資料1-7 研究力の測定の在り方に関する当面の所見(骨子案)

平成28年7月5日


研究力の測定の在り方に関する当面の所見(骨子案)


研究力の向上のためには、定量的・定性的な指標によって状況を客観的に測定し、それに基づく研究開発投資のPDCAサイクルを回すことが不可欠。

1.世界大学ランキングをめぐって
○基本認識
・研究をめぐるグローバルな競争の激化。
・世界全体、アジアにおける日本の大学の存在感について、問題を直視し、冷静・客観的な対応をとることが必要。

○総合ランキングの限界(ウエイト付けの恣意性など)
・年々の順位変動に一喜一憂すべきでない。政策的な大学評価における総合順位の扱いには極めて慎重であるべき。
・ただし、その基となっている個々の指標に着目して評価分析に活用することは有益(国レベル、個別大学レベル双方)。

○研究力に関する指標
・全体順位(日本の大学への評価低下のトレンド)を規定するものは研究・論文に係るスコア。
・大学への投資が相対的に不十分であることが大きな要因。
・研究時間の減少も看過できない問題。

2.第5期科学技術基本計画の実行に当たって
○研究力に関する指標をめぐる検討の在り方
・「基盤的な力」を示すTOP10%論文比率10%の目標達成の意義と留意点(諸指標によるバランスのとれた評価が必要)。
・商業的ランキングの限界・弊害を踏まえ、望ましい指標の在り方を追求すべき。
・専門的な調査研究の成果を生かし、審議会で検討を深めていくことが必要ではないか。

○政府研究開発投資に関する目標達成の重要性、科研費の役割
・26兆円の投資目標を画餅にしてはいけない。
・投資全体の充実に見合う学術研究・基礎研究への投資が必要(公的部門の役割)。
・基盤的経費を人件費以外に充当困難な状況を踏まえ、基盤的経費の更なる減額回避と併せて科研費等の拡充が必要。
・多様なボトムアップ研究における科研費への依存度が高まる流れは不可逆。
・科研費は各種指標のパフォーマンスを維持・向上することに重要な役割を担っている。
・科研費に関しては、質の向上を目指した改革(挑戦的な研究への支援強化、基金化等)と同時に量的充実(配分額の充実と採択率30%達成の両立)が重要。
→ 個人研究費の実態把握、科研費への応募増の傾向を踏まえた需要額の推計が必要。


<参考資料>
1 日本と諸外国の研究開発投資の時系列比較
2 日本と諸外国の論文数・TOP10%論文比率の時系列比較
3 アジア大学ランキングにおける日本の上位9大学における研究費関係動向(過去10年の研究経費、運営費交付金、科研費獲得額)
4 上位9大学における項目別スコアの動向(教育、研究、論文引用、国際、産学連携の個別スコア)
5 日本の研究者の研究時間の減少、望ましい時間配分との乖離
6 特別研究促進費に基づく調査研究の概要
7 ランキング指標と科研費との関係

お問合せ先

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工藤、藤田、栗本
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