人文学・社会科学特別委員会(第5回) 議事録

1.日時

令和3年1月22日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、オンライン会議にて開催

3.議題

  1. 共創型プロジェクトについて
  2. その他

4.出席者

委員

(委員、臨時委員、専門委員)
城山主査、小長谷委員、白波瀬委員、須藤委員、井野瀬委員、大竹委員、川添委員、岸村委員、喜連川委員、小林傳司委員、小林良彰委員、窪田委員、盛山委員
(科学官)
黒橋科学官、寺﨑科学官、渡慶次科学官、長谷部科学官、渡部科学官

文部科学省

錦学術企画室長、二瓶学術企画室長補佐

5.議事録

【城山主査】 それでは、時間になりましたので、ただいまより、第5回人文学・社会科学特別委員会を開催いたしたいと思います。
まず、本日の委員会のオンライン開催に当たり、事務局から注意事項がありますので、よろしくお願いいたします。

【二瓶学術企画室長補佐】 学術企画室、二瓶でございます。
本日は、オンラインでの開催となりますので、事前にお送りしておりますマニュアルに記載のとおり、御発言の際には、手を挙げるボタンをクリックしていただき、指名を受けましたらマイクをオンにし、お名前をおっしゃっていただいた上で、ゆっくり御発言いただければと思います。なお、主査以外の委員の皆様は、御発言されるとき以外は、マイクをミュートにしていただきますよう、お願いいたします。
機材の不具合等ございましたら、マニュアルに記載の事務局連絡先まで御連絡ください。
また、本日の会議は傍聴者を登録の上、公開としております。
以上でございます。

【城山主査】 ありがとうございます。それでは、よろしくお願いいたします。
最初に、事務局より資料の確認をお願いいたします。

【二瓶学術企画室長補佐】 本日はオンラインでの開催となります。そのため、資料は事前にお送りさせていただいております。
本日の議題に係る資料に関しましては、議事次第のとおりとなっております。過不足等ございましたら、お知らせください。
資料の御説明は以上でございます。

【城山主査】 ありがとうございます。
それでは、議事に入りたいと思います。本日の議題は議事次第にあるとおりでございます。
まず、1つ目の議題でありますけれども、共創型プロジェクトについてということであります。これまで御議論いただきましたことなどを踏まえた審議の最終まとめ案を提示いたしますので、御審議いただければと思います。
まず、審議に先立ちまして、事務局から本年度より開始いたしました「人文学・社会科学を軸とした学術知共創プロジェクト」の取組状況について、御説明いただきたいと思います。よろしくお願いします。

【錦学術企画室長】 おはようございます。学術企画室、錦でございます。よろしくお願いします。
資料1です。こちらの学術知共創プロジェクトにつきましては、平成30年の12月に取りまとめられました、学術分科会、人文学・社会科学振興の在り方に関するワーキンググループ、こちらの提言に基づきまして、人文学・社会科学特別委員会において、令和元年9月19日におまとめいただきました、人文学・社会科学を軸とした学術知共創プロジェクト中間まとめ、こちらを踏まえまして実施しているものです。
事業内容としては、1ページ目ですけれども、ワーキンググループの提言で示された人文学・社会科学を取り巻く課題、資料1の背景・課題のところに2つ丸がありますが、こちらに記載しております課題、これに対応するために未来社会が直面するであろう課題、これは大きなテーマと呼んでおりますが、こちらの大きなテーマの下に分野を超えた研究者等が知見を寄せ合って、研究課題と研究チームを作るための共創の場を整備する、そういった事業です。令和2年度から3年間の予定で実施をしているものです。
今、申し上げた大きなテーマというものについては、資料1の事業概要の3行目のところに3つ書いてございます。将来の人口動態を見据えた社会・人間の在り方、分断社会の超克、新たな人類社会を形成する価値の創造ということで、こちらは特別委員会の方で御議論を頂いて設定をしているものです。
この事業のポイントを簡単に申し上げますと、3つのテーマごとにテーマ代表者を置きまして、それぞれにワークショップを開催するなどして、研究課題、研究チームの構築を目指していくといったものです。これは委託事業ですので、委託先を5月28日から7月17日まで公募したところです。そうしたところ、合計10機関から応募を頂いたところです。その応募を踏まえまして、8月13日に審査委員会を開催したところです。審査委員会につきましては、本委員会の城山先生に主査をお務めいただいたほか、勝先生、小長谷先生、新福先生、小林傳司先生、山本先生に御協力を頂きました。そのほか、東京大学の頼住先生にも御協力を頂いて審査委員会を開催して、審査の結果、大阪大学を委託先として決定しまして、9月に契約を締結したところです。
こちらの事業の実施体制を2ページで御説明したいと思います。実施体制としては、委託先として決定した大阪大学、これは実行組織になるわけですけれども、こちらの大阪大学において、この事業を管理する者として、左側の方に書いてございますが、プロジェクト・マネージャーというものを置いています。こちらは大阪大学の堂目先生に就任いただいています。このプロジェクト・マネージャーという役職は中間まとめには記載はありませんでしたけれども、事業を円滑に進めるため大阪大学として配置しているものでして、業務の内容としては、事業計画を大阪大学の中で取りまとめるということですとか、事業総括者とテーマ代表者の間の調整をしたりですとか、そういった実行組織の内部の取りまとめ等を中心に行っている役職です。
プロジェクト・マネージャーの下で、左の方に書いてございますが、テーマ代表者が3名おりますけれども、こちらの3名のテーマ代表者がワークショップの開催等を通じて、研究課題、研究チームの構築を目指して取り組んでいくといった事業です。テーマ代表者は、また後ほど御覧いただければと思いますが、5ページに記載のとおり、大きなテーマごとに本委員会の委員でもあられます大竹先生のほか、稲場先生、出口先生に御担当頂いています。
実行組織の取組に指導、助言する者として、中ほどに書いていますが、事業総括者を置いております。文部科学省として、盛山先生にお願いしています。また、実行組織の計画や取組について、指導、助言をする組織として、一番右側になりますけれども、事業運営委員会を置いています。また、事業運営委員会においては、重要事項についてはここの承認を得ると、そういった形にしています。この委員会の委員は6ページに記載しています。本委員会からは、井野瀬先生、小林良彰先生、城山先生、盛山先生に御参画を頂いています。
3ページです。今後のスケジュールを御説明します。上のほうはこれまでの経緯で、9月29日に大阪大学と契約したという部分ですけれども、12月22日に3つのテーマのワークショップのうちの2つ、分断社会の超克のワークショップと、新たな人類社会を形成する価値の創造、こちらのワークショップの参加の公募を開始したところです。年が明けまして、1月12日に残りの1つの将来の人口動態を見据えた社会・人間の在り方のワークショップの参加公募を開始したところです。
以下、予定になりますけれども、1月24日に分断社会の超克、1月25日に新たな人類社会を形成する価値の創造、2月9日に将来の人口動態を見据えた社会・人間の在り方のワークショップをそれぞれ開催する予定です。コロナ禍の下ですので、オンラインで実施する予定です。それぞれ定員は30名程度を予定しておりまして、40代以下の若手向けのワークショップを合わせて開催するものもございます。こういった形で、ワークショップを今年度、具体的に進めていきたいと考えています。
資料は飛びまして、7ページをお願いします。プロジェクトについて簡単に御説明しましたけれども、事業は変わりますが、課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業、こちらについて御説明したいと思います。この事業は、平成25年度から学術振興会において実施している事業です。こちらにつきまして、令和3年度から徐々に新しいものに組み替えていきたいと考えています。
まず、現行の事業の内容を御説明いたします。3つの視点を用意しまして、それぞれに研究テーマを公募し、支援するものです。この3つの視点というのが、1つは領域開拓、2つ目が実社会対応、3つ目がグローバル展開と、こういった3つの視点それぞれに研究テーマを公募し、支援するといった事業です。おおむね3年間、年間500万から1,000万円程度を支援しています。
公募するに当たりましては、毎年度、事業委員会において課題を設定して、その課題に沿って応募された研究テーマを審査の上、採択しております。この事業につきまして、先ほど申し上げた学術知共創プロジェクトで構築された研究課題、研究チームを支援できるように、令和3年度から見直すことにしたところです。
見直しの具体的な内容としては、毎年、事業委員会で設定してきた課題につきまして、先ほどの学術知共創プロジェクトの3つの大きなテーマ、こちらに置き換えることにいたします。これによりまして、この大きなテーマに基づいた研究課題を公募し、支援することとします。この支援方式では、予算の規模としては、中ほどに書いてございますが、支援単価2,000万円程度、最長6年間を支援する予定です。
なお、しばらくは採択済みの旧方式での既存プログラムが動いておりますので、令和3年度は新方式で採択するのは2課題程度を想定しています。それと、既存のプログラムの費用を加えまして、右肩にありますように、1.8億円でやっていきたいと考えております。ですので、既存のプログラムが終了するごとに1.8億円の中から財源が捻出されて、その範囲内で、新方式で課題を採択するイメージで考えています。目算としましては、令和5年度には、全て新方式に入れ替わることを想定しています。
後ほど議論いただく最終まとめ案については、こちらの事業を念頭に置きながら記載している部分もございますので、また改めて御議論いただければと考えています。
私からの説明は以上です。

【城山主査】 どうもありがとうございました。
それでは、御報告ありがとうございました。今、資料1に基づいて、2つのことをお話しいただいたと思います。メインは今、正に実施しつつあります、人文学・社会科学を軸とした学術知共創プロジェクト、現状での実施状況についてお話を頂いて、主として、まずはこれについて御質疑いただきたいと思います。
その後、むしろ現在、進めているプロジェクトを通して出てきた具体的なプロジェクト案というのをどう実施していくのかというのが大きな課題でありまして、それについての現状の具体的なスキームとして考えられている、課題設定による先導的人文学・社会科学推進事業の新しい運用の仕方ということについても御紹介いただきましたが、事実関係については御質問いただいていいかと思いますが、これがどういう性格のものであるべきかとか、どう位置づけるかというのは、むしろ順序が逆になってしまいますが、資料2で、後で最終報告について御協議を頂くところで、実質は御議論いただくのかと思います。そういう2つの内容について、今、御報告いただいたと思います。
主として、1つ目の内容について、まず、御検討いただきたいわけですが、実際に動き出しているということもございます。現在、事業総括者ということで、盛山委員に役割を担っていただいておりますので、盛山委員の方から補足があればいただければと思いますが、いかがでしょうか。

【盛山委員】 盛山でございます。
私の方から、ごく簡単に経緯等、それから、これからの方針等について、若干御説明させていただきたいと思いますが、事業運営委員会と言いますか、事業が正式に発足しましたのが9月の末でありまして、その後、事業運営委員会が発足しまして、それで2回、委員会を開催させていただいております。
そういう中で、既に御案内がありましたように、大阪大学の方でワークショップを3つ予定されていまして、早速、あさっての24日と25日、それから少し置きまして2月9日と、3つの大きなテーマに即してワークショップが開催される予定になっております。いろいろと関心を持っている方が多いようでして、やってみないと分からないところがありますけれども、新しいいろいろな方の議論が展開されることを楽しみにしているところです。
あと、私の方から、1つ御説明申し上げたいと思いますのは、文科省の方から御説明あるかもしれませんが、このプロジェクトは、実際上は大阪大学の機関としての実施という体制になっておりまして、様々な運営委員会にしても、私どもの任用にしましても、形式的には大阪大学が決めるという構造になっておりますが、先ほど錦室長から御説明があった図にありますように、指導、助言を行うという立場で、文科省及び事業運営委員会がプロジェクトに関しては一定の責任ある関与をしていくという形でございますので、それはキープしながら、しかし、同時に、大学の方の先生方の主体性といいますか、能動性というものをいかんなく発揮していただくことも重要でございますので、その両方をうまくバランスを取っていく形で事業運営委員会を運営し、プロジェクトを推進してまいりたいと思っていますので、先生方にもどうかいろいろと御助言等、賜ることがあると思いますが、よろしくお願いいたします。
私からは、取りあえず以上です。

【城山主査】 ありがとうございました。
それでは、まず、資料1について御質問、御意見いただければと思いますが、いかがでしょうか。小林良彰先生お願いします。

【小林良彰委員】 まず、事実確認をさせていただきたいのですが、7ページのところ、今後、個別課題ごとに公募をしていくのでしょうか。それとも、今回の大阪大学みたいに一括して、3つの課題を全て含めて大阪大学が自由にやるということになっているわけです。一括して公募するのか、多分個別ごとにということだと思いますが、そこだけ確認をさせてください。これが1点目です。
2点目ですが、私は審査委員会に入っていないので、事情が分からないのです。人社特別委員会に対して、審査委員会からの報告を受けていないと思うのです。大阪大学に決まったということだけ伺いました。どういう点を評価されて大阪大学にされたのか、また、その採択に当たって、どのような留意事項を出されているのか、そういうことについて報告を受けていないので、事実確認として伺わせていただきたいと思います。
以上、2点です。

【城山主査】 ありがとうございました。それでは、まず、事務局の方から御回答いただけますでしょうか。

【錦学術企画室長】 1点目の課題設定型の事業の公募の仕方ですけれども、こちらは3つの大きなテーマがございまして、大きなテーマ3つについて、同時に公募をさせていただくということを考えています。
また、留意点といたしまして、学術知共創プロジェクトを経て研究チームをつくっていただいて、そこから応募していただくというのがメインになろうかと思いますけれども、それ以外に学術知共創プロジェクトを経ないで、このテーマに沿った形で研究課題を立案して、研究チームを作って応募いただくと、そういったこともできるような形で考えているというのが1点目の部分になります。

【小林良彰委員】 すいません。質問と回答が合っていないのですが、同時か同時でないかと伺っているのではなくて、一括か一括でないかを伺っているのです。つまり3つに、それぞれ3つの機関が選定されることがあり得るのか、それとも1つの機関が、今回の阪大のようにまとめて採択されるのか、どちらなのでしょうか。

【錦学術企画室長】 失礼いたしました。それぞればらばらでございます。

【小林良彰委員】 ありがとうございます。

【錦学術企画室長】 テーマごとに個別に採択をすると。

【小林良彰委員】 それを聞いて安心しました。

【錦学術企画室長】 申し訳ございません。

【小林良彰委員】 人社でも、それぞれ強み弱みが機関によって違いますので。

【錦学術企画室長】 そうですね。おっしゃるとおりだと思います。それぞれのベストのものを選んでいくということで考えています。それが1点目です。
2点目の評価に関しましては、まず、評価の基準から御説明したいと思いますけれども、本事業の趣旨を理解して、参加者の多様性を確保するなど、多種多様な活動を生み出す、そういった共創の場を構築できる、そういった提案がなされているかということですとか、研究課題を設定するとともに、研究課題に対応した戦略的かつ実効的な研究チームを構築することが見込める提案であることですとか、そういったことが運用できる体制が整っているかといった基準を設けまして、それに照らして、10機関の中から大阪大学を指定させていただいたということです。
実は、大阪大学は平成30年12月に人社に関係するシンクタンクとして、SSIというものを設けておりまして、そこで既に、人社に関して類似した取組をしておりまして、その実績を基にした提案がなされておりましたので、高く評価されたと考えています。
一番の提案を出された大阪大学を指定しましたけれども、その際、幾つか審査委員会の委員から指摘事項がございました。
4点ございまして、読み上げますので長くなりますけれども、1点目が、提案では詳細な研究課題のレベルにまでブレイクダウンした構想が示されたように見受けられるが、これは飽くまでも提案時点における仮設的位置づけとして捉え、むしろ様々な参加者からの提案を踏まえ、広がりを大事にして具体的な研究課題を共創してほしいというのが1点目。
2点目が、課題設定、研究チーム設計及び研究実施の準備という学問の新しい進め方を示すという観点から、本取組のプロセスについても国内外へ向けて強く発信してほしい。
3点目、ワークショップやシンポジウムといった、これまでの手法以外にも何らかの形でフィールド、現場を共同訪問するなど、取組を工夫してもらいたい。
4点目、本事業はオールジャパンの取組であって、共創の場への参加については多くの者に開かれていることが重要であると。このため、共創の場への新たな参加者が新参者のような扱いにならないよう、事業の運営に努めてほしい。
こういった4点の指摘事項が出されまして、こちらについては、大阪大学の方にお伝えをしているところでございます。

【城山主査】 ありがとうございました。私自身、審査の方にも関わらせていただいたという観点で一言だけ補足させていただきますと、今の4点のコメントともかなり密接に関係するんですが、これ自身は、ある意味ではプラットフォームを運営するところに手を挙げてもらおうということであって、個別のプロジェクトの提案ではないということがあります。
そういう意味で言うと、オールジャパンのプラットフォームとして、いろいろな幅広いインプットを入れてプロジェクトをつくっていくようなプロセスをつくっていただくと、これはある意味で初めてのこういうタイプの公募ではないかと思いますので、そういう趣旨を理解していただいてというところというのは大事だということと、かつ、そういう方向性にあったとしても、それをより一層進めていただきたいということを、こちらからのコメントとして申し上げたと、そういうものだったと大枠は理解しております。
小林先生、いかがでしょうか。

【小林良彰委員】 公募に至るまでは、人社特別委員会でもそのように議論をしていたと理解をしていました。ただ、12月の委員会でお話を伺っている限りは、全て大阪大学が決めて動かすような規則になっていました。実際にテーマ代表者も全て決まっています。その内容ももう決まっています。それを含めて、もし審査で選定されたのであれば、少しそこには若干の違和感を抱かざるを得ないと思います。

【城山主査】 今の点、事務局の方からいかがでしょうか。

【錦学術企画室長】 テーマ代表者につきましては、幾つか確かに中間まとめと記載の異なる形で運用をした部分がございます。テーマ代表者の任命は事業運営委員会で行うとしていたものについて、公募要領では、テーマ代表者は文部科学省が実施機関の提案を踏まえて指名するものとして実施機関が委嘱するとさせていただいたところです。
こちらにつきましては、しっかりと御説明できていなくて恐縮でしたけれども、コロナ禍によって本事業の準備が遅れて、事業運営委員会の発足を待たずに迅速に指名することが必要になったということもございまして、中間まとめとは少し違う形で、事業運営委員会ではなくて、文部科学省が実施機関の提案を踏まえて指名するという形でさせていただいたところです。
そして、その具体的な人選につきましては、人社特別委員会の委員も含む有識者で構成された審査委員会の意見を踏まえて行ったという形にさせていただきました。

【城山主査】 そういう意味で申し上げますと、多分時間が押していたということが一番大きな背景状況かと思いますが、ある程度、文科省はかむ形で、かつ人社特別委員会と審査委員会と、それから事業委員会というのは、一部はメンバーが重なっているわけですが、一部外れているので、そういう意味で言うと、この言葉どおりにはできなかったというのは御指摘いただいたとおりかと思いますけれども、そこは時間も限られているということで、そのような対応をさせていただいたと、そういう趣旨だったのかと理解をしております。

【小林良彰委員】 決まったことに対して今更何かを言っても仕方がないので、それ以上申し上げるつもりはありませんが、中間まとめと違う形で運営されたのであれば、今回、私が質問して初めて回答を頂くのではなくて、12月の委員会で御報告いただくべき案件ではなかったかと思います。
以上です。

【城山主査】 ありがとうございました。御指摘、重要な点かと思います。事務局の方何かございますでしょうか。

【錦学術企画室長】 丁寧な説明ができず、誠に申し訳ございません。今後の事業の展開につきましては、しっかりとコミュニケーションをとって進めていきたいと考えております。

【城山主査】 ありがとうございます。あと、いかがでしょうか。
特にございませんでしょうか。ある意味では、先ほども申し上げたように、同時進行で動いているということもあり、本日、御出席いただいている委員の方もいろいろな形で関わられていると思いますが、そういう観点でもコメントがあれば頂きたいと思います。
まずは、川添委員、よろしくお願いします。

【川添委員】 すいません。今の小林さんの発言は、私も少し違和感のあったところで同じことを申し上げようかと思ったんですが、将来の今後のことで、僕が前から気になっていて、中間まとめで書き切れなかった課題として残されたことを、つまり具体的に言うと、7ページのところで事業イメージとして書いてある部分です。ここの中で、大阪大学の名前はどこにも出てこないわけです。つまり共創の場を大阪大学が作ると。その共創の場での一番主要な仕事は、言わば研究計画を一緒にいろいろな人を巻き込みながら練り上げる、そういうプロセスを体系化すると書かれていますよね。だから、それが大阪の主要な仕事で、その中で研究チームを作るということになっている。そうすると、研究チームを作ることと、具体的に、学術振興会の直接的にやる事業としての課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業の形で具体の研究がなされるんです。
だから、質問としては、その具体の応募を、先ほどの小林委員が質問ありましたけど、誰が、大阪大学が選考をやるんですか。つまり個別の研究の、いろいろな応募があった場合に、公募をかけて公募の選考主体はどこなんでしょうか。

【城山主査】 まず、事務局の方からいかがでしょうか。

【錦学術企画室長】 課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業の採択につきましては、詳細はこれからですけれども、実施主体のJSPSの方で何らかの委員会を置くかもしれませんけども、そういったところで、研究課題については審査、採択をさせていただくということを考えております。

【川添委員】 そうなんですか。そうすると、7ページのイメージで言うと、全体としての2つの事業名に分かれているのかもしれませんが、予算的な問題だけで、しかし、考え方としては、共創の場でプロジェクトチーム、具体的な研究チーム、それから大きなテーマの下の研究チームを作り上げるというところまで、つまりそれは誰に具体的な研究をしてもらうかということまで、大阪大学が責任を持ってやるんじゃないんですね。

【錦学術企画室長】 よろしいですか。

【城山主査】 どうぞ。

【錦学術企画室長】 学術知共創プロジェクトにつきましては、研究課題、研究チームを作り上げるところまでと、そこを大阪大学の方にお願いしていると。そこで出来上がった研究チームがどういった形で、実際に研究を実践していくのかという部分については、他の科研費なんかを取っていただくということもあるかもしれませんし、先ほど申し上げた課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業で採択されることもあるかもしれないと。
飽くまで、課題設定の事業の方については、JSPSが阪大から提案されたもの、それ以外から提案されたものも含めて、今回の事業の趣旨に合ったものを審査して、採択させていただくと、そういった形で考えています。

【城山主査】 これは先ほどの小林先生の御質問とも絡んでくるんだと思うんですけども、阪大さんにプラットフォームの役割を果たしていただいて、3つプロジェクトを作ってもらうところまでは阪大さんにお願いしている役割ですと。ただし、出てきた3つのプロジェクトが、誰が中心になって、あるいは、どの機関が中心になってというのは、現段階では多分オープンだという理解だと思います。むしろ、それぞれのテーマに即してふさわしいところが中心になる、ふさわしい機関が中心になった提案が3つできてきて、それぞれの機関がJSPSに提案をし、うまくいけば、それがちゃんと採択されますということなんだと思うんですよね。
そういう意味で言うと、ここも逆に言うと、現在のプラットフォームの段階におけるテーマ代表者の役割というのは、飽くまでも場を作るということであって、その方々が多分直接的にプロジェクトの代表者に少なくとも自動的になるわけではないと、そういう理解なんだろうと私は理解しております。
川添先生、いかがでしょうか。

【川添委員】 いや、だから、つまり最初から共創の場というのは、どこまでの範囲を共創の場と呼んでいるのかが僕はよく分かっていないんです。そもそも前にも言ったように、大きなテーマを3つに決めるということ自身が十分な検討を経ていないと思っていましたし、その下で、更に具体の研究課題を募集するというんだけど、誰を実際にやってもらうかを決めるのは、言わば実施主体である大阪大学の手を離れてやるという形は、どこまで何をやっていることになっているんだろうという気が僕はしているんですけど。

【城山主査】 それは具体的に言うと、今のスキームの中で、大阪大学にどこまでゆだねているのかというところの線引きが明確ではないんじゃないかと、そういうことが問題意識ということでございますか。

【川添委員】 ええ。いいかどうか分かりませんが、一番分かりやすいのは、実施主体である大阪大学が個別の研究、つまりどういう研究をやるべきだ、どういうテーマでやるべきだということを考える場を共創の場でやってきたわけだから、それにふさわしいのを選ぶところまで阪大がおやりになる方が適切じゃないですか。一貫した考え方に見えますけど。

【城山主査】 この点、事務局の方で、まずいかがですか。

【錦学術企画室長】 学術知共創プロジェクトの方では、大阪大学にお任せしているのは共創の場の運営ということでございまして、共創の場を運営した結果として、研究チーム、研究課題を作り上げていただく、大きなテーマ3つに沿った形で研究チームと研究課題を作り上げていただくということでございます。
課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業は、大きなテーマというものを学術知共創事業と共通させることによってリンクはさせますけれども、大阪大学の共創の場で生まれた研究チーム、研究課題を全て、当然に採択するわけではなくて、ほかにも大きなテーマに沿った形でいい提案が出てくる可能性がございます。大きなテーマというのは、未来社会が直面するであろう諸問題として設定したものでございまして、これを追求することで、人文学・社会科学の固有の本質的、根元的な問いを追求することができるということで設定したものですので、そういったところに迫れるよりよい研究課題、研究チームが阪大の共創の場以外からも出てくる可能性もありますので、そこも含めた形で、課題設定による先導的人文学・社会科学研究推進事業は大阪大学ではなくて、JSPSの方で別途、審査、採択するということを考えてございます。

【城山主査】 川添先生の御質問の趣旨との関係で言うと、まずは、阪大は場を作りますと。ただ、場を作るだけではなくて、少なくとも、それぞれの3つのテーマについて1つのプロジェクトメイキングをやるところまでは阪大の責任としてやっていただくと。ただし、プロジェクトの代表者がどういう人になるのか、代表的な機関がどういうところになるかというのは、そこはむしろオープンで、全国ベース、オールジャパンベースで考えていただきたいということで、そういう意味では、1つ目の事業のアウトプットとして、少なくとも1つのプロジェクトをきちっと作る。ただ、それは必ずしも1つに限定されないわけですが、そこまでやるのは阪大の仕事だという意味では、そこは明確なんだろうと思います。
その上で、それが本当に2つ目、新しい枠組みで採択されるかどうかというのは、これは、ある種、事業スキームが別だという極めて行政的な理由もあるのかもしれませんが、一応そこは、それが本当に採択されるかどうかは一応論理的には切り離されているというのが今の制度設計なんです。それが望ましいかどうかとか、あるいは、ほかのやり方のフィージビリティーがあるかどうかというのは、多分これは1つの大きな論点ではないかと思います。
川添先生、いかがでしょうか。

【川添委員】 最後にしますが、そうすると、一応制度的に仕方なくて切り分ける必要があるということを仮に認めるとして、それでも、阪大のチームがJSPSの選考に全くノータッチですか。

【城山主査】 ここは事務局、いかがですか。

【錦学術企画室長】 そこは先ほどから申し上げているように、別事業という形で、採択についても大阪大学から提案のあったものと、ほかから提案のあったものを両方フラットで審査するということを考えておりますので、そこには関わらないということで考えてございます。

【城山主査】 ここは後でもう少し議論することかもしれませんが、JSPSが、この事業を運営する人たちが、全体としてのプロジェクト全体のある種の方向性なり、意義なりを理解しておいていただくということは必要なので、そのためにどうするかという工夫をいろいろお考えいただくことは当然必要だということでよろしいわけですよね、その部分は。

【錦学術企画室長】 おっしゃるとおりです。

【城山主査】 川添先生、いかがでしょうか。

【川添委員】 回答の意味は分かりました。納得しているわけじゃありませんけど。何のためにやってきたのか、僕にはよく分からない。つまり阪大があるテーマを作るところまでであってというんだけれども、そのテーマを作って、実際に具体的な研究作業をやられて、それがどうフィードバックされてと、そういうプロセスの体系化をやると言っているわけだから、実際の個別の言及がどうであったか、その結果がどうであったかということを抜きにして体系化なんかどうやってできるのか僕には分かりません。

【城山主査】 いかがですか。

【錦学術企画室長】 研究の実践の部分につきましては、新しく我々の方で令和3年度からスタートする、こちらの事業で支援することもできますけれども、それ以外も、その他の科研費をお取りになるとか、それ以外の競争的資金をお取りになるとか、そういったことの選択肢はありますし、大阪大学自体もワークショップが終わった後に戦略会議というものを立ち上げて、研究チーム、研究課題を作り上げた上で、どの競争的資金を取るかまで含めて検討されるという形になっておりますので、必ずしも課題設定型の事業の方に採択されないからといって、この事業全体が有意義なものではないということではないと思います。

【城山主査】 あと、今、川添先生が言っていただいたことでいうと、学術知共創プロジェクトというのは、飽くまでも3年の予算ということでついていると理解していますけど、正にサイクルを回していくというのは、正にそれから研究を実践して、インプリメンテーションして、結果としてどうだったということを考えなきゃいけないという意味でいうと、多分プロセスの体系化という意味でいうと、学術知共創プロジェクトのフォローアップ的なことも多分やらないとまずいんじゃないかと、そういうインプリケーションもおありになる御発言だったかと思いました。
川添先生、いかがでしょうか。

【川添委員】 いや、もうそれぐらいにします。つまり、最初からの共創の場というのは何なのかということの理解が、最初にお考えになったことと、多分僕は違うんだろうと思います。

【城山主査】 だから、ここは、ある意味では、端的に申し上げると、本来はもともと場を作ると同時にプロジェクトのインプルメントのところまでセットでやろうとしていたんだけど、そこは予算上の仕組みとしては、そういうわけにはいかなかったというところで次の策を考えて、今のようなものが、一応提案をされているということなんだろうと思います。そういう意味で言うと、何を念頭に置いているかというところがぶれたというのは確かにそのとおりかと思います。

【川添委員】 理解しました。

【城山主査】 その点の御指摘も踏まえて、運用の段階でどうフォローアップできるかというところについては、事務局の方にもお考えいただければと思います。
いかがでしょうか。よろしいでしょうか。そうしましたら、今の部分も含めて実質的には、資料2で我々の最終報告としてどういうメッセージを残すかと、リアリティーを考えつつ、どういうメッセージを残すかということに関わってくると思いますので、今のところの質疑応答はここまでにして、次に進みたいと思います。
それでは、本日、提示する最終まとめ案につきまして、事務局の方から説明をお願いいたします。

【錦学術企画室長】 ありがとうございます。資料2です。
先ほど来、御議論いただいておりますけれども、この取組は大きく2つのフェーズに分かれると考えています。まず、既に予算化されている研究課題、研究チームを構築するというフェーズと、2点目がそれを実践する研究実践のフェーズ、大きく2つのフェーズに分かれると理解しております。
おまとめいただいた中間まとめ、こちらでは、1つ目の点である研究課題、研究チームを構築するフェーズ、これについての基本的な方針を主におまとめいただいたと考えておりまして、具体的には、章立てで言うと、1から4まで記載をされているということです。そして、2つ目の部分、研究実践への支援の在り方、これにつきましては、資料で言うと、8ページのところで、見え消しになっておりますけれども、5、継続的な検討の必要性という形、今後の検討課題という形でおまとめいただいたと考えております。この検討課題としていただいたことを踏まえて、文部科学省で検討を行いまして、先ほど資料1で御説明しました、課題設定による先導的人文学・社会科研究推進事業、こちらで支援の枠組みを設けることとしたということです。ですので、その内容を見据えながら、5の継続的な検討の必要性、これを研究実践に対する支援の在り方と改めまして、この支援の留意点等を今回、案として記載させていただいたということです。
今後、この事業でどう支援していくのかの詳細を文部科学省、JSPSで詰めていく必要がございますので、この委員会で御議論いただいて、方向性を示していただければと考えています。
8ページをお願いいたします。5の研究実践に対する支援の在り方の部分の一番下の丸のところです。本事業は、先ほど申し上げたように2つに分かれると、共創の場における研究体制の構築に対する支援と、具体の研究実践に対する支援、これで構成されるものであります。
9ページですけれども、改めて今回の事業の目的でありますが、これらの取組によって人文学・社会科学固有の本質的、根源的な問いに対する探究を推進することが必要であると。3つ目の丸、2つのフェーズのうちの2つ目、具体の研究実践に対する支援については、文部科学省において、以下の点を考慮して実施することを期待するということで、5点まとめてございます。
まず、研究課題についてでありますけれども、大きなテーマに基づくものであり、かつ人文学・社会科学固有の本質的、根源的な問いに対する探究を深めることができる研究課題に対する支援であることといたしまして、大きなテーマに基づくもののところに6番として注釈を打っています。大きなテーマに基づくだけではなくて、大きなテーマに係る有意義な応答を社会に提示することを目指す、そういった研究課題を支援すると、そういったことが重要な観点であると書いています。
次に2点目、研究チームについてです。自然科学を含む多様な分野の研究者で構成されるとともに、女性研究者や若手研究者、外国人研究者など多種多様な人材を含み、世代間の協働や国際的な取組にも配慮して構築された研究チームに対する支援であることとしています。
3点目、こちらは安定的に研究実践を行うことができるよう、支援期間は5年以上とすることと。こちらは学術分科会の下のワーキンググループの段階で、こういったことがうたわれておりましたので、記載しているものです。
4点目、研究実践の成果の評価の視点です。支援期間中に発表した論文や書籍の数などの指標を活用することに加えまして、例えば、本質的、根源的な問いに対する探究を深めることに進展があったか、パラダイムの革新や創造を目指して取り組んだか、研究者間のネットワークの構築や人文学・社会科学と自然科学の双方に精通する人材育成に寄与したか、国際ネットワークのハブを形成することができたかなど、多角的な視点から行うことと。多角的な視点のところに7として注釈を打っておりまして、下のところですけれども、研究者の意欲をより一層高める観点から、研究者自身にこういったところを評価してほしいという評価指標を提案させて、その指標を活用することも考えられると記載しています。
5点目、研究実践の質の維持、向上を図るために、中間評価やフォローアップを実施しまして、進捗状況を踏まえた指導、助言を行うと、こういった5点に留意して事業を作っていってはどうかということを書いています。
最後、6番、「最後に」というところです。本事業は、これまで蓄積されてきた知見を基盤として、科学技術基本法の改正、コロナ禍による新たな価値創造への嘱望などから来る人文学・社会科学分野への期待に応えようとするものであるということです。ですので、この事業を進めていく上では、これまで人社において蓄積されてきた知見、これが基盤となるということを書いています。
2つ目の丸で、このため、文部科学省においては、本事業を推進するのは当然でありますけれども、基盤となる知見を創出する観点から、今後、より一層、研究者の自由な発想に基づく研究活動、学術研究の振興策の充実に努めることを期待するという形で結んでおります。
こういった形で、支援の在り方も含めた形で最後、最終まとめとしてお取りまとめいただいてはどうかという御提案でございます。
御説明は以上です。

【城山主査】 どうもありがとうございました。
本日は最終まとめ案について御検討いただきたいということであります。その中でも、具体的には今回、新しく追記されました、ローマ数字5の部分、研究実践に対する支援の在り方についてと。先ほど具体案についての御紹介と御議論があったわけですが、支援の在り方について、どういう記載を我々としての残すのかということについて、検討させていただければと思います。ここが今日の主たる論点になるかと思いますが、皆様の方から御質問、御意見いかがでしょうか。
では、小林良彰先生、よろしくお願いします。

【小林良彰委員】 9ページのところの4、評価のところです。
そもそもこの問題については、単なる科研費とは違って、盛山先生がおっしゃったような大きな理論値の構築を目指すというところが、私も非常に大きな賛同をして、ここに参加させていただいているところですが、それができたかできないかというところが、4で確認をするというところだろうと思います。
「例えば」以降、「本質的・根源的な問いに対する探究を深めることに進展があったか、パラダイム」以下云々、これはもし実施者からディスクリプティブに書かれても、それは達成したかしていないか分かりません。そうすると、これは具体的にどういうベンチマークを想定して、ここの文章が書かれているのか、それをぜひ事務局に教えていただきたいと思います。

【城山主査】 今の点はいかがでしょうか。

【錦学術企画室長】 具体的なベンチマークまで想定して書いているものではありませんけれども、正にこの事業の趣旨に沿った形で、本質的な、根源的な問いに対する探究を深めることに進展があったか等々について、評価委員会というものを恐らくJSPSの中に設ける形になりますので、そこの先生方からこういったことに照らし合わせて、これを満たしているか満たしていないかというのを定性的に判断いただくということを議論しながら、作り上げていくことを考えております。

【小林良彰委員】 そこの定性的な評価基準はどういうものなのでしょうか。

【錦学術企画室長】 そこは、正に今回、最終まとめという形で、こういった視点で評価してはどうかということでお示しいただければ、これもブレイクダウンするようなことを、今後、事業を詰めていく中で検討していくことになろうかと思っております。

【小林良彰委員】 現時点での案をお示しください。

【錦学術企画室長】 現時点では、これはまだ最終まとめ案という形でありますので、こういった視点の切り口だけをお示しいただければ、今後、詰めていくという段階かと考えております。

【小林良彰委員】 これは中間ではなくて最終ですよね。

【錦学術企画室長】 はい。

【小林良彰委員】 そうすると、これがもし曖昧な形で最終になってしまうと、この後の評価も曖昧に終わってしまう可能性はありませんか。そこだけ非常に懸念をしています。

【錦学術企画室長】 事業の実施段階で詰めていく必要があるかと思いますけれども、事務局の考えとしては、最終まとめの段階では切り口と言いますか、視点を例示という形でお示しいただく、そういったところでいただければと考えておりますので、これ以上の詳細の部分は、今のところ、事務局として案を持っているわけではございません。

【小林良彰委員】 例えば、今までの人文社会で、どういったものが本質的、根源的な問題を深めたのでしょうか。あるいは、どういった事例がパラダイムの核心につながったのでしょうか。何か具体的な事例を教えていただくとイメージが湧くので、お願いできればと思います。

【錦学術企画室長】 人文学・社会科学固有の本質的、根源的な問い、これをどういったところまで行けば、これを深めることができたか云々というのは非常に難しい議論だと考えてございます。本質的、根源的な問いというのは、正義とは何か、公正とは何かといったものかと思いますけれども、正にここは人文学・社会科学の有識者の先生方に、どういったところまで進めば、これを深めることができたのかという部分については議論をして詰めていく必要がある部分かと思いまして、何か今の段階で、事務局としてこういったことをやっていれば、そこを満たすことができているということを申し上げることはなかなか難しいかなと考えております。

【盛山委員】 発言してよろしいでしょうか。手の挙げ方が分からなかったので。

【城山主査】 では、盛山先生。

【盛山委員】 盛山ですが、小林先生の問題提起は、正に本質的な問題提起で、私は直感的に言いますと、そう簡単に答えられない問いを小林先生から提示されたという印象を持っております。既存の様々な社会科学の諸研究の大きなビッグネームを出せば、こういうのが基本的な発展になったという過去のことは言えるわけですが、実際に難しいのは、新しく推進していく中で、実際に身近でと言いますか、実際に探究している我々の研究が、果たして本当にそういうものであるかというのは、やっている過程で、そう簡単に見いだせるものではない側面もあるんじゃないかと。でも、にもかかわらず、そういうものがないとなると、目指さないという問題が起こっちゃうので、そこは、にもかかわらず、やっぱり目指していただくという仕組みをここの中に用意しなきゃいけない。
これは、今の段階で、こういう定性的な、ないし定量的な指標があれば、これは進展があった、あるいはないとかというのが出せるのであれば、人文学・社会科学というのは、今のような問題には多分陥っていないと思うんです。これは特別委員会の事業と、それからこれをある意味、引き続く、JSPSの課題設定の事業の推進の中で、ディスクリプティブに探究を進めていくという課題として捉えていく側面が重要かと私は思っております。
ということで、今後、どういう定性的なものがあったら望ましいか云々というのは、この特別委員会、それから大阪大学にできている事業運営委員会、それからJSPSの中の事業委員会等々の中で研究者が自ら考えていくというプロセスに、今の段階では委ねざるを得ないんじゃないかと私は思っておりますので、一言申し上げました。

【城山主査】 ありがとうございました。多分一番根本的な論点かと思いますが、ほかいかがでしょうか。

【大竹委員】 私も手が挙げられないので、大竹ですけれども、発言してよろしいでしょうか。

【城山主査】 大竹先生、お願いします。

【大竹委員】 発言していいかどうかで、利害関係者になっている状況なんですけれども、2点コメントさせてください。
1点は、5の中で自然科学を含むというのが、2というのと4というところ、自然科学の双方に精通するという条件は今までも入っていたんでしたっけ。私はテーマ代表で、チーム作成を考えているときに、自然科学を必ず含まなきゃいけないというところが条件にあったような記憶がないんですけれども、それを確認させていただきたいというのが1つ。
それから、もう一つは、私自身はプラットフォームを作って、研究チームを1個というわけではなくて何個か作って、そこが研究プロジェクト、例えば研究費を獲得していくとか、そういうことがアウトカムになるのかと理解していました。
だから、研究チームができたということを何か成果指標に、先ほどまでの議論だと1個作ってという話だったんですけれども、必ずしも、もちろんアウトカムの1つに課題設定型のものに応募するというのもありますけれども、科研費等も含めて様々なチームが、今までそういう出会いの場がなかったようなメンバーで、研究テーマを作成して、チームができればということを考えているということです。4については、そういうコメントです。
1つ目は、特に自然科学とかそういう条件が最初から入っていたかどうかの確認をお願いします。

【城山主査】 まず、事務局の方からいかがでしょうか。


【錦学術企画室長】 資料2の2ページを御覧いただければと思いますが、ここで、もともと30年にまとめられたワーキンググループの審議のまとめを引用しているところでございまして、3行目からですけれども、自然科学も含む分野を超えた研究者が参加し、問いに対する探究を深めていく共創型のプロジェクトを行うことが有効であると書いてございまして、これを引き継いでいるということ。3つ目のポツのところで、体制整備においては研究者間のネットワークの構築のほか、人文学・社会科学と自然科学の双方に精通する人材育成、こういったものが期待されているということ。
こういった審議のまとめを踏まえまして、今回の共創の場の事業を作っておりますので、それは前までの段階から入っておるということでございます。

【城山主査】 まず、1点目ですが、大竹先生、よろしいでしょうか。必ずしも個別の話に全て自然科学者が入らなきゃいけないことかどうかというのは、そこは幅があり得るかと思いますが、考え方としては、自然科学も含めて考えると。それはある意味では、今の報告書のタイトルが人文学・社会科学を軸とした学術知共創プロジェクトとなっているのも、たしかそういう趣旨だったと思うんです。だから、ここは人文学・社会科学ですと。だけれども、その軸としたということで見られるように、より幅というものを必要な場合は巻き込んで、学術知全体、人社だけじゃなくて学術知全体を共創するんだということなので、必要な場面においては、自然科学者も入っていってもらうということかなと。
恐らく、例えば大竹先生にやっていただくような領域だと、例えば、医師の人だとかそういう方が問題意識のところで貢献されるのか、あるいはもう少し個別の話なのか、個別として多分そういう形で何らかのインプットがあられるんだと思うんですけども、そういうものが念頭に置かれているということかと思うんですが、まず、その辺の理解はいかがでしょうか。

【大竹委員】 これは条件になっちゃうと全部入るのかというところが、この文章を読むと、必ず入っていないと駄目とも読めるので、もちろん、今おっしゃったとおり、分野によっては入って、よりよいものができるというのは当然考えていますけれども、評価のところで、これを満たしていないから駄目という書き方だと厳しいかというのを若干、感じました。

【城山主査】 ありがとうございました。そういう意味で言うと、今の表現で言うと、構成されるという「構成」というのが、通常の研究メンバーの一員みたいな形でリジットに考えるのか、そうでもなくて、そもそも今の阪大さんにやっていただいているプラットフォームもそうなんですけれども、例えば、こういうことを考えるべきじゃないかだとか問題を持ってくるとか、いろいろな関与の仕方というのは、今の共創プロジェクトにもありますし、多分本体になってもいろいろな形があり得るので、多分構成というところの考え方は、そこは、ある意味ではもう少し柔軟に考えるべきじゃないかと、そういう御意見を頂いたということで、議事録なり文章を少し変えるなりさせていただくといいのかと思いましたが、まずは、そんな感じの理解でよろしいでしょうか。

【大竹委員】 ありがとうございます。

【城山主査】 あと、2つ目なのですが、2つ目の大竹先生の御質問で、言われて思ったのは、多分、今、議論しているのは9ページのところで、研究実践のフェーズに行ったときにどう評価するかという話をしているんですが、これは先ほどの川添先生とのやり取りとも絡んでくるんですけども、今、阪大さんにお願いしている共創プロセスの評価というのは何なのかという話を明示的にちゃんと書き込んでいないところがあって、逆に言うと、共創プロセスの評価だと、正にしかるべき研究プロジェクトをきちっと作るというのが正に評価のポイントだと思うので、そういうことをどこかに触れるべきではないかと、そういう御趣旨かと伺ったんですが、大体そういう理解でよろしいでしょうか。

【大竹委員】 そのとおりです。

【城山主査】 そうすると、その点は事務局的にいかがでしょうか。共創プロセスの評価について、どこかで何らかの形で書いておく必要あるのかどうかというあたりでありますけれども。

【錦学術企画室長】 それは可能かと考えております。御議論いただければと思いますが、8ページ目よりも前の段階で書くべきなのか、場所は考えますけれども、必要であれば書き込むことは可能かと考えます。

【城山主査】 正に、これは先ほど川添先生から若干懐疑的な点も含めて、共創プロセスの体系化という話は何なんだという話がありましたが、それが多分第1フェーズの評価として極めて重要なので、それに関する言及は確かにどこかにあった方がいいと思うんです。だから実施体制のところの最後ぐらいに書くのか、あるいは、「最後に」のところのローマ数字の中のところに書くのか、その辺りは検討事項かと思います。
何か事務局として、現時点で特に御意見はありますか。そこは少し考えさせていただくという感じでしょうか。

【錦学術企画室長】 今日の御意見を伺って、考えていきたいと考えております。

【盛山委員】 また、盛山でございますが。

【城山主査】 盛山先生、お願いします。

【盛山委員】 今、大竹先生からの問題提起について、一言、気づいたことを申し上げますが、よろしいですか。
9ページの1から5までのところというのは、実際上は研究実践について、まず、研究実践の応募があったときに、それをどういう観点で審査するか。それから、研究実践が遂行されているプロセスの中で、あるいは、終わった後にどう評価するかということについての項目が挙げられているんだと思うんです。
このときに、先ほど大竹先生から問題提起されて、城山先生がまとめていただいたので結構だと思うんですが、細かく見ると、例えば要件として挙げてしまうと厳しいのではないかと。例えば、先ほど問題提起があったように、自然科学を含むというのを研究実践の応募の要件として入れると、必ず自然科学研究者を含まなきゃいけない。それはまた、どうやって識別するのかという問題が出てきたりすることが起こるわけです。
そういう点に関して、これが多分、課題設定の方で、公募要領等を作るときにどこまでそれを要件とするかということは、あまり厳密に、厳密というか厳しくし過ぎると難しくなるし、しかし、かといってないのも困るというところがありまして、その辺りは、城山先生の業界のようなものを、特別委員会の方で確認しておいていただいて、つまり、それが実際に、JSPSの公募要領に書き込むときには、文字どおりと言いますか、字義どおりに自然科学者がいるということを要件としない。そう言っちゃうとちょっとまずいのかもしれませんけれども、ある種の柔軟性が担保されているんだということを、この委員会で確認していただくと有り難いかと感じました。
取りあえず、私の方からは以上です。

【城山主査】 ありがとうございました。こことして了解して、議事録に残しておくということはミニマムで、可能であれば、9ページの表現のところを少し工夫してみると、そういうことでよろしいでしょうか。

【盛山委員】 議事録で十分かとは思いますけれども、公開される議事録で。

【城山主査】 例えば今の表現を見ても、自然科学を含む多様な分野の研究者でということなので、多分多様な分野の研究者で構成されるということは、多分要件としてもあり得るかと思いますが、それが何を含まなきゃいけないかというところまでが要件かというと、恐らく対応の切り取り方はいろいろな、正に創意工夫があり得る話なので、自然科学を少なくとも否定はしていませんというか、それも重要な要素ぐらいの話で、マストではないということなんだろうと思うんです、現在の文章でも。
その辺のニュアンスについて、確認的な文書を議事録上は少なくとも残しておくということにさせていただければと思います。ありがとうございます。

【盛山委員】 ありがとうございます。

【城山主査】 喜連川先生、いかがでしょうか。

【喜連川委員】 ちょうど自然科学のところの御議論がなされておられますので、お伺いしたいと思ったんですけど、私はIT屋で人文社会では全くないわけですけれども、この委員会で、以前の磯谷局長からご依頼を頂いて、参加する機会を得させていただいて、とても刺激的な異文化コミュニケーションができて、わくわくしたんですけれども、今の話で、人文学・社会系の先生方が、あまり自然科学にどういう研究者がおられるのかと、多分分からないと思うんですけれども、一方で、我々の方も、こういう3つの大きな課題に興味はとてもあるんですけれど、どのように接触をさせていただく可能性があるのかというのが、見当がつきにくいと言いますか、僕たちはあまり予算とかは必要なくて、何となく議論に参加させていただきながら、こういうことは人文社会の先生方で解けそうなんですかとか、そういうところにはいろいろ、自然科学や工学系の先生が参加すると結構面白い展開も期待し得るんじゃないかと思うんですけれども、これはどうやって作るのかというのがノーアイデアなので、出しゃばるつもりはないんですけど、そういうチャンスというのはどのように醸成される御予定かみたいなのを御教授いただけると有り難いんですけれども。

【城山主査】 ありがとうございました。ある意味では、事務局からも何かあれば言っていただければと思うんですけれども、正にプロジェクトメイキング自身がそういうプロセスの1つになってほしいという期待があるということが、まずベースだと思うんですが、ただ、喜連川先生が言われたのは多分、そういうプロジェクトを作る作らないという以前に、もう少し日常的な場として、自然科学系の人と人文社会系の人がもう少しいろいろな問題意識のずれを共有することも含めてコミュニケーションしておくと、いろいろなものに潜在的につながっていくし、面白いんじゃないかと、そういう場を作るような提案みたいなものが入っていたらいいんじゃないかと、そういう感じで受け取らせていただいてよろしいでしょうか。

【喜連川委員】 そういうのもありますし、多分先ほど、私の前に御質問があったポイントというのは、プロジェクトをJSPSの方に申請するとか、ほかのファンドを取るみたいなときに、刺身のつま程度かもしれないですけど、自然科学の先生も何となく入れるという価値観が、まだまだトライアルがないのでお互いに分からないと思うんですよね。我々もどういう発言を、この機会に、また言うと怒られちゃいますけれども、私の提案は、日本版GDPRを作るのはどうですかとか言ったら、私の記憶では、小林先生がうーんという顔をされて、この人は何を言っているんだろうみたいに御反応いただいたので、僕たちも会話のすべが、まだなかなかないんですけれども、すべというか、ぴんとが合っていないと思うんですけど、一方で、コロナ禍の中で、人文社会の先生のお力添えを頂きたい局面というのはかなり出てきていると私は思いまして、そういうものの会話の場と、それに基づくプロジェクト生成みたいなものというのも、我々的には非常に欲しているんです。つまり理系のプロジェクトの中に人文社会の先生に御示唆をいただけるようなことというのを本当に欲しているんです。
そういうのを具体的に、これが動いたことでどうなるのかみたいなのがイメージできないんですが、期待感は強く持っているということを申し上げる次第でございます。

【城山主査】 ありがとうございました。そういう意味で言うと、先ほどの議論は無理やり自然科学者を入れるのはどうかみたいな話のニュアンスもありましたけど、多分刺身のつまでも入れることによって、次なるコミュニケーションの1つになるので、あまり防衛的にならないでほしいと、そういうニュアンスかなと。

【喜連川委員】 刺身のつまのつまぐらいで結構かと思います。

【城山主査】 先ほどのやり取りも、多分理系とのいろいろな接点を持つことを否定するわけではなくて、同じタイプの参加者としてはなかなか難しいかもしれないけど、むしろいろいろなコミュニケーションを取ったり、刺身のつまというのもあるかもしれませんが、そういう多様な対応の仕方というのは、むしろ促していくべきだと、そういうポジティブな方向性も残しておといた方がいいと、そういう感じで受け取らせていただいてよろしいでしょうか。

【喜連川委員】 何とぞ、どうぞ適宜よろしくお願いいたします。

【城山主査】 どうもありがとうございました。
ほかの方いかがでしょうか。

【白波瀬委員】 よろしいでしょうか。

【城山主査】 どうぞ。白波瀬先生、お願いします。

【白波瀬委員】 よろしくお願いいたします。
まず、大竹先生の御指摘と同様ですが、やはり申請書を記入する側にとっては、できるだけ、あまり解釈を必要としないような指示内容が望ましいと思います。少々短絡的かもしれませんが、自然科学を含むという形になると、これは何度もおっしゃっていますけど、多様な分野というのがポイントのところですので、「自然科学等を含む」、はいかがと思います。同じレベルで形容詞があると、どこにかかっているのかが分かりにくくなる傾向がありますから、それは表現上の問題のような気がします。ただ、表現上の問題のところに、繰り返しですけれども、あまり解釈を必要としない方が、いろいろ具体的に作業する側としては有り難いと感じましたので、大竹先生の御指摘はそのとおりと思います。
あと、今、喜連川先生も自然科学の方からということなんですけれども、自然科学としたときに想定する分野がいろいろあると思います。例えば工学系ではまちづくりとか、建築史はもともと文系に近いですし、また、AIということだと、データサイエンスとの関連で職種の衰退や働き方の問題が議論されています。福祉の分野だとコミュニティとの関連での文理融合的云々。つまりもう足元のところでは、いろいろな文理融合が進んでいると思うんです。数学はどうなのということになると、倫理学の方では数学と一緒のコラボレーションで、非常に面白い先進的な研究が展開されています。
ですから、にこういう箱を作っていただく大きな意味は、若い人とか足元のところで進行している新たな芽を伸ばすべく、いろいろな連携の後押しができるのではないかと思います。そこで若手を含め多くの人たちにいろいろな分野の融合を積極的に推進する、という強いメッセージを、明確、かつ効果的に発信するということだと思うんです。まだ文系側ではその動きが見えにくいところがありますが、是非強いメッセージを発信していただいて、本事業の意味が伝わっていくとなおよいと感じました。
以上です。

【城山主査】 ありがとうございました。1つ目の点については、正に具体的な御提案で、自然科学等を入れるという話は言っていただいたので、多分それを含めて検討させていただくといいかと思いました。ありがとうございます。
それから、2つ目の若手の研究者へのメッセージみたいなものというのは、書くとすると、それこそ「最後に」ぐらいのところで、今、文部科学省はこうすべきだみたいな話だけ書いているんですけれども、委員会として、若手の研究者に呼びかけるようなことを入れるみたいなことも考えるとか、そういうニュアンスでしょうか。あるいはもう少し別の対応の仕方がありますか。

【白波瀬委員】 そうなんですけど、でも、そもそも盛山先生を中心に作り上げてこられた重要なポイントに「知を創造する」ということがあり、このこと自体が学術全体に共通する活動であるわけですよね。それをこちらの人文社会の方から立ち上げるという大きな意味を、多分この事業としては持っているはずなので、そこのキーポイントを最後の方にもきちんと明示していただくことが重要だと思います。繰り返しなんですけれども、競争原理云々という足元のテクニカルなところは重要な点だと思うんですけど、このような事業を立ち上げることの大きな意味というのは、ただ単純に文理融合だけだというところに留まらないところにあると思います。やはり、本事業を創設して目指すところは、知の共創である、と理解します。
しかしながら、それを到達するには、1つの分野だけでは難しいといったところの書きぶりは、そもそも論となりますが有効ではないかと思います。このような大きな傘の部分になる理念を明確に打ち出し、その次に、具体的にどういう事業を設計されているのか、様々な点を明記していただくと、そういう流れかなと思います。

【城山主査】 分かりました。むしろ目的ですね、そういう意味でいうと。多分、これは報告書のタイトル自身が、正に学術知共創プロジェクトなので、文理融合が目的なのではなくて、文理融合はある意味では手段で、正にそういうものを通して、次のステップで新しい学術知を作っていくんですという、その中のコンポーネントとして文理融合というのが意味のある話ですという位置づけなので、だから学術知共創だというタイトルしたということのインプリケーションみたいなことを、目的みたいなところでもう少し明確に書けるのであれば書いといた方がいいと、そういう感じでしょうか。

【白波瀬委員】 はい。私としては、そういうのがあると、今、まさしく城山先生がおっしゃったように、最近、文理共創という用語がいろんなところで多用されている中、本事業としてあえてどこを狙うのがというのが重要です。確かに喜連川先生がおっしゃったように、ほんまにどうしたらええんやというのが、実際のプログラムを検討する際にも本音としてでてきます。理系分野からの研究計画書に1人だけ文系の先生を入れて文理共創といわれても、そういうことではないわけです。ですから、このプログラムとしての意味づけをしっかり発信していただけると、いかにこの事業が重要であるのかというのもアピールできるのではないかと感じました。

【城山主査】 分かりました。どうもありがとうございます。

【井野瀬委員】 井野瀬ですけど、よろしいでしょうか。

【城山主査】 お願いします。

【井野瀬委員】 皆さんの議論を聞いていて、配布資料の7ページ、先ほどの議論は研究実践に対するものですが、その直前の7ページが気になっています。今日の議論でしみじみ分かってきたのが、体制の構築と課題の実践は別ということです。その上で、課題の実践をどう支援するかが8ページ以降なのですが、喜連川先生が言われたこととも関連して、7ページの丸の2つ目には、自然科学の研究者とどのように連携するかが書かれています。ここの意味が少し分かりづらい気がします。
それは、川添先生が本日ずっと疑問視されている「共創の場の外延はどこか」という問題、このプロジェクトにおける「共創の場」の位置づけとその評価とも関わるのですが、その真ん中あたりに、「なお、自然科学の研究者については」ということで、「アイデアベースでの提案も可能とする」とあります。その下には、「研究者以外のステークホルダーからの応募については、自然科学の研究者と同様、アイデアベースでの提案も可能とする」ともあります。この辺りの解釈が分かりづらくなってきたので、少し御説明が欲しいと思った次第です。

【城山主査】 ありがとうございました。事務局からももしあれば、いただければと思うんですけども、多分私の理解だと、この議論が出てきたのは研究提案をフルセットで書くという話ではないんだけども、例えば、こういう問題があるんだけど一緒に考えてくれませんかとか、こういうことが現場で起こっているんだけど、こういうことが大事じゃありませんかみたいなインプットを頂くことだったのかと理解しています。
ただ、それがアイデアベースの提案という概念とか用語で、そのニュアンスが伝わるのかどうかというのは、もう少しうまい表現の仕方があるといいのかなというのも私自身は思いますけども、事務局ほうから何か補う点はありますか。

【井野瀬委員】 それと、先ほど喜連川先生が言われたことがここに該当すると思われ、その「場」の作り方自体が求められているのですが、事業運営委員会などが何にどのように力を貸せばいいのか、見えづらいところがあるように思ったのですが、いかがでしょうか。

【城山主査】 だから、もう一つの側面は、研究の共創の場においては、いろいろなアクターがどういう役割を果たすかということを一応書いてはいるんだけれども、具体的な研究実践の方については、5のところにまとめてかなり圧縮して書いちゃっているので、多分ここで書いているようなニュアンスのあるグラデーションと言いますか、バリエーションを書けていないということが、もう一つの論点としてあるのかと伺っていて思いましたが、まず、事務局の方から、今の点はいかがですか。レスポンスございますか。

【錦学術企画室長】 「中間まとめ」には、共創の場に参加する際に、人文系の研究者については、研究計画調書というぐらいの細かいものではないですけれども、ある程度、内容が想定できるような研究提案をお出しいただくということが書かれていまして、自然科学の研究者については、それよりもう少し緩いと言いますか、そこまでのものではなくて、研究の広がりですとか新たな気づきを得るために、研究提案というそこまで堅いものではなくて、アイデアベースのものでも構いませんということが書かれていると理解しております。

【井野瀬委員】 ということは、明確に人文学、社会科学と自然科学を分けて、形式を設定しているということですか。

【錦学術企画室長】 この事業自体が、人文学・社会科学を軸としたプロジェクトということでありますし、あと、そもそもの30年12月のワーキンググループの指摘でも、自然科学と人社の先生がタイアップする際に、人社の先生が専門性との関連でインセンティブを持ちにくいということも言われておりましたので、どちらかというと、人文学・社会科学を軸として、共創の場というものを運営していくということでまとめられたのではないかと考えております。

【井野瀬委員】 分かりました。先ほど喜連川先生が冗談で言われたと思ったのですが、自然科学系が「刺身のつまのつま」というのは、その意味では正しいということですか。

【錦学術企画室長】 いや、そこまでは申しておりませんで、飽くまで人文学、社会科学を軸としたというところで御理解いただければと思います。

【井野瀬委員】 分かりました。先ほど言われたようなことが、5のところ、そして、実践のところにもう少し丁寧に書かれると分かりやすいのではないかと思います。

【城山主査】 だから多様な分野の関与の仕方というのは、特に自然科学だったり、ステークホルダーだったりする場合には、バリエーションがあり得ますよということですよね。だから、そこをもう少し明確に書きますか。さっきは「等」を入れるというのも1つの手ではあるんですが、自然科学者の可能な範囲での関与の仕方は、むしろエンカレッジしたいというところも、喜連川先生の話を含めてありますので、ここはもう少し文書を出すぐらいの対応をしてはどうかという感じでしょうか、そうしますと。

【井野瀬委員】 そうですね。先ほど、白波瀬さんが言われたことも関係すると思うのですが、応募者はここに書かれている内容から「共創の場」を想像しますので、なので、ここが丁寧に書かれているということは重要だと思います。

【城山主査】 ありがとうございました。ある意味では、ここの部分をどう書くかというのは、我々の委員会として、どういう形で次のJSPSのプロジェクトを動かすときに、このようにやってもらいたいんだというメッセージを残す、ある意味では唯一の機会でもあるので、そういう意味でも丁寧に書き込んでおいた方がいいかと思いました。どうもありがとうございます。

【井野瀬委員】 ありがとうございます。

【盛山委員】 すいません。城山先生、盛山でございますが、よろしいですか。

【城山主査】 盛山先生、はい。

【盛山委員】 今、御指摘があった点に、改めて読んで見ると、注意しなきゃいけないと思いますのは、まず、7ページで書いてあることは、これはJSPSの仕事についての話ではなくて、大阪大学と事業運営委員会の下で、テーマ代表者とか、いろいろな研究者を公募し、チームを作っていこうとするプロセスについての記述だと思うんです。
改めて読んでみると、趣旨は多分、自然科学の先生やステークホルダーの方は、人文学や社会科学の研究者よりも緩い基準でいいですということを、書きたいつもりで書かれている文章に読めるんです。今から見ると、これを細かく書くよりは、もっと趣旨としては自然科学の研究者からもいろいろなアイデアとか、いろいろな参画を期待したいし、それから、研究者以外のステークホルダーからも、様々な個人単位でなくても参加したいということを可能にすると言っちゃうと、緩めるという感じに受け取れるので、そういう多様な形でのご参加を期待しているという趣旨の書き方の方がいいかと思いました。

【城山主査】 分かりました。そうしますと、今、既に動いている段階で7ページの記載を変えるのは避けた方がいいかと思うんですが。

【盛山委員】 ああ、いいですよ。

【城山主査】 多分9ページのところに何か追記するのであれば、多様な方に多様な形で参加してもらうと、何かそういうニュアンスで明示的に書いた方がいいと、そういう御趣旨だと受け取らせていただいてよろしいでしょうか。

【盛山委員】 つまり、この書き方を文字どおり取っちゃうと、実際に今の大阪大学の事業を運営していくときに、自然科学の人とか、それからステークホルダーの人を、変な言い方をすると、変な意味で差別して取り扱うニュアンスが出ちゃっているんですよ。
だから、本当の趣旨は多分そうじゃないので、本当の趣旨は研究者として普通の事業の中に参加していただきたいんだけれども、でも、ちょっとニュアンスを付けたということが表れちゃっているんだと思うので、私は実際上は差別しないという観点を、実際には維持することを確認していただいた方がいいかと思って、今、発言したんです。

【城山主査】 だから、差別をするということではなくて、むしろ研究者、関係者に多様な参加の形態というものがあり得ますよと。

【盛山委員】 そのとおりです。

【城山主査】 ということを言えばいいわけですよね。

【盛山委員】 それが伝われば結構だと思います。

【城山主査】 だから9ページに書くときにも、もし追記するのであれば、そういう趣旨だということが分かるように書いた方がいいと、そのように理解させていただければよろしいでしょうか。

【盛山委員】 結構です。

【城山主査】 分かりました。いかがでしょうか。

【川添委員】 川添ですけど。

【城山主査】 川添先生。

【川添委員】 確認ですけど、既に阪大で作られた3つのグループ、それは公募を開始しているんですよね。

【城山主査】 そうです。

【川添委員】 それはどういう文言になっているんですか。全然見たことがないので、すいません。

【城山主査】 これはどうしましょう。事務局か盛山先生か、この辺の呼びかけがどうなっているかということかと思うんですけども、いかがでしょうか。

【盛山委員】 今、具体的な文言は覚えていませんが、実際、ホームページが立ち上がっておりまして、事務局の方で用意できるかな。「学術知共創プロジェクト、大阪大学」と入れると検索で引っかかってきますけれども、取りあえずワークショップに対する公募の文面が出ております。正式な文章は忘れちゃったんですが、広く呼びかけている形でして、ここでは特に自然科学がどうのこうのとか、ステークホルダーがどうのこうのという分け方は多分していなくて、呼び掛けていたと思います。

【城山主査】 これは、先ほど事務局のお話だと、申請書の書き方のスタイルが若干違うみたいなのがありましたが、あれは今回のではなかったんでしたっけ。

【錦学術企画室長】 まず、対象は本ワークショップの目的に賛同する研究者及び社会の実務家という言い方で公募しておりまして、実際、応募いただく際には、共通のフォームがございまして、あまり深い内容を書いていただくような形式になっておらず、氏名、所属、あと自己紹介、今やっている研究の紹介と、どういったことに興味があるのかと、そういったことを提出していただく、そういった形で扱っておりまして、そこは人社と自然科学で分け隔てなく、同じようなフォームで公募しているということでございます。

【川添委員】 いいですか。そのときにニュートラルな書き方は、ある意味ではいいんでしょうけど、これのプロジェクトの趣旨から言うと、なるべくいろいろなステークホルダーに参加してほしいと、そういう趣旨も書いていないんですか、逆に言うと。

【錦学術企画室長】 実際の公募に。

【川添委員】 今、見ればいいんでしょうけど。

【錦学術企画室長】 実際の公募はワークショップの目的に賛同する研究者及び社会の実務家ということで投げかけていますので、そういった実務家にも入っていただきたいということは公募の段階で示していると理解しております。

【川添委員】 つまり、このプロジェクトの一番最初の具体的な世間に対する呼びかけがどういう言葉で、どういう仕方で行われているのか、具体的なJSPSがやるのとは別の次元で、どういう書きぶりになっているかというのは非常に重要なことのような気がしたんですけど、そこについては、つまりこれまでの中間まとめを生かした格好にはなっていないんですか。なっているという理解ですか。

【錦学術企画室長】 中間まとめの趣旨を踏まえて、事業については組み立てて、その前提で公募等をさせていただいている、ワークショップを開催すると、そういった準備を進めているところでございます。

【城山主査】 私の理解だと、この委員会のメンバーというより運営委員会の方に関わらせていただいているという観点で言うと、多分そういう幅広い参加者を確保するためにどういう工夫をしていますかと、そういう議論は運営委員会でもさせていただいているので、それなりの配慮はされていると思います。ただ、それが限られた時間内で、どこまでそのメッセージが伝わって、本当にそういういろいろなタイプの人が来ていただけるかという点については、必ずしもなかなか難しい点もあるのかと、そういう印象を持っています。これは飽くまでも運営委員会に参加させていただいている者としての感想ですけれども。盛山先生とかこの点、何かございますか。

【盛山委員】 幅広く呼び掛けるというのは、いわゆる広報活動の面で、阪大ともいろいろと相談しまして、まだ始まったばかりという側面があって、十分な呼び掛けが広がっているとは言えない面もあるかもしれませんが、他方で、例えば、24日に予定されているの稲場先生のものに関しては、かなり広範囲に参加者希望が集まっておりまして、これはこれから徐々に、多分、今は公募としてありますけれども、基本的には集まる人を排除するということはほとんど考えていなくて、どんどん呼び掛けていくという段階で進めていくということが、しばらく続くだろうと思うんです。
そういう中で、ただ、自然科学とかそうでないとかというのを区別しないで、探究の趣旨に賛同する人をとにかく集めていただく。そこでディスカッションして、ディスカッションを更に深めるプロセスの中で、実際にどういう人が研究チームを作っていくかというところでまとまったり、チームができていったりするんだろうと思うんです。だからあまり最初から公募、セレクトするということには今のところ、こだわっていないと。今の運営はそうなっていると、私としては理解しているんです。

【小林良彰委員】 すいません。小林ですが、ずっと挙手していますが当たらないので発言させていただきます。

【城山主査】 すいません、どうぞ。

【小林良彰委員】 大阪大学の公募要領が今、3つ出ていますが、3つとも今、急いで拝見しました。見落としかもしれませんが、自然科学という言葉は一切できません。ですから、入り口の時点で、これを自然科学の方が見て、自分たちが応募してもいいんだと理解できるかどうかはかなり微妙ではないでしょうか。応募したら、その後はセレクトで落とさないというのは分かるのですけども、そもそもこれは自然科学に対して間口が開かれているという理解を自然科学の方が持てるかどうか、そこはもう少し工夫が必要なのではないでしょうか。

【盛山委員】 それは、御指摘ごもっともだと思いますので、今日まとめられる報告の方針を踏まえる形で、阪大の方での事業の展開に生かしていくように、これから努めていきたいと思います。

【錦学術企画室長】 事務局としてもよろしいでしょうか。

【城山主査】 はい。

【錦学術企画室長】 確かに公募の段階で、自然科学ということをあまりはっきりとは書いておりませんが、この事業の専用のホームページを立ち上げておりまして、そこで盛山先生の御挨拶というところで、人文学・社会科学を軸として自然科学も巻き込んだ共創の場を創出するということをうたっておりますので、この事業が自然科学の者も対象にしているということはうたっておりますが、実際、PRする際にそこが十分だったかどうかというのは今後、検証して、しっかりと運用していきたいと考えております。

【小林良彰委員】 一番重要なのは公募要領ではないですか。公募要領にそういう趣旨が書かれていないですよね。自然科学とは書かれていないですよね。
だから、これは運営委員会、今、人社の特別委員会の人間は、それを見て分かるでしょうけど、全くこの議論に関わっていない自然科学の方が公募要領を見て分かるかどうかというところが問題ではないですか。

【錦学術企画室長】 その辺り、盛山先生もおっしゃっていただきましたけれども、今後、運用の方を改善していきたいと考えております。

【城山主査】 よろしくお願いします。いかがでしょうか。

【岸村委員】 すいません。1つよろしいでしょうか。話を戻してしまうかもしれないんですけれども。

【城山主査】 岸村先生、どうぞ。

【岸村委員】 岸村です。前半の方で、スライド7枚目の方です。課題設定により、先導的人文学・社会科学研究推進事業の選考を誰がやるのかという話もあって、そこに阪大が関わるか関わらないかというのがあったと思うんですけど、それに関連して、実際の審査に関わるかどうかは別としても、阪大のプラットフォームを運営する側のミッションとしては、審査プロセスはきちんと見届けないといけないんじゃないのかと思いました。
というのは、例えば、阪大のプラットフォームから応募があった提案課題については、阪大は認知しているので大丈夫だと思うんですけど、それ以外からどういう応募があって、どういう審査を経ていったかというのもフォローした上で、体系化というのがなされるんじゃないのかと思いました。何らかの形で審査を、どういう提案課題があって、阪大のプラットフォームを経ていない分と経た分で比較してどうだったのか、というのが分かるようであれば、プラットフォーム構築を体系化する上でいろいろなところが深められるんじゃないのかと思いましたので、コメントさせていただきました。
以上です。

【城山主査】 ありがとうございます。御趣旨としては、多分新しいJSPSの話が動き出すとすると、学術知共創を担当している阪大と、学術振興会での運用の間の一定のコミュニケーションが必要みたいなことでしょうか。ある種の情報共有というか、書き方は微妙かなという気がするんですが、阪大としては、ある意味では、プロジェクトを送り出す先の状況を知っておく必要があるでしょうという御趣旨かと思うんですが、ただ、他方、これは前半の議論でもあったように、学術知共創の阪大の話とJSPSの話では、全体としてパッケージとしてきちっと施策を遂行してくださいというのは、我々として文科省に言うべき話でもあるので、JSPSが勝手に新しいことをやるという話ではないんだと思うんです。そういう意味では、ブリッジの機能はここも含めて担っているということかと思うんですけれども。
岸村先生、何かポイントはありますでしょうか。

【岸村委員】 例えば、科研費の審査では、学術調査官のような方は応募課題の内容を把握しながら、オブザーバーとして参加したりしていますよね。そういう形で、応募された内容をきちんと把握した上で、実際にプラットフォームから出てきたものとそうじゃないものを比較検討できる状態にある方がいいんじゃないかという意味です。運用上の仕組みももちろん大事だと思うんですけど、プロセスの観察自体が1つの研究のようなものだと思います。公募したところで、プラットフォームじゃないところから応募があるのかないのかというのが、まず問題かもしれませんけど、あった場合に、いいものがあった場合はどういう状況のものから出てきた、でも、審査では通らなかったら目に見えないものになってしまいますので、その辺も全部、情報としては大事になるんじゃないかと思いましたので、申し上げたということです。

【城山主査】 ありがとうございました。多分仕組みとしては別のものなんだけども、大きな目的は正に共通のものなので、ちゃんとその辺のコミュニケーションが必要じゃないかということだと思うんですが。

【岸村委員】 そういうことです。

【城山主査】 事務局の方から何かアイデアはありますか、この点に関して。

【錦学術企画室長】 先生におっしゃっていただいたように、この事業の成果を検証して改善していくと言いますか、プロセスを体系化していくという意味では、大阪大学にJSPSの事業に何らかの形で関わらせていくというのは1つ論点としてあると思いますけれども、一方で、こちらのJSPSの事業はJSPSが評価して採択していくものですので、そこに応募もできる大阪大学が関与するとなると、疑念を抱かれかねないという面もあるかと思いますので、そこはある部分、慎重にしなければならないかと思いつつも、先生のおっしゃることも分かりますので、何ができて何ができないかということを考えていきたいと思います。

【岸村委員】 ありがとうございました。

【城山主査】 ありがとうございます。ほかいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
どうもありがとうございました。活発にいろいろな側面から御意見いただきまして、どうもありがとうございます。
それでは、かなりいろいろな多岐にわたる論点がございますので、なかなか難しい面もあるのですが、最終的な取りまとめについては、本日、頂いた御意見を踏まえて修正をして、取りまとめさせていただきたいと思います。なお、最終判断につきましては、私、主査に一任していただければと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【城山主査】 どうもありがとうございます。
先生方におかれましては、これまでの御審議、活発な御議論について、改めて御礼申し上げたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、最後に事務局の方から連絡事項等ございましたら、お話しください。よろしくお願いします。

【二瓶学術企画室長補佐】 事務局でございます。
本日はありがとうございました。最終まとめ案につきましては、本日、頂いた御意見を踏まえ、修正を行いまして、主査に御確認いただいた上で確定しまして、先生方に送付させていただきたいと考えております。その後、今後開催される学術分科会において、御報告をしたいと考えております。
本日の議事録につきましては、後日、メールにてお送りいたしますので、御確認をお願いいたします。
また、本日が現委員による委員会の最後となりました。先生方におかれましては、御多忙の中、2年間にわたり精力的に御審議いただきました。おかげさまで新事業を立ち上げることができ、事務局一同、感謝しております。誠にありがとうございました。
第6期科学技術イノベーション基本計画においても、人文学・社会科学の振興が重要な観点となっておりますので、今後とも御指導いただきますようお願いいたします。
以上をもちまして、第5回人文学・社会科学特別委員会を閉会いたします。ありがとうございました。

【城山主査】 どうもありがとうございました。

―― 了 ――

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