令和8年8月4日(火曜日)15時00分~16時15分
オンライン会議にて開催
(委員、臨時委員、専門委員)
大橋主査、木部委員、仲委員、宇南山委員、尾上委員、北本委員、治部委員、森田委員、安田委員、青島委員、後藤委員、田口委員、山中委員、米村委員
(科学官)
小木曽科学官、橋本科学官
生田大臣官房審議官(研究振興局及び高等教育政策連携担当)、石川学術企画室長、大場学術企画室長補佐、その他関係官
【大橋主査】 定刻となりましたので、それでは、ただいまから32回の委員会を始めさせていただきます。本日も、大変お忙しいところ、お時間割いていただきまして、ありがとうございます。
委員会の出欠、配付資料その他、まず、事務局から御説明いただいてよろしいでしょうか。
【大場学術企画室長補佐】 委員の先生方の御出席ですが、本日は、まだ安田先生がお見えになっておりませんが、全員参加と伺っております。また、本日は治部委員が16時頃から御出席予定、宇南山委員が16時頃に御退室と伺っております。
配付資料でございます。事前に電子媒体でお送りさせていただいております議事次第に記載のとおり、資料1-1、2-1、2-2をお配りしておりますので、不足等がございましたら、事務局まで御連絡ください。
本日はオンラインでの開催となりますので、御発言の際には、「手を挙げる」ボタンをクリックしていただき、主査から御指名を頂き、指名がありましたら、マイクをオンにして、お名前を言っていただいた上で御発言いただければと思います。なお、主査以外の委員は、御発言されるとき以外は、マイクをミュートにしていただきますよう、お願いいたします。
もし、不具合等がございましたら、事務局連絡先まで御連絡ください。なお、本日の会議は、傍聴者を登録の上、公開としております。
最後に、事務局に異動がありましたので、御紹介させていただきます。
7月31日から、石川学術企画室室長が着任しております。どうぞよろしくお願いいたします。
【石川学術企画室長】 石川です。どうぞよろしくお願いします。
【大橋主査】 それでは、議事を進めさせていただきたいと思います。
本日の議事ですけれど、大きくは1つでございまして、当面の施策の方向性(案)ということでございます。前回のこの委員会で、今後の人文学・社会科学の振興に関する施策の方向性ということで事務局から素案を示させていただいて、委員の皆様方から、大変、様々、貴重な御意見を頂戴いたしました。ありがとうございます。
今回の委員会では、頂戴した御意見を基に、事務局にて内容を精査いただいたものを案として御提示いただいているという認識です。
本日、まず事務局から御説明いただいた上で、先生方に改めて御意見いただいて、取りまとめに向けて進んでいきたいということかと思います。
それでは、本日、資料1-1から資料2-2までお配りしているところですので、事務局から順次、御説明いただければと思います。お願いいたします。
【大場学術企画室長補佐】 事務局でございます。
まず、資料の説明でございます。資料1-1が前回の委員会で先生方から頂きました主な意見をまとめたものになります。資料2-1が今回初めて出すものでございますが、論点整理の概要図で、2ページございます。資料2-2が今回、本文の修正した案になります。
では、まず、資料の2-1から説明させていただきます。
前回御指摘を受けたうちの中で、資料全体のメリハリの明確化、それから、議論全体の見取図が分かるようにすることの意見がございました。その意見を基に構成を整理し、章の中の記載順について、見直しを行ったところです。
見直しを行った章でございますが、第3章、第4章、第5章になります。章ごとに、項目の順の入替えを行っております。内容の調整が分かりにくくなりますので、資料2-2の本文ペーパーでは、そこは赤字にはしておりません。
3章でございます。流れの説明として、1として、まず、データ基盤やデジタルアーカイブの整備による各分野への裨益(ひえき)を示した上で、2として、AI活用による研究プロセスの高速化、研究の質の向上、次に、3の質的研究の事後的検証可能性や研究の可視化、最後に4としまして、研究者の創造性の発揮や新たなネットワーク形成につながるという流れで整理し直しております。データの蓄積、AIによる研究の高度化、新たな知の創出という流れに構成を並べていると御理解いただければと思います。
次、4章、5章でございます。こちらは課題や今後の取組がAI for Scienceにおけるどの段階であるものなのかということを整理する必要があると考え、その観点で作成しました。4つの段階の順に、4章、5章を並び替えております。
概要図の左側でございます。1つ目が環境整備・体制整備段階、2つ目がデータ基盤・準備段階、3つ目が研究・分析の実行段階、4つ目が成果創出・価値検証段階としております。
4章の課題に対して、どういった方策がとり得るかということで5章を対比し、理解できるつくりに見直しております。
以上が本資料を整理するという観点での修正となります。
次に、本文を説明いたします。先生方の意見を踏まえて内容を修正した箇所につきまして、簡潔ですが、個別に説明をさせていただきます。資料2-2を御覧ください。
まず修正を入れましたのが、第2章 人文学・社会科学を取り巻く現状、2ページから始まるところでございます。そこの2.3 AI for Scienceの拡大による研究手法の変化、こちら、最後のポツ、次のページの終わりになりますけれども、修正しております。こちらは、AI for Scienceで最も期待されるのは、それによって新たな研究が生まれる可能性があることという御意見を頂きまして、それに合わせる形で加筆修正したという内容でございます。
次に、第3章のAI for Scienceが人文学・社会科学にもたらす可能性でございます。
3.3 質的研究の事後的検証可能性の向上、研究の可視化について修正を入れています。質的研究でございますが、前回、「研究者個人の解釈に依拠する」といった誤った表現となっておりましたので、「研究者の理解と記述に基づく解釈を行う質的研究が」という記載としました。
また、その前のところでございますけれども、質的研究におきまして、テキスト分析やフィールドワークなど、テキストだけで読めないもの、環境や背景情報を踏まえて理解するという情報もすごく重要なものでございますので、そちらも頭に入れさせていただいております。
次のポツでございます。こちらは、AIが文脈や多様な解釈可能性を提示することの意義を追記する形で、3行の文章を加えております。
その次の3つ目のポツでございますけれども、こちらは、AIによって質的研究が量的研究に転換されると誤解されないように、量的研究として研究の接点を見いだし、「これまで限定的な」という文章、赤字の部分を入れたというところがございます。
次の「研究者の理解と記述に基づいた」は先ほど出てきた内容です。
最後、「大規模比較によって再検証することで、新たな解釈や知見を見いだす可能性がある。」というところも、委員の先生方の御意見を受け、加筆させていただきました。
次のページでございます。最後のポツでございますが、質的研究におけるAI利活用の意義として、こちら、3行の文章を入れました。
3.3の内容でございますが、ここの内容は事務局だけで作成することは難しく、前回の委員会で質的研究について御説明いただいた後藤先生を始め、複数の先生から御意見を受けた上で作成した内容となっております。
次に、第4章でございます。人文学・社会科学におけるAI for Scienceに関する課題です。
まず、1つ目です。4.1 研究コストの変化、前回は「増加」としていたものを「研究コストの変化」に修正いたしました。そこは必ずしもコストの増加につながるとは限らないという御意見を受け、「変化」に直したものでございます。3つ目のポツも併せて修正しております。
次に、4.2 AIに準拠した研究データインフラの構築になります。
ここの3ポツ目です。こちらも委員から、市民・地域が保有する資料が研究の重要な資源となるけれども、それらのデジタル化が点在的に行われており、研究者やAIが我が国の文化等の全体像を面として捉えられる状況になっていないのが課題だという御指摘を頂き、加筆したものです。
次のポツでございます。こちらは業績としての評価というところで、主語、それから必要性についての明確化をするべきだという御意見を受け、「学術界が」をこちらに入れたということと、「評価することが必要となる」という書き方とさせていただいております。
次に、4.4 AIへの理解(人材育成を含む)でございます。
こちらは研究者間でのAIやデジタルに関する意識やスキルの水準に大きな差があるというところを委員の意見を受け、加えたものです。
次に、4.5 AIへの透明性・信頼性の確保でございます。
こちらは最後から2つ目に新たにポツを加えております。AIの主力を研究者が検証するだけではなくて、人間の価値による補正が重要だということ。そのような人間の価値観を研究対象とし、知見を創出するものが人文学・社会科学であるというところも、委員の御意見を基に加えたものでございます。
次のページをお願いいたします。5.今後の方向性となります。
5.1です。2つ目のポツ、「AIを利活用できる研究人材を連携して育成する環境」、こちらはデータ基盤だけではなくて人材の育成も重要だというところで加筆したところでございます。
次に、5.4 先進的な事例の蓄積と共有でございます。
こちら、2つ目のポツなんですけれども、なぜ、ユースケースが必要なのか、国の政策が必要なのかというところで、「ユースケースの共有・展開を研究者コミュニティの自発的な取組のみに委ねることは難しく、AIの進展を踏まえた迅速な普及が求められることから、国による共有・展開への支援が必要となる。」と書かせていただきました。こちらは研究へのAIの利活用は自然に進むと思われる中、なぜ政策が必要なのか明確にすべきというところで、ユースケースについて、個別になりますけれども、書いたもの。
次の5.5ですが、こちらは事務局の提案として記載した内容となります。こちらも政策がなぜ必要なのかの観点で、新たに入れた内容です。社会とのつながりの保持です。
AIによって研究者がつながる相手は、ほかの研究者や機関、データのみならず、地域・市民・産業といった社会も含まれる。社会とつながりを持ち、人文学・社会科学が振興されることにより、研究が多くの社会課題の解決に寄与することとなる。だから施策が必要なんだということで入れた内容です。こちらについては、新たに出てきた内容でございますので、本日、御意見等いただければと思う次第です。
次のページをお願いします。最後に6.AIの進展に関わる引き続き議論すべき課題です。前回は「今後の課題」という書き方をしておりましたが、決して先の課題ではなくて、今考えていかなければならない課題だというところで、このような書き方に修正したというところとなります。
修正案の説明は以上となります。
あわせて、今後のスケジュールでございますが、本日の議論を経て、今月中に文部科学省のホームページにて公開する予定でございます。
私からの説明は以上となります。御審議のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
【大橋主査】 ありがとうございました。
この特別委員会において、AI for Scienceをどう考えていくのかということで、これまで御議論させていただいて、また、複数の方々、機関からヒアリングもさせていただいた上で、今回、当面の施策の方向性ということで、一種の中間取りまとめみたいなものなのかもしれませんけれども、1つ成果物を出そうということで、今回、一応、1回の御議論を踏まえた上での成果物ということで、皆さんにお披露目(ひろめ)させていただいたということになります。
今後、先ほど段取りにもあったのですけれど、今日の御議論を踏まえて、最終的にセットをする時期だということでもございますので、是非、今日の時点でたくさん御意見をいただければ、お盆休みは取られるのだと思いますけれど、それを反映できるように、事務局としても対応いただけるということだと思うので、是非、今日、様々、御議論いただければと思います。
手挙げの機能でお知らせいただければ、御発言いただけるようにいたします。毎回全員に御発言いただいているので問題ないと思いますけれど、是非、本日、御参加の全員に御発言いただければと思っています。いかがでしょうか。
それでは、宇南山先生、お願いします。
【宇南山委員】 ありがとうございます。本日、途中退席ということで、先に意見だけ述べさせていただきます。
前回、私、いろいろと言わせていただきまして、それで、かなりの部分、対応していただきましたので、記述としては、違和感がある部分というのはほとんどなくなったんですけれども、この文章の性質を踏まえた上で、幾つかコメントをさせていただきます。
前回意見させていただきました質的研究に関する記述なんですけれども、第3章、ここのところで書かれていることは、かなりマイルドになったというか、質的研究の部分、いいのではないかと思っているのですが、少し気になるのは、3.3というのが質的研究というのを取り上げて、4とか5、つまり、これでどういう課題があって、どういう取組をして、どういう政策対応していくのかという話にどうつながっているのかが、少し私が見た感じだと理解できなくて、それなりの分量を使って質的研究を取り上げているんですが、これが4とか5でどうつながったのかというところについて御説明いただければと思います。
また、文章の中で、3を受けてこういう話になっていますよというような接続が少しあると、文章全体として読みやすいかなと思います。
もう1点、類似――類似でもないんですが、文章の性質というところで、人材育成ですね。「AIへの理解(人材育成を含む)」という部分で、これまで幾つも人材育成のプログラムみたいなものをヒアリングもさせていただいて、こういう感じで、文系の人でもAIを理解していくべきだよというのは理解したんですけれども、ここのところは、メッセージとして、AIの仕組みみたいなものも人文・社会科学の人間がしっかり基礎から理解をするべきであって、例えば理系とのコラボみたいな形で、そこの理解は理系に回すみたいなことはしないというメッセージを含むのかという部分、4から5につながる部分なんですけれども、人材育成というのが、文系の人間がAIを理解する、そういう仕組みをつくるんだというメッセージを持っているのか持っていないのか、そこについて確認をさせていただければと思います。
それ以外のところ、全体としては、1個1個の文章には違和感がないので、趣旨だけ明確にさせていただければと思います。
以上です。
【大橋主査】 ありがとうございます。
【大場学術企画室長補佐】 大場です。御質問いただいておりますので、私から回答させていただきます。
まず最初、質的研究の内容、可能性、3.3のところが、どのような課題と、あとは今後の方向性というところで、私も今ぱっと見直したところなんですけれども、3.3の可能性のところで大きく書いているんですが、課題のところが少し内容が、しっかり接続というのができていないのかなと、思いました。
5のところでは、特に4の先進的な事例の蓄積と共有というところで、ユースケースをつくっていくということを書かせていただいているところなんですけれども、ただし、これも文章を読んだだけではそういうふうには見えないなというところがありますので、その観点で、流れがつながるようにさせていただければと思います。これもやはり段階的な構造の見直しをしたことで、そういったところが分かりやすくなったということと、あと、足りないところがちょっと出てきて、先生がお気づきになったということなので、そこはちょっと修正等をさせていただきたいと思います。
次に、人材育成の仕組みについてなんですけれども、こちらは人社研究についてもAIというのが活用できるということと、その仕組みを知らないと、間違った使い方をするとか、検証がすごくリスクとしてあるし、知っておかないといけないというところで、学ぶ必要があるというものになります。それがイコール人社の研究ではなくなるんだというものではなく、人社研究の基礎的な地域として今後必要となっていくという文脈で書かせていただいているものと理解しております。
以上になります。
【大橋主査】 よさそうですか。最初の御指摘の点は、ちょっと受けがうまくできていないのかもというところなので、ちょっとこちら、文案をもう1回、見直させていただきますと。
2番目は、一応、人社系でもしっかりやっていくことが必要というふうな。
【宇南山委員】 2番目のところ、理解はしたんですが、何となく、接続する人材の育成という部分についてはあまり言及がないので、理系と文系をつなぐような人材を育成するというような観点もどこかあるといいか、若しくは、そうでないなら、文系の活動の中での話ですという限定がつくといいなと思いました。
ありがとうございます。
【大橋主査】 ちょっとそちらも、施策の関係もあると思うので、御検討いただければと思います。
【大場学術企画室長補佐】 ありがとうございます。
【大橋主査】 ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。
それでは、仲先生、お願いします。
【仲委員】 仲です。私、前回欠席であったりして意見を十分に言えなかったところ、すみません。大変よくまとめてくださっていて、もう十分、十分だと思うところなんですけれども、重なるかもしれないのですが、3点あります。
1つは、4.1の研究体制の拡大であるとか研究コストというところとも関わると思うんですけれども、もしかしたら、AIの使用が、ますます格差をつくり出す元になるかもしれないなと思うところがあります。地域であるとか、自分がどこの機関に属しているかとか、アクセス権があるかとか、データを使えるかとか、そういうことで、AIを使う環境に、自分がどういうところにあるかということで、あるいは自然科学系と人文社会系の格差みたいなものも生じてくるというようなこともあるのではないかなと思います。ですので、格差が生じるかもしれないということを念頭に置いて施策をつくっていくという観点があると、4.1とか4.4がより際立つかなと思ったところです。格差の解消というところですね。
もう一つ、格差ということについて言うと、AIを使うことで、例えばライフイベントのために研究が中断しがち、例えば国外に行って、資料を記録しにいくことができにくいとか、そういうようないろいろな、例えばジェンダーで感じるような研究上の格差とか中断とか、そういうことがAIを使うことによって補われるという部分もあるかなと思ったりするところがあります。例えば自然科学系であれば、妊娠をしているときには扱いにくい薬剤というのをAIロボットが代わりにやってくれれば、全然ジェンダーを意識することなく実験ができるという話も聞いたりするわけですね。同じようなことが人文社会系でもあり得るかなと思うと、ジェンダーとか外国語、言語の問題であるとか、あるいは視覚とか聴覚の障害であるとか、身体的な障害であるとか、こういった格差をAIが乗り越える助けになるのではないかなと思ったりいたします。そういう意味でも、二通りの形で格差の解消に役立つようなAIの使用というのが含まれるといいなと思ったところです。
もう一つは、それとも関係するんですけれども、人材育成のところとつながるんですが、リテラシーなど、やはり格差とつながりますね、AIを誰でも使えるようにしていく教育的な側面というのが重要だなと思いました。
以上です。
【大橋主査】 ありがとうございます。
何名か御意見いただいた後、事務局から御回答させていただくような形で進めたいと思います。
続いて、田口先生、お願いできますでしょうか。
【田口委員】 取りまとめ、ありがとうございます。
前回、欠席いたしましたので、メールで意見を申し上げて、それを6の1つ目のところ辺りに入れていただいたんですけれども、この6番目の1つ目、ここでAIとの関係、AIが導入されることで、人間や社会そのものが大きく変わってくる。こういう点で、倫理とか、法とか、政治・行政等々、こういうようなところに人文・社会科学が取り組まなければいけないのではないかというお話、私、これ、非常に重要な問題だと思っていまして、ここに入れていただいたことは、まず、大変有り難く思っております。
ただ、これ、ここだけでいいのかなというのをちょっと思いまして、一番最初の方、2.1 「社会と学術を取り巻く変化と人文学・社会科学の役割の再評価」というところなんですが、ここのところに、正にこういう問題が関わってくるのではないかと考えておりまして、ここでは専ら、社会課題の複雑化とか不確実性といったところにフォーカスして書かれていますけれども、AIが導入されたことで、AI技術が社会に普及しつつあるという現状において、人文・社会科学が非常に見直されているという面があると思うんですね。
例えば、アメリカの大手IT企業で哲学者を雇用するといった動きは非常に大きくありますし、Anthropicなどでも、AnthropicのAIの非常に重要な部分、憲法と言われるような部分などをつくっているのは哲学者だったりするんですよね。哲学だけではなくて、社会学や人類学や歴史学、文学など、こういったような人文科学が特に、今、非常に見直されている面があると思うんです。
それは、AIというものがこのままどんどん人間社会に普及していって、人間社会をどんどん規定するようになって、我々がAIなしでは生きられないような状況になったときに、はて、我々人間って一体何だったんだろうかと。人間がやってきたことをかなりの部分をAIが代替してしまって、人間は一体何をやるんだろうといったようなことが、改めて疑問になってきたりということがあると思うんですね。こういうようなところで、人間とは何かとか、人間の役割とは何か、人間の生きている意義とか価値って一体何だったのかといったことが改めて問われるようになってきているし、これからどんどん問われるようになってくるだろうと思うんですね。それによってAIの導入の仕方を変えていかなければいけない、そういうこともあるかもしれませんし、そういう意味で、非常に大きな課題だと思うんです。ここはまさしく人文学や社会科学の役割が求められているところで、この点について何かしら、この最初のところ、2.1の辺りで言及しておくべきなのではないかなと思った次第なんですが、いかがでしょうか。
以上です。
【大橋主査】 ありがとうございます。
事務局からもあるかもしれませんが、恐らく、おっしゃるとおりのところってあるなと思いまして、今回、どちらかというと、人文・社会科学がAIを使うというところにちょっとフォーカスが当たり過ぎてしまったところがあるんですけれども、当然のことながら、使うことに、社会がどうAIを受容していくのかということの中で、人文・社会学の知というのは非常に重要であるという全体的な指摘というのは前の方にあってもいいのかなと思いますし、今の田口先生の御指摘に一部、そういうことかなと、今伺ったところなんですけれど。
【田口委員】 正に、そのとおりの意見です。
【大橋主査】 そちらの方も事務局に踏まえて頂ければと思います。
【石川学術企画室長】 対応させていただきます。
【大橋主査】 ありがとうございます。
それでは、山中先生、お願いします。
【山中委員】 今の田口先生のおっしゃったことを私もちょっと聞こうと思っていました。前回の会議でも、どなたかが、こんな後ろの方でなくて、もっと前の方に出した方がいいのではないんですかというようなお話をなさっていたと私は理解していました。「今後の課題」でなくて、「引き続き議論すべき課題」という形で書き換えられていたので、自分が誤解したのかもしれませんがやはり、今のお話にもあったように、大事な問題として前に出した方がいいなと思いました。
あとはすごく細かいことです。あまり本質的なことを言えないので、先に手を挙げました。
3.3の一番下のポツのところです。質的・量的研究の件、とても分かりやすくまとめてくださって有り難いなと思ったんですけれども、一番最後の「研究者自身が知の探究を深めていくことこそが」と「こそ」と言ってしまうと強いのではないかなと思いました。こういうことも意義の一つだという形ぐらいの方がいいのではないでしょうか。
それから、これは書き換えたところではないのですが、5.2の一番下の「AIの利活用が進んだとしても、人文学・社会科学の各分野の価値は変わらないものであり」、それから、「資料そのものが有する価値が変わるものでもない」、ここの文が、前回もほかの件で話題になりましたが、誰が主語で誰に向かって言っているのかがちょっと分かりにくいと思います。人文科学の研究者として、負け惜しみというか、「私たちのやっている研究の価値は変わりません!」と言っているみたいで格好悪いなと、思ってしまいました。ほかのところとトーンを合わせて、「原資料の価値や蓄積してきた学問的な価値を守っていかねばならない」とか、「人文学・社会科学の価値が変わるものではないことを確認していく必要がある」とか、そういう言い回しの方がいいのではないかなと思いました。
【大橋主査】 ありがとうございます。
ここの段落自体が要るのかどうかというところもあるかもしれませんけれど。
【石川学術企画室長】 再構成、考えます。
【大橋主査】 ありがとうございます。
今のところで、事務局から何か、特段付け加えることがあればと思います。
【大場学術企画室長補佐】 田口先生の御意見につきましては、これは本当に入れるべきではないのかなと、すみません、私は委員の構成でなく、事務局としても思うところで、それに対して御反対の委員はいらっしゃらないように見受けられておりますので、是非、そのようにさせていただければと思います。
仲委員から御発言のあった内容につきましては、我々も検討したいと思います。ただ、ここは人社の克服としてどうなのかというところで、特に人社の観点も少し、研究の特殊性の観点もあわせて、なぜ、そういったところが必要なのか、可能なのかみたいなところも、また御相談して、文案をつくらせていただければいいかなと思いました。
最後に、5.2の最後のポツにつきましては、これはこれまでの委員会で出た御意見なので事務局として入れたものなんですけれども、確かに大橋主査がおっしゃるとおりで、こちらも5.2のところで入れる必要性も少し検討したいなとは思っております。こちらもまた案を作成させていただきますので、御意見等いただければと思います。
以上です。
【大橋主査】 ありがとうございます。
それでは、米村委員、お願いできますでしょうか。
【米村委員】 ありがとうございます。4.4のAIへの理解(人材育成を含む)について、(人材育成を含む)という、この括弧の中も結構重要なのではないかと思っていています。人社系のAI人材の担い手が数としても増えていくとよいと考えます。例えば6などに、1つ項目を立てる必要まではないですが、人文・社会系の次の世代も含めた人たちがAIを担っていくことへの期待や必要性を、少し何かニュアンスとして入れていただいてもよいかと思いました。
以上です。
【大橋主査】 ありがとうございます。
「AIへの理解」と書いてありますが、AIを使うに当たって求められる能力があって、その能力を備えた人材を育成したりとか、あるいは既存の研究者もそうしたものを手広くする必要がある、そういうことを趣旨としては含んでいるんだろうなとは思いますけれど。
【米村委員】 含めていただいていると理解しています。括弧に入れなくてもいいぐらい重要なテーマと思ったということです。やはり自然科学や生命科学等の他領域と比べると、人文社会科学のAI人材は、かなり数が少ないと思いますので、将来はもっと担っていかれる方が増えるということが重要と考えたということです。
【大橋主査】 ありがとうございます。
ちょっとそちらは、是非御検討いただければと思います。
それでは、後藤先生、お願いします。
【後藤委員】 後藤でございます。失礼いたします。これは質問ということではございませんけれども、今までの議論の中で出てきた部分を、私自身、こういう感じかなというところで申し上げますと、まず、質的研究の部分からAIへのつなぎというところでいくと、特に最近のテキスト生成AIというものの特性を考えると、これまでのデジタル技術や情報技術の進展に対しても、特に今のAIというのが質的研究に対する研究進展への裨益(ひえき)が非常に大きいということを書くのかなということを今個人的には思いました。
もちろん、場合によっては、それが質的研究の様々な部分にネガティブな影響を与え得るということもセットにはなり得るかもしれないんですけれども、そういう書き方をするといいのかなと個人的には思ったという次第でございます。
また、人材育成につきましては、いわゆるデジタル人文学みたいな文脈でいきますと、人文学研究者が、いわゆる理系の先生方とどれだけコミュニケーションをとれるかということが重要なポイントになってくると思います。これはどちらかというと、人文学の中での自然科学や情報工学の先生方が言っていることを適切にどれぐらい理解できるか、あるいは人文学の課題をどのように伝えることができるかという辺りをできる、これはこれまでのデジタル人文学、デジタルヒューマニティーズのようなところでも言われていたところになります。
もう一つ、多分、AIという文脈で重要になってくるのは、AIの内容をやはり適切に、これは前回もちょっと申し上げたかもしれないんですけれども、AIの動きに対して適切に関与できるように、インプットとアウトプットを適切に把握できるということが大事だと思っております。最初に、どれだけ的確に、AIにまず命令できるかということを自分たちで問いを発して、それに対して適切なインプットを加える、あるいは、ということができるような人材というのを考えることが必要だろうと思います。また、返ってきた結果に対して、その結果の妥当性であるとか、更にそこから適切な補正を加えていく、あるいは関連する知識情報をコンピューターに理解させるといったような形で考えてもらう。さらに、それによって、より適切なアウトプットを出していくというような人材みたいなのが人材育成の中では求められるのかなと理解をしております。
とりわけ、先日、ちょうど前回の人社委員会から今回の委員会の間に、デジタルヒューマニティーズの全世界の国際会議が韓国でございました。その中でも、これは田口先生の御発言にも少し近いところになるのかと思いますけれども、AIが様々な活動をしていく中で、人間の主体性というのはどこにあるのかということが、かなりデジタルヒューマニティーズの中で、人文学が研究を進めていく中で、自分たちの主体性というのをどのように持つのかということが議論されておりました。なので、その辺りは国際的にも、人文学に対するAIの状況として、我々人文学者若しくは社会科学者もそうだと思いますけれども、どのような主体性を確保するかということを考えていく必要があるのかなと、これは今回のものに関する附帯的な感想みたいになりますけれども、そのようなことを少し思った次第でございます。
もうちょっと言っておくと、AIについては、前回の堀人間文化研究機構理事の冒頭の説明でもございましたけれども、人の知に対して、取って代わるような、脅かすような存在として理解するのではなく、人の知をいかに拡張していくかという方向で考えるというのを全体の理解として押さえておくというのが改めて重要になるのかなと理解した次第でございます。
すみません、ちょっと長くなりましたが、全体のコメントとして、以上でございます。
【大橋主査】 ありがとうございます。
なかなか、きれいに織り込むことが、後藤先生、どういたしましょうか。
【後藤委員】 大量に言いましたので。ただ、雑多なコメントもございましたので、適宜、取捨選択していただければと思います。
【大橋主査】 また、ちょっと御確認もいただければとは思いますが、ありがとうございます。
続いて、青島先生、お願いします。
【青島委員】 前回のいろいろな意見を反映してくださって、ありがとうございました。
細かい点で2点ございます。1つは3.3の質的研究のところで、前回の委員会で、いわゆる質的研究を量的にやることとの区別をどうつけるのかという話があったと思います。その点に関する対応として、一番最後の項目が今回の主張であり、エッセンスだと思います。これには非常に賛同できるのですが、タイトルとのずれというんですかね。この節のタイトルは「質的研究の事後的検証可能性の向上」と「研究の可視化」となっています。でも、この文章の一番のポイントは、僕は最後の部分だと思うので、表題と重要な内容がちょっとずれているかなと思います。これ、調整していただけるといいと思いました。
もう一つは4.1の部分でして、これはさらに細かいことなんですが、1ポツのところで、他分野との連携、チーム型、共同研究型の研究手法が重要になってくる、拡大すると書かれています。これはその認識でよろしいと思うんですけど、2ポツ目はちょっと言い方が曖昧かなと思いました。「時代の変化に即した研究環境整備、支援の枠組みが必要となる。」というだけでは、ちょっと言い方が弱いというか。ここで言いたいことは、他分野も巻き込んだチーム型、共同研究型が人文・社会科学系でも非常に重要になってくる、それをきちんと支援できるような枠組みとか研究環境が必要だということだと思うので、そのように、もっと明確にはっきり言った方がいいのかなと思いました。
細かい点ですけど、以上、2点です。
【大橋主査】 ありがとうございます。
両方とも対応できると思います。ありがとうございます。
それでは、森田先生、お願いできますでしょうか。
【森田委員】 前回の先生方の御意見をまとめてくださり、大変ありがとうございます。
私からの質問は一つだけ、ちょっと細かい点なのですけれども、今回新しく付け加わった5.5の社会とのつながりの保持というところが、具体的に何を考えて書かれているのだろうというのがよく分からないのです。AIによって研究者がつながる相手はこれこれである、そしてその結果として「研究が多くの社会課題の解決に寄与することとなる。」と書かれているのですけれども、AIによって初めて、マージナルにできるつながりというのが何かあるのだろうかというのがよく分からないのです。そもそもAIを使わなくても、例えば人文学の先生方が地域や社会のデータをとったりとかということをされているわけですし、例えば社会科学、私たち法学や政治学あるいは経済学でも、産業界とか法曹実務家、企業の方たちと議論したりということはたくさんあったりするわけで、AIによって、マージナルに追加で出てくるお話って何か今まであったのでしょうか。ちょっと私が記憶していないだけなのかもしれませんけれども、この5.5というのは具体的にどういうメリットのことを言われているのかということを、もう少し説明していただけると助かります。
以上です。
【大橋主査】 ありがとうございます。
これ、事務局から補足いただければと思いますが、私の想像では、改めて森田先生に御指摘いただいて思うんですけど、この5.5が言いたいことというのは、人文・社会科学というのは社会課題の解決につながるんだということをまず言いたいということなんだと思います。それをこのAIのコンテクストでどう言うかというところでこういう文言になったのかなというのが私の想像なんですが、事務局と意図が合っているか分からないですけど、結局のところ、AIが何をやっているかというと、AIを利活用する研究者の意図と関わらず、恐らく、いろいろな人の知を吸収している部分があって、ここの部分というのは、ある意味、既にある知の蓄積を、その人の主体的なネットワーク以外のところでもAIというのは使ってしまっている部分があって、そういう意味では、つながりがあるって言えばつながりがある、ある意味、巨人の肩の上に立っているという意味でのつながりはあって、そういうことを言わんとしているのかなというのが思っていた点なんですけど。
【森田委員】 それですと、AIを使うことによって、それこそ先行文献の整理のようなものは自動的に全部やってくれるわけです。AIのおかげで、自動的に、より高速に、確実に先人の肩の上に立つことができる、自分が読み落としたものもあるかもしれないけれど、そういうお話になりますね。前回頂いたものと差分を見ていると、今、大橋先生がおっしゃったようなのとは違うことを考えておられるようにも読めてしまうので。
【大橋主査】 ちょっと私、議論を混乱させている可能性があるかもしれず、すみません。
【肥後専門職】 もともとこの文章を書いた趣旨としては、大橋主査のおっしゃるとおりなんですけれども、確かに、もともとの意図としては、人文学・社会科学の振興を国が考える理由は何なのかというところで、そこは出発点としては、人文学・社会科学が回り回って多くの社会科学の解決に寄与するところがあるからであろうというところに考え方としてはもっていっているのですけれども、それにAIがどう関わるのかというところで、大橋主査がおっしゃったとおり、もともと、人文学・社会科学の研究者の方々も、決してどこともつながりを持たないで1人でやっていらっしゃるわけではなくて、必ず、分野の中もそうですし、自然科学も含めた他分野とのつながりを必ず持っていらっしゃるはずだと。なんですけれども、堀理事の前の御説明でもあったとおり、AIの進展によって、今まで自分だけではつながりを持てなかったような研究であったり研究者の方あるいはデータ等、新たなつながりをもたらすことができるのではないかというようなところであったかとは思うんですが、そういったつながりが生まれていくことで、人文学・社会科学が今までAIがなかったときには出てこなかったであろう研究だったり発展がもたらされるのではないかと。それが最初に申し上げたとおり、人文学・社会科学が本質的に寄与してほしいと思っている社会課題の解決につながっていくべきだと、その辺の論理が、この5.5の文章の3行だけですと、飛躍してしまっているところがあるので、森田先生がおっしゃるような誤解が出てきてしまったのかなと思っています。ですので、そういった表現ぶりとかは工夫させていただく必要があるかなと思っておりまして、また、御相談させていただこうかなと思う次第でございます。回答になっていますでしょうか。
【森田委員】 ありがとうございます。趣旨は大変よく分かりました。趣旨に同意いたします。もう少し表現をブラッシュアップしていただけるとよいかと思います。
【大橋主査】 ありがとうございます。
また、ちょっと御覧いただくような機会も設けられるといいかなと思いますが。
北本先生、お願いします。
【北本委員】 私から、これは既に議論になっている点の繰り返しになってしまいますが、改めて、御質問したいと思います。
まずは5.2の最後のところは、2つの話題が混ざっているのかなと思います。「資料そのものが有する価値が変わるものではない。」というのは、もともとデジタル化したら元の資料が要らないのではないかという論点に対する反論であって、これはその通りです。一方、各分野の価値は変わらないというのはこれとは別の話で、両方が混ざってしまうことで、この文章が分かりにくくなっていると思います。各分野の価値は変わらないというのは、どなたかもおっしゃっていましたけれども、恐らく自明ではない。むしろ価値を維持していかないと変わってしまうものだと思うんですね。ここが資料の話ならよいのですが、「各分野の価値は変わらない」とここで言い切ってしまうのはあまり適切ではない。どこか別の場所で論点として出す方がいいと思います。分野と資料が混ざっているので、分野を切り離した方がいいというのが私の意見です。
もう一つ、今話題になった5.5のところなんですけれども、ここは、いろいろな論点があると思います。先ほど田口先生がおっしゃっていた、哲学者がAI企業に入ってAI開発に関わるという話ですが、人文学とAIの関係において、人文学者がAIを外から批判するというのはよくある話なんですね。従来の人文学理論を使って、AIというものを外から批判する。ここで「批判」というのは別に悪く評価することではなく、批判的に考察するという意味で、ここまではよくあることですが、AIの開発に深く入っていって、自分がそちらをコントロール、あるいは影響を与えるところまで行けることはなかなかありません。このように、社会とのつながり、社会における役割として、AI開発自体の方向性に影響を与えるというところも期待されていると思います。その辺りの論点もこの5.5に入れられると、5.5がもう少し膨らむのではないかと思います。
以上、2点です。
【大橋主査】 ありがとうございます。
5.5の点は、是非、ちょっと踏まえられればいいですかね。
5.2の部分は先ほども議論があったんですが。
【大場学術企画室長補佐】 そうですね、後段の方はこの5.2の中で一つのこととしてあって、「資料そのものの有する価値が変わらない」というところは、少し説明があってもよいのかなと思いました。
上段の最初のなお書きのところの部分については、もしかしたら、ここではなくて、2のどこか、人文学・社会科学を取り巻く現状の中で、人文学・社会科学はどう位置づけられているのかみたいなところの話として、すみません、ちょっとジャストアイデアのところはあるんですけれども、そちらで少し検討してみたいなと思います。5に入れてしまうと混乱を招いてしまうなと反省いたしました。御指摘ありがとうございます。
【大橋主査】 よろしいですか。ありがとうございます。
それでは、木部先生、お願いします。
【木部委員】 意見をうまく反映してくださって、ありがとうございます。
実は私も5.5の関連なのかどうか分かりませんけれど、ここに入るかなと思うようなことを考えていました。
1つは、人材育成ですけれども、現在、子供たちへの教育に、AIが今非常に活用されています。例えば小学校では、積極的にAIを活用して、プロンプトの出し方によって出てくる答えが違うので、こういう指示を出したときはどうだ、違う指示を出したときはどうだ、それはどうしてかというような授業をやっているということを聞いたことがあります。AIをつくる人とか、AIを使う大学生とか、さらにその上の世代ではなくて、もっと、小学校、中学校、高校のような若い世代のところで、むしろAIを有効に使った教育が行われていると思うんです。だから、それを「社会とのつながり」のところに書くのがいいのか、「人材育成」のところに書くのがいいのか分かりませんけれども、次世代、次々世代を担うような人たちへの教育とのつながり、何かそういう面があるということを書いておくのがいいのではないかと思いました。
以上です。
【大橋主査】 ありがとうございます。
おっしゃる点は、恐らく、本当にあるんだと思います。人文・社会科学の学問としての発展につなげていくかというところのちょっとブリッジがあるといいかなと思うんですけど。
【木部委員】 そうですね、それは正に言葉の使い方の教育になるわけですね。コミュニケーション、AIとのコミュニケーションになるわけですが、コミュニケーションをどう図れば、どういう答えが返ってくるかというのは、正に言葉を使った教育というところにつながるんだと思います。
【大橋主査】 そうですね。今回、教育って射程がどんな感じ。
【木部委員】 あまり教育ということが入っていないような気がしますね。
【大場学術企画室長補佐】 AI for Scienceの視点に、リテラシーだとか、研究者としてそういった知識を得ていくという重要性というところはちょっと入れているものになります。初等中等教育からのAIの話を入れてしまうと、割と人文学・社会科学だけではなくて、もっと大きな話と、ちょっとここから少し出過ぎてしまうかなというところで、今回の論点、すごく重要なポイントだと私自身も思うところではございますけれども、ちょっと入れ込むというのが少し難しいのかなというふうな、検討はしたいと思います。
【大橋主査】 検討はしますが、文部科学省の悪いところだと思いますけれど、教育と研究って別部局になっているんです。一応、研究振興局でこのWGはやっているということですが、そういう縦割りがあるということもあるやもしれませんが、だけれど、教育と研究というのは二輪で走るものなので重要なご指摘と思います。
【木部委員】 人文・社会学の振興と直接つながるということではなくて、もっと広い意味でのAIの役割ということになるかもしれませんけれども、対人関係と同じことがAIとの間で起きているわけですよね。人文学・社会科学は、正に対人関係を考察する研究ですので、そういうところにもつながるのではないかと思います。
【大橋主査】 そうですね。先ほどの田口先生のときもそうだったんですけど、5.5に入れるか、あるいは重要性に鑑みてだと思いますが、もう少し頭の方に入れるか、ちょっとそこの辺りは表現を工夫しつつ、踏まえさせていただくような方向で、是非事務局にもお願いできればと思います。
木部先生、そんなでよろしいですかね。
【木部委員】 はい、よろしくお願いします。
【大橋主査】 ありがとうございました。
では、尾上先生、お願いします。
【尾上委員】 ありがとうございます。これだけたくさんのことをこの文章の中に組み入れて、また、各委員の御意見に対応いただいていることに感謝申し上げます。
僕、ちょっと引っかかっているのは5.1と5.2のつながりというところが、特に5.1の後半の部分と、この中には、5.1はネットワークの構築というところを書いていただいているんですけれども、その中に、やはりデータ整備の話が入っていて、でも、データ整備の話は5.2にあってというところで、若干行ったり来たり感が出ているかなというのがすごくこう、結局、5.1の2個目のポツを見ると、最終的にはAIの利活用をできる研究人材の連携した育成と、その手前の機関間の連携でデータの構築というのがあるんですけれども、そこではやはりAIで活用可能な信頼できるデータの構築というのは実は下に書いてあるので、何となく順番も、ひょっとすると本当は逆の方がいいのかなという気も、5.1と5.2自体が逆の方がいいのかなという思いもあったりして、なかなか、どういう解がいいのか分からないんですけれども、整理が難しいなというのが感想でございます。
【大橋主査】 ありがとうございます。
現状の整理、考え方というのは、どうしてこうなっているのかというのは何かあるんですか。まあ、こうなってしまったということですね。
【大場学術企画室長補佐】 前回の委員会で見取り図を作ってはどうかという意見を受け、今回の概要図で段階を整理し本文も合わせて直しました。元々の本文がそういったものがない状態で作成したことがあり、並べ替えた際にも違和感をもたなかったというので、今日まで至っているんだと思います。そこは修正できると思いますので、御対応させていただきます。
【大橋主査】 ありがとうございます。
よろしければ、では、安田先生、お願いできますでしょうか。
【安田委員】 ありがとうございます。
前回、参加させていただくことができなくて申し訳ありません。射程となるかの議論が少し前にありましたが、教育に関して、AIが台頭してきたことによって、子供が何を学ぶべきで、何を考えるべきかというところが大きく変わってくると考えています。学ぶ側の価値観もAIによってすごく大きく変わってきているのが現状だと思います。何を記憶して学び、何を思考する訓練を行っていく価値があると学ぶ側が感じるのか、そしてその感覚とは裏腹に、実際には何が大切なのか、こうした問いに対して、人文学とか社会科学の学問というものは、やはり人間が人間であるべきところに示唆をくれる学問だと思います。歴史であれ、社会のシステム、歴史、文化への理解、全部大事なんですけれども、全体の中でも特にこれは外せないというところを人文学社会科学の専門家がやはり研究から教育に直接フィードバックできればと思います。5.5の辺りもいいので、学問、研究、そして次世代の価値観が大きく変わるだろう世代とのつながりとしての何を学ぶべき、何を記憶するべき、何を考えるべきというところを、その指南を与えるというようなところの役割ということをもうちょっと書きかけたらすごくいいのではないかなと思います。全般的にすごく幅広い分野をまとめてくださって、本当、分かりやすく、ありがとうございました。
【大橋主査】 ありがとうございます。
次世代を担う層に対する教育というのもあるし、研究者に対する教育もあるし、研究者自身の研究の仕方もあるし、ちょっとこれはレイヤーが多分様々あるんですが、性格としては、結構同じものの可能性はあるとは思いますが、結構、現在進行形なので、なかなか書き下すのが難しいというところはありますけど、そうは言っても、重要性をしっかり、この中間取りまとめの中で踏まえているんだというところが見える形は少なくともありました。
【大場学術企画室長補佐】 そうですね。人社の知というのが、ここは「社会課題の解決」と書いていますけれども、やはり子供たちの教育のところにも人社の知が活用されるというところのお話かと思いました。そのような書き方で、また提案をさせていただければと思います。
【安田委員】 ありがとうございます。是非よろしくお願いします。
【大橋主査】 ありがとうございます。
一通り御発言いただいた感じでしょうか。
もし、追加であれば、様々、御回答も含めて、至らないところはあったとは思うんですけれど、おおむね、よろしゅうございますか。
今お入りになった方は……。
【治部委員】 治部です。すみません、ちょっと別の文部科学省の会議がありまして。
【大橋主査】 そうですか。今、場合によると終わりそうになっていたんですけど、もし御発言いただけるようであれば、はい。
【治部委員】 ちょっと私、前回出られなかったので、ちょっと的が外れたことを申し上げている可能性があるのと、既に御議論されている可能性があるんですが、この文書自体が練り上げた後、公開されるという前提で、比較的、私はそんな若くないですけど、若手・中堅の方とお話しする機会がある、一応、文系の研究者という立場から申し上げますと、今、やはりすごく不安に思っている人が多くて、やはり人文・社会科学の先日の骨太の方針で出た「ダウンサイジング」という言葉で大変インパクトを受けていて、未来がちょっと見えないというか、ないのではないかと思ってしまっている人たちが多い中で、今回はAI for Scienceということなので、それに直接何かを言うものではないかもしれないのですが、人文・社会科学というものが今後も残るのかどうかということを若手・中堅はとても心配しているというところを一応お伝えしておくという感じが私の述べたいことです。すみません。
【大橋主査】 ありがとうございます。
ダウンサイジングとは何かって説明できますか。
【石川学術企画室長】 そうですね。こちらは大学改革と併せて、たしか骨太の方針の中でも、特に2040年を見据えて、人口減少が大分進んでいくというような中で、そもそも、全体として2040年に向けてダウンサイジングしていくというような流れの中での話もあろうかと思っています。人文・社会科学の重要性自体がそれによって何か変わるというような話ではなくて、飽くまでも、そういった人口減少を見据えた中で、大学教育をどう考えていくかというような中での話もあろうかなと思っています。我々としても、人文・社会科学は大変重要ということ自体は変わりありませんので、そういったメッセージとしても、今回、この特別委員会での報告を出すことで、重要性というのを改めて発信できればとも思っております。ありがとうございます。
【治部委員】 ありがとうございます。どうしても政府の文書って、独り歩きといいますか、つまみ食いして拡大解釈した人の意見が広がってしまいがちなので、今回の提言報告を出す際に、できればきちんと記者クラブ等々、主流のメディアを通じたお考え、若しくは政策の方向性というものを発信していただけると、とてもいいのではないかなと思います。
【大橋主査】 ありがとうございます。
多分、AIの影響のもう一つは、人文・社会科学という研究が、必ずしも大学に閉ざされるものでもないかもしれないということはあるのかなと。ある意味、研究の民主化といったらちょっと大げさ過ぎますけれど、他方で、大学だけが人文・社会科学をやる機関なのかというと、いろいろなところでこうした研究というのは担われてもいいのかもしれないですし、ただ、我々はここで学問の領域としてどうかということを多分論じているということではあるので、人文・社会科学という学問領域の重要性、それがAI for Scienceの中でしっかり位置づけられること、そうしたことが一義的にはあって、その中で、当然のことながら、大学は主要なプレーヤーであることは間違いないので、そうしたこともちょっと念頭に置きながら議論させていただいてきたということなのかなとは思いました。
もし、追加の御意見とか、多分、今日が事実上、こうしてみんなで議論を交わせる最後の機会、最後ですかね、この取りまとめにおいては最後の機会ということになってしまうので、もし、今の時点であれば、全く生煮えの御意見でも構わないので、いただければ、事務局として、最後、まとめの中で入れ込めさせていただければと思うんですけど、いかがでしょうか。
よろしゅうございますか。大丈夫ですかね。
どうぞ、仲先生。
【仲委員】 木部委員とか安田委員から出ていたところですけれども、教育というところで、文理融合というのがAIを使うことでますます進むのではないかなと思います。必ずしも数式とかいうようなことでなくても、数式、数学の部分はAIがやってくれるとかという形で進んでいく部分もあるのかなと思います。そういう意味では、今までも議論になっていましたけれども、AIを使いこなす人材というのと文理を分けて考えないマインドセットというのが重要なのかなと思いました。生煮えの意見ですみません。
【大橋主査】 全然、そんなことはございません。ありがとうございます。
【仲委員】 すみません、ありがとうございました。
【大橋主査】 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思うので、そうしたことも、しっかりスコープには入れさせていただきます。
よろしゅうございますか。
では一旦、もし御意見が尽きたようでしたら、この場はここまでとさせていただいて、また、今日、事務局へたくさん宿題を頂きましたので、一旦また入れ込んで、セットさせていただいたものを。
【石川学術企画室長】 照会させていただいて。
【大場学術企画室長補佐】 そうですね、はい。
【大橋主査】 皆さんに照会は可能でしょうか。
【大場学術企画室長補佐】 お送りさせていただきます。
【大橋主査】 可能ですか。では、皆さんにまた御照会させていただきます。大変お忙しい中あるいは夏休みの期間中かもしれないので、そうした中で恐縮ですけれど、是非御覧いただいて御意見いただければ、最後、フィックスに向けて進めてまいりたいと思います。一応、皆さんにお見せして、修正の御意見を頂いて修正するんですが、次に顔を合わせる場が予定されていないので、よろしければ、最後の最後の修正については主査一任という形をとらせていただければと思うんですけれど、御異論ある方いらっしゃいますか、よろしゅうございますか。
ありがとうございます。それでは、そうした形で進めさせていただきたいと思います。
では、議題は以上なんですが、もし、皆さんから全体を通じて御意見があればいただければと思いますし、事務局から、何かあればいただけますか。
【大場学術企画室長補佐】 大丈夫です。
【大橋主査】 特段ないですか。
それでは、皆さん、よろしゅうございますか。
本当に、もう夏休みに入っている方、多いと思うんですけど、そうした中、今日、お時間を頂きまして、本当ありがとうございました。
正に皆さんに頂いたと思うんですけど、AI for Scienceというのは理系だけの分野ではなくて、別に人文・社会のダウンサイジングではなくて、実は人文・社会科学の知が正にAIの実装に相当重要な役割を果たすんだという思いの中で、この中間取りまとめ、仕上げさせていただきたいと思いますので、最後までお付き合いいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
ということで、本日のこの場は閉会とさせていただきます。
事務局から、最後、連絡があればいただければと思います。
【大場学術企画室長補佐】 事務連絡となります。
本日の議事録については、後日メールにてお送りいたしますので、御確認をお願いいたします。
また、本日の議題に関し、追加の御意見等がございましたら、後日、事務局までメールでお送りいただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、次回の開催日程につきましては、現在、調整中であるため、後日、改めて御連絡させていただきます。
連絡事項は以上でございます。
【大橋主査】 それでは、本日はこれにて閉会とさせていただきます。本日も大変闊達(かったつ)な意見交換を頂きまして、ありがとうございました。次回以降もどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
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