと思います。
まず、その基盤研究(C)の競争性が一部損なわれているのではないかという懸念、これはもう御存じのとおり、デュアルサポートの劣化の一部が肩代わりになっているのではないかという見方で、これの非常に大きな部分は、予算規模が充足率を考えると年間100万円程度の配分に届くかどうかというのが今の基盤研究(C)の実情だと思うんです。ここのところが、先ほど来この問題として定義されている物価上昇ですとか、いろんな為替のレートだとかを勘案すると、今の上限額のままでいいとはとても思えないんですね。
それとのリンクで言えば、基盤的経費、これは16ページ目に、私立大学についてはデュアルサポートの考えは存在しないのではないかという御意見があったと思うんですが、これ実はNISTEPのほうでは、私学助成のお金を基に、基盤的経費については私学、国立、公立も含めて算定していますので、ここは、ぜひそうではないということを御認識いただいた上で進めたいんですけれども。
そうやって考えると、やはりこの16ページの2のところで書いてある、研究種目の規模にかかわらず、科研費は競争的研究費としての性格を担保しなければならないんだという、ここのところを外すと、もう何が何だか分からなくなっちゃうので、研究費部会としてはというか、学術審議会として、文科省として、このデュアルサポート体制というのをしっかりつくっていくんだという上での議論だと思います。
そうやって考えると、今の基盤研究(S)(A)(B)(C)という種目構成がどうなのかなという問題意識が出てきたと思うんです。統合の可能性はないのかというようなことも出てきたし、それから、重複申請が基盤研究(C)はメタメタで、全然重複申請できないというこの現状。最近になって基盤研究(B)が挑戦的研究(開拓)との重複応募、重複受給が認められるようになってきているという、こういった現状を全体的に俯瞰すれば、恐らく基盤研究(C)を基盤研究(B)クラスに格上げすべきなんじゃないかという考えと、それから、じゃ、(B)(A)(S)はどうなのかという考え方が出てくると思うんです。
応募件数と採択率とのバランス、それから、重複申請を認めるようにする方向で考えたときの審査委員の数、審査委員会の数、そういったもの全体を考えると、恐らくは基盤研究(C)、例えば基盤研究(B)をもう一本化すると、大きい方向にですね、一本化した種目と(A)(S)の上限額を少しずつ上げていくような、そうした上で基盤研究(C)の重複制限が基盤研究(B)と同程度に大幅緩和されるというような、何かそういった全体的な制度改革、改善の設計論と言えばいいんでしょうか、そういったところを多分具体的に議論を始める時期にもう十分来てしまっていて、実は中野委員からの発言の中にも行間に含まれていたかと思うんです。学術システム研究センターとしては、科研費改革2028に向けた審査制度の改革の一環として、そういった種目変更も含めたシミュレーションみたいなことも実際にやり始めているところですので、ぜひ研究費部会のほうでも、ここの部分の具体化が必要なんだということを、委員の先生方、御認識いただけて議論が進めばと思います。
すみません、長くなりました。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。事務局に回す前に、ちょっと私も一言言わせてください。
やはりこの辺り、改革する時期に来ているというのは、まさしくそのとおりだと思います。ただ、事務局から整理して説明いただいたのですがその上限額をどうするのかということと幅をどうするのかということと、あと、種目間の関係をどうするのか、といった論点整理が必要です。また、基盤(C)については既に議論がありますように、分野と研究ステージにおいてかなり異質性が高いというか、多様な状況にあることも確かだというふうに感じています。
そういう意味で、上限額や支給額についていかに柔軟に設定できるかは、国際的に為替レートとの関係も含めて、制度改革の優先順位はどこかで決めながら、議論をすすめることが重要ではないかなというふうに思います。
あと1点、審査のほうから言うと、今、リテラシーという話があったんですけれども、かなり小さく細かく制度ができていると、かえって敵が見えやすい状況でもあるんですね。そこで範囲が広くなると、やはり審査するほうも大変になるかもしれない。応募するほうも申請する相手はだれだということにもなりますので、この辺りはちょっと考えどころかなと思います。先生方の御意見とかお知恵を聞きながら進めさせていただくのがいいかなと思っています。感想ですけれども、よろしくお願いします。
では、事務局のほうよろしくどうぞ、いかがでしょうか。
【松本企画室長】
先生方、いろんな意見、ありがとうございました。
この課題については、非常に考えないといけない要素も多く、なかなか一筋縄ではいかない部分があるので、特に本日はいろんな意見をお聞きできてよかったと思っています。
今後、いただいた意見を基に、当然JSPSともよく相談しながら、次回以降に向けて整理をさせていただいて、少しずつでもいいので、案というか方向性を詰めていければと思っている段階です。
個別の先生方の意見にそれぞれお答えできるものがまだないので、大変恐縮ですけれども、かつて、20年度に研究期間を少し延ばしたとき、20年度の公募で2年から4年を3年から5年にしたときもかなりな議論があり、一部の分野の人からすると、安定的にという部分が結構強くて延ばしてほしいという意見がありました。逆に、特に生物系のある程度お金が必要な分野では、上限額を上げずに延伸すると単純に年間の単価が下がってしまうので大反対だったわけです。結果的には3年から5年と何とか落ち着けたという印象を持っています。
分野間の問題もかなりあると思いますし、上限額とか重複とか応募件数の動向とか、複合的に絡み合っているのでかなり難しい問題で、我々も結構頭を悩ませているところもありますので、これに関しては、本当に先生方の御意見を聞きながら、JSPSとも相談しながら、少しずつ方向性をお示しできるようにしたいと思っています。
以上です。
【白波瀬部会長】
大変ありがとうございます。
一筋縄でいかないことはわかっているのだけれど、少しでも進めていければと思います。本委員会の先生方は、本当にお知恵と経験がたくさんおありになりますし、一歩でも進めることができればいいなと思います。事務局もよろしくお願いいたします。
では、次の議題に移りたいと思います。資料7に基づきまして、令和6年度予算執行調査の結果を受けた対応につきまして、事務局より報告をお願いいたします。
室長、お願いします。
【松本企画室長】
資料7に基づいて、これは御報告です。
財務省の令和6年度予算執行調査において、科研費だけではないんですけれども、科研費等によって購入された研究機器の使用実態等が調査事案として選定されまして、研究機器の購入前に利用可能な共用機器がないか確認を徹底させるとか、事業によっては研究機器の共用化を採点の加点要素とするべきだということが記載されています。
今後、これは決まったわけではないんですけれども、一応こういうものが打ち出されていますので、波及してくることが考えられ、調査結果を踏まえた対応が求められ得るかとも考えていますので、今回、状況として御報告をさせていただくということでございます。
調査の内容についてはこちらの資料に書かれているとおりですので、実態としては使用頻度が低い研究機器があるんではないかとか、共用機器が身近にあれば買う必要がなかった事例も見られるとか、そういったところから共用化は引き続き進めていくべきだということになってございます。
以上でございます。
【白波瀬部会長】
ありがとうございます。
これにつきましては、まずは事務局からの現状の報告と理解いたしましたので、具体的な検討が済んだ段階で本部会でも議論を進めたいと思います。ありがとうございました。
では、本日は、委員の皆様に本当に活発な御議論、大変貴重な御意見、誠にありがとうございました。一言でも二言でも言い足らなかったという先生、私が遅れてきちゃったので、すごく焦っちゃってあれなんですけれども、もし一言、ぜひ言いたいという人がいらっしゃいましたら、どうぞ御発言よろしいでしょうか。
では、ありがとうございます。最後に、事務局より連絡事項をお願いいたします。
【梅﨑企画室長補佐】
本日も活発な御議論、ありがとうございました。
本日の議事録につきましては、冒頭の非公開議題を除き、各委員に御確認をいただいた上で公開をさせていただきます。
また、次回の研究費部会につきましては、日程調整後に御案内いたしますので、引き続きよろしくお願いします。
【白波瀬部会長】
では、本日の会議はこれで終了いたします。どうもありがとうございました。失礼いたします。
―― 了 ――
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