資料6 第8回 学術の基本問題に関する特別委員会概要(ポイント)

【地方大学からの意見】

○金沢大学の現状について。まず運営費交付金が毎年減少しているため、教員に対して配分する基盤研究費は、共通運営費・エネルギー費を差し引くとコピー代と電話代くらいしか残っていない。そのほか、人件費の抑制、特任教授等の有期雇用による不安定な研究者・ポスドクの累積、電子ジャーナル経費の高騰、エネルギー費、電力料金負担の急騰など、地方の国立大学は財政的にかなり厳しい状況。

○金沢大学では研究力強化に向け、次の4点を課題としている。1点目は世界的な競争力を持つ研究者の比率をどう上げていくのか。2点目は、基礎的な研究分野と多様性を維持しつつ、研究分野・課題の絞り込みと集中的な資源投下、研究力強化をどのように構成員の納得を得ながら進めるか。3点目は、学際的視野と国際性を有する若手研究者をどう選定・育成するか。4点目は、競争的資金獲得実績の向上をどう達成するか。
 学内的な強化策としては、1点目として、全研究者を85の研究グループに分け、全学的な視点でその研究課題と教育のミッションに沿った教員配置を開始している。これにより、研究者が個人レベルで興味のある課題と平行して、所属研究グループの課題にも積極的に関わる仕組みを確立しようとするもの。2点目として、学内COEである超然プロジェクトや若手育成のさきがけプロジェクト等を開始した。3点目としては、リサーチプロフェッサー制度を導入し、給与についてインセンティブを付与した形で始めようとしている。4点目は、競争的資金獲得実績の向上をどう達成するかであり、対策としてテニュア・トラック制度の定着や独立した研究環境の提供をさらに推進していく。5点目として、URAにより大型研究資金や機関申請の競争的資金の獲得支援を行ってきており、これの定着やさらなる推進を行っていく。最後に、優秀な大学院生を確保するための奨学金制度や学内リーディングプログラムの導入を検討している。

○中間報告への感想・意見について。大学が研究力強化に取り組める仕組みについては、国立大学の場合、運営費交付金の中の基盤的経費・特別経費、科研費、戦略的創造研究事業等を始めとする競争的外部資金が研究活動の下支えをしている。特に科研費の「基盤研究」、「若手研究」については、全ての学問分野を公平に下支えする重要な我が国特有の仕組みであり、大学における研究分野の多様性を担保するという上でも、継続的に制度が維持されることが重要。また、もう少し長期のビジョンに基づく新しい種目の新設や挑戦的萌芽研究等を分野融合・横断的な視点から募集・審査する体制の構築も検討して良いのではないか。

○民間資金の大学への導入について金沢大学では共同研究の額は年平均100万円前後だが、共同研究経費の単価を引き上げるような取組が必要。ドイツやイギリスの躍進ぶりの原動力は、大学や公的研究機関への民間資金や公的資金の飛躍的増額があるのではないか。特定の研究技術開発分野等で、一企業対一大学という関係を築くことができれば、共同研究経費を二桁くらい上げることも可能性が出てくるのではないか。また、その際、企業が出資する研究ファンドに対して、国や文部科学省がマッチングする仕組みがあっても良いのではないか。

○大学の研究力、研究シーズを産業競争力にどう反映するかについて、府省連携、学術団体や学協会との連携といった視点からの研究開発資金や科学技術イノベーション創出資金の配分が重要。そのためには、国レベルの研究、技術開発、あるいは、産業育成ビジョン等の戦略も必要。例えば基礎研究、応用研究、開発研究などの段階による達成目標を掲げ、総合的、全体的な目標を達成する計画立案やマネジメント、評価というものが必要。政策誘導による産業競争力強化に資する研究課題、技術課題はむしろ研究開発法人等が担うべきではないか。

○地域再生に向けた地域大学の取組の支援については、大学や民間企業が創造する革新技術の導入や、持続可能な再生エネルギーの地産地消、農林水産資源や遺跡、文化財、観光資源などの地域資源を複合的、有機的に活用して、都市にはない魅力や地域再生の全国モデル、世界に先駆けたモデルを、文理融合型の研究によって実現していく必要がある。それを地域の大学がやれば、大学の強みに育て上げることができるのではないか。

○大学院に優秀な学生が進学しない、残らないといった現状は日本の危機、あるいは学術界の危機であり、そこから脱出するには、大学研究者やものづくり企業の技術開発などにも最も優秀な人材を集め、競争力の源泉とする必要があり、そのためには待遇改善も必要。優秀な人材の確保と育成に繋がる安定した雇用を創出できる研究振興策が必要。3年、5年で雇い止めになるような研究者の研究力、研究成果に頼っている現状を是非改めなければならない。かつて、日本学生支援機構の奨学金には研究職・教育職就職者に対する返還免除という制度があり、そういったものが返還猶予の形で取り入れられることを願っている。学内でも、返還不要な独自の奨学金を出すことを検討しており、またリサーチプロフェッサー制度で顕著な成果を上げた研究者には給与の上積みをする仕掛けも検討している。

○研究指標について、大学ランキングに頼りすぎているのではないか。知財も重要だが、文系はどうなるのか。また、日本の工学技術系や理工学分野の研究者、研究成果が日本企業の技術開発力を下支えしてきたという実績は紛れもない。さらに、機械学会を例にあげると、今は誰も日本語で論文を書かなくなりつつあるが、企業の現場からいうと技術者全員が英語力十分とは限らないので、最新の技術情報が入ってこないことに企業はいらだちを抱いていることもある。トムソンロイター、エルゼビアが全てではなく、多元的で多様な評価の指標があって良いのではないか。

○学内強化のため全教員を85のグループに分けたが、これは人事戦略として、自分たちで将来性のある研究課題、皆で取り組める研究課題を設定するようお願いをし、部局との何回かのやりとりの中で上がってきたもの。部局により温度差があり、また、課題自身はまだオーソライズしておらず、これから、部局と一つ一つ相談しながら吟味していきたい。ただ、旧帝大と違ってリソースに限界があり、全部の研究分野に広げることは無理なので、少し絞って取り組んでいる。
またリサーチプロフェッサー制度は、招聘型、内部登用型、若手型の3つを用意しており、内部登用型は学内の先生に手を上げて頂いて、外部評価委員も入れた審査体制で選ぶ形をとる。若手型は内外からの応募も可としている。外から招聘するのは、著名な業績を上げた、または上げつつある方を登用する制度であり、年俸は最大で2000万円相当、また、年間のうち半年や3ヶ月という形で、5年の約束で雇用するというもの。内部登用型、若手型はそれぞれ20名程度、30~40名程度の規模で、対象年齢はそれぞれ40歳以上60歳未満、40歳以下とし、5年を任期として、5年の間に中間評価と最終評価を行うスキームを今作っている。評価の視点は登用時に明示しようとしており、またこれらの期間は延長ありという形を考えている。なお、内部登用型、若手型は各部局の定員を使うため、個人が手を上げるのではなく、部局から手を上げていただくこととしている。

○ジャーナル問題については深刻な問題であるので、特別委員会や学術分科会全体においても、どのような対応をとるべきか等について、課題として別の機会にでも議論できると良い。

○ジャーナル問題は本当に深刻な問題であり、各大学で色々工夫しているが、みんなきゅうきゅうとして、円安になって買えるジャーナルがどんどん減っている。学者にとってはこのことは生命線であり、それがなかったら学問にならず、これは各大学の努力で何とかするような段階ではないと思うので、抜本的な対策を、この特別委員会などで真剣に考えるべき。

○リサーチプロフェッサー制度とテニュア・トラックとの関係では、若手型で新規募集の分については、テニュア・トラック制度を入れて、大学が少しインセンティブを付けようとしている。学内登用型については確定していないが、できれば入れたいと考えている。

○リサーチプロフェッサーというと研究しかないように聞こえてしまうが、大学なので当然大学院の学生の研究指導をやらせる。そうした意味でリサーチオンリーというわけでは決してなく、学士課程についても本人が希望すれば1,2科目ぐらいは持たせていきたい。大学はまず人材育成であり、研究先にありきではないと捉えている。

○大学院生の確保について、基本的には大学院生の出口が分からないことや自分の将来が見通せないことが大きいのではないか。原因としては、産業界と大学とのミスマッチが深刻だからではないか。

○大学院生の確保について、金沢大学でも他の大学と同じように、イノベーション創出若手研究人材養成プログラムもやっており、ポスドクを企業に就職させるなど成果は上がりつつあるが、ロールモデルを作るまではいかず、やはり学生達はすぐ上の先輩達をみているので、みんなが大学院に行こう、という雰囲気にはならない。基盤的経費が削られ、競争的資金に持っていくのはよいが、研究者を3年、5年しか雇えず、そういう人ばかり増えていく。

○部局である程度グルーピングしたものをもとに全体として整理をするということも大事だが、一方で、学際的・融合的な学問領域の創成を考えると、部局を超えてグルーピングをするというのも大変重要ではないか。

○日本への企業からの投資が少ない原因は、研究費をもらっても研究成果についてあまり約束しておらず、ぼやっとした結果を出しているところ。契約がきちんとしていれば、例えば1億出しましょうという話になるのでは。日本の大学はもっと襟を正すべき。

○上海交通大学では、日本企業と契約するときはきちんと書くが、スタンスとしては大学が基礎のところで、自分たちのキュリオシティーを述べながら契約事項に入れていく。学術的に何が出たかという問いも含めた出口管理は厳しくなされており、日本企業が悪いわけではない。100万円ぐらいの話だと企業幹部までは上がらないので、本当に若い現場の熱心にやってくれる方との間で終わる場合が多い。レポートは当然書くが、本当の企業のトップクラスの幹部からの好奇心を持った質疑応答の場というのは少ない。共同研究の位置付けには、同じ企業でも大きく差がある。また、アメリカの大学も同様だが、共同研究費用からオーバーヘッドがあり、そのオーバーヘッドを含めて、共同研究をやる先生方は学生への支援をする費用を持っており、スカラーシップが出せる。大学院生が全部自分で出さなくても、ある意味ケアができる体制になっている。

【若手研究者からの意見】

○若手について、学術会議若手アカデミー委員会の定義としては、学位取得後10年で、45歳以下ということだが、その中身としては非常に多岐にわたるため、どの辺りの若手を支援するのかということをいろいろ確認しながら進める必要があると考えている。また、個人の支援の拡充としては、デュアルサポートのことを言っており、いろいろな形で、いろいろなディシプリンの研究者をうまくサポートするシステムというのが必要なのではないか。その理由として、ヒアリング等を通じて、安心してリスクの高い研究に打ち込むことができる環境が欲しい、ギャンブル的な要素を排除して欲しい、また、申請に時間と労力がかかり、時間が欲しいという話をよく聞く。是非、これらの問題にタックルしていただきたい。研究者の時間がどのように消費されていて、どういうふうに使われているのかということについて議論していただきたい。

○若手の能力を発揮する一つとして、若手研究者間のネットワークを作るということを考えていただきたい。日本学術会議は学協会との連携というのが余り密ではないということで、若手アカデミーの方では、実効的に各学協会の若手の会員、代表の皆様に手を挙げていただき、8月1日現在、86団体の学協会の若手の会代表の方に登録していただいている。こういったことを通して、例えばアメリカのAAASみたいな形の活動ができたり、様々な若手の状況を把握するなど、例えば倫理の問題も相互に刺激し合ったり教育し合えるような状況を作っていくことが大事なのではないか。

○人材の活用のためのより長期的な話として、人材プールの問題があり、研究者養成とあわせて研究者の周りの研究者をサポートするようなメンバーを育成できる、若しくは研究者を育てる中からパラレルに移ることのできるいい人材プールを作るトラック制度が挙げられると思う。こうしたトラック制度などをうまく作り込んで、相互に乗り入れできるようなシステム作りをお願いしたい。

○教育の問題については、若手アカデミーとしても非常に大事であると考えている。イノベーションや中間報告にある挑戦性、総合性などは基本的に研究者のキュリオシティーに基づくものと考えている。例えば、横でつながるネットワークを作ることも、大人になってやってくださいといっても難しいところがあるので、高等教育を視点に入れた初等・中等教育を進めていくことも大事なのではないか。科学や技術を文化のレベルまで落とし込むようなマインドセットの変化というのが必要なのではないか。

○時間、ヴァナキュラーな価値をうまく作り込むということに加えて、モチベーションとマネジメントとメンターシップという3つのMが大事なのではないか。モチベーションというのは、キュリオシティーをもっていろいろなことにタックルできることであり、またその周辺領域に興味がわかないと、そもそも連携、融合などということはまずあり得ない。そういったことが初等教育の段階で関与できるようなモチベーションを作ることが必要。リーダーシップを取る人がいたら、その周りにはフォロワーシップというのがないと、チームとしてのアウトプットはなかなか出てこない。そのリーダーシップに対してもなにがしかの興味を持ってモチベートされてフォローできるような人材や文化を作り込むことができたらと考えている。
  その中で、お金や人材は限られているので、研究者一人一人がそれぞれマネージする力というのも大事。研究者それぞれが上も下もなく、メンターシップをとって、縦横でネットワークを作り込むというような構図というのができれば、イノベーティブなことがどんどん出てくるのではないか。科学を文化に落とし込み、戦略的に科学を通じた外交も進めていくことで、ただ研究者を留学させるだけではなく、うまく返ってくるような形作りを考える必要があるのではないか。

○ポスドクとしてパスツール研究所にいて、サイエンスというものが哲学の上にあるということを体で感じた。ヨーロッパの特徴かもしれないが、何か実験をして、結果が出て、論文を書くというのではなく、何かそこにフィロソフィーがあるということをとても大事にしており、国際経験としてこれを得たことはとても大事であった。また、心の余裕を持つこと、いい人脈、自信につながるかもしれない経験を得たことなどは貴重な体験であり、多くの若い研究者にも体験してもらいたい。

○ポスドクから定職に就くところが厳しくなっていて、正規職に1年間で移行できるのが一番いいところで7%という状況。これを若手は一番分かっており、海外に行っている場合ではない、そもそも大学院に行って何になるのか、ということで大学院へ行かない人が増えてきている。若手が夢を持てなくなっている、閉塞感を感じている、焦っている、そういう状況を生み出していると思う。
これのサポートについては、例えば学術振興会の特別研究員制度はよくできており、プログラム終了後の就職、常勤職に就く率が60%前後と、とても功を奏している。ほかにもテニュア・トラック事業や先端科学シンポジウムなども非常にいい。ただし、これらは一部の優秀な研究者に限定されているので、もう少しサポートを広げていただけるとよい。
問題は次から次へと優秀な人が入ってこないことであり、この人たちにどうやって夢をシェアできるか、何が一番問題かを考えなければならない。幅広い人材の確保やキャリアパスの充実が必要。

○周囲の若手にポスドクあるいは留学経験についてアンケートを取ったところ、短期間にもかかわらず非常に反応があった。良かった面には、研究に集中できる時間が得られたこと、視野・交友関係が広がったことがあげられた。悪かった面には、次のポジションへの不安、日本とのコネクションがなくなることでの職探しができない不安である。

○国際的なリーダーを育てるためには、国際経験を増やせばよいとの回答が多いが、それだけでは不十分との意見が半数以上あった。多様性を感じることや世界の動きを肌で感じること、将来にわたる友人をつくることなどが重要ではないか。そうすると、ある程度成熟した研究者が外に出る機会を作ってあげた方がよい。そのための方策として、日本の常勤職の公募システムをオープンにすることを提案したい。国を出てしまうと、日本の職にアプライできなくなる不安をみんな持っている。インターネットが盛んな時代に、国境を渡っただけでコネクションがなくなって就職できないというのは全くおかしな話。この辺りをオープンにする努力を重ねていくことで、出やすくなるのではないか。
  もう一つは、国内のポジションを残したまま留学ができるようになるといい。自分の分野はなくてもいいので、ただ帰れる場所を作ってほしいという意見があった。このときに、余った人件費で所属研究室に研究支援者等を雇うということで、補塡できないかと考えている。こういうことを重ね、発想力を持つ若手の研究者が出てくる、あるいは夢を持てる若手の研究者が増えるようになれば良い。

○若手には安定的なキャリアパス、雇用を作っていくことが大事。ポスドクの中には研究支援者になりたいと思う人もいる。ポスドク、あるいは大学院を出て、パーマネントの研究支援者になれるキャリアパスも考えていただけるとよい。

○資金には限りがあるので、間接経費の使途の明確化や研究支援者の配備、共通機器の整備をするとよい。
自立した若手をインキュベートする場所として地方を活用していただきたい。地方は比較的場所とポジションが余っている。地方は仕事と住宅を近くにするのが簡単で、時間の限られている女性研究者などのインキュベーションの場としてもっと活用したらいい。共通機器類を優先的に配備・更新し、研究者ほど人件費の掛からない研究支援者を少し優先するなど、文科省等の支援があれば、広いところで若手を育てられるのではないか。またステップアップの時に都市部に戻りたければ戻ればいいので、そのような循環ができたらいい。

○理系と文系の融合について、そもそも初等中等教育から理系・文系の融合も大事であり、理系であれ、文系であれ、もともとはキュリオシティーによるものと思う。理系の中の文系教育については、文系的な考えの上に、それを実現するためのテクニカルな問題としての理系のやり方みたいなものもあると思う。つまり、フィロソフィーなど考えがあって、それを実現するためにテクニックがあるというような人材を育成する必要があるのではないか。

○若手については、分野によって大分違うのではないか。科学の普及みたいな話とか、科学行政に関する発信みたいなことだけでは、余り若手の活動として魅力を感じられないのでは。やはり学問という意味で分野間の連携が進むような、若手の連携が進む試みなど、若手としての視点、連携をやるのが大事ではないか。

○若手の大学院生が集まらない最大の要因はキャリアパスが見えないということだが、本当にそうなのか。大学院に入る時点で自分自身の将来のポジションを考えているのか。ポジションを考える以上に、自分自身の学問に対する情熱や、学問そのものの楽しさ、それに対する熱中というものがあって、大学院に進学するのではないか。根本的なところで、教授が学問の本当の楽しさをどこまで教えきるか、なおかつそれを受け止めるだけの能力をもった学生を発見し、エンカレッジするかということが大事ではないか。

○地方大学の活用はすばらしい発想であり、どのようにうまくシステム化するかが課題。地方の大学でじっくりと10年でも15年でも集中的に学ぶことが非常に大きな将来の成果に結び付くということもある。

○若手の会について、プラスとマイナスの面があるが、マイナスの面としては、若手の中だけでしか発言できない若手が増えていることがあると思う。

○例えば、若手に、ラボの中では胸を貸して掛かってこいと言い続けることは一つの方法。若い人で言ってもだめだとあきらめてしまう若い人がいるが、成功体験を作ってあげるしかない。成功体験は一つの教育のやり方。

○若手に主役感がない。信頼し、失敗するかもしれないが受け止める意味でのメンターシップと、責任を付与することを行う必要があるのではないか。

○昔は講座制により、助教授や助手が失敗しても教授が守ってくれていた。そういう中で責任の取り方を学んでいたが、今の5年プロジェクトでそういうことを若手が学ぶことができるのか。論文を出してだめなら捨てられる、その不安が大きいのではないか。

○競争をいつもマイナスに考えるのは間違い。競争というのはチャンスを作る、自由になれるということであり、そのことを除いて、厳しい環境にあるということだけで言うならば、先の世代の人たちはもっと厳しいところで当然道を開いてきた。競争があってこそ破れたローカルルールや、理不尽な抑圧などは、現在では非常に少ない。それを踏まえないと議論は生産的に進まない。

○女性研究者支援について、数値目標だけ決めてPIにしようというのは少し違うと思う。女性でPIになれる人を作っていきたいのであれば、家庭教育や親の考え方というところから変えていかないといけない。PIではなく、普通にテクニシャンになりたい人もたくさんいる。

(以上)

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-- 登録:平成26年10月 --