第11期研究費部会(第6回) 議事録

1.日時

令和4年8月3日(水曜日)13時00分~15時00分

2.場所

オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 若手研究者支援の改善・充実について
  2. 研究活動の質の向上(人材流動性向上)について
  3. 基盤研究の助成の在り方について
  4. その他

4.出席者

委員

大野委員、白波瀬委員、福田委員、井関委員、上田委員、大竹委員、尾辻委員、城山委員、中野委員、中村委員、山本委員、荒井委員、速水委員

文部科学省

永田学術研究推進課長、高見沢学術研究推進課企画室長、吉田学術研究推進課企画室室長補佐、他関係官

オブザーバー

大野独立行政法人日本学術振興会システム研究センター所長、岸本独立行政法人日本学術振興会学術システム研究センター副所長

5.議事録

【大野部会長】  
皆様、こんにちは。定刻になりましたので、ただいまより第11期の第6回研究費部会を開催いたします。
本日は、前回に引き続き、若手研究者支援の改善・充実について、また、研究活動の質の向上(人材流動性向上)について、そして、基盤研究の助成の在り方について、この3点について御議論いただきたいと思います。
それではまず、事務局から、配付資料の確認と会議の注意事項についてお願いいたします。
【吉田企画室長補佐】  
事務局でございます。本日の資料につきましては、事前にメールでお送りいたしましたファイルを御参照いただければと思います。
本日もオンライン会議となります。事前にお送りした注意事項につきまして、簡単に御説明をさせていただきます。まず、音声の安定のため、発言時を除き、常時ミュート(マイクをオフ)にしてください。部会長、委員を含めメイン席の方は常時ビデオオンに、そのほかの方は常時ビデオオフにしてください。
発言される場合は、「手を挙げる」ボタンを押してください。その後、部会長が御指名されますので、ミュート解除(マイクをオン)にしていただいて、その都度お名前を発言いただくとともに、オンラインでも取りやすいよう、はっきりと御発言をお願いいたします。また、資料を御参照される際には、資料番号、ページ番号などを分かりやすくお示しください。
最後に、トラブル等が発生した場合には、お手数ですが、事務局までお電話で御連絡いただければと思います。
事務局からは以上でございます。
【大野部会長】  
どうもありがとうございました。
それでは、最初の議題に入ります。若手研究者支援の改善・充実に関し、まず事務局から御説明をお願いします。
【高見沢企画室長】  
高見沢です。それでは、若手研究者支援について、資料1を御覧いただきたいと思います。
まず、4ページのところですけれども、前回のこの部会において出された御意見を簡単に整理させていただきました。ポイントになるところは赤い文字にしています。まず特別研究員事業本体について、特にPDの雇用とか身分の安定ということについての検討が必要であるという御意見をたくさんいただきました。また、真ん中の辺りですけれども、特別研究員は「誇り」という言葉がキーワードではないだろうかと。そういったところに照らして考えれば、海外での研さんといった方向性を明確にしていくことが必要であるといった御意見を頂戴しました。
それから、下の2つですけれども、特別研究員の事業、それから、特別研究員奨励費、科研費の支援も含めて、改革の方向性を明確にしていく必要があると。前回では少し不明瞭であるということ、あるいはそもそもの問題ですけれども、人材育成の観点で大きなビジョンの中でDC、PDを位置づけるという議論が必要であるという大所高所の御意見を頂戴しておりました。人材育成の観点からは、別の委員会もございますし、文科省としても引き続き検討が必要だと考えておりますけれども、現時点において、科研費あるいは研究力の向上という観点から、特別研究員の支援あるいはその事業の改善を進める必要があるのではないかということで今回は資料をまとめさせていただいております。
5ページ、6ページの辺りは、前回の部会から現時点までの間に政府部内での文書が閣議決定されておりまして、例えば若手人材育成関係でいいますと、統合イノベーション戦略2022、経済財政運営と改革の基本方針などにおいて、博士課程学生の処遇の向上、若手の世界での活躍を支援するといったようなことが盛り込まれております。ですので、概算要求等もこれらの方針に沿って検討していく必要があるというように考えております。
また、6ページのところでは、国際共同研究関係の指摘ということで、これも政府の中できちんと対処していく必要があるだろうと。国際頭脳循環の推進、それから、我が国の研究の国際化に資する科研費改革を推進する必要があるといったようなことが盛り込まれております。このような状況を踏まえまして、本日、改善の方策について御議論いただきたいと思っております。
7ページのところには、前回もお出ししました特別研究員のデータに少し追加がございますので、改めて出させていただいております。7ページの下のところ2点です。まず下の左側ですけれども、実は「若手研究」に採択されている、現在助成を受けている研究者の方に6月にアンケート調査を行いました。その際、「若手研究」に採択されている特別研究員の方も600人弱おりまして、その方たちが海外機関での研究経験があるかどうかということをアンケートで調査したところ、大体4人に1人、142人、24%の方が海外経験を既にお持ちであるということが出てまいりました。「若手研究」の採択者全員で見ますと16%ということですので、特別研究員の中で見ると、普通の「若手研究」の平均よりは海外経験が多いと言えるかなと思いますけれども、一方で590人のうち24%というのが、現時点でこれが十分な水準かどうかといったところは議論があるかなと思います。
また、7ページの右側の下のデータですけれども、特別研究員のPDの方が採用された途中で、3年間採用期間がある中で辞退をされて研究職に就職しているという状況が分かりました。大体1,300人ぐらいの特別研究員総数のうち200名程度が途中で辞退されておるんですけれども、その辞退の理由としては研究職への就職ということで、ほとんどの方が採用途中で研究職に移られているという状況が出ております。
それから、8ページ目は、これも前回御覧いただきましたけれども、特別研究員のPDの方は科研費の重複応募ができるんですけれども、その方たちの応募採択の状況ということで、平均よりも高い採択率で採択されているという状況が出ております。
これらの状況を踏まえまして、9ページですけれども、今般の特別研究員に対する科研費支援の充実ということで、まずは改善に当たっての基本的な考え方ということを書かせていただいております。まず特別研究員は、既に御案内のとおり、自由な発想で主体的に研究課題を選んで研究に専念することができるというところが非常に重要なポイントになっておるかと思います。そこで、特別研究員はかなり高い成果を出されているということが既に分かっているところですけれども、その研究ポテンシャルをさらに引き出すことが重要であると。その一つの方策が、国際ネットワークの中で研究を発展させることができる条件を整備する、あるいは環境を整えることが重要だと考えております。また、科研費の支援という観点からすると、我が国の研究力を向上するということを前提にしますと、特別研究員の活動が最大化するような制度改善が必要であるということが、まず改善の考え方としては重要かなと思っております。
そこで今回どのような改善を進めるべきかというところについて、10ページを御覧いただきたいと思います。ポンチ絵の上半分は、特別研究員のプロセスといいますか、大学院生から若手の独立研究者に至る過程で特別研究員の支援があるということを示しておりますけれども、その特別研究員の支援をどのようにするかという点。
まず本体としては、将来の展望を持って研究に専念できるようにするということが非常に重要ですので、その観点から、研究機関に所属して、海外での研究を積極的に展開できるような環境を整えるということが重要ではないかと考えております。この本体事業については、日本学術振興会のほうで事業の改善について検討していますので、この研究費部会としては、下の科研費の充実という観点を中心に本日は御議論いただきたいと思います。
赤囲みの部分ですけれども、特別研究員が機関に所属するという観点、それから、海外での研究を積極的に行えるようにするという観点、この2つを科研費の側でどのように下支えしていくかという観点で、緑色の矢印のところですけれども、1から3まで3点、改善のポイントがあるかなというふうに考えております。まず、1は、基金化の推進と重複制限の緩和、それから、2は、雇用管理下で特別研究員の活動を支えるということ、それから、3は、採用期間中に就職される方がいますので、その研究をシームレスに加速できるような支援をするといったところがポイントになるかと思います。
より具体的には、次のページを御覧いただきたいと思います。まず1番目の基金化のところですけれども、一つは使い勝手を向上することによって、国際共同研究に参加しやすくするということ。それから、現在科研費の中にあります国際共同研究加速基金の、個人で海外に出向くことができる国際共同研究強化という種目がございますので、そことの重複受給の制限を緩和して、研究活動の国際化が推進できるようにしたいということ。それから、DCについては、基盤研究などの研究種目で現在は重複制限がかかっております。ですので、DCの特別研究員は特別研究員奨励費のみで研究を進めていただいている状況になっておりますが、研究の幅を広げていく、あるいは国内外のアカデミアの協力を得て研さんを積むということを考えますと、分担者として参加をすることを認めてはどうかということを考えております。この辺りについて制度の緩和ができないかと思っております。
それから、次のページ、2番目ですけれども、PDに対する、学術研究遂行の条件整備というところでございます。先ほどから申しておりますけれども、研究の国際化あるいはオープン化ということが現在進行中ですけれども、そういった中できちんと研究を進めていくというところでは研究機関に所属して研究をするということが重要になってきているというふうに理解しています。
一方で、特別研究員の趣旨目的に照らしますと、自由に研究課題を選んで研究に専念できるということで、所属をすることによって、機関での一定の業務負荷とかそういったことが通常であれば生じるということが考えられます。そうしたことをできるだけ免除する、負担を免除する、軽減するといったことで、研究機関に所属した上で特別研究員の主体的な研究専念を実現するということが必要になってくるんですけれども、そのための特別な条件整備が必要になってくるのではないかと考えております。これは本体事業で現在のフェローシップ型から機関雇用型に移行するという道をつくると同時に、その際に雇用が可能になったときには、研究活動の管理とか研究環境の整備を講ずる仕組みを導入するということで、財政面も含めてこれは検討が必要だと思いますけれども、そのような条件整備を進めてはどうかということを考えております。
それから、3番目ですけれども、テニュア獲得時の研究加速支援というところです。先ほど毎年大体200名程度、特別研究員、PDが採用期間中に研究者として就職しているということを御覧いただいたと思います。これまでの事業の立てつけでいきますと、就職が決まったところで特別研究員の身分は失いまして、同時に特別研究員奨励費も原則廃止するということがこれまでの取扱いでございましたけれども、研究力を向上する、あるいは加速をするという観点に立ちますと、ライフサイクルの変化によって研究支援が断絶してしまうというような点については改善の余地があるのではないかなというふうに考えています。
そこで、就職された先が例えば科研費の応募資格を継続して持てる研究機関である場合には、科研費の継続使用を認めるとか、あるいはスタートアップの追加支援を行うということで、これまで制度間の隘路になっていたようなところを継続的につなぐということで、特別研究員の構想している研究を継続的に加速できるような取組に変更していってはどうかと考えております。
まず、若手支援の点について説明は以上です。
【大野部会長】  
どうもありがとうございました。前回に引き続きの議論です。特別研究員に対する科研費による支援の改善について、前回の意見交換を反映して案を作成していただきました。
それでは、皆様からさらに御意見あるいは御質問をいただきたいと思います。いかがでしょうか。それではまず、大竹委員、お願いいたします。
【大竹委員】  
御説明ありがとうございました。東京工業大学の大竹でございます。
大きなビジョンをつくってというお話が前回の後半に出てまいりまして、それは私もそうかなと思う中で、今回24%の方が特別研究員の中で海外経験があって、逆に言うと76%の方は海外経験がないという貴重なデータが出てきたところかと思います。24%が十分というふうにはとても思えなくて、もし大きなビジョンを描くのであれば、留学生の方は別だと思うんですけれども、日本人のDC1・2の方については、皆さん海外経験があるというような格好で研究者として旅立っていただく、羽ばたいていただくというのは非常に大きなビジョンとしては考えられるところかなというふうにまず感じました。
いきなりそれを実施する、実行するというのは大変難しいと思われる中で、今回、重複の応募、国際共同研究加速基金との重複応募を認めるというのは一つのグッドアイデアだなと思っております。このときに1点教えていただきたいことがあるとすると、まず特別研究員の奨励費で研究テーマを設定していて、新たに重複して国際共同研究加速基金に応募することになると思うのですけれども、今回の趣旨からいきますと、そこの研究内容が重複していても許容するようにしておかないとなかなか重複応募ができないかなと。自分で設定した自由なテーマを海外に持っていって一緒にやるというようなことを実現するためには、そこも緩和していただく必要があるのかなと思いました。
以上でございます。
【大野部会長】  
ありがとうございます。事務局から、いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。現在、国際共同研究強化の立てつけは、基盤研究あるいは若手研究に採択されている方が国際的に羽ばたく際に計画の追加的な支援をするというところですので、大竹先生御心配のところは、継続性といいますか、そういうことが担保できるような仕組みになっているかなというふうに思います。
これまで、特別研究員のPDの方でも、基盤研究に採択された後に国際共同研究強化にチャレンジするという方も数名おられましたので、そこのところのクッションがスキップできるという点では、できるだけたくさんの応募をいただけるようになればなというふうに考えております。
【大野部会長】  
ありがとうございます。それでは続きまして、城山委員、お願いいたします。
【城山委員】  
ありがとうございます。幾つか具体的な提案をされていることの中身を若干確認させていただきたいと思います。
一つは、11ページ目にあります重複制限等の見直しの部分でありますけれども、DCに対しては、基盤研究などの他の研究種目において研究分担者として参画することを認めるということは結論としては多分結構じゃないかなと思うんですが、ちょっと整理をお伺いしたいと思います。DCであってもある種の独立した研究者と認めて、科研費への申請も認めます、ただし、代表者にはなれない、独立した分担者にはなれるという、そういう整理だと思うんですが、代表者としては特別研究員奨励費を受けているので、それがもうある意味では代表者として受けているものがあるので、分担者として関わる部分にはオーケーということにしますよという、そういう整理ということでいいのかというのを確認させていただきたいというのが1点です。
それから、2点目は、次のページのところのPDに対する研究遂行条件の整備のところですけれども、趣旨は大体よく分かったんですが、形式としていうと、PDについていえば、DCとは性格を変えて、所属機関が雇用するようにすると。そうすると、お金を所属機関に移転をして、所属機関が雇用するという、そういう形になるのかということと、そのときに研究専念してもらうために所属機関の追加的な業務があまり発生しないようにするための工夫をするということが書かれているんですが、これ具体的にどういうことを考えられているのかというのをお伺いしたいと思います。
お話の途中では、場合によっては財政的支援ということもありましたけれども、研究専念をするために、本来であれば、付加されるかもしれない業務について、例えば代替の人を雇うための経費というか、そういったような趣旨で所属機関に一定額を付与して、その代わり、追加的な業務をしないようにしてくださいという何かそういうことを言うのかなと思うんですが、そこをどういうような仕組みを考えておられるのかそれについて、補足的にお伺いできればと思いました。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。それでは、今の2点について、事務局からお願いします。
【高見沢企画室長】  
城山先生、ありがとうございます。まず1点目ですけれども、DCの分担者としての参画を認めるという点は先生おっしゃるとおりで、科研費の上では研究代表者の身分としては特別研究員奨励費を付与しているんですけれども、学位取得前ということも勘案しまして、まずは分担者として参加を認めるということから始めてはどうかということで整理をさせていただいております。
それから、2番目ですけれども、学術研究遂行上の条件整備のところについては、一つは、所属を持つということになりますと、機関の中での人事採用手続という人事上のコストが発生するということと、あとは先生おっしゃるように、代替の方を雇っていただく、あるいは所属されている先生の中でエフォートを割いていただくということが生じてくる可能性がありますので、その部分のコストをどこで賄うかということが出てくるかと思います。そういったことを勘案して、必要に応じて財政的な支援が必要になってくると考えているところです。
【大野部会長】  
ありがとうございます。よろしゅうございますか。
【城山委員】  
はい、結構です。
【大野部会長】  
続きまして、山本委員、お願いします。
【山本委員】  
山本です。御提案のところに関してはおおむね私としてもよいと思っているのですけれども、1点、先ほど城山委員からお話のあったDCに対する分担者の件についてちょっと気になるところはありますので申し上げます。
それは何かというと、やはり分担者になりますと、補助事業者として一定の責任を負うことになります。まだ学生さんですよね。ドクターコースの学生さんでそこまでその義務を負わせていいものだろうかという気が私はしています。現在でも必要な共同研究はもう十分行われているところがあると思います。それをわざわざ科研費の分担者にするということでどの程度改善するのか、ということが見えないところがちょっと心配です。
これは反対しているというよりは、若干心配だということです。つまり、それだけ重い役割を果たして、例えば学位取得とのコンフリクトが起こらないだろうかと。その辺のところをやはりしっかり考えてあげないと、学生の方がかわいそうになる可能性もあるということがちょっと私は気にはなりました。おおむねいいような気もするのですけれども、その部分を少し制度上何か反映できる方法があればいいかなと感じました。
以上です。
【大野部会長】  
事務局、いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。山本先生の御懸念、御心配の点については、例えば公募要領に、そういったことについては留意をするようにというようなことを添え書きして対応するとか、幾つか対応方策を検討したいと思います。
【大野部会長】  
ありがとうございます。続きまして、井関委員、お願いします。
【井関委員】  
東京医科歯科大学の井関です。ほかの委員からいろいろ意見もありまして、2点だけ小さなことなんですけれども。
最初に、今回またさらに改善が加えられて、私もとてもすごく若手支援はよくなっていると思いますけれども、4ページのところで、さらに今回改善を加えていただいたときのその大本ということで、海外研さんといった方向性を新たに生み出していくことが重要で、海外に行くときだけでなく戻ってからの支援も重要と。これ、本当にそうなんですけれども、1点、海外に行ったら戻ってきてねというようなメッセージ自体は出さないような形がいいのかなと感じております。
というのも、私自身留学したときに、戻ってくるんだと思って実は留学してしまいました。でも、今考えてみると、そうではなくて、最終的には戻ってくるかもしれないけれども、行って戻ってくるという、単純な、帰ってくればいいということではなく、やはり海外で活躍した後に例えば日本に戻ってきてさらによい研究をしていただくとか、そういった考えのほうがいいのかなというのもありますので、行ったら戻ってくるんだよという、そういうメッセージはなるべく出ないようにしていただければいいのかなと感じました。
もう1点です。先ほどのDC、今、山本委員がおっしゃった、大学博士課程、学位を担保してあげるということとの関連というのもあるんですけれども、若手のときというのは、確かに1つの研究に集中していても、今の時代、やっぱりちょっとそこは難しい。やはり少しある程度、ほかにも芽を出していくことが必要なんですけれども、あちこちに手が伸びてしまうと、逆に何が芯にあるのか、中心にあるのか分からなくなってしまうというような、そういったような状況はつくらないような形でさらなる支援ができるといいなというふうに考えていただきたいと思います。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。事務局、いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。井関先生にまず最初に御心配いただいた、戻ってからの支援も重要というのは、例えば戻りたい人に対しての措置ということでの御意見だったかというふうに承知しておりますので、学術研究ができるだけ発展するという方向ですと、先生おっしゃる点だというふうに思っております。
それから、DCの学生がメインテーマを見失わないようにするというような点について、これは特別研究員を採用したときの採用の趣旨ということにも関連してくると思いますので、振興会とも十分協議をして、先ほどの山本先生の点も含めて、採用時点で十分に留意いただけるように少し工夫をしたいと思います。
【井関委員】  
よろしくお願いいたします。
【大野部会長】  
続きまして、尾辻委員、お願いします。
【尾辻委員】  
ありがとうございます。尾辻でございます。特別研究員奨励費を申請の要件として、特別研究員に国際共同研究加速基金への申請、重複受給を認めるこの試みについて、私前回、賛同の意見を発しましたけれども、大変よろしいことだと思います。
と申しますのは、元来、特別研究員制度は研究者養成事業であります。一方、科研費事業はもちろん研究振興事業でありまして、今回初めてこの2つをコネクテッドにしたという捉え方ができるかと思うんです。つまり、特別研究員は、特別研究員奨励費が御自身の研究計画の言わば代表者であって、これを基盤研究の代表者、若手研究の代表者と同類に位置づけることによって、国際共同研究加速基金を、研究を国際的に加速するための資金として援助を受けることができるようになったというふうな立てつけとして整理がなされているところが私は大変結構なことだと思いました。そこのところが今後、特別研究員、先ほどの24%の海外経験というところが大きく広がる端緒になればと思います。
以上でございます。
【大野部会長】  
ありがとうございます。賛成の意見ということですね。そのように整理して考えればよろしいという御意見をいただいたと思います。
それでは、中野委員、お願いいたします。
【中野委員】  
もう他の委員の方にほとんど言いたいことを言っていただいたんですけれども、非常にいい改革だなと思います。例えば大型の国際研究の中には、参画機関がコモンファンドといって参加者数に比例する資金を拠出しなければいけないという場合があります。それで、どこかの研究機関に属さないとなかなかその国際研究には参加できないという場合がありますので、機関に所属するというのはまず必須である場合もあるということで、いいと思います。
それから、これはどのようにして実現するかは分からないんですけれども、昨今の円安の影響で、海外での生活費も非常に高くなっております。それで、給与が国際的に比較した場合、日本の研究者がかなり低いということがあるので、何らかの形で海外に滞在している間は給料が上乗せできるような仕組み、そういうようなものが可能であったら、それも考えていただきたいと思います。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。事務局、いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。中野先生、今、御質問ありました海外での旅費・滞在費の関係ですけれども、現在の国際共同研究強化では、1,200万以内の応募額で、その中に現地での旅費と滞在費とが込みになっておりますので、その点でいけば特別研究員奨励費でベースとなる生活支援を受けながら、海外での滞在費は別途支援を受けて研究ができるというような条件が整うかなと考えております。
【中野委員】  
結構だと思います。ありがとうございます。
【大野部会長】  
ありがとうございます。それでは、速水委員、お願いします。
【速水委員】  
ありがとうございます。速水です。2つあるんですけれども、一つは、先ほど井関先生が冒頭におっしゃっていたこと、すごくそうだなと思いましたのは、4ページの海外で研さんを積んで帰ってくるということを、もちろん帰ってきたときにきちんとこちらで手だてをつくっておくということがすごく大事だと思うんですけれども、そのことを強調するのと同時に、海外で活躍をすることもすごく奨励できることだというメッセージは大事ではないかなと。いずれ帰ってくるにしても、研さんを積むといいますと、何か箔をつけて帰ってくるみたいな印象がちょっとありますけれども、本当にどこで活躍してもいいから、日本から出ていって国際的な人材になってくださいというメッセージがあるといいかなということを思いました。
それからもう一つは、大竹先生が御指摘された7ページの24%というのは、私も、あ、それだけなのかというのをちょっと感じたんですけれども、ちょっとお尋ねしてみたいと思いましたのは、今どき文系・理系という乱暴な分け方というのはあまり意味を持たないとは思うんですけれども、やはり本当に文章で勝負するような文系の場合、海外に行くハードルというのはより高いと思うんですね。こういう24%というような数値が出たときに、その中で、どういう内訳になるのか、やはり文系はハードルが高いまま低いのか、そうでないのかというのをちょっと伺ってみたかったんです。もしやはり文系のほうが低いのであれば、何か励みになるような数字の表し方ができたらいいなと。文系でも、少ないけれどもこれだけ出ていて、帰ってきてこんなに活躍できているんだというようなメッセージを届けられたらいいかなと思いましてお伺いする次第です。ありがとうございます。
【大野部会長】  
ありがとうございます。いかがでしょうか、事務局。
【高見沢企画室長】  
速水先生の、海外で活躍することも大事であるというメッセージについては、この部会のメッセージとしても取り上げて、最終的に審議のまとめをしていく必要があると思いますので、そういったところでもきちんと発信していけるようにしたいと思います。
また、24%の内訳ですけれども、現在これ、アンケートの形で取りましたので、少し分野とかセクター別の分析をしてみないと分からないところがございますけれども、少しその辺り可能であれば整理してみたいと思います。必ずしも人文・社会系の方が海外との研究が少ないかというと、そんなこともないんだろうなとは思っています。例えば文化人類学などでは、通いながらやるというケースがかなりございますので、必ずしも機関を移動してやらない形での海外とのコラボレーションというのは現にあると思っております。これは海外に一回籍を移動してというところですので、少しバイアスがかかったというか、かなり限定された形で数字が出てきているのかなと考えておったところです。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。それでは、白波瀬委員、お願いいたします。
【白波瀬委員】  
よろしくお願いいたします。全体としては大変よいと思うんですけれども、基本的な質問をさせてください。今、速水先生から24%の内訳ということがあったんですけれども、すごく基本的なところで、海外特別研究員との違い。おそらくこの24%は期間としてはそれなりに短く、この枠組みだから行けるものというのが少なくなくて、短期間という意味でも最大活用できるとは思うんですけれども、そこでの差別化というのは一体どこにあるのでしょう。また、12ページにもあったところで私としても分野として分かりにくい部分があったんですけれども、例えば海外の場合、おそらく研究機関に所属するということになると思うんです。長期的にもう少しコミットメントをといったときに、主体的に研究に専念することを実現するためのというところです。さて、実際に現地に赴きポスドクと言われているけれど、現地の研究者と十分交われないというか、孤立化する危険がある。コミュニティーを作るところまでにはいかなかった、という人も少なくないということを考えますと、雑用しないことのメリットとデメリットがあるように思います。もちろん実験、ラボでの具体的な状況が私にも想像できないので的がはずれているかもしれませんが、単に雑用をしないということよりも無駄も含めて現地での交流を促すような条件整備への支援があるのか、教えていただきたいというのが2点目です。
また生活費も出ていますよということだったんですけれど、為替の問題がありまして、これにつきましては日進月歩で変動があります。いまの円安を受けて、本当に今苦しい者が現在いるようにも聞いておりますので、この辺りの緊急的な対策というのはあるのでしょうか。円での至急といった場合の実質生活費の維持対策としては何かあるのか、あるいはそういうバックアップは今のところは考えられていないのかというのを簡単に教えてもらいたいなと思います。
以上です。
【大野部会長】  
事務局、いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。まず24%の海特との違いということですけれども、こちらはアンケートを取った対象がもともと若手研究の採択者を対象にしています。海外特別研究員は100%海外に行くということが前提になっています。若手研究を採択されている若手研究者層の中で併せて特別研究員を経験されている方を切り出したものですから、これは海外特別研究員の方は含んでいない状態のデータというふうに基本的には考えております。ですので、事業の性格に応じて、海外特別研究員は100%行っていただくし、それがここでは反映されていないということというふうに御理解いただければよいかなと思います。
それから、学術条件整備のところ、主体的に研究に専念ができるようにしにくいのではないかという御指摘でしょうか。
【白波瀬委員】  
特別な条件整備というところで、具体的にどういうことを想定されているのかというのか分からなかったのです。
【高見沢企画室長】  
承知しました。科研費ですので、実際には雇用のためのお金というのはお支払いができないと。要は、研究費の限界といいますか、そういった条件下でいかに雇用によって生ずるコストを賄っていくかということが現在の課題かなと思っております。そういったときに、例えば直接人件費はお支払いできない。機関が本来的には用意して支払うべきものですけれども、雇用に際して負担となっている部分が機関に発生するのであれば、それが先ほど城山先生おっしゃっていたような業務のエフォートの負担がほかの先生に生ずるとかそういったことになると思うんですけれども、そういったものを研究の時間を確保するための経費として科研費からお支払いができないかということの条件整備ということで書かせていただいております。
【白波瀬委員】  
なるほど。では、ここは若手で海外のボスの下で研究するといった場面を想定していました。自分の研究というよりも、もう少しやっぱり一緒の研究の中の1グループとして入られるのかなと思ったんですけれども、想定しているものがちょっと違いました。了解です。
【大野部会長】  
3点目の為替の大変動に対して何か考えられることはあるかという点はいかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
現時点では既に予算の範囲内で配分している状況ですので、次の要求に向けての検討課題、あるいはこの後の議題でそういったところを少し御議論いただくことができればなと思っていますけれども、現時点で何か追加的な支援ができるかというと、そこのところはなかなかちょっと難しいかなと思っております。
【大野部会長】  
ありがとうございます。続きまして、上田委員、お願いいたします。
【上田委員】  
上田です。私は本務が企業の基礎研究所にいる者なので、そういう観点でコメントと質問です。
質問は、まず7ページのアンケートの、いわゆる研究職に就いてということになっている、これは研究職というのは大学、国研もしくは科研費が取れる機関番号を持っているような企業の基礎研だと思うんですけれども、その比率がまずどれぐらいだったかもし分かればということです。
なぜその辺をお伺いしたいかといいますと、大学なんかは、取り越し苦労かもしれませんけれども、12ページの2の条件整備のところで、所属機関の業務の免除・軽減というようなことをメッセージとして、ルールとしてどういうような書き方をするかによって、場合によっては受入れを拒むというのはちょっと微妙な言い方ですけれども、そういう機関がPDを受け入れにくくするようなバイアスがかかって、研究者にとっては、安定的な職を取るということは非常に重要なことにもかかわらず、この改善によって逆に足かせになったりしないのかなという。取り越し苦労であればいいんですけれども。ですから、このメッセージというかルールをどういうふうな形で運用するかというのはちょっと心配なことがあります。ただ、統計的にほとんど大学であって、あまり影響度とかは少ないということであれば、あまり心配する必要はないのかもしれませんけれども、併せてお願いいたします。
【大野部会長】  
いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
上田先生、ありがとうございます。7ページのところの研究職の就職のセクター別の内訳というのは、現在分かりませんので、少し確認させていただきたいと思いますが、多くは大学だというふうに承知しております。
それから、ただいまいただいた、所属する機関での受入れの仕方で問題が生じないかといったような点については、基本的には現在受け入れているところというのは大学がほとんどですけれども、特にフェローシップ型で受け入れるということと、所属をするということになりますと人事上の手続が発生する、あるいは機関の管理下できちんと保障するということになりますので、機関によってはそこについて、上田先生おっしゃるようなことがやっぱり議論になる可能性はあるかなと思っております。ですので、ここは振興会とも十分に協議をして、大学側と事前にこういった制度改善について周知を図る。それから、それが難しい場合にはどういう方策があるのかということを今年度中にはきちんと整理をしていく必要があるかなと考えております。
【上田委員】  
事前にそういう議論があるということであればいいと思います。ありがとうございます。
【大野部会長】  
それでは、荒井委員、お願いいたします。
【荒井委員】  
ありがとうございます。荒井でございます。今の上田委員がおっしゃられたところが私もちょっと気になっていて、免除軽減がそんなにすぐやっていただけるものかなというのがちょっと気になっております。
また、私自身がPDで半分海外に行かせていただいた経験からすると、所属がないから行きやすかったのかなという気もしていたので、その辺、海外に行きにくくならなければいいなと思いました。
あともう一つ、12ページのテニュア獲得時の研究加速支援のところなんですけれども、所属が、ラボが変わりますと、研究課題がやはり、ある程度といいますか大きく変わるときもあると思うんですけれども、それで断絶せずに支援が続くような、課題が変わっても、申告すればといいますか、何といいますか、そういう工夫があるといいなと思いました。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。荒井先生今おっしゃった、所属することで海外での研究が難しくなる可能性もあるという御指摘ですけれども、先ほど中野先生からもお話があったかと思いますけれども、現時点で所属を持っていることできちんと受入れがかなうとか、あるいは知財の問題とか、所属があってきちんと公正性が担保されるというような状況にもなってきているかなと思いますので、受け入れる側のことも考えると、所属を持った上での海外派遣ということのほうが現時点では必要になっているのかなと考えているところで、今回の改善をさせていただきたいと考えております。
それから、テニュア獲得で研究の継続使用が可能な場合、テーマが変わっても大丈夫なようにということですけれども、科研費の継続の研究ということで考えれば、テーマを大きく捉えておられる場合には、基本的にはそのまま現時点でも科研費の研究計画を継続して、一定の範囲であれば変更可能で継続されていますので、同じような取扱いができればなと思っております。
それからあと、スタートアップの追加支援、これは採用先へ移ってからのスタートアップの追加ということになりますので、そこのところについては、場合によっては、追加的な新たなテーマを付加した形で支援が受けられるような形にもできるかなと思っております。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。それでは、尾辻委員、再度の御発言ですね。
【尾辻委員】  
ありがとうございます。機関所属化を図っていただくという提案は、もう長く私はずっと願って、都度訴えてきたことで、今回こういった形で取り上げていただいたということは本当に大きな一歩だと思っています。
それで、文科省としてこれを提案するという裏側には、例えば各種の保険とか、機関がその研究者を雇用するのに必要となるいろいろな給与以外の部分の財政的な負担を文科省、学術振興会がそれをきちっとサポートするということの裏づけがあって初めてのことだと思うんです。そこをまず文科省のほうには確認をしたいというのが1点です。
そこを確認が取れますと、名前と身分の関係を切り離さないようにするために、どういう名前になるか分からないんですけれども、学振の特別研究員というその名札はちゃんとつないだまま機関所属として果たしていただく。そうすることによって、各機関で何名、学振の特別研究員を雇用しているのかということが、またその所属機関の科学的な、学術的なポテンシャルを測る一つのメジャーにもなるような、そういうプレステージアスなステータスがちゃんと担保できるようにすることによって、また、身分を見える化することによって、いろいろな業務負担を通常の職員と同じようにかけるようなことがあってはならないということを明文化したりすることにもつながるんだろうと思いますので、そこのところをぜひ文科省としては制度設計の段階で十分考慮して進めていただければと思います。
以上です。
【大野部会長】  
事務局、いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。機関が雇用するに際して、機関が保障するための人件費相当、人的コストがかかるという点については、振興会とも現在協議を進めております。その部分を今回のこの条件整備での財政支援という形で工面できないかということを振興会と協議した上で考えているところで、ここについては、概算要求も含めて今後対処を検討していく必要があるかなと考えております。
【大野部会長】  
ありがとうございます。白波瀬委員、お願いします。
【白波瀬委員】  
すみません、今の機関所属について。これまで歴史があるのでちょっと不適切かもしれないんですけれども、私はやり方としては、海外でやってきた方々をしっかり戻す戦略を積極的にやっていただくということかなと思います。この特別研究員のところの所属云々というところでの支援充実というよりは、そこはもう切り離してやられるというのがどうかと考えます。所属する側の機関の負担もありますし、どんどん新しい研究者が日本に戻ることをメリットに感じるようにするということです。優秀な人たち戻ってきなさいではなくて、もちろんそれは結果としてたくさん戻ってくるという立てつけなんです。そちらのほうに力を入れていただくようなやり方のほうが、私はより流動的でいいのではないかと、思っております。
【大野部会長】  
ありがとうございます。事務局はよろしいですか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。白波瀬先生の御意見も、審議会の中でこれから審議のまとめをさせていただく際に、取り上げさせていただきたいと思います。
【大野部会長】  
よろしくお願いします。この条件整備のところは、受入れ機関も多様なので、今、尾辻委員が言われたように、身分を一目で分かるようにするということ、また、給与水準が機関によって変わらないようにするのだろうと思います。地域手当等様々なものがありますが、今の制度を念頭に置くと、どこでも一律ということになるのだと思います。こうやって所属することによって、研究のインテグリティーなども担保できますから、非常に制度として大きな変革であり進歩だと私も思います。とてもいい方向で案を作成いただいたのではないかと思います。
それでは、よろしゅうございますでしょうか。事務局において、今回いただいた意見を踏まえつつ、特別研究員への科研費による支援の改善について検討を進めていただくようお願いいたします。
それでは、議題2に移ります。こちらも前回に引き続き、研究活動の質の向上、人材流動性向上について審議をしたいと思います。それではまず、事務局から説明をお願いいたします。
【高見沢企画室長】  
資料2を御覧いただきたいと思います。前回御議論いただいた続きということで、14ページのほうに資料をまとめさせていただきました。冒頭、財政審の指摘ということで書かせていただいておりますけれども、基本的にインブリーディングの問題について取り上げられておるわけですけれども、こちらは研究環境の問題ではあるんですけれども、そのようなインブリーディングを解消するような取組に対して、研究者支援においても誘導策を検討するべきではないだろうかというような指摘がございます。
そこで、2ポツのところですけれども、現時点でどのような状況になっているのかということを、若手研究者に対するアンケート調査の形で調べさせていただきました。6月にアンケートを取りまして、4,000名の方にアンケートをお願いしまして、約4割、1,800名の方から回答いただきました。
その一部を御紹介させていきたいと思います。まず、下の左側の円グラフですけれども、所属機関の移動、これは国内外を問わず機関の移動をしたことがあるかどうかということを質問したところ、行ったことがあるという方は6割おりました。行ったことがないという、いわゆるインブリーディングに近い状態だと思いますけれども、そういった方は4割でございました。
そこで、その4割の方に、今後移動を考えているかどうかということを質問したところで、約半数の方は移動を考えているということでの回答がございました。一番右側は、そのセクター別のデータですけれども、国立と私立で大体4割から5割近くのそれぞれ回答を得ているという状況でして、若手研究を採択されている研究者の方の中では、インブリーディングというような状況はあまりなくて、半分の方は今後移動を考えているという状況があるかなと思います。
一方で、この4割、現時点で移動したことがないという状況について、何らか研究費制度のほうで重点化を図るような取組ができないかということで今回改善案をまとめさせていただきました。2点ございますけれども、まず1点目、15ページのところです。人材流動性を向上するといったときに、6割の方が移動していると。あと4割の方にいかにその意識づけを図るかということで考えますと、例えば公募要領について、若手研究者の方々への意識づけを図るというのが一つあるかなと考えております。
実はこれ、8月1日に既に公募を開始している公募要領になりますけれども、現在、枠囲みをしてあるところのオ)というところ、ここに若手研究の趣旨・目的が書かれております。そこの部分に少し注書きを追加するような形で、異なる機関での研究歴、あるいは異なる分野、異なる国での研究者との交流などの斬新な着想や研究の足がかりを得るための様々な試みをしていただきたいと。その中で将来の斬新な研究を支援していくという、若手研究の趣旨に基づいて少し意識づけを図っていきたいなということで、こちらのほうはこのような形で公募要領を発出させていただいております。
それからもう1点、人材流動性向上の取組ということで、現在、科研費の中で試行しています独立基盤形成支援、これをもう少し改善ができないかと考えております。まず、この独立基盤形成支援の試行という取組は、研究機関のコミットメントを前提とした研究基盤の追加支援でありまして、現在、若手研究と基盤(C)の既に採択されている方の中で准教授以上の職に就いて2年以内の方という、対象を限定した形での追加支援を行っております。
真ん中のところに支援のスキームを1から3まで書いておりますけれども、2のところにありますように、追加支援を希望する方の取りまとめを研究機関に順位をつけて推薦をいただいていると。その中から支援対象者を決めていくというプロセスを取っております。その支援者を募る際の対象者というのが下の枠に入っておるんですけれども、先ほど申し上げましたとおり、基盤(C)と若手研究の既に採択している方というのがまず一つの条件なんですけれども、そこに、学位取得後に機関を移動した経験を有するということを追加してはどうかというふうに考えております。
現在の対象者としては、准教授以上の職に就いて2年以内とか、あるいは幾つかの独立した研究者という要件がありますけれども、これを満たしているということを支援対象者の要件にしていますけれども、今回、機関の移動歴ということも加えて対象者を推薦いただくようにしてはどうかなというふうに考えております。この2点によって、人材流動性の向上について、研究費の支援の側から少し改善を進めてはどうかというところであります。
説明は以上です。
【大野部会長】  
どうもありがとうございました。それでは、皆様から御質問あるいは御意見を受けたいと思います。中野委員、お願いいたします。
【中野委員】  
まず質問なんですが、学位取得後に研究機関を移動した経験を有することという、この条件は未来永劫続くんでしょうかというか、基盤(C)の新規採択が例えば10年後であっても、これはその経験があれば対象になるのかという、そういう質問です。それがまず1点です。
それから、このインブリーディングの問題というのは、もちろん学位取得後に動いてないというのも非常に大きな問題なんですが、それよりも大きな問題はやっぱり学部から大学院に入るときに動いていないということだと思うんです。対象として取得後だけに限る必要はないんじゃないかと。だから、その時点で学部から大学院であっても動いていれば、その人は対象に加えていいんじゃないかなと思います。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。学位取得後に限る必要がないのではないかという点については、検討させていただきたいと思います。
あとは……。
【中野委員】  
期間についてですね。学位取得後に研究機関を移動した者なんですけれども。
【高見沢企画室長】  
10年たってもその要件が引っかかるのかどうかという点についてはおっしゃるとおりなんですけれども、実際これ、ポイントになっているのは、准教授以上の職位に変わった時点、要は、独立を獲得した時点の追加支援ということですので、それが何年後になるかということは問うておりませんのと、あとは、各機関で多くて5件程度の推薦ということですので、かなり限られた方を推薦いただくというところで現在試行しておりますので、何年後にということは全て要件としてはかかってくるかと理解しています。
【中野委員】  
分かりました。ありがとうございます。
【大野部会長】  
それでは、白波瀬委員、お願いいたします。
【白波瀬委員】  
ありがとうございます。少しそもそも論なんですけれども、このインブリーダーというのを研究支援から議論することについて私自身はちょっと違和感を感じております。このインブリーダーの問題については、どちらかというとやっぱり採択側、つまり、新たなポストに誰を採用するかという方針のところで、流動化を進めていくということが基本的な考え方。ここで研究活動支援の一環としてこの概念を入れることへの疑問です。つまり、評価として、いろいろなところで研究し、仕事をしてきたという経歴を優先するとかというのはまだ分かるんですけれども、助成対象者の資格としてそういうものを持ってくるという点に疑問があります。あくまでも研究支援なので、対象は研究の中身、その独創性が評価基準としては最初にあるべきだと思いますので、人材流動性というここの一つのミッションを研究支援というところでどう展開するのかということのそもそも論については、もう少し慎重に設計されるのが良いのではないかという感想です。正直、ここは違和感を考えるところでございます。
以上です。
【大野部会長】 
ありがとうございます。いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。白波瀬先生おっしゃるように、本来的には採用側の雇用の方針といったところがポイントになってくるということは承知しておりますけれども、何らかファンディングのところで工夫ができないだろうかということが政府内での議論としてはありますので、可能なところで、まずは試行している取組の中での改善ができないかということで考えたところであります。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。続いて、中村委員、お願いします。
【中村委員】  
中村です。これ、私たちの学科でもこれを頂いた准教授の方がいるんですけれども、棚ぼたみたいな感じなので、何かインセンティブになるという感じがあんまりしないようです。つまり、これ、科研費の充足率は申請額の7掛けということになっていますけれども、7掛けだったのが100%もらえたというような感じの印象なんですね。どのぐらい効果があるのかよく分からんような感じを実感しています。採択のときに、機関の間を動いた人は100%充足率だが、機関を動かない人は申請額の50%しかくれないと、採択条件として最初から書いてあったら相当にインパクトがありますけれども、そこまでやるんでしょうか。もっとインパクトの大きいやり方をすれば効果があるとは思います。
【大野部会長】  
いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。中村先生御指摘のとおり、どこまでのインパクトを持ってこの改善に取り組むかというところについては少し議論が必要かなと思います。
あと、先ほど白波瀬先生がおっしゃっていたような、要は、研究支援と、あるいは研究のインパクトとインブリーディングの関係というのが現在、資料、データとしてお示しできていないという状況かなと思いますので、要は、研究力向上と人材流動性の関係がやはり明らかにあるのだというようなことがもし分かれば、中村先生おっしゃるような改善も含めて検討が必要かなと思っているところですので、こちらについて少しデータ等も収集しながら少し整理をできればと考えております。
【大野部会長】  
ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。白波瀬委員。
【白波瀬委員】  
すみません、今の議論なんですけれど、繰り返しになりますけれども、これ、人材の流動性とか、特にインブリーダーについては、やっぱり一つの構造的な政策であるべきだと思います。現時点のデータから判断すると、多分インブリーダーのほうが優秀ということはあり得ます。それをもって、じゃ、いいんですよねと言われるのは、やっぱり全体の雇用政策あるいは多様性云々というところから後退する、後ろ向きになるわけですね。ですから、これは一つの人事政策であるということで、国際的流動性も高めていくという一つの柱となります。繰り返しですけれども、ここでの支援の応募・公募の仕方というのは少し区別されたほうがいいんじゃないかというのがポイントでございました。
【大野部会長】  
ありがとうございます。事務局はよろしいですね。
【高見沢企画室長】  
はい、分かりました。
【大野部会長】  
これを科研費全体にということであればやはり非常に注意して、もちろん今回の場合も非常に注意してやらなければいけないものですけれども、エビデンスと、それから、やろうとしていることの関係も含めてきちんと理解しながらやるべきだと私も思います。
中村委員、お願いします。
【中村委員】  
私がさっき申し上げたのは、賛成していないという意味です。白波瀬先生と同じで、あまりいい施策じゃないんじゃないかということを申し上げたかったわけですね。
【大野部会長】  
事務局、よろしいですね。
【高見沢企画室長】  
はい、分かりました。
【永田学術研究推進課長】  
学術研究推進課長の永田でございます。御議論ありがとうございます。今回の議題も、財政審で今回新たに4月に指摘されていたことから、科研費の中でどういった取組ができるのかというところで御提案させていただいたものでございます。先生方の現場から見た貴重な意見を今いただきましたので、もうちょっと深く、どういった観点から科研費の中で取り組めるのかということを改めて検討させていただきたいと思います。
【大野部会長】  
よろしゅうございますでしょうか。ほかに手が挙がっていませんので、事務局においては、今日の御意見を踏まえつつ、引き続き検討を進めていただければと思います。
それでは、次の議題です。しばらく間が空いてしまいましたけれども、これも継続して議論してきたことでございます。基盤研究の助成の在り方について、まず、事務局から説明をお願いいたします。
【高見沢企画室長】  
資料3を御覧いただきたいと思います。間が空いてしまいましたので、前回、昨年の9月になりますけれども、そこでの主な意見からちょっと御紹介させていただきたいと思います。前回9月のときにはかなり幅広い御意見を頂戴しまして、なかなか整理が難しいんですけれども、応募者の視点とか、制度側の視点、それから、あるいは研究機関の視点ということで幾つかの視点に分けた形で意見が出ていたかと思います。
まず、一番上の青いところですけれども、応募者側からしてみたところで、基盤(C)が重要であるという点と、あとは少額ということもあるので、重複応募が可能にならないかというような御意見があったかと思います。
それから、左側のオレンジ色のところですけれども、科研費の側でいったら、競争的資金であるということである一方、例えば下から2番目の辺りですけれども、基盤(C)について、構造的な問題としては、応募が長期にわたって増加しているという中で、採択率を維持するということを続けるといったときに、資金の追加投入が継続していくということになるわけですけれども、それの是非については慎重に考えるべきではないかというような御意見もございました。あるいは、一番下ですけれども、科研費全体の配分方式、応募が増えれば分配のシェアも増えるという、その在り方も検証が必要ではないかというような御意見もございました。
また、右側の緑のところですけれども、機関の観点での御意見ということでいくと、科研費は競争的資金でありますので、デュアルサポートの基盤的経費の代替ということは規模的にはなかなかやっぱり難しいということと、あとは、これも下から2番目の辺りですけれども、不採択者に対する学内支援に取り組んでいる大学があるので、そういった取組を可視化していくことが重要であるだろうといったような御意見もございました。
それらの御意見を少し整理させていただいて、本日自由討議という形で御意見頂戴できればと思いますけれども、19ページに今後の検討の方向性ということで、1枚整理させていただきました。科研費の制度と応募者の関係でいいますと、応募の機会がたくさん増えて応募ができるということと、実際応募が増えれば、制度側では審査負担が増えるという関係にございます。あるいは、採択が増えれば、予算の規模によりますけれども、充足率が十分でなくなるという、採択率と充足率の調整という問題が生ずるということが両者の間ではあります。また、その背景には、機関のほうで基盤的経費が十分確保できない面とか、あるいは不採択者に対するセーフティーネットをつくるという取組、いい面、悪い面両方、機関のほうではあるかなと思われます。
これらの3者の関係の中で、少し膠着状態といいますか、三すくみのような状況になっている中で、科研費、特にその主力である基盤研究、基盤(C)の助成の在り方というのが今後このまま推移していていいかどうかという辺りは少し御検討いただきたいなと思っております。
まずは下の枠囲みのところですけれども、3点ほど本日は検討の例ということで出させていただきました。これに限らず、御意見をいただければと思います。まず一番上の丸にありますとおり、重複制限の緩和の議論。緩和をすれば必ず応募が増えますので、審査負担を軽減するということとの両面からの改善が必要になると考えております。これまでは、応募が増えるから制限が外せないというところでしたけれども、少し視点を変えまして、可能な緩和はどんなところがあるだろうかということと、審査の負担を軽減するということをそれに併せて行っていくということの視点も持った検討ができないだろうかということで出させていただいています。
ポツのところには、異なる審査区分等での重複制限の緩和の試行というふうに書いておってちょっと分かりにくくて申し訳ありませんけれども、例えば中区分のレベルで異なる区分の間であれば重複制限を緩和しますよといったような、少し制度のほうで重複を緩和することに意味があるといったところでの緩和が可能かどうかという辺りの検討はできないかと思っております。
それから、2番目の丸ですけれども、適切な研究費規模の確保ということです。採択件数が増えれば充足率が下がってしまうということをむしろ、最低水準の充足率と言ったらちょっと語弊がありますけれども、先ほど御意見ありました物価高の中で充足率がきついということになりますと、せっかく配った研究費が十分に生かせないということが生じないようにしなければいけないということも現時点の課題かなというふうに考えられます。そうしたときに、充足率も加味して採択可能件数を計算するという方法も一つございますし、現在は同じ充足率で配分を決めておりますけれども、例えば採択の上位とボーダー付近の充足率に少し傾斜をかけるというようなことも、場合によっては検討としてはあるのかなと思って書かせていただいております。
それから、3番目の丸は、機関のコミットメントの可視化ということです。本来これは機関の自助努力によって、科研費の支援とか他の外部資金の獲得努力をされておりますので、制度の側で何か義務づけ等は難しいということは考えられますけれども、一方で、自主的な取組としてされている大学もございますので、そういった支援状況についての把握あるいは可視化が必要かどうかといった辺り、御意見頂戴できればと思っております。
ここの左側の枠囲みは基盤(C)を念頭に置いたものですけれども、例えば重複制限の緩和、審査負担の軽減といったような問題とか、充足率の考え方というのは、必ずしも基盤(C)に閉じたものではなくて、他の(S)、(A)、(B)も含めて同様の検討が必要になってくる可能性もございますので、そういった科研費制度全体での整合的な基盤(C)の助成の在り方の取り進めができればと考えております。
20ページ以降は、現時点の分析した状況ということで、本日の自由討議に参考になればということで準備した資料であります。まず20ページは、基盤(C)の重複応募状況を機関別、職位別、採択回数別で整理したものであります。一番左がセクター別のデータですけれども、私立が最も多くて1万8,000件、それから、次いで国立大学が1万7,500件ということで、大体双方で8割を占めるという状況になっております。
真ん中のところが職位別の割合でありまして、大体3割が教授の方が応募されている。准教授、助教の順に応募が増えているという状況がございます。
それから、例えば若手研究などで、受給回数が2回目の方に応募制限を緩和するというようなことも既に科研費の中では行っておるわけですけれども、そういった観点で受給回数、採択回数を調べたところ、過去10年間で見たところで1回以上採択のある方が40%近くおりました。2回目以上となると2割弱ということで、受給回数というのも一つの考え方ではありますけれども、どこで線を引くかというのもなかなか難しいかなというふうに考えております。
それから、21ページは、現在の重複応募の状況ということで、挑戦的研究と基盤研究の間の重複状況を整理したものであります。まず21ページは、基盤研究と挑戦的研究を新規でそれぞれ応募するという場合の重複の状況です。一番左側の円グラフが基盤(S)で、一番右が基盤(B)になります。円グラフの青い部分というのは、開拓との重複の件数、割合、それから、オレンジのところが萌芽との重複の割合ということになるんですけれども、この2つを合わせますと、どの種目も大体3分の1ぐらいになっております。それで、区分が小さくなるほど、要は、基盤(S)より(A)、(A)より(B)という形で、研究費の規模が小さい区分ほど萌芽の割合が多くなっているという状況がございます。
それから、22ページは、既に継続課題を基盤研究で持っている方が挑戦的研究に新規で応募するというケースもございますので、それについても調べたところ、こちらもまた、研究費の規模が小さい区分になるほど重複の応募の割合が大きくなっていると。特に萌芽の応募が多くなっているという状況がございますので、これらの類推からすると、基盤(C)においても同様の傾向が出てくる可能性はあるかなということでお出ししております。
それから、23ページのところです。これは全体の審査区分、審査方法の状況を簡単にまとめたものであります。現在、審査区分ということで大中小の区分をつくっておりますけれども、該当する審査区分での審査が種目によって異なっているということを念のためお示ししたものであります。現在はこの大中小の包含関係にある区分の中であっても重複が可能になっております。ですので、基盤(B)の小区分とその包含関係にある中区分で挑戦的研究を応募するということも可能になっているという状況でございます。
それから、24ページのところですが、これは前回9月にもお示しした資料です。大学によって、科研費の応募の挑戦を支援する大学の取組例ということで幾つか大学を出させていただきましたけれども、こういったものの把握あるいは可視化について、もし御意見あればいただきたいと思います。
説明は以上です。
【大野部会長】  
どうもありがとうございました。それでは、皆様のほうから、まず御意見あるいは御質問をいただきたいと思います。福田委員、お願いいたします。
【福田委員】  
福田でございます。説明をどうもありがとうございます。
1点お聞きしておかなくてはいけないなと思ったのは、今この科研費の申請者はこの後どうなるかという予測を持っているのかということです。これは、とても大事なんじゃないかというふうに思っています。僕もちょっとデータ見せてもらっているのである程度分かるんですけれども、少なくともコロナ禍で昨年度等は、全体の申請者数は新規の申請者は減っている。にもかかわらず、基盤(C)についてはまだ伸び続けている傾向にあります。
今ここで見ると、私立大学なども基盤(C)に非常にたくさん応募しているし、いろいろなところからの申請は基盤(C)を中心にして増えているということを考えたときに、この後の基盤(C)の応募者数が、現在4万数千件だったと思いますけれども、これがどういうふうに伸びるというふうに予測するのか。これが6万になるんだとすると、このままの金額でやることがそもそも不可能になるのではないかと思いますけれども、その辺りを一応理解した上で、今後どうするかということを考えなければいけないんじゃないかと思っています。文科省としてはどんなふうに予測しているかちょっとお聞きしたいんですけれども、どんなものでしょう。
【大野部会長】  
いかがでしょうか、事務局。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。福田先生御指摘のとおり、コロナ禍で現在横ばいの傾向が続いておりますけれども、コロナがある程度収束に向かいつつある、あるいは研究の延長が一区切りを迎えるといったところでこれからまた応募が増えていく可能性は十分にあるかなと思っております。
現時点では、現行の枠組みでどこまで可能かという点で御意見を頂戴しようと思っておりますけれども、そもそもの金額の立てつけ自体に問題があるということであれば、そういった御意見も頂戴できればと思っております。
【福田委員】  
ちょっとよろしいでしょうか。福田です。今、(C)は40万数万件。これを40万数万件として考えるのか、60万件として考えるかによって考え方が違うんじゃないかと思っています。つまり、これがかなり増えるのだとすると、そもそも審査員の制度が、このままの立てつけでは多分成り立たなくなるんじゃないかと思っています。そういうふうに考えなければいけないのか、今の40万数万件、あるいは50万件で取りあえず考えてというかによって今後の方針の立て方が大分違うんじゃないかと思っています。ほかの科研費については多分横ばいぐらいなので、今の現状を理解した上で対策を立てればいいんだけれど、(C)についてだけは少し予測が必要なんじゃないかと僕自身は思っています。今の話だと現在の件数をベースにして議論しようということのようですが、本当にそれで大丈夫かなというのが僕のちょっと心配なところですが、その辺りの予測だけは聞かせてもらえるとありがたいなと思います。
【大野部会長】  
難しそうな御質問ではありますけれども、事務局、いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
現在、新規応募は大体4万5,000件ぐらいでありまして、コロナ前は年間1,000件ずつ増えるというような傾向が続いておりましたので、長期的に見れば増加をするという、5万件を超える可能性というのも当然あるかなと思っております。ですので、その際にもっと別の枠組みへの転換が必要だということであれば、そういった御意見も頂戴できればと思います。
【福田委員】  
失礼しました。桁を間違えまして、ごめんなさい。了解しました。
【大野部会長】  
年間これから1,000件増えるとすると、どの辺りで非常に困難が生じるかということは少し考えておく必要があるかもしれません。予測するのは非常に難しい問題ではありますけれども、福田委員がおっしゃられたように、この辺りを超えると非常に大きな制度変更を考えなければいけないというラインがある前提で、それがあらかじめ見えるのだとすると、共有しておく必要があるかなと思います。ありがとうございます。
続きまして、山本委員、お願いします。
【山本委員】  
重複応募に対するデマンドというのは、前から随分高かったわけです。それで、漸次緩和する方向に動いているというのがこの制度の基本的な方針だと思っています。本当は基盤(C)においても全部開放したいというところなのですけれども、それにはやはり予算及び審査負担の問題があるということが現状だということが御説明にあったかと思います。
研究者側としてはセーフティーネットという形で捉えたがるのですけれども、制度側としては、そう考えてはいけなくて、基盤研究と挑戦研究が成り立っているという前提は、基盤的研究と、それから、挑戦的研究を別にすることによって財務当局等の理解を得ているというところがあると思います。種目の趣旨をやはり踏まえなければいけないというように思っています。
そういう中で重複制限を緩和するとすれば、主にターゲットになるのは基盤(C)と、それから、挑戦の萌芽だと思うのですけれども、これはまともにやるとうまくいかないんですが、一つの可能性としては、ちょっと御説明にもあったところですけれども、私はそのやり方がいいと思っています。やるとしたらですよ。やるとしたらいいと思っています。結局、挑戦的研究というものは、やはりほかの分野に踏み出すことであると思うのです。例えば今いる、例えば基盤(C)で申請している小区分、そこのところでまた挑戦研究というのはないわけじゃないのですけれども、それ以上にやはり大事なのは、かなり離れた部分、中区分も違う、大区分も違うようなところに挑戦するものに関してはまずお認めしてあげて、それで少し重複制限の緩和につなげると。それで様子を見ながら、少しずつまた拡大していくという考え方、これは、僕はありじゃないかと。それは種目の趣旨に沿っていて、全く同じようなテーマではなくて、本当に別な分野に踏み出す人を応援するということであれば、一定の理解が得られるのではないだろうかと思った次第です。それが1点です。
もう1個は、科研費の全体としての種目の経費が、予算規模というか上限値がもう十数年、20年近く変わってないのです。これはやはり国際的に見るとものすごくハンディになっているということは常に考えて、基盤(C)の充足率の向上、それから、上限金額の設定についても長期的には見直さなければいけないという気がしています。これは御参考までということで、以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。なぜ基盤(C)だけ大きく変わらなければいけないのということは十分な説明が必要そうな気もしますけれども、一方で、今、山本委員がおっしゃられたような、意義づけといいますか、非常に分かりやすい意義づけができるということもあろうかと思います。よろしいでしょうか、事務局。
【永田学術研究推進課長】  
学術研究推進課長の永田でございます。山本先生に今おっしゃっていただいたように、ここのところ、科研費の予算としてはほとんど伸びてないという状況の中で、いろいろな制度改善はこれまでもやってきているところかと思います。そして現在、基盤(C)の在り方等を今御議論いただいているわけでございますけれども、この19ページにありますとおり、基盤(C)のこの検討を踏まえながら、右側にありますように、(S)、(A)、(B)、(C)基盤研究そのもの自体の在り方も併せて検討していく必要があるんじゃないか、検討するタイミングに来ているんじゃないかというような問題意識がございますので、この辺も先生方に御意見を伺いながら、新たな制度改善に向けてまた検討を進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【大野部会長】  
よろしゅうございますでしょうか。それでは、中野委員、お願いします。
【中野委員】  
私も重複制限というのは基本的にどんどんなくしていく方向に賛成なんですが、そうすると、やっぱり審査員が足りなくなるという大きな問題が出てきます。それで、申請数というのはある程度抑えるような方法というか方策も一緒に取らないといけないんじゃないかと思います。一つのアイデアというか、きちんと検証すればいいなと思うのが、このコロナ禍で繰越しが非常に簡単になったために、基盤(C)で繰越しが非常に多かった。そのために申請数がその期間は伸びなかったというような話も聞いています。それが本当であれば、確かにコロナ禍で研究が遅れたという面もあると思うんですけれども、かなりの部分、繰越しが簡単だから繰り越された方もいらっしゃるんじゃないかと推測します。その辺のところをやっぱりきっちり検証して、繰越しを簡単にすることによって、科研費制度に対してよい効果が現れるというようなそういうことが想定できるんだったら、使い勝手の部分ですけれども、繰越しをもっと簡単にする。必要ならば、基金化の部分をもっと大きくするというようなことも併せて行うといいんじゃないかなと思います。
 以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
事務局としても使い勝手の向上といいますか、科研費自体の使い勝手をよくするということと、予算の基金化を進めるということは重要な課題だと思っていますので、その中で考えていく必要があると思っています。
【大野部会長】  
ありがとうございます。続きまして、荒井委員、お願いします。
【荒井委員】  
荒井でございます。ありがとうございます。私も重複制限というのはなくしていくほうに大賛成です。もちろん審査の負担というのはすごくあるんですが、審査は私自身も頑張りますから、重複を甘くしてほしいというのが本音です。
(C)につきましては、やはり前々から挑戦的萌芽との重複はオーケーにしたほうがよいのではずっと思っていました。(C)以外にも、中堅の人たちは(B)を持って研究室を持っている人が多いと思うんですけれども、その人たちが(A)のほうに踏み出すのに大変苦労をしています。というのは、(A)のほうに踏み出した場合は重複が駄目なので、(B)に出せませんので、研究室が1年間やっていけないかもしれないという恐怖を持ちながら、(A)に挑戦するようなことになっております。その辺が緩くならないかなというのは思います。
あともう一つ周りからよく聞くことで、ほかの科研費になって申し訳ないんですが、学術変革(A)の計画班の代表と挑戦的研究の開拓が駄目というところが相当皆さん傷を負ってといいますか、学術変革(A)の計画班代表というのは基盤(S)と(A)はオーケーなんですね。それなのに、金額の大きさからすると、大したと言ったら申し訳ないんですけれども、(S)や(A)ほどはない挑戦的研究(開拓)を持っていると出せないということで、後で気づく方も多くて、その辺もどうにかならないのかなと思うのが個人的意見でございます。よろしくお願いします。
【大野部会長】  
ありがとうございます。いかがでしょうか、事務局。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。先ほど山本先生から御意見あったかと思いますけれども、種目の立てつけの中で重複制限の在り方を考えていくという点で、多分、計画班と調査研究のところの制限というのは考えていた可能性もありますので、そこのところは過去の経緯も調べつつ、あとは各種目の立てつけと重複の在り方というのは、全体合わせて見直すことも重要かなと思っておりますので、引き続き検討させていただきたいと思います。
【大野部会長】  
ありがとうございます。それでは、尾辻委員、お願いします。
【尾辻委員】  
尾辻です。ありがとうございます。先生方と全く重複制限緩和の方針については同意見なんですけれども、実効的に応募件数に歯止めをかけながらどうやって制限緩和していけばいいのかと。山本先生が言われるように区分を取りあえずエクスクルーシブにして許すというのは実効的な導入だろうと思うんですけれども、根本的に基盤研究(C)が増加し続ける理由というのは、私はいわゆる採択率偏重主義にあると思います。これはもう政策主導的に政府主導で採択率3割という目安が与えられてしまっているがために、どれだけ応募件数が増えても採択率が、今、最新で大体28%ぐらいだと思うんですけれども、下がらないんです。
下がらないということは、いわゆる充足率がどんどん下がって6割とかになってしまって、結局、そうすると基盤研究(C)の性質が、ある特定の研究を推進するための予算の性格が薄れて、研究室を成り立たせるための補助的な財源をとにかく確保するワンオブゼムになってしまいがちになるという側面と、2つ拍車をかけているように思います。ですから、何としてでも、予算の限りがあるんでしたら、充足率の回復を認めていただきたい。
そして、より競争性を担保するためには、採択率3割にこだわる必要はないと思います。今、採択率3割で6割の充足率だとすると、採択率を2割まで落とすことによって、充足率は9割になります。そうすることによって、本来の科研費の意味合いがより強まって競争性が担保され、いたずらに応募件数が増えるという傾向もある程度、かなり抑制できるのではないかと思いますので、ここのところは文科省様の、採択率3割ということの足かせに対する挑戦でもあるかと思うんですけれども、ぜひ御一考いただきたいと思います。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。事務局、いかがでしょうか。デュアルサポートの代替と捉えるのはちょっとという整理もあったと思いますけれども、その点と併せて何か発言ありますか。
【高見沢企画室長】 
ありがとうございます。政策目標として採択率30%というのは尾辻先生おっしゃるとおりで、ただ、それは科研費全体での目標というふうに理解しておりますので、個々の種目でどう配分するのかということについては、やはり適切な規模できちんと研究遂行ができるというところを再度確認していく必要があるかなとは思っております。そのときに最低水準の充足率ということがあるのかどうか、あるいはそういったものを審査のプロセスの中で決めていくというようなことが可能かどうかといった点についても、今後検討が必要かなと思っております。
【大野部会長】  
提案には、例えば採択の順位の上位は充足率を高くするというような、少しグラデーションをかけようという話もあったと思いますけれども、そのようなところはいかがでしょうか。尾辻先生はずっと科研費の改革に関わってきたので、私から尾辻先生に質問というのも何ですけれども、どのようにお考えか教えていただけますか。
【尾辻委員】  
尾辻です。ありがとうございます。重みづけはありだと思います。ボーダーに近づいていくほど充足率を残念ながら下げるということは、限られた予算の中でということではありだと思います。ただ、今はやはり採択率を守らなければいけないところに行き過ぎてしまっているので、少額の500万円が充足率6割になってしまうと、これはもう最低限必要になる研究機器も買えないので、研究テーマが成り立たないということすら起こると思いますので、ぜひ両面から御勘案いただければと思います。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。それでは続きまして、白波瀬委員、お願いします。
【白波瀬委員】  
大変ありがとうございます。今、尾辻先生から論理的にしっかり御説明いただいたので、私としても大変ありがたかったです。やはりこの3割採択率というところで、競争的と言われている割には強調されすぎるアンバランスさという意味です。
1点だけ再確認ということなんですけれども、やっぱりデュアルサポートというそもそも論のところです。少し誤解を与えるような言いぶりではないかなと思ったのはやはり19ページのところです。機関の視点、基盤的経費確保が課題というところなんですけれども、不採択者への学内支援というところで、あくまでもデュアルでの仕組みが核になるべきですので、競争的資金は競争的資金、そして、基盤的経費についてはやはり確保をしっかりしていただく、この2つの両輪によって初めて学術研究が成り立つと思います。そうでないと、中長期的には私は問題がいつまでたっても解決しない部分はあると思います。そういう意味で、競争的資金については、やはり競争性をしっかり確保するということは、極めて重要な視点だと考えております。
【大野部会長】  
ありがとうございます。基盤的経費確保が課題なのは確かに機関としてはそうなのですけれども、科研費という意味でいうと、デュアルサポートの補完と考えるのは間違った認識ではないかという、その前のページのまとめのところとここに書かれている基盤的経費確保が課題というところ、競争的資金という立場から見ると矛盾しているようにも聞こえないわけでもないと思いますけれども、いかがでしょうか、事務局。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。基本的なデュアルサポートの立てつけを再認識するということは非常に重要だと思って、その前提の上での科研費制度内での対処が可能かどうかという点が我々の主要な議論のマターかなというふうには理解しておりますので、そういった前提は崩すことなく、議論を進められたらと思っております。
【大野部会長】  
ありがとうございます。前にここでも発言したと思いますけれども、デュアルサポートという概念は国立大学向けの概念かもしれません。私立大学にはそもそもデュアルサポートということはあまり大きく認識されていなかったのかもしれないなと思いますので、そういうところの考え方を若干整理する必要もあるのかもしれません。
それでは、続いて、中村委員、お願いします。
【中村委員】  
中村です。大分大きな話が出てきているので、少し思うところを述べます。文科省はJSTとJSPS、2つ持っているわけですよね。JSTは長年ファンディングの在り方をよくいろいろ議論して考えて、いろいろリファインしてきていると思うんです。今度、理事長も替わられましたから、さらにいろいろと考えられるでしょう。
それに対して、科研費は現状追認でずっと動いているような感じがするんですね。JSTは、国で決めたプロジェクトをやる、それに対して科研費というのは、草の根型に世界最先端を目指す、いいものを拾い上げる、科研費は最先端を目指していくんだというような本来の考え方に基づいて制度の在り方を考えるという、ここに一回立ち返ったほうがいいと思っています。
今はともかく現状推認型ですよね。基盤Cがどんどん増えたから困ったというような。ですから、もう一回文部科学省として、科研費が何なのかということをよく理解していただいて、JSTのプロジェクトとJSPSの科研費がどういう関係にあるかを考えていただくことが必要ではないかと思っています。
以上です。
【大野部会長】  
事務局、いかがでしょうか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。中村先生のおっしゃる点、草の根の最先端を支援するという点にもともとの制度的な立てつけがあるということは十分認識しておりますけれども、現状がそうでない部分があるという御指摘かと思いますので、その辺り含めて検討させていただきたいと思います。
【大野部会長】  
ありがとうございます。それでは、大竹委員、お願いします。
【大竹委員】  
御説明ありがとうございました。基盤的経費について申し上げていたんですけれども、これについてはやはり科研費とは別に扱うべきかなと私も思ったところではあります。
その上で、今回の重複のところですけれども、私自身は(C)と萌芽については少し慎重であっていいのかなと。全体の流れの中で、緩和していくということは理解しつつですけれども、若手の研究者を見ていると、(C)と萌芽が難しいがゆえに、(B)に挑戦していくという少し前向きな形が形成されているのかなと見えるところもあるので、(C)と萌芽というと、そのどちらかでいいやというような保守的な方向に行かないかなというところが若干不安です。山本先生のおっしゃるとおりで、分野が違えばというところは一つの落としどころになるのかなというふうに今日の議論を伺って思っておりました。
もう一つ申し上げることがあるとすると、例えば(S)あるいは(A)の分担になっている若手がいたりする場合が多いと思うのですけれども、そういったときに(C)と萌芽の重複を認めるかとか、そういったところはある程度制限があってもいいのかなと。つまり、(S)、(A)辺りの分担をやるときには重複の申請はできませんよというようなところも現実的には考えてもいいところかなというふうに感じたところでもございます。
以上でございます。
【大野部会長】  
ありがとうございます。事務局、何か発言ありますか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。具体の審査プロセスで実効性がどうかといったような点は、大竹先生の御意見を踏まえると出てくるかなと思いますので、JSPSでの御意見も伺いながら状況を確認させていただきたいと思います。
【大野部会長】  
ありがとうございます。それでは、井関委員、お願いします。
【井関委員】  
皆様からの意見がありまして、本当にそうだと。これをどういうふうによくしていくかというのは、私自身いろいろな意見を聞いていて、なかなか難しいと思うんですが、ちょっと1点質問させてください。
20ページの一番右側の円グラフなんですけれども、これ、基盤(C)で令和3年度に新規応募した方を過去10年間見ると、採択0回の人が62%ということなんでしょうか。0回と4回が同じ水色になっているのでよく分からないんですけれども。
【高見沢企画室長】  
0回が62%、採択がこれまでにないという方が62%で、4回採択されているという方は2件だけありますということです。ちょっと見にくくて恐縮です。
【井関委員】  
ありがとうございます。そうすると、もちろん令和3年のときに初めて若手の方で基盤(C)に応募したという方もいるのかもしれませんけれども、過去10年間出し続けて1度も採択されていないという方がいる可能性があるということですね。
【高見沢企画室長】  
それも入っていると思います。
【井関委員】  
この62%という部分、私こんなに多いんだと思ってちょっとびっくりしているんですけれども、審査の負担も考えた上で、ここの62%がどうなっているかというのを一度、全ては分からないと思いますけれども、少し解析したほうがいいのかなと思っております。
以上です。
【大野部会長】  
ありがとうございます。今、若手とおっしゃっておられて、職階を見る限りでは、若手もたくさん入っておられるのだと思いますけれども、教授、准教授で55%ですから、0回の中にはそういう職階の方々もいらっしゃるということで、基盤(C)を取っておられる方が若手だと言い切れるのかどうかというところもぜひ少し検討があってもいいのかなとは思います。もちろん若手という意味は研究者として若手という意味で、年齢という意味ではないのですけれども、そういうところの視点も必要かなと思ったりもしますが、事務局、いかがですか。
【高見沢企画室長】  
ありがとうございます。今回ちょっと急いでプロファイリングのデータを拾ったものですから、詳細はもう少し分析してみたいと思います。
【大野部会長】  
ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。今、手を挙げている方はいらっしゃらないようですけれども、よろしゅうございますか。
それでは、長期的に見て引き続き検討が必要な点がたくさんあるかと思いますけれども、着手可能な改善については、今日の御意見も踏まえて事務局において整理していただき、次回も引き続き御議論いただくとともに、できるものはインプリメントしていっていただければと思います。
それでは、以上で本日の審議は終了でございますが、何か皆様のほうから全体を通して、御発言はございますか。よろしゅうございますか。
それでは最後に、事務局より連絡事項をお願いいたします。
【吉田企画室長補佐】  
事務局でございます。本日も活発な御議論をいただき、御意見を頂戴いたしまして、ありがとうございます。今の部会長から御指示もありましたとおり、いただいた御意見につきましては、事務局で整理させていただいて、次回以降の審議に反映させていただければと思います。
連絡事項が2点ございます。1点目は、本日の議事録につきましては、各委員に御確認いただいた上で、公開をさせていただきます。
2点目、次回の研究費部会でございますが、日程調整をさせていただきまして、改めて御案内をさせていただきます。
事務局からは以上でございます。
【大野部会長】  
時間的には2時間を取っていただき、議論が十分尽くされたと思います。それでは、ここで本日の会議を終了させていただきます。お忙しい中御参加をいただきまして、ありがとうございました。

―― 了 ――

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