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第10期研究費部会(第4回) 議事録

1.日時

令和元年7月31日(水曜日)13時00分~14時30分

2.場所

文部科学省3F1特別会議室

3.議題

  1. 新学術領域研究(研究領域提案型)の見直しについて
  2. 令和2年度概算要求に向けて
  3. その他

4.出席者

委員

甲斐委員,栗原委員,白波瀬委員,西尾委員,井関委員,射場委員,大野委員,小安委員,城山委員,中村委員,鍋倉委員,山本委員,上田委員,竹沢委員,中野委員

文部科学省

村田研究振興局長,増子大臣官房審議官,原振興企画課長,梶山学術研究助成課長,岡本学術研究助成課企画室長,中塚学術研究助成課企画室室長補佐,他関係官

オブザーバー

磯谷科学技術・学術政策研究所長,岸本日本学術振興会学術システム研究センター副所長

5.議事録

【西尾部会長】 
 それでは,時間になりましたので,ただいまより,第10期第4回の研究費部会を開催いたします。
 まず,事務局に人事異動があったようですので,御紹介をお願いいたします。
【中塚企画室長補佐】 
 7月に事務局に人事異動がございましたので,御紹介をさせていただきます。
 まず,研究振興局長が村田善則に,7月9日付で代わっております。
 それから,前研究振興局長でありました磯谷桂介は,科学技術・学術政策研究所長に就任しております。
【磯谷科学技術・学術政策研究所長】 
 NISTEPの所長になりました磯谷です。どうも引き続きよろしくお願いします。
【中塚企画室長補佐】 
 続きまして,研究振興局の学術企画室に前田幸宣企画室長が就任しております。
【前田振興企画課学術企画室長】 
 前田でございます。前職は,パリのユネスコ日本政府代表部におりました。3年ぶりの日本でございますけれども,どうぞよろしくお願いいたします。
【西尾部会長】 
 よろしくお願いします。
【中塚企画室長補佐】 
 以上でございます。
【西尾部会長】 
 どうもありがとうございました。
 本日は,新学術領域研究(研究領域提案型)の見直しと令和2年度公募及び概算要求に向けた制度改善などに関する主な論点について審議をしたいと思います。
 事務局から配付資料の確認をお願いいたします。
【中塚企画室長補佐】 
 本部会につきましては,ペーパーレス会議として実施させていただきますので,資料につきましては,基本的に机上のタブレット端末で御参照いただければと思います。
 個々の資料の読み上げはいたしませんが,資料の欠落等がございましたら,またタブレット端末の操作方法について御不明な点等がございましたら,事務局までお申し付けください。

(1)新学術領域研究(研究領域提案型)の見直しについて

【西尾部会長】 
 それでは,議事に入ります。これまでも議論してきましたけれども,新学術領域研究の見直しについては,前回の研究費部会において学術変革領域研究(B)の位置付けなどについて御意見があったところです。その後の科研費改革に関する作業部会において御議論いただいておりますので,事務局より資料の説明を行っていただき,その後で作業部会主査の小安委員より補足をお願いいたします。
【辻山学術研究助成課課長補佐】 
 それでは,資料1を御覧ください。まず,前回,6月25日に開催いたしました本部会での委員からの主な御発言としては,2点あったかと思います。
 1つは,(B)を作った趣旨がフィージビリティ研究であるとすると,例えば年齢を45歳以下の研究者とすることは,必要がない,適当でないのではないかという意見でした。また,本来であれば,年齢等で制限を設けるのは好ましくありませんが,もしそういったことをするのであれば,例えば若手のプログラムと位置付けて,国の方針にのっとり,政策として若手研究者の育成を推進するという趣旨を明確にすべきではないかという意見であったかと思います。
 上記2点を踏まえ,改めて作業部会において検討した結果が下の3点にまとめております。基本的な考え方として,ピアレビューにより採決が決定される科研費において,例えば「年齢」などを応募要件とすることは,原則,望ましくはないということを確認しています。
 一方で,現在の日本におけるアカデミアの弱体化を改善し,日本の国際的な存在感や貢献度を高めるという観点に立つと,例えば中期的な視点に立って,研究人材の育成を政策的に推進するという視点も必要,重要ではないか。
 また,例えばフィージビリティ研究であれば,年齢によらず,例えば既存の挑戦的研究や基盤研究において実施することが可能であるので,新たに設ける学術変革領域研究(B)の位置付けについては,グループ研究で実施するもので,より挑戦的かつ萌芽的なトランスフォーマティブ研究である点を位置付けとして明確にすべきではないかということです。
 結論としては,学術変革領域研究(A)への展開を期待し,中期的な視点に立って,例えば10年後の新興・融合領域の展開に向けた,挑戦的・萌芽的な研究領域を発展させる研究活動を通じて,次代の学術の担い手となる研究者,これは45歳以下の研究者を想定していますが,彼らをエンカレッジするとともに,新たな研究領域を創成し,マネジメントする能力,これは計画研究の個々の成果を研究領域としての成果になるように,研究領域内の運営や企画能力の育成を図ることに着目した若手研究者の支援として,政策対応として科研費にこのようなものを設けることが適当ではないかとまとめたところです。
 次の2ページ目を見ていただきますと,この審議の結果を踏まえて,案1と案2を準備しました。まず(B)の位置付けとしては,1つ目のポツのとおり,学術変革領域研究(A)の将来への展開を期待し,中期的な展開を見据え,より挑戦的・萌芽的な研究領域への支援を目的とするもので,案1は領域代表者に要件を設け,次代の学術の担い手となる研究者を領域代表者とすることとします。
 具体には,次代の学術の担い手となる研究者を45歳以下の研究者として,彼らをエンカレッジするとともに,新たな研究領域をマネジメントする能力の育成を図ることを目的とする「若手支援」としての位置付けを明確化する。また,4つ目のポツのとおり計画研究の構成は,グループ研究として様々な視点から新たな学術の変革を目指すという本種目の目的・性格に照らし,次代の学術の担い手となる研究者を研究代表者とする計画研究を複数含む構成とすることを要件化するとともに,計画研究の過半数が同一の研究室等に所属する研究者で占められるなど,複数の分野にまたがる研究領域や革新的な学術研究の創成が期待できないような領域構成ではないことを審査において確認する。こちらは要件ではなく,審査要綱等に明記する点として考えております。
 具体的に,イメージしたものが中ほどにある図です。三角形が領域代表者で,丸が研究計画の代表者を表しております。青色が「45歳以下の研究者」を表し,枠線の色が同じ場合には,「同一の研究室等」ということを示しています。
 要件に合致する例は,領域代表者が45歳以下かつ計画研究の計画研究代表者の複数が45歳以下となること。また,所属についても複数の分野にまたがる者が参画しているということが分かるような形になっています。
 要件に合致しない例は,真ん中の例は,領域代表者が要件を満たしていません。一番右の図は,計画研究の構成が要件を満たしていません。複数になっていません。また,一番下の図は,要件は満たしていますが,所属する研究室,研究者の所属が複数の分野にまたがらず,このような構成は複数の分野にまたがる研究領域等の創成が期待できない例として図示しています。
 作業部会の提案は,案1です。案2は,案1をベースに領域代表者に要件を設けない場合としてまとめています。そのほかの点は,案1と同様の内容です。領域構成のイメージは,案2は領域代表者は要件でないため,計画研究の構成に着目し,複数含まれるか,含まれないかで要件に合致する,要件に合致しないとなっています。
 資料1については以上になります。
 資料1-2を御覧いただければと思います。資料1-2は,重複制限についての(案)になっています。学術変革領域研究における計画研究等の重複制限は,新学術領域研究の研究領域提案型における重複制限の考え方を基本的な枠組みとしつつ,新たに設ける(B)については,次代の学術の担い手となる研究者が挑戦的な研究に取り組むことが可能となるように,重複の応募・受給を認めるように整理をしています。
 一つが,学術変革(B)の領域代表者と,基盤(S)の代表者。また,(B)の領域代表者と計画研究の代表者と挑戦的研究の開拓の代表者,あと,(B)の領域代表と,こちらは特別推進研究の分担者。これが現在の新学術領域の整理では,何らかの制限が掛けられていますが,新たに設ける(B)については,いずれも重複の応募と,採択された場合には重複して受給することを認めるという案です。
 なお,重複制限の考え方につきましては,次のアスタリスクにあるとおりで,総括班,計画研究の代表,分担ともに,学術変革領域研究に応募できる課題は一つのみとします。総括班,計画研究の代表,分担ともに,学術変革領域研究(A)と(B)との重複の応募はできません。総括班の代表者は,特別推進研究の代表者との重複応募ができない。また,計画研究の代表者は,特別推進研究の代表者との重複の受給ができず,特別推進研究を優先するという考え方は継続します。
 また,「挑戦的研究(開拓)」と「基盤研究(B)」の重複の応募・受給の制限が緩和される予定で,この制限緩和による研究者の応募動向を見据えながら,より幅広い研究者が挑戦的で優れた研究が促進できるように,公募研究の代表者と「挑戦的研究(開拓)」との重複の制限というのは引き続き検討します。
 2ページ目以降が,新たに今後考えている重複の制限の表ですが,6ページの方を見ていただきますと,別表3は新学術領域研究の研究領域提案型に関する重複制限の一覧で,これが現行制度の重複制限についてまとめた表ですが,黄色でマークしてあるところが学術変革領域研究の(B)に関して,重複をどう整理するか先ほど説明させていただいたところで該当箇所を黄色にしています。特別推進研究は,基本的に現行と同じように考えているところですが,例えば総括班の新規の代表者は,基盤研究(S)の代表者と重複の応募と受給が可能です。
 また,挑戦的研究(開拓)の代表者について,こちらも重複の応募と受給を可能とし、計画研究の新規の代表者と同じく挑戦的研究の(開拓)についても重複の応募と受給を可能とすることを検討しています。
 また,資料1-3を御覧いただければと思いますが,こちらについては,事務局の方で見直しについて説明し,御審議いただいた結果をまとめたものになっています。二つの案のうち,案1は領域代表者の年齢を要件とした場合,中ほどにある案2は要件としない場合です。
 主な違いは,他の研究種目との重複制限における考え方の違いを,要件ありと要件なしの場合で書いております。要件ありの場合は,基本的には若手がより積極的に挑戦的な研究に応募できるように考え、重複制限をなくす方向で整理しています。案2の場合は,新学術領域研究と同様の重複制限を基本的枠組みとするようにしています。
 1-4については,こちらも二つの案で,案1の要件ありの場合と案2の要件なしの場合で,その違いは黄色くマーカーしているところが変わってくるところです。
 事務局の説明は以上になります。
【西尾部会長】 
 ありがとうございました。
 小安先生から補足をお願いいたします。
【小安委員】 
 前回の研究費部会で宿題を頂きましたので,一度持ち帰らせていただきまして,検討させていただきました。その結果,確かにおっしゃるように,フィージビリティ研究という表現だと位置付けがあまりよろしくなかったということで,もう一回議論をいたしました。中期的な視点に立って,10年後の新興・融合領域の展開に向けた挑戦的・萌芽的な研究領域を発展させるということで,これを是非,比較的若い中堅に担っていただこうということで,やはりこちらの方がよろしいのではないかというのが作業部会の合意というか,ほとんど皆さん,そういう御意見でした。
 1点だけ,そのとき作業部会で話はしなかったのですが,この45という数字ですが,この前も大分こだわりがありました。これに関して,私の私案として,一つの考え方は,学位取得後18年というのもありかなと思っています。若手から10年ぐらいが中堅。18と27を足す45というのが一つのやり方かなというのを考えました。これは不規則発言ですが,そういうことを付け加えた上で,もう一回御審議を頂ければと思います。
 以上でございます。
【西尾部会長】 
 どうもありがとうございました。当方からの依頼を真摯に受け止めていただきまして,更に審議を深めていただき,先ほど御説明がございました案をいただいたところです。特に案1という形で,部会の方ではほぼ総意がとれているということでの御報告でございました。
 何か御意見,御質問とかございませんでしょうか。どうぞ。
【城山委員】 
 よろしいでしょうか。今日の御議論の本質ではないところだと思うんですが,この研究室という概念は共通理解があるということでよろしいんでしょうか。「研究室等」となっていて,私,理系の方はよく知りませんけど,例えば今までの若手の独立みたいなことも聞いていると,例えば同じ分野であっても,独立して准教授でも研究室を持つことがあるという,そういうレベルの単位の話と,例えば極端な例で言うと,私のいた法学部で言うと,法学部においては研究室は一つであるという哲学があって,その中にいろんな,当然たくさん教授がいますと。法学部研究室という言い方をするんですね。あるいは,今,文学部の方を見させていただいて,例えば哲学研究室とかで,そうすると,その中に当然,複数の教員がいらっしゃるということになるので,研究室という概念はかなり分野によって違うのかなと思って,その点の理解を確認させてください。
【小安委員】 
 ありがとうございます。その点はおっしゃるとおりで,画一的な定義が非常に難しいので,これは是非審査に当たっての着目点というところできちんと書かせていただこうと思います。結局,目的は,やはり複数の分野にまたがって,革新的な学術研究の創成が期待できるかどうかという観点から,この構成はちょっと狭過ぎるのではないですか,みたいな議論が,その審査の過程で行われるということを想定しております。従って,定義を定めて,それに画一的にやるというイメージとはちょっと違います。ここら辺は今後,審査要項などを作成するところでしっかり書き込んでいくのが適当だという風に考えて,議論をそこで終わらせました。
【城山委員】 
 では,そういう意味で言うと,物理的に別の研究室にいたからいいというわけでもないし,逆に,物理的に同一の研究室にいたからだめでもなくて,むしろ実質の多様性が確保されているかどうかというところを審査のときに着眼するという,そういう趣旨だということでよろしいですか。
【小安委員】 
 はい。そのように考えて提案させていただきました。
【城山委員】 
 はい。分かりました。
【西尾部会長】 
 どうもありがとうございました。この「等」という言葉が重い意味を持つということでございました。
 ほかにございませんでしょうか。どうぞ。
【中村委員】 
 今の研究室の話ですけど,利益相反とちょっと似ているところがあって,毎日顔を合わせている人というのはあまり望ましくないというようなことを言っているのではないかと思うんですが,いかがでしょうか。つまり,この科研費研究を機会にして,異分野の人が集まるということが大切なのかと。
【小安委員】 
 毎日,顔を合わせていても,異分野の人というのはいると思うので,そこら辺はもうやはり中身で見ていただくのがよろしいかと私は思っています。
【西尾部会長】 
 どうも貴重な御質問ありがとうございました。この辺り,審査する側との十分なコンセンサスをとっていただかないともともとの趣旨が生きないので,実行上,十分に御配慮いただきたく思っています。
 ほかにございませんか。どうぞ。
【井関委員】 
 ありがとうございました。年齢制限のところで,学位取得後18年というのは,20年ではだめということなんでしょうか。
【小安委員】 
 別にそれを否定しているわけではありません。45から27を引くと18だなと思ったのと,学位取得後8年が若手の定義なので,そこから10年ぐらいが中堅かなというので申し上げました。別に20年で問題があるという風には感じていません。
【西尾部会長】 
 ここは45歳ということを変えようという意味ではないですよね。
【小安委員】 
 はい。やはり年齢の数字を出すというのを今まで何とか避けてやってきたので,ここで45と入れるのに,私は最後まで抵抗がありました。そういう考え方ですると,少し和らぐかなと思いましたので,突然ですが,そういう提案をさせていただきました。
【井関委員】 
 よろしいですか。
【西尾部会長】 
 はい。
【井関委員】 
 そうしますと,でも,学位取得後18年以内ということではないと。
【小安委員】 
 そうです。
【井関委員】 
 じゃあ,この45歳は通るということでよろしいですか。
【小安委員】 
 そうです。それではどうかということです。
【井関委員】 
 私はそれに賛成です。
【西尾部会長】 
 その辺りを明確にしておかないと,作業部会での意見がどうだったのかということが明確に伝わらないのではないですか。
【小安委員】 
 作業部会では,中堅,要するに,中長期的なという,ここに書いてあることがまさに議論になったところであって,年齢のことに関しては,実はそんなに,そこの表現がいいかどうかに関しては全く議論していません。ですから,これは私が今ここで申し上げたというのは,そのとおりです。
【西尾部会長】 
 先生,ありがとうございます。これは案1なのですか。案2なのですか。
【小安委員】 
 これですか。案1の中でお話をしています。案1の45歳というのを,学位取得後18年以内にした方が,数字があからさまに出なくて良いのではないかなと。たった今ここで提案しているものなので,申し訳ございません。資料と合っていません。
【井関委員】 
 よろしいですか。
【西尾部会長】 
 はい,どうぞ。
【井関委員】 
 私は本当にそれは賛成で,今,45を超えたあたりでPIをされている方たちというのはすごく,おそらく熾烈なポジションがないところを闘ってPIになった方というのは結構多いという風に思っています。ですから,そういった方たちの中からもやはりこの学術を変革していくような研究内容というのは出てくるのではないのかなと思いますので,できれば45という形で切るよりは,その方たちが少しでも含まれるような形で,学位取得後18年という方がいいかなと思います。
【西尾部会長】 
 どうぞ。
【梶山学術研究助成課長】 
 45歳ということで私ども提案させていただいた理由を作業部会の方で御議論いただきました。そのときの私の記憶だと,何らかの年齢か年限を必ず決めないと審査ができないということになったので,何らかの年限はまず必要だと思っております。
 次に,45歳にというのは,御議論であれば,中期的なことを考えた際に,今話になっているBを3年,その後Aを5年ということで,概ね10年後まで,その領域を引っ張っていける人は,ある程度若い方々ではないかということが強かったと思っております。
 その際,なぜ45歳ということに関しては,前回でも御説明させていただきましたが,科研費に応募されている方の,まさに半分が45歳であり,それから,今の新学術研究の計画研究の代表者の方が48歳であるので,3年後に48歳になるということで45歳だという,年齢の方の御議論が強かったんじゃないかと思っております。若手研究のような,学位を取って,まさに研究者としてエントリーをするという考え方と若干違っているところが中心的なことであるのではないかと思っております。
 18年にするというのは,そうするのであれば,一回状況を調べた方がいいのではないかというのを正直なところ思っておりまして,まずこの制度自体を概算要求をしていく際にある程度決めていただいて,その後調べるかどうかということだと思います。ただ,まずは年齢の議論の方が強かったのではないかと私としては思います。
 以上でございます。
【西尾部会長】 
 どうもありがとうございました。これというのは全体としての首尾一貫性が要るのですけれども,10年後にまだ云々という文言が入っていますよね。
【梶山学術研究助成課長】 
 はい。
【西尾部会長】 
 そのことの実現性が確かにあるということを踏まえて,45歳というのを議論の上で決められたと,そういうことでよろしいですか。というのは,例えば学位取得後18年と書くと,その10年後云々というところとの論理的な首尾一貫性が崩れるということでよろしいですか。
【梶山学術研究助成課長】 
 そういうことになりかねない点があるのではないかなと思います。
【西尾部会長】 
 はい。
【小安委員】 
 大丈夫だと思うけど。
【西尾部会長】 
 小安先生,もう一度詳しく御説明いただけますか。
【小安委員】 
 いや,45という数字が出てきたのは,さっき梶山課長が御説明されたとおりなのですが,それがやっぱりいいかどうかということに関しては,きっちり議論はしていないと私は理解しています。何らかのものを入れないといけないねということは,全員で合意したのは確かです。ただ,最後まで私はずっとそこだけが気になっていました。これまで一生懸命世界的な趨勢に従って数字を入れられるのをなくしてきたのに,なぜここでもう一回入れなければいけないのかという葛藤が,ものすごく私の中ではありました。例えば,たとえ学位取得後18年にしても,そこから先に10年あっても十分その先をやれる年齢のはずです。ほとんどの方はそのはずですので。
【西尾部会長】 
 小安先生,実はそこを聞きたいですね。そこで学位取得後18年ということをここで明記した際に,あと10年後云々ということがこの領域研究の趣旨で記されたときに,問題ないということですね。
【小安委員】 
 そこは外れてはいないという風に思っています。
【西尾部会長】 
 なるほど。まず白波瀬先生,それから山本先生,御意見をどうぞ。
【白波瀬委員】 
 いろいろ御説明ありがとうございます。あと,御検討もありがとうございました。全体の枠組みはとても説得的だったと思います。それで,45歳が目安ということなんですけれども,やはり気になるところです。繰り返しですけれども,いろんな生き方とか,もう一度大学院に入ろうとか,そういう多様なキャリアパスを支援するという方針と年齢制限との整合性が気になっています。ちょっと遅めに開いていた芽も全部花開いてあげるような教育システムにしましょうという全体の大きな流れの中から言うと,具合的な年齢を出すことの問題もあります。学位取得後18年,というのがまだよろしいかと。ただ,事務的に言うと,おそらく大変だろうというのは想像がつきます。そこで最終的な学位取得後18年というのを,そこはあくまでも目安にしていただく。この45歳というのもキャリアの比較的若い中堅というので代表させた値が45歳。それぐらいの数字的な感覚というか,少なくとも45とか18年の表記は,原則,私も余り良いことではないと思います。ただその一方で,現時点でもっと若手の研究員の後押しが必要だという意味もすごく分かるので,そこの意味を強調していただくと同時に,目安としての数字というところで落としていただくのがいいんじゃないかと思います。
 以上です。
【山本委員】 
 まず最初の部分で,学位取得後18年ということなんですけれども,私としてはそれでもいいと思っています。確かにそこのところは,作業部会では議論はしていません。だけれども,趣旨にはのっとっていると私は思います。問題は,35ぐらいで学位を取られる方がいらっしゃいます。だから,まさに多様なパスがあるということです。そういう方に18を足しますと,結構な年齢になってしまう。だから,部分的にそういうことが起こってもいいという風に考えるか,このプログラム全体としては若手ということを強く最初に前文で言っておけば,そこのところで審査の中で判断するところはあるかもしれないなという気はします。
 それからもう一つ,先ほど白波瀬先生がおっしゃった点なんですけれども,この審査をやる上において,年齢要件を曖昧に記述しますと,応募する方も,それから,審査する方も,非常に戸惑いが起こります。若手育成という軸と,計画の優劣という軸は直交しているというか,同一軸に並べられないので,やはりここのところはきちんとある程度判断できる目安を付けられる方が私は良いと思っています。
 以上です。
【西尾部会長】 
 どうもありがとうございました。今の先生からの御発言ですと,例えば35歳で学位を取られた方の場合に,学位取得後18年ということで,まだ応募資格がある。それで申請された場合に,もう一方の大きな要件である10年後に云々ということから,審査委員会の方でその10年後に云々という要件から,実際のところなかなか困難であるということで,ある種の制約が自然と掛かってくる。したがって,学位取得後18年という条件でもいいのではないかという,そういう御意見と考えてよいですか。
【山本委員】 
 はい。そうです。そのとおりだと思います。ありがとうございます。
【西尾部会長】 
 どうぞ。
【中村委員】 
 普通の科研費だと,ドクターを取って実質的に研究を始めて何年というようなことでいいと思うんですね。つまり,学位取得後で構わないんですけれども,この研究費はちょっと性格が違うのではないでしょうか。35歳で学位を取られたとしていても,そこまでかなり研究していたに違いない,いろんな事情によって35歳になったというだけなので,35歳でドクターを取った人と,もっと前に取った人にそんなに差があるとは思えない。個人研究の枠組みとグループ研究の枠組みは,必ずしも同じではないと思えます。そういう観点から見たときに,審査から見て分かりやすいのはやっぱり年齢でポンと切ってしまうということではないかと思います。ところで,45歳の制限の方はどこから来たかというと,何か別の書き物に出ている45歳の制限から出ているわけですよね。
【小安委員】 
 そうです。
【中村委員】 
 国際的に見ても,また国内的に見ても,たとえば日本学術振興会から何からいろんなものが40歳とか45歳という制限を現実に付けているということもあるので,必ずしも45歳の制限を設けること自体の是非をこの科研費において問題視する必要はないんじゃないかとは思います。その2点ですね。
【西尾部会長】 
 学位取得後ということが,学位を取られるのが遅くなったとしても,この領域研究の本来の趣旨として,この申請をする際には,やはりある程度の年齢制限は付けるべきではないかということで,そこを明確にしていただきたかったのですけれども。
【小安委員】 
 すみません。
【西尾部会長】 
 いやいや。作業部会で丁寧に審議いただいたことに大変感謝いたしております。委員の皆様,今,中村先生がおっしゃっている通常の科研費の領域との比較のもとで,今回の領域研究が年齢制限というものを付けてもフェアネスというか,国際的なコンセンサスが得られるのかどうなのかということだと思います。このことについて,今日,再度宿題ということにはしたくありません。こういう制度というものは行ってみて,問題があれば,改定していけばいいという面もありますので,まず第1回目のときに年齢制限で行くのか,例えば学位取得後18年で行くのか,どちらかを,皆様の完全なコンセンサスを得られないとしても,どちらかで納得がある程度できるというところで,今日は収めなければならないと思っております。
【鍋倉委員】 
 医学部を卒業し,臨床研究の道に進む場合,初期研修,後期研修,その後に大学院課程に進む場合が多く,最短であっても35歳くらいで学位取得になります。それから研究がスタートするという形になるので,45歳では,まだチームを率いる十分な研究実績が積まれていない場合も多々あるので,学位取得後の年数という考え方もあるのではないでしょうか。
 以上です。
【西尾部会長】 
 先生がおっしゃるように,学位を取るまでにさまざまな研究活動を展開した上で,学位を取るのは35歳になったとしても,例えば45歳以下の段階で,この領域研究に申請するぐらいの実績を積むというのは無理なのでしょうか。学位を取得するまでに,先ほど中村先生おっしゃったように,積み上げてきているものがあれば,45歳という年齢制限を付けておいても,問題なく申請できるのではないかということについてはどうでしょうか。
【鍋倉委員】 
 病院における臨床研修では学術研究というよりも初期研修で広く,また後期研修で専門の医療知識や技術の習得を目指すことがほとんどです。その後,大学院などの研究の場に進む場合が多い。
【小安委員】 
 部会長,すみません。
【西尾部会長】 
 はい。
【小安委員】 
 とても大事なことに気がついてしまいました。自分で言っておきながら,実は若手研究以外に科研費は学位を要件としていないとということに気がつきました。
【甲斐委員】 
 科研費だけしか年限を付けてないですね。
【小安委員】 
 そう。ということに今,気が付きまして,私の提案は成立していないということに気がつきました。
【甲斐委員】 
 いやいや,年齢そのものが成立してないのですから良いのではないでしょうか。初めて出てきたのですから。
【小安委員】 
 すみません。なので,もしやるとしたら,ここは年齢でやるしかないと思います。すみません。お騒がせしただけに終わったような気がします。
【西尾部会長】 
 いやいや,議論したことは大変重要なことでした。そうしましたら,今の発言をもとに今回は45歳ということで進めさせていただいてよろしいですか。
 では,本件,前回から今回にかけて真剣な議論をしていただきましたこと,心より御礼申し上げます。今後この領域研究を活性化する上で,今回の議論はしっかりと生かしていただきたいと思います。それでは,案1のとおりに見直しの内容を決定したいと思いますので,今後に向けて,本見直しの内容を基に事務局において準備を進めていただければと思います。
 なお,やはり,年齢制限ということに関してはいろいろ御議論いただきましたように,さまざまな懸念等がございます。それに対して,この種目の特殊性をベースに,確実で理論的な裏付け,説明責任が取れるように,事務局では今後更に配慮していただければと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは,次の議題に移ります。令和2年度の概算要求の考え方について,7月18日の作業部会で御議論いただいておりますので,事務局より説明をお願いいたします。

(2)令和2 年度概算要求に向けて

【岡本企画室長】 
 資料2-1と資料2-2を説明させていただきます。
 まず資料2-2を御覧ください。こちらが科研費改革の当面の取組についての関連資料です。
 2ページ目をご覧ください。前回の研究費部会におきまして,令和2年度公募及び概算要求に係る制度改善の方向性について御審議をいただき,御了解を頂いているところでございます。
 この資料は,そのときの資料でございます。新興・融合領域の開拓の強化について,それと,若手研究者の重点支援についてということで,これらを令和2年度の制度改善の方向性として進めていこうということで,日本学術振興会から具体的な提案を頂き,作業部会で審議・決定をして,このような内容にしたものでございます。
 新興・融合領域の開拓の強化については,学術変革領域研究の創設。また,挑戦的研究(開拓)と基盤研究(B)の重複応募,受給制限の緩和,挑戦的研究(開拓)の基金化。
 そして,若手研究者の重点支援については,若手研究(2回目)と基盤研究(S),(A),(B)の重複応募制限の緩和,研究活動スタート支援の他の研究種目との重複受給制限の緩和。これらについて,前回の部会で御了承いただいていますので,これらを基に本日の資料2-1は作っております。
 まず,関連資料からざっと御説明をさせていただきます。次の3ページ目にありますのは,挑戦的研究(開拓)と基盤研究(B)の重複応募・受給制限の緩和についてということで,課題と制度改善の方向性についてまとめているものでございます。
 次の4ページ目が,若手研究者への重点支援についてということで,基盤研究の若手研究者の応募の状況などについて現状を整理いたしまして,更にどういうことを新たにやっていくかということでまとめた資料でございます。
 そして,次が「研究活動スタート支援」と他種目との重複受給制限の緩和についての資料でございます。
 次のページが,令和2年度に行おうとしている重複制限の緩和についてのイメージということで,正式な重複制限の表はもっと細かいものになりますが,これは今回のポイントになるところを分かりやすく図にしたものでございます。左側が現行,そして,右側が令和2年度の制度改善ということで,変わるところは,右側の表の赤くなっているところでございます。例えば上の方で見ていただきますと,若手研究2回目というのが乙欄にございますが,そこを下に見ていただくと,基盤研究(S),(A),(B)との重複応募ができるようにするということ。また,挑戦的研究(開拓)については,基盤研究(B)との重複応募をできるようにする。また,一番下の研究活動スタート支援については,他の種目との重複応募・受給を可能にするということを考えております。
 次のページが「国際共同研究加速基金」による研究の国際化の強化ということで,平成30年度に国際共同研究強化(B)を作っておりますので,年次進行分,予算の拡充が必要となります。
 次ページ以降,基盤研究の今日的位置付けなどがありますけれども,このあたりは飛ばさせていただきまして,13ページから参考資料でございます。
 最初に,研究力向上改革2019。こちらは既に研究費部会の方で御報告させていただいておりますので,説明は省略させていただきます。
 22ページからは,政府の方針,幾つか抜粋をしてございます。第5期の科学技術基本計画に科研費についての記述があるということ。次のページが「統合イノベーション戦略2019」の抜粋でございます。赤字のところでございますが,競争的研究費の一体的な見直しを進める中で,2023年度までに,科研費における採択件数に占める若手研究者の比率が,応募件数に占める若手研究者の比率を10ポイント以上上回る。これは昨年度のこの戦略2018でも同様の記述がありまして,今回も同じ記述となっております。
 次のページが「統合イノベーション戦略2019」の続きですけれども,基礎研究を中心とする研究力強化のところでも,科研費に関する記述がございます。競争的研究費の若手支援への重点化や新興・融合領域の開拓に資する取組の強化を実施するなどでございます。
 次が成長戦略のフォローアップ,更に次のページが経済財政運営と改革の基本方針2019ということで,こちらにおいても科研費に関する記述があります。
 以上が,まず資料2-2についての御説明でございます。
次に資料2-1をお開きいただければと思います。2-1が科研費改革の当面の取組についてということで,概算要求に向けた考え方でございます。「科研費改革の実施方針」及び「研究力向上改革2019」に基づき,「統合イノベーション戦略2019」等の政府方針を踏まえて,以下の考え方により必要な予算の拡充に努めるということで,3つの柱がございます。
 一つ目が,先ほども御説明した新興・融合領域の開拓の強化でございます。まず1つ目の丸のところが,この新興・融合領域開拓の強化に当たっての基本的な考え方をお示ししております。
 審査の大くくり化等の科研費改革を進めつつ,研究者の自由な発想に基づく独創的・先駆的な研究を支える科研費は,制度全体が新興・融合領域の開拓に資するものである。その上で,特に学術の体系や方向の変革・転換,新領域の開拓を先導する潜在的な可能性を持った研究,長期的視野に立った不確実性の高い研究への挑戦に対する支援の充実を図るということでございまして,まず新学術領域研究については,先ほど御議論いただきましたけれども,新たに「学術変革領域研究」を創設するということで,必要な予算の確保・拡充を図るということ。
 次が「挑戦的研究」についてでございます。大くくり化した審査区分の下で質の高い課題を厳選するといった制度創設の趣旨を踏まえ,計画的な拡充を図るということ。特に「挑戦的研究(開拓)」については,若手研究者を含む,より幅広い研究者層の挑戦的で優れた研究を促進する制度改善に伴って計画的な拡充を図るということで,挑戦的研究(開拓)と基盤研究(B)の重複応募をできるようにするということ。
 二つ目が若手研究者への重点支援でございます。一つ目が基本的な考え方でございます。制度の基幹である「基盤研究」種目群を中心として,採択件数に占める若手研究者の割合の増加に係る目標にも留意しつつ,若手研究者による更なる挑戦を促す制度改善とともに助成水準の向上を図るということでございます。
 基盤研究(B),(C)の新規採択率については,政策目標の達成を目指す重点種目と位置付け,計画的な拡充を図る。特に,基盤研究(B)については,計画的な拡充を図るということ。さらに,基盤研究(S),(A)等により大型の種目についても,若手研究者による更なる挑戦を促す制度改善に伴って助成水準の向上を図るということ。
 「若手研究」種目群については,若手研究者に独立して研究する機会を与え,研究者としての成長を支援する「基盤研究」種目群への円滑なステップアップのための重点種目と位置付け,「若手研究」について,大幅な拡充を実現した令和元年度における新規採択率40%の助成水準を確保するとともに,「研究活動スタート支援」についても「若手研究」と同水準の達成に向け計画的な拡充を図るということ。
 それと,採択課題に係る充足率については,種目全体を通じた最低水準(70%)を確保するということ。相対的低位にある「若手研究」については,配分額の回復を積極的に図るということ。
 三つ目が研究の国際化の強化でございます。平成30年度に創設した「国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))」について,年次計画等を踏まえた計画的な拡充を図るということでまとめております。
 次のページを御覧いただければと思います。今御説明した内容を1枚のポンチ絵にしたものでございます。新興・融合領域の開拓の強化と若手支援の重点支援ということで,この研究種目の三角形の図のところに,今回の概算要求の内容,また,制度改善の内容をまとめて見えるようにしております。
 上の方から,右側に新興・融合領域の開拓の強化ということでは,学術変革領域研究の(A)と(B)の新設。(B)につきましては,基金化を要求していくということ。左側の「基盤研究」種目群のところでは,若手研究者の挑戦機会の拡大を図るということで,黄色で書いてあるところ,挑戦的研究(萌芽)と同様,基盤研究(B)と挑戦的研究(開拓)の重複応募・受給を可能にするということ。また,挑戦的研究(開拓)については,基金化を要求していくということ。それと下の方で,若手研究と基盤研究のところですけれども,一定条件の下,重複応募を可能にするということ。さらには,「研究活動スタート支援」のところで他種目との重複受給を可能にするということを図に表しております。
 それと,図の一番下のところを御覧いただければと思います。「研究者の挑戦を促すため,所属機関による挑戦の後押し」ということを加えております。科研費においては,今御説明したような制度改善,予算の拡充を図っていきたいと考えておりますが,研究者の方が所属される機関における挑戦の後押しというものも必要であろうということで,次のページを御覧いただければと思います。
 このような資料を公表して,後押しを是非お願いしたいということを促してはどうかと考えております。まず上の表ですけれども,基盤研究(A),(B),(C)における若手研究者の採択の状況を示しているものでございます。基盤研究(A),(B),(C)のいずれにおいても39歳以下の研究者の採択率は,全体の採択率よりも高くなっており,10ポイント以上高くなっているものでございまして,目に見えて高くなっているということ。ただ,基盤研究(A)などについては,応募件数などはかなり少ないという現状がございます。
 また,その下にありますのは,研究者の挑戦を支援する機関における取組例ということで,北海道大学においては「研究種目ステップアップ支援」,岡山大学においては「科研費セーフティーネット」,熊本大学では「科研費リトライ支援事業」ということで,科研費で不採択になった方が,次に応募する際の支援などを行っているということで,こういうことも御紹介していってはどうかと考えております。
 次が「学術変革領域研究」の新設ということで,これは前回の配付資料でございますが,最新のものに変えていきたいと思っております。
 それと最後が科研費若手支援プランということで,今回,令和2年度の概算要求と制度改善に合わせまして,改訂版を作っております。「研究活動スタート支援」については,他種目との重複受給を可にすること。「若手研究」については,一定条件の下,重複応募を可能にすること。また,基金化していく種目などについても示しております。
以上が資料2-1の説明でございます。2枚目以降のポンチ絵につきましては,今後,概算要求の内容,また,制度改善の内容など,対外的に説明していく上でも使っていきたいと考えております。
 資料の説明は以上になります。
【西尾部会長】 
 どうもありがとうございました。
 梶山さん,昨年度から今年度,科研費は増額幾らでしたか。
【梶山学術研究助成課長】 
 補正予算で50億円,それから,本予算で86億円の増額です。
【西尾部会長】 
 ベースで86億円ですね。ですから,昨年度から今年度で,ベースのところで86億円増えています。それがある種のステップ台になりまして,そこからどれだけ科研費を増やすことができるのか。残りの50億円の部分は,特別に手当されているものですので,ベースとは言えません。そのベースを更に増額させる上での,今後さまざまな交渉が始まるわけですけど,概算要求は御存じのように,8月の末ぐらいには財務省へ提出されることになります。研究費部会はそれまでございません。そうなると,今御説明いただいた内容をベースに概算要求することになります。そこで,本日の部会で委員の方々から,ここはもう少し強力にした方がいいのではないかとか,是非いろいろとお知恵を拝借して,要求内容をよりパワフルなものにするということが,これからの議論で重要になります。そのような点から御意見,御提案をいただけるとありがたく思っております。
 はい,どうぞ。
【小安委員】 
 意見というか,ちょっと気になったのが2-1の一番最後の「若手支援プラン」です。准教授のところに「8年程度経過」と書いてありますが,これは誤解を与えるのではないのかと思います。「8年程度経過」というのは若手の期間を書いてあるはずですが,ここで准教授になれよという風に読まれるのが若干ちょっと気になります。位置の問題ですが。何か工夫した方が良いのではないかなと思います。
【西尾部会長】 
 事務局,どうですか。
【梶山学術研究助成課長】 
 おっしゃるとおりだと思います。「8年程度」というところと「准教授」の位置を少し考えたいと思います。8年程度でなっている方もいらっしゃると思いますが,全体的に左側の方にしたいと思います。
【西尾部会長】 
 貴重なコメント,どうもありがとうございました。
 ほかに。どうぞ。
【中村委員】 
 この2-2の真ん中の第2章,知の創造。(1)大学改革等によるイノベーション・エコシステムの創出のところに,2020年度までに総論文数を増やし,トップ10%の割合を10%以上,23年度までには総論文数を増やして,これを12%以上にするというのは約束してあるわけですね。春の会議で鈴鹿医療科学大学の豊田先生の『科学立国の危機』という本が紹介されて,これには,総論文数や,高引用論文の数というのはつぎ込んだ予算の量,それから,研究者の数に比例する。世界的に比較した研究費の量と人間の量に直に比例していますよと書いてあります。中国,アメリカは予算を増やしている中で,日本の総予算が増えない限り,いい論文の相対的な数は増えないというのが統計的に分かっているわけです。ですから総予算が増やせない現状で,この目標を実現するのは大変に困難に思えます。目標を掲げたあげくに実現できないのでは,この先2023年にはかえって具合悪くなるんじゃないかと思うんですけど,その辺いかがでしょうか。
【梶山学術研究助成課長】 
 計画といたしましては,こういうものがあるというところでございます。今,先生がおっしゃっていただいたように,豊田先生の本がおっしゃるところは非常に的を射ていると思っております。科研費の説明を財政当局にする際に,そもそも科研費を含めた研究費の量が諸外国に比べてどうなのかということをきちっと説明した上で,今の科研費の量がいいのでしょうかという議論をさせていただきたいと思いますので,そこは様々な資料を活用して,説明させていただきたいと思います。
【中村委員】 
 分かりました。それが一番大切ですよね。
【西尾部会長】 
 どうもありがとうございました。貴重なコメントですね。
 ほかにございませんか。どうぞ。
【大野委員】 
 よろしいですか。大きな金額でダイナミックな研究を推進するというところを手掛けられているのは非常に良いことだと思うんですけれども,一方で,小さな金額で地道にやっていて,長期に何か大きく化けるようなものというのも支援していく必要があるだろうと考えると,やはり基盤(C)とか小さなものをもっと拡充させて,数を多くすると。絶対値を多くするということも一つ目標に入れてもいいんじゃないかと思うんですね。数が増えても,それほど予算的にドンと増えるというものではないので,その辺を裾野を増やすことが日本にとっては非常に重要であるということは財務省に強く訴えてもいいんじゃないかという気はいたします。
【西尾部会長】 
 特別に科研費の場合は,おっしゃった点が大事だと思うんですけど,どうですか。
【梶山学術研究助成課長】 
 おっしゃっていただいたところで,科研費として裾野を拡大していくというところと,ある程度の規模の,例えば(B)であったり,それ以上の国際的に通用するようなところを増やしていく。これは両方重要なところだと思っております。特に(C)に関しては,昨年度も含めまして,ずっと応募数が増えておりますので,それに対応したものをある程度きちんと確保していくというところは重要だと思っております。
【西尾部会長】 
 今おっしゃった事は,日本の学術研究を守る上で非常に大事だと思いますので,そこは是非譲らない論点としてお願いしたいと思います。
 甲斐先生,何かございませんか。今日は御意見が伺えていないので。よろしいですか。
【甲斐委員】 
 中野先生が。
【中野委員】 
 国際共同研究強化,それから,帰国発展研究の二つについてなんですけど,まず最初に国際共同研究なんですけど,これは相手があるものですね。相手があるもので,スケジュールにしても,何にしても,自分でコントロールできないものなので,これは基金化できないというのが一点と,それから,帰国発展研究なんですけど,これは日本に帰ってこられたときにスタートアップで付けるお金ですよね。これは十分知られていないし,使い勝手が非常に悪いように受け取られているんですね。だから,普通,海外から日本に帰るときに,公募に応募して,それからポジションを得るわけですけど,これは通る前に応募しなくちゃいけなくて,それから使うものなので,時間的に逆転しているんですね。だから,何かこれは一工夫入れないと,十分,本当に使ってほしい人に使われないんじゃないかと。だから,権利をずっと保持できるとか何らかの工夫が必要じゃないかと思うんですけど,いかがですか。
【西尾部会長】 
 ありがとうございます。中野先生には今年度から委員に就任いただいているのでお知らせしますと,先生からいただきました御意見については,今までにも何回かいただいております。
【中野委員】 
 そうなんですか。
【西尾部会長】 
 その辺りの状況について,栗原先生お願いします。
【栗原委員】 
 私も何回もこの件について申し上げていて,やはり応募している期間に,科研費の締め切りが来てしまっていて,しかも,外国にいる人はポジションに応募することに一生懸命で,しかも,選考の過程が見えないんですよね。それなので,やはりこれは応募時期を,採択が決まったところぐらいの,例えば1月とか,せめて2月ぐらいにしていただけるといいんじゃないかとか,そういうことを何回も申し上げています。大変貴重な資金だと思うので,それが本当に使いたい人に届いているのかということがありますので,日本に戻ってきて,若手だけじゃなくて,シニアの人もやはり研究室の立ち上げは大変だと思うんですよね。そういう意味で,やはり運用の工夫を是非していただきたいと思います。
【西尾部会長】 
 これ梶山課長,是非コメントをお願いします。
【梶山学術研究助成課長】 
 まず基金化については,この分,基金化されております。
【中野委員】 
 ああ,そうなんですか。
【梶山学術研究助成課長】 
 はい。大丈夫です。あとそれから,帰国発展研究については,私の理解が少し足りないかもしれないのですけれども,帰国後にすぐに研究費がないことが,日本への帰国の意思に影響しているということで,そのような方がを日本に戻っていただくための予算というのが趣旨ではないかと思っておりまして,そもそも帰ることが決まっている方に付けるのであれば,また別の制度なのかなというふうにも思っておりましたが,そこも含めて御議論いただければと思います。
【西尾部会長】 
 どうぞ。
【栗原委員】 
 そういう意味では,日本に帰ったら,そういう形で研究できるというのは,大勢の人たちに対してのモチベーションになるので,是非日本の大学のポジションに帰ってきていただきたい。優秀な外国にいるPIの人たちに大きな意味でのモチベーション,特定じゃないけれども,システムとしてのモチベーションになると思います。帰ってきたいのだったら,苦労してもいいから帰ってこいと言うよりないと思うので,実際に私,帰国した人から,時期が,もう採用された後では応募できなくて,知ったときには帰ってきてしまっているので,応募できないということを聞いたので,そういう方々は支援したいカテゴリーの方々と同一だと思うんですよね。私が聞いたのは,ドイツでPIをやっていた方が日本に教授で帰ってきた場合ですけど,それはまさに,今,帰ってきてほしい人たちの枠組みと同じだと思うので,もう少し柔らかく,必要な人に届くといいなと思っています。
【中野委員】 
 別のやり方,例えばこの科研費をとったら,2,3年は猶予期間があるとか。今,2年ですか。どう言ったらいいかな。決まっていないと出せないと思っている人がものすごく多いような気がするんです。だから,決まってなくても,帰ったら,毎年5,000万あるんだから,私を採ってくださいというふうに使えたら,少しは違うと思うんですね。
【梶山学術研究助成課長】 
 よろしいですか。
【西尾部会長】 
 はい,どうぞ。
【梶山学術研究助成課長】 
 今,中野先生がおっしゃっていただいたとおり,日本に帰ったら支援しますという予算でございますので,そのことに関して,海外の研究者の御理解を深めていくというのはおっしゃるとおりだと思いますので,そこを取り組んで参りたいと思っております。
 また,猶予期間というのも変ですけれども,採択が決まってからおよそ1年間の期限を設けて,帰ってきていただく制度になっております。そのような現状でございますが,どのようにして考えていったらいいか,宿題にさせていただければと思います。
【西尾部会長】 
 是非そこを柔軟にしていただければと思います。
 どうぞ。
【射場委員】 
 先ほど中村先生からお話があった,豊田先生の講演会というのが文科省で先週あったんですね。もう磯谷さん,帰られましたけれども,豊田先生も科学技術・学術政策研究所の定点調査委員会の委員長もされていて,そのワークショップも先週あって,そこでいろんな議論されたんですけど,先ほどの大学改革とかイノベーション・エコシステムとこの科研費の関係というのはちょっと,普通に考えたらあんまり折り合いにくい感じなんだけど,本当にイノベーションに最終的に導くには,やっぱり基盤研究が大事で,そこが弱っているので,イノベーションの種がなかなか出ていませんみたいな議論もワークショップの中でもされていたので,そういうのもフィードバックして。今,その科研費単体のことはすごく練られているんだけど,全体の話の中で科研費がどういう位置付けなのかと,もう一回きっちり示して,その最新状況に対して,今,どうかというのを言わないと,全体を見ている人に対しては説得力がないのかなと。
【西尾部会長】 
 再度,学術分科会等でも議論したように,日本のイノベーション,国力の源が学術研究であって,それを支えているのが運営費交付金とか基盤的経費と科研費なのだということをもう一度明確にアピールしていく必要があるのではないかと思います。そのことについては,企業サイドでもだんだん気付いてきておられ,今おっしゃったような応援メッセージがいただけるようになっています。科研費で推進している研究が,イノベーションの根源でもあるということをもう一度強く出していく必要があります。
 竹沢先生,いかがですか。よろしいですか。
 上田さん,いかがですか。
【上田委員】 
 前半の話は作業部会でされたので,今日の話で言うと,結局,問題視は合意できたとしても,具体的に,例えば科研費の若手を中心にするかどうかは置いておいても,例えば採択件数を倍にすると,どれぐらいの予算が掛かるか。3倍にするとどれぐらい掛かるか。それが海外はどれぐらいそれで対応しているのかとか,何かそういう数字を出さないと,マクロに重要ですよというような,議論は何でもそうですけど,言ったって,そうですよねで終わってしまうと思います。企業でもとにかく研究費を幾らに上げるというのはきちんと数字を出すので,そういう意味では,例えば倍ぐらいにしたらどうなるのかということを検討する必要があると思います。今,政府が若手・女性とか,そういうのをエンカレッジするという方針にあるのであれば,10年後,20年後の日本への投資としたときに,じゃあ,若手枠増強に対応するように,先ほどの(B)もそうですけれども,採択件数を今の3倍にするというぐらいの勢いを言わないと,財務省も動かないんじゃないかなという感じがします。
【西尾部会長】 
 ありがとうございます。甲斐先生。
【甲斐委員】 
 何か発言せよということなので。
【西尾部会長】 
 是非お願いします。
【甲斐委員】 
 いろいろな努力をされていただいているんですけれども,最初に研究力を向上するとか,トップ10%上げるとか,それは各国が投資している研究費の額に比例しているのはもう統計上も明らかなです。日本においては,そういうときの統計に必ず政府と,突然,企業の支出額が加算されて出てきますね。政府資金からの拠出だけで考えると,明らかに最近の世界的な動向で,ほかの諸国が研究費を大幅に上げて,それで科学を用いて発展していこうという動きが見られるのに対して,日本の拠出額の伸びはすごく緩やか。でも,それは日本の経済的事情からしようがないと言われてきたんですね。だから,今それを主張していただけるなら,先生がおっしゃったように,科研費倍増というのはすごく良いアイデアだと思います。本気で上げることに取り組んでいただけるならば,ここにいらっしゃる皆様も含めて,統計も含めて,サポートするためのアイデアは幾らでも出てくると思うんですね。だから,その点は頑張っていただきたいと。
 正直言って,そんなに簡単には上がらないでしょうから,細かくいろいろな作戦を文科省側で組んでいただいていて,少しずつでも取ろうという動きはもう是非ともお願いしたいし,応援したいと考えております。
 それで,そのうちの幾つか戦略の中で,若手というのもいいんですけど,やっぱりもう一つの,昨今はやりのキャッチフレーズは国際化ですよね。国際共同研究に対するサポートとか力の入れ方はまだまだ全く弱いと思うんですね。だから,ここは一つの大きな突破口になるかなと考えております。
 今,どんどん重複制限を外していただいていますけど,若手の(B)とかは重複だめなんですよね。ちょっと読み方がよく分からなかったんですけど,若手(B)の人は重複できるんですか。これは国際共同研究の班員になることは構わないんですか。若手(B)を取っている方が,国際共同研究も数名でやる。そういう種目が何かありますよね。
【梶山学術研究助成課長】 
 国際共同の(B)ですね。(B)の中ですね。
【甲斐委員】 
 国際共同研究(B)は,代表者じゃなければ,いいんですか。そういうのはとてもいいと思うので,どんどん増やしていっていただきたいと思います。あと,額が2,000万以下と大きくないですよね。だから,本当に国際共同研究を組んで,相手側の国の自分の領域に関わる専門家もちゃんと入れて,一緒にやっていこうとすると,その額を大きくする必要が出てくるので,総額を増やすという案は一つ打ち出せるんじゃないかなと思っています。
 昔,もう少し総額が高いのがあったかなと思います。基盤(A)に相当するのを一般と国際,あの頃は展開だったかもしれませんが,(A)の相当額の研究を二つ取れた時期があったんですね。ああいう種目があると,日本側の優秀な方が海外の方と組んで国際共同研究を発展させられます。日本の基盤研究で基礎的研究を進めるのと同時に,世界との国際共同の研究を展開させられました。そういう戦略をもう一回考えていただくというのも発展系の一つで,そのニーズは絶対あると私は考えております。
【西尾部会長】 
 どうぞ。
【中野委員】 
 国際共同研究も2種類あると思います。海外に行ってするのと,日本に行ってするのと。後者,日本でするものに関して,これはインカインドとかいろんなもので,海外からのコントロール,本当はすごくあるわけですね。それで,それが余り見えていないという感じがしていて,例えば科研費の中に,インカインドでも何でもいいですけど,海外からのコントリビューションというものを必須とする,あるいはマッチングファンド的な性格を与えて,日本でも予算を出すけれども,それによってお金も人も日本に集まっているということが出せるようにしたら,少しは説得力が上がるんじゃないかと思うんですけど,いかがでしょう。
【西尾部会長】 
 どうぞ。
【甲斐委員】 
 それは学振とかでやっているんですけど,そうすると,貧しい国は研究資金を拠出しないんですよ。なので,伸びない。だから,必ずマッチングファンドを義務化してしまうと,先進諸国だけの共同研究になってしまって,アジアとかアフリカも含めた国際共同研究を展開しようと考えている先生は申請できなくなっちゃうんですよ。だから,私も,JSTとかJSPSがやるのはしようがないと思うんですけど,科研費はできるだけ自由にしてあげたいので,制限をマッチングファンドとか掛けないでいいと思うんですね。
 むしろそうやって,科研費は本当にボトムアップで,下の草の根からでてきますので,そういうのから始めて,だんだん共同研究相手国の先生も大きくなっていただいて,こちらの研究者も大きくなって,研究も発展してということを願いたいので,最初はできるだけ制限を掛けないであげてほしいとは思います。
 マッチングファンド等を始めると,インカインドじゃないですけど,科研費をサポートする機関もいろんなことを覚えざるを得ないんですよ。向こうとの契約とかいろいろな制度の違いとか。向こうの研究費制度の仕組みとか,それから先方諸国との契約とか,いろんなことがあって,そういうのに日本の研究機関は余りにも慣れていなさ過ぎると思うんですね。それが草の根で,小さな規模でもいいから科研費で始まっちゃうと,仕方なく巻き込まれていくので,私はそういう工夫をしていただいたらいいかなと思っています。
【西尾部会長】 
 どうもありがとうございました。現時点では,政策的には若手ということと,国際性ということが,やはり,キーワードになりますね。事務局には,今日出ましたさまざまな意見をベースに,是非今後財務当局との交渉をお願いします。
 ちょうど研究振興局長がいらっしゃっておりますので,一言お願いいたします。
【村田研究振興局長】 
 はい。7月9日付で研究振興局長に就任いたしました村田でございます。どうぞ御指導よろしくお願いいたします。
 今,西尾部会長からお話がございましたとおり,申し上げるまでもなく,科学研究費は,我が国の学術研究の基盤を支える極めて重要な役割を持っております。それについては先生方のお力添えもあって,その役割の大きさというのは相当認知されている。そういうこともあって,昨年はお話が出ました,予算的には相当,近来にないような伸びを確保させていただくことができたということがあります。
 ただ,これも去年そういう形だったということで,別に今年,自動的に伸びることが保証されるわけではございません。これはまさに,これも部会長のお話のとおり,これから8月の末に財務省に概算要求を出して以降,かなり厳しい折衝が予想されるというふうに思っております。財政当局も恐らく去年はあれだけ伸ばしたんだからということで言ってくると思いますし,それに対して,いかに科研費の重要性,それから,新しい方向での改革ということをきちんとエビデンスを持って訴えていくということが必要になるんだろうと思います。
 私,ちょっとドタバタして中座をして申し訳ございませんでしたけれども,先生方から頂いた御意見,きちんと受け止めて,是非今後,財務当局との折衝にしっかり臨んでいきたいと思っておりますので,これはまた継続的に是非先生方から御指導いただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【西尾部会長】 
 急にお願いしまして,どうもすみませんでした。
 それでは,今年度の科研費の新規採択状況と,今後のスケジュールについて,事務局より御説明をお願いいたします。
【岡本企画室長】 
 資料3を御覧いただければと思います。科研費の審査結果一覧ということで,5月に一度,5月現在のものをご報告させていただいております。その後,三つの種目の審査が終わりまして,内定しましたので,それも併せて御報告いたします。
 一つ目が,アンダーラインが付いているものですが,上から二つ目の新学術領域研究の研究領域についてでございます。181領域に対して,18領域,昨年度と同じ領域数を採択しております。
 下の計画研究は,この18領域の計画研究ということで,157件を採択しております。
 次に,基盤研究の(S)でございます。659件の応募に対して81件の採択でございまして,昨年度と比較すると,1件,採択件数が増えているということになります。
 次のページが,挑戦的研究でございます。(開拓)と(萌芽),いずれも応募件数は減っておりますが,(開拓)につきましては,昨年82件に対して,81件。(萌芽)につきましては,今年度は1,388件ということで,内定をしているということでございます。
 まだ今年度審査が終わっていない種目として,研究活動スタート支援,国際共同研究強化(B)がございますけれども,こちらは,それぞれ8月下旬,10月上旬に交付内定をする予定でございます。
 なお,例年,科研費の審査結果につきましては,秋に全体の状況をまとめて公表させていただいております。また秋の研究費部会におきましては,その内容につきまして御報告させていただくことになるかと思います。
 以上が資料3でございます。
 次に資料4を御覧いただければと思います。これまで研究費部会を4回ほど開催させていただきまして,主には新学術領域研究の見直し,令和2年度の概算要求,制度改善について御議論いただきましたが,今後,秋以降のスケジュールについてご説明させていただきます。
 前期の研究費部会において,幾つかの検討課題をおまとめいただいておりまして,その中で,一番大きな事柄として,科研費を中心とした学術研究を支える研究費制度の総合的観点からの検討ということがございます。秋以降は,主にこの内容につきまして審議をお進めいただきたいと考えてございます。
 資料には,前期研究費部会の関連部分の抜粋をしております。科研費を中心とした学術研究を支える研究費制度の総合的観点からの検討ということで,学術研究の更なる振興を図るためには,大学改革推進の方向性やその他の競争的資金の状況等を踏まえながら,科研費の見直しを図っていくことが重要ということ。
 二つ目が,基盤的経費が適切に措置されること,また,若手研究者について安定的かつ自律的なポストが確保され,自由に研究ができる環境を整備されること。これらのことによって,科研費の効果がより一層高められることを強く認識する必要があるということ。
 三つ目といたしまして,科研費が研究費全体の中で果たすべき役割やそれを踏まえた制度の改善点について,その他の審議会・部会等と連携しながら,総合的観点から検討していく必要があるということで,前期におまとめていただいておりますので,これらについて検討していく必要があるだろうということで,下にかなり粗粗なんですけど,スケジュールを作ってみました。
 7月31日の第4回,これは今日でございますけれども,部会の進め方や取り上げる事業,論点等についての意見交換をお願いしたいと思っております。先ほどのまとめに関連する事業を三つほど挙げております。国立大学運営費交付金,戦略的創造研究推進事業,若手研究者育成関連事業,このような事業を取り上げてはどうかということでございます。
 論点の例については後ほど御説明いたします。
 次回,10月を予定しておりますけれども,本日頂きました意見なども踏まえまして,部会の進め方,論点について御決定を頂き,その後,取り上げる事業の担当課からの説明,また,関連の審議会・部会との意見交換などを行ってはどうかということ。
 次のページでございますが,それらも含めまして,部会の提言(まとめ)を来年の7月ぐらいまでに行い,ここでまとめた内容につきましては,上位の学術分科会,また,審議会などに御報告をしていく。その後は,今期の部会の審議のまとめを行っていくということを考えております。
 また,一番下にございますけれども,新たな審査方式の検証,また,予算要求に関することなどについては,作業部会の検討を経て,随時,部会で審議を行うことを予定しております。
 次の3ページ目に,各事業等についての論点例ということで簡単にまとめております。国立大学運営費交付金につきましては,その現状について共有した後,運営費交付金のデュアルサポートシステムにおける役割ですとか,運営費交付金の立場から科研費に期待すること。また,科研費の立場から運営費交付金に期待することなどが考えられるのではないか。若手研究者の育成関連事業につきましては,やはり現状を共有した上で,この若手研究者育成関連事業を効果的に実施するために,科研費に期待すること。また,科研費の効果をより一層高めるために,若手研究者育成関連事業に期待すること。戦略的創造研究推進事業については,やはり現状を認識した上で,科研費と戦略事業の接続について。科研費の後に戦略事業を行うケースが多いかと思いますが,逆に戦略事業が終わった後,また科研費で研究を進める。こういうケースもあると思いますので,そういう接続について。また,戦略事業を効果的に実施するための科研費に期待すること。科研費の効果をより一層高めるために戦略事業に期待すること。こういうことが論点として考えられるのではないかということでまとめてみました。
 資料4については以上でございます。
資料はございませんが,追加で1点,御説明をさせていただきます。本日は4回目ですけれども,これまでの研究費部会におきまして様々な御意見,また今後検討していくべきことなどについても御指示いただいておりますので,秋以降につきましては,そういう内容も含めて検討していきたいと思っております。特別推進研究について。また,ヒアリング審査については,戦略事業も含めての精査が必要ではないかなど,御指摘ございますので,こういうことも含めて,秋以降,検討していくことを予定しております。
 なお,前回の研究費部会において,特別推進研究の業績欄に十分な業績を記入できるように変更するべきであるという御指摘を頂いております。これについては,現在,振興会におきまして,様式の見直しを検討しております。招待講演,また,受賞歴と同様に,しっかりと業績を書けるように,様式の見直しなど,今,検討しておりますので,9月の公募においては対応したいと思っております。
 資料の説明は以上です。
【西尾部会長】 
 どうもありがとうございました。新規の採択状況及び今後のスケジュール等について御説明を頂いたわけですが,この部会が科研費部会ではなくて,研究費部会であるということで,研究費全体についての議論を行うとしたらこの部会しかありません。特に前期から今期への申し送りのところでも,そのことに関する貴重な御指摘をいただいたところです。そのことについて,今,室長から御説明いただいたようなスケジュールをもって,今後進めてまいりたいと思っています。
 小安先生,今日は本当にどうもありがとうございました。作業部会の議論をもって,この部会の議論が成り立っています。本当にありがたく思っております。
【小安委員】 
 お騒がせいたしました。
【西尾部会長】 
 本当にありがとうございました。感謝申し上げます。
 事務局からの御説明について,何か御意見とか追加的なコメントとかございますでしょうか。どうぞ。
【城山委員】 
 数回の機会を設けていただくということですが,どういうふうに全体をオーガナイズするかということが論点としてあるかなと思いました。科研費だけではなくて,運営費交付金だったり,戦略創造研究推進事業との間,要するに,研究費の仕組みごとの間を見るというタイプの議論の進め方と,おそらくここで例が挙がっているので言うと,若手研究はそうだと思いますが,若手研究支援というのはいろんなところで行われますと。つまり,運営費交付金の中でもあるし,科研費の中でもあるかもしれないし,戦略創造でもあるかもしれないしとあります。そうすると,若手研究という例えば一つの論点を切って,それで,横串に複数の研究費を議論するというタイプの議論の立て方があると思います。どういう形で組み立てたらいいか,そのあたりを少し戦略的にお考えいただけるといいかなという感じがいたしました。
【西尾部会長】 
 今のコメントは重要だと思いますので,議論を展開するにしても,御意見をお聞きして終わるというのではなくて,議論をどのように横断的に行い,本部会としての提言というような形で明確に示していくことが大事かと思います。その点,今後,事務局の方で考えていただきたいと思います。また,本部会の委員の中には,戦略研究など,他の研究費制度について造詣の深い方が多々おられますので,そのような方々に前もってどういう進め方がいいのか,ということについて是非聞いていただければと思います。どうもありがとうございました。
 ほかに御意見ありますか。どうぞ。
【中村委員】 
 科研費や戦略的創造研究推進事業の担当をやってきた中で見てくると,仕組み自体はかなりよくできていると思うんですよね。でも,現場に問題がある。以前に指摘したように,ヒアリングの数がひどく多いとか,戦略的創造事業の事務処理量が膨大,それから,最近は,コンプライアンスの問題がなどから,購入品の事後チェックをしろとかいろんなことがある。実際に問題なのは,大所高所じゃなくて,もっと研究者に近いところの問題に多くて,そのために研究者が忙殺されて,税金の効果が十分に生かされていない。これは文部科学省も大分お調べだと思いますから,私はどちらかというと,その大所高所じゃないところをいかに改善するかという議論を是非したらいいのではないかと思います。
【西尾部会長】 
 今の御意見は大変重要で,さまざまな研究費によって,いかに日本の研究力を上げていくかというときに,今おっしゃったようなところがむしろ,大きな問題になってしまっている。そのところをどのように改善していくかということをきっちりと議論していくことは非常に意味があると考えます。非常に貴重な御意見ありがとうございました。
 ほかにございますか。どうぞ。
【城山委員】 
 今の点での絡みで言うと,要するに,横串で議論するというときは別に大所高所だけではなくて,なるべく具体的な論点の方がいいと思うんですね。まさに今の手続というのを比べてみると,科研費と戦略創造研究とか,やっぱりかなり違うと思うのです。そうすると,限られているリソースをどう使うかという意味で言うと,そこはなるべく手間が掛からない,しかしながら,きちっとアカウンタビリティーがとれるような形にするという形はどういう形であり得るかとか,そういう問題提起もできると思います。若手研究の話は確かに今までいろいろ出てきたので,是非やっていただきたいと思いますが,そういう意味で,ほかにどういう具体的に何か展開できそうな,横串になる候補を考えていただくということが大事なのかなというふうに思いました。
【西尾部会長】 
 どうもありがとうございました。
 ほかにございますか。
 それでは,今出ました御意見はどれも大事な観点かと思いますので,事務局には,次回の部会以降,どのような枠組みで審議をするのか,十分に検討いただければと思います。
 本日の議事は以上でございますけれども,事務局から特段御意見等ございませんでしょうか。よろしいですか。村田局長もよろしいですか。
 次回は10月23日が予定されております。正式な案内は後日改めて行わせていただきます。次回から,先ほどいただいたような内容での議論を開始していきたいと思います。
 なお,概算要求につきましては,毎回そのときの状況等を報告いただければと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。それと,来年度の科研費の予算獲得につきましては,委員の方々におきましても,いろんな観点から御支援を頂ければと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 では,事務局の方にバトンを渡します。
【中塚企画室長補佐】 
 それでは,本日の配付資料につきましては,後ほどメールでお送りいたしますので,タブレット端末は切らずに,そのままでお願いいたします。ありがとうございました。
【西尾部会長】 
 それでは,これにて終了いたします。本日は本当に議論,貴重な御意見を多々いただきまして,誠にありがとうございました。

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