第11期研究費部会(第5回) 議事録

1.日時

令和4年5月13日(金曜日)15時30分~17時00分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 若手研究者支援の改善・充実について
  2. 科研費制度改善の進捗等について
  3. その他

4.出席者

委員

大野委員、白波瀬委員、仲委員、福田委員、井関委員、上田委員、大竹委員、尾辻委員、川端委員、城山委員、中野委員、中村委員、山本委員、加藤委員、速水委員

文部科学省

永田学術研究推進課長、高見沢学術研究推進課企画室長、吉田学術研究推進課企画室室長補佐、他関係官

オブザーバー

大野独立行政法人日本学術振興会システム研究センター所長、岸本独立行政法人日本学術振興会学術システム研究センター副所長

5.議事録

【大野部会長】  
それでは、時間となりましたので、ただいまより第11期第5回の研究費部会を開催いたします。
まず、事務局に人事異動があったということですので、御紹介いただければと思います。
【吉田企画室長補佐】  
事務局に人事異動がございましたので、御紹介をさせていただきます。
本年4月1日付でございますが、研究振興局振興企画課長に着任されました、仙波秀志課長でございます。
【仙波振興企画課長】  
よろしくお願いいたします。
【大野部会長】  
よろしくお願いします。
本日は前回に引き続き、「若手研究者支援の改善・充実について」を中心に議論を行います。また、「科研費制度改善の進捗等について」も御報告いただきたいと思います。
それでは、次に、事務局からまず配付資料の確認と、オンライン会議の注意事項の説明をお願いいたします。
【吉田企画室長補佐】  
資料につきましては、事前にお送りさせていただきましたファイルを御参照いただければと思います。
本日は、オンライン会議となります。事前にお送りした注意事項について御説明をさせていただきます。
まず、音声の安定のため、発言時を除き、常時マイクをオフにしてください。部会長も含め、メイン席の方は常時ビデオをオンに、その他の方は常時ビデオをオフにしてください。発言される場合は手を挙げるボタンを押してください。部会長が指名されますので、ミュートを解除、マイクをオンにして、その都度お名前を御発言いただくとともに、オンラインでも聞き取りやすいよう、はっきりと御発言をいただければと思います。また、資料を御参照の場合は、資料番号、ページ番号などを分かりやすくお示しいただければ幸いです。
最後にトラブル等発生した場合には、電話にて事務局まで御連絡いただければと思います。
以上でございます。
【大野部会長】  
ありがとうございました。
それでは、初めの議題に入ります。若手研究者支援の改善・充実に関し、日本学術振興会において特別研究員制度の改革に関する検討が進められています。本日はその検討状況について日本学術振興会より御報告いただき、その後、科研費による特別研究員に対する支援の在り方について自由に意見交換を行っていただきたいと思います。
それでは、まず、日本学術振興会から御説明をお願いいたします。

(1)若手研究者支援の改善・充実について

【河野日本学術振興会人材育成事業部長(兼)研究事業部長】  
こちら、日本学術振興会人材育成事業部長をしております河野と申します。それでは、本日、資料に基づきまして御説明させていただきます。
お手元の資料の3ページから始まります資料でございます。4ページ目をおめくりいただければと思います。特別研究員制度の改革についてということで、日本学術振興会がまとめた資料でございます。上段に記載してございます内容は、我が国の研究力の相対的・長期的な低下というような現状があるというところでございます。また、国内に目を向けると、大学院博士課程後期への進学率の減少傾向というところ、また、そういった影響が我が国全体の競争力の低下につながりかねない重要な課題であると認識をしてございます。
そういった課題解決に向けてこれまで以上に貢献していくため、特別研究員制度について、これまで培ってきた事業の強み・特徴を生かして、さらなる制度の改善・充実を図るという目的で今回の取りまとめをしてございます。
今回の取りまとめに当たりましては、本会の学術システム研究センターの有識者の先生方からなるワーキンググループで議論をしていただきました。その内容を踏まえまして、振興会として取りまとめたものでございます。
特別研究員制度の意義と重要性というところでございますが、これは先生方御存じのとおり、特別研究員の制度は長くやってございますが、いわゆる優秀な研究者の登竜門と振興会としても自負しているところでございます。この制度の特徴としましては、いわゆる全国の、どういった機関というか大学でも、あらゆる分野、人文科学から社会科学、または自然科学を含めて、あらゆる分野の若手研究者を対象にした制度というところでございます。そういった申請者に対して厳正な審査を行った上で、採用者を選定してございます。晴れて採用された以降は、申請者の自主的な研究計画、自律的な研究遂行ができるという大きな特徴を有しているところでございます。
特別研究員を終えた方々については、研究者を目指すというところでございますが、8割以上の方が常勤の研究職に就職しているというような結果も出てございます。そういった意味で、振興会としても、我が国の研究者養成の中核の事業であると考えているところでございます。
今回の改革に当たっての基本方針ということで、四角のポツ3点ほど書かせていただいてございます。この中で、振興会として総力を結集して、と書いてございます。何を改善するかというと、制度・予算両面から不断の改革を実行していくということで考えてございます。
2つ目のポツでございますけれども、特別研究員の自主的・自律的に研究に挑戦できるという制度の特性は、やはり守るべき点かと思っております。その上で、特別研究員に採用された方々が誇りを持っていただくというところと併せて、研究を行うに当たって実際の生活というのもございますので、そういったところに不安、心配なく研究に邁進していけるような制度の魅力を高めていくというところを重視してございます。
また、3点目でございますけれども、研究者の様々な態様に応じた支援ということでございますが、特別研究員というのは、それぞれのステージに応じた支援をしてございます。特別研究員-DCというのは大学院博士課程、PDというのはいわゆるポスドクの方々を対象とし、RPDというのは出産・育児等を経て研究を中断したような方々にもリスタートということでチャンスがあります。また、CPDというのは、長期に海外での研究を行えるような制度です。こういった若手研究者支援を、振興会としてはそれぞれの特性を生かして積極的に推進するというのが基本方針でございます。
この制度改革に係る具体的な改革の事項としまして、一番最後になりますが、自立支援の充実というところでございます。現状、課題のところで書いてございますが、これは先生方、研究現場のほうでよく感じていらっしゃるところもあるかと思います。例えば、学部卒業、または修士を卒業した後に企業に就職した研究者の方は給与が出るわけですが、そういった方々の給与額と並べてみて、支給額が低い。いわゆる特別研究員の研究奨励金という支援をしておるわけですが、それは民間の給与と比べて支給額が低いというところ。また、諸外国と比べても、いわゆる後期課程の学生への支援、ポスドクの支援というところで、日本と外国を比較しても十分とは言えない。結果、低いのではないかというようなところ。また、そういった点が優秀な若手研究者を支援するという、この特別研究員制度の魅力の低下につながっているのではないか。制度が始まってからは特別研究員という制度は、ある程度ステータス等あったというところでございますが、近年同様の支援と、また、諸外国の支援と比べると少し見劣りしているというような状況があるのではないかというようなことです。
それを踏まえて、今後の改革の方策、方向性としましては、やはり経済的支援というのを充実させていかなければいけないのではないかということで、(1)番のほうに書いてございます。それと(2)番でございますが、これまでの特別研究員というのは、研究に専念するというところを重視してございまして、他の支援との重複制限というのをしてございました。そういったものを少し緩めるというか、緩和の方向を進めることによって、収入の増加、そういったところで研究をさらに進めるというようなことができれば、そういった制度改革も検討を進めていくべきではないかと、そういったのが2点目でございます。
次の5ページ目をお願いいたします。この改革の方向性としてもう1点ございまして、グローバル化支援の充実というところでございます。現状・課題のところで書いてございますが、特別研究員制度では海外での研さんを推奨しているわけでございますけれども、どのくらいのニーズがあるかというところをアンケートで調べてみたところ、やはり海外の研究機関で研究するための支援の充実というところ、また、海外研さん機会の獲得に係る大きなニーズと重要性が確認されたというところでございます。
ただし、近年の海外渡航の状況等を踏まえますと、時間的、金銭的問題から必要とする期間の渡航ができていないというようなところ。また、そういったことで国内にとどまっているというような状況でございました。そういったことの改善のために、今後、振興会としましても、積極的に取り組んでいく必要があるのではないかというような現状認識でございます。
それに対して、今後の改革の方策・方向性として、3点ほど記載してございます。(1)のところでございますが、海外研さんを後押しする枠組みの構築というところでございます。採用者の方が海外研さんを実際に行けるような形での支援の充実を強力に推進するということでございます。その中で、アンケートでもございますが、海外での研究活動を希望する採用者に対して、生活費、また、既存の研究費を圧迫しない形で、海外研さんを後押しする枠組みの構築を推進するというところです。
(2)としまして、いわゆるCPD、海外で研究を進めるというところで、拠点を海外に移して研究に専念するのを支援する制度がございますけれども、このCPD制度のさらなる拡充を図ることで、世界レベルでの活躍ができる人材育成を積極に推進するというところです。
3点目でございますが、研究費部会でこれまでもいろいろ御議論いただいているところですが、科研費による支援の充実というところをさらに進めるということでございます。現在、特別研究員には特別研究員奨励費という科研費が交付されてございます。そういった中で、先ほどのアンケートの内容でもございました、海外研究機関で研究するための支援額の充実と基金化というような方向性があれば、さらに後押しが可能ではないかというようなことを記載してございます。また、海外に派遣された研究員を起点に、国際ネットワークの構築支援というところも期待できるというところでございます。
最後に、特別研究員の魅力向上というところでございます。特別研究員、特にPDの改善というところでございます。現状・課題のところで記載してございますが、現在、特別研究員というのは雇用というわけではなくて、社会的にはっきりとした身分の位置づけもないというような受け止めもございます。そういった中で、いわゆる社会生活の様々な場面においての不便な状況というのが課題としてございました。ある程度振興会で制度上対応できるところとしまして、採用証明書の発行、または特別研究員の研究中の事故とかそういったものの傷害保険等への加入という対応を図ってまいりましたけれども、さらにもう少し踏み込んだ形での問題の解決、改善に向けた取組があるんではないかというところで記載してございます。
改革の方向性としましては、特に特別研究員は、我が国の研究者の、ポスドクのトップ層であるという、そういったところで社会的にさらに魅力あるものとするため、受入研究機関での研究環境の実態把握を進めつつ、様々な制度改善、改革について検討を進めていくというところでございます。
これまで説明した内容につきましては、それぞれのエビデンスを今回、資料としておつけさせていただいてございます。簡単に中身を説明します。
6ページ目、これは特別研究員制度の概要で、先ほど説明したようにDCからCPDまでどういった対象者、または採用期間、研究奨励金、科研費の申請額なのか、というところでまとめてございます。
次の7ページ目をお願いいたします。これも特別研究員制度の概要でございます。もう既に御存じの先生方もいらっしゃると思います。御覧いただきたいのが、先ほど申し上げました特別研究員の常勤職の就職状況というのは、ここの数字の赤囲みでございます。それと下のグラフでございますけれども、科研費の、いわゆるPDの方々は、特別研究員奨励費だけではなくて他の研究種目にも申請ができます。特別研究員の方々と、一般の研究者の方々も含めた種目全体の採択率の比較をしてございまして、オレンジ色が特別研究員の方の採択率、水色のところが一般の採択率で、有意に特別研究員のほうが採択率が高いというような状況でございます。
次の8ページ目を御覧いただければと思います。これは研究奨励金と民間の研究者の方の給与の比較がどうなのかというのを、先ほども御説明をしましたが、オレンジ色のところが民間の方、修士課程修了の新卒研究者の初任給というところです。水色の一番下の棒1本のところですが、DCは月額20万というところで、これまで変わっていなかったということでございます。PDについては36万2,000円と変わっていないというところでございます。
9ページ目でございます。欧米の主な博士課程学生の支援の状況というところで、米国NIH、NSF、または英国での支援ということで、これはどのくらいの額かというところで記載してございますが、ちょっと最近、換算レートが若干円安のほうに振れてございますので、差はさらに拡大しているというような状況でございます。
それと10ページ目でございますが、キャリアパスに関する意識というところで、修士課程修了者の進学率というのが年々下がってきているというようなところ。次の11ページ目でございますが、特別研究員-DC採用者のうち、将来、民間企業を目指す者は、その理由として雇用の安定や収入を挙げているというようなところです。
次の12ページでは、海外での研究経験の重要性。ここの上段の比較ですけれども、被引用Top10%論文割合のところで、緑色の一番上のグラフが特別研究員-PDの中での海外経験、渡航の経験がある方のTop10%論文の割合で、一番下のところが日本全体の平均ということで、特別研究員の渡航経験者は、かなり高い割合が、Top10%論文を取っているというようなところでございます。
それと13ページ目でございますが、若手研究者養成事業への期待というところで、アンケートを取った結果でございます。
それと14ページ目、特別研究員の海外渡航の状況ということで、昨今のコロナ等の影響によりまして、それぞれDC、PD、RPDが令和2年度、令和3年度、かなり渡航した割合が低くなっているという状況です。
それと15ページ目が、海外研さんに係る希望と実態ということで、特別研究員の海外渡航は、自身が必要とする期間より短いと感じる者が多く、理由として、時間的余裕がない、資金的な問題があるというようなアンケート結果でございました。
こういった振興会としての制度改革の取りまとめを基に、改善を図っていきたいというところでございますので、先生方の御支援、御協力のほうお願いしたいと思います。
御説明は以上でございます。
【大野部会長】  
ありがとうございました。
続いて事務局より、若手研究者支援の改善・充実について御説明お願いします。
【高見沢企画室長】  
失礼いたします。それでは、資料の1-2、16ページからの資料になりますけれども、説明させていただきたいと思います。
まず、17ページのところですけれども、こちらは前回の本部会において御議論いただいた主な意見をまとめたものです。特別研究員制度そのものと、あとは科研費、特別研究員奨励費に対する御意見等幾つか出されたところですけれども、特に科研費への支援という点で、赤い文字で強調しておりますけれども、2点ほど御意見が出ていたかと思います。
まず、1点目は上から2番目の丸ですけれども、国際的な研究活動の奨励、それをしていってはどうかという御意見。それから、3番目の丸ですけれども、科研費の使い勝手の柔軟さというものをもっと取り入れていく必要があるんではないかという御意見があったかと思います。
18ページを御覧いただきたいと思いますけれども、こちらは博士人材データベースの中にありました意識調査の概要をピックアップしたものですけれども、博士課程を修了した方がDCのときに、どういうことをもっと経験しておくべきだったかという質問に対する回答が左側にございます。もっと経験しておくべきだったという経験として高いのは、やはり異分野研究者との交流ですとか、研究関係者との交流といったところ。これは一生懸命やったんだけど、もっとやればよかったなというような御意見だったと記憶しております。
一方で下から4番目のところ、語学向上カリキュラム、語学のカリキュラムというのをもっと経験しておくべきだったというようなことが出ていまして、これは実際にDCの間にあまりできなかったんでやっておけばよかったというようなことで最多になっているデータであります。
それから、職業選択の際にどういった観点で今の就職先を選んだのかということの質問が右側にございます。セクターごとに色が違っておりますけれども、大学に就職された方、一番多い青色の棒グラフになりますけれども、大学の就職で最も重視した点というのが、やはり研究を続けられるとか、研究の自由度が高いといったところを重視して大学に就職されたということでして、こういった観点を特別研究員奨励費の中でエンカレッジしていくということが重要かと思います。
それから、19ページ、こちらは先ほど河野部長からも御説明ありましたけれども、海外に渡航した特別研究員の割合のデータですけれども、現時点でDCの場合は大体14%、PDの場合は17%程度の方が1か月以上海外渡航を経験されているというデータが出ておりまして、またあわせて、例えば真ん中のDCの合計のところ、現在14.4%ですけれども、これは平成29年度から順次拡大傾向にあります。実は海外渡航の期間というものを平成30年度に緩和しておりますので、緩和の効果もあって延びているというふうに考えられます。こういったところで制度的な緩和ということも特別研究員のエンカレッジには必要であろうというふうに考えております。
それから、20ページですけれども、こちらは先ほどグラフで出されていたPDの科研費の応募採択の状況を少し細かいデータとしてお示しさせていただいています。詳細は御覧いただければと思いますけれども、例えば、真ん中にあります基盤Cのところ、令和3年度の公募では採択件数が22件と出ておりますけれども、応募が38件でしたので、採択率が約58%ということで、基盤C全体で見れば28.2%、一番下の欄ですけれども、その水準ですので、特別研究員、PDの採択率というのは高いという状況が出ております。同様の傾向は、他の種目でも見て取れるかと思います。括弧書きの採択率と、一番下の参考値を御覧いただいて比較していただければと思います。
そういった中で、現在、政府の方針がどのように動いているのかということをまとめたのが21ページ以降であります。21ページのところは、科学技術イノベーション基本計画の特別研究員、若手研究者支援に関連する部分を抜粋しているものですけれども、まず、独立した研究者となるための挑戦、これに踏み出せるようなシステム構築が必要だという指摘と、あわせて知の創出と活用を最大化するための競争的研究資金の改革を進めるということが大きな方針として出されております。
これに対して、22ページですけれども、令和5年度の概算要求に向けてというような議論の中で、第5回の経済財政諮問会議、先月27日に開催された会議におきまして、文部科学大臣のほうから提出した資料を抜粋しておりますけれども、緑色の枠で囲ってある部分、上から2番目の青いバーで書かれていますけれども、科学技術立国の実現に向けて若手研究者の活躍を促進していくというものが大きな柱の1つとして取り上げられております。
菱形の印が付いてあるところを御覧いただきますと、創発的な研究に専念するための資金・環境の確保ですとか、あるいは国際共同研究の強化といったもので、未来のアカデミアを牽引する若手研究者の飛躍を支援していくということが大きな方針の1つとして、現在検討が進められているという状況でございます。
今、御説明した内容が少しイメージ的に示されているのが23ページでございまして、若手研究者が、DC、PDからPIとして自立して第一線の研究者に成長していく、日本の研究を牽引していく立場になられるという大きな流れの中で、やはり入り口に当たります特別研究員の活躍を支援するということ、それから、研究者として独立した中で、科研費の支援、それと併せて緑色の矢印で書いていますけれども、創発的研究支援事業という形で、例えば長期的に時間を研究に割いて、研究に専念できる環境を構築する。あるいは、科研費でいえば、下の紫色の矢印ですけれども、国際先導研究、これは現在公募しておりますけれども、トップレベルの研究チームによる、海外との共同研究を支援するプログラムですけれども、その中にはポスドク、それから博士課程学生の長期派遣を組み入れた計画を提案していただくことにしていますので、そういった取組の中で、若手の長期の海外派遣といったものを組み合わせて、さらなる飛躍を支援していくということを現在検討しているところです。
これらの状況を踏まえまして、本日、御意見いただきたいペーパーとして24ページを御用意いたしました。特別研究員全体の議論ということでございますけれども、ここで取り上げているのは、特に科研費支援の充実の方向性ということでまとめさせていただいています。特別研究員の研究力、現時点で非常に高いんですけれども、それを伸ばしていくということが、我が国の研究力の向上にとって不可欠であると。そういった考え方の中で、どういったことを通じて、特別研究員の活躍を、3点ほど方向性の案を出させていただいております。
下の赤囲みのところですけれども、まず1点目、御意見にもありました、海外での研究経験の奨励といったところですけれども、現在、科研費の中で該当するような種目としては、国際共同研究加速基金という、これはもう基金化されているものですけれども、そういった枠組みがございますので、例えばですけれども、特別研究員の支援経費を加速基金に位置づけるなどをして、国内外での科研費の柔軟な使用を可能にしていくという方向性はどうだろうかという点が1点ございます。
それから、2番目ですけれども、特別研究員が独立した研究者に挑戦していくという中で、一定程度ポスドクから常勤の研究者に採用されるまでの間、途切れる場合がございます。そういった採用後、一定期間、間があいてしまう場合もありますけれども、一定期間内に研究機関で採用されたような場合には、そのまま研究活動のスタートアップ支援を付加すると、別途支援するというような形で、採用後の入り口まで含めた科研費での支援ということが考えられないだろうかということが2点目です。
それから、3番目の充実の方向性としては、現在、先ほど申し上げたように特別研究員のPDのほうについては重複公募制限が緩和されておって、かなり高い採択率で研究がなされているという状況ですけれども、これを特別研究員のDCのほうに対しても緩和していくということはどうだろうかということで、3点目、充実の方向性を出させていただいております。
このあたりについて御意見頂戴できればと思っております。説明は以上です。
【大野部会長】  
どうもありがとうございました。
それでは、ここまでにいただいた説明に対して御意見、あるいは御質問がありましたらばお願いいたします。いかがでしょうか。全員のお顔が見えないので、手を挙げて……、仲先生、お願いします。
【仲委員】  
すみません、求められている今のページの3つの御質問に関してということではないんですけれども、よろしいでしょうか。
【大野部会長】  
はい、広く御意見をいただければと思います。
【仲委員】  
2つありまして、1つは国際的な活躍を支援するということに関してなんですけれども、例えば、DCですと、月額20万ということになっています。一方で、NSFなどの経費というと年間322万とか442万とかそれぐらいの金額になっていて、これは例えば日本のDCの学生が、例えば、アメリカに行って研究生活をしようというときに、あまりにも足りないのではないか。そもそも400万ぐらいは期待されるところで、それに関してまたさらに渡航費とかもあるということを考えると、大変少ないんじゃないかというところが1つです。この経費をどうするか。もちろんアメリカに行くのではなく、東南アジアに行かれるという学生さんもあると思いますから一概には言えないんですけれども、それが1つです。
もう一つは、このPDって、私の理解ですと雇用ではなくて、お金をもらってPDとして生活するということになっていると思うんですけれども、兼業が緩和されるというのは大変いい、講演をするとか、医療の活動ができるとか、そういうことは大変いいと思うんですけれども、雇用ではない。本当はやはりり学振で雇用するというふうにすれば雇用保険も確保できるし、いいんじゃないかというふうに思うんですが、これ、どうなんでしょうという、2点です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。海外研鑽をエンカレッジしようとしたときに、支給するお金の差額が不足するという点と、雇用ではないという点はずっと以前から話題になってきていますけれども、その点を、まずはお答えいただけますか。
【河野日本学術振興会人材育成事業部長(兼)研究事業部長】  
日本学術振興会、河野でございます。仲先生、御質問ありがとうございます。 
2点ございまして、1点目、日本の特別研究員月額20万、NSFは、年間ですけれども440万程度というようなことで、米国に限らず、研究するためには生活費という面では非常に大変なのではないか。研究費としても併せて必要なんじゃないかという御質問についてでございます。振興会の特別研究員制度につきましては、研究奨励金、いわゆる生活費として20万を支給してございます。それに加えて科研費、特別研究員奨励費として、申請額は150万以内ですが、採択になった場合は100万とか80万とか、それぞれ申請額に応じて科研費をお渡ししているところでございます。
科研費については、使途制限等、特にこちらで決めているわけではなくて、例えば海外での旅費にも使うことが可能でございます。ただ、実際1年間海外に行くとなるとそれなりの金額が必要となってございますので、研究費を丸々旅費だけに使ってしまうと、今度は研究費がなくなってしまう、また生活費もどうするんだというところでございます。そういった面で、今回の振興会の特別研究員制度改革のまとめに当たりまして、グローバル化支援の充実というところで記載をさせていただいてございます。海外研さんを積極的に後押しする枠組みの構築というところも課題であり、今後の改善点であろうというふうに理解してございます。
それが1点目の質問の回答でございまして、2点目、PDについては、生活環境を含めて、雇用ではないというのが非常にネックではないかという御質問かと思っております。こちらとしては特別研究員、研究を進めていただきたいというところで、研究専念義務というところでお願いしているところでございますけれども、かえってそれは生活ができないような状況での研究遂行というのはどうなのかというような御懸念、または民間の会社員の方でしたら、雇用保険なり年金なりそういったものがある程度保障がされる。PDは研究に専念するためにある程度の支援はされている一方、そういった生活保障の面で少しデメリットというか、そのように見られる可能性がある。特別研究員制度につきましては、これまでいわゆる研究を奨励するということで支援をしてございます。雇用というところには、これまで制度としてはまだ踏み込んでいないところでございます。そういった面で、今回の振興会での取りまとめの中にも、特別研究員の魅力向上というところで、引き続き制度の充実・強化といったところで検討を進めていきたいというところでまとめていたところでございます。
御質問の回答になっているかちょっと申し訳ありませんが、現状このように考えてございます。以上でございます。
【仲委員】  
分かりました。どうもありがとうございました。
【大野部会長】  
ぜひその方向で進めていただければと思いますし、スピードが重要に思います。これを現実のものとしようとすると、ほかのプログラムなども充実してきていますから、一、二年のうちに形にしないと、グローバルであったり、あるいは特別研究員の魅力などが減っていってしまうのではないかと危惧される状況も、今、出ているんじゃないかと私自身思っています。ありがとうございます。
たくさん手が挙がっておられますので、尾辻委員、お願いいたします。
【尾辻委員】  
ありがとうございます。今御説明いただいた、仲先生からのコメントにも重なるところがございますが、3点ございます。
まず8ページのところで、特別研究員、DC、PDが民間研究員との給与水準の格差が、今回初めてあからさまにつまびらかになったということで、PDの待遇の改善については前々からよく言われていましたけれども、やはりこうやって見ると、博士課程のDCの学生さんが、生涯賃金等、これは学費ももちろん入ってきますから、さらに格差が広がるわけです。ですので、まず当面限られた財源の中でぜひお願いしたいのは、他の国費との、ほかにいろいろ卓越大学院とかいろんなスカラーも含めて、他の国費との重複受給の制限をぜひ大幅に緩和いただきたいというのが第1点です。
そうすることによって、海外の博士課程の学生さんの給付金額に少しでも近づくことが、これ、学振の特別研究員制度だけに頼ってはなかなか難しいだろうという、そういう見通しの下での代替策としては、ぜひ早期に御検討いただきたいというのが1点です。
2点目につきましては、私も12ページのところで、やはりTop10%論文等の海外経験の特別研究員の比率が圧倒的に高いことを見ますと、何としても国際的な共同研究の経験をたくさん積む機会を支援したいと。それは14ページのところで、コロナウイルスが出る前に、特にDCの学生さんが、海外渡航の状況が改善している計画は非常に出ているんです。私、今日の説明を聞いておりまして1つ腑に落ちたのは、DCもPDも競争的な申請で採択に至ったと。ですから、特別研究員奨励費も、これは競争的な科研費制度の資金制度であると。そういうことを考えると、国際共同研究強化加速基金を、例えばそういった特別研究員奨励費を受給している方に、今の基盤Bに対する特別研究員加速基金のAを給付するのと同じように、大胆に発動いただくような枠組みをつくっていただけないかと。
例えば、1年間欧米に滞在しようとすると、恐らく月額の先ほど言った格差の分を含めて考えると、1,000万ではまだ不足すると思うんです。ですから、最大2,000万の枠組みをうまく柔軟に、海外渡航共同研究滞在等に、特別研究員が活用できる道を開いていただくことはぜひ御検討いただきたい。
それから、最後ですけれども、身分です。雇用することが、学振としては現状の制度ではほとんど難しいということは、私も学振に長く携わってきて認識しているんですけれども、例えば、採用された機関、ほとんどが大学ですけれども、そちらに委嘱するような形で、そちらの組織に身分を付与いただいて、その予算的な支援は、文科省、学振のほうでやるというような、何か知恵を出してぜひ積極的に御検討いただきたいと思います。以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。
お答えいただく前に、まず全ての委員の皆様からの御質問を受けたいと思います。いろいろアイデアもいただいており、ありがとうございます。
それでは、続きまして、山本委員、お願いいたします。
【山本委員】  
山本でございます。2点くらいあるのですが、1つは13ページのスタティスティックス、つまり制度に対する期待なんですけど、これはその右のところを見ると、割とシニアというか、例えば振興会賞取られた方とか、そういう方に対するアンケートになっていますね。つまり少し成功した人たちの意見なんですよ。私はやはり、学生というか若手そのものの生の意見を聞かないと、方向性を見誤る可能性はないかと思います。こういうスタティスティックスというのは非常に説得力があるだけに、ひとり歩きすると、そのバックグラウンドになっているデータベースが忘れ去られて結果だけを見てしまうので、ここはちょっと気をつけられたほうがいいかなと思います。私は、若い方に聞くと随分変わるような気がします。それが1つ。
それからもう一つは、尾辻先生がおっしゃったことはそのとおりでございまして、私も学内でもいろいろやっている関係で、重複の受給、他の国費との重複の支給というのはいいかなとも思います。ただ一方で、格差が非常に開くことになります。もらえる人は大抵みんなもらえます。もらえない人は全然もらえないということが起こりますので、そこのところをどう考えるかということを考えていかないといけないかなと私は思っています。方向としては賛成なんですけれども、それと同時に、やはり全体の底上げ支援をしないといけないかなというふうに思っています。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。重要な視点ですね。
続きまして、川端委員、お願いいたします。
【川端委員】  
ありがとうございます。川端です。私のほうから何点か。
1点目は、まず先ほど出ました雇用の話に関しては、JSTだとか、それから、科技の審議会のほうでも、ポスドクの雇用をどうするのかという。特に学振だとかの採用に関して、大学側がどうそれを受け取るのかというところがかなり議論がされて、さらに進んだのかなと思ったらそうでもなかったんだというのが今日分かって。特にこれは雇用の不安定性と同時に、やっぱり学振の研究者が大学の中で孤立化する。要するにいろんなネットワークの中に入れてもらえないという世界があるんで、その辺に関しても含めて、ぜひ早急なちょっと考えをやっていただければと思います。
2つ目は、24ページの出していただいた3つのポイントという、学振特別研究員に関する科研費支援の話なんですけれども、大きい意味では、これが本当に科研費支援のお金で賄うべきものなのかどうか。要するに、若手を採用したら、それ用の結納金みたいなものをくっつけますよみたいな、こういう話というのをやればやるほど、ある程度のボリュームが必要になればなるほど資金というのはやっぱり一定なんで、そうすると採択する件数を減らすなり何なりという話にどうしてもなるんで、そのトレードオフのところをどこまで考えるかというのは、ぜひ考えていただければと思います。
それから、3点目なんですけれども、先ほどアンケートの話が出ましたけど、私もそう思っているのは、これ、どうしても産業イノベーター型のアンケートを取っていて、実は今世の中いろんな意味で、社会イノベーターという、要するに人文社会系がどういうふうに育成されて、より展開するかということについて、例えば修業年限が理系と違っている。そういう世界の中で、学振というのはどういうふうに活用されていくのか、さらなる先が何なのかという意味で、人社系の部分を一旦切り出したようなアンケートというのもぜひ見せていただければというふうに思います。
最後は、先ほど出ましたけど、やっぱりフェローシップとかSPRINGとかという、要するにボトムアップ型のドクターに対する支援というのが起こっているんで、それとこれとの接続性であるとか切り分け方、採用の仕方だとかそういうものも含めて、明確に発信したほうがいいかなというふうに思いました。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。DCとPDは少し様子が違う可能性もありますね。ありがとうございました。
それでは、続きまして、大竹委員、お願いいたします。
【大竹委員】  
ありがとうございます。大竹でございます。
これまでの御質問と御回答でかなり済んだというか、同じ内容のところが多いのですけれども、まずもって先ほどの最初の御説明のところで誇りという言葉があって、私自身はそこは1つキーワードかなと思っています。やはり長い歴史の中で、特別研究員を受給したということが誇りになっているというのは私の身近でもそうですし、長く続いていったことですし、そこはどう守っていくのか、あるいは育てていくのかという見地で、今日お話を伺っていました。
その中で大学フェローシップ、あるいはこれまでお話ありましたように、次世代研究者挑戦プログラムが走っていっている。金額的にはもはやあまり変わらなくなっているということにすると、やはり海外研さんといったような1つのキーというのを新たに生み出していって、やはりDC1ですよね。DCに入っていくと、そういった経験を積んでいる人間であるという誇りを持って出してあげるというのは、非常に重要なところかなというふうに思います。
この今いただいたスライドですと、規模感というか、例えば、先ほど1年というお話ありましたけれども、どれぐらいの期間でどれぐらいの金額でというところは全くはっきりしていない状態だと思うのですけれども、そこはやはり山本先生のお話もありましたけれども、あまり強くなり過ぎないようにというか、差が生まれ過ぎないようにという考え方も1つかもしれませんし、ほかのプログラムもあるので、ある程度絞って集中的にやるというやり方もあると思いますので、そこの舵取りというのは今、非常に重要なところなのかなというふうに思います。私自身は後者でいいのかなというふうに思っているところでもあります。
それから、海外に送り出して、基金を使うということですから可能だと思うのですけれども、戻ってきた後に共同研究というか、行った場所と継続して研究ができるようにということで、海外に行ったときだけではなくて、戻ってからでも支援できるというところも1つネックになってくるのかなと思いますので、お考えいただければというふうに思いました。
以上でございます。
【大野部会長】  
重要なポイントありがとうございます。
それでは、中野委員、お願いいたします。
【中野委員】  
もう既にいろんな方々からの質問が出ているんで、ほとんど重複するようなところばかりなんですけれども、やはりフェローシップ、それから次世代が走り始めたというのは物すごく大きな変化で、今、アンケートを取ると違った答えが出てくるんじゃないかと思うぐらい、大きな影響があるんじゃないかと思います。
今日、企業に勤めていらっしゃる方、それから海外との比較が出てきたんですけれども、やはり額が少ない。非常に我慢して研究を続けなくちゃいけないような状況に若手が追いやられていると思います。ここでやはりフェローシップとか次世代が走ったんですから、特別研究員というのはもう少し支援額を増やすことはできないかというのが1点です。
それから、海外に送り出すというのでいろいろと新たな支援策を出されているんですけど、例えば24ページ3つ出された中で、一定期間内に研究機関で採用された場合、研究活動スタートアップ支援を行うというのは、これ、例えば海外の機関に採用された場合でも、こういう制度は可能なんでしょうか。これは質問です。もし可能じゃなかったら、それが可能であれば、さらに海外に行くというモチベーション、インセンティブが上がるんじゃないかと思います。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。御質問の回答は後でまとめてしていただければと思います。
それでは、井関委員、お願いいたします。
【井関委員】  
ありがとうございます。井関です。
引き続き、もう皆さんが大分質問しているのですけれども、私のほうから1点、24ページのところですが、採用された場合に支援を行うのはいいのですが、特別研究員採用終了後、一定期間内というのは、その間は研究機関に採用がないこともあると思います。どのような状況を想定しているのか教えてください。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。非常にこれは重要なポイントだと私も思います。
それでは、白波瀬委員、お願いいたします。
【白波瀬委員】  
よろしくお願いいたします。
これまでの先生方のご意見とも被っているんですけれども、DCに関することです。特にDCとPDが違うということなんですけど、どういうターゲットに向かって制度改革をされようとしているのかというのが見えるようで見えにくい。山本先生からも既に御指摘あったんですけれども、例えば海外研究者との共著ということなんですけど、ここでのデータの取り方から見てある意味予想できる結果とも言えます。つまり、今のDCというか、結果のほうから見るわけです。また、DCというか博士課程後期において海外に行くということと、そこでどういう形で研究を行うのかというのはもちろん分野によっても違うと思います。やはりボリュームゾーンというかな、どの層を第一のターゲットとして、サイズ感をもった支援を行うのか。ある程度の数は絞っても、中身を充実したものにするのか、この辺りは制度としても伝わりやすいことが必要だと思います。博士課程後期のところでできるだけ多くの学生をどんどん行かせてあげるということを、もしお考えであれば、ご提案よりは少し違った設計があり得るのではないかと。また、サイズ感をもった海外派遣ということになりますと、受け入れ側の体制もありますし、その双方向的な配慮をもった柔軟な制度設計をしないと、結局使い勝手が悪いものになってしまうという危険性があります。これまでに比べて、かなり進んではいると思うんですけれども、たとえば海外の機関から提供されるフェローシップ等に比べると日本の物が硬直的で使い勝手があまり良くないという声も聞こえてきます。結局のところ、学振によるPDは選択せずに他の奨励金を獲得する物が結果として多くの成果を上げるといったことがないのか、少しそのあたりの整理をしていただけるとありがたいなというふうに感じました。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございました。
続いて、上田委員、お願いいたします。
【上田委員】  
ありがとうございます。
皆さんから、若手優秀研究員をエンカレッジする議論がありましたが、私もそれについて何も異論はないのですけれど、一方で、例えば企業で、最近GAFAの影響を受けて、若手でも給与を上げる特別研究員というような制度を設けられていますが、ただそこでは一方で、結構評価を厳しくしています。もちろん研究というのは長い目で見るのですけれども、やはりエンカレッジする反面、評価も厳しさがないと、何か逆に甘えてしまってよくないので、そういう緊張感を持たせるための仕組みも制度に入れないといけないのではと思います。科研費というのは、割と自由に研究するというようなムードがあるので、評価に関しては、一旦採択されたらそれほど厳しくないような印象が、JSTのファンドに比べればあります。これは制度的に性質が違うので、それには何もアゲインストしないのですが、今回、このようにかなり収入を上げるような方向に持っていくときには、やはり原資も限られるので、どういうふうに評価するのかというような視点の議論も必要だと思います。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございました。
それでは、速水委員、お願いいたします。
【速水委員】  
金銭的なところは、皆さんから御質問があったのでちょっと違うところで、CPDの御説明のところで、金銭的とともに時間的な理由でというふうに御説明がありまして、これはどういうことかなということを伺いたいと思いまして。といいますのは、かねがね、私は人社系なんですけれども、なかなか博論を終えて、これから就職を探しながらポスドクの道を探していくという段階で、外に出て行きたがらない学生が人社系では多いように思うんです。CPDをこれから拡充されるというときに、これは今まで採択率として、CPDというのはほかの種目と比べてどれぐらい大きかったのか、小さかったのかということをちょっと伺ってみたいのとともに、拡充されるということは員数を増やすということなのか、金銭的に増やすということなのか、どういう方向性を考えていらっしゃるのか。現状の認識を私が誤っているのかということとともに教えていただければと思います。
もし時間的なということが、何か日本にいないといろいろな就職に向けて不利になってしまうという、どうもそういう傾向が人社系の学生にはあるように思えて、そこを突破して押し出していくにはどういう手があるのかなというのをいつも思うところなので、そこも含めて、もしお考えがありましたらと思います。
【大野部会長】  
ありがとうございます。
それでは、続きまして中村委員、お願いいたします。
【中村委員】  
これは全体として何をやりたいのかというのが見えてこないので、何ともコメントのしようがないという感じです。やはり前提抜きにして、どういうふうにすればいいのかということを、最初に大きなビジョンをつくって、その中で学振のDC、PDを位置づけるという、そういう議論にしていただかないと道を誤るような感じがします。
多分学振はお気づきだと思いますけど、海外からのPDが減っていること。1つの原因ははっきりしていて、中国も今や給料がすごくいいんですよね。日本にずっといい給料をもらっているポスドクはいますから、トップの人は日本に来ても良いことがないと思うことが1つ。
それから、これはゆゆしきことなんですけども、中国はすごくコンペティティブなので、日本の研究環境は生ぬるいんじゃないかとも思われているんだと思います。つまり日本に来て本当に勉強できるのかとかという疑問がトップの学生さんの中で生じているんじゃないかというふうに思います。
ポスドク給与全体を考えると、世界基準のポスドクの給料がリファレンスとしてあり、日本のポスドクの給料があって、DCがあってそういうふうな、整合性がなきゃいけないわけです。さっきNSFとかNIHを比べておられましたけど、実際に外から来ている国、中国でもヨーロッパでもいいんですけど、その給与とまず摺合わせて、PD給与をですね。そこに合わせて日本のPD給与を決めて、その中で学振のDCの給与を決める。学振のDCというのは、今、いろいろ行われている博士支援策よりもプレスティージアスである必要があるというのがコンセンサスですから、その学振DCの給与も他よりはずっと高いというような、そういう制度設計の絵を描いていただかないと、議論がちょっとできないと思います。
今は、DC、PD給与が学振の運営費交付金の中に入っているわけですね。このあたりを前提にして話したらもうどこにもいかないので、それも壊し、学生支援機構の学費免除規定との関係も含めて、全部まとめて絵をつくらないと、これはどこにも行かないんじゃないかというふうに思いました。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。どこにも行かないんじゃないかというコメントもいただきました。
【中村委員】  
というか、どこか危ないほうに行きそうですね。
【大野部会長】  
はい。ありがとうございます。
続いて、加藤委員までお話しいただいた後、全体を少し御回答いただければと思いますので、加藤委員、お願いいたします。
【加藤委員】  
加藤でございます。
先ほどの速水委員のからの質問と被りますが、海外で研究するCPD制度というのがどのくらいの活用状況かを教えていただきたいと思います。あとやはり学振の特別研究員というのは本当に誇りを持っていい身分であると私は思いますが、大学の中での位置づけというのが、大学教員でもありませんし、よりどころが研究室しかないように少し見えるところがあります。先ほどの先生方の御議論で、大学内のネットワークに入る工夫はできないかというお話もございましたが、その点も今後の検討が必要かと思います。
 以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございました。それでは、事務局、そして学振から、御質問の回答も含めて御発言いただきたいと思います。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。まず、科研費の関係で幾つか御質問いただいたと思いますので、それを現時点の状況ということで回答させていただきたいと思います。
まず、尾辻先生のほうから、国際共同研究加速基金の中の共同研究強化のAというものを競争的なアプライができるような仕組みがあるのではないかという御意見を頂戴したと思います。これについては、今後併せて検討していく必要があるかなというふうに思っているところですので、検討させていただきたいと思います。
それから、川端先生のほうから、スタートアップ経費の支援ということのトレードオフに注意していく必要があると。どこまでやるのが適切なのか、科研費としてどこまで支援するのが適切なのかという点についても併せて検討していきたいと思いますけれども、現時点でスタートアップ支援という科目を設けている中で、どの程度特別研究員から支援を受けているのかといったような実態を把握した上で、制度設計、改善の検討を進めたいと思います。
それから、中野先生のほうから、一旦海外に出た方がそのまま海外で所属するような場合、このスタートアップ支援が受けられるかどうかといった点については、その機関が科研費の管理ができる機関かどうかという点にかかってくるかなというふうに思います。一義的には完全に海外で籍を持ってそこに所属されるといった場合には、現時点ではその科研費の支給はできない状況かなというふうには思っております。
それから、井関先生のほうから同じ質問、2番目の点、一定期間というのはどれぐらいなのかという点については、まさに現在検討中でございます。そのままストレートにポスドクをずっと続けて、テニュアトラックにこられて採用される方もおられると思いますし、一旦企業に入った後に少し方向転換して、またアカデミアに戻ってくるといった、複数のキャリアパスが今後生じるかなというふうに思っております。そうしたときに、一定期間空けて支援するといったような枠組みを考える際に、どの程度の期間が必要なのかというのは、もうちょっと検討をさせていただきたいなというふうに思っております。むしろ御意見があるようでしたら、頂戴できればというふうに思っております。
私のほうからは以上です。
【大野部会長】  
それでは、河野部長からお願いいたします。
【河野日本学術振興会人材育成事業部長(兼)研究事業部長】  
振興会、河野でございます。いろいろな御質問をいただきありがとうございました。
尾辻先生からいただいた御質問でございますが、格差というようなところ、また今後の雇用に向けてというようなところ、また大学、そういった機関での雇用というような御意見もございました。この件につきましては、振興会としても、これまでも学術システム研究センターでの御議論でもいろいろ御意見いただいてございましたので、引き続きこういった件について検討を進めていきたいというふうに考えてございます。
それと山本先生からいただきました13ページのアンケートの件です。これは成功された方々の意見だということで、また、学生その他の意見も聞いてほしいということで、アンケートのやり方含めて、こちらでも様々な立場の方からアンケートを進めていくというところで、こちらのほうも対応を進めたいというふうに思っております。
また今後、受給格差という御意見もいただきました。そういったところにつきましては、やはり研究を進めるに当たって、格差というよりは、より研究をどう進めていくかという観点から、特別研究員の研究の推進というところを含めて、考えていきたいと思っております。
川端先生から、PD、特にPDですけれども、大学に行っても居場所がない、孤立化しているんじゃないかというような御意見をいただきました。その件に関しては、特別研究員制度では、PDの受入れに当たって、大学の承諾を得て、身分的な付与、例えば図書館を利用したりとかそういったときに、不便ないような形で身分的な称号を与えるとか、そういったことをお願いし、健康診断とかそういったところでもいろいろ御協力をお願いしているというところでございます。そういった意味で、引き続き受入機関につきましては、協力をお願いしていきたいと思っております。
それと併せてアンケート、これまで産業イノベーター寄りの回答というかそういった形になっていますが、人社を対象としたアンケートもしてはどうかという御意見をいただきました。これは分野を絞ってというのはこれまで振興会はあまりやってございませんので、全体の中でどういった分野の方がどういった傾向であると、そこは少し細かく見えるような形も、検討したいと思っております。
大竹先生から、誇りになっているというところが重要だというふうに御意見いただきました。大変ありがとうございました。私どもも特別研究員は非常に重要であると思っております。これからそういったものを守りつつ、また今後、差をつけるというよりは、先ほども申しましたけれども、特別研究員の優れた研究計画を進めていくという立ち位置で、今後の、例えば海外でやりたいという人たちにはさらに支援ができるような形で、支援を拡充しようと、そういった方向性を併せて研究費制度の中での支援というもので、検討していきたいというふうに思っております。
また、帰国後の支援も重要だと、まさしくそのとおりだと思います。これは振興会だけで解決できる課題ではなくて、大学、受入れ側の研究機関側の合意というか、特別研究員は非常にすばらしいというような共通認識があって初めて成立するというふうに思っております。そういったところで、より特別研究員の活動を高めていく、研究を進めていくという点から、結果的にそういったところが帰国後も受け入れていただけたというようなところも、併せてこちらとしてもさらに進めていきたいと思っております。
中野先生からの御質問でございます。海外の採用でも支援可能か。もしかしたら返事があったかもしれませんが、こういったものを、例えば海外で研究するといったときに、受入研究機関にインセンティブのようなものを与えると、日本としてもやはりやりやすいのではないか。こういった点を踏まえて制度設計する中で検討に活用したいというふうに思っております。
また、採用後一定期間の中での支援ということではございますが、採用期間を越えて、どういう支援があるかというところも併せて検討したいと思っております。
井関先生と白波瀬先生から、アンケートとか他のフェローシップと比べて使い勝手が悪いというような御意見もあったというふうにいただいてございます。これについては、採用者の方含めて、SPRING、フェローシップなどができたばかりでございますが、そことの差が実際どうなのかというのは、今後明確にあらわれてくるのではないかと思っています。そういったところを丁寧に拾い上げていきたいと思っております。
上田先生から、企業の高い給与というのは、競争が非常に厳しいところでの結果であるというところ。特別研究員も、採用率としましては2割のような状況でございます。そういったところである程度厳しい競争は経ている。民間の給与と同等か、それ以上であるというような実績を上げていただくというような方向かと思います。そういった意味での企業、民間とのバランスといったものも踏まえて、今後の給与水準、または支援水準を検討したいと思っています。
速水先生からは、CPDの期間が短いというようなところについて、どういうことでしょうかという御質問だったと思います。こちらのアンケートの中では、海外に渡航する期間は、自身が必要とする期間と比較してどうかという質問でございました。そんな中で、海外渡航する時間的余裕がないと。特にCPDについては、PD採用者の中から海外の研究機関で活動したいという方を、新たに別途公募して審査をしているという状況でございます。その中でCPDとして採用された方々は、3年間以上の長期間での海外研究機関での研究に専念するということでございまして、例えば3年間というのでは足りないとか、そういった人ももしかしたらいらっしゃるのかもしれません。また、そういった意味では3年間じゃなくて4年間、5年間という人も、ニーズとしてはあり得るのではないか、そういうふうに考えております。
中村先生、いろいろ御意見いただきましてありがとうございました。大きなビジョンというものでございますが、今の特別研究員制度につきましては、これまで長い歴史の中で研究を奨励するという立ち位置で制度設計ができてございます。そういった意味で、今後、社会の状況を見つつ、全体としてどうあるべきかという中村先生の御意見も踏まえて、また引き続き検討していきたいと思っております。
海外の状況も、こちら、海外センターがございますので、そういった調査を踏まえて対応したいというところでございます。
それと加藤先生から、CPDの状況というところでございましたが、CPDは先ほど申しましたが、PD採用者の中から新たに公募してございます。令和3年度の状況でございますと、申請が44人、各自然科学、人文学から医歯薬も含めて44人の申請があって、採用数が13人ということで、採用率29.5%という状況でございます。
振興会として、今、検討状況を踏まえてお答えできるのはこういった状況でございます。もし過不足ございましたら、また御意見いただければと思います。以上でございます。
【大野部会長】  
どうもありがとうございました。
もう一つ議題があるんですけれども、あと10分しかなくなってしまいまして申し訳ありません。
中村先生が言われた大きな観点、この制度は、最初に言われたトップクラスを育てる制度で、そこがいよいよ重要になってきました。DCの場合は環境が以前とは大きく変わりましたし、また、グローバルというところをどう入れていくのかというのは、特にPD以降は重要だと思いますし、DCのところも重要だと思います。そういうことを勘案して、ぜひ今日の皆様からいただいた御意見を踏まえて、学振と事務局で検討を進めてください。
全体のデザインの分かるような形でお話をいただけると、いろんなところでなるほど理解頂ける形になろうかと思います。どうぞよろしくお願いします。
次に行かせていただきます。次の議題ですけれども、科研費の制度改善に係る進捗や科研費制度をめぐる課題について、事務局から御説明をいただきます。予定では10分御説明いただくことになっていますが、5分弱程度でご説明いただき、その後、意見交換をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

(2)科研費制度改善の進捗等について

【高見沢企画室長】  
承知しました。簡潔に、ポイントのみ御説明させていただきます。
25ページ以降で進捗等について掲載しておりますけれども、最初の科研費改革の工程表のところについては、既にこの部会で御議論いただいてきたものの現時点での更新版ということですので、御確認をいただければと思います。
今日新たな、今後議論が必要と思われる点についてのみ触れさせていただきます。40ページですけれども、財政制度等審議会という審議会がございますけれども、そこでは財政面も含めた今後の課題ということで、特に科学技術分野に関する課題ということで4点ほど挙げられております。その具体的な資料が41ページから44ページまでございますけれども、特に科学研究、基礎的な研究というところの研究力の強化というところに関係してくる点でいきますと、42ページのあたりかなと思います。最初、論文生産性の質を高めていくという観点で、やはり国際性とか人材の流動性というのが必要であると。そこが我が国の研究活動の構造的課題になっているという点が指摘されております。国際共著論文をいかに出していけるようにするか、あるいは機関内での内部登用の慣行、こういったものも含めて構造的な課題というふうに捉えておりまして、そのボトルネックをどのように解消していくかということが課題であるという指摘でございます。
その際に、本来的に研究機関等での慣行の改善ということもあると思いますけれども、そのような取組に対して、例えば研究者支援においても重点化を図るべきではないかという指摘が出されているところでございます。
それから、次の話題としてオープンアクセスの関係、45ページ以降に掲載させていただいております。これは現時点でオープンアクセスの状況が、レポートで科政研のほうで出されておりましたので、研究費に関係する部分を抜粋しておるところでございますけれども、1点一番最後のページ、前回の議論の中で、中村委員のほうから、博士論文の公表について少し注意が必要だといったような御意見があったかと思います。事務局で確認できる範囲で資料を整理して、本日、出させていただいております。
2ポツの学位規則の改正というところ、下のほうを御覧いただければと思いますけれども、せんだって中村先生から御指摘いただいたとおり、25年4月1日から学位規則が改正され、施行されておりますけれども、現時点で論文を、これまで印刷公表していたものをインターネット利用による公表という改正が行われているという状況でして、右側の図にありますけれども、例えば、やむを得ない理由がある場合には、大学等の承認によって、インターネットによる公表を要約版のみにするといったことも手続としては可能になっております。もし全文を閲覧したいという場合には、各大学図書館において窓口で相談をした上で、その場で専用端末で閲覧のみできる、コピー等はできないといったような制限がかけられているようでございますので、こういったやむを得ない理由というところでの取組も含めて、十分な周知を図っていく必要があるかなというふうに思っております。
説明は以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。コンパクトにまとめていただきましてありがとうございます。
非常に重要な論点がたくさんあろうかと思います。今日御発言いただけなかったものに関しては、後で事務局にメールでお寄せいただければ、全体の審議の取りまとめの中に入れていきたいと思います。まずここで時間の許す限り、皆様から御質問等受けたいと思います。福田委員、お願いします。
【福田委員】  
最後の学位の博士論文の公表についてですが、東京大学での経験から言いますと、やむを得ない事由がある場合にでも要約にするケースはほとんどありませんでした。論文作成のために5年間公表を控えたとしても、論文が出た後には全部公開しろという格好にしていますので、遅くとも全てを5年後に公表するということになっているはずです。ですので、この文例を使って出さないということはほぼないんだろうと思っております。これまでは、とにかく全て出すことが基本的な姿勢であって、例えば特許を出すなどの、よっぽどのことがない限り、要約だけで出すということは多分ないのではないかと思います。従いまして、この考え方はほとんど生きていないと思いますし、中村先生が指摘された問題は依然として私は残っているんだと思っております。 以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。特許があるということで出さない、出すのを遅らせるということは、本学でも割と頻繁に行われていると理解しています。
中村委員、お願いします。
【中村委員】  
私は学位規則改正関連の委員会に出ていたときに、日本の知的財産保護のためには「世界中に無条件公開は望ましくない」と申し上げましたが、実現しませんでした。以前のとおり、許可を得た人が閲覧できる、公開はされているけど、誰が閲覧したかが分かるようにするべきだと思うんですよね。今は、垂れ流しですから。知的財産保護の潮流とは逆だと思いますね。公開はいいんですけど、見た人が何を見たのかの記録が残るようにするというふうに改正したほうがいいんじゃないかと思っています。
【大野部会長】  
ありがとうございます。
続いて、白波瀬委員、お願いします。
【白波瀬委員】  
すみません、ちょっと前回との関連で、人社系ということで発言をさせてください。
今の御報告のところで少し大きくなりますけれども、42ページのところ、研究者の国際異動という値もあります。それでやっぱり人社系ということで、そこを抜き出して調査をされるということなんですけれども、その結果、多分DC、PDのところで人社系分野のキャリア選択肢は理系に比べてもそもそも少ないので、セレクションの網を潜り抜けた物が調査の対象者となり、結果としては、全体から見ると嵩上げされた結果となる傾向が考えます。そこで、ここでも、キャリア選択については、博士学位取得者の採用といった労働市場との関係が重要だと考えています。
海外に出たくないということもあるとは思いますが、海外に出るだけのリスクを上回るインセンティブというか、要するに、メリットが国内にまだ存在している、とも解釈できます。ただ、それがこのままよいのか、今の国内労働市場が安泰なのかというとそうではありません。そこで、国際化につきましても、共著論文の在り方も含めて少し分野で異なりますので、そのあたりは設計のところとか、インセンティブを考えるときに少し考慮していただきたいと思います。残念ながら人社系は理系に比べますと、言葉の問題も含め、国際化という点で遅れをとっていると思います。以上、どうかよろしくお願いをしたいと思います。
【大野部会長】  
ありがとうございます。行きたいという人には行きやすくするようなエンカレッジする制度設計になると理解しています。分野間の違いについても、適切に制度の中に織り込んでいかなければいけないと思います。
いかがでしょうか。よろしいですか。
申し訳ありません。私の議事の不手際でぎりぎりになってしまいました。科研費の改善状況につきましては、引き続きフォローアップをしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
事務局におきましては、本日いただいた御意見、あるいはこの後、メールでいただいた御意見も含めて、引き続き取組を進めていただければと思います。
以上で、本日の審議は終了いたします。
最後に、事務局から連絡事項をお願いいたします。
【高見沢企画室長】  
今日は本当に活発な御意見をたくさん頂戴しました。ありがとうございました。
本日の議事録については、先生方に御確認いただいた上で公開させていただきたいと思っております。
また、次回の研究費部会については、後日日程調整をさせていただいた上で、改めて開催の御案内をさせていただきたいと思っております。今日はどうもありがとうございました。
【大野部会長】  
それでは、本日の会議はこれで終了いたします。皆様、活発な御意見どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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