参考資料3 学術分科会報告等における「学術」の意義に関する記述について

科学技術・学術審議会 学術分科会
学術の基本問題に関する特別委員会
(第7期第1回)
平成26年3月10日

学術分科会報告等における「学術」の意義に関する記述について


■「科学技術創造立国を目指す我が国の学術研究の総合的推進について-「知的存在感のある国」を目指して-」(答申)平成11年6月 学術審議会

○ 学術研究は、人文・社会科学から自然科学にまで及ぶ知的創造活動であり、研究者の自由な発想と研究意欲を源泉として真理の探究を目指すものである。その成果は、人類共通の知的資産を形成するとともに、産業、経済、教育、社会などの諸活動及び制度の基盤となるものであり、また、人間の精神生活の重要な構成要素を形成し、広い意味での文化の発展や文明の構築に大きく貢献するものである。

○ このように学術研究は、社会・国家の存続・発展の基盤となるものであり、その振興は国の重要な責務である。また、未知なるものの探究、すなわち知のフロンティアの開拓は、一国の枠を越えて人類全体への貢献が期待されるものでもあり、国際社会でしかるべき役割を果たす観点からも、国が中心になってその振興に努めるべきものである。

○ 学術研究は、基礎研究から産業・経済の発展につながる実用志向の研究まで幅広く包含しており、科学技術の中核をも成している。また、学術研究は、新しい法則や原理の発見、分析や総合の方法論の確立、新しい技術や知識の体系化、先端的な学問領域の開拓などを目指して行われ、その成果は、科学技術の発展の基盤となっている。


■「これからの学術研究の推進に向けて」平成16年6月30日科学技術・学術審議会学術分科会基本問題特別委員会

○ 学術研究は、大学等を中核的担い手として行われる研究者の自由な発想と知的好奇心・探究心に根ざした知的創造活動であり、人文・社会科学から自然科学に至るあらゆる学問分野において蓄積されてきた人類の知的資産を正しく継承しつつ、それを新たな知的創造活動によって発展させる継続的な知的営為である。また、大学等においては、研究と教育とを総合的に推進することにより、将来の学術・科学技術を担う研究者の養成を始め、社会各層で活躍する人材の養成が行われており、学術研究はこの点において基本的な役割を果たしている。

○ 学術研究は、それ自体優れた文化的価値を形成しており、国の文化を発展させ、ひいてはその国際的地位を高めるなど、国家社会発展の重要な基盤を形成しているものである。

○ 学術研究は、その特性から基礎的な段階の研究が中心となるが、基礎研究にとどまらず社会・経済の発展につながる実用志向の応用研究まで幅広く包含しており、社会制度や科学技術の基盤を支えているものでもある。


■「研究の多様性を支える学術政策 -大学等における学術研究推進戦略の構築と国による支援の在り方について-」(報告)平成17年10月13日 学術分科会

○ 学術研究とは、人間、自然・宇宙、社会の成り立ちや本質、その活動、変化等およそ森羅万象に関する知の創造に向けて、知の限界に挑む営みそのものである。それは、人が誰しも持つ「あれは何か」「どうなっているのか」「なぜか」といった知的好奇心・探究心を出発点としていることから、学術研究は、それ自体人々の知的好奇心・探究心を満たすものであり、優れた知的・文化的価値を有するものである。

○ 学術研究とは、我が国が「文化芸術立国」を目指す中、文化芸術の発展・振興にも寄与する、人類の幸福に資する知の体系であり、国の知的・文化的基盤であるとともに、人類共通の知的資産を築くものである。

○ 学術研究は、人文・社会科学分野、自然科学分野からその複合・融合分野まで幅広く行われており、その目標とするところも未知の知を目指すものから直接社会に貢献するものまで様々である。また、学術研究は、無限の可能性を持つ芽が育つ萌芽(ほうが)期の段階に始まり、成長期、発展期、その次の段階へと成長していくものである。規模においても、個人研究の場合もあれば、研究者グループ・組織で取り組まれる場合もあり、ある先駆者が進めた研究を、次世代の研究者が新しい観点から引き継ぐことで発展する場合もある。方法論的にも、従来の学問分野(discipline)を一つ一つ突き詰めていくものから、およそ伝統的な手法を離れたひらめき型のものまで幅広く存在する。

○ 学術研究においては、どの研究がいつ知の限界を突破するのか、あるいは社会的有用性を持つのか、にわかに判断できないことがむしろ一般的であり、その意味で、様々な発展段階にある幅広い分野の多様な研究を総合的に推進し、多様性に富んだ豊かな知的ストックが形成されることが重要である。この知的ストックは決して静的なものではなく、研究の進展に伴い、研究者自らが不断に見直していくべきダイナミックな蓄積であり、この多様な知的ストックこそが次世代の新たな発展のための源泉である。
  その当時評価されていなかった研究が、後世非常に高く評価される例は歴史上多数存在する。その意味で、多様性のある知的ストックは、それ自体知的・文化的価値を持つものであるのみならず、長期的には経済的・社会的価値をも創出するものである。


■「基礎研究・研究者の自由な発想に基づく研究について」(提言)平成21年1月8日 科学技術・学術審議会学術分科会研究費部会

○ すべての研究活動の基本は,研究者の自由な発想や好奇心に基づく研究にあり,その対象は,基礎研究にとどまらず,応用研究にも及ぶものである。新しい知を生み続ける重厚な知的蓄積(多様性の苗床)があってこそ,学術のブレークスルーやイノベーションが生み出される。
  科学における新しい事実の発見やその解析,解釈などは,人文・社会科学であろうと自然科学であろうと,それまでの蓄積にない独創的な観点から生まれるものである。

○ ますます多様性を増し,多様な価値観が生まれ,急速に変化し続ける現代社会において,従来の慣習や常識にとらわれない研究者の自由な発想に基づく研究の意義は非常に大きい。研究者の自由な発想に基づく研究における柔軟な思考と斬新な発想は,今後の社会の発展に貢献する成果や,閉塞状況にある社会を打破する新たな価値観を生み出すことに繋(つな)がると期待される。

○ また,今日,グローバル化の進展の中で,世界との競争に打ち勝ち,我が国の経済成長を実現していくためには,経済社会に大きな波及効果をもたらすと期待される革新的な技術のシーズを特定し,強力に推進していくことが必要である。

○ しかしながら,研究の初期の段階から将来の革新的技術の確立を保証することは極めて困難であり,革新的技術は,多様な研究の中での試行錯誤や切磋琢磨(せっさたくま)からこそ生まれるものである。
    研究者の自由な発想に基づく研究,特に基礎研究の地道な積み重ねがあってこそ,環境問題やエネルギー問題等の様々な問題を抱えつつグローバル化していく世界に貢献できる,我が国発の新しい技術の研究推進が可能となる。


■第4期科学技術基本計画の策定に向けた意見のまとめ
  平成21年11月12日 科学技術・学術審議会学術分科会

はじめに
○ 「科学技術創造立国」を国是とする我が国は、グローバリゼーションという巨大な潮流の中で明治以来ともいえる変化・変革の時期を迎えており、もはや既成の価値観からでは科学技術の発展も国の将来も展望できない転換期に立っていると言っても過言ではない。したがって、第4期科学技術基本計画の策定に際し、今こそ科学技術の在り方を学術や教育も含めた根幹的なところから問い直し、科学技術の発展は学術の振興の中に位置づけられるものであるとの原点に立ち戻りながら、学術並びに科学技術の施策について検討するべきである。

○ 学術とは、英語にすれば“arts and science”とでも訳すべき言葉であり、西欧古代以来の自由学芸と近代以降に大きな発展を遂げた諸科学とを包摂する概念である。それは、人文学、社会科学から自然科学の領域に及ぶ知的・文化的営みを含むものと捉えられ、日本の大学制度の創設以来、我が国の学問全体を包括的に捉えたキーワードとして定着している。すなわち、あらゆる学問の分野における知識体系とそれを実際に応用するための研究活動の総体であり、幅広い知的創造活動を意味する。したがって、学術は、人文学、社会科学とともに、基礎・応用を含む自然科学を包含しているのであり、人類は、学術の探求を通して新しい知を生みだし、それにもとづく応用・技術を通じて、今日の位置を築いた。

○ 学術は多元化した学問を統合させた総称として捉えられるべきであり、人間の知的、創造的営みを包括的にとらえ、諸科学の在り方を総合的に追究するものである。それゆえ、学術の中に、科学技術をしっかりと位置づけ、新しい国際性豊かで独創性に満ちた科学技術の発展を目指すことが重要である。

○ 我が国のみならず国際的な将来を見据えたとき、何よりも、科学技術の発展は学術の振興の中にこそあるということを踏まえるべきである。そのような認識に立ってこそ、大きな転換期を迎えている我が国の科学技術の長期的展望が開かれるのである。すなわち、科学技術の在り方と振興策の位置づけは、我が国の学術の振興の中になされることが重要である。その中では、学術の根幹を担う我が国の大学・大学共同利用機関の改革とそのための十分な支援、次世代の科学技術を担う人材の育成、国際的な協調・連携などが最重要課題であり、これらはいずれも我が国の科学技術の発展のために重要な投資であるとの認識が重要である。

○ 我が国では平成7年に科学技術基本法が制定されたが、この法律では、「科学技術」は「科学及び技術」の総体を意味する言葉として用いられている。しかしながら、この法律の対象とする「科学技術」は、「人文科学のみに係るものを除く」としており、ここでいう「人文科学」は学問分野としては人文学と社会科学を含むものであるため、人文学、社会科学のみに係る知的営みを含んでいない。更にこの法律は、「科学技術の振興に関する施策を総合的かつ計画的に推進する」ことを目的としているので、この法律に基づいて推進される施策は、「総合的かつ計画的に推進する」ことができるような性質を持つものとして、自然科学の中でも比較的短期に成果の現れる応用・開発的な研究とそのための技術開発に焦点が当てられることになる。このような定義とニュアンスを持って使われる「科学技術」という言葉は“Science and Technology”という言葉の国際的な一般的用法と異なるとの指摘もある。
  一方、現実に目を向ければ、人文学、社会科学はこれからの科学技術の健全な発展にとっても今までにも増して重要となっており、また、基礎科学の成果こそが社会に大きな変革をもたらすイノベーションの基盤となっている。このため、第4期科学技術基本計画の策定においては、これらの点について留意し、かつ、世界の動向も十分に踏まえて取り組んでいくことが極めて重要である。
  また、OECDが研究・開発に関する統計の国際標準を定めたフラスカチ・マニュアル2002 (Frascati Manual 2002(OECD))の “4.2 Type of R&D”においては、「Basic research(基礎研究)」、「Applied research(応用研究)」、「Experimental development(試験開発)」の定義がそれぞれ定められており、総務省の「科学技術研究調査」における用語もこれらに沿って定義されている。今後の科学技術基本計画に用いる用語については、改めてしっかりとこのような国際標準との関係を明確にすることが重要である。

○ 学術分科会は、第4期科学技術基本計画の策定に当たり、学術と科学技術のこのような関係を明確にし、学術の全体的発展を追求する中で、科学技術の振興を推進することの重要性を改めて認識し、的確な施策に活(い)かすことが極めて重要との認識に立って、以下の提案・提言を行うものである。


1 第4期科学技術基本計画策定に向けての基本的な考え方
(学術の意義)
○ 学術は、真理の探究という人間の基本的な知的欲求に根ざし、これを自由に追求する自主的・自律的な研究者の発想と研究意欲を源泉とした知的創造活動とその所産としての知識・方法の体系であり、その対象は人間の知的好奇心の及ぶものすべてにわたるものである。それは具体的には、未知の現象の解明や新しい法則・原理の発見、そのための分析や方法論の確立、個別的知識や技術の体系化とその応用、先端的な領域の開拓、精神文化の継承などの活動として現れる。このような学術の研究活動は、大学、研究所、博物館、美術館、学協会を始め様々な場における人間の知的営みであるが、その中心となるのは、基礎研究から応用研究にいたるまで、一定の水準を有する研究者の集積や、学問の自由に基づいた研究者の自主性の尊重等の条件を備えた大学及び大学共同利用機関である。

○ 大学・大学共同利用機関(以下「大学等」という。)で行われる学術研究は、新たな知の創造や幅広い知の体系化を通じて、人類共通の知的資産を創出するとともに、重厚な知的蓄積の形成に資する。その成果は、人間の持つ可能性を拡大させるとともに、産業活動における活用・展開、生活習慣や社会規範への反映等を通じて、新たな価値を創造し、我が国の国際競争力や文化力を高めるものである。また、大学等のみならず、企業の研究所も含め、すべての研究者は、大学において研究の基礎として学術研究を学ぶという意味で、学術研究は社会に対する大きな貢献を果たしている。

○ さらに、我が国の学術研究環境を、国内外に開かれた世界的に魅力のあるものにし、人文学、社 会科学から自然科学まで、幅広い分野にわたる学問を継続して維持・発展させ、人類全体の英知を生み出す基礎研究に貢献し、人類の福祉に資することや、そのために必要な人材を輩出することは、先進国たる我が国が果たすべき国際的な責務でもある。

○ また、革新的技術などのブレークスルーをもたらし、経済・社会の変革につながっていく独創的・先端的な研究成果は、研究者が日常的に研究活動を行う中から意図せずして生まれることも多い。昨今、「イノベーション」の概念が我が国の政策にも取り入れられ、その重要性が認識されるようになっている。例えば、長期戦略指針「イノベーション25」(平成19年6月閣議決定)では、「イノベーションとは、技術の革新にとどまらず、これまでとは全く違った新たな考え方、仕組みを取り入れて、新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことである。」と定義されているが、人類は、学術の探求を通して新しい知を生みだし、それにもとづく応用・技術を通じて、今日の社会と文明を築いた。その意味で、学術研究は、従来より、まさにイノベーション創出の基盤なのである。

(従来の科学技術基本計画における学術の位置づけ)
○ 科学技術基本計画は、科学技術基本法に基づいて、「科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、その振興に関する基本的な計画」を策定するものである。その内容は、「研究開発(基礎研究、応用研究及び開発研究をいい、技術の開発を含む。以下同じ。)の推進に関する総合的な方針」、「研究開発の推進のための環境の整備に関し、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策」等を定めることとされている。科学技術基本法は、「我が国の科学技術の水準の向上を図り、もって、我が国の経済社会の発展と福祉の向上に寄与するとともに世界の科学技術の進歩と人類社会の持続的な発展に貢献すること」を目的としている。

(社会問題の解決や新分野の創出に向けた新たな学問の発展につながる研究の必要性)
○ その一方で、かつてのように学問が貴族や一部の特権的な人々によって支援された時代とは異なり、現代では、大学等における学術研究は公財政支出によって支えられており、また研究成果と社会生活との関係も極めて密接となっている。したがって、学術研究の成果を社会に還元することが求められている。現在、社会は、人類社会の持続可能性を脅かす地球環境問題、人口問題、食糧問題、南北格差や、生命倫理(高度医療、遺伝子組換え食品など)のような様々な問題を抱えているのにもかかわらず、現在の我が国の学術は、それらの解決に向けた方向性をなお十分に示しているとはいい難い面がある。学術研究はその進展につれて専門化・細分化する傾向にあり、社会が抱える複雑な諸問題を一つの分野では扱いきれないのが大きな原因であると考えられる。

○ 学術には、一面はその時々の社会や政治の動向とは独立してその活動を展開する使命がある。しかしながら、もう一面はその時々の社会が抱える問題の解決に向けて指針を示すことも重要な使命である。そのためには、従来の学問分野の枠を超えた新たな学問分野の構築が欠かせない。そのような試みは困難ではあるが、こうした挑戦こそが、社会が要請する学術の社会参加の一つのスタイルであり、社会のニーズにこたえる研究となる。例えば「持続可能な発展」に向けて地球温暖化問題について取り組むのであれば、温暖化について、過去からの累積的な影響について解明するとともに、将来に与える影響を考えなければならず、地球規模での地域間の衡平(こうへい)性の確保のみならず、世代間の衡平性を追求することが課題となる。その解決のためには、自然科学のみならず、社会科学や人文学に至るまで様々な学問の知見を総動員することが必要である。多様に展開した研究分野を集約・統合して、様々な課題を解き明かすため、異分野の専門家が集まって討議を繰り返すことにより、新たな学問が構築され、学問が発展する契機となる。それが基盤となって、課題解決の手掛かりが見いだされていくのである。


■学術研究の推進について(審議経過報告)
  平成23年1月17日 科学技術・学術審議会学術分科会

第1章学術研究の現状・課題等と目指すべき方向
1.学術研究の意義、特性等
(1)学術とは
○ 学術は、英語では“arts and science”に対応する言葉であり、西欧古代以来の自由学芸と近代以降に大きな発展を遂げた諸科学を包摂する概念である。

○ 我が国において、「学術」という用語は、明治19年の帝国大学令の制定により大学制度が創設されて以来、学問全体を包括的に捉えた概念として定着しており、教育基本法や学校教育法等の現行法制においても、大学の目的規定等において用いられている。

○ 学術は、真理の探究という人間の基本的な知的欲求に根ざし、これを自主的・自律的に追求する研究者の自由な発想と研究意欲を源泉とした知的創造活動とその所産としての知識・方法の体系であり、その対象は人間の知的探究心の及ぶものすべてにわたるものである。

○ 学術の振興は、「学術」自体の価値を認めて高めることを目指すものであり、研究者の自主性・自律性の尊重や発揮を振興の基本とするものである。学術はすべての学問分野にわたる知識体系とそれを実際に応用するための研究活動の総称であり、学術の振興は、科学技術の原動力として、社会の諸活動の基盤となる知の蓄積や新たな知を生み出し、人類社会の発展に貢献するものである。

(2)学術研究の意義、必要性
○ 学術研究は、人々の知的探究心を満たし、それ自体、知的・文化的価値を有するものとして、文化の発展や文明の構築の基盤となるものである。人類は、学術研究を通して新たな知を生み出し、それに基づく応用・技術により、生活の質を向上させ、今日の社会と文明を構築してきた。また、人文学・社会科学における人間の在り方の探究等を始め幅広い分野にわたる多様な知の創出により、人間の精神生活の充実も含めた文化の発展や国の豊かさを構築してきた。

○ また、学術研究は、人文学・社会科学から自然科学まで幅広い分野において、基礎研究から実用志向の研究まで幅広く包含しており、新たな知の創造と幅広い知の体系化により、科学技術の推進や社会・国家の発展の原動力となるものである。すなわち、その成果により、新たな価値が創造され、人間のもつ可能性が拡大するとともに、生活習慣や社会規範への反映、産業活動における活用・展開等を通じて、我が国の国際競争力や国力を高めるものである。さらに、独創的・先端的な研究成果は、革新的技術等のブレークスルーやイノベーションを創出し、社会・経済の変革や成長をもたらすものである。

○ 学術研究に国境はなく、その研究成果は人類共通の知的資産として蓄積され、人類全体への貢献が期待されるものである。このため、我が国の学術研究環境を国内外に開かれた世界的に魅力あるものにし、国際的な連携協力や共同研究等を通じて人類全体の英知を生み出すことや、そのために必要な人材を輩出することは、先進国たる我が国が果たすべき国際的な責務でもある。

○ 学術研究の推進を基盤として、社会・経済・文化の発展を図りつつ、世界の知を先導し、人類社会の幸福と持続的発展のための課題解決に大きな役割を果たしていくことが、国際社会における我が国の存在感を高めることになる。このため、我が国の発展の基盤として、また国際社会への貢献として、国が中心になって学術研究の振興に努めることが必要である。

(3)学術研究の特性
○ 学術研究は、研究者の知的探究心を源泉に行われるものであり、研究者の長期の試行錯誤や多様な探究活動の積み重ねを通じて、社会・経済・文化の発展の基盤となる重厚な知の蓄積や独創的な新たな知が生み出されるものである。

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研究振興局振興企画課学術企画室

(研究振興局振興企画課学術企画室)